■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50

[第五弾]妹に言われたいセリフ

1 :たゆんサマの降臨 :05/03/13 21:43:36 ID:xJ0cSVLy
「また会えたね、お兄ちゃん」
ここは、脳内の妹さんが囁いてくれるセリフとかSSとかを暴露しちゃうスレです。

【お兄ちゃんと私のお約束】
・荒らしさんや厨房さんは、ちょっと可哀想だけど、見ないフリをしようね♪
・SS職人さんにはちゃんとお礼を言うこと!!デリケートな職人さんもいるんだからね?
・えっと……いっぱい見られるのはちょっとだけ恥ずかしいから……sage推奨だよ……。
 メール欄に『sage』って入れてほしいな……。
・リアルの妹さんの話は程々にすること!!

【お兄ちゃんとの思い出】
妹に言われたいセリフ
http://game.2ch.net/gal/kako/1022/10225/1022257886.html
[第二弾]妹に言われたいセリフ
http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1028470988/
[第三弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1056993709/
[第四弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1106065356/l50

過去ログ倉庫
http://www.geocities.jp/mewmirror9/


このスレでもずぅっと一緒だよ、お兄ちゃん♪

175 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/08(金) 18:11:13 ID:SmjfSc3A
漏れも続ききぼんぬ

176 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/09(土) 00:57:37 ID:BrjW2kFb
>>173-175
おほめの言葉ありがとうございます。

現在マイペースながらも書いていますが、SSではなく小説になってしまいそうです

177 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:15:38 ID:BrjW2kFb
 二人で並びながら歩く
 校門まで来た時、横から聞き覚えのある声で話し掛けられた。
「あら、真田君じゃない?」
「あ、どうも。上原さん。」
 話し掛けてきたのは1学年上の風紀委員である上原百合恵さんだった。
 上原さんは隣にいる美幸を見ると・・・
「そちらはお友達?それとも真田君の彼女?」
「え・・・・あ、いえ。私は妹の美幸って言います。」
「そうなんだ。私は2年の上原百合恵って言うの、よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「そそっかしい奴ですけど、大目に見てやって下さいね。」
「コウくん、余計な事言わないでよぉ」
「うふふ。そう言えば、真田君は1年生よね?じゃあ美幸ちゃんは・・・」
「俺は4月生まれで妹は3月生まれなので学年は同じなんですよ。」
「そうだったんだ。あまりにも仲が良くて恋人かと思っちゃった。」
「そ・・・そんな、恥ずかしいです。」
 そんなに嬉しがるな、妹よ。
「えっと。それで、上原さんは今から何かやること有るんですか?」
「ええ、ちょっと風紀委員の集まりが有るの、それじゃあ行くわね。バイバイ、真田くん、美幸ちゃん。」
「はい、さようなら〜」
 二人で上原さんの姿が校舎の中に消えるのを見届けると、再び歩き出した。

178 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:16:51 ID:BrjW2kFb
「えへへ、恋人みたいだって!」
「兄妹で見られたって何も嬉しくないぞ・・・」
「え〜、何でよぉ。こんな可愛い妹のどこが不満なの?」
「後々が問題なんだよ。シスコンだのブラコンだの不名誉な称号が付くぞ。」
「そんなの気にしなければ良いんだよ。それに仲が良いのは良いことだよ。」
「仲が良いにも限度ってもんがあるんだ。特に兄弟はな。」
 その言葉を聞くといきなり美幸は黙り込んでしまった・・・
 何か気に障ることでも言ったか、俺?

 それから一言も喋らないまま歩いた。
 通学路の途中にある公園に通りかかった時
「ねぇ、コウくん。公園寄っていこう・・・」
 何か思い詰めたような面持ちで美幸が誘ってきた。
「ん?別に良いけど、何かあるのか?」
「うん、ちょっとね・・・」
 曖昧に答えたまま美幸は公園に入っていく。
 取りあえず俺はそれに着いて行くことにした。

179 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:18:08 ID:BrjW2kFb
 美幸は手頃なベンチを見つけると腰を掛け、溜め息をした。
 俺もその隣に座る。
「なぁ、一体どうしたんだ・・・?」
「・・・・・・コウくん。コウくんは私のこと好き・・・?」
「何を言ってんだ。そんなの当たり前だろう。」
「・・・そうじゃない。その好きじゃなくて・・・」
「・・・・ユキ?」
「・・・私は好きだよ。兄妹としてじゃなくて、コウくんを男の人として見てる・・・。」
「・・・・・・」
「・・・何度も諦めようとしたよ。でもどうしても諦められなかった・・・・。」
 言葉が出なかった。
 心底驚いた。まさか美幸がそんな事を考えてるとは思ってもみなかった。
「だから・・・気付いてもらおうと何度もアタックしたよ・・・、でも気付いてくれなかった・・・。」
 美幸の口から次々と言葉が出てくる。
「もう・・・限界だよ、こんなの耐えられない!」
「どうして兄妹で好きになっちゃいけないの?!どうして・・・!」
 目からは涙が溢れてきた。
「何で兄妹として生まれて来ちゃったのかな・・・・」
「ねぇ・・・コウくんは私のことどう思ってるの・・・?答えて・・・っ!」
 俺は返答に迷った。確かに美幸のことは好きだ。
 だが、それは兄妹の範囲を超えるものでは無いのではないか?
 答えが出なかった・・・。
 だから、俺は美幸の肩に手を置き、首を横に振った・・・。
「そんな・・・・えぐっ・・・・っく・・・・・・・コウくんの・・・・ばかああああぁぁぁぁぁっ!!」
 そう叫ぶと美幸は思いっきり手を振りほどいて走り去ってしまった。

