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[第二弾]妹に言われたいセリフ

781 :NO.8 :03/02/09 14:59 ID:???
何か無駄に長くなってしまったので、少しずつ載せていきます。

ピピッ。
電子的な音がする。
「鳴ったぞ〜。出せ」
「うん・・・」
もそもそと妹は布団の中で動く。
「はい」
そう言って俺に細長いものを渡す。

「39度2分・・・。誰がどう見ても病人だな」

今日は2月13日。
俗に言う「バレンタイン」とやらの前日であるが、
我が家ではとある事件が起こっていた。
俺の妹が熱を出したのだ。
昨日から、妹の調子が悪そうなのは分かっていた。
今朝も、顔色が悪いのは分かっていた。
今晩も、食欲がないのは気にかけていた。
俺なりに考え、晩飯は体が温まるようにとシチューを作ったのだが、
どうやら、その効果もあまりなかったらしい。

782 :NO.8 :03/02/09 15:00 ID:???
「何はともあれ、きちんと休め。いいな?」
「う〜」
「『う〜』じゃない。9度も熱があるんだぞ。9度も」
「でも、明日は・・・」
「風邪が治ってからにしろ。もしかしたらインフルエンザかも知れないし。
 今薬を持ってくるから、大人しくしていろ」
そう言って薬箱のある茶の間に移動する。
「粉薬は嫌」と言う声が聞こえるが、
しかも、こんな時に限って両親は不在。
3日前までは居たというのに、我が妹ながら何たる間の悪さよ。
とも思うが、俺はまだしも、妹はまだ両親が精神的にも支えとなっているだろうし。
短期の出張とは言え、寂しいのかな。とも思う。

もともと妹は体が丈夫で最近は風邪など引いたこともなかった。
だから、家の薬箱はもっぱら俺が使う薬が多い。
その中から風邪薬を探し出す。
実際は9度もあるのだから病院へ行って解熱剤が欲しいところだが、
あいにく俺は免許は持っていても車は持っていない。
流石に救急車を使うのは気が引けるし・・・。
まさか妹を後ろに乗せて、自転車で夜間病院に行くわけにも行かないし。
と、考えながら風邪薬を探していると視界の隅に湿布が入った。
俺が小さい頃、熱を出したときにいつも親は俺に湿布を貼っていたのを思い出す。
風邪薬と湿布を持って、妹の部屋に向かう。

783 :NO.8 :03/02/09 15:02 ID:???
「おーい、入るぞ」
念のため声をかけて部屋に入る。
大人しく寝ていたようだ。熱が9度もあるのだから当然かと思う。
「ほら、風邪薬だ。飲め」
そう言って湯冷ましの入ったコップと薬を渡す。
こくんと小さく喉を鳴らして薬を飲む。
「・・・美味しくないね」
「当たり前だろ。それと、湿布を持ってきたので、貼っておけよ」
「あ、うん」
「まあ、胸の辺りに貼っておけば大丈夫か。喉が痛いんだったら喉にも貼れ。
 おでこに貼るのも良いかもな」
「お兄ちゃん昔から湿布貼っていたも・・・ケホッ、ケホッ」
笑おうとして息を吸い込んだところで咳が出る。
「大丈夫か?無理するな」
「うん、大丈夫」
「それより、湿布は一人でも貼れるな?」
「湿布くらい大丈夫」
「じゃあ、貼ってゆっくり休めよ」
そう言って湿布を渡し、部屋を出る。
後ろ手にドアを閉めて茶の間に向かう。

784 :NO.8 :03/02/09 15:04 ID:???
テレビをつけて、お茶を入れて長椅子に座る。
いつもの我が家の光景だが、妹が居ないだけで随分と静かに感じる。
テレビの音がうるさく感じる。
毎週見ているバラエティ番組が入っていたが、妙に空々しい。
色々とチャンネルを変えるが、何を見ても面白くない。
どうも、今日は面白い番組がやっていないようだ。
仕方無しにやりかけのゲームを起動させるが、やはり集中できない。
結局、俺がいくら悩もうがどうしようもないことは分かっているが、
どうしても妹のことが気になり、何をするにしても上手く行かなかった。
「・・・ダメだ。今日はもう寝よう」
誰に言うわけでもなく、自分にそう言い聞かせ、俺は部屋に戻った。
いつも自分が寝ている時間に比べ随分と早かったが、寝ることにした。
寝る前、妹の部屋を覗いてみると、妹は薬が効いたのか、すやすやと寝ていた。
少しだけ安心した俺も布団に入った。
やはりというか、なかなか眠れなかった。


今日はここまでです。
これから夜中にかけて妹の病状が急変。
この変化に兄はどう対処するのか?

などと次回予告ぶってみました(笑)

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0ch BBS 2004-10-30