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[第二弾]妹に言われたいセリフ
- 1 :名無しお兄ちゃん、大好き! :02/08/04 23:23 ID:XGcTRogM
- そのまんま、第2弾です
皆さんの声をがんがん乗せてください!
前スレ↓
http://game.2ch.net/test/read.cgi/gal/1022257886/l50
- 698 :NO.8 :03/01/01 12:02 ID:???
-
「えへへ・・・これでお兄ちゃんも同罪だよ」
にたーっと笑う妹。ダメだ。素面ではあんな顔は絶対にしない。もう完全に酔っている。
どうやら、妹は俺だけビールを飲んでいないのが不満だったらしい。
まあ、確かにあのままだったら俺は絶対にビールは飲んでいなかっただろうが・・・。
心臓が意思とは関係無しに、暴れ回る。
俺の心拍数が上がっているのは、ビールを飲んだためか、なんのせいなのやら最早分からない。
「お、お前なぁ・・・」
俺は、それだけ言うのが精一杯だった。
「あ〜、ずるい〜」
アイツの声が聞こえ、何やらまた口を塞がれた気がしたが、俺の意識はもう沈んでいた。
- 699 :NO.8 :03/01/01 12:03 ID:???
- 次に俺が気が付いたときは太陽が沈もうとしていたところだった。
西日に目を細める。
見ると、妹とアイツも寝ていた。
テーブルの上の料理が減っているところを見ると、意識が無いながらも食べていたらしい。
うーむ、器用な俺。と思う。
まあ、下手をすると俺と妹がさっさと寝てしまい、アイツが1人で沢山食べたのかも知れないが。
それにしても、3人とも、何か、妙に薄着なのはアルコールのため、暑くなったと思いたい。
いい加減、暗くなる前にアイツも帰らないとマズイだろうと思い、起こしにかかる。
「おい、そろそろ起きろ。帰らないと暗くなるぞ」
そう言って揺すると、目を覚ました。
「あれ・・・。いつの間に寝ちゃっていたんだろ・・・」
寝ぼけ眼のまま、周囲を見回す。
アイツがぼけーっとしている間に、俺は妹を起こす。
ぺちぺちと頬を叩くと、簡単に起きた。
「おはよう、お兄ちゃん・・・」
眠そうながらも、何やら満足げだ。何か怖いぞ・・・。
そうして片付けをして帰るアイツ。
曰く「明日も遊びに来るからね〜」らしい。
正月くらい、ゆっくりさせてくれよ・・・と思うが、妹は嬉しそうだ。
ま、カレー事件もあったしな。仲も良くなるわな。
「じゃあ、元旦からお邪魔しました〜」
「じゃあな」「また明日ね〜」
そう言って帰るアイツ。
やっと、落ち着いた正月だな。
ま、何となく寂しい感じはするがな。騒がしい奴だからな。
「でも、お姉ちゃんが来てくれたから、そんなに寂しく無かったよね」
「まあ、確かにな・・・」
- 700 :NO.8 :03/01/01 12:07 ID:???
- 〜帰り道〜
「ふぅ、しかし、ビールに見事引っかかってくれるとはね。
あんなもの、ノンアルコールビールで、アルコールは入っていないのに」
そう言って背中のリュックを背負い直す。
「また楽しいから来年もビールで遊んでやろうっと」
満足そうに微笑む笑顔がそこにあった。
と言うわけで突発SS終了です。
推敲を殆どしておらず、いつにも増して見苦しいですが、よければ、どうぞ。
と言うわけで、皆さん、今年もよろしくお願いします。
>Masked Rider Moe氏
楽しみにしています。頑張って下さい。
- 701 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/01 12:20 ID:???
- No.8氏新年早々お疲れです。 萌えますた。
みずいろをやっているせいかSSに書かれている妹が全部雪希タンに思えてかなわん。
- 702 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/01 13:32 ID:???
- No.8氏、新年早速の投稿ご苦労様。
>>694氏
一応、あの短文はあれでおしまいだ。次回、長いのを投下しようと思っている。
現在、早急に片付けなければいけない用事があるので、しばし待ってほしい。
P.S. 初日の出 見る事かなわず 漢泣き (字余り
- 703 :勝手に691の続き :03/01/01 19:18 ID:???
- 「しっかし…お前もクリスマスを一緒に過ごす男とかいないのか?」
「な、何よっ! お兄ちゃんだって同じじゃない!」
「ぐっ…お、俺の事はいいんだよ! それに…俺だって全く当てがない訳じゃない」
「うそっ! だ、だれのこと!?」
「何ムキになってんだよ…」
「分かった! この前つれて来た人でしょ!」
「いてっ、いてて、止めろって!」
「はくじょうしなさい〜!!」
━━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━━
クリスマスソングの流れる商店街を無言で歩く二人。
兄はなにも言わないが歩調を合わせて歩いていることを妹は知っていた。
気がつけば回りはカップルばかり…
「ね、ねえお兄ちゃん…私たちって周りからどう見えてるのかな…」
「んあ? どうって何だ?」
「た、例えば…例えばだけど…恋人…同士…とか…」
「あ! おい! あそこの吉○家なんてどうだ? 並が150円引きだってよ!あ、お前特盛だっけ?」
「…(ぷるぷる)」
「しかし並を二つ頼むって手も…ん?どした?」
…今日が特別な日であることを全く理解していない兄であった。
- 704 :703 :03/01/01 19:18 ID:???
- ∧||∧
( ⌒ ヽ カッテナコトシテゴメンナサイ…
∪ ノ
∪∪
- 705 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:11 ID:???
- >>703-704
いい出来だ。むしろ、こちらが感謝したい。
では、初詣verを投下する。(登場人物がNo.8氏のとは違う点に注意)
「ふぁ〜〜っ」
俺の元旦の朝は、大あくびと頭痛から始まった。
(おいおい・・・なんか、幸先よくねェな。そもそも、年明けてから何してたっけ?)
記憶をたどろうと、ベッドから降りようとしたが、できなかった。
(・・・なんで、こいつが隣にいるんだ?)
妹が、俺の腕にしがみついて寝ていた。しかも、下着姿で。
(こ、こいつ・・・なんちゅうカッコを・・・あ、でも黒はそそられるものが・・・って!)
慌てて妄想をかき消すと、妹を引き剥がしにかかった。が、想像以上の力でしっかりとしがみついたままだ。
(やれやれ・・・どうしたものか・・・・・・お?)
「あふぁ〜〜っ」
妹も目を覚ました。コアラのように引っ付きやがって、と思いつつ、引き剥がす。
「あ、あれ・・・にぃにぃ、おはよ〜・・・と、あけおめことよろ〜」
まだ、夢うつつの状態のようだ。少し強めにでこピンをかまして起こす事にする。
「・・・いった〜い!」
「そりゃ、痛くなるようぶち込んだからな。目ぇ覚めたか?」
「おかげさ・・・ッッッ」
どうやら、妹も頭痛のようだ。ああ、俺も頭痛のおかげか、記憶が甦ってきた。年明けの晩・・・
━━━━━━━━━━━━━━━( ゚∀゚)つ〜回想中〜⊂(゚∀゚ )━━━━━━━━━━━━━━━
「あっけまして、おっめでと〜〜〜♪」
「・・・おめーとう」
「もう、盛り上がってな〜い!ほら、がんがん飲むよぉ!」
(・・・ミスったぜ。親父秘蔵の焼酎を出してきたのはよ・・・)
「あ〜〜〜、にぃにぃ、やらしい目してるぅ。そんな目でこっち見ないでよぅ」
(こいつがこんな酒乱とは思わなかったぜ・・・さて、どうしたものか・・・っと?)
- 706 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:14 ID:???
- 「・・・そんなに見たい?」
「あ?」
「いいよ、見せても・・・うふふ・・・」
(まずい、完全にできあがってやがる!ううっ、ぬ、脱ぐなぁ!)
「ほら〜〜下着だけになっちゃった〜〜〜♪にぃにぃ、どう?」
(ぬぅ、我が妹ながら、発育よすぎだ・・・じゃなくて!)
「ばっ、バカっ!風邪引くぞ!ほら、上着かけてやるから」
「きゃはは〜!赤くなってる〜」
「酒飲んだんだから、たりめぇだ!(それだけじゃないが・・・)」
そして、上着掛けようとして、妹はこっちへつんのめってきた。
―――――どさっ―――――
- 707 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:18 ID:???
- 「あ・・・」
「・・・にぃにぃ」
互いの息がかかる距離まで、顔が近づいた。
「にぃにぃ・・・私の事、好き?妹じゃなくて、女として・・・」
「そっ、それは・・・」
「答えてよ!にぃにぃ・・・!」
「・・・・・・ッッッ」
(なんて答えればいいんだよっ!・・・お?)
「すー・・・すー・・・」
「・・・こいつ、散々破廉恥な事しといておねんねかよ・・・ま、これで一段落だな」
とりあえず、部屋へ抱えていってベッドに寝かせる。
「あ〜あ、朝が頭痛だな・・・こりゃ。しゃあねぇか・・・」
ベッドに横たわると、あっという間に意識がブラックアウトした。
- 708 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:30 ID:???
- ━━━━━━━━━━━━━━━( ゚Д゚)つ〜回想終了〜⊂(゚Д゚ )━━━━━━━━━━━━━━━
・・・妹も同じように回想していたみたいが、如何せん泥酔してたので、殆ど思い出せてないようだ。
「・・・にぃにぃ」
「ん?」
「こンの・・・エロオヤヂ(not誤植)〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ!!!」
―――――ごきぃぃぃぃぃん―――――
「フッ・・・ナイスストレートだぜ・・・いいパンチだ・・・」
「あ・・・」
「意識が朦朧として・・・じゃねぇ!なにさらすんじゃゴラァ!」
10数分後、必死に謝る妹の姿があった。昨晩の事を、98%思い出したらしい。
「ホントにごめん、にぃにぃ」
「・・・ふん」
「ごめんってば〜〜」
「・・・もういい。それより、全部思い出したか?」
「自分で脱いだあたりまでは思い出したけど・・・」
「そうか・・・ま、とりあえず支度するかぁ」
「?」
「初詣に行くぞ!頭痛が小康状態のうちにな・・・」
「あ、うん・・・そうだね・・・」
1時間後、片づけやら身支度やらをして、近所の神社に向かった。
- 709 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:39 ID:???
- 賽銭を放り投げ、願い事をした後。
「・・・ふん・・・末吉かよ・・・」
「中吉だぁ♪」
俺も妹も、まずまずの運勢のようだ。
「ところで、お前は何てお願いしたんだ?」
「教えない」
「じゃ、俺も」
「え〜〜〜」
「お前が教えたらな」
「ずるい〜〜〜」
家路に着く。妹は、昨日の自分の行いを思い出して、ほおを赤く染めていた。
そして、その状態で上目遣いに俺に話しかけてくる。
「・・・御節の用意しなきゃね」
「作っといて正解だったな。それにしても、ホントに後の事が思い出せないのか?」
「うん・・・」
「そっか。まあ、その方がいいな」
「・・・(ホントは、全部思い出したけど)・・・」
「ん?なんだ?」
「う、ううん!なんでもないよっ!」
家に帰り、御節を喰ったところで、2人して頭痛再発。
「・・・寝るか」
「・・・そうだね」
すごすごと部屋へ退散する俺と妹であった。
- 710 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/02 21:43 ID:???
- ・・・このあと、また一悶着あるのだが、後日。
実は、アドリブでいつも作っているのだが・・・楽しんでいただけると幸いである。
遅ればせながら、あけましておめでとう・・・今年もよろしく・・・
- 711 :703 :03/01/04 14:24 ID:???
- >>705ありがとうございます〜
。。
。 。 + ヽヽ
゜ 。・ 。 +゜ 。・゚ (;゚´дフ。
ノ( /
/ >
>705-709
いつも萌えなSSお疲れ様です。
私はいつもこのスレを楽しみにしてるROMなのですが
住民の方々はいなくなっちゃったんでしょうか…(つд`)
- 712 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/04 14:36 ID:???
- >>711
まぁ、いないことは無いだろ。
俺も一応、下手糞なSS書いてるんだけど…
皆上手いし、380周辺の点呼の辺りには参加してなかったから貼るのは気兼ねするんだよなぁ…
- 713 :703 :03/01/04 14:52 ID:???
- Σ(・∀・ )!!
>712さんのSSが貼られる日を楽しみに待っております
- 714 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/06 14:43 ID:???
- 捕手上げ
- 715 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/06 22:33 ID:???
- 一悶着の話を。
「・・・ん?」
ふと目が覚めた。午前2時。妙な時間に起きてしまった。
横に目をやると、妹がぐっすりと寝ている。
「またか・・・」
妹は、時々夜中に起きては、夢うつつのまま俺のベッドに潜り込む事が多々あった。
だが、今回はちょっと(いやかなり)違った。
「・・・ッッッ!」
上着は俺のトレーナー。以前、寒い晩に貸してやって、そのまま寝間着にされちまったやつだ。
下は・・・ぱ・・・もとい、下着オンリーだ。
「う・・・ん・・・」
妹が寝返りを打つ。妹には大きすぎるトレーナーのため、胸元がちらりと覗く。
「・・・ふう、上は着けてないわけか。風邪を引きたいのかこいつは」
部屋へ連れて行こうと思ったが、頭痛の余波か身体がだるい。
「しかたない・・・体勢的にきついが、背を向けて寝るか・・・」
横になろうとして、妹がしっかりと腕を絡めている事に気付いた。
「むにゃ・・・にーにー・・・そんなとこさわっちゃだめだよぅ・・・」
「何の夢を見ているだこいつは・・・のんきなもんだぜ」
やむなく、元の体勢のまま寝る事にした。
- 716 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/06 22:41 ID:???
- 朝。その日の朝は、一発の渾身の右フックが俺のテンプル(側頭部)を捕らえたとこから始まった。
―――――ごぃぃぃぃぃん―――――
「なぁに考えてるのよ、にぃにぃ!!!」
「ってぇ! 何すんだよッ!」
「ナニしたのか、白状しなさ〜〜〜〜〜〜〜〜い!!」
今度は延髄斬りをまともに喰らう。
―――――がつぅぅぅぅぅん―――――
「がはぁっ! こ、こんのぉぉぉ・・・! 俺は怒ったぞ〜〜〜ッッッ!!!」
妹のバックを取り、脇をくすぐる。
「はぁっ!? きゃ、きゃははははははっ!」
「散々かましてくれやがって〜〜〜! 降参して話聴くまでやめないからなぁ!」
「わ、わ、分かった! 降参するからぁ〜〜〜! やめて〜〜〜!」
・・・その後、また一戦を経て妹を納得させた俺であった。
この間、2時間半。昼まで続いた事になる・・・
妹よ、もうちっとおとなしくなってくれぃ。
ま、そんなお前も・・・。
- 717 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/01/06 22:43 ID:???
- いかがかな?萌えには程遠いがな・・・
他の人も、がんがんSSを投下してくれい。
きっと、俺よりはるかに出来がいいだろうから。
- 718 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/08 19:01 ID:???
- hosyuage
- 719 :NO.5 :03/01/09 00:44 ID:???
- 皆様大変遅れ馳せながら(大汗)新年明けましてお目出度う御座居ますm(__)m >>712さん、全然無問題かと思います。是非よろしくお願いします。Masked Rider Moeさん NO.8さん。相変わらずの萌え文堪能致しました…いずれ自分もお邪魔させて頂きます
- 720 :山崎渉 :03/01/09 09:54 ID:???
- (^^)
- 721 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/11 11:02 ID:???
- 保守
>Masked Rider Moeさん
続きが気になります。楽しみにしています。
- 722 :712 :03/01/11 23:06 ID:???
- それではお言葉に甘えて…
土曜の夜8時過ぎ、俺は特に何をするわけでもなくベットに寝転んでいる
「お〜い、お兄ちゃ〜ん。起きてる〜?」
ゆっくりドアが開いて、半開きのドアの向こうから妹が顔を出す
「ノックぐらいはしろ!」
俺は天井を見ながら、妹に怒鳴る。
「何よ〜、お兄ちゃん今日は機嫌が悪いんだね〜?」
「そうか?いつも通りだと思うが…。まあいい、次は気をつけろよ」
「気をつけろ…ってノックだったらさっきから何度もしてたよ〜。お兄ちゃん気付かないんだもん」
「そりゃ悪かったな。で、何の用だ?」
「え〜と…勉強を教えて欲しいんだけど、ダメ?」
「…」
「ダメ…だよね…。ごめんね、変なこと聞いて…」
「…いいよ、教えてあげるから持って来な」
「うん、ありがとう!ちょっと待っててね♪」
今度は表情を明るくさせ、妹は俺の部屋を後にする
「顔をコロコロ変える奴だな…」
俺はのっそりと起き上がった。
- 723 :712 :03/01/11 23:06 ID:???
- 「お兄ちゃん、お待たせ〜♪」
部屋に入ってきた妹をテーブルの前に座らせ、俺も向かいに座る
「で、俺は何を教えればいいんだ?」
「えーと、コレなんだけど…」
と言って妹が差し出したテキストは国語、数学、社会、理科、英語
即ち…
「全教科じゃないか!」
「うん、そうだよ〜。お兄ちゃん頭いいからこんなの簡単だよね?」
あっさりと言ってくれるな妹よ。まあ、これぐらいならなんとかなるだろう
「じゃ、まずは国語からやっていくか」
「うん♪」
妹はテキストを開き、静かに読み始める
しかし、数分いや数十秒と経たないうちに、妹は声を上げる
「お兄ちゃ〜ん、コレ何て読むの〜?」
と言って指差した文字は『梅雨』
「お前、まさかこんな字も読めないのか…?」
「も〜、お兄ちゃんのいぢわる…。読めないから聞いてるんだよぉ…」
「『つゆ』だ…」
「へぇ〜、やっぱりお兄ちゃんって頭良いんだね?」
「……」
そんなこんなで結局、国語を終わらすのにかなりの時間がかかってしまった…
- 724 :712 :03/01/11 23:06 ID:???
- それにしても…
「お前、もしかして…国語苦手か?」
少し休憩時間をとって、妹に聞いてみる
「ううん、得意なほうだけど、どうかしたの?」
「いや…なんでもない…。さて、休憩終わり!次は数学にしようか」
「ね、ねぇ、お兄ちゃん。数学は明日にしようよ!」
突然、妹は焦ったように言った。
「え?何で?」
「だって…私、数学苦手だから…」
「前のテストは何点だった?」
「………38点」
「何ぃ!」
驚きのあまり大声が出てしまった
「次のテストでも50点以下だったら…補習を受けなきゃいけないんだよ。
そうしたらお兄ちゃんと一緒に学校に行けなくなっちゃう…」
「そっか、頑張らなきゃな…。で、次のテストはいつだ?」
「来週の月曜日…」
「何ぃ!もうすぐじゃないか!」
「うん、時間が無いよね…、これからもずっとお兄ちゃんと一緒に学校に行きたかったけど…諦めるよ…」
妹は俯きながら力無くそう言った。
「…よし、じゃあこうしよう」
「…?」
「お前が数学のテストで50点以上取れたら…お前の言うことを何でも聞いてやるよ」
「ホント?絶対、約束破っちゃダメだよ!」
「もちろんだ…」
これで妹は元気を取り戻したようだ、妹の顔にも笑みが見える。
「よし、俺も頑張って教えるからな!」
「うん、私も頑張るぞ〜」
俺たちはカリカリと勉強を再開した。
- 725 :712 :03/01/11 23:07 ID:???
- もうこんな時間か…風呂に入って寝よう…」
「う〜ん、私はもう少しだけ…」
「人間は眠いと物事が頭に入らないらしいぞ。だから今日はお終いだ」
「…ねぇ、お兄ちゃん。一緒にお風呂入ろ♪」
「ダメだ」
「いいじゃない〜、一緒にお風呂入ろうよ〜」
こういうところは小さい頃から何も変わっていない。
まあ…それがコイツのいいところなのであるが…
「ダメだ」
さすがにコレを聞き入れる訳にはいかない、またキッパリと断った
「何でダメなの〜?理由を教えてよ〜」
「ぐっ…それは…」
「あ、恥ずかしいんでしょ〜?お兄ちゃん、顔が真っ赤だよ〜」
「恥ずかしい恥ずかしいって…お前は恥ずかしくないのか?」
「え?何で?兄妹なんだから全然恥ずかしくないよ〜」
「俺には兄妹だからって言う理由が分からんぞ…とにかくダメって言ったらダメだ」
「何で〜?お兄ちゃんだって私の裸見たいでしょ〜?」
「み、見たくない…。だ、大体お前どうして俺と入りたがるんだよ?」
「あのね…怖い話を…聞いたから…」
そういえば、コイツは昔から怖がりだった。
そんなことを考えているうちにも、妹はなおも俺に甘えてくる
「だから〜、お兄ちゃん。お風呂入ろ〜よ〜」
「あー、分かった。一緒に入るわけにはいかないけど、俺は脱衣場にずっといる。いいだろ?これで」
「やっぱり一緒にお風呂が…」
「まだ言うか…。準備して来い。俺は先に風呂場に言ってるから」
「はーい…」
妹は不服そうに言って自分の部屋へと歩いていった。
- 726 :712 :03/01/11 23:07 ID:???
- 脱衣場の外で俺は座っている。
「お兄ちゃん、ずっと私とお話ししててね!」
「ああ、そうする」
「絶対だよ!」
「約束するから、早く入れって!」
「う〜、分かったよぉ…」
「おい!」
「なぁに?」
「見られちゃ不味い物は隠しとけよ」
「も〜、お兄ちゃんのえっち〜。ちゃんと隠してあるよ〜」
妹はそう言って風呂場の方へ入って行ったようだ
「お兄ちゃ〜ん、いいよ〜」
そんな声が聞こえ俺は脱衣場の中に入り、風呂場のドアにもたれかかる。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?何だ?」
「お兄ちゃんは…その…えーと……」
「あー!早く言え!」
「お兄ちゃんは…その…彼女とかはいないのかな…?」
「俺がいるように見えるのかよ?」
「ううん…そうじゃないけど…。じゃあ、好きな人は…いるの?」
「別に…。お前、さっきから何でそんなこと聞くんだ?」
「別にぃ。ちょっと気になったからね♪」
妹の声は何処と無く弾んでいた。
「俺のことはどうでもいいんだよ、お前にはいるのか?好きな人とか、彼氏とかが」
「あれ〜?お兄ちゃん、まさか私に彼氏が出来るのが心配なのぉ〜?」
「まあ、心配と言えば心配かな…。お前も恋愛ぐらいは経験しとかなきゃな」
まあ、俺が言うのも説得力が無いが…
その後、妹は何も言わなくなってしまった。
- 727 :712 :03/01/11 23:07 ID:???
- 妹が風呂から出た後、俺も適当に風呂を済ませる。
もう妹はもう寝てしまったのだろう、俺の出す物音以外は静かなものである。
着替えを終え、脱衣所から出ようとドアノブに手をかけドアを軽く押す
が、ドアが開かない。
今度は全力で押してみる。するとズズズと音を立てながらドアが開いた、そこには…
「なんて奴だ…。こんなところで寝てるよ…」
ドアにもたれかかって、妹が寝ていた。
「おい、起き…」
妹の肩を掴み起こそうとした瞬間、妹が寝言を呟いた
「おにい…ちゃん…いっしょにねるのって…ひさしぶり…だよね…」
なるほど、俺と一緒に寝る約束をしようと思ってここで待っていたが、結局眠ってしまったと言うわけか
夢に見るとはそこまで俺と一緒に寝たかったのだろうか…
「おい、起きろ」
肩を軽く揺すってやると、妹はゆっくり目を開けて俺の方を見た
「ん?ああ、お兄ちゃん、おはよう…」
「おはよう…じゃない」
「お兄ちゃん、何言ってるの〜?朝のあいさつは『おはよう』だよ〜?」
「もういいや…。寝るぞ」
「お兄ちゃん、さっきから何言ってるの?寝るのは夜だよ?朝になったら起きなきゃ…」
ダメだ、完全に寝惚けてる
「まあいいや、なんだか私も眠たいし…もう一回寝よう…」
「おまえ一人じゃ不安だから、その…一緒に…寝てやるよ…」
「うん、いいよ〜。好きにして〜」
意外とあっさりとした答えに落胆しながらも、俺は半分寝ている妹と共に妹の部屋へ歩いていく
妹の部屋はきれいに片付いていて…女の子らしい部屋だ
俺は妹をベッドに寝かせ、その隣に横になった。
意識が遠くなるのはそう後のことではなかった…
- 728 :712 :03/01/11 23:10 ID:???
- ここで終わってもいいのですが…とりあえず前半です。
内容は、小学生の作文レベル(w ですので、暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。
- 729 :703 :03/01/12 23:55 ID:???
- >>722-727
Σ(・∀・ )イイィィィィィ!!
お世辞とかでなく純粋に面白いです。続きも楽しみにしてますよ〜。
にわかに活気付いてきたヨカーン
- 730 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/14 21:49 ID:???
- 712氏、面白いです。萌えますた。
これからも頑張って下さい。
- 731 :NO.5 :03/01/15 04:19 ID:???
- >>712さん ご馳走様でした(W 堪能しました! 続きキボンヌです(W と、偉そうな事ばかり書いて何にもしていないDQNな自分…
- 732 :712 :03/01/16 21:33 ID:???