180 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:20:13 ID:BrjW2kFb
・・・暫く動く気になれなかった。
 俺は・・・本当はどう思っているのだろう。ただの兄妹でしかないのか?
 思えば、小さな頃から常に俺と美幸は一緒だった。
 俺と一緒にいると、美幸は本当に楽しそうに笑ってくれるし、俺もその笑顔が好きだった。
 だから、美幸を喜ばせる為に色々なことをやってきた。
 無意識の内に美幸を喜ばせることを生きがいにしていたのかもしれない。
 それは・・・好きだということだと思う。兄妹としてではなく、本当の意味で。
 何故そんな事も気付かなかったんだろう、今更ながら馬鹿だったと思う。
 今ならまだ間に合うはずだ・・・。
 俺の本当の気持ちを伝えよう。
 そう考えると同時に俺は走り出した。

 色々な場所を探して回った。
 家にも帰ったが美幸は居なかった。
 そして、最後に思いついたのが此処だった。
 ─学校。
 日が沈みかけ、誰も居なくなった校舎を歩く。
 教室に着くと、一人寂しく椅子に座って泣いている美幸の姿を見つけた。
 呼吸を整えて教室に入る。

181 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:23:35 ID:BrjW2kFb
「・・・・美幸。」
「・・・コウ・・く・・・ん?」
「さっきは済まなかった、気が動転しちまって・・・」
「・・・・」
「あれからよく考えたんだ、自分の気持ちを。」
「俺、真剣に自分の気持ちを考えたこと無かったんだ。」
「それで、分かったよ。俺は・・・否、俺もユキのことが好きだ。」
「コウくん・・・」
「俺はユキの笑顔が無いと駄目なんだ、ユキは俺の生きがいなんだよ。」
「・・・・本当?」
「本当さ、だから笑ってくれ。」
「うん・・・・うん・・・っ」
 ユキの目から余計に涙が溢れてきた、だけど顔は満面の笑みを浮かべていた。
「さぁ、帰ろうか・・・あ、この事は父さん達には内緒だぞ?何言われるか分からないしな。」
「うん!ありがとう・・・・大好きだよっ、コウくん!」

-----------------------------------------
え〜・・・と、お気付きかも知れないですが紛らわしくない様にコテハンとトリップ付けました。
自分ながら馬鹿な文章書いてるな〜と思っております。
ちなみに、特に「萌え」等を意識しては書いてないのでお見苦しいかも知れません。

182 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/09(土) 23:38:56 ID:7VGJmXjn
>>177GJ


ところで、


巨 人 フ ァ ン で す か ?

183 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/10(日) 13:42:41 ID:AzRQyDxW
>>171-172>>177-181 GJです!
これからもがんばってください!

184 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/10(日) 16:57:02 ID:lN8BLcA9
応援ありがとうございます。

>>182
どこのファンでも無いです。
強いて言えば地元である阪神ですが。
キャラの名前は中学時代の知り合いから拝借しました。

>>183
遊星さん達のような素晴らしいものは書けませんけど
神職人が不在の間、少しでも楽しめるようなものを書けるように頑張ります。

185 :182 :2005/04/10(日) 17:36:00 ID:+DZoU1wf
そうでしたか。
上原 真田と来たものですからついそうなのかと。
これからも頑張ってください。

186 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/11(月) 00:26:41 ID:1fh0T0QE
>>二姉持ちの弟さん
GJです! Σd(>ヮ<)
すごいイイ!萌えるっス!
続きが気になります…!

187 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:26:20 ID:wX16aF+o
時刻は七時半。場所は俺の部屋。
俺はサラのための朝食を作って、ここに戻ってきた。
「サラー。朝だぞー」
カーテンが開き、部屋中に光が満ちる。
サラは眩しそうに固く目を閉じ、寝返りをうった。
今まで暗くて分からなかったけど……寝顔も結構可愛い……。
って、見惚れている場合ではなくて……
「おーい。サラー」
俺はサラの肩を掴み、軽く揺する。
「起きろー」
「……what……?」
え、英語!?地が出たか!?
「サラ、起きろー。Wake up.」
「ん?マサト……?」
「Good morning」
「おはよう……」
ゆっくり起き上がって、眠そうに目をこするサラ。
「朝御飯できたぞー」
「うん……」
「下に行くぞ?」
「うん……」
聞いてるんだか、聞いてないんだか分からないが……
俺はそんなサラを従えて、階段を下り、ダイニングへ。

