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[第二弾]妹に言われたいセリフ

632 :NO.8 :02/11/10 19:14 ID:???
続きです〜。

「くそ・・・何だこの汚れ。こびり付いてなかなか取れない」
俺は鍋を洗うのに悪戦苦闘していた。
妹はアイツの監視下の元、材料を再び切り始めている。
が、その手つきの情けなさ。初心者丸出しだ。
まあ、実際初心者なわけだが・・・。
「それじゃ手を切っちゃう。危ない!」
「それはもっと揃えて切る。そうすれば回数も少なくて済むし大きさも揃うの」
「皮の剥き方が雑。ジャガイモもきちんと芽を取って」
アイツの声(半ば悲鳴だが)が殆どひっきりなしに飛んでくる。
もう少しで材料も切り終わる。急がないとマズイ。
更に力を入れ、鍋の底を洗い出した。

何とか俺の鍋洗いの方が先に終わり、後は材料を入れるだけだ。
そこでやっと切られた材料を見たが・・・。
最初、手本のためにアイツが切った材料と、妹が切った材料の違いがすぐに分かる。
(何で同じ切り方をして形が違うんだ・・・?)
俺の中に疑問が浮かんできたが、それを慌てて打ち消す。

633 :NO.8 :02/11/10 19:15 ID:???
妹が肉を切っているのをぼんやりと見ていると急に声が響いた。
「ちょっとアンタ。タマネギ炒めておいて」
アイツに言われ、鍋にバターと少量のニンニク・ショウガを入れる。
ニンニクとショウガがきちんと炒まったのを確認して、俺はタマネギを入れようとし
た。
小さい声が聞こえたのはその時だった。
「・・・ちょっと待って。お兄ちゃん」
妹がこちらを見ている。おれは手を止め、妹を見た。
「私の我が儘と思われると思うけど、迷惑も沢山かけちゃうと思うけど・・・。
 それでも、私が最初から最後までやってみたいの。ダメ・・・?」
妹の目はいつになく真剣だ。
俺は、妹の後ろにいるアイツをチラリと見た。
アイツはちょっと困った顔をしながらも、笑って頷いた。
それを見た俺は妹の目をしっかりと見ながら言った。
「よし、じゃあ頑張ってやれよ。俺達は手伝うだけだ。
 『調理』をするのはお前だ。このカレーはお前が作るカレーだ!」
「うん!ありがとう。お兄ちゃん、お姉ちゃん」
妹の方もやる気満々だ。

634 :NO.8 :02/11/10 19:17 ID:???
「ほら、じゃあ気合い入れて行くよ!」
「「「おーー!!」」」
そう言って拳を突き上げる3人。
これは昔から俺達の合図とも言える行為だった。
俺と妹は右手を。アイツは左手を挙げる。
最後にこれをやったのはいつだったか。
思えば、随分と長い間、これをやっていなかった気もする。
だが、俺はこの2つの目でしっかりと見た。
右手を挙げた妹の手には、未だ包丁が握られていたことを。
アイツもそれを発見して、ほぼ同時に後ろに飛び退く俺達。
妹はきょとんとした顔でなにが起こったか分からないようだった。
アイツは引きつった顔をしている。多分、俺の顔も引きつっているだろう。
「・・・気を抜かずに行こう」
「・・・ええ。そうね」
半ば呆れ気味に俺達は誓い合った。
「???」
まだ分かっていない妹だった。

次かその次でやっとカレーライス完成の予定です。
無意味に長くて済みませんです・・・。

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0ch BBS 2004-10-30