- 「お〜い。お兄ちゃ〜ん、起きてよ〜」
妹の声で目が覚めた
「珍しいな、いつもは俺のほうが早いのに…」
「ねぇ、お兄ちゃん。お兄ちゃんはどうして私の横で寝てたの?」
「え…それは…」
「まさか…お兄ちゃん、私にえっちな事を…?」
「やってない!」
「ムキになるところが怪しいな〜。そういえば私のムネも小さくなってるよ〜?」
「元々その大きさだろうが!」
「何もしてないんだったら。エロエロなお兄ちゃんは一体私の横で何をやってたの〜?」
「いや、その…俺が風呂から出たらお前が寝てたから…ここに連れて来て俺もここで寝た…これでいいか?」
「そうじゃなくて〜!どうしてここで寝たのかを聞いてるんだよ〜?」
「理由なんか無い、眠かったから寝た。それだけだ」
「じゃあ…今日のところはお兄ちゃんがえっちだったってことで許してあげるよ」
「どうしてそうなるんだよ!」
「ウソウソ、冗談だよ。そんなに怒らなくってもいいのに〜」
妹はそう言って軽く頬を膨らませた。
「でもね…私、嬉しかったよ♪実は昨日、お風呂のところでお兄ちゃんを待ってたんだ♪」
妹は微笑みながら、俺に昨日の夜の記憶を話し始める
「で、そこで寝ちゃったんだけど…。夢の中でお兄ちゃんが『一緒に寝てやる』って誘ってくれて…
それで朝起きたらお兄ちゃんが隣で寝ているからビックリしちゃった」
…何も言えなくなってしまった…
「でも最初はお兄ちゃんと寝ている夢だったんだけどなぁ…順番がおかしいよね?」
「…」
「…お兄ちゃん…?お〜い、お兄ちゃん?にぃ!兄貴!兄や!…何でもいいから返事してよ〜!」
「ああ…何?」
「…無視するなんて酷いんじゃない?」
「…さ〜て、朝飯だ!」
俺は適当に話をすり替えて、部屋を後にした
- 733 :712 :03/01/16 21:33 ID:???
- 午前中は妹の勉強で半日を費やしてしまった。
妹の学力の程はと言うと…酷すぎる。
公式や文法だけでなく常識すら怪しいのだ…
「ふぅ…疲れた…」
「お疲れ様♪」
「そういえば…テスト明日だったよな?自信の程は?」
「ん〜、全然…」
「おいおい…大丈夫かよ?」
その言葉に反応して、妹がニヤッと笑った
「お兄ちゃんが、一緒にお風呂に入ってくれたら、きっとテストもよく出来るよ♪」
「断る」
「え〜?何で〜?私がテストダメでもいいの〜?」
「俺には関係ない…」
「そんな酷いこと言わないでよ〜、私とお風呂に入るだけだよ?何がそんなに嫌なの〜?」
「全てだ…」
「…お兄ちゃんは私のこと嫌いなの…?」
妹は泣きそうな声を出す。まぁ、演技なのは分かっているが…
…しかし、困ったぞ。この状況では…
1.「しょうがないな…」といつか妹に負けて一緒にお風呂
2.「やだぁ!絶対、お兄ちゃんとお風呂に入る!」と無理矢理一緒にお風呂
のどちらかだ。
どちらにしろ俺の望むべきところではない。仕方ないな…
「………腹減った…」
俺はポツリと呟く
「そういえば、もう十二時過ぎて…って、そうじゃな〜い!」
「たまには、外飯でもするか!よし行くぞ!」
「あ〜、話をすり替えるなんてズルイよ〜!」
「さーて行くか」
「あ、待ってよ〜」
俺はかなり強引に妹を外へ連れ出し、お昼時の町を歩き出した
- 734 :712 :03/01/16 21:33 ID:???
- 「何が食べたい?奢ってやるから遠慮なく言ってみろ」
商店街を歩きながら俺は妹に尋ねる
「何でも…いいよ…」
と言いながらも、妹の目はある一点に釘付けになっている。
「もう一度聞くぞ。『遠慮なく言ってみろ』」
「え〜と…あのお店…。でも…違うところでいいよ…。お兄ちゃんにムリさせちゃ悪いから…」
「よし…そこに決定。行くぞ」
「でも…高いよ…?だから…やめようよ…」
「…お前のためじゃない。俺がそこに行きたいから行くだけだ…」
「…お兄ちゃん…ありがとう!」
「…さあ行こう、腹も減ったしな」
と言って動き出す俺の腕に何か暖かいものが触れた
「お兄ちゃん、手を繋いで歩こう?」
「…まったく…最近妙に積極的じゃないか?」
「いいじゃない♪たまには昔みたいに…ね♪」
「ったく…、今日だけだからな…」
差し出された俺の手を、妹は小さな手で軽く握る。
そして、再び歩き出した俺を妹が止めた
「ねぇ、お兄ちゃん。顔、真っ赤だよ?」
「…黙ってろ!」
「冷たいなぁ、折角可愛い妹が手を繋いであげてるって言うのにぃ!」
俺たちはそんな話をしながら、レストランに向かう。
二人の手は触れる程度だが結ばれていた。
- 735 :712 :03/01/16 21:33 ID:???
- 「ねぇ、お兄ちゃん♪お料理とっても美味しかったね♪」
帰り道、二人で並んで歩く。
俺の隣から発する声は何時に無く弾んでいた。
「…そうだな」
「また一緒に来たいね♪」
「今度は、俺とじゃなくて彼氏と行けよ…」
「今度も…だよ、お兄ちゃん」
「ん?何か言ったか?」
「なんでもないよ♪」
そう言って、俺の腕に抱きつく
「バッ…バカ!止めろ!」
妹を振り払い、怒鳴る
「何で〜?理由を聞かせてよ〜」
「ダメと言ったらダメだ。俺は腕なんか組まん!」
「もういいよ〜。勝手にやらせてもらうから〜」
そういって再度抱きついてくる妹。
さっきよりも力が強く簡単には振り払えなかった。
「ねぇ、お兄ちゃん、恥ずかしいでしょ?」
「…そう思うのなら放してくれ…」
「やだよ〜。真っ赤になったお兄ちゃんも可愛い〜!」
「兄をからかうなよ…」
「ほらほら、私のムネがお兄ちゃんの腕に当って…キャー!お兄ちゃんのえっちぃ!何考えてるの〜?」
「…少しは黙って歩け!」
「まったく、嬉しいくせにぃ!」
傍から見たら、カップルに間違われそうな二人だった…
- 736 :712 :03/01/16 21:33 ID:???
- 「う…朝か…」
俺は大きな欠伸をして布団から這い出る。
時計を見ると…少し遅い。
「アイツは…まだ起きていないのか…。まぁ昨日、一人で遅くまで勉強してたみたいだからな…」
俺は少し迷ったが妹を起こしてやることにした。
手早く着替えを済ませ妹の部屋に向かう。
「おい、起きろ。遅刻するぞ。」
「お兄ちゃん…あと五…」
「五分も待ってられるか…早く起きろ」
「あと五時間…」
俺は無言で引っぱたく
「痛!何するのよ〜?」
「おはよう。目ぇ覚めたか?」
「…おはようのキスは…?」
「いいかげんにしろ…」
また妹を叩く
「痛!何よ〜、冗談だよ〜」
「…アホな事やってないで、早く準備しろよ…」
妹は起き上がるとジッと俺のほうを見る
「何だよ?」
「着替えるから…出てってよぉ…」
「ああ、すまんな…。先に飯食ってるぞ…」
「うん。すぐ行くね♪」
足早に妹の部屋を出る。
「アイツ…冗談キツイぞ…」
そんな愚痴をこぼしながら、俺は妹の分の朝食も準備してやるのだった…
- 737 :712 :03/01/16 21:34 ID:???
- それからいつもと変わらない生活が一日過ぎ、二日過ぎ…そしてまた土曜日の夜が巡り来た。
「ジャ〜ン!」
妹が五枚の紙を俺に見せる。
「ん?テストか?」
「うん。よく見てよ〜」
「どれ…78点、65点、70点、68点、83点…おお、よく出来たじゃないか…」
「そうでしょ〜♪」
「まぁ、お前がここまでやれたのも俺のおか…」
「お兄ちゃん!」
「ん?何だ?……!!」
全ては一瞬だった。
俺が振り向くと同時に迫ってくる妹の顔。そして…唇にやわらかい感触。
「ぷはぁ…お兄ちゃんとキス…しちゃった…」
「ババババ…バカヤロウ!何するんだ!」
「エヘヘ…だってお兄ちゃん、何でも言うこと聞くって言ったでしょ?」
「そういう問題じゃない!」
「まったく…顔を真っ赤にしちゃって…見てるこっちが恥ずかしいよぉ」
「そりゃ…こんなこと…初めてだったから…」
「でも…お兄ちゃん、嬉しそうだよ?」
「嬉しい嬉しくないは関係ない。俺たちは兄妹なんだぞ!分かってるのか?」
「妹だからってお兄ちゃんとキスしちゃいけないの〜?それはおかしいよ〜!」
「そもそも、何でこんなことすんだよ!」
「決まってるじゃない…。お兄ちゃんのことが大好きだから…だよ♥」
普通ならば、ここで抱きしめたり、キスなどをすべきところなのだろうが…
でも俺は今の生活が好きだから…
…『恋人』であることを望むコイツには悪いが、俺はこのままコイツと『兄妹』でいよう…と思う…
- 738 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/16 21:38 ID:???
- >>722-737
萌え長文キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!
モヘ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━ !!!
- 739 :712 :03/01/16 21:41 ID:???
- お待たせしました(誰も待ってないか…)後半です。
これで終わりと言うことになりますが、今まで読んでくれた皆さん、どうもありがとうございました。
また機会があれば、貼らせて貰いたいと思います
- 740 :NO.8 :03/01/18 08:33 ID:???
- >712さん
とても面白かったです。萌えです。
やはりここのSSは萌え系で行かないとダメですね・・・。
ビバ、兄妹愛!美しいです。
・・・今書いているバレンタインものも上手く行かない予感。
萌え文章って難しいですねぇ。
- 741 :712 :03/01/19 08:34 ID:???
- 「お兄ちゃん、起きろ起きろ〜」
ペチペチと額を叩く妹。
「寝かせてくれよ…今日は日曜だぞ…?」
「やだ〜!今日はお兄ちゃんと遊びに行くんだよ〜」
「遊びに…って何処に…?」
「え〜と…コレ…」
といって一枚の紙を俺に見せる妹
「『あのヒーロー達と供に、あのイベントがやってくる!!』…何だこれは…?」
「うん♪え〜と、私が見たいのはここなんだけど…」
とチラシの一部に指を指す。
「『仮面ライダー龍騎出演の俳優が来場!トークショーを繰り広げます!! 』…なるほどね…」
「エヘヘ…すごくカッコいいんだよぉ♥」
「…一人で行け…」
「一人で行けたら頼まないよ〜。ね、だからお願い!」
「嫌だ…」
「何で〜?理由を言ってくれなきゃ納得しないよ〜?」
「ほら…可愛い妹が…コイツに取られちゃったら…困るからな…」
「大丈夫だよ!私の一番はお兄ちゃんなんだから!…だから連れてってくれるよね?」
「…もしかして…俺、上手くハメられたのか?」
「よ〜し、そうと決まれば…気合入れておしゃれしちゃうぞ〜!」
と言って騒がしく自分の部屋に走っていく妹を寝惚け眼で見送った…
「聞いてないね…。…俺も支度するか…」
- 742 :712 :03/01/19 08:34 ID:???
- ─まったく…アイツがああいうのが好きだったとはな…
─まさか、お兄ちゃんが私のことをそこまで言ってくれるなんて♪
─へ〜、こんなこともやるんだ…。懐かしいな…この番組、子供の頃よく見てたよ…
─キャ〜!松田君とお兄ちゃん…どっちかなんて選べないよ〜♥
─最初から…意地悪しないで素直に『連れてく』って言えばよかったかな…?
─最初から…お兄ちゃんとデートしたいって言えばよかったのかな…?
─いつも…アイツの頼みを聞いてやることなんて無いからな…。今日ぐらいは付き合ってやるか…
─いつも…ワガママ言って迷惑かけてるからなぁ…。今日ぐらいは大人しく…って訳にはいかないか…
─つまらない顔見せたらアイツも責任感じるだろうからな…。俺もテンション上げていくか!
─私が無理矢理お兄ちゃんを連れ出すんだから…私が盛り上げないとね!
「忘れ物は無いか?」
「うん♪カメラも持ったし、双眼鏡も持ったよ!」
「よし、出かけるか!」
「ねぇ…お兄ちゃん…」
「ん?」
「お兄ちゃん…嬉しそう…」
「お前もな…」
俺は少し戸惑いながらも妹に手を差し出す。妹は嬉しそうにその手を掴む。
二人の想いが交差する休日。
まぁ…こういう休日も…悪くない…かも…
──────────────────────────────────────────────────
仮面ライダー龍騎、最終回記念!…と言うのは半分嘘です(w
前の物の続きというか…補足というか…番外編というか…です。
※この話は一部、実際の話をモデルにしております(w
部外者がでしゃばり過ぎてしまったので、俺が貼るのはコレで最後にします。
今まで感想をくれた方々、ありがとうございました。
- 743 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/19 09:26 ID:???
- 部外者も何も無いだろうに。
気兼ねすることなく、貼ってくれること希望。
俺も点呼には参加していないので部外者と言えば部外者だけど。
ここのマターリ感が好きで、途中から保守参加している(w
実際の話をモデルって、もしや712さんもリアル妹が?
などと言ってみる。
- 744 :712 :03/01/19 09:37 ID:???
- >>743
そういってもらえると有り難いですね。
男に二言は無い…つもりでしたが、またバレンタインデーにでも…
>実際の話をモデルって、もしや712さんもリアル妹が?
います。でもウチのは妹と言うより弟(w
ttp://www.toei.co.jp/tv/ryuki/cast/matsuda.asp
ちなみに彼↑が『松田君』です。
- 745 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/19 20:25 ID:???
- >712
次からはNo17を名乗り
がんがんSSを貼り付けてください(w
- 746 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/22 11:25 ID:???
- uysoh
- 747 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/23 19:24 ID:aTrlGfSq
- それより>>1よ、うちの妹を何とかしてくれ。
外で嫌なことがあったらしく(教師に怒られたらしい)、家に帰ったとたん
チューハイ飲みながら俺の部屋に入ってきて、愚痴はじめやがった。
仕方なく聞いてやっていたら、30分後にいきなり俺のベッドに寝転がって
寝ちまった。そのままずっと起きてこない。
てめえ、いきなり入ってきて、人の部屋占領してんじゃねえよ!
俺はどこで寝りゃいいんだ! 何とか言いやがれゴルァ!
- 748 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/23 19:32 ID:???
- 妹「おまえはもう、死んでいる!」
- 749 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/23 21:23 ID:???
- >>747
まぁ、落ち着いて…
愚痴ならばこっち↓のほうが良いぞ
http://game.2ch.net/test/read.cgi/gal/1036681042/
- 750 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/25 18:21 ID:???
- hosyu
- 751 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/26 21:09 ID:NrRGIs74
- SS作ってみました。暇つぶしにどーぞ。
(うん……?)
ゴトッ、という物音に、俺は目を覚ました。
枕元の時計に目をやると、2時半。まさに草木も眠る丑三つ時ってやつだ。
こんな時間に、誰が起きてるんだ……そんなことを考えていると、俺の部
屋のドアが開く音がした。
その直後、ヒタヒタという足音が俺に近付いてくるのが聞こえた。それは
ゆっくりと近付いてきて、俺のベッドの真横でピタリと止まった。
「だ、誰だ!」
俺は恐怖を振り払い、ベッドから跳ね起きて電気をつけた。
その瞬間、
「きゃあっ!」
可愛らしい女の悲鳴が響いた。
そこにいたのは、俺の妹だった。ピンクのパジャマを着て、胸に花柄の
枕を抱いた妹だった。
- 752 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/26 21:10 ID:NrRGIs74
- 「お、お前……何してんだよ? こんな時間に?」
「いや、あの、その……」
「さっさと帰って寝ろよ。俺はまだ眠いんだよ」
「あ、あの……お兄ちゃん!」
妹は俺のパジャマの袖を引っ張り、恥ずかしそうに顔をうつむかせた。
「ねえ、お兄ちゃん……今日、寒いよね?」
「まあ、冬だからな」
「一人で寝てると、寒いでしょ? だから、その……二人で一緒に寝れば、
きっと暖かいと思うの。だから……お兄ちゃん、あたしと一緒に寝てもら
えない?」
「……お前、もう中学生だろ? いつまで甘えたこと言ってんだよ!」
「む、昔はいつも一緒に寝てたじゃないの! なんで昔は良くて、今はダ
メなの?」
「お前、それ何年前の話だよ……仕方ねえな、今夜だけだぞ」
俺はそう言って、掛け布団を開いた。
「へへっ。ありがとう、お兄ちゃん! じゃ、お邪魔しまーす!」
妹はベッドに入るなり、俺の身体に腕を絡めてきた。二人の身体が密着し、
胸の柔らかみが俺の身体に伝わった。
「お、おい……抱きついてくるなよ」
「いいじゃん、この方が暖かいんだから。じゃ、おやすみ、お兄ちゃん」
妹はそう言って目を閉ざした。それから数秒もしないうちに、妹は静かな
寝息を立て始めていた。
(やれやれ……身体は成長しても、まだ子供か)
妹を抱きしめていた俺は、そいつの身体が震えていることに気付いていた。
きっと、怖い夢を見たんだな……俺はそう第六感でそう悟った。こいつは
昔、怖い夢を見ると、いつも泣きながら俺の部屋まで来ていた。さすがに最
近はそんなこともなかったが、久しぶりに耐えられないほど怖い夢を見たの
で、俺に助けを求めてきたのだろう。
俺は妹の背中に両腕を回し、軽く力を入れた。
可愛いらしい唇が、わずかに開かれている。その唇から、小さな寝声が漏
れた。
「お兄ちゃん……好き」
- 753 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/26 21:12 ID:???
- 気持ちは嬉しいが次からはsageような
- 754 :Masked Rider Moe ◆84pVTCj5bA :03/01/26 22:29 ID:???
- >>751-752
よい出来なのだが・・・流石に、「一緒に寝る」のネタは使い古されたかも知れぬ。
もう少し描写を詳しく書くと、よくなると思うが。
まあ俺も人の事は言えないくらいSS下手くそなわけだが・・・
あと、sageを覚えよう。
ここは基本的にまったり系だからな。
- 755 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/26 23:05 ID:???
- ageたのはアレだけどなかなかよかったよ。
- 756 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/27 13:33 ID:???
- >>751さん、また書いてください。
今度はいつSS神がくるのかなぁ…
- 757 :山崎渉 :03/01/27 18:51 ID:???
- (*^^*)
- 758 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/27 19:48 ID:???
- >>751-752
あ…俺と同じ飛び入りの方だ(w ご苦労様でした。
俺も頑張らなきゃな…
- 759 :712 :03/01/27 19:56 ID:???
- あ、名無しになってた…
すいません。758=712です。
- 760 :751 :03/01/29 20:47 ID:F8F7unE6
- >>751-752です。
感想下さった方々、どうもありがとうです。そこそこ受けたみたいで良かったです。
次も頑張って書きますね。
- 761 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/01/30 01:49 ID:???
- >>751
次回作、期待してます。
- 762 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/02 04:05 ID:???
- hosyu
- 763 :751 :03/02/02 20:14 ID:pKCUrFR3
- >>751-752ですが、性懲りもなくまた作ってみました。暇つぶしにどーぞ。
はぁっ、はぁっ、はぁっ……
小さな部屋に、苦しそうな呻き声が響く。
ベッドの上に、一人の少女が横たわっている。その顔は耳まで真っ赤に
染まり、小さな唇から苦しそうな吐息が漏れ続けていた。
少女は二日前から、風邪をひいて寝込んでいた。医者に診てもらったり、
薬を飲んだりしたが、いっこうに良くなる気配はなかった。屋外で身体を
動かしたり、友達と遊んだりするのが大好きな少女にとって、一日じゅう
家に閉じこもっているのは、苦痛以外の何者でもなかった。ぜんぜん良く
ならない自分の身体を、少女は恨めしい思いを抱き始めていた。
トン、トン。
扉をノックする音が聞こえると同時に、一人の少年が扉を開いて部屋に
入ってきた。少年の右手にはタオルが握られ、左腕には氷水の入った洗面
器が抱えられていた。
「よう。どうだ、調子は?」
「……あんまり良くない」
「だろうな。ほれ、新しい水を持ってきてやったぞ。これで頭を冷やして
やるよ」
「ありがとう、お兄ちゃん……」
少年は少女の額にかけられたタオルを取り、自分の膝の上に置いた。そ
れから持ってきた新しいタオルを洗面器に入れ、冷たい水に浸して絞り上
げると、それを広げて少女の額の上に置いた。
スーッ、と心地よい冷たさが広がり、少女はホッと息を吐いた。
- 764 :751 :03/02/02 20:15 ID:pKCUrFR3
- 「どうだ? 少しは気分良くなったか?」
「うん。とっても気持ち良いよ……」
少女は弱々しい動きで片手をベッドの中から差し出すと、少年の手を握
り締め、小さな声を発した。
「お兄ちゃん、ゴメンね……私が病気になったばかりに、お兄ちゃんに看
病させちゃって……学校まで休ませちゃって……」
「気にするなよ。オレ達は兄妹だろ? 助け合うのは当然じゃないか」
「……ありがと、お兄ちゃん」
「さ、少し休めよ。眠れば少しは熱も下がるだろうぜ」
「うん。お休み、お兄ちゃん……」
少女は布団をかぶり、目を閉ざした。それから数秒もしないうちに、少
女は眠りに入っていった。
スー、スーと寝息を立て眠る少女。その顔は紅く染まり、額に汗が浮か
んでいた。汗は玉となって、少女の顔から枕に向かって流れ落ちていた。
(しかし、すげえ汗だな……そういえば、前に母さんが言ってたっけ。風
邪を引いたときは、こまめに汗を拭かなきゃいけない、って……)
少年は、懐から新しいタオルを取りだし、少女の頬と首筋にタオルを当
てた。
途中で少年は、少女のパジャマが汗で濡れていることに気付いた。
水色のパジャマが、胸元からお腹の辺りにかけて藍色に染まっている。
パジャマで覆われて見えないが、ここもきっと、グッショリと濡れている
に違いない。
(……ここも拭いてやるか)
少年はパジャマに手をかけ、上から順番にボタンを外していった。
ボタンを外し終わり、パジャマを左右に開くと、少女の裸の上半身が露
わになった。……その瞬間、少年はハッと息をのんだ。
- 765 :751 :03/02/02 20:21 ID:???
- ほっそりと締まった腰つき、それに反するかのように膨らんだ胸。絹
のように滑らかな肌は、汗に濡れていっそう艶っぽく映える。少女が呼
吸をするたびに、豊かな胸が上下し、尾根の突起が細かく震えた。
少年は数年ほど前まで、少女と一緒に風呂に入っていた。そのときは
胸も平らで、女っぽい部分など全然なかった。「お前、ホントは男なん
ねえのじゃ?」とからかって、顔にお湯をかけられたこともあった。
あれからほんの数年しか経っていないのに、いつの間にこれだけ成長
したんだろう。少女は今も、兄と一緒にテレビゲームをしたり、本を読
み合ったりして遊んでいる。中身は小学校の時とほとんど変わっていな
いように思える。なのに、身体のほうは……
(お、落ち着け、オレ! こいつは血の繋がった、実の妹じゃないか!
変な感情を持ってどうするんだよ……!)
少年は雑念を振り払うかのように、頭を左右に振った。そして手に持っ
たタオルを、少女の胸にそっと当てがった。
見た目以上に柔らかな膨らみに、少年はドキッと肩を震わせた。必死
に目を逸らしながら、手探りで少女の身体に手を滑らせていく。手を動
かすたびに、少女の身体の温もりが、柔らかみが、凹凸が、タオル越し
に伝わってくる。そのたびに少年の心臓は、ドクン、ドクンと跳ねるよ
うに動いた。
お腹のところを拭き終えたところで、少年はタオルを洗面器の中に入
れた。少女の身体を直視しないよう、横目になりながら、ボタンを下か
らはめていく。そして一番上のボタンをはめたところで、
「……お兄ちゃん?」
不意に、少女が目を開き、声を出した。
- 766 :751 :03/02/02 20:21 ID:???