188 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:27:05 ID:wX16aF+o
ダイニングのテーブルの上には、ご飯。味噌汁。焼き魚などなど……パーフェクトな日本の朝食だな。
「でさ……サラは今日帰るんだよね?」
俺は茶碗にご飯を盛りながら、サラに尋ねる。
「うん。今日の夕方、ママが迎えに来るの」
「よし。じゃあ、今日は遊びに行けるな……いいよね?」
「うん」
「どっか行きたいトコある?無きゃ俺が決めるけど?」
「うーん……無くはないけど……でも、マサトに任せるわ。そのほうが面白そうだから」
「そう?ま、そのほうがやりやすいけどね」
「うん。楽しみにしてるよ、マサト」
卵焼きを頬張りながら微笑むサラ。
何だか今日でお別れなんて信じられそうに無い……。
───────────────────────
「はぁ……着いた……」
俺は自転車のブレーキを握り締め、片足を地面につける。
俺はサラを後ろの荷台に座らせ、四、五十分ほど自転車を漕ぎ、とうとう目的地へと辿り着いた。
「お疲れ様、マサト」
「ああ、さすがに疲れたよ……」
「うん。ずいぶん遠くまで来たみたいだからね。さぁ、行こう?」
「ああ」
「って言っても、ここが何処なのか分からないんだけど……」
「ここ?お城だけど?」
「えっ?ここにあるの?」
「うん。ま、もう少し歩くけどね」
「へぇ……ここがお城か……。楽しみだな……」
本当に嬉しそうに辺りをキョロキョロ見回すサラ。
見たがってたもんな……お城。

189 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:27:50 ID:wX16aF+o
「でもな、サラ。ここには、お城を見に来たわけじゃないんだ」
「え……」
「こっち来て」
俺はうなだれるサラの手を掴み、歩き出す。
このまままっすぐ行けば……
「わ……あ……」
「すごいだろ?」
辺り一面の桜の木に圧倒されているサラ。
「知ってるよな、桜?」
「う、うん……でも、こんなにキレイなんて……」
「うん。ちょうど満開だからね」
「何だか……ずっとこうして見ていたい……」
「気持ちはわかるけど、歩きながら見ていこう?そのうちもっといい景色があるかもしれないからね」
「うん……」
俺も風流な気持ちになりながら、桜の下を歩いていく。
「ねぇ、お兄ちゃん……」
「何?」
「手、繋ごう?」
「うん。いいよ」
幻想的な風景をサラと二人、歩く。
もはや言葉など無い。だが、居心地のいい沈黙だった。
「ねぇ、サラ」
「?」
「サラは今何処に住んでるの?」
「よく分からないけど……近くに角山って言う駅がある……」
「角山か……結構近いんだな」
「えっ!?近くなのっ!?」

190 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:28:35 ID:wX16aF+o
「まぁ、俺の家の最寄り駅から電車で四、五十分ぐらいかな」
「何だ……全然近く無いね……」
「でも、来れない距離じゃない。だろ?」
「うん……」
「だからさ、また遊びに来てよ。前もって連絡くれたら、何か用意するし」
「いいの……?」
「何言ってんだよ。兄妹だろ、俺たち?」
「うん!!」
サラの笑顔。
自分ではああ言っておきながらも、この笑顔を何度見えるだろうと思うと切なくなる。
「喉も渇いたし、お茶でも飲んでいこうか?」
「うん」
「そうそう。せっかくだし、桜餅を食べなきゃね」
「サクラモチ?食べてみたい!!」
「そうそう。花見団子も忘れちゃいけないよな」
「ふむふむ……よく分からないけど、楽しみだなぁー」
……良くないな。
サラが目の前にいるのに、サラがいなくなってからのことを考えるなんて。
しばらくは、サラと一緒に楽しもう。俺も。
───────────────────────

191 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:29:47 ID:wX16aF+o
>>184
『神職人?いやぁ、いいんだよ、クソ台本書きで』
……俺もヒビキさんみたいなカッコいい大人になりたいなぁ。

というわけで、やっとラストが見えてきた感じですな。
あと少しだ。頑張ろう。

実は影で、あることを計画中。ま、このスレには関係ないけど……けど……。

192 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/11(月) 21:33:47 ID:8AF/ePFm
リアルタイムで乙!
いや〜サラちゃんも可愛いね〜!

193 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/12(火) 05:44:55 ID:BPcKadcd
今日はー 休みなのにー 目覚ましをー 消し忘れ〜
起 き た orz

>>二姉持ちの弟さん
乙ですー。
王道ストーリーですね。王道の良さがしっかり出てますです(*´Д`)

