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[第二弾]妹に言われたいセリフ

805 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 18:39 ID:???
2月14日、金曜日。AM6:00、普通に目が覚めた。
「さぁてと・・・支度するか」
俺がやる日課の初めは・・・妹を起こす事だ。妹は熟睡型なので、俺が起こさないとずっと眠ったままである。
前に一度、放置p(以下略)したら、その日は昼頃にガッコに来た。あとでこっぴどく起こられてしまった。
両親は今、ともに単身赴任中で、帰宅は1ヶ月先だそうだ。少し寂しいが、俺が妹を支えなければならない。

「さて、と・・・(深く息を吸い込み) 起きろぉぉぉぉぉッッッ!!!」
「はにゃぁっ!!?」
毎朝、こうやって叫んで起こす。このくらいやらないと、起きないのだ。
「はわわ・・・お、おはよ、にぃにぃ」
「おう、目ぇ覚めたか?」
「・・・おかげさまでね」
用を終えた俺は、自分の部屋に戻って支度をし、朝飯の用意をする。少し遅れて、妹も出てきて用意を手伝う。
「にぃにぃ、今日は何の日?」
「・・・言われるまでもない。決戦は金曜日だ!」
「・・・そう」
去年、俺は本命はおろか義理チョコすらもらえなかった。もらったのは、妹の手作りチョコのみ。
しかも、お約束の「塩と砂糖を・・・」という、クソまずいチョコだった。
「にぃにぃ、今年はあてがあるの?」
「おうよ、今年はバリバリもらえる・・・はずだ」
「ふーん・・・」
なぜか、今年はそういう気がしていた。まあ、本命はないだろうが。

「っとぉ・・・そろそろ行くか」
「うん」
俺と妹は、学校へ向かった。

806 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 18:47 ID:???
待ちに待った放課後。予想は見事的中し・・・
「・・・といっても、義理チョコの山だがな」
とりあえず、かばんとスポーツバッグに分けてしまいこみ、家路につく。
家に帰ったが、鍵は閉まっていた。
「・・・帰ってないのか」

それから、時間はどんどん過ぎていく。義理チョコを片っ端から喰らい、TVを見て、風呂に入って・・・
だが、妹は帰ってくる気配がない。いつもなら、俺と一緒にTVを見て、バラエティとかで笑い転げているのに・・・
「・・・あいつがいないだけで、こんなに寂しいなんてな」
・・・などと感傷にひたっている場合ではない。取り急ぎ妹を捜索せねばならない。
「どこ行っちまったんだ・・・!? ま、まさかヤバイ事に巻き込まれたんじゃぁ・・・」
俺の住んでる地区を回り、妹の友人宅や俺の友人宅を訪れたり、電話したりしたが、手がかりはなかった。
「・・・おい・・・マジでやばい事に・・・!? 嘘だろ・・・」
どうしようもない不安が俺を襲う。まさか・・・いや、そんな事は・・・ッッ!
思いつく限りの場所を捜索して回ったが、妹は見つからなかった。
「・・・帰るか・・・もう、疲れた・・・」
とぼとぼと、家路につく。

807 :Masked Rider Moe ◆/gMR5eBC/k :03/02/13 19:05 ID:???
・・・いた。家の玄関前に座り込んでいた。疲労困憊している様子で、うつらうつらしている。
俺は秒速で玄関前にスクランブルダッシュした。俺の足音を聞いても、妹はうつらうつらしている。
「・・・おいッッッ!!!」
妹の体を揺さぶる。ゆっくりと、妹は目を開けた。まだ、夢うつつの様子である。
「あ・・・にぃにぃ・・・おかえりぃ・・・」
俺は、横っ面をひっぱたこうなどと、さっきまで考えていたのだが・・・
「・・・にぃにぃ?」
なぜか、妹を力いっぱい抱きしめていた。妹が痛がるほどに。
「・・・バカやろう・・・バカやろう・・・ッッッ」
「にぃにぃ、なんで泣いてるの・・・?」
子供のように涙を流す俺を見て、妹は不思議がっている。ともかく、2人して家に入る。

「心配かけてごめんね・・・でも、すごく評判のチョコが、隣町にあるって・・・」
そういいつつ、妹は俺にチョコを差し出した。俺も話に聞いていた、有名店のチョコだ。
「バカヤロが・・・わざわざ、こんなブルジョワなチョコを買ってこなくていいんだよ・・・」
俺は妹の頭を軽く小突く。妹は、甘んじてそれを受ける。
・・・しばらくして、チョコを食す。なるほど、有名店だけにすごく美味だ。
「ホントにごめんなさい!」
「もういい、何も言うな! お前が無事なら、それでいい・・・」
「・・・ごめんなさい」
「もういいって! ほら、ごちそうさん! お前が一生懸命探してきたやつだけに、すごく美味かったぜ」
「にぃにぃ・・・!!」
妹が、俺にがばっと抱きつく。泣きじゃくりながら、強く。
「・・・わかったから、もう寝ろ。疲れてるんだし」
「・・・うん。でも、その前に・・・」
「ん?」
妹が望むまま、強く抱きしめてやる。頭を撫でさする。妹は満足したのか、俺の腕の中で寝息を立て始めた。
「おいおい・・・これも、今日だけだからな」
妹をベッドに寝かす。部屋を出ようとすると、ポツリと何か聞こえたような気がしたが、気にしなかった。
「にぃにぃ・・・来年も、来年もね・・・」

〜Fin〜

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0ch BBS 2004-10-30