- 少年はびっくりして飛び跳ね、数メートルほど後ずさりした。
「どうしたの、お兄ちゃん? まだいたの?」
「あ、いや、その……汗が凄かったからさ、拭いてやったんだよ。安心
しろよ、もう終わったから」
「ありがとう、お兄ちゃん……あたしのために……」
少女は真っ赤な顔に笑みを浮かべ、兄に向けた。
その笑顔に、少年はギクリと身体を震わせた。熱に苦しみながらも、
必死に笑いを作る妹。病に冒されているはずなのに、兄に礼を言おうと
する妹……その健気さと可愛らしさに、奇妙な感情を抱いてしまったの
だ。
少年は慌てて洗面器を手に取ると
「じ、じゃあオレ、行くからな。何かあったら、いつでも呼べよ」
と言って、部屋から出ていった。
それを見た少女は、軽く首を傾げ、独り言を呟いた。
「どうしたんだろ……変なお兄ちゃん」
「な……何やってんだよ……オレは……!」
少年は、居間のテーブルに突伏しながら、重々しい声で唸った。
彼にとって少女は、ただの妹だ。少なくとも今までは、それ以上の感
情を持ち合わせていなかった。だがさっき、少女の裸体を目にした瞬間、
それ以上の感情を抱いてしまった。「妹」ではなく、「一人の女性」と
いう感情を……。
少年は、部屋の隅にかかっているカレンダーに目を移した。
少年の父親は商社勤務で、海外に単身赴任していた。週刊誌の編集員
として働いている母親は、ちょうど今が締め切り前だから、出版社に籠
もりきりになっているはずだ。ということは、少なくともあと数日、こ
の家には少年と少女の二人しかいないことになる。
少年は天井を見上げ、溜め息を吐いた。
「オレ達……これからどうなるんだろう?」
- 767 :751 :03/02/02 20:22 ID:???
- ごめんなさい。すっかりsageるのを忘れてました。
お詫びします。すみませんでした。
- 768 :712 :03/02/02 20:54 ID:???
- >>751
「上手だね〜。この調子でどんどん頑張ってよ〜♪751お兄ちゃん♥」
ごめんなさい。今、風邪引いてるんでろくな感想が言えないッス(w
- 769 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/02 21:27 ID:???
- >>751
冒頭数行見て一瞬エロ小説かとオモタ。
- 770 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/03 12:06 ID:???
- な〜んか先っぽからでてる〜
http://pink7.net/blon/
- 771 :NO.8 :03/02/04 17:04 ID:???
- カタカタカタ
タイピングの音が部屋に響く。
こんこん
控えめなノックの音がする。
「お兄ちゃん。間に合いそう?」
妹だ。ドアから顔だけを出してこちらを見ている。
「ああ、何とかなるだろう。と思ったんだが・・・」
「ん?どうかしたの?」
「ちょっとこれを見てくれ」
近づいてきた妹に俺はディスプレイを見せる。
数分後
兄妹は悩んでいた。
「どうするの?これ・・・」
「どうすると言われてもなぁ」
「今書いているバレンタインのシナリオって、確か私が風邪を引いちゃって、
チョコレートを作れない。ってシナリオだったよね?」
「ああ、ものの見事に751氏のものと中枢が同じになってしまったな」
「今から書き直せる?」
「微妙なところかもな・・・。アイツを出せば何とかなるかも」
「え?お姉ちゃん今回出ないの?」
「言ってなかったっけ?アイツは今回は殆ど出番無しだぞ」
「そうなんだ。ふーん」
と言うわけで751氏や皆さんに質問です。
私が書いていたバレンタインのものも妹が風邪を引くと言う点で同じなのですが、
やっぱり似たようなネタはやめた方が良いでしょうか・・・?
それとも、そのまま突っ走っても良いでしょうか?
- 772 :751 :03/02/04 21:12 ID:???
- >>771
いいんじゃないですか? 僕の書いたやつだって、このスレッドでいくつか
似たようなのがありますし。
内容が似ているものがあっても、妹萌えSSならOK! だと思いますよ。
- 773 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/06 14:39 ID:???
- 保守
- 774 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/06 18:36 ID:???
- 妹に言われた台詞
昨日から念願の一人暮らしなのだが‥‥
家をでる直前に、
「絶対電話してね、お兄ちゃん!」
と、潤んだ目で言われた俺。
むー、家ではギャルゲばっかやってたのに、何でこんなに寂しがられてるんだろ?
- 775 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/06 20:43 ID:???
- >>774
貴方の大切さに気付いたんだよ・・・
- 776 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/06 21:41 ID:???
- >774
大丈夫。俺も妹に同じ事を言われ、電話をちょくちょく入れていたのだが、
今では「またお兄ちゃん?私今忙しいんだよね」とか言って切られるよ。
実家の方では見ることが出来ないTVの録画だけは俺に頼んでくるが・・・。
ま、お互いに良い兄でいましょう。
ちなみに、我が妹はギャルゲーだけでなく、エロゲー・801ゲーもお手の物です。
今年は受験なので少しはゲームから足を洗えよ、我が妹よ。
- 777 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/06 21:59 ID:???
- >>774
「絶対電話してね、お兄ちゃん!(潤んだ目で)」
「お…おう…(不思議な気はしながらも頷いてみる)」
「お兄ちゃん、女の子が出るゲームばっかりやっちゃダメだよ!」
「お前には関係ないだろうが!」
「関係なくないよ!…だって会えなくなったら…お兄ちゃんは私のこと忘れちゃうかもしれない…」
「…大丈夫だよ…俺はおまえのことを忘れない」
「ホントに!?絶対、約束だからね!」
う〜む…上手くいかんな…
- 778 :774 :03/02/07 02:19 ID:???
- >>777
>「お兄ちゃん、女の子が出るゲームばっかりやっちゃダメだよ!」
神降臨。
一字一句、寸分違わぬことを言われたよw
俺の返答は「ほっとけ」だったけど。
>>776
明日、とりあえず電話してみるよ。
結果は順次報告する。
- 779 :774 :03/02/07 23:57 ID:???
- 電話してみたけど、
長電話になっただけだった‥‥
耳が痛い(ぉ
NO.8氏まだかな‥‥
- 780 :NO.8 :03/02/08 09:58 ID:???
- ただ今バレンタインの作品を書いています。
今回は妹萌えより、兄燃えの作品になってしまいそうです。
今回はほのぼのではなく、ちょっと緊迫感漂う作品にしたいのですが、
果たして上手く行くかどうか。微妙なところです。
書いていても妹の風邪はちょっとやりすぎの感じがしますが・・・。
では、頑張って書きますよ〜。
バレンタインまでには確実に間に合いますので。
- 781 :NO.8 :03/02/09 14:59 ID:???
- 何か無駄に長くなってしまったので、少しずつ載せていきます。
ピピッ。
電子的な音がする。
「鳴ったぞ〜。出せ」
「うん・・・」
もそもそと妹は布団の中で動く。
「はい」
そう言って俺に細長いものを渡す。
「39度2分・・・。誰がどう見ても病人だな」
今日は2月13日。
俗に言う「バレンタイン」とやらの前日であるが、
我が家ではとある事件が起こっていた。
俺の妹が熱を出したのだ。
昨日から、妹の調子が悪そうなのは分かっていた。
今朝も、顔色が悪いのは分かっていた。
今晩も、食欲がないのは気にかけていた。
俺なりに考え、晩飯は体が温まるようにとシチューを作ったのだが、
どうやら、その効果もあまりなかったらしい。
- 782 :NO.8 :03/02/09 15:00 ID:???
- 「何はともあれ、きちんと休め。いいな?」
「う〜」
「『う〜』じゃない。9度も熱があるんだぞ。9度も」
「でも、明日は・・・」
「風邪が治ってからにしろ。もしかしたらインフルエンザかも知れないし。
今薬を持ってくるから、大人しくしていろ」
そう言って薬箱のある茶の間に移動する。
「粉薬は嫌」と言う声が聞こえるが、
しかも、こんな時に限って両親は不在。
3日前までは居たというのに、我が妹ながら何たる間の悪さよ。
とも思うが、俺はまだしも、妹はまだ両親が精神的にも支えとなっているだろうし。
短期の出張とは言え、寂しいのかな。とも思う。
もともと妹は体が丈夫で最近は風邪など引いたこともなかった。
だから、家の薬箱はもっぱら俺が使う薬が多い。
その中から風邪薬を探し出す。
実際は9度もあるのだから病院へ行って解熱剤が欲しいところだが、
あいにく俺は免許は持っていても車は持っていない。
流石に救急車を使うのは気が引けるし・・・。
まさか妹を後ろに乗せて、自転車で夜間病院に行くわけにも行かないし。
と、考えながら風邪薬を探していると視界の隅に湿布が入った。
俺が小さい頃、熱を出したときにいつも親は俺に湿布を貼っていたのを思い出す。
風邪薬と湿布を持って、妹の部屋に向かう。
- 783 :NO.8 :03/02/09 15:02 ID:???
- 「おーい、入るぞ」
念のため声をかけて部屋に入る。
大人しく寝ていたようだ。熱が9度もあるのだから当然かと思う。
「ほら、風邪薬だ。飲め」
そう言って湯冷ましの入ったコップと薬を渡す。
こくんと小さく喉を鳴らして薬を飲む。
「・・・美味しくないね」
「当たり前だろ。それと、湿布を持ってきたので、貼っておけよ」
「あ、うん」
「まあ、胸の辺りに貼っておけば大丈夫か。喉が痛いんだったら喉にも貼れ。
おでこに貼るのも良いかもな」
「お兄ちゃん昔から湿布貼っていたも・・・ケホッ、ケホッ」
笑おうとして息を吸い込んだところで咳が出る。
「大丈夫か?無理するな」
「うん、大丈夫」
「それより、湿布は一人でも貼れるな?」
「湿布くらい大丈夫」
「じゃあ、貼ってゆっくり休めよ」
そう言って湿布を渡し、部屋を出る。
後ろ手にドアを閉めて茶の間に向かう。
- 784 :NO.8 :03/02/09 15:04 ID:???
- テレビをつけて、お茶を入れて長椅子に座る。
いつもの我が家の光景だが、妹が居ないだけで随分と静かに感じる。
テレビの音がうるさく感じる。
毎週見ているバラエティ番組が入っていたが、妙に空々しい。
色々とチャンネルを変えるが、何を見ても面白くない。
どうも、今日は面白い番組がやっていないようだ。
仕方無しにやりかけのゲームを起動させるが、やはり集中できない。
結局、俺がいくら悩もうがどうしようもないことは分かっているが、
どうしても妹のことが気になり、何をするにしても上手く行かなかった。
「・・・ダメだ。今日はもう寝よう」
誰に言うわけでもなく、自分にそう言い聞かせ、俺は部屋に戻った。
いつも自分が寝ている時間に比べ随分と早かったが、寝ることにした。
寝る前、妹の部屋を覗いてみると、妹は薬が効いたのか、すやすやと寝ていた。
少しだけ安心した俺も布団に入った。
やはりというか、なかなか眠れなかった。
今日はここまでです。
これから夜中にかけて妹の病状が急変。
この変化に兄はどう対処するのか?
などと次回予告ぶってみました(笑)
- 785 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/09 22:45 ID:???
- 新作キタ━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━ !!!
相も変らぬ、すごく(・∀・)イイ!文章ですなぁ。
次回がめっさ楽しみ〜
- 786 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/10 18:11 ID:???
- おまんら!!シスプリなんか目じゃないほどの萌え妹を見せてやる!!
この萌え具合は シスプリ=12機リックドム、乃絵美=連邦の白い悪魔
だとすると、ウッソの乗ったVガンダムと言っていい!!
まず、ここの215以降の一連のやり取りを見てから
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi?bbs=hneta&key=1044546628
続編のこのスレを見ろ!!
http://wow.bbspink.com/test/read.cgi?bbs=hneta&key=1044771260
ビジュアルなしでここまで萌えさせ、しかもリアルワールドの
出来事だぞ!萌え妹と、我らが及びもしない神にも近い兄が切り
開いている、新たな時代をしかとその目で確かめろ!!
- 787 :712 :03/02/10 20:22 ID:???
- >>786
「お兄ちゃん…二十一歳未満なんだから見ちゃダメだよ?」
「ああ…分かってる…。しかし…何だかもの凄く見たいぞ…」
「やめてよ〜、お兄ちゃんのエッチ〜」
「だが…お前も気になるだろ?」
「うん…確かに気になるね…」
「ところで…確かにVガンダムはいいMSだが…」
「アムロと比べるとウッソは弱いよね〜」
「お前も分かってるじゃないか…」
「お兄ちゃんが教えてくれたんでしょ〜?」
──────────────────────────
一応俺もバレンタインに向けて書いてます。
NO.8氏もいるし俺のは需要ないかな…
- 788 :NO.8 :03/02/10 21:24 ID:???
- 続きです。
今日は少しだけ。
ふと目が覚めた。
枕元の時計を見ると、寝始めてからまだ30分しか経っていない。
なのに妙に汗をかいている。パジャマが肌に張り付いて気持ち悪い。
「全く・・・何なんだ」
悪態を吐きながら違うパジャマに着替える。
もう一度布団に入り眠ろうとしたが、普段ならまだ起きている時間。
だが、やることもないので無理矢理寝ることにした。
12時頃までは30分ごとに目が覚めていたが、それ以降は眠れた。
- 789 :NO.8 :03/02/10 21:52 ID:???
- ひた
ひゅー
何か変な音が聞こえる。
ひゅー ひゅー
何の音だろうと思い、目を覚ます。
ひた ひゅー ひた ひゅー
よく耳を済まさなければ聞こえない音。
気のせいかも知れないと思って再度布団に入り、眠ろうとする。
だが、ひゅーひゅーという音がどうしても耳につく。
何が現れても大丈夫なように、護身用の木刀を隠しながらドアをゆっくりと開ける。
廊下は電灯がついていて、そのまぶしさに目を細める。
ひゅー ひゅー ひた
音はまだ続いている。
気配を消して、目が慣れるのを待つ。
目がやっと明るさに慣れて来て、廊下を見ることが出来るようになったとき、
俺は一気に扉を開けて、廊下に飛び出した。
- 790 :NO.8 :03/02/10 21:53 ID:???
- と言うところで続きです。
>>712氏
私の事は気にせずに、貼り付けてくださいよ。
今回の私のはあまり萌え要素が少なく、面白くない危険性が高いですから・・・。
何とか、最後に萌える要素を持ってきたいと思っています。
>>786
済みません。正直、負けました。
ただ、pink鯖の所は、21禁と言うことを書いた方が良いかと思いますが・・・。
私も、負けないように頑張ることにします。
ちなみに、私の書くものは、現実的になるように、
リアルに起きたことも結構取り入れて書いてあります。
(『俺』が枕元に木刀を置いてあるとかですね。どうでも良いですけど)
コンセプトが「日常」ですからね。
- 791 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/10 23:04 ID:???
- >>786
今見てるが、かなり(・∀・)イイ!!ね
- 792 :751 :03/02/12 07:04 ID:???
- そういえば、もうすぐバレンタインなんだな・・・。
よし、バレンタインSSを考えるか。
- 793 :NO.8 :03/02/12 22:10 ID:???
- 続きです。
廊下には、青白い顔をした妹が立っていた。
喉の調子が悪いのか、呼吸をする度に金属音がひゅーひゅーとしている。
「は、ケホッ。ほにいちゃ・・・ゲホッ!」
ずいぶん前から俺を呼んでいたのかも知れない。
一瞬だけ嬉しそうな顔をして、だけどせき込んでしまい、うずくまる妹。
木刀を捨て、駆けだした。
「おい!大丈夫か?」
そう言って肩を抱きしめる。その肩が凄まじく冷たい。
冷たいのは肩ではなく、パジャマだった。汗をかなりかいているようだ。
「お前、その汗・・・」
「あはは、ケホッ。ほ兄ちゃんを、呼びに行こうと思って・・・ゲホッ!」
激しく咳き込む。かなり喉がやられているようだ。
「いいから、まずは部屋に戻れ。ほら肩貸してやるから」
そう言って無理矢理肩に手を回し、立たせる。
ゆっくりと部屋に行き、妹を布団に寝かせようとして、気がついた。
布団まで汗がびっしょりなのである。
(新しい布団を出さなきゃダメだな・・・)
先程まで眠っていたとは考えられないほど頭が良く回る。
そんな事が脳裏をかすめたが、取りあえずそんなナルシズムは放っておく。
「ちょっと待っていろ。布団を引いてくるから」
「寒い・・・」
まるでうわごとのように呟く。
「これでもかぶっていろ」
そう言って毛布を妹に掛けてやる。
寒いと言っていたが、あの状況では誰でも寒いだろう。
「ちょっとだからな。辛かったら横になっていろ」
そう言って客間に行き、押入の中にある予備の布団を引く。
いつも母親に「お前は布団の引き方がきたない」と文句を言われているが、
この際はどうでも良いだろう。
- 794 :NO.8 :03/02/12 22:12 ID:???
- 妹の部屋に戻ると、妹は毛布を被って横になっていた。
「ほら、布団を引いたから向こうで寝ろ」
と言って肩を掴んだとき、パジャマが汗でびっしょりなのを思い出した。
これを着替えさせないことには、体力がどんどん奪われていく。
替えのパジャマを探すべく、悪いとは思うがタンスを勝手に開けさせて貰う。
パジャマを発見して、ついでにショーツも引っ張り出す。
ブラジャーも、と思ったが、寝ているときはつけていないことを思い出す。
タンスから引っ張り出した物一式を持って、妹の元に戻る。
かなり苦しそうな顔をしている。どうも、以前よりも熱が上がっているようだ。
「おい、起きて着替えろ!いつまでもそのままじゃ悪化するだけだぞ!」
べちべちと妹の頬を叩くが、一向に起きない。
ひゅーひゅーと苦しそうな呼吸をしているだけだ。
歯をガチガチ鳴らして、時折「寒い・・・」と言うが、殆ど意識はない。
「おい、マジかよ・・・。俺が、着替えさせるのかよ・・・。」
反応がない妹を見て、俺は天を仰いだ。
「いや、ここはアイツを呼んだ方が・・・」
いくら兄と言えども、着替えさせるのなら同性の方が・・・。
- 795 :NO.8 :03/02/12 22:12 ID:???
- と思ったところで、今は夜中な事に気がついた。
(いやいや、夜中と言えどもこれは緊急事態。呼べば来てくれるはず)
そう思って携帯を部屋に取りに帰る。
携帯でアイツを呼び出す。
だが、呼び出し音がしている最中に妹の苦しそうな顔が浮かんだ。
確かに、携帯でアイツを呼べば、急いで俺の家に来てくれるだろう。
夜中だというのに、下手したら車でぶっ飛んでくるだろうが、
だが、それでもやはり時間はかかる。
やはり、俺が着替えさせた方が時間はかからない。
別にやましいことをしようとしているのではない。
それこそ緊急事態だ。何も、のぞきやセクハラをするわけではない。
これはれっきとした人助けだ。医療行為だ。
一部違う気もするが、そう気持ちを奮い立たせた。
ぶつりと音がして、電話が繋がった。
「ふぁい、もしもし。こんな時間に何の用?」
眠そうなアイツの声がした。
だが、俺の指は、無意識のうちに通話終了のボタンを強く押していた。
- 796 :NO.8 :03/02/12 22:13 ID:???
- 「よし・・・やるぞ・・・」
パジャマのボタンを上から外していく。
最初のボタンに手をかけようとしたとき、緊張で手が震えた。
(ここまで来て負けるわけにはいかない)
思い切って、一番上のボタンを外した。
一番辛かったのはここだった、と思う。あとは比較的スムーズに行った。
濡れて冷たくなったパジャマを脱がし、バスタオルで汗を拭き取る。
湿布を胸元と喉元、それに背中に張り付け、
その後、体が冷えない内に新しいパジャマを着せる。
そして新しく引いた布団に妹を寝かせる。
ただそれだけのことだった。
時間にすれば、わずか10分もかかっていなかったと思う。
それなのに、途轍もなく疲れた。精神的にも、肉体的にも。
まあ、ショーツまでは結局取り替えなかったのだが、
それでも意識のない人間を動かすと言うのは凄まじく重かった。
途中で目覚めるかと思ったが、妹は結局目が覚めなかった。
身体的成長に関しては何も見なかったことにしよう。
まあ、数年前まで一緒に風呂に入っていたのだ。ときっぱりと割り切ることにする。
年頃の女の子だ。出るところが出るのが普通なのだ。
- 797 :NO.8 :03/02/12 22:14 ID:???
- その後、妹の寝顔を見ながら、額に湿布を貼っていなかったのを思い出し、
妹の部屋に湿布を取りに帰る。
部屋の中は空き巣が入ったような荒れようだった。
持ってきた湿布を妹の額に貼り付ける。
そして妹の部屋を片付けに行く。
念のため、布団や毛布は乾燥するように干しておく。
熱を測ってみたところ、40度を少し切る程度だった。
最近、俺が風邪を引いて高熱を出したときに貰ってきた解熱剤があったが、
薬は下手に他人に飲ますと危ないと思い、止めておいた。
それこそ、本当にヤバくなったら救急車を呼べば良いのだ。
そして、その後は結局妹のことが心配なので、自分の部屋から毛布を引っ張ってきて
妹が寝ている部屋の隅で丸まって寝た。
- 798 :NO.8 :03/02/12 22:14 ID:???
- 「お兄ちゃん・・・」
妹の声が聞こえた気がして目が覚めた。
妹は布団の中からこちらを見ていた。
「どうした?腹でも減ったか?」
妹の近くに寄って聞いてみた。
「それもあるけど・・・ゴホッ!ちょっと喉が乾いたから」
「おお、ちょっと待っていろ。今、水を持ってきてやるから」
茶の間のポットからお湯を汲み、体温計も持って妹の所に戻る。
「ほら。熱いから気を付けろよ」
「うん・・・」
ずずずと少しずつ白湯を飲んでいく。
「それと、熱も測っておけよ」
そう言って体温計を置いて茶の間に戻る。朝食を準備する為だ。
- 799 :NO.8 :03/02/12 22:16 ID:???
- 朝食後
「ところで、熱は何度あった?」
「うん、7度6分」
「まあ、朝は熱が低いからな。じゃあ、きちんと薬を飲んで寝ていろよ」
「うん。昨日に比べると大分良くなった感じがするけど・・・」
「それでもきちんと寝ていろ。そうだ。何か食べたいものはないか?」
「食べたいもの?」
「ああ、風邪を引いているときくらい自分の食べたいものを食べてもバチは当たらな
いからな。何でも良いぞ」
「うーん、甘くて冷たい物とか、かなぁ・・・?」
「甘くて冷たい物か・・・よし、わかった」
「無かったら別に良いからね」
「風邪引いている人間がそんな遠慮するなよ」
「うん・・・」
「じゃあ、最低でも今日1日はきちんと寝ていろよ」
そう言って俺は部屋を出ようとした。
「ねぇ、ちょっと待って、お兄ちゃん・・・」
だが、妹の控えめな声に呼び止められた。
「ん?どうした?」
「このパジャマ・・・昨夜私が寝ているときに着ていた物じゃ無いんだけど・・・」
「うっ・・・」
いかん、気づかれた。
「とても寒くて、お兄ちゃんを呼びに行こうとしたところまでは覚えているんだけど
その後は気がついたら朝だったし、いつ、着替えたのかな・・・?って」
「それはだな・・・何というか、お前は昨夜は汗がひどくてだな」
「・・・」
「汗で濡れたパジャマのままだと、体力を奪われて風邪に良くないと思ってだな」
「・・・・・」
「ま、何というか、着替えさせたというか、あ、いや別にで見てないぞ」
「・・・・・(赤面)」
妹は俯いて顔を赤くしてしまった。
- 800 :NO.8 :03/02/12 22:17 ID:???
- 「まあ、真面目な話、あのまま汗びっしょりのパジャマを着せておくわけには
いかなかったんだよ。無断で着替えさせたのは悪かったと思う。この通りだ」
俺は素直に頭を下げた。
いくら妹とは言え、風邪だからとは言え、緊急事態だからとは言え、
承諾無しに服を着替えさせるのは良くない。
これは、俺が妹に攻められても仕方がないことであると思う。
だが、妹は俺を攻めなかった。
「お兄ちゃんは一番良いと思う方法を取ったんだもの。私は怒らないよ。
それに、私が逆でも、多分お兄ちゃんを着替えさせていたと思うし」
妹の言葉は続く。
「ちょっと恥ずかしいけど、お兄ちゃんなら・・・」
最後の方は殆ど聞き取れないくらい小さな声だった。
「え?何?」
「何でもないよ」
「最後の方が聞こえなかったんだよ。何て言ったんだ?」
「何でもないって!ゴホッ!ゴホッ!!」
大声を出そうとしてせき込む妹。
「大丈夫か!?」
駆け寄って訊ねると涙目になりながらもこくんと頷いた。
「まあいいや、とにかく今は風邪を治すことに集中しろよ」
そう言って今度こそ部屋を出ていく。
俺が部屋を出るときに妹が小さく呟いた一言は、俺の耳には入らなかった。
「お兄ちゃん・・・ありがとう」
- 801 :NO.8 :03/02/12 22:21 ID:???
- 今日はここまでです。
あと少しで終わりです。最後のオチで少し迷っていますけどね・・・。
ちなみに、私は妹がチョコレートを買ってくれた模様です。
「可愛くて、お兄ちゃんは食べられないよ、きっと」と言っていましたので、
どんなものか、楽しみです。
- 802 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/13 03:01 ID:3TPYQ9TE
- あげ!
- 803 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/13 04:01 ID:1llwR1tj
- age
- 804 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/13 06:42 ID:???
- age反対
NO.8氏は妹さんからチョコレート貰えるのか。
羨ましいな。
- 805 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 18:39 ID:???