>>遊星さん
乙でーす。
相変わらずリアルの季節にあった話で素敵です。


もしかしたらこの前のPCから見れない設定になってたかも…

【夢亜(第二形態)】
http://p2.ms/ha3lk
第二形態が前の台詞集の夢の中前後で第三形態になると事故前後になりまする。

194 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:07:20 ID:OvsBSyhB
何か本当にあっという間だった。
城の見学したり、外国人観光客と話したり、寿司食いに行ったり……。
全て終えて帰ってきたとき、丁度クミ姉ぇの車が家に来たところだった。
「お、丁度良かったみたいだな」
「……」
うつむいたまま、何も答えないサラ。
俺はそんなサラの手を掴んで……
「大丈夫。また会えるからさ」
「うん……」
「じゃ、そんな暗い顔してるんじゃねぇよ」
俺はサラの背後に回りこみ、脇腹をくすぐる。
「きゃ、お兄ちゃん!?きゃはははははっ!!」
身を捩じらせながら、サラが笑う。
「もう!!お兄ちゃん、何するのよ!!」
「よし。笑った笑った」
「え?」
「サラは笑顔が一番似合うよ」
「お兄ちゃん……」
「何度も言うが、俺たちは兄妹だ。会いたくなったらいつでも会いに来い」
「うん!!」
「あとは……ほい。俺のケータイの番号とメールアドレス。また連絡してくれ」
「うん!!」
サラが笑う。俺も微笑を返す。
そして、別れの挨拶はひと通り済んだと判断したクミ姉ぇがサラを呼び、
最後の最後がやってきた。

195 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:08:11 ID:OvsBSyhB
「マサト」
「……!?」
反応する間もなく、サラが俺の胸に飛び込んでくる。
そして……頬にキス。
「ホントは唇にしたいんだけど……まだ我慢するわ」
「え……?」
「いい!?マサトの次の恋人には私が予約入れてるからね!!勝手に新しい恋人作っちゃダメよ!?」
「え……えぇ……?」
「返事は?」
「……はい」
「それまでは、お兄ちゃんの妹で我慢してあげるわ」
「はい……」
「よろしい♪」
満足そうに微笑み、手を振りながら車に向かっていくサラ。
そして、乗り込む手前で振り返り
「バイバイ、マサト!!大好きだよ!!」
ちょっと恥ずかしかったが、俺も笑顔で手を振り返す。
サラはまた大きく手を振り、車の中に消える。
車はすぐに動き出し、あっという間に見えなくなった。
呆然と立ち尽くす俺の隣を、一陣の風が悲鳴を上げながら通り過ぎる。
そして、どこから来たのか、俺の手のひらの上に一枚の桜が。
「そうだよな。また会えるもんな」
俺はその桜を優しく握り締め、誰もいない家のドアを開けた……
───────────────────────

196 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:08:56 ID:OvsBSyhB
サラが帰った後、なんとなく物足りない気持ちでテレビを見ていた。
すると……
「ねぇ、兄さん」
「ん?何、未来ちゃん?」
「私が旅行に行っていた間……お友達でも来てたんですか?」
「え……?友達は来てないけど……どうした?」
「あぁ、そうですか。何でもありませんよ、お兄様」
……未来ちゃんがキレてる!?
「えっと……何かあったのか?未来……?」
「ええ、お風呂場で、こんなものを見つけまして」
そう言って、未来が取り出したのは……
サラの髪の毛……?
「あ……お兄様の枕からも同じ方の物と思われる髪の毛を見つけましたよ」
「あっ……それは……!!」
「心当たりがおありのようですね?お兄様?」
「えっと……ちょっと待て、未来!!」
「いいんですよ、言い訳なさらなくても?私は分かってますから」
「言い訳じゃないって!!それは、サラっていって……」
「へぇ……お兄様の恋人、サラさんっておっしゃるんですか」
「恋人じゃないってば!!ホント、誤解なんだって!!」
「そんなに私が邪魔ならば、遠慮なく仰ってくれればいいのに」
俯いて、ちょっと拗ねている未来。
すげぇ可愛いけど……

197 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:09:41 ID:OvsBSyhB
今はそんなこと考えてる場合じゃない!!
「はぁ……疲れたので、私はもう寝ますね?」
「ちょっ!?未来!?晩飯は……!?」
「カップラーメンでも何でもお食べになってください」
「ちょっ!?待てって!!未来!!みくぅー!!」
俺の叫びも空しく、自分の部屋へ消えてしまう未来。
叫ぶ腹を押さえながら、やり場の無い怒りを抱く俺……。
……結局、未来の料理が食えたのは、ここから二十四時間後のことでした……。

[終わり]
───────────────────────
ま、やっと終わりなワケです。俺、ご苦労様。
一月近く書いてたわけですねぇ……。

で、結局この台本でやりたかったこと
・ツンデレっぽい娘。
・嫉妬する未来。
・限りない響鬼ネタ。

……ホント難しいな、台本書きって。

198 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/14(木) 21:59:32 ID:3BAsTLWb
遊星神乙!ってかGJ!
長きに渡って楽しませて頂いたっす〜

199 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/14(木) 22:24:14 ID:VpuAVIy6
うわ、そこで未来ちゃんスカ!
いや〜相変わらず萌え面白いっス!さすが遊星神!乙で〜す。

200 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/15(金) 21:33:40 ID:tDG2Dwpp
かなり意表をつかれましたよ!未来ちゃんでしたか!

201 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/15(金) 23:36:12 ID:zBZnli9C
GJ!
今後の未来とサラの遭遇が楽しみです。

202 :コンズ :2005/04/16(土) 03:15:10 ID:684b5Xjd
いや〜、皆さん最高です!!
自分もまさか未来タソの兄様だとわ思ってなかったっス!!
まぁ、何わともあれ乙です!!

