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[第二弾]妹に言われたいセリフ
- 808 :NO.8 :03/02/13 21:33 ID:???
- Masked Rider Moe氏の作品、楽しく読ませていただきました。
うう、それにしても私の今回の作品、つくづく萌え要素が無い上に楽しくないですねぇ・・・。
最後に、少し詰め込みましたので、お許し下さい。
と言うわけで、続きです。
そして妹の学校に休みの電話を入れ、俺も自分の朝食を食べた。
2人ぶんの洗い物をして、掃除をして一段落、と言ったときにチャイムが鳴った。
「はーい、どちら様ですか?」
インターホンに出る。
「夜中にイタズラ電話をかけるのはどこのどなたでしょうね!」
いきなりの怒鳴り声。
アイツだ。そう言えば昨夜は電話が通じていたことを思い出す。
対面すれば下手すると1発くらい殴られる危険性があるので、
インターホン越しに話すことにする。
「ああ、昨夜は妹が風邪を引いてな。それで困って電話をかけたわけだ」
「え?風邪?大丈夫なの?」
「ああ、昨夜はひどかったが、今朝はそれほどでもない」
「良かった。じゃあ、昨夜のはイタズラ電話じゃなかったの?」
「ああ、汗がひどいのでパジャマを着替えさせようと思って、
頼みの電話を入れたんだよ。
ただ、お前に頼むより、俺がやった方が早いと思ったから電話を切ったんだよ」
「確かに、アンタが着替えさせた方が早い・・・って!着替えさせたの!?」
かなり大きな声だ。インターホンを当てていない方の耳にも声が聞こえた気がする。
「仕方ないだろ、汗びっしょりだったんだし」
「そりゃぁ、ねぇ・・・。けど、変なことしなかったでしょうね?」
「妹に、っていうか、その前に病人に変なこと出来るか!」
「ま、それもそうね。じゃ、何でもなかったことだし、アタシは帰るわ」
「ちょっと待ってくれ。今日は車で来たのか?」
「そうだけど。それがどうかした?」
「ちょっと頼みがあるんだが・・・」
- 809 :NO.8 :03/02/13 21:34 ID:???
- 昼頃
「ホント、助かった。ありがたい」
俺は家の前でアイツに頭を下げていた。
買い物に出かけるのに、アイツの車に乗せて貰ったのだ。
「しっかりとツケにしておく、と言いたいところだけど、妹さんの買い物だもんね。
今回限りは大目に見てあげましょう」
腕を組んで偉そうに宣言する。
「じゃあ、しっかり看病しなさいよ。じゃあね」
そう言ってアイツは帰っていった。
昼食用にお粥を作っている間に、俺は妹に頼まれたものを作り始めた。
桃の缶詰を取り出し、細かく切って冷蔵庫に入れる。
同様に、イチゴもへたを取り、薄く切っておき、冷蔵庫に入れる。
冷えるまでの間にバレンタイン用に売っていた大きなチョコレートを湯煎する。
ホント、バレンタイン時期は色々なチョコレートが入手しやすくて助かる。
通常時に比べ、少し価格が高いのが難点ではあるが。
湯煎してすっかり液体となったチョコレートに、洋酒を入れる。
ソース作りは完成した。お粥も丁度出来上がったところなので昼食の準備をする。
昼食はお粥と、おかずはタンパク質が多いと言うわけで湯豆腐を選んだ。
また、チーズも消化が良く、栄養価が高いのでチーズも選んだ。
それらを盆に入れ、妹が寝ている部屋へと運ぶ。
- 810 :NO.8 :03/02/13 21:37 ID:???
- 妹がお粥を食べている間に、俺は冷蔵庫の中のものを取り出し、最後を仕上げた。
桃の缶詰を細かく切った物と、イチゴのスライスを混ぜる。
それを皿に入れ、先程作ったチョコレートソースをかける。
最後にウェハースなどを載せ、見た目を豪華にする。
バレンタインは一般的に女性が男性にチョコレートを渡しているが、
そもそもは、日頃お世話になっている人に感謝の気持ちを示す日だ。
これは、妹に頼まれたものであると同時に、妹へのバレンタインプレゼントでもある。
本気で、心を込めて作った作品だ。少しでも気持ちが伝わると良いと思う。
チョコレートが少し固まり始めたのを見て、俺は妹の部屋に向かった。
妹は、俺が作ったものを見て、目を丸くしていた。
「それ・・・お兄ちゃんが作ったの・・・?」
第一声がこれだった。
「ああ、日頃お世話になっているお礼も兼ねてな。バレンタインプレゼントだ」
そう言って妹に皿を手渡す。
「バレンタイン・・・って、私は今年、作れなかったね。ごめんね、お兄ちゃん」
妹が済まなさそうな顔をする。
「何言っているんだ。俺はそれよりもお前が元気な方が何よりも嬉しいんだぞ。
だから、これを食べて、しっかりと寝て、早く元気になれよ」
そう言って俺は妹に笑いかけた。
「ありがとう・・・お兄ちゃん」
そう言って妹も笑った。
「じゃあ、ホワイトデーには私がお兄ちゃんにプレゼントをあげるね」
「おう。楽しみにしているぞ。それより、冷たい内にはやく食べろよ」
「うん。頂きます」
「おかわりはあるけど、あまり食べて体が冷えるといけないから、今回はこれだけな」
「美味しいよ〜」
妹はデザートの美味しさのあまり、俺の言葉を聞いていないようだった。
「じゃあ、食べたら寝ていろよ」
「うん〜」
「早く元気になれよ。俺はそれが一番嬉しいんだから・・・」
そう言った俺の呟きは、俺以外には誰にも聞こえなかった。
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0ch BBS 2004-10-30