- 2月14日、金曜日。AM6:00、普通に目が覚めた。
「さぁてと・・・支度するか」
俺がやる日課の初めは・・・妹を起こす事だ。妹は熟睡型なので、俺が起こさないとずっと眠ったままである。
前に一度、放置p(以下略)したら、その日は昼頃にガッコに来た。あとでこっぴどく起こられてしまった。
両親は今、ともに単身赴任中で、帰宅は1ヶ月先だそうだ。少し寂しいが、俺が妹を支えなければならない。
「さて、と・・・(深く息を吸い込み) 起きろぉぉぉぉぉッッッ!!!」
「はにゃぁっ!!?」
毎朝、こうやって叫んで起こす。このくらいやらないと、起きないのだ。
「はわわ・・・お、おはよ、にぃにぃ」
「おう、目ぇ覚めたか?」
「・・・おかげさまでね」
用を終えた俺は、自分の部屋に戻って支度をし、朝飯の用意をする。少し遅れて、妹も出てきて用意を手伝う。
「にぃにぃ、今日は何の日?」
「・・・言われるまでもない。決戦は金曜日だ!」
「・・・そう」
去年、俺は本命はおろか義理チョコすらもらえなかった。もらったのは、妹の手作りチョコのみ。
しかも、お約束の「塩と砂糖を・・・」という、クソまずいチョコだった。
「にぃにぃ、今年はあてがあるの?」
「おうよ、今年はバリバリもらえる・・・はずだ」
「ふーん・・・」
なぜか、今年はそういう気がしていた。まあ、本命はないだろうが。
「っとぉ・・・そろそろ行くか」
「うん」
俺と妹は、学校へ向かった。
- 806 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 18:47 ID:???
- 待ちに待った放課後。予想は見事的中し・・・
「・・・といっても、義理チョコの山だがな」
とりあえず、かばんとスポーツバッグに分けてしまいこみ、家路につく。
家に帰ったが、鍵は閉まっていた。
「・・・帰ってないのか」
それから、時間はどんどん過ぎていく。義理チョコを片っ端から喰らい、TVを見て、風呂に入って・・・
だが、妹は帰ってくる気配がない。いつもなら、俺と一緒にTVを見て、バラエティとかで笑い転げているのに・・・
「・・・あいつがいないだけで、こんなに寂しいなんてな」
・・・などと感傷にひたっている場合ではない。取り急ぎ妹を捜索せねばならない。
「どこ行っちまったんだ・・・!? ま、まさかヤバイ事に巻き込まれたんじゃぁ・・・」
俺の住んでる地区を回り、妹の友人宅や俺の友人宅を訪れたり、電話したりしたが、手がかりはなかった。
「・・・おい・・・マジでやばい事に・・・!? 嘘だろ・・・」
どうしようもない不安が俺を襲う。まさか・・・いや、そんな事は・・・ッッ!
思いつく限りの場所を捜索して回ったが、妹は見つからなかった。
「・・・帰るか・・・もう、疲れた・・・」
とぼとぼと、家路につく。
- 807 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 19:05 ID:???
- ・・・いた。家の玄関前に座り込んでいた。疲労困憊している様子で、うつらうつらしている。
俺は秒速で玄関前にスクランブルダッシュした。俺の足音を聞いても、妹はうつらうつらしている。
「・・・おいッッッ!!!」
妹の体を揺さぶる。ゆっくりと、妹は目を開けた。まだ、夢うつつの様子である。
「あ・・・にぃにぃ・・・おかえりぃ・・・」
俺は、横っ面をひっぱたこうなどと、さっきまで考えていたのだが・・・
「・・・にぃにぃ?」
なぜか、妹を力いっぱい抱きしめていた。妹が痛がるほどに。
「・・・バカやろう・・・バカやろう・・・ッッッ」
「にぃにぃ、なんで泣いてるの・・・?」
子供のように涙を流す俺を見て、妹は不思議がっている。ともかく、2人して家に入る。
「心配かけてごめんね・・・でも、すごく評判のチョコが、隣町にあるって・・・」
そういいつつ、妹は俺にチョコを差し出した。俺も話に聞いていた、有名店のチョコだ。
「バカヤロが・・・わざわざ、こんなブルジョワなチョコを買ってこなくていいんだよ・・・」
俺は妹の頭を軽く小突く。妹は、甘んじてそれを受ける。
・・・しばらくして、チョコを食す。なるほど、有名店だけにすごく美味だ。
「ホントにごめんなさい!」
「もういい、何も言うな! お前が無事なら、それでいい・・・」
「・・・ごめんなさい」
「もういいって! ほら、ごちそうさん! お前が一生懸命探してきたやつだけに、すごく美味かったぜ」
「にぃにぃ・・・!!」
妹が、俺にがばっと抱きつく。泣きじゃくりながら、強く。
「・・・わかったから、もう寝ろ。疲れてるんだし」
「・・・うん。でも、その前に・・・」
「ん?」
妹が望むまま、強く抱きしめてやる。頭を撫でさする。妹は満足したのか、俺の腕の中で寝息を立て始めた。
「おいおい・・・これも、今日だけだからな」
妹をベッドに寝かす。部屋を出ようとすると、ポツリと何か聞こえたような気がしたが、気にしなかった。
「にぃにぃ・・・来年も、来年もね・・・」
〜Fin〜
- 808 :NO.8 :03/02/13 21:33 ID:???
- Masked Rider Moe氏の作品、楽しく読ませていただきました。
うう、それにしても私の今回の作品、つくづく萌え要素が無い上に楽しくないですねぇ・・・。
最後に、少し詰め込みましたので、お許し下さい。
と言うわけで、続きです。
そして妹の学校に休みの電話を入れ、俺も自分の朝食を食べた。
2人ぶんの洗い物をして、掃除をして一段落、と言ったときにチャイムが鳴った。
「はーい、どちら様ですか?」
インターホンに出る。
「夜中にイタズラ電話をかけるのはどこのどなたでしょうね!」
いきなりの怒鳴り声。
アイツだ。そう言えば昨夜は電話が通じていたことを思い出す。
対面すれば下手すると1発くらい殴られる危険性があるので、
インターホン越しに話すことにする。
「ああ、昨夜は妹が風邪を引いてな。それで困って電話をかけたわけだ」
「え?風邪?大丈夫なの?」
「ああ、昨夜はひどかったが、今朝はそれほどでもない」
「良かった。じゃあ、昨夜のはイタズラ電話じゃなかったの?」
「ああ、汗がひどいのでパジャマを着替えさせようと思って、
頼みの電話を入れたんだよ。
ただ、お前に頼むより、俺がやった方が早いと思ったから電話を切ったんだよ」
「確かに、アンタが着替えさせた方が早い・・・って!着替えさせたの!?」
かなり大きな声だ。インターホンを当てていない方の耳にも声が聞こえた気がする。
「仕方ないだろ、汗びっしょりだったんだし」
「そりゃぁ、ねぇ・・・。けど、変なことしなかったでしょうね?」
「妹に、っていうか、その前に病人に変なこと出来るか!」
「ま、それもそうね。じゃ、何でもなかったことだし、アタシは帰るわ」
「ちょっと待ってくれ。今日は車で来たのか?」
「そうだけど。それがどうかした?」
「ちょっと頼みがあるんだが・・・」
- 809 :NO.8 :03/02/13 21:34 ID:???
- 昼頃
「ホント、助かった。ありがたい」
俺は家の前でアイツに頭を下げていた。
買い物に出かけるのに、アイツの車に乗せて貰ったのだ。
「しっかりとツケにしておく、と言いたいところだけど、妹さんの買い物だもんね。
今回限りは大目に見てあげましょう」
腕を組んで偉そうに宣言する。
「じゃあ、しっかり看病しなさいよ。じゃあね」
そう言ってアイツは帰っていった。
昼食用にお粥を作っている間に、俺は妹に頼まれたものを作り始めた。
桃の缶詰を取り出し、細かく切って冷蔵庫に入れる。
同様に、イチゴもへたを取り、薄く切っておき、冷蔵庫に入れる。
冷えるまでの間にバレンタイン用に売っていた大きなチョコレートを湯煎する。
ホント、バレンタイン時期は色々なチョコレートが入手しやすくて助かる。
通常時に比べ、少し価格が高いのが難点ではあるが。
湯煎してすっかり液体となったチョコレートに、洋酒を入れる。
ソース作りは完成した。お粥も丁度出来上がったところなので昼食の準備をする。
昼食はお粥と、おかずはタンパク質が多いと言うわけで湯豆腐を選んだ。
また、チーズも消化が良く、栄養価が高いのでチーズも選んだ。
それらを盆に入れ、妹が寝ている部屋へと運ぶ。
- 810 :NO.8 :03/02/13 21:37 ID:???
- 妹がお粥を食べている間に、俺は冷蔵庫の中のものを取り出し、最後を仕上げた。
桃の缶詰を細かく切った物と、イチゴのスライスを混ぜる。
それを皿に入れ、先程作ったチョコレートソースをかける。
最後にウェハースなどを載せ、見た目を豪華にする。
バレンタインは一般的に女性が男性にチョコレートを渡しているが、
そもそもは、日頃お世話になっている人に感謝の気持ちを示す日だ。
これは、妹に頼まれたものであると同時に、妹へのバレンタインプレゼントでもある。
本気で、心を込めて作った作品だ。少しでも気持ちが伝わると良いと思う。
チョコレートが少し固まり始めたのを見て、俺は妹の部屋に向かった。
妹は、俺が作ったものを見て、目を丸くしていた。
「それ・・・お兄ちゃんが作ったの・・・?」
第一声がこれだった。
「ああ、日頃お世話になっているお礼も兼ねてな。バレンタインプレゼントだ」
そう言って妹に皿を手渡す。
「バレンタイン・・・って、私は今年、作れなかったね。ごめんね、お兄ちゃん」
妹が済まなさそうな顔をする。
「何言っているんだ。俺はそれよりもお前が元気な方が何よりも嬉しいんだぞ。
だから、これを食べて、しっかりと寝て、早く元気になれよ」
そう言って俺は妹に笑いかけた。
「ありがとう・・・お兄ちゃん」
そう言って妹も笑った。
「じゃあ、ホワイトデーには私がお兄ちゃんにプレゼントをあげるね」
「おう。楽しみにしているぞ。それより、冷たい内にはやく食べろよ」
「うん。頂きます」
「おかわりはあるけど、あまり食べて体が冷えるといけないから、今回はこれだけな」
「美味しいよ〜」
妹はデザートの美味しさのあまり、俺の言葉を聞いていないようだった。
「じゃあ、食べたら寝ていろよ」
「うん〜」
「早く元気になれよ。俺はそれが一番嬉しいんだから・・・」
そう言った俺の呟きは、俺以外には誰にも聞こえなかった。
- 811 :NO.8 :03/02/13 21:59 ID:???
- と言うことで本編終了です。
残りは後日談(数日後ですが)ですね。
あとは明日に無理矢理詰め込んだ(笑)萌え文章を書き込みます。
次の作品はもっと萌え文章を書こうと思います。
ホント、全然萌えない作品で済みません。反省してます。
- 812 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/13 22:47 ID:???
- >>786
神は去ったよ。
- 813 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/13 23:04 ID:???
- >812
そっとしておいてやろうぜ。
そこの神は本当にいい人だからな。
- 814 :712 :03/02/14 06:22 ID:???
- NO.8氏、Masked Rider Moe氏の作品の余韻に浸っていたい人、忙しい人、イライラしている人。
上記の方は迷わずここから先7レス程飛ばしてください(w
二月十四日。チョコがどうこうと騒がしい日だが…俺はあまり好きではなかった。
「ただいま…」
学校から帰ってきた俺を妹が迎えた。
「おかえり〜。ねぇねぇ、バレンタインのチョコ、いくつ貰った〜?」
「何でお前がそんな事を気にするんだ?」
俺は家の中に入り、着替えをしながら妹に話しかける。
「何でもいいじゃない♪それよりいくつ〜?」
「ゼロだよ、一個も貰ってない」
「ホントに〜?」
「こんな嘘ついて何になるっていうんだ…」
「そうか…ウチのお兄ちゃんは義理チョコも貰えないのか…」
「貰えないんじゃないぞ、妹よ。くれるっていう奴は何人かいたんだが全部キッパリ断った」
「え〜?それは可哀想だよぉ〜」
「あのなぁ…俺の学校はチョコのプレゼントは禁止しているんだぞ?
望んでもないのに同罪にされたら、俺の方が可哀想だ」
「…もしかしてお兄ちゃん、機嫌悪いね?」
「悪いよ。ったく…バレンタインなんてチョコで男を釣るようなモンだろ?一体何が楽しいのか…」
「解釈が歪んでるね…あ、そうだ!まだお兄ちゃんにチョコあげてなかったよね?ちょっと待ってて♪」
俺は何だか恥ずかしくなって、この場から逃げようとドアを開けた。
「ちょっと、お兄ちゃん!どこ行くの〜?」
妹は俺を逃がしはしない。すぐさま俺を呼び止めた。
「散歩だ…」
「あ〜、私も行く〜」
そそくさと家を後にする俺の後を、妹がトテトテとついてきた。
俺は困って、難しそうな顔をするだけだった。
- 815 :712 :03/02/14 06:22 ID:???
- 人気の無い道を並んで歩く俺と妹。妹は俺の隣でピョコピョコ跳ねている。
「ええい、鬱陶しい!跳ねるな!」
「だって嬉しいんだも〜ん♪」
「何が…?」
「だって…お兄ちゃんと一緒に歩いてるんだよ?嬉しいに決まってるじゃない♪」
「俺は…恥ずかしいがな…」
「誰も見てないんだよ〜?恥ずかしがることは無いんじゃないのかな〜?」
「まぁ…それはそうなんだが…」
「それに…今なら何しても誰にも見られないよ♪」
「俺が前に何するって言うんだよ?」
「手を繋いでも、腕を組んでも、キスしちゃっても、押し倒してもいいんだよ〜?」
「押し倒す…って止めろよ、そういう危ない発言は…」
「誰も聞いてないからいいんだよ〜。ねぇ、お兄ちゃん、まずは手を繋ごうよ♪」
「まずは…ってどういう意味だ!どこまで行く気だ!?」
「んふふ〜それはお兄ちゃん次第ね〜。さ、手を繋ご〜♪」
妹は歩きながら手を差し出した。
「手を繋ぐだけとはいえ…路上でイチャつくのは迷惑だろ」
…以前、街の真ん中で手を繋いだことは…忘れたことにしよう。
「…そんなに…私のこと…嫌い…なの…?」
妹は上目遣いで俺に問う。この顔は…俺にとって反則だった。
「いっいや…お前自身に恨みは無いのだが…」
「じゃあ…どうして…?」
「分かったよ!しょうがねぇな!」
俺は奪い取るように妹の手を掴む。
「お兄ちゃん…ありがと♪」
俺の顔を見て微笑む妹。戸惑いながらも微笑を返す俺。
妹が俺の手を強く握り締めていた。
- 816 :712 :03/02/14 06:22 ID:???
- 「まいったな…」
玄関の前に着いた俺はあることに気が付いた。
「どうしたの…?」
妹が不安そうに尋ねる。
「いや…そういえば晩飯の準備をして無かったなって思って…」
俺の両親は出張中で、いつ帰ってくるのかも分からない。
とにかく、家に俺たちしかいないから、俺たちは当番で家事をすることになっている。
ただし当番と言っても『お前だって時々はやってもらうぞ』程度の意味しかなく、
今現在、ほとんどの家事、特に料理は俺がやっている。
「今から作っても、我慢できるか?」
「その心配はいらないよ、お兄ちゃん♪実はもうご飯は出来てるんだよ♪」
「お前が…作ったのか…?」
「何よ〜、そんなに嫌そうな顔をしなくてもいいじゃない!」
これは別に妹の料理が下手というわけではない。ただ…奇抜なアイデアに走りたがるのが問題だった。
「俺は…味噌汁ラーメンは喰いたくないぞ…」
「え…?でも美味しかったでしょ?」
『味噌汁ラーメン』…妹が作った料理の一つで、味噌汁の中に麺を入れるという危険な料理のことである
「『美味い』『不味い』は問題じゃない。あれは『不味そう』だった…。まぁ、美味くなかったがな…」
「そうかなぁ…」
「豆腐が浮いたラーメンを食えって言うほうが間違ってるだろ!」
「でも…今日のはきっと成功してるよ♪」
「なら…見せてもらおうか…」
「お兄ちゃん、きっとビックリしちゃうよ〜♪」
「悪い意味でビックリしないといいがな…」
「ん?何か言った?」
「別に…」
「ま、いっか…一名様ご案内〜♪」
妹に案内されるままに、俺はキッチンへと向かった。
- 817 :712 :03/02/14 06:22 ID:???
- 「うわぁ…凄ぇ…」
思わず口からそんな言葉が漏れた。
「エヘヘ、凄いでしょ〜?」
「凄い。ある意味凄い」
机の上に並べられていたのはこれでもかと言わんばかりのハート型の食べ物。
ハート型の目玉焼き、ハート型のコロッケ、ハート型に盛られたご飯、それにかけられたカレー。
「驚いたでしょ?」
妹が俺の腕を抱いて聞いた。
「ああ…何よりお前が食えそうなものを作ったことに驚いた」
「お兄ちゃ、ヒドイよ〜」
「まぁ、いいや。とにかく喰うか…」
「うん♪いっぱい食べてね♪」
と俺はいつもの席に座る。が、俺が食べ始めようと思った瞬間、あることに気が付いた。
「スプーンとフォークが無いぞ…」
「仕方ないな〜、私が食べさせてあげるよ〜。あ〜んして〜♪」
スプーンを俺のほうに突き出す妹。……謀ったな!
俺は立ち上がって、スプーンとフォークを取りに行こうとする。
「ちょっとお兄ちゃん。どこに行くの〜?」
「決まってるだろ。スプーンを取りにだ」
「お食事中に席を立っちゃいけないんだよ〜。だからコレ食べて〜♥」
と、また腕を突き出す妹。
「…分かったよ…仕方ねぇな!」
俺は口を開ける。
「あ〜ん♥」
妹は手を精一杯伸ばして、俺の口の中にスプーンを突っ込んだ。
「どう?美味しい?」
「ああ…美味いよ…」
「ありがとう、お兄ちゃん♪」
妹はそう言って、ニッコリと笑った。
- 818 :712 :03/02/14 06:23 ID:???
- 「ふぅ…ご馳走様でした…っと」
どうも俺は意志が弱いと言うか雰囲気に呑まれやすいと言うか…なんだかんだでそのまま食べ続けていた。
「お兄ちゃん…」
「ん?」
「はい…チョコ…」
妹は俺に何かの箱を差し出した。
「猪口?俺は未成年だから酒は飲まんぞ」
「そうじゃなくて、チョコレートだよ!」
「ああ、ありがとう…」
「じゃあ、ちゃんと渡したからね!」
妹はそう言って逃げるように部屋の外に出て行ってしまった。
俺は呆然と妹から貰った箱を眺めた。
「ん…何かついてるな…」
それはピンク色の封筒に入った手紙。
俺は開けて中を読む
『お兄ちゃんへ。
お兄ちゃん、今日はバレンタインデーだよ♪だからお兄ちゃんに愛のプレゼント〜♥
時々イジワルで、怒りんぼで、ちょっと面白くないけど…
カッコよくて、頭が良くて、優しい…私はそんなお兄ちゃんが…大好きだよ。
お兄ちゃんは『そんなのくだらない』って思うかもしれないけど、
今日だけはワガママな妹のお相手をしてくれると嬉しいです。
これからも二人一緒でいようね♥ 出来損ないの妹より』
丸みを帯びた字で書かれた手紙。
「アイツ…手紙とは言え、よくこんな恥ずかしいこと書けるよな…」
俺は顔を赤くして、ドアノブを掴んだ。
- 819 :712 :03/02/14 06:23 ID:???
- ドアを開けると妹がすぐ向こうに立っていた。妹はイタズラっぽい笑みを浮かべて俺に聞く。
「どう?チョコは喜んでもらえた?」
「その…悪いな…飯まで作ってもらって…その上チョコまで貰えるなんて…」
「いいんだよ♪気にしないで〜」
「でも…俺も何か礼を…」
俺がそこまで言うと、妹が突然俺の頬をつねった。
「何しやがる!」
「お兄ちゃん、そうやって『ぎぶあんどていく』で考えるのはよくないよ〜。
私はお兄ちゃんのために作ったんだから、お兄ちゃんが喜んでくれれば私はそれでいいんだよ♥」
「そっか…でもホワイトデーにはしっかり受け取ってもらうからな」
「うん♪楽しみにしてるね♥」
「ああ…期待してろよ〜」
俺は妹の頭をそっと撫でてみた。嬉しそうに目を細める妹。
「ねぇ…私のお願い聞いてくれる?」
妹が俺の手をギュッと掴んで、俺を見上げる。
「内容にも因る…」
「今日だけは…この手を離さないで欲しいな♥」
「今日だけ…って寝る時もか?…お前…俺だって男だということを忘れてないか?」
「う〜ん、それなら胸を触るまでなら許しますよ〜♪お買い得だと思うけどなぁ〜♪」
「くだらねぇ…却下に決まってんだろ」
「イヤだよ〜。今日はもう離さないんだから〜♥」
そう言って俺の腕に抱きつく妹。
「それじゃ、全然『お願い』じゃないだろうが…!」
俺は呆れたような、諦めたような顔をして妹の顔を見て、ドキッとした。
「なんだか…一瞬、お前が可愛く見えたよ…」
「失礼な〜、私はいつもカワイイよ〜」
「ああ…そうかもな…」
「どうしちゃったの?今日のお兄ちゃんなんかヘン…。でも、ありがと!お兄ちゃん大好き♥」
…今日だけは、俺の嫌いな『愛』や『恋』なんて言葉も信じられるような気がする。
確かに…妹のチョコには愛が込められていて、それが今日の俺を優しくしているのだから…
- 820 :712 :03/02/14 06:39 ID:???
- 現在、猛烈に後悔しています…どうか駄文をお許しくださいませ…
しかし相変わらず下手ですね…、暇でしょうがない時にでも見てやってください
しかも萌えないし、面白くないし、訳が分からないし、バレンタインと関係ないし、意味無いトコが多い。
ちなみに味噌汁ラーメンは実話ですよ(w
…どうした、リアル妹?チョコくれるの?…はぁ?龍騎のDVD貸せ?…お前に貸す物など無い!(半泣き)
- 821 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/14 12:12 ID:???
- すまない・・・書き込みに注釈文を入れるの忘れていた・・・
かなりの駄文・乱文になっていると思われるが、ご容赦願いたい。
>712殿
俺には書けない、萌え長文を堪能させてもらった。決して駄文ではない。
それと、コテハンもしくはトリップを名乗られてはどうだろうか・・・?
妹殿には、ホワイトデーに劇場版龍騎でも貸してやるといい・・・
- 822 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/14 17:50 ID:???
- >>712
やべぇ・・・めちゃめちゃ萌えた(;´Д`)ハァハァ
こういう妹欲しい・・・
- 823 :NO.8 :03/02/14 18:27 ID:???
- 712氏。素晴らしいです。萌え萌えですね。
あああ、私の今回のはさっぱり萌えなくてダメダメです。
次があれば、今度こそ萌え萌えの文章にしたいです。
では、最後の悪あがき行ってみます。
結局、数日して妹の風邪はすっかり良くなった。
買い物に行ったときに、風邪薬を買ってきたのだが、それ効いたのか、
それともあの日の高熱が一番の山場だったのか。
とにかく、治って良かったと思う。
流石に40度の高熱を出したときは驚いたが・・・。
そして数日後。
「お兄ちゃん。お風呂沸いたよ〜」
「おう。入るわ」
自分の部屋で勉強をしていた俺に、妹から声がかかる。
- 824 :NO.8 :03/02/14 18:28 ID:???
- 「あのっ、お兄ちゃん・・・」
茶の間を通り過ぎようとしたところ、妹に声をかけられた。
「ん?どうした?」
「ホントはね、バレンタインにチョコをあげようと思っていたんだけど、
風邪を引いちゃって、あげられなかったから、ホワイトデーこそは・・・」
バレンタインにチョコレートを作れなかったことをかなり気にしていた様子だ。
俺はふと笑って、妹の頭に手を乗せ、ぽんぽんと軽く叩いてやった。
「ああ、楽しみにしているよ。ところで、俺があげたアレは美味しかったか?」
「うん。もうすっごく美味しかった。今度作り方を教えてね」
「ああ、良いぞ。あれは簡単だから誰でも出来るしな」
実際、妹が甘党で良かったと思う。
甘いものがあまり得意でない俺は、アレを食べると胸焼けがしてくるくらいだ。
「じゃあ、ホワイトデーは楽しみにしていてね」
「おう。期待して待っているからな」
そう言ってまた頭をぽんぽんと叩く。
妹は目を細め、懐かしそうに言った。
「昔は私に何かあると、お兄ちゃんは私の頭を優しく叩いてくれたよね」
「そうだったっけ?あんまり覚えていないや」
「うん、何だかとても懐かしい・・・」
「そ、そうか。いくらでもやってやるぞ。それ」
そう言って妹の頭をくしゃくしゃと撫でる。
くすぐったそうな顔をしながらも、妹は反論した。
「もう〜。髪型が崩れるよ。止めてよ〜」
あれは照れている証拠だ。
「おう。じゃあ俺は風呂に入るからな。洗い物は任せたぞ」
「うん。お任せだよ」
「お米はお兄ちゃんが洗ってね」
「おう」
- 825 :NO.8 :03/02/14 18:29 ID:???