203 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/16(土) 19:22:45 ID:dNK5O2Gr
乙です〜GJ! 
俺も今後の展開が楽しみです〜! (≧∇≦)b

204 :コンズ :2005/04/17(日) 02:56:49 ID:3PguGlN5
漏れなら妹に『一緒に寝よ?』って言われたいなぁ………orz

205 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 1 :2005/04/17(日) 22:26:17 ID:BI16hUL8
 世界は千十一の要素で構成されている。
 それは私が生まれた刻から変わっていない。
 私が、世界が生まれたその刻から。
 私が私として存せられるのは、世界が在るから。
 私が私として存せられるには、世界が今の儘で無ければならない。
 世界が変わる刻、即ち私が変わる刻。
 何故ならば私は世界の一部。
 私と世界は不可分。
 それは『要素』を背負う『使徒』の宿命。
 私は、未だ、変わりたくない―――。


「奈菜・・・その、なんだ。 きっとすぐに帰って来るって」
 史也が私を慰める。
「・・・有り難う」
 如何にか形ばかりでも笑顔を作ろうとした・・が、無理だった。
「・・明日、また探そうぜ。 俺も手伝うからよ」
「否、お兄ちゃんは、無理をしない方が・・・・」
「何言ってんだよ。 セツも立派な家族の一員だぜ。 呑気なこと言ってらんねーよ」
「有り難う・・・・・」
「な? 今日はもう風呂入って寝ろ。 探し回って疲れたろ」
「ん・・・・分かった・・」
 俯いた儘、脱衣場の戸を潜る。
 唯惰性で衣服を脱ぎ捨てていく。
 ――今日、我が家の飼い猫のセツが、逃げた。 私はこの時間迄探し回って来たのだ。
 浴室の扉を開けてとぼとぼと浴槽迄歩く。
 蛇口を捻り、水を風呂桶に満たす。 頭から、被る。
 ――真実は違う。 切は私を狙う使徒・・恐怖に連れ去られたのだ。
 圧倒的な『強さ』に、私は動けなかった。 見す見す切を敵の手に・・・・。
「私は・・・切を、護れなかった・・・・!!」


206 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 2 :2005/04/17(日) 22:27:41 ID:BI16hUL8
 ばしゃーっ。
 二杯目の水が私を打つ。
「秋に頼まれたんだ・・・自分の代わりに切を護ってくれ、って・・・・なのに、私は・・・!!
 秋の大切な姉を・・・護れなかった・・・・!!」
 ばしゃーっ。
 もう冷たくも感じ無い。 唯液体が体を走る感覚だけ。 其れでも私は、幾度も其れを繰り返す。
 秋の、大切な、何よりも大切な、切を。 護れなかった。
 其れは私にとっての史也。
 史也を護れなかったのと、同じ。
 ばしゃーっ。
 取り戻す。 絶対に、切を―――取り戻す。


「おはよー奈菜ちゃ・・・如何したの?」
 行き成り有紗にそう尋ねられる。
「お早う・・・・何がだ?」
「だって・・今日は久々にお兄さんと一緒の登校でウキウキ奈菜ちゃんかと思ったら・・どんより奈菜ちゃん?」
「あー、あのね、有紗ちゃん・・・・実は、さ」
 史也が私に代わって答えようとするが・・チャイム。
「ありゃ、遅刻しちゃうね・・・後で、お願いします」
「うん、じゃあ後で」
 史也が自分の教室に歩き出す。
「それじゃ・・・行こ、奈菜ちゃん」
「ん・・・」

 一時間目、二時間目、三時間目、四時間目。
 授業を聞く気にも成れず、唯ぼんやりと外を眺める。
 そう言えば・・あいつ等と初めて出会ったのは授業中だったな・・・。
「奈菜ちゃん・・」
 躊躇いがちな有紗の声。 振り向くと、私の席の直ぐ其処に立って居た。

207 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 3 :2005/04/17(日) 22:30:02 ID:BI16hUL8
「お昼休み、だよ」
 教室の正面の時計を見る。 確かに、昼休みの時間だった。
「休み時間にも声掛けたけど・・・上の空だったから・・・・」
「・・・そうだったか。 済まない」
「ううん、いいの。 でも、よっぽど思い詰めてるんだね・・・にゃんこちゃん、えと、セツちゃんのこと」
「ん・・? 何故其れを?」
「俺も居るって」
 有紗の後ろから聞き慣れた声・・史也だ。
「気付いてなかったか?」
「嗚呼・・・・」
「マジで重症だな、こりゃ・・有紗ちゃんには俺から話しといた」
「うん・・あのね、わたしも放課後手伝うから」
「あ・・否、有紗に迄、迷惑は・・」
「迷惑じゃないよ! 奈菜ちゃんがそんなののままだったら、心配でそっちのが迷惑だよ・・・」
「ほら、俺はこれだからさ」
 ギプスを指す。
「悪いとは思うけど、俺の低下した分の戦力になって貰おうと思ってな。 俺から頼んだんだ」
「頼まれなくてもやるつもりだったよ。 奈菜ちゃんの大切な家族だもん」
「有紗・・・うん、有り難う。 宜しく頼む」
「んじゃ・・飯食おうぜ。 腹が減っては戦も午睡も出来ねーからな」
「・・寝る気か」
「怪我人は良く寝るのが大切なんだよ」
「そーですよぉ。 今晩はセツちゃんが見付かるまで寝ないで探しますからね〜。 奈菜ちゃんも今のうちに寝た方がいいかもよ?」
「ふ・・そうだな。 寝るなら今の内かも知れん」
「じゃ、わたしも寝ないとねーっ。 何か三人でお泊り会でもするみたいだねっ」
「おいおい、そうなってもどうせ俺は除け者だろ? 女の子二人で盛り上がってさ」
「あはは、お兄さんも一緒に盛り上がりましょーよ」
 有紗と史也が無理に明るく振舞う。 きっと、私の為に。
「・・・・有り難う、有紗、お兄ちゃん」



208 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 4 :2005/04/17(日) 22:31:42 ID:BI16hUL8

「奈菜ちゃん、次は歴史だよ。 移動、移動」
 有紗の声に目を覚ます。
「ん・・・有り難う」
「は〜、ホントに寝たんだ、奈菜ちゃん」
「嗚呼。 今日は徹夜する覚悟だからな」
「そかそか。 うん、わたしも次は寝るよ。 くまちゃんせんせー寝放題だからね」
「・・・・最前列だろう、有紗は確か」
「うん。 寝放題だから」
 道具を持ち、廊下を歩きながら話す。
「でも奈菜ちゃんも佐々木せんせーの授業で寝るなんていい度胸だねー。 殴られるよ?」
「教師が無闇に暴力を振るうか」
「いやま、そりゃ滅多には殴んないけどさぁ。 怒ると怖いでしょ、佐々木せんせー」
 階段を登り切る。 廊下を左へ曲がろうとした時―――。
「ねぇ、そこのキミ達」
 透き通る声が、私達を呼び止めた。
「そう、キミ達。 ここの生徒でしょ?」
 銀髪が揺れる。
「当然だ」
「よかった。 ボクは方向音痴でね。 こんな所まで迷い込んじゃってさ」
「あれ、でもウチの制服着てますね。 転校生さんですか?」
「うん。 明後日からなんだ。 先生にちょっと顔を見せに来たんだけど、職員室って何処かな?」
「は〜、本気で音痴さん・・? 一階だよ?」
「あれ、ここって・・・」
「三階だ」
「・・・・あはははは、日本の建物はよく分からないね」
「それ以前じゃないかなぁ・・」
「えーと、出来れば案内してくれないかな?」
「しょうがないなぁ。 奈菜ちゃん、先行ってて」
 と、授業で使う道具を渡される。


209 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 5 :2005/04/17(日) 22:33:10 ID:BI16hUL8
「あ、出来ればそっちのコに案内されたいかな」
「・・・・なんで?」
「ん〜、ボクの好みだから」
「絶っっっっ対に!!! 駄目!!!!」
 有紗が大声を出す。 ・・・何故有紗が返事をするんだ?
「つれないなぁ。 ボクは唯、案内してもらいたいだけなのに」
「奈菜ちゃん!! コイツの半径250メートル以内に近寄っちゃ駄目だよ!! 犯されるから!!」
「有紗・・・落ち着け」
「落ち着けない!! 危険!! コイツはデンジャーよ!!」
「ふふふ、愉快なお友達だね、奈菜」
「呼び捨てにするな! 穢れる!!」
「あはははは・・・・『屋上で待ってるから後で来て、七十七番目』」
「!! ・・・・『貴様、使徒か』」
「『まぁ、そう云う事』。 それじゃ、自力で探してみるよ」
 と言って、階段を下りて行く。
「・・・・・」
 アイツは、一体・・・。
「・・・・どっか行ったね。 ふう、一安心だ」
「・・・御苦労様」
「なんのなんの、コレも愛しの奈菜ちゃんの貞操を護るためですから。 ってか奈菜ちゃんすごいね。 ドイツ語でしょ、今の」
「あ・・何て言ってたか、聞き取れたのか?」
「んーん、ドイツ語だってのは分かったけど、速いからサッパリ。 ・・・・なんかヒワイな事でも言われたの?」
「否、唯の挨拶だ」
「ふーん・・・・あ、時間がピムチ。 早く行こ」
「有紗、私は保健室に行く」
「えええぇぇぇっっ!!? 具合悪いの?! 大丈夫なの?!!」
「否、ベッドで寝たいだけだ」
「へ・・・? あ、そ、そお? じゃ、わたしも行こうかな」
「ベッド、一つしか無いぞ」
「一緒に寝ればいいよ」


210 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 6 :2005/04/17(日) 22:34:33 ID:BI16hUL8
「今度にしてくれ」
「ん〜、まぁ真面目な奈菜ちゃんは授業中に居眠りなんかした事ないだろーからね。 机じゃ熟睡出来ないか〜。
 分かったよ。 丁度吉川先生もお休みだしね。 今なら寝れるんじゃないかな」
「其れじゃあ、済まないが宜しく頼む」
「任せろ! あ、奈菜ちゃん!」
 階段を下りようとしていた私に声を掛ける。
「何だ?」
「あのヘンタイには気を付けてね!」
「・・・・分かった」