- ざばー
今日はお湯を入れすぎてしまったようだ。
俺が浴槽に入るとアルキメデスの原理でお湯があふれ出る。
しかし、浴槽に浸かると、疲れが取れる気がする。
実際は風呂に入るというのは結構体力を使うのだが・・・。
だから、風邪の人間は湯冷めする事も考慮に入れて、風呂に入れないのだ。
「ふぅ〜。やれやれ・・・」
風呂のなかでは声が響く。鼻歌を歌いたくなってきた。
その時、ガラガラと脱衣所を開ける音がした。
「お兄ちゃん〜?」
妹から声がかかる。
どうせ、脱衣所の何かを取りに来たのだろう。
だから、俺が浴室から出て行かないように。と言うことだろう。
だが、妹はいつまでも脱衣所から出ていかない。
どうしたのだろうと思ったとき、妹の声が聞こえた。
「ちょっと開けるけど、いい?」
こっちはちょっとじゃないほど焦った。何せ浴槽のなかでリラックス中だったからだ。
「待った!30秒待て!」
「うん」
30秒はかかっていなかっただろうが、俺は用意をして「いいぞ」と声をかけた。
- 826 :NO.8 :03/02/14 18:30 ID:???
- がちゃりと音がして浴室のドアが開く。
寒い空気が流れ込んでくる。
妹の顔はやや逆光気味になっているため、あまりよく見えない。
だが、何か顔が赤い感じがした。
そして、少し視点を下にずらした時、俺は驚きのあまり目玉が飛び出たかと思った。
妹はバスタオル一枚で立っていたのだ。
「お前!何やって・・・」
「昔みたいに、一緒にお風呂に入りたくなって・・・。ダメ?」
「ダメ・・・?ってお前なぁ」
溜め息を吐く俺。だが、それをどう取ったのか、妹は浴室に入り込んできた。
「お兄ちゃん、この前私の裸見たんでしょ?
だったらそんなに恥ずかしがること無いじゃない」
それにホラ、ちょっと違う形のバレンタインプレゼントだよ。目の保養にどう?」
「それとこれとは話が違うだろう・・・。
それにお前はホワイトデーに何か作るとさっき言っていただろう」
あまり広くない浴室は、2人も入ると狭く感じる。
「別にお風呂に一緒に入るくらい・・・ダメ?昔はよく入っていたでしょ?」
「昔は昔、今は今だろう。年齢ってものを考えろよ」
「兄妹で一緒にお風呂に入っちゃいけない法律は無いよ?」
「そりゃそうだが・・・」
「兄妹だもん。良いじゃない。
それとも何?私は無いけど、お兄ちゃんは私と入って何か問題でもあるの?」
「・・・・・」
- 827 :NO.8 :03/02/14 18:32 ID:???
- このままではどうしようもない。
妹はなかなかに頑固だ。一度言い出したことは曲げない性格だ。
この状況を解決する方法を考える。1秒以内に閃いた。
俺は風呂から出ていこうとして、ドアを開ける。
「・・・出る」
「えっ?」
だが、ふと妹の心境も考えてみた。
俺ですらこんなにも恥ずかしいのだ。
口ではあの様に言っているが、妹はもっと恥ずかしいに違いない。
恥ずかしさを耐えて来た妹のことを考えると、ふと心が緩んだ。
暫く葛藤の時間が過ぎる。
いい加減、寒くなってきたところで、結論を出した。
「・・・ふぅ、仕方がないな。今日だけだぞ」
溜め息を吐きながら言う。
「ホント!やった〜」
そう言って両手を上に上げる妹。
そしてその動作で、肩の所の結び目が緩まったのか、
妹の体を隠していたバスタオルがはらりと落ちた。
- 828 :NO.8 :03/02/14 18:36 ID:???
- お互い無言で時間が過ぎる。
妹はまだ両手を上に上げたまま、固まっている。
無論、下に水着などを着込んでいるわけではなかった。
それこそ、一糸纏わぬ姿だった。
暫くして、俺は、ぽかんとだらしなく口を開けていた事に気づく。
取りあえず、バスタオルを拾おうとして、俺が立ち上がる。
そして、立ち上がるときに確かめたにも関わらず、
お約束の如く、俺の腰のタオルも落ちた。
「「あは・・あはははは・・・」」
2人の乾いた笑い声が浴室に響く。
その後、兄妹は昔のように体や髪を洗い合って、
『仲良く』風呂に入ったが、その詳しくはまた別の話。
と言うわけでこれで本当に終了です。
何か、見返してみると全然バレンタインと関係ないですね・・・。
ちょっとシリアスものを書こうと思ったのが間違いの始まりだったのかも知れませんね。
次は、もっと精進します。
やはり、リアル妹との生活をモチーフにすると萌えがあまり無いですね・・・。
私は、リアル妹のパシリとなっている情けない兄貴ですから・・・(w
- 829 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/14 20:47 ID:CAicf9ZN
- ( ゚Д゚)萌えたー!
- 830 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/14 21:01 ID:???
- >Masked Rider Moe氏
勿体無きお言葉どうもありがとうございます(w
名無しに戻ることも考えていたので、コテハン、トリップは勘弁してもらいたいのですが、
みんなの迷惑になるといけないので、今回からトリップだけは付けさせてもらいます。
トリップつけるの初めてなんですが…ちゃんと出来てますかね…
>NO.8氏
そんなこと無いッス。萌えましたよ!
>私は、リアル妹のパシリとなっている情けない兄貴ですから・・・(w
それは俺も同じです。お互い苦労しますね(w
>>822
「コレじゃ既に妹萌えですらないのでは…」と思っていたのでそう言ってもらえると嬉しいです。
ん?リアル妹、今度は何?…松田悟志のHP見るからそこを退け?…ガキは寝る時間だ!(半泣き)
- 831 :751 Part1 :03/02/15 14:45 ID:???
- >>751-752、>>763-766ですが、一日遅れのバレンタインSSつくってみました。
暇つぶしにどーぞ。
「あーあ……どうしよっかな、これ……」
ベッドの上に寝転がりながら、少女は大きな溜め息を付いた。
時計を見ると、8時を回っていた。とっくに陽は落ち、静けさが街を
支配し始めていた。
少女の手には、一つの箱が握られている。ピンク色のリボンが結ばれ、
綺麗なラッピングの施された可愛らしい箱が。
その中に入っているのは、少女手作りのチョコレートだった。
少女は去年まで、店で買ったチョコレートを兄に手渡していた。しか
し今年は、自分の手でチョコを作って、兄に渡そうとしたのだ。そのた
め、料理学校に通う同級生に頼みこみ、数日前からチョコの作り方を教
わってきたのだ。さすがに「兄に渡す」とは言いにくいから、「近所の
幼なじみに渡す」とごまかしてきたが。
少女は何度も失敗しながら、一生懸命にチョコを作り続けた。そして
数時間後、やっと納得のいくチョコを作り上げた少女は、友人に礼を言
うのも忘れて、自分の家へと急いだ。一刻も早く、大好きな兄にチョコ
を渡したくて、全速力で家路を走ったのだ。
ところが……。
- 832 :751 Part2 :03/02/15 14:48 ID:???
- 『お兄ちゃん!』
空が赤らみ始めた夕方、少女はリビングへ続くドアを開けた。
ソファの上に、少女の兄である少年が座っていた。少女はすぐにチョコ
を渡そうとして、カバンの中に手を入れた。
……だが。ふと、テーブルの上に目を移した少女は、ハッと息をのんだ。
テーブルの上には、チョコが置かれていた。それも一つや二つではない。
テーブルを埋め尽くすほどの量のチョコが、山になって置かれていたのだ。
『お、お兄ちゃん……どうしたの、これ?』
うわずる声を必死で抑えながら、少女はそう尋ねた。
『ああ、学校でもらったんだよ。ほら、今日はバレンタインデーだろ? そ
のチョコレートだ』
『こんなにいっぱい……? みんな学校で貰ったチョコなの?』
『まあな。持って帰るの、大変だったんだぜ。重いしかさばるし、おかげで
腕の筋肉が張っちまったよ』
『そ、そうか……お兄ちゃん、サッカー部のキャプテンだもんね。バレンタ
インにチョコをもらうのは、当然だよね……』
女生徒の間で、兄が絶大な人気を誇っているという話は、何度か聞いたこ
とがある。同級生から「お兄さん、カッコいいよねー!」「ねえ、今度紹介
してよ!」と言われたことも、何度もあった。
しかし少女は、今ひとつ実感を持てなかった。あまりに身近すぎて、客観
的な視点を持てなかったのかもしれない。あるいは、他の女子に取られるの
が嫌で、兄の人気を認めたくなかったのかもしれない。
だが、こうして大量のチョコを見せつけられると、兄の人気の程を認めざ
るを得ない。多くは市販のチョコにラップをかけただけのものだが、中には
手作りの本命チョコと思しきものまで含まれている。中には、ラブレターを
挟んだものまであった。
『ところで、どうしたんだ? 何か用でもあるのか?』
『え? い、いや……何でもないよ! ごめん、お邪魔しました!』
少女はそう言うと、リビングから走り出ていった。
その様子を見ていた少年は、軽く首を傾げ、呟いた。
『なんだあいつ……変なヤツだな』
- 833 :751 Part3 :03/02/15 14:52 ID:???
- 「結局、渡せなかったな……チョコレート」
少女は自作のチョコを眺めながら、何度目かの溜め息を吐いた。
格好良くて、優しくて、誰からも好かれる兄。少女は昔から、兄だけを見
つめていた。他の男子に浮気することなく、ただずっと、兄だけを想い続け
ていた。
少女は心の中で、自分は世界で最も兄のことを愛している、と思い込んで
いた。それだけに、さっき見た大量のチョコは、ショッキングだった。少女
の他にも、兄のことを好きでいる女の子はいっぱいいる、という現実を見せ
つけられたからだ。
兄はきっと、自分のことを「ただの妹」としか見ていない。だから自分達
は、永遠に恋人同士にはなれない。どんなに自分が想い続けても、兄は振り
向いてくれない。自分を愛してくれない……。
少女の頬を、一筋の涙が伝った。天井を見つめる虚ろな目から、涙が玉に
なって流れ出た。
と、そのとき。
「おい、入っていいか?」
トントンと扉をノックする音とともに、少年の声が聞こえてきた。
「いるんだろ? ちょっと入らせてもらうぜ」
「あっ……ま、待って、お兄ちゃん!」
少女は手に持っていたチョコを、とっさにベッドの中に隠した。その直後、
少年はドアを開いて部屋に入ってきた。
「ん……? どうしたんだ? なんか目が赤いぞ」
「え? あ、ちょっと居眠りしてたの。お兄ちゃんの声で起きたけどね」
とっさに思いついた嘘を言いながら、少女は作り笑いを浮かべた。「お兄
ちゃんにチョコを渡せなくて、悲しくて泣いてたの」なんて言えるわけがな
い……。
「それで、お兄ちゃん。あたしに何か用?」
「ああ、用ってほどのことじゃないけど……」
そう言うと少年は、頬を少し赤らめ、視線を泳がせた。その仕草に、少女
は「?」という顔になり、少年の顔を覗き込んだ。
- 834 :751 Part4 :03/02/15 14:57 ID:???
- 「? どうしたの、お兄ちゃん?」
「いや、その……今年は貰えないのかな、って思ってさ……」
「貰えないって、何が?」
「だから、その……チョコレートだよ。バレンタインの」
「えっ……?」
少女はハッと息をのみ、口に両手を当てた。
「去年も一昨年も、チョコくれただろ? 今年はどうして貰えないのか、気
になってたんだよ。ちゃんと用意してあるんだろ? なんでくれないんだよ?」
「だって……お兄ちゃん、いっぱい貰ってきたじゃないの。あんなに沢山の
チョコを見たら、渡しにくくて……それで……」
「なんだ。お前、ヤキモチ焼いてたのか?」
少年は目を細め、フフッと笑った。
「安心しろよ。あんなの、みんな義理だ。気にすることねえよ」
「義理? そんなことないよ。だって、どう見たって本命チョコばかりだっ
たじゃない。ラブレターが添えられてるのもあったし……」
「それは渡す側の気持ちだろ? オレはあいつらのことなんか、何とも思っ
ちゃいないよ。オレにとって、学校で貰うチョコなんか、みんな義理チョコ
だ。オレにとっての本命チョコは……」
少年は少女の両肩に手を置き、顔を真っ直ぐ見つめた。
「オレにとっての本命は……お前からのチョコだけだよ」
「えっ……!?」
「だから、早くチョコをくれよ。お前からのチョコがなかったら、落ち着か
ないんだよ。だから、頼むよ。な?」
「えっ……あっ……」
- 835 :751 Part5 :03/02/15 14:58 ID:???
- 少女は少年の腕を振りきり、後ずさった。
少女の目元に、熱いものが走る。それは涙となって溢れだし、少女の頬を
濡らした。
「お、おい、どうした? オレ、何か悪いこと言ったか?」
「……違うの」
「え?」
「あたし、嬉しいの。やっとお兄ちゃんにチョコを渡せるようになって、す
っごく嬉しいの。なのに……涙が出てくるのよ。どうしてかな……おかしい
よね……」
少女は必死になって、目元を何度も拭った。なのに、後から後から涙が溢
れてくる。嬉しくて笑いたいはずなのに、どんどん涙が流れ出てくる……。
少女は今まで、兄への想いは「片想い」でしかないと思っていた。兄は自
分のことを、ただの妹としか見ていない。血が繋がっている以上、恋愛の対
象にはなれない……そう思っていた。しかし、それは間違いだった。本当は
兄も、自分のことを好きでいてくれたのだ。妹としてじゃなく、一人の女性
として……。そのう嬉しさに、少女は溢れる涙を抑えることができなかった。
数分経って、ようやく涙が収まると、少女はベッドの下に隠していたチョ
コを取り出し、少年に差し出した。
「お兄ちゃん。これ、受け取ってくれるね?」
「もちろん。お、今年は手作りか?」
「うん。友達に作り方を教えてもらったの。今までお料理なんかしたことな
かったから、ちょっと下手だったかもしれないけど……」
「気にするなよ。お前がオレのために、一生懸命つくってくれたんだろ?
なら、これはオレにとって、世界一のチョコレートだよ」
「……ありがとう、お兄ちゃん」
少年と少女は、互いの手を握りあい、無言で見つめ合った。
兄の手の温かさを感じながら、少女は静かに目を閉ざし、心の中で呟いた。
神様、ありがとう。お兄ちゃんにチョコを渡せて、良かったです。
どうかこの幸せが、いつまでも続きますように……。
- 836 :751 :03/02/15 14:59 ID:???
- あー疲れた。目が痛いや・・・。
もし良かったら、感想なんぞお願いします。
- 837 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/02/15 18:25 ID:???
- >751氏
お疲れ様です。目は大丈夫ですか?
それにしても、文章が綺麗な上に、萌えですね。
他の方のSSを読むと、激しく自己嫌悪に陥ります。
何でシリアス方向に行こうと思ってしまったのだろうなぁ・・・。
それと、バレンタインSSを読むと、自分が情けない兄貴で妹に済まなくなる。
お兄ちゃん、もっと頑張るからな・・・。
ホワイトデーを楽しみにしていろよ、妹よ!
実話
「あれ?お兄ちゃん、チョコレート食べないの?」
「ああ、ちょっと勿体無くてな」
「じゃあ、私が食べちゃうね」
マジで食べられました。妹よ、自分で買って自分で食べて嬉しいか・・・。
- 838 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/15 18:48 ID:???
- そういえば毎年妹から手作りのチョコ貰うのに、一度もお返しをしたことがないことに立った今気が付いた・・・。
なんてこったい。
- 839 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/15 18:49 ID:???
- 立った今って何やねん俺。なんて卑猥な。
- 840 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/15 18:59 ID:???
- >751氏
…とっても上手いッス。
自分は情景描写が下手なので羨ましい限りですね…
俺もこんなマジメな文章が書けるようになりたいな〜。
- 841 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/17 19:49 ID:???
- >>837 >>840
感想ありがとうございます。そこそこ受けたみたいで良かったです。
謙遜されてるみたいですけど、お二人ともお上手だと思いますよ。今までこの
スレッドに掲載されてきたSSを読んだけど、けっこう良かったですし。
これからもお二人には、妹萌えSSを書いていって欲しいです!
ところで、今まで僕が書いた三作品に登場する兄妹は、みんな同じ人物という
設定です。
もうバレバレかもしれませんが、彼らは「./hack」に登場する、シューゴと
レナがモデルになっています。いちおう名前も考えてはいたのですが、名前が
入ると感情移入しにくくなると思い、すべて「少年」「少女」という表記で
統一させてもらってます。
さて、次はホワイトデーですね。これはバレンタインより難しそうだ・・・。
- 842 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/17 20:03 ID:???
- そっか…ホワイトデーなんて言うものがあったか…俺も何か書かなきゃ…
でもその前に…学年末テストが…(w
…学生も大変ですよ(w
- 843 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/17 21:45 ID:???
- って言うかこの時期に学年末とか言ってるおまいは高2以下なわけ?
- 844 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/02/18 21:26 ID:???
- 念のため保守。
私のSSは特にモチーフキャラは居ないですね。
現実に起こりそうなことを基本的に書こうと思っています。
あまり兄妹間がラブラブしないのもその影響ですが、
ここは少し改めた方が良いかなぁと思っています。
そして、彼らには私のある種の理想感が入っていると思いますね。
>751氏
./hackのキャラだったんですか。./hackは殆ど知らないですね・・・。
友人が買うので、DVDだけは見させて貰っています(笑)
兄妹ラブラブは参考にさせて貰います。
リアル妹もこの作品の妹さんの爪の垢でも煎じて飲んで欲しいです。
>712氏
期末テストですか・・・頑張って下さいね。
私もただ今テスト真っ最中です。
大人になれば、テストより大変なことがきっとありますよ・・・。
頑張りましょうね。
- 845 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/19 01:12 ID:???
- >NO.8氏
俺の記憶違いかもしれんが途中から設定変わってないか?
氏のSSでは高校生だったと思っていたのだが上の方のやつを読んだら
幼馴染が車持ってるし……
ひょっとして設定は大学生でした?だったらすまん
- 846 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/19 21:05 ID:???
- リレーSS第一弾
(省略)
>>486を参照してください
リレーSS第二弾
>>499>>501>>512-513>>515-516>>524-531>>548>>517-518>>549-551
>>573-574>>580>>600-602>>604>>614-616>>621-623>>627-628>>632-634
>>650-651>>655-656>>671-673(エピローグ>>681-685)
>>501と>>512の間に番外編(>>502)
参加者の皆様
No.2氏 No.9氏 No.5氏 Masked Rider Moe ◆ERF1YrA氏 No.7氏 No.8氏
- 847 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/19 21:06 ID:???
- >>691(続き>>703 by名無し様) by Masked Rider Moe ◆ERF1YrA氏(クリスマス)
>>695-700 by No.8氏(お正月)
>>705-709>>715-716 by Masked Rider Moe ◆ERF1YrA氏(お正月)
>>722-727>>732-737(おまけ741-742) by712
>>751-752 by751氏
>>763-766 by751氏
>>781-784>>788-789>>793-800>>808-810(後日談>>823-828) by No.8氏(バレンタイン)
>>805-807 by Masked Rider Moe ◆ERF1YrA氏(バレンタイン)
>>814-819 by712(バレンタイン)
>>831-835 by751氏(バレンタイン)
─────────────────────────────────────────
このスレのSSをまとめてみました。え〜とまず…勝手なことしてごめんなさい。
その上、抜けていたり、間違っているかもしれませんがどうか許してください。
>>843
俺の心は永遠に高校生のまま…。冗談です。体も高校生です。
- 848 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/02/21 08:17 ID:???
- >845氏
年齢に関しては、後からどうにでも取れるように、わざとあやふやにしていました(w
車を使わせたら便利だな・・・と言うわけで、急遽高校卒業以上にしました。
カレーの話の時は、今見返すと確かに高校生っぽいですよね。
>712氏
SSのまとめ、お疲れ様です。
まだ400番台の時から第2段小説があったんですね・・・。懐かしい。
私は次はホワイトデーの前に雪かきの話を書こうかと計画中です。
丁度、リアルで雪かきをした時に色々リアル妹とありましたので。
多少脚色して、今度こそ萌え文章にしたいと思います。
公私共に忙しい時期ですが、時間を見つけて書こうと思います。
- 849 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/02/25 06:45 ID:???
- 保守
- 850 :712 ◆isG/JvRidQ :03/02/27 17:01 ID:???
- 一応保守。
あ、テストは昨日終わりました。果たして結果は……。
「お兄ちゃん、そんなに良く出来たの?」
「ああ、結構自信あるぞ」
「え〜?ホントに〜?」
「…それって失礼じゃないか?」
「だって…テスト週間に学校休んでSSのまとめしてたでしょ〜?
テストの真っ只中の日に向こうに妹スレにも書き込んでたでしょ〜?
苦手教科のテスト前日にアバレンジャーと仮面ライダーファイズ見てたでしょ〜?」
「いや…学校を休んだのは公立高校の推薦入試で学校が休みだっただけだ…」
「言い訳はそれだけ〜?」
「……何だよその目は?言っておくがカンニングなんてしてないぞ!」
「そうじゃないよ!私は一生懸命勉強しても全然出来ないのにお兄ちゃんだけズルイよ〜!」
- 851 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/02 21:38 ID:???
- 保守。
新しい作品は妹が兄を呼ぶときに「お兄ちゃん」ではなく、
「兄さん」にしようかと計画中です。
しっかりものの妹と、ちょっと間の抜けた兄と言うコンビで行きたいと思っていますが・・・。
微妙なところです。
早く忙しい時期から抜け出したいです。
- 852 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/07 06:55 ID:???
- 保守ついでに書き込みです。
やっと忙しい時期も終わりましたので。
登場キャラも新たに、新作です。
「兄さん!起きて下さい!」
妹の美希が部屋に飛び込んでくる。
同時に、俺の布団をはぎ取った。
枕元の時計を見るとまだ時間は朝の6時30分。
しかも、今日は日曜日。まだ起きるには早い時間だ。
「お休み」
そう一言だけ言うとまた布団を被り、寝る。
何やらかちかちと音がして、一瞬だけ毛布がめくられる。
寒い空気が流れ込んできたが、それは一瞬のことだった。
次の瞬間には、元通りに暖かい空気で包まれる。
そして、意識を失う瞬間、耳元で大きな音が鳴り出した。
ジリジリと大きな音を鳴らしているのは間違いなく俺の目覚まし時計。
「うわあああああ!」
突然の出来事に驚き、布団から飛び出る。
そこには、爽やかな笑顔を浮かべる妹が居た。
「兄さん。おはようございます」
「・・・ああ、おはよう」
- 853 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/07 06:56 ID:???
- 俺の名前は青柳一希。
大学2年生だ。
家族構成は妹の美希と、母親の有里。
父親はいない。と言うのも、俺が中学校3年の時に両親が離婚したからだ。
妹の美希は高校2年。4月で3年生になる。
大学に進むため、一生懸命勉強している。
美希が市立大学なんぞに進学したら、俺の家の家計は潰れてしまう。
だから、ちょっと今の美希の学力的には厳しいが、俺の通っているような、
国立で授業料の安い大学に進学して欲しいというのが俺のささやかな願いだ。
ま、そんなことはどうでもいいな。
と言うところで続きです。
- 854 :モモ☆ :03/03/08 21:19 ID:NP6r1Kxh
- お兄ちゃんとナリメしたいのぉ★でもなんかやおい女ばっかで、男の人少ないの(;;)だからここでナリメしよぅよぉ♪アドをコピーして携帯からきてね★
大好きだよ・・・お・に・い・ちゃ・ん!!★
http://b.z-z.jp/?animate
- 855 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/08 21:32 ID:0ozIL/1u
- 言われたいって言うか、本当に言われたセリフ
妹(真ん中)「お兄ちゃん、わたし、お兄ちゃんがいてくれて本当によかった・・・」
兄冥利に尽きる一言だった。
妹(下)「おにいちゃん・・・、カナのこと、きらい?(烈しく泣き声で)」
なんて言うのか・・・。正直言って、こんな妹要らんよな。
- 856 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/08 21:38 ID:???
- >855
…この幸せ者が!
特に妹(下)の台詞にすっごく萌えた!
俺の下の妹は今、ドラマ見ながら幼児用のブロックで何か訳の分からない物作ってるよ(w
- 857 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/09 03:17 ID:???
- >>855
>正直言って、こんな妹要らんよな
今すぐお前を逆さに吊るしてバイクに固定してマッターホルンを滑走したい気分だ
- 858 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/09 23:56 ID:???
- 712 ◆isG/JvRidQ 氏もおなじみのあっちのスレで見かけたが…
We are each of us angels with only one wing.
And we can only fly by embracing each other
なんて俺も言われてみてえもんだぜ、ちくしょうめ…(;´Д`)ハァハァ
- 859 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/10 01:06 ID:vonTky2i
- >>855
真ん中と下ってことはまだ上の妹がいるのか、貴様。
- 860 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/11 11:13 ID:???
- >>855氏
良い妹さんだな。大事にな。
下の妹さんを悲しませるなよ。良いお兄ちゃんでいるべし。
うざがっていると仲も悪くなるからなぁ。
>>712氏
幼児用のブロックはあれはあれでバカにしてはいけないぞ。
大人がやっても楽しいというか、色々と頭の体操にもなるし。
妹さんと一緒にやってみたらどう?