「やぁ、待ってたよ奈菜」
 屋上の手摺りに背中と肘を乗せ、此方を見る。
「キミの事は知ってる。 けれどボクの事は知らないよね? ウィル・フロイライン。 半分がドイツで日本とイギリスが四分の一ずつ」
 銀髪を摘んでみせる。
「ご覧の通り、ね」
「・・・用件は何だ」
「せっかちだね。 キミの友達の件さ。 猫のね」
「切か!? 切は今、何処に居る!?」
「まぁ、待ってよ。 もう一人呼んであるから」
「もう一人・・・?」
 ぶわっ――。
 一陣の風、降り立つ少女と、青年。
「つれてきたよー」
「御苦労様、マイ」
「んーん、このくらいなんでもないよー」
「んじゃ、先に帰ってて。 お土産にケーキでも買ってくから」
「うんっ。 じゃ、またねー」
 あっと言う間に少女が飛び立ち―――すぐに見えなく成った。
「・・・・・奈菜」
 後に残されたのは、私と、ウィルと、青年――秋だけ。

211 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 7 :2005/04/17(日) 22:35:59 ID:BI16hUL8
「秋・・・済まない、私は・・」
「いや・・・いい。 詳しく聞いてる。 姉さんは、アイツに屈したみたいだね」
「そう、八百四番目・・・切は、恐怖に屈した。 負けた訳でも、『殺された』訳でもなく、ね」
「如何云う意味だ」
「そのまま。 心が屈したって事だから、自分から帰ってくる事は無いだろうね」
「寧ろ・・・敵対するかもね、そっちと」
 秋がウィルにそう云う。
「はは、多分そうだろうね。 でも、彼女の事だ、奈菜辺りを襲わせるんじゃないかな? 奈菜は、『血印』だから」
「『血印』・・・?」
「『世界の変容』其の物とも言える、要素の意味の変化。 キミの事さ」
「『世界の、変容』・・・奴も、そんな事を言って居た。 『世界の変容』とは、何だ?」
「停滞したものは存在しているとは言えない。 変わり続ける事こそが『永遠』だ・・・ってね。
 世界は永遠でなければならないのさ。 だから、変わろうとしている・・・『世界』がね」
「・・・・・はっきりと言え」
「はは、そのままだよ。 どんなものでも変わらずに在り続ける事は出来ない。 それは『世界』も同じ。
 奈菜、キミは変わるべき『世界』なんだよ」
「詰まり・・・今の姉さんにとって奈菜は敵其の物なんだよ。
 姉さんは・・・・変わりたくないみたいだから・・・・」
「・・・・・・・」
「さて、それは兎も角。 彼女の居場所なんだけど―――」


 波音が無機質な壁に響く。
 唯一定の間隔に並べられた倉庫達は、返って乱立と云う言葉を思い起こさせる。
 電車で30分程の寂れた港町に着く頃には、辺りは夕日に染まり始めていた。。
「奈菜、僕は向こうから見て回る」
「嗚呼、此方は任せろ」
 一つ一つの倉庫を見て行く。 非効率的だが、どの倉庫か分からない以上之しかない。
 扉を開け中を覗き、奥を窺う。 何度と無く其れを繰り返して行く。
 さして多くは無い倉庫だが、一つ一つ奥まで見て行く内に段々と暗く成っていく。

212 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 8 :2005/04/17(日) 22:37:41 ID:BI16hUL8
 潮風にくすんだ赤い屋根の倉庫。 私が受け持った方の最後の倉庫。
 錆付いた扉を押すと、ぎきぃ・・・と不快な音が響いた。
 高い位置の窓から辛うじて射す月光。 物音無く、鉄錆の臭いが鼻を突いた。
 暗くて判別出来ない資材の中を進む。 かつん、かつん――自分の足音のみ響く。
 と、空間に出る。
 資材達が意図的か偶然か除けられ、丁度月明かりが其処を射す。
 蒼い闇の中、宛ら其の光景は深海に射した光の様だった。
 之以上は進めそうも無い。
 踵を返そうとして―――見付けた。
「・・・・・・・切、か?」
 資材の上に、小さな影。 のっそりと怠惰に反応し、此方に動き出す。
 徐々に月影に現れた姿は、紛れも無く切だった。
「切、無事・・だったか?」
 答えない。
 唯、瞳は、連れ去られた時と同く、虚ろに輝いて居た。
「切・・・・」
「・・・・・七十七・・」
 やっと発せられた言葉。
「・・・何だ?」
「貴方は・・・私の、敵なのね・・」
「私が、敵?」
「そう・・・私から私の全てを奪う・・敵」
「私はそんな事をする心算は無い」
「貴方にその気が在ろうと無かろうと・・・・事実として、貴方は私から奪う・・」
「私が・・・お前の、何を奪う?」
「私の全て・・・私にとっての全て。 何に代えられる事は無く、二度と手に入れる事も出来ない、私の全て」
「奪わない・・・奪うものか。 私にだって、其れ位大切なものが在るんだ」
「でも、貴方は奪ったじゃない。 『恐怖』から、半身を」
「・・・・・其れは・・」
 す――猫独特の無音の動きで、床に降り立つ。