- 861 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/11 11:25 ID:???
- 何かここって855氏みたいに心温まる話が出てくるから好きだな。
何があったのかは知らないけど、妹さんと仲良く。
しかし、下の妹さんを泣かせるとは・・・。
ちょっとした事件があって、妹だけじゃなくて、
家族がいるってホントに有り難いと身に染みた今日この頃。
本日、私の妹は修学旅行で買ってきた指輪を無くしたと騒いでいました。
昨日、妹に頼まれて、部屋を掃除したときに、
何か比較的大きめな物を吸い込んだ記憶があるのだが・・・。
- 862 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/11 17:07 ID:???
- >>860
いや、ブロックをバカにしてるわけじゃないんですよ。昔、俺が使ってた物だし…
でも、小学五年生の女が幼児用ブロックを『武器だぁー!』と言って振り回してるってのはどうなのかな…
- 863 :751 :03/03/11 20:06 ID:???
- >>No.8さん
新しい物語が始まったんですね。続きが楽しみです。
僕は現在、ホワイトデーSS執筆中です。なんとか3月14日に間に合うように
頑張りますが、またちょっと遅れるかも・・・とにかく頑張ってみます。
- 864 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/13 12:29 ID:MIlOrbRG
- 言われたいっていうか、言ってたセリフ。
(下の妹)「ふえぇーん(泣)、イギーが、死んじゃったぁー(泣)」(ジ○ジ○を見て)
素直な妹、でした。
- 865 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/13 12:38 ID:???
- ちんちんちんぽこりんたろう
- 866 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/13 12:51 ID:MIlOrbRG
- 言われたいっていうか、言われたセリフ(その2.5)
妹(下)「おにーちゃーん、こわいテレビみたから、いっしょにねてぇー。」
俺「お、おまえもう中2だろ?倫理的に問題が・・・・」
妹「?」
数分後、結局いっしょに寝る羽目に。ピタッ(ひっつき音)。
(伊藤家の食卓を見ていて、片栗粉に関する大発見をしていた時)
俺「やるしかねぇ!カナ(妹の名前)!」
カナ「うん!」
とかいいながら、二人で「おぉぉぉぉぉすげええええええぇぇえ!!」(ハモリ)
↑精神年齢いっしょ。
とかやっていたのが懐かしい。
もう帰ってこねぇのかな。あんな時間。
ちょっと思い出に浸りました。大しておもしろくもない話でスマヌ。
- 867 :魔剣士ルキフェルス :03/03/13 13:00 ID:q/inN7Z+
- ↑必死だな・・・お前等!!
- 868 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/14 06:37 ID:???
- ではホワイトデーSSのトップバッター、行ってみましょうか!
注)誤字脱字電波には十分に注意してください
「お兄ちゃ〜ん」
妹の声が、眠っていた俺を覚醒させる。
「ん?…今日は早いんだな…」
俺は頭を掻きながら上半身を起こし、不機嫌に聞こえるよう言い放つ。
「うん♪ちょっと楽しみなことがあるんだぁ〜♪」
「あっそ…」
「あ、気になってるでしょ〜?」
「少しな…」
「じゃあ、ヒント!今日は何日でしょうか!?」
「三月…十四日…。忠臣蔵の松の廊下の刃傷か…?」
「ブッブゥ〜!大ハズレ〜!じゃあっ、ヒント2!一ヶ月前は何の日だ!?」
「一ヶ月前…バレンタインデー…。ああ、なるほどね…」
「分かった〜?」
「ああ…よく分かった」
「私はチョコをあげたのに、お兄ちゃんは何もくれないのかな〜?」
「分かったよ…帰るまでには、何か買ってくるよ…」
「え〜!?まだ買ってなかったの〜?お兄ちゃんの愛はそんな物だったのね〜!?」
「そういうこと言うなよ…」
「あ!何も無いなら〜、プレゼントは〜キスでもいいよ〜♪」
「バッ、バカ!何言ってやがる!」
「あらあら、照れちゃって〜♪可愛い〜♪」
そう言って、俺の額を人差し指で軽く突付く。
俺はそのことに少し腹を立て、ゆっくりと立ち上がった。
「少しは妹らしくして欲しいよ…。全く…」
そして、俺は妹に聞こえないようにそう呟くと、妹の脇を通り抜け、自分の部屋を後にした。
- 869 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/14 06:37 ID:???
- 朝食の最中も、妹は物凄いはしゃぎっぷりを見せていた。
俺はトーストをかじりながら、その幸せ全開の顔をぼんやりと眺めている。
「お兄ちゃん、私の顔に何かついてるの〜?」
「いや、別に…」
「じゃあ私の顔に見惚れちゃったんだね〜♪嬉しいな〜♪」
「何言ってんだ…」
「じゃあ、何してたって言うの〜?」
「ホワイトデーって一体何を買ったらいいんだ、と思ってな」
「それは私のための物と考えてもいいのかな〜?」
「…まぁ、そうだな…」
「それなら私も真剣に考えなきゃな〜」
そう言って少し考える素振りをする妹。そして、数十秒後、突然大声を張り上げた。
「そうだ!私、お兄ちゃんの手作りクッキーが食べたいよ!」
「却下…」
「何で〜?私だって手作りだったんだから、お兄ちゃんだって手作りでくれてもいいじゃない!」
「…ああ、アレ手作りだったのか…」
「ヒドいよ〜!まさか気付かなかったの〜?」
…全く気付かなかった。が、ここで変なことを言えば…恐らく皿かグラスか鉄拳が飛んでくる。
それを防ぐために、俺はまだ少し寝ぼけている頭をフル回転させて最適な言い訳を探した。
「…美味すぎて買った物だと思ってたよ」
「嬉しいな〜♥お兄ちゃん、そんなに美味しかったの!?」
目を輝かせて妹は俺に聞いてくる。
「ああ。美味かったよ」
「それなら…なおさらお兄ちゃんの手作りクッキーが食べたいな〜♥」
…妹の理屈はよく分からんが、これ以上粘ってもどうせ作る破目になるだろう。
俺は大きな溜息を一つ吐いて、宣言する。
「ああ、分かったよ!クッキーぐらい作ってやるよ!」
「ウソ!?ホントに作ってくれるの〜?」
「ホントに作ってやるから、今日早く帰って来いよ」
「は〜い♪了解しました〜♪」
- 870 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/14 06:37 ID:???
- 俺が生地をオーブンに入れて焼き上がりを待っている時だった。
「たっだいま〜!」
元気な声を家中に響き渡らせて、妹がキッチンに飛び込んでくる。
「おう、お帰り」
俺はオーブンの中を見ながら妹に言葉を返す。
「わ〜、いい匂いだね〜♪」
「そうだな、もうすぐ焼けるぞ」
俺はそう言いながら、妹を見る。すると突然…
「ふふふ…あはははは!」
「どうした…?」
「お兄ちゃん…ふふ…顔、顔!…ふふふっ…」
笑いをこらえながら、俺の顔を指差す妹。俺は訳がわからず鏡を覗き込んだ。
鏡の中では、鼻の頭を小麦粉で真っ白にした俺が俺を見つめていた。
「ほら、拭いてあげるよ」
妹がハンカチ片手に、こっちに歩いてくる。
俺は、長身の俺の顔に顔を近づけようと精一杯背伸びをする妹に少し微笑ましさを感じながら、
わずかな距離の先にある妹の顔に少し恥ずかしさも感じていた。
「コレでよしっと…」
「悪いな…」
「ううん、気にしないで…」
そのとき、二人はどことなくいい感じの雰囲気に包まれていた。
「…お兄ちゃん…」
「お前…」
見詰め合う二人。
…もちろん、この雰囲気が何者かによって壊されるのはそう後のことではないのだが…
- 871 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/14 06:37 ID:???
- チーン!
突然、タイマーの終了知らせる音が鳴り、二人を現実に引き戻した。
俺はオーブンに近づき中の物を慎重に取り出す。妹も俺に寄り添って必死で覗き込む。
「わぁ〜!」
「お…」
「美味しそぉ〜♪お兄ちゃん、一つ食べてもいい?」
「一つと言わず全部お前のだよ…」
「う〜ん…私は半分でいいよぉ〜」
「何で…?」
「お兄ちゃんと…私で…半分こするの♥」
「俺はいらない…」
俺が焼き上がったクッキーを皿に載せ、それをテーブルの上に置いて、立ち去ろうとする。
「お兄ちゃん!」
ドアを開けようとした俺を妹が呼び止めた。俺はドアノブから手を放し肩越しに振り向く。
「何だ…?」
「実はね。私、クッキーは欲しくないんだよ」
「…どういう意味だ…?」
「う〜ん…ちょっと言い方が良くなかったかな…。えと、クッキーは二番目に欲しい物なんだ」
「…」
「一番欲しいのは…」
妹はまだ出来たてのクッキーを掴んで俺に走り寄り、それを俺の口に放り込んで言う。
「お兄ちゃんと…一緒にいる時間だよ…♥」
「…俺と…?」
「うん♪私は世界で一番お兄ちゃんのことが大好きなんだからね♪」
「そうか…」
俺は小さく微笑を浮かべて、ニコニコと嬉しそうな妹の頭を軽く撫でてやると、
妹はくすぐったそうに目を閉じる。
…その仕草が何だか可愛く思えて、
『一緒にいたい』という妹の言葉が少しだけ…理解できた気がした…
- 872 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/14 06:38 ID:???
- もうダメだ…こんなの読んだら…みんなが不幸になっちゃうよ…。
今度こそ真面目で萌え萌えで面白い物を書こうと思ったのに…もうダメだぁ…。
俺も反省してるから、石でも何でも気が済むまで投げてくれ…。
こんな誰でも書けそうな物を書いてる俺なんかが、トリップ付けて偉そうにしててもいいのかな…
- 873 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/14 07:49 ID:???
- わ〜、今見たら名無しになってる!
>>868-872は皆私でございます。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした
- 874 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/03/14 20:20 ID:???
- >712さん
気にしなさんな、十分萌えた。つか、構想してたネタを先にやられたッ!
では、作品投下。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3/14、朝。俺は普通に起床した。起床するのと時を同じくして、妹が部屋に入ってきた。
「おっはよぉ、にぃにぃ」
「おう」
「今日は何の日?」
「・・・ボケ無しで答えると、ホワイトデーだな」
「んもう、こういうときに限ってボケてくれないんだね」
「くだらん・・・もううんざりだ・・・ほら、とっととメシ喰ってガッコ行くぞ」
「はいはい」
今日の朝も普段と変わらない会話だったが、今日は外せない野暮用が待っている。
放課後。いつもなら妹と一緒に家路につくのだが・・・今日は違った。
「おい、先に帰っててくれ」
「なんで?」
「ちょいと野暮用がある。遅くなったら、先にメシ喰ってていいぞ」
「え〜、もう、しょうがないなぁ・・・」
「わりぃわりぃ、上手く行けばすぐ済むから。じゃな」
「は〜い」
野暮用が済んだのは午後8時。現在、隣町のさらに郊外。
「まずいな・・・家に帰りつくのは10時過ぎってとこか・・・」
秒速でチャリを漕ぐ。マウンテン型でスピードは出るとはいえ、道は遠い。
信号も無視し・・・・・・たのがいけなかった。車にはねられかける。
車を回避して転倒してしまった。だが、それでもある物だけは死守する。
「・・・こいつを壊すわけにはいかんからな」
しかし、足を挫いている。さっきのような秒速は望めそうにない。
「・・・あいつが、待っている」
その一念で痛む足を動かし、夜の街を疾駆する。
- 875 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/03/14 20:33 ID:???
- 夜11時。足を引きずりながら帰宅。無理したせいか、足に激痛がたまりまくっている。
玄関口に辿り着くと同時に、痛みのあまり転倒する。我ながらよくもったな・・・
「ふん・・・だいぶんひどく挫いたもんだぜ・・・よっこいしょ、と」
インターホンを鳴らし、妹を呼ぶ。事情を説明すると、妹は飛んできた。
「にぃにぃ、大丈夫!?」
「大丈夫じゃねぇが、大丈夫だ」
「もう、ホントに心配したんだからね・・・ッ!」
「あれ、お前泣いてるの?・・・ったく、涙脆いなぁ」
「にぃにぃのせいだよぉ!怪我してまで・・・一体、何してたのよ!」
そう問われた俺は、足を挫いてまで死守した小さな包みを手渡す。
「何これ・・・?」
「開けてみれば分かるさね」
「・・・あ」
中身は、こっちの町でも評判になっていた、隣町のおいしいクッキーである。
「高かったぜ、漱石が2枚逝っちまった。おまけにこいつを死守して足ヤッちまったしな」
「・・・バカァ!にぃにぃの、バカァ!うっ、ううっ、ひっく・・・」
「バカで悪かったな、でも、お前に食べさせてやりたかったんだよ」
「・・・・・・」
「あ、今なんて言った?」
「ありがとう、にぃにぃ・・・」
「おう、そう言われると報われるぜ。ほれ、涙拭きな」
リュックからハンカチを取り出し、妹の顔を拭う。妹はされるがままだ。
「それ喰ったら、さっさと寝るこったな。俺は疲れたから、もう寝るぜ」
「うん・・・にぃにぃ、ありがとうね・・・」
泣き笑いの妹の顔を見て、足の痛みもどこかへ飛んでいったようだ・・・
全く、色んなものが高くついたホワイトデーであった。
- 876 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/14 23:45 ID:???
- ホワイトデーですねぇ・・・。
以下、我が家での光景99%実話です。
妹「お兄ちゃん。今日ホワイトデーだよ」
私「ああ、そうだな。何か欲しい物無いか?」
妹「ロ○ズのチョコレート商品全種類」
私「それは食べるのも大変なので止めとけ。太るぞ。
ってか、クッキーじゃなくても良いのか?」
妹「うん。クッキーは砂糖とバターの塊だもん」
私(チョコレートも砂糖の塊だと思うんだが・・・)
妹「じゃあ、六花○のストロベリーチョコの新しい奴で良いよ」
私「ああ、それくらいなら買ってやれるぞ」
妹「わーい」
私「じゃあ、一緒に買いに行くか」
妹「うん」
と言う萌えもへったくれもない話です。
まあ、あまり変に高い物を請求されなくて良かったと思っています。
>712氏
いつにも増して兄妹のラブラブっぷりが凄いですね。
密かにいちゃいちゃシーンを書くときはお手本にさせていただこうと思っています。
>Masked Rider Moe 氏
もう自転車ですか・・・。
私の住む北海道は未だに歩道は雪と氷の世界です。
車道は比較的舗装が出てきましたけどね。
そして私の書いているものは「雪かき」なので、
いい加減に仕上げないと季節と合わないことになりかねませんからね・・・。
進級も決まったことですし、今度こそ、短めで萌える文章を書こうと思います。
- 877 :751 Part1 :03/03/15 03:01 ID:???
- >>751-752 >>763-766 >>831-836ですが、一日遅れのホワイトデーSSを作りました。
これは>>831->>836の続きになってます。セットで読んだら二倍楽しめる・・・かも?
「たっだいま〜!」
元気のいい声をあげながら、少女は玄関の扉を開けた。
靴を揃えるのも忘れ、リビングへ続く廊下を駆けていく。その表情は、花が咲
いたかのように明るかった。
少女の機嫌が良いのには、理由があった。今日は3月14日、ホワイトデー。
男の子が、バレンタインデーに受け取ったチョコのお返しをする日だ。
一ヶ月前、少女は兄にチョコを渡した。生まれて初めての手作りチョコという
ことで、気に入ってもらえるか不安だったが、兄はとても気に入ってくれた。そ
れどころか兄は、少女に向かって「オレにとっての本命は、お前からのチョコだ
けだ」とまで言ってくれたのだ。そのときのことを思い出すだけで、少女の顔は
赤らみ、胸がドキドキ高鳴った。
優しい兄なら、きっとホワイトデーのお返しをくれるに違いない……少女は一
ヶ月間、今日が来るのを心待ちにしていた。そしてやっと、待ちに待ったホワイ
トデーが来た。少女は授業が終わった瞬間、学校から飛び出て家まで全速力で駆
けてきたのだ。
息を切らしながら、少女は兄の部屋のドアを開けた。
しかし、そこに兄はいなかった。兄のカバンは置かれているが、兄の姿は見え
ない。
- 878 :751 Part2 :03/03/15 03:13 ID:???
- 「おっかしいなあ……お兄ちゃん、どこにいるの?」
少女は首を傾げながら、自分の部屋や洗面所のドアを開けていった。
そのとき、洗面所の奥から水の流れる音が聞こえてきた。
音のしてくる方へ行くと、風呂場からシャワーの音が聞こえてきた。お湯に曇っ
たガラス戸ごしに、人影がぼんやりと見えた。
「お兄ちゃん、お風呂に入ってるの?」
少女が呼びかけると、シャワーの音が止まった。
「ああ、帰ってたのか? 部活で汗をかいたから、ちょっとシャワー浴びている
んだよ。汗かいて、そのままにしてると、気持ち悪いからな」
「そっか、もうすぐ試合だもんね。お兄ちゃんも大変だね」
「まあな。あと少ししたら出るから、リビングで待ってろよ」
「うん、早く出てきてね」
少女は自分の部屋に行き、制服から部屋着に着替えてから、リビングへと続く
廊下を歩いた。
兄はいったい、どんなチョコを渡してくれるんだろう? ホワイトデーにちな
んだ、ホワイトチョコだろうか? それとも、ごくノーマルな板チョコ? もし
かしたら、少女の名前入りの手作りチョコかも……。
(ふふっ。お兄ちゃん、早くお風呂から出てこないかなあ……)
少女は頬を朱らめながら、リビングのドアを開けた。
と。少女はテーブルの上に、箱が置いてあるのを見付けた。
藍色の箱には、たくさんのアルファベットが並んでいる。英語の苦手な少女に
は、何が書かれているのか分からなかったが、表の「CHOCOLATE」とい
う単語だけは理解できた。これはきっと、兄が買ってきてくれたチョコだ。
(ちゃんと覚えていてくれたんだ……嬉しいよ、お兄ちゃん……)
兄がシャワーから出てくるまで待っていよう……少女はそう思った。だが、箱
を眺めているうちに、胸がうずうずと騒ぎ始めた。せっかく目の前にあるんだか
ら、さっさと開けちゃえ……そんな囁きが聞こえてくるようだった。
この箱を開けることは容易い。でもそんなことをしたら、兄に怒られるかもし
れない。でも、見てみたい。兄がどんなチョコを買ってくれたのか、一刻も早く
確かめたい……。
- 879 :751 Part3 :03/03/15 03:26 ID:???
- (えーい、開けちゃえ!)
とうとう誘惑に負け、少女は箱の袋を開き始めた。お兄ちゃんがお風呂か
ら出てきたら、適当に謝っとけばいいや……そんなことを考えながら、少女
は一つ目のチョコを口の中に入れた。
「あっ……美味しい!」
口に入れた瞬間、心地よい甘さが少女の舌を刺激した。チョコの中に詰められ
た液体が口の中に広がり、味覚と鼻腔を優しく撫でる。今まで味わったことのな
い美味しさに、少女は顔をほころばせた。
見るからに高級そうな箱といい、味といい、このチョコは決して安物ではない
だろう。あまり多くないお小遣いをやりくりして、こんな高いチョコを買ってく
れるなんて……嬉しさに顔を緩めながら、少女は二つ三つとチョコを口に放り込
んだ。
しかし。4つ目のチョコをつまんだ瞬間、少女の視界がぐにゃりと歪んだ。
急に頭が重くなり、胸の動悸が早くなっていく。頬が赤くなり、顔が炎のよう
に火照り始めた。
(あ、あれ? おかしいな……風邪でもひいたのかな……)
少女はキッチンで水を飲もうと、ソファから立ち上がった。だがその途端、少
女は足をふらつかせて床に倒れた。動悸はさらに早まり、吐き気までしてきた。
頭の中で、何かがグルグルと渦を巻いているかのようだ。
(なにこれ……変だよ、あたし……助けて、お兄ちゃん……苦しいよ……!)
「よっ、お待たせ」
少年が髪の毛を拭きながら、リビングに入ってきた。
と、少年の目に、床に倒れ込む妹の姿が入ってきた。少年は慌てて少女のそば
に駆け寄り、その身体を抱きかかえた。
- 880 :751 Part4 :03/03/15 03:28 ID:???
- 「お、おい、どうした? 何があったんだよ!」
「分からない……チョコを食べてたら、急に気分が悪くなって……」
「チョコ?」
その時、少年は初めて、テーブルの上の箱が開けられているのに気付いた。箱
の中のチョコがいくつかなくなっているのを見て、少年はギョッと顔を歪めた。
「お前、このチョコ食べたのか?」
「うん。それ、お兄ちゃんが用意してくれたチョコでしょ? 待ちきれなくて、
つい食べちゃった……」
「ばか! これは父さんが母さんに買ってきたお土産のチョコだ! 中には酒が
入っているんだぞ!」
「お酒が……?」
フッ、と少女の意識が遠ざかった。
少年の腕の中で、少女はガクリと首を倒す。瞼を閉ざした少女は、動く気配す
ら見せようとしなかった。
「お、おい! しっかりしろよ、おい! ……くそっ、何でこんなことになるん
だよ……!」
(あれ……ここは?)
ボンヤリとした意識の中、少女は自分がある場所にいることに気付いた。
そこはどこかの公園だった。砂場とブランコ、それに滑り台が置いてあるだけ
の小さな公園だった。
そこがどこなのか、少女には分からなかった。だが少女は、妙な懐かしさを感
じていた。遠い昔、ここで遊んだことのあるような懐かしさを。
(なんだろう、ここ……どこかで見たことあるような気がする……)
『うっ……ぐすっ……ひっく……』
少女の耳に、泣き声が聞こえてきた。
少女のそばに、一人の女の子がいる。5〜6歳くらいのその女の子は、地面に
座り込みながら泣いていた。
- 881 :751 Part5 :03/03/15 03:31 ID:???
- 『ひっく、ひっく……ぐすっ……』
(どうしたの、お嬢ちゃん。迷子になったの?)
少女は手を伸ばして、女の子の肩に手を触れようとした。
だがその直前、一人の男の子が駆け付けてきた。男の子は女の子の前で止まる
と、乱れた息を必死で整えながら、女の子の両肩に手を置いた。
『こんな所にいたんだな。探したぞ』
『………?』
『一人で寂しかっただろ? ほら、一緒に家に帰ろう』
『……お兄ちゃん!』
女の子は男の子に抱きついた。その途端、女の子の口から悲鳴のような泣き声
が発せられた。
ずっと溜めてきた寂しさを破裂させたかのように、大きな声で泣き叫ぶ女の子
……そんな女の子を、男の子は無言で抱きしめていた。顔に微笑を浮かべながら、
女の子を優しく見守っていた。
その時、少女は気付いた。この男の子は、幼い頃の兄。そして、兄に抱きしめ
られている女の子は……幼い頃の少女自身だ、ということを。
そういえば、少女が新しい街に引っ越したばかりの頃、帰り道が分からなくなっ
て迷子になったことがある。まだ幼い少女は、どうすればいいのか分からず、た
だ泣いていた。誰も助けてくれない、誰も手を差し伸べてくれない……その寂し
さに、ただ泣くことしかできなかった。
そんな時、兄が少女のもとへ駆け付けてくれた。まだよく知らない街の中を必
死に駆けながら、兄は少女を捜し回ってくれた。そして、むせび泣く少女の身体
を、優しく抱きしめてくれた……。
子供の頃からずっと、一途に兄を想い続けてきた少女。いつからそんな想いを
抱いてきたのか、それは少女自身にも分からなかった。しかし今になって、やっ
と分かった。この、迷子の自分を助けに来てくれた瞬間から、兄への想いが始まっ
たんだ……と。
- 882 :751 Part5 :03/03/15 03:33 ID:???
- しばらく経って、ようやく女の子が泣きやむと、二人は手を取り合って歩き始
めた。
『お兄ちゃん、今日はゴメンね。あたしのせいで、お兄ちゃんに迷惑かけちゃっ
て……』
『気にするなよ。お前が困ってたら、オレはどこへでも行ってやるよ』
そう言って男の子は、女の子の肩に手を置いた。
『お兄ちゃん……ずっとずっと、あたしの側にいてね。何があっても、あたしか
ら離れないでね……』
二人仲良く並びながら、街へと消えていく兄妹。そんな二人を見つめながら、
少女は胸の中で呟いた。
(大丈夫よ。あなたが心配しなくても、あなたのお兄ちゃんはずっと、あなたの
側にいてくれる。ずっとずっと、あなただけを見守ってくれるわ。だからあなた
も、お兄ちゃんだけを見つめ続けて。他の男の子に浮気なんかしたらダメよ……)
「う……う〜ん……」
妙な肌寒さを感じ、少女は目を覚ました。
瞼を開いた途端、頭がズキズキと痛んだ。痛みに耐えながら周りを見ると、既
に陽が落ちてすっかり暗くなっている。だいぶ長いこと眠り込んでいたようだ。
さっき見た映像は、夢だったのだろうか? それとも、幼い頃の記憶が呼び起
こした、幻だったのだろうか? 今となっては分からないが、少女にとってはど
ちらでも良かった。兄への想いの原点を、蘇らせてくれたのだから。
少女が起き上がろうとすると、傍らにあった何かが手に触れた。それは暗闇の
中で動き、少女に顔を向けた。
「おっ。起きたようだな」
「……お兄ちゃん? お兄ちゃんなの?」
「ああ。ちょっと待ってろ、電気を付けるから」
少年は立ち上がって、電気のスイッチを入れた。灯りの眩しさに、少女は思わ
ず目を細める。
- 883 :751 Part7 :03/03/15 03:39 ID:???