213 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 9 :2005/04/17(日) 22:39:19 ID:BI16hUL8
「貴方が齎(もたら)す変化は、私から其れを奪う。 屹度(きっと)・・・私の全てを、奪う」
「・・・・何故、そう言い切れる?」
「現に貴方は奪っているじゃない・・・『恐怖』から」
「切の大切なものが、『恐怖』の其れと同じとは・・・限らないだろう」
「同じよ。 私に取って半身も同じ。 幾数千、幾数万の時を共にした、私の半身・・・・」
 其の表情は窺い知れない。
「私は護る・・私の全ての為に。 私と私の全てが、何時までも共に居られる用に・・『変容』など、不要」
「私は・・・」
「貴方が如何考えて如何行動しようと、結果として貴方は『変容』を齎す。 だから―――」
 ひゅっ――。
 極々小さく風が鳴き、私の頬に一筋の線。 遅れて、血。
「此処で、死んで頂戴」
 見据えた其の瞳には、暗い決意。
「・・・・・本気か」
「勿論」
 私との距離を保ちながら、ゆっくりと、ゆっくりと歩き出す。
「・・・・・・・・出ろ!」
 私の声と共に大鎌は現れ、確かな質量を持つ。
 同時、駆け出して来た切の爪を鎌に止める。
 其の儘鎌を跳び、私の真上に躍る。
 横方向へ回避。
 着地から間髪置かず私への追撃。
 低く跳び上がった其の一撃を、更に身を低くしてかわす。
 三角跳びに又も私への追撃を繰り出す。
 この角度では、回避は――!
 ならば攻撃に因って止めるしかな無い。
 体が反転するように鎌を振るう。
 柄の軌道は確かに切を捉えていたが、猫独特の柔軟な動きで衝撃を完全に殺し、少し離れた場所へ着地した。
 す――がたん。
 周りの資材が騒ぎ出す。 切の攻撃に因り『切』られた鉄材等が、間を置いて崩れ始めたのだ。


214 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 10 :2005/04/17(日) 22:41:30 ID:BI16hUL8
 がたん、がっ、ず・・・・。
 ほんの少しの間、騒音が倉庫に響き・・・静寂。
 私と切の視線はぶつかった儘。
 かたん、かたん・・・鉄片がゆっくりと資材の上を転がる。
 かたん、かたん・・・・・かーん――床に落ちた鉄片が甲高い音を響かせ、同時、切と私が動き出す。
 私との距離をぎりぎりに詰め、跳躍。
 零に近い距離の其れを、刃の横腹で受ける。
 瞬間的に切の質量が増し、私は受けた姿勢の儘数メートル吹き飛ばされた。
 ・・・・風を使ったか。
 微かな流れだった空気に、静かに、だが確実に意図的な流れが出来ていた。
「切り刻む・・・貴方を・・私から私の全てを奪う、私の敵全てを」
 切の周りに風溜まりが出来る。
 空気と空気の圧力差に因って、『切る』。 鎌鼬所では無いだろう。
「私と、あの子の為に・・・私とあの子が、ずっとずっと共に居られる様に・・『変容』、貴方を『殺す』。
 ずっとずっと、今迄と同じ様に・・・私とあの子が居られる様に・・・今迄と同じで居られる様に・・・」
「『変容』・・・其れは一体何々だ? 私にも止められない事なのか? お前達を犠牲にしなければ為し得ない事なのか?」
「貴方の要素に刻まれた変わる運命。 存在を始めた其の時から、貴方は変わる宿命。 絶対に不可避」
「・・・・・・」
「如何して数ある獣の中で、『人』だけが始原として在るか、分かる?」
「ヒトは・・・唯一心を持つ存在だから・・・」
「『変容』、其れはヒトの齎すもの。 ヒトが使徒に齎す・・・・災いよ」
「災い・・・」
「そう。 私から全てを奪う、災いよ」
 徐々に徐々に、切の風溜まりが大きさを増す。
「使徒に、心なんて要らない。 必要なのは、己の司るものを司る使命だけ・・・七十七、貴方はヒトに感化され過ぎた。 心を求めた。
 使徒を別のものに変え・・そして世界を変える。 私達を巻き込んで。 私からあの子を、奪う・・・!」
 ぶわっ―――風の塊が、私を撃つ。
 切の『切る』と云う意思其の物が私を包む。 其れに負けない為には、私も意志を強く持つしかない。
「―――くっ!!」
 私の衣服が切り刻まれ、幾筋もの傷が体に刻まれる。


215 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 11 :2005/04/17(日) 22:43:18 ID:BI16hUL8
「私は、死ぬ訳にはいかない!!」
 大鎌を振るい――風を断った。
「――!! 風を切るなんて・・・其処まで『強い』のね、貴方は・・・・」
 再度風を纏い出す・・・。
「だからこそ危険なの・・・貴方の『強さ』は、『世界』への影響力其の物。 此処で、死んで・・・!!」
 駆け出す。 先程迄と違うのは、全身に纏った風と言う名の凶器。
 無尽に駆け、私を徐々に切り刻む。
 一気に切られないのは私の