- 「お兄ちゃん、いま何時?」
「12時過ぎだ。日が変わっちまったな。しかし、ずいぶん長いこと眠ってたな」
「うん。お酒なんて飲んだの初めてだから……ちょっと失敗しちゃった」
少女は、テヘッ、と言いながら舌を出してウィンクした。
「……ところで、お兄ちゃん。いつからそこにいたの?」
「ずっとだよ」
「……ずっと?」
「ああ。お前が倒れてから、ずっとここにいたよ」
「そんな……何時間も、ずっと? どうして?」
「それは……お前が心配だからだよ。お前に何かあったら、嫌だからな。だから、
ずっと付いててやった。ただそれだけだよ」
「………」
少女は、自分の胸に手を置いた。胸の奥が、じぃん、と熱くなっているのが分
かった。
あの時と同じだ……少女は思った。昔、少女が迷子になったときも、兄は少女
のことを心配して、探し回ってくれた。まだよく知らない街の中を、ひたすら走
り回って、少女を見つけだしてくれた……兄はあの時と、少しも変わっていない。
ずっと、少女のことを想い続けてくれているんだ……。
「そうだ。まだこれを渡してなかったな」
少年はそう言って、懐から箱を取り出し、少女の前に差し出した。
「この前は、手作りチョコをありがとう。これはそのお返しだ」
「覚えててくれたの? 今日がホワイトデーだってことを……」
「当たり前だろ。一年に一回の大切な日なんだ。忘れてたまるかよ」
「……ありがとう、お兄ちゃん」
少女は少年の身体に抱きつき、背中に両手を回した。
兄の身体の温もりを感じながら、少女は兄の耳元に口をつけ、言った。
「お兄ちゃん……ずっとずっと、あたしの側にいてね。何があっても、あたしか
ら離れないでね……」
- 884 :751 :03/03/15 03:43 ID:???
- すみません。たったいま気付いたんですけど、「Part6」の表記が「Part5」になっていました。
しかし僕の作るSSって、話を重ねるごとに無意味に長くなっているような気が
します・・・もう少し短くまとめたいと思ってるんですけど、どうも長くなって
しまうんですよね。やっぱ力量不足なのかな?
それじゃ、もし良かったら感想をお願いします。
- 885 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/15 12:15 ID:???
- >NO.8氏
妹の性格をあんな感じにしてしまったので、イチャイチャ、ラヴラヴは仕方ないかな…と思ってます。
少し控えようとは思っているのですが…
>751氏
(;´-`).。oO(氏の作品見ると、俺の物の軽さと薄さを実感だよ…)
(;´-`).。oO(トリップつけないのかな…)
>Masked Rider Moe氏
ねたが かぶって 712は しんだ
712「ぐわぁー」
みんな「なんてやつだ!」
- 886 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/03/15 17:42 ID:???
- >No,8氏
いい作品を期待している。
短めで萌えさせるというのは大変だろうが、頑張ってほしい。
>751氏
長文ながら、飽きさせない造りがすばらしい。
俺には書けない長文萌えってのを、堪能させてくれる。
>712氏
「へへへっ、ゆかいだぜ!」・・・と言いたい所だが。
むしろ俺の方が「ぐわぁー」な立場のような気がする。
最後に、自分のSSはやはり萌えが足りない・・・より一層の精進を心がけたい。
- 887 :丹下 桜継 :03/03/16 12:08 ID:FZpZxchc
- 751、妄想馬鹿死ね。
- 888 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/16 12:14 ID:???
- オマエガナー
- 889 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/16 12:27 ID:???
- 丹下は放置するのがいい…
らしいぜ
- 890 :751 ◆FFV1SjUAV2 :03/03/16 20:05 ID:???
- >>712さんに言われ、トリップを付けてみました。
712さん、Masked Raider Moeさん、感想ありがとうございます。楽しく読んで
下さったみたいで、良かったです。
いちおう「兄を慕う可愛い妹」を描こうと努めたつもりなのですが、その狙いが
当たったようで嬉しいです。また作品が出来たらうpしますね。
>丹下さん
まあ、頭の中で妄想したものを文章化したものがSSですから・・・っていうか、
712さんの言うとおり放置したほうがいいんですかね?
以下、他の方の感想。
712さん、やっぱり「妹のために何かしてあげる兄」っていうのはいいですね。
それを見て嬉しがる妹っていうのもいいです。そういえば僕は、妹のために
何かしてあげたり、何か贈ったりしたことがないです。一度でいいから、そう
いう機会を持ちたいとは思っているんですけど・・・。
Masked Rider Moeさん、「にぃにぃ」っていいですねー。可愛い妹にこんな
呼び方されたら、一発でKOかも・・・。うちの妹にも見習わせたいものです。
お二人とも、面白くて萌えました。
- 891 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/16 20:06 ID:???
- 放置すれ。
- 892 :孫悟空 ◆1CL6vYZ2rM :03/03/17 15:14 ID:???
- ドラゴンボールZ
フジ(関東)で毎週月曜16:30〜放送中!!
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- 893 :孫悟空 ◆1CL6vYZ2rM :03/03/17 15:21 ID:???
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- 894 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/20 09:09 ID:???
- 保守。
- 895 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/24 00:35 ID:???
- http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1041080381/94
- 896 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/24 02:10 ID:???
-
- 897 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/24 08:19 ID:???
- 続きです。全然話が進展しない気もしますが・・・。
「で、こんな朝早くから起こして、一体何があったんだ?」
寝ぼけ眼で美希に尋ねる。
「兄さん。驚かないで下さい」
まじめな顔をして美希が言う。
「あれか。母さんの再婚相手が決まったとか?」
「違います」
「じゃあ、あれだ。お前のクラスの担任がついに闇討ちにあった」
「それも違います。ま、いつ遭ってもおかしくないくらい嫌われていますけどね」
「ん〜。分からん」
いい加減寝ぼけ頭ではネタ切れだ。
「答えはですね・・・」
そう言って俺の布団を乗り越え、部屋のカーテンを開ける。
さっと太陽の光が入ってくる。まぶしくて目を細める。
「今日も良い天気だな」
「ここに立って、外を見て下さい」
そう言われたので仕方なく、俺は窓際へ移動する。
- 898 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/24 08:20 ID:???
- そこから見た光景に、俺は唖然とした。
「いや〜。一面真っ白だな」
そう。雪が降ったのだ。昨夜、帰ってくるときに確かに雪は降っていた。
しかしだ、一晩でここまで降るとは思えないほど、雪が積もっていた。
「先程ニュースでやっていましたけど、積雪量が1mを越えています」
「そうか〜。1mを越えたか〜。すごいなぁ〜」
「さ、早く朝食を食べて雪かきをしましょう」
妹は平然と言ってくる。
「1mの雪だぞ?町の除雪を待った方が良いと思うぞ」
「町の除雪を待っていたら、明日の朝になっても家から出られませんが、何か?」
確かに、俺の家は町はずれと言っても過言ではない場所に建っている。
「どうでも良いが、何で2ch用語・・・」
「漏れはにちゃんねらーですが、何か?」
朝から疲れる。と言うより2chを見るより勉強しろと文句を言いたくなる。
「はぁ。分かったよ。雪かきするよ」
「この家で男手は兄さんしかいませんからね。頼りにしていますよ」
「わかった」
そうして、長い雪かきの一日が始まったのだった。
ここまでです。続きは後日。
- 899 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/24 21:06 ID:???
- >NO.8氏
新作ご苦労様です。続きを楽しみにしてるッス。
1mの積雪ッスか…。
雪は降っても積もらない愛知県に住んでる俺にはイメージしにくいですけど…大変なんでしょうねぇ…。
あと、俺もとりあえず書き始めて入るんですが…
課題の量が半端じゃなくって…。12人の妹のゲームも買っては見たものの開封する暇すら無く(w、
最近はちょっとの休憩時に2chに来ている日々なんで、春休み中に出来るかどうかは…ちょっと厳しいかも…
- 900 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/24 21:08 ID:???
- ごめんなさいまたやってしまいました、失敗から何も学んでません(w
>>899は俺です。すいません。猛省してます。
- 901 :751 ◆FFV1SjUAV2 :03/03/24 21:29 ID:???
- >>No.8さん
ご苦労様です。続きを楽しみにしていました。
僕の住んでいるところはかなり南の地域なので、雪はほとんど降らないです。
そのため1mの積雪というのは想像できません。
やっぱり妹キャラには、猛暑の夏より極寒の冬のほうが似合いますね。それは、
可憐で繊細な妹キャラには、冬の寒さがピッタリくるからでしょうか・・・?
少し前にホワイトデーSSを書いた僕ですが、また次の作品を考案中です。
次のテーマは・・・エイプリルフール、かなあ?
- 902 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/27 08:23 ID:???
- OSの再インストールをしたのでクッキーが何やら違うかもしれませんが・・・。
取りあえず続きです。
何を隠そう、母さんは膝を痛めているので雪かきは出来ないのだ。
しかも、美希はあまり戦力にならない。
結局、俺一人で殆どを行う羽目になるのだろうなぁ。と思いつつも、
手を動かさなくては雪は一向に減らないので手は動かす。
しかし、幸運だったのは気温の上昇と共に雪が溶けてきていることだ。
確かに運搬の時に重くはなるが、まとめて大量に運べるのは魅力的だ。
来ていた上着を脱ぎ捨てる。何せ暑い。
ふと見ると、比較的片づいてきている。この調子で行けば今日中には終わりそうだ。
そう思ったとき、美希が俺の方を見た。
「兄さん。折角ですから・・・」
「ダメだ」
何か言う前にぴしゃりと言ってやる。
「まだ何も言っていませんよ・・・」
「どうせ雪だるまでも作ろうと言うのだろう?」
美希は昔から雪だるまを作るのが好きだった。
今年の冬は小さい雪だるまを大量生産して、玄関の辺りに並べていた。
美希の頭の中では「雪かき=雪だるま」の図式が成り立っているのだ。
「ええ、そうです。折角固まりやすい雪なのですから、
滅多にないチャンスですので10mくらいの雪だるまを作りましょう」
「10mは無理だ・・・。それにパクリ?」
「では、3mくらいのを」
「それも厳しいぞ。まあ、大きさに挑戦してみるか・・・」
「では、兄さんは下を作って下さい。私は上を作ります。
くれぐれも、上の方が大きい雪だるまにならないように注意して下さいね」
(そうなったら上下を逆にすれば良いだけだろう・・・)
そう心の中で呟き、口では「ああ、分かった」と答えておいた。
- 903 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/03/27 08:39 ID:???
- クッキーじゃなくてトリップだった。鬱だ死のう。
「しかし・・・これはなかなか」
制作3分も経たないうちに腰が痛くなってきた。
美希を見ると楽しそうに雪だるまを作っている。流石に手慣れた物だ。
まあ、雪かきもほぼ終わっていることだし、楽しんでも大丈夫だろう。
「兄さん?サボっていないで手を動かしてくださいよ」
叱咤の声がかかる。我が妹ながら厳しい奴だ。
「何を〜?お前ごときには負けないからな」
「望むところです」
というところで続きです。
>751氏
遅くなりましたが氏のSSは何か読んでいて心が温まる感じがして、好きです。
ただでさえ私は季節では冬が好きな上に、冬服萌えですので夏の物語は難しいです。
そう言えば、天気予報では今日、私の住んでいるところは30〜50cmの雪が降るというので
少々雪かきが怖いところです。雪だるまを作る余裕は今日は無いかな・・・。
>712氏
1mも雪が降るのは1年に1回あるか無いか程度の確率です。
毎日10cm程度は降りますが、その程度は箒で掃いて終わりです。
30cm程度になってくると少々大変になってくるのですけどね。
>Masked Rider Moe氏
今回はなるべく短めで状況描写を入れないように書くつもりです。
もう少しで半分程度ですので、本当に短いです。
萌えるかどうかは微妙ですけど。
- 904 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/28 16:27 ID:???
- ほのぼのホワイトデー話に涙。
漏れが妹にあげたホワイトデーのお返しは、現金一万円也ですた……
- 905 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/03/28 16:32 ID:???
- 何もお返ししていない俺よりはるかにマシ。
あぁ、LotRのDVD見せてくれって頼まれて見せたから、あれをお返しってことにしとこう。
- 906 :712 ◆isG/JvRidQ :03/03/30 18:22 ID:???
- 一応、保守。
妹が昨日からディズニーランドに行ってまして、今、しばしの自由を満喫しております(w
ああ…この自由もあと三時間か…
俺は現在、エイプリルフールをテーマにした物と、『春』をテーマにした物、二つ同時進行で書いてます。
ただし、エイプリルフールの物はかなり電波ですし、ネタがベタベタで、カブる可能性が物凄く高いので、
日の目を見ることは…恐らく無いと思います。
その代わりと言っては難ですが、春の物は萌えるような作品にしたいと努力してます。
まぁ…この前初めてシスプリやったんで、少し(ちゅうか、かなり)シスプリチックになるかもしれませんが…
- 907 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/02 10:56 ID:???
- 保守
エイプリルフールだと言うことをすっかり忘れて過ごしていた昨日。
これから妹が借りてきたあずまんが大王のビデオでも一緒に見るとするか。
- 908 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/07 06:19 ID:???
- hosyu
- 909 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/07 14:06 ID:???
- 続きです。親の引っ越しの手伝いに行っていてすっかり遅れてしまいましたけど。
数十分後
「兄さん。そっち持ってください」
「おい、待て。どう考えても無理だ」
「泣き言言わないで下さい。『成せばなるなる成さねばならぬ』です」
「そうは言ったって、上と下が同じ大きさの雪だるまってあるか!」
「バランスは悪いでしょうが、何とかなりますよ。きっと」
のんきな妹だった。
「仕方ない・・・。よし、乗っけるぞ」
そう言って約1m半程度ある雪の塊を持ち上げる。
これをまた1m半程度持ち上げなければならないのだ。
「いや、これは無理ですね・・・」
「だろ?」
「いったん下ろしましょう」
言うが早いか、半ば投げ捨てるように塊を落とす。
- 910 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/07 14:07 ID:???
- 「下をもう少し削ろう。そうすれば適合性も良くなるし、乗せやすくなる」
「ええ、じゃあ削りますね」
そう言うとどこからともなく剣先スコップを取り出す妹。
「は?チョイ待て、お前それどこから取り出・・・」
「ちょいやぁ!!」
俺の言うことも聞かず、気合い一閃。右から左にスコップを薙ぐ。
恐ろしい勢いのスコップは簡単に雪を削り、そのまま俺の胸元をかすめる。
ピッと俺のポロシャツのボタンが弾け飛ぶ。
「・・・・・」
呆気にとられた俺は何も言えず、その場に立ちつくすのみだった。
「せいやっ!!」
またしても裂帛の気合いからの横薙ぎが入る。今度は左から右にだ。
何か、美希が一歩前に出ているような気がする。
そして、さっきよりもスコップの先端が俺に近い気がする。
殺気を感じた俺は後ろに下がろうとしたが、雪に足を取られ尻餅をつく。
目の前をスコップの先が通っていく。
「・・・・・」
茫然自失となる俺。
「チッ、当たらなかったか」
そんな声が聞こえたような気もしないでもなかった。
- 911 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/07 14:10 ID:???
- 「兄さん?尻餅なんかついて大丈夫ですか?」
「・・・・・お前なぁ。殺す気か?」
やっとそれだけ言えた。
「いやぁ。兄さんには恨み辛みもありますけど、殺しはしませんよ。多分」
「多分って何だ、多分って」
「そりゃあ小さい頃は兄さんに随分といじめられましたからね。フフフ」
「子供の頃のことは持ち出すとキリがないから止めろ・・・」
「冗談ですよ。兄さんには生きていて貰わないといけませんからね。
今兄さんに死なれたら、兄さんの恋人(候補)をいびる楽しみが無くなるじゃないですか。
兄さんの恋人となる方はまず、私に勝ってからにしてもらいますから」
「またお前のそれか・・・」
妹の美希は数年前から「兄さんの恋人は私に勝たないと認めません」
とか何とか言っているのだ。
結局、今まで勝負をしたことはないが、これから先はどうなるかは怪しい。
しかし、一体何の勝負をするかが疑問なのだが・・・。
「私の兄さんを独占するのですから、しっかりした方でないといけません」
とのことだ。
ちなみに言っておくが、俺は妹のためだけに生きているわけではないのだがなぁ。
まあ、そんな事を言うだけ無駄だろう。大人しく今は従っておいた方が良さそうだ。
- 912 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/09 21:16 ID:???
- hosyuage
- 913 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/11 21:17 ID:???
- hosyu
- 914 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/14 07:40 ID:???
- 保守
- 915 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/16 18:50 ID:pjLEe+mq
- また過疎化か…
- 916 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/16 22:19 ID:???
- 「大体、兄さんは甘すぎるんですよ。もっとしっかりして下さい」
「そうかな?大丈夫だとは思うけど」
「全然しっかりしていませんよ。隙だらけです。瞬殺物です」
「美希が厳しすぎるんだろう。学校でも厳しいって言われないか?」
「私は兄さんを守らなくてはいけませんからね。兄さんに変な虫がつかないように
兄さんを心身共に強くしているのです」
「それって『いびり』とか『いじめ』って言わないか?」
「何を仰るんですか。そんな事全然無いですよ」
「それともう一つ質問」
「何でしょう?」
「美希が認める人間がいなかった場合、俺はどうなるんだ?」
「ええ、その場合は今の状態が続きますよ。
まあ、兄さんが就職したりして、社宅に入っても私はついていきますよ」
「・・・」
「兄さんは一人で生活できると思っているんですか?まず無理ですね。
しかし私のような文武両道・才色兼備の妹が側にいれば後ろ盾はバッチリですよ」
「はぁ。何か疲れた」
「そうですか。じゃあ最後に良い感じに削れたのできちんと乗せましょう」
そう言って雪だるまの上半身を持ち上げにかかる美希。
俺も仕方無しに持ち上げにかかる。
途中、腰がメリメリ言っていた気がするが、気にしないことにした。
腰を痛めるのと雪だるまを落として美希に怒られるのでは、
まだ腰痛の方が被害が少なそうだからである。
やっと雪だるまが完成。
今年一番の大きさの雪だるまに妹は喜び、家の中からカメラを持ってきて写真を撮っていた。
- 917 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/16 22:28 ID:???
- 翌日
天気は快晴だった。
無論、昨日降った雪もかなり融けた。無論、あの雪だるまも例外ではない。
見ていて無惨なのは太陽が当たる面が早く融けるため、
融解面がざっくりと斬られたようになっていることか。
とはいえ、季節の移り変わりはどうしようもない。
また、冬になれば雪は降ってくる。
そんな事を考えながら雪だるまを見ていると美希が出てきた。
「兄さん。いつまでも雪だるまを見ていないで、折角暖かくなったのですから
どこか春らしいところに行きましょう」
「例えばどんな?」
「そうですね・・・お花見とかどうです?」
「ん?花見か。もう少ししたら桜も咲く時期か。行こうか」
「お弁当作りと場所取りは兄さんの仕事ですからね」
「才色兼備じゃなかったのか?」
「私が作っても良いのですが、兄さんのことを考えると兄さんが作った方が・・・」
「非常に騙されている感じがするが・・・まあいいや」
「流石は兄さん。話が分かりますねぇ」
どうやら、暫くは妹の我が儘につき合わされそうな感じがする。
だが、そんな事も悪くはないと思った晴れた日の午後だった。
いつまで妹を守ってやれるかは分からないが、
俺の手の届く限り、大切にしてやろうと思った。
と言うことで今回のは終わりです。
何気に自宅でネットが使えないので友人に頼んでうpして貰っている状態です。
過疎化に負けず、頑張っていきましょう〜。
- 918 :山崎渉 :03/04/17 15:13 ID:???
- (^^)
- 919 :音難 尤一 :03/04/17 15:14 ID:???
- >>918氏ね。
- 920 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/17 16:15 ID:???
- なんか最近疲れたな…
- 921 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/18 08:30 ID:???
- 学生だと春休みが終わって丁度疲れが出てくる時期だからな・・・。
最近俺と妹はPS2の取り合いばかりやっているなぁ。
妹はディスガイアをプレイしているし、俺は真女神転生Vをプレイ。
兄妹でゲーマーの人ってあまりいないのかな?
- 922 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/18 10:14 ID:???
- うちの妹は、小学生のときはポケモンとか牧場物語とかやってたが、
中学になってからはゲームやっとらんなぁ。
俺なんか大学生になってもゲームやっとるっちゅーのに。
一緒にゲームやってくれる妹か弟が欲しかったわ。
- 923 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/18 11:16 ID:???
- hosyuage
- 924 :山崎渉 :03/04/20 02:40 ID:???
- ∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
- 925 :山崎渉 :03/04/20 06:51 ID:???
- ∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
- 926 :NO.8 ◆XnRkilFxSo :03/04/22 18:02 ID:???
- 私の妹は高校3年だがは最近逆転裁判ばかりプレイしているな。
昔は一緒にファミコンでアクションゲームとかプレイしたなぁ・・・(遠い目)
最近は真女神転生とFEをプレイしている模様。
しかし、どうでも良いけどGBAを私にも使わせてくれ。と言いたい。
おかげでまだスパロボOGが積みゲーとなっている。
- 927 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/25 08:01 ID:???
- hosyu
- 928 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/04/28 21:33 ID:???
- 保守。
>712も最近現れないし、このまま保守だけで埋まってしまうんじゃないだろうか…
- 929 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/04 12:07 ID:???
- お前が妹だったらなぁ…
∧_∧
∧_∧ (´<_` ) 奇遇だな、兄者。俺も同じ事を考えてた。
( ´_ゝ`) / ⌒i
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ FMV / .| .|____
\/____/ (u ⊃
お前と言う奴は…!
\\\
(⌒\ ∧_∧
\ ヽヽ( ´_ゝ`)
(mJ ⌒\
ノ ∩ / /
( | .|∧_∧
/\丿 | ( ) OK兄者。 俺が悪かった。
(___へ_ノ ゝ__ノ
- 930 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/08 01:23 ID:???
- 守備
- 931 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/11 09:40 ID:???
- 保守
- 932 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/14 07:34 ID:???
- 保守
このまま終了するのも悪くないかもね。
以後は「妹キャラに萌えている人・・・」にでも移行すれば良いんじゃないカナ?
- 933 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/18 03:13 ID:???
- おにぃ〜〜〜ちゃ〜〜〜ぁん!
- 934 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/18 03:21 ID:???
- 死ね!ヴァカ兄貴!
- 935 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/18 06:31 ID:???
- 妹:おにいちゃん
俺:ん?
妹:お兄ちゃん
俺:何?
妹:お兄ちゃん
俺:だから、なに?
妹:呼んだだけー。えへへ〜
俺:お前なぁ。
妹:おにーいちゃん
俺:ん?
妹:好きだよ(だ〜いすきも可)
俺:ったく。
という定番妄想を実現したい。
ただし、美形妹限定。
- 936 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/20 08:11 ID:???
- 100%実話です。
妹がバイトをするというので、履歴書を書いているうちに長所・短所の話を始める。
段々と話が脱線してきてのこと。
妹:お兄ちゃんの長所は・・・と言うより自慢できるところはねぇ。
俺:おう。何がある?
妹:電話の応対が上手いことかな。
俺:電話か・・・つーかそれはお前が下手なだけだろう?
妹:うん。そうかも知れない。けど、お兄ちゃんの良いところはそのくらいだね。
俺:もう無しかい。
妹:うん。顔も良くないし。
俺:まず、自分の顔を鏡で見てから言おうな(にっこり)
妹:あ、普通の人に比べて足が長いこともあるかな。
俺:電話応対の上手さと足が長いのが何の役に立つのやら・・・。
妹:まあ、お兄ちゃんは役立たずって事で。
現実なんてこんなもんかも。
兄をバカにしたからか、結局妹はバイトの面接に落ちましたとさ。
- 937 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/20 08:14 ID:???
- 「おにいちゃんがいてくれて……よかった…(照)」
- 938 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/22 08:03 ID:???
- 次スレ(あるのか?)は
「妹に言われたセリフ」に変更してはどうかと
ごめん、うそ。冗談。
>>932の言うように、移行するのがいいかな?
- 939 :712 ◆isG/JvRidQ :03/05/23 14:54 ID:???
- どうも、お久しぶりです。やっと忙しさからも開放されたんで、お邪魔しました。
結局、何も書けませんでしたが、皆が許してくれれば、また何か書いてみたいな〜と思ってます(w
それと、リアル妹(下)、誕生日おめでとう。……俺は何もやらんけどね。(w
- 940 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/26 07:29 ID:???
- >>712氏
遅ばせながら、妹さんの誕生日おめでとう。
あれ?俺は去年妹にバースデイプレゼントをあげたけど、
俺の誕生日には妹は何もくれなかった気が・・・。
- 941 :山崎渉 :03/05/28 12:28 ID:???
- ∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
- 942 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/05/29 09:27 ID:???
- ホシュ
- 943 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/01 08:37 ID:???
- 保守
- 944 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/03 07:29 ID:???
- 「お兄ちゃん、数学解けないんだけど・・・」
「知らん。自分で何とかしろ」
「ひどっ!」
「テストの時も、私を頼ることが出来るのなら、今頼っても良いけどな」
「クラスの男子なんか、国語の漢字の所は携帯見ながらやっているのに・・・」
「・・・それは大いに問題があると思うぞ」
今の高校生って、ホントにこんな事やっているんでしょうかねえ?
で、結局数学の問題もやらされました。
正解できて良かった。間違っていたら何を言われたことか・・・。
- 945 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/03 09:04 ID:???
- 携帯でカンニングて、大学生もやってるぞ。
たまに新聞で「○○大学、カンニングで学生処分」とか出る。
- 946 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/03 17:02 ID:???
- >>944
中学の時には、やってる奴結構いたよ…。
ま、それでも、どいつも俺より点数低かったけどね(w
- 947 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/03 18:42 ID:???
- 漏れが中学の時はポケベル持ってるやつですら貴重だった訳だが・・・。
- 948 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/05 07:36 ID:???
- >>947
おお、同年代だ。
俺の高校も携帯のメールでカンニングする奴が居たから、
テストの時は携帯を学校側で集めて保管していたよ。
机の中とかに携帯が入っていたら、カンニング疑惑がかけられるのだ。
俺は携帯なんてものは持っていなかったから関係なかったけどね。
- 949 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/06/08 13:44 ID:???
- とある家庭、晩飯の後。
「お兄ちゃん、宿題手伝ってくれる?」
「帰れ」
「え・・・ひっどーい! 自分の苦手科目だからって逃げるつもり!?」
「じゃか〜しい! お前の宿題なんて解いてる暇ぁねぇんだよ!」
「もう知らない・・・! だいっきらい!!」
夜中・・・妹、居間のPCで調べ物をしてから部屋に戻る。
(あれ・・・私の部屋から物音・・・?)
「ったく、なんでこんな問題ごとき・・・この俺が解けねぇんだぁっ!
ち・・・あいつが戻る前に解いておかないとな・・・lim(2y+・・・」
(お兄ちゃん・・・なんだかんだいっても、手伝ってくれるんだ)
「ちょっとお兄ちゃん! 人の部屋に勝手に入らないでくれる?」
「う、うおっ! ・・・ああ、わ、悪かったな! ほら、解いてやったから感謝しやがれ!」
「どれどれ・・・何よこれ、ぜんぜん間違ってるじゃない!」
「るせぇ! 人の努力をあざ笑うってのか!?」
「間違ってちゃ意味ないの! ・・・でも」
「でも、何だよ」
(ありがとう・・・)
「何なんだよ! ったく・・・人がせっかく手伝ってやったのに・・・もう寝る!」
「ありがとう、お兄ちゃん・・・」
兄、部屋に戻って。
「ふん・・・俺も素直じゃねぇなあ・・・明日謝っておくか・・・」
互いに素直になれない、兄妹・・・いつか、分かりあう日は来るのか・・・
- 950 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/06/08 13:45 ID:???
- ちと訂正。
「でも、何だよ」
(ありがとう・・・)
「何なんだよ! ったく・・・人がせっかく手伝ってやったのに・・・もう寝る!」
兄、部屋を出て行く。妹、一人つぶやく。
「ありがとう、お兄ちゃん・・・」
兄、部屋に戻って。
「ふん・・・俺も素直じゃねぇなあ・・・明日謝っておくか・・・」
- 951 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/11 20:57 ID:???
- age
- 952 :ゾニ ◆Lb.IRISXfk :03/06/11 21:34 ID:IY5o2yVU
- 1
- 953 :712 ◆isG/JvRidQ :03/06/12 21:14 ID:???
- 「お兄ちゃん…ちょっと相談があるんだけど…いい?」
「ああ…別に構わないけど…」
「あのね…お兄ちゃんは…私には…どんな男の人が似合うと思う…?」
「ほぅ…なるほど。要するに、お前は誰かに告白されて、どうしようか悩んでいるわけだ」
「えっ!?どうして分かったの!?」
「ただ、適当に言っただけなんだが…」
「その…実はね…二人同時に…告白されちゃったんだけど…どうしようかな…って思って…」
「まぁ…贅沢な悩みですこと…」
「ゼイタク…?何で?」
「世の中には、恋人が欲しくても出来ない人は山程いるぞ、俺みたいに(苦笑)
それを考えりゃ贅沢だろうよ」
「えっ…!?(お兄ちゃん、カノジョいないの!?じゃあ、まだ私にも…♥)」
「どうした?」
「あ、ゴメン…。ちょっと考え事を…」
「あっそ…。で、話を戻すが…」
「あ、そのお話はもういいよ」
「え?まぁ…お前がそう言うなら…。で、どうすることにしたんだ?」
「うん。二人とも断ることにした♪」
「そうか…。でも…もし俺が言ったことを気にしてるのなら、考え直した方がいいぞ?」
「ううん。悪いけど、私、別に二人とも好きじゃないもん♪」
「そうか。…何も力になれなくて悪かったな」
「私の方こそ、変な話してゴメンね。ありがとう、お兄ちゃん(ペコリ)」
「お、おう…」
「あのね…私ね、お兄ちゃんとだったら…付き合ってもいいかな♥」
「えっ…?」
「きゃっ!言っちゃった!恥ずかしいよぉ!…お兄ちゃん、ゴメン!今のは忘れて!(妹、部屋を飛び出していく)」
「全く…我が妹ながら…可愛い奴じゃねぇか…(兄、妹の後を追って部屋を出る)」
- 954 :712 ◆isG/JvRidQ :03/06/12 21:15 ID:???
- テスト週間に入るまでに、何か一つ…。と思って急遽書いたんですが…。出来については言うまでもないですね…。
コレが最後かもしれないってのに、呑気なモンだ(w
>Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k氏
相変わらず、上の上ですね。
俺も、妹に勉強を教えることがあるんですが、妹がバカなのか、俺の教え方が下手なのか、
結局「あ〜!もう、イライラするんだよ!!」って俺がさじを投げて、勉強は終る…。
俺も、この二人のように影では優しく出来るといいんですが、現実は難しいッスねぇ…。
最後に、感想が遅くなってすいませんでした
- 955 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/14 01:58 ID:???
- ホシュ
- 956 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/14 11:25 ID:???
- 次スレは>>970あたりが立てるとよかろう。
「お願いだよ、>>970おにいちゃん。」
- 957 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/14 13:02 ID:???
- >>956
次スレを立てるより、どっかに移行した方がいいと思うんだが…
「妹キャラに萌えてる人」か、エロバージョンか、ここ→http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1048860314/l50 とかに…
- 958 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/16 05:01 ID:???
- こっちがいいのでは…って、あそこも間借りスレなのだが。
あちらで提案してみては?
妹キャラに萌えてる人………
http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1033178507/l50
- 959 :712 ◆isG/JvRidQ :03/06/16 22:22 ID:???
- 「〜♪♪」
「大層ご機嫌だな…どうかしたのか?」
「え〜!?分からないの〜?今日はぁ〜私のぉ〜誕・生・日だよぉ〜♪」
「そういえばそうだったな…。お前…何か欲しいモンはあるか…?」
「もしかして、何かプレゼントしてくれるの〜!?」
「ああ。何がいい?」
「う〜ん…映画のチケットがいい♪」
「ああ、いいよ。で、参考までに聞くが、、何が見たいんだ?」
「何でもいいよ〜♪お兄ちゃんが選んで〜♪」
「は…?どういうことだ…?」
「物よりも…お兄ちゃんと一緒にいたいの♪ね、いいでしょ〜?」
「いいよ。…だけど…」
「『だけど』何?」
「その…今から予行練習…つーことで…飯でも…食いに行かないか?折角の誕生日なんだし…」
「行く!行くよ!!うわぁ〜、お兄ちゃんが誘ってくれるなんて感激だよ〜♪」
「喜んでもらえてよかったよ…。じゃあ、行こうか」
「うん♪お兄ちゃん、帰りにケーキ買おうね♪」
「ああ、買おう買おう…」
「わ〜い!お兄ちゃん、大好き〜♪」
***********************
何やってんだよ、このバカップル共が!(w
本日、妹(上)の誕生日なんで、その記念に書いちゃいました。
さて…
多分、コイツが俺の最期の作品になると思います。
712から今まで、空気の読めないレスや、自己満足のSS、本当に申し訳無いです。
今回も、黙って消えりゃいいのに、空気を読まず、こんなことを書いているワケですが…。
それはさておき…皆様、長い間本当に有り難うございました!心より感謝しております!
- 960 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/16 22:45 ID:???
- 来るものは拒まず、去るものは追わず。
ご苦労さまでした。
- 961 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/16 23:13 ID:???
- >>959
え〜行っちゃうの〜?やだ〜。寂しいよ〜お兄ちゃん。
- 962 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/21 16:39 ID:???
- 寂れてるな・・・
- 963 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/21 17:05 ID:???
- じゃあ、>>962お兄ちゃん、何か面白いことやってよ〜!(期待に満ちた瞳)
- 964 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/24 21:31 ID:???
- このスレも残り35レスぐらいになったが、結局この後はどうするの?
新スレ立てるの?移行なの?
- 965 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/27 20:16 ID:???
- 新スレキボンヌ
- 966 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/27 22:27 ID:???
- 新スレも良いけど、マターリしすぎのような気もしないか?
最近は他のSS職人も姿が見えないし。
とか言いつつも、このマターリ感が好きなので、新スレ希望なのだが
- 967 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/27 22:35 ID:???
- でも、新スレ立ててもやる事がないっていうのが現状だろうね。
職人の中でも比較的積極的だった>712も引退宣言だしね…
- 968 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/29 22:06 ID:???
- いつも話が中途半端で切れてるような気がするんだが…
結局スレ立てるの?立てないの?今のうちにハッキリ決めちゃおうよ。
- 969 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/29 23:27 ID:???
- 立てるに一票
- 970 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/30 00:19 ID:???
- イラネ
- 971 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/30 12:45 ID:???
- 漏れも立てて欲しいが。職人さんを呼び込んで…
- 972 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/06/30 20:04 ID:???
- 「ね、ね、お兄ちゃん・・・一緒に寝よう?」
「お前なぁ・・・今日はレポートがあるから無理だ」
「え〜〜〜! そ、そんな・・・それじゃ、私が寝るまで傍にいて?」
「だからなぁ・・・って! ふん、分かったよ・・・泣くなよ! 傍にいればいいんだろ!?」
「うん、お願い・・・手も握っててね、絶対離しちゃ嫌だよ」
「分かった分かった、とっとと寝ろ!」
俺の妹は、超のつく寂しがりやである。
俺が数十分外出しようとするだけで、しょんぼりとした顔をしながら引き止めるのだ。
すでに高校1年にもなろうというのに(俺は高校2年)、未だにこの性癖は治らぬままだ。
だが、そんな妹だからこそ、守ってあげたいと思うわけで。
だから俺の出来る範囲内で、妹の願いはかなえてきた。
そんなある日、突然の不幸を妹が襲う。それは・・・俺の修学旅行である。
両親が仕事で不在がちな中、唯一頼れる俺が旅行でしばらくいなくなる。
それは妹にとって、死活問題であった。さて、どうしたものか・・・
「ねえお兄ちゃん、旅行・・・行くの?」
「そりゃそうだ、前から楽しみにしてたんだからな」
「キャンセルとか・・・無理だよね?」
「当たり前だろ! んな馬鹿な事するわけねぇだろ! 1週間くらい、我慢しろ!」
「でも・・・」
「つーか、いつかは言おうと思ってたが・・・少しは、俺に頼らなくてもがんばってみろ」
「・・・・・・!!」
「いつまでも俺にくっついてばかりじゃ、何も出来ないままだぞ」
「・・・もういいよ、私が嫌いになったんだね、お兄ちゃん・・・ッ!」
妹は泣きながら、部屋に戻ってしまった。
- 973 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/06/30 20:10 ID:???
- 「言いすぎたか・・・が、遅かれ早かれ言わなきゃいけなかったしな・・・」
流石に、少し強く言いすぎたかもしれない。しかし、言わなければならないことである。
俺が進学or就職すれば、妹とも離れ離れになる可能性がある。その時を見越して、だ。
今のうちから自立させねば、その時がえらいことになってしまう。複雑だ。
俺は居間で、今後の対応について熟考せねばならなかった。やれやれだぜ・・・
夜中。宿題をやっていると、ノックの音がする。すかさず、妹が入ってきた。
「お兄ちゃん・・・」
「お前だって分かってるはずだ、いつかは自立しなきゃいけないことを」
「うん・・・」
「1週間だ。こいつは試練・・・否、寂しさとの戦いだ。戦わなければ、飲み込まれるまでだ」
「・・・・・・」
「・・・旅行までの間、毎日添い寝してやる。1週間分の寂しさ、これで晴らせよ」
「・・・お兄ちゃん!」
妹が後ろから抱きつく。その頭をなでながら、俺は旅行中1週間の計画を練った。
- 974 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/06/30 20:20 ID:???
- 数週間後、旅行出発の日が来た。妹は朝っぱらから、ぐすぐすと泣いている。
「やれやれ・・・一生会えなくなるわけじゃないんだぜ? それに、ずっと添い寝してやったろ」
「だって、だって・・・」
ったく、もう出発しなきゃいけないのに、こうも足止めされると・・・俺も寂しくなるじゃないか。
必死に頭をめぐらせた挙句、咄嗟に俺は一計を案じ、妹に提案した。
「そうだ、俺の部屋を使え! そしたら、少しは寂しさがまぎれるんじゃないか」
「え・・・?」
「逆効果もありうるが、少なくとも俺の生活臭がしみこんでるんだ、添い寝と同じ効果にはなるだろ」
「・・・!」
「っと、もう行かなきゃ・・・いいか、ひたすら耐えろ! 俺は戻ってくるから!」
「うん・・・」
俺は空港に向かって出発した。後ろには、泣き崩れた妹の姿があったが・・・
1週間後、空港について自由解散になった俺は、秒速で家へ駆け戻った。
家に着くや否や、神速の動きでドアを開け、割れ鐘の如き大音声でのたまった。
「 お い 、 帰 っ た ぞ ! 」
・・・と、地すべりのような音を立てて、妹が胸に飛び込んできた。
「お帰りなさい、お兄ちゃん! ずっと・・・ずっと寂しかったんだからぁ!」
「しばらくはこうやって家を空ける事はない。ちゃんと、傍にいてやるから安心しろ」
「うん・・・しばらく、抱きついていい?」
「勝手にしろ」
旅行疲れの体を引きずりつつ、久々の妹の笑顔を見られて満足満足。そして。
いつか来る別れの時まで、ちゃんと妹を守っていこうと思う俺だった。
- 975 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/06/30 23:32 ID:???
- >>972-974
もう最高のシチュやね。漏れなんて今日好きな人に振られたってのに(´Д⊂グスン
- 976 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/01 00:25 ID:???
- キタ―――――――――――!!
やっぱり次スレは必要だ…
- 977 :No.2 :03/07/01 02:25 ID:???
- ご無沙汰です
仕事が忙しくてSSを書く暇がありませんでしたけど、ROMだけはしてました
で、次スレを立てましたので、これからもマターリと逝きましょう
- 978 :No.2 :03/07/01 02:26 ID:???
- おっと、アドレスを貼るのを忘れていましたw
[第三弾]妹に言われたいセリフ
http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1056993709/
- 979 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/03 19:21 ID:???
- とりあえず・・・>>980から、妹の「1000(σ・∀・)σゲッツ!開始!」
って声が聞こえてくるだろう。
- 980 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 00:27 ID:???
- お兄ちゃん、1000取り合戦開始だよっ!
- 981 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 19:49 ID:???
- おにいちゃん、浮上するよっ
- 982 :_ :03/07/05 19:49 ID:???
- http://homepage.mac.com/hiroyuki44/
- 983 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 20:15 ID:???
- 983
- 984 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 20:22 ID:???
- 984
- 985 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 20:23 ID:???
- 985?
- 986 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 20:37 ID:???
- 主砲一斉射撃! …前方の敵に浴びさせろ
兄上も… 意外とお甘いようで
- 987 :712 ◆isG/JvRidQ :03/07/05 21:40 ID:???
- 降りしきる雨の中、俺は全力で走っている。
制服は既にかなりの水を含み、靴の中も水浸しになっていた。
「ふざけんな!何が降水確率10パーセントだ!」
そんな叫びも、弾丸のような雨音に掻き消された。
「もう少しだ!!」
そう叫びながら角を曲がった時、一人の少女が傘を差さずに走っていたのを見た。
「まぁ可哀想なことで…」
少々皮肉を込めてそう呟くと、走るスピードを上げてその少女を追い抜かそうとする。
「あぁん!雨が降るなんてサイアクだよ〜!」
少女まであと数メートルに迫った時、そんな言葉が聞こえた。…この声には聞き覚えがある。
「よぉ、予報はずれの雨とは災難だったな」
俺はその少女の横に並び、話しかける。
「え…?あ!お兄ちゃん!」
そう、この少女は俺の妹だったのだ。
兄が妹を後姿で分からないというのは恥ずべきことかもしれない。
だが、妹は最初、俺が誰だか分かっていない様子だったので、まぁ、お互い様だろう。
「挨拶は後、さ、走るぞ」
「はぁはぁ…私は…いいから…お兄ちゃん、先に行って…」
「バカ、何言ってんだよ!ほれ、行くぞ!」
俺は妹の手を掴んで、再び全力で走り出す。
今は何かを考えている暇は無い。急がねば明日二人揃って病院行きだ。
「お兄ちゃんの手…暖かいね…」
「お前の手が冷たすぎるんだ」
「あっ、そうかもね…」
妹が強く俺の腕を握った。
家はもう、すぐ近くだった。
- 988 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 21:40 ID:???
- 「ふぅ…全く酷い目に遭ったよ…」
「まさか雨が降るなんて思わなかったよ〜」
ここは俺の家の玄関。
全身グッショリ濡れた二人はここで体を拭いたり、呼吸を整えたりしていた。
そんな間に、風も出てきたらしく、雨は家のドアを絶えず打ち続けている。
「お前もずいぶん濡れたなぁ…」
そう言って、ふと妹の体に目をやると…
「…ッ!?」
ヤバイ。
雨に濡れた妹の制服の夏服のシャツが透けて、下着がハッキリ見えている。
しかし、俺は、どうすることも出来ずに、ただそれを見つめることしか出来なかった。
「ん?お兄ちゃん、どうしたの?」
さすがに俺の視線に気が付いたのか、妹は俺の顔を覗きこむ。
「え…!?あっ…その…服…」
「服?…キャッ!お兄ちゃん、見ちゃダメだよぉ!!」
妹は途端に顔を真っ赤にすると、すぐに両手で『ソレ』を隠した。
「お兄ちゃん!何でもっと早く言ってくれなかったのよ〜?」
「スマン…」
「もう〜!誰かに見られてたらどうしよう〜!恥ずかしいよぅ…」
「大丈夫だ。少なくとも、俺と会ってからは誰にも会わなかった」
ま、俺と会うまでに誰かにあった可能性は否めない。
まして、その『誰か』が妹の『ソレ』を見た可能性は高い。
「そう?お兄ちゃんがそう言うなら…心配いらないかな?」
「ああ。気にしたって何にもならねぇよ。さ、風邪ひくぞ。シャワーでも浴びて来い」
「うん!じゃあお先に〜♪」
妹は、嬉しそうにお風呂場の方に駆けて行った。
「お兄ちゃん!さっきはありがと♪」
と、一瞬、こちらを向いて手を振る。…勿論、前を隠すことなど忘れていた。
- 989 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 21:41 ID:???
- 俺はシャワーより先に着替えを済ませ、リビングで、コーヒーで一息ついていた。
雨は先程と変わらず、ガタガタと窓を揺らす。
突然、閃光が走り、数秒後、爆音が聞こえてくる。
「雷か…ま、結構遠かったから心配無しか…」
呟いて、俺はカップをゆっくり口に運んだ。
そのとき…
「わぁーー!!!お兄ちゃぁぁぁぁぁぁん!!!」
バスタオル一枚のみを身に纏った妹が部屋に飛びこんできた。
「よぉ。どうかしたか?」
「かっ!かっ!カミナリぃ!!!!」
「へぇ。お前雷嫌いだったのか?」
「大嫌いだよ〜!!お兄ちゃん、助けて!怖いよぉ!!」
良く考えれば、普通、裸に近い格好で飛び出すなんて、まともな精神状態じゃ出来ないだろう。
いや、コイツならやりかねんか…。
しかし、雷が嫌いだというのは初耳だね…。
「ま、いいや。じゃ、俺はシャワーでも浴びて来ますか」
「ダメぇ!行かないでよ〜!お兄ちゃぁん!!」
「大丈夫だって、雷なんてそうは落ちないし、仮に落ちたとしても停電になるだけだ」
「でも、怖いんだよ!!お兄ちゃん、お願い!!私を一人にしないで!!」
その瞬間、再び閃光が走る。
「ひゃぁ!!」
気の抜けた叫び声とともに、妹が俺の胸に抱きついてくる。
「怖いよぉ…お兄ちゃぁん…!!うわぁぁぁん!!」
目からボロボロと涙を流し、妹が訴える。
「分かった分かった。俺はどこにも行かねぇよ」
「うう…ひっく…ひっく…お兄ちゃん…お兄ちゃん…」
「ところで…服を着てくれないか?」
「うん…。だから…お兄ちゃん着いてきて…」
「はいはい」
俺はまだ泣いている妹の腕を引っ張って、妹の部屋に向かった。
- 990 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 21:41 ID:???
- 「お兄ちゃん、ちゃんといるよね?」
「当たり前だ。どこにも行かないから、いちいち確認するな…」
妹の部屋のドア一枚を隔てて、俺と妹が立っている。
妹は部屋の中にいて欲しい。と主張していたが、さすがに勘弁してもらった。
「着替えは終ったか?」
「ちょっと待ってて!もう少しで行くから!」
「いつまでも待ってるから、落ち着けよ」
「うん。ありがとう、お兄ちゃん…」
俺が腕を組んでしばらく待っていると、妹がドアを開け、姿を見せた。
「お兄ちゃん、お待たせ〜♪」
「お、元気になったな」
「うん。まだ雷は怖いけど…お兄ちゃんがいればヘイキだよ!!」
「そうか、そりゃ良かった」
「あのね…。今日は一杯迷惑かけちゃったし…お兄ちゃんにお礼がしたいんだ…」
「別に、礼には及ばん…」
「ううん。お兄ちゃんは、何度も私を助けてくれた♪私、とっても嬉しかったよ♪
だから、今日の晩御飯は私が作るの♪お兄ちゃんが大好きな物をい〜っぱい!!」
「…いいのか?」
「その代わり…私のそばにいてくれないかな?やっぱりお兄ちゃんがいないと怖いから…」
「ああ、構わねぇよ…」
「ホント?お兄ちゃん、ありがと〜♪」
「さ、早く飯を作ってくれ。かなり腹減った」
「うん♪すぐ作るからね♪」
「ああ、楽しみだ」
「私の料理食べたら、お兄ちゃん、私に惚れ直しちゃうかもよ〜?」
「ははは、期待してるよ」
「うん♪大好きなお兄ちゃんに、愛を込めて作っちゃうよ〜♥」
雷が一度大きく鳴ったが、妹は変わらず、まるで太陽のように笑っていた…
- 991 :712 ◆isG/JvRidQ :03/07/05 21:43 ID:???
- 712がこのスレに特別復活〜!そして新スレおめでとうございま〜す!
さて、「何で、またノコノコと出てくるんだよ!」と思ってる人は多いと思います。
実は、つい先日終了宣言を書いたのですが、折角だし、埋め立てぐらいなら…と思い、
こんな物を貼ってしまったわけでございます。
まぁ要するに、『何となく』です。暇なときに何となく縦読みでもしてやってください。
今回は誰にも迷惑はかけてないと思うんで、「ウゼェんだよ!」と思ってる方は、
黙って透明あぼ〜んをオススメしますよ。
また、今回ちゃんとチェックしてないんで、誤字脱字は多いと思います。あしからず。
>>988-990が何だかよく分からないけど名無しになってる…
- 992 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/05 21:51 ID:???
- >>987-991
おかえりなさい。お疲れ様で〜す。漏れは楽しみにしておりますです。
- 993 :妹 :03/07/05 22:10 ID:???
- お兄ちゃん、ぼ〜っとしてると、私が1000ゲットしちゃうぞ〜♪
- 994 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:19 ID:???
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/ このスレは無事に /
/ 終了いたしました /
/ ありがとうございました /
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/ しぃより /
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- 995 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:20 ID:???
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- 996 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:20 ID:???
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- 997 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:20 ID:???
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- 998 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:21 ID:???
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- 999 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:21 ID:???
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- 1000 :名無しくん、、、好きです。。。 :03/07/06 04:23 ID:???
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いまだ!1000ゲットオォォォォ!!!
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∧∧ ) (´⌒(´
⊂(゚ー゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
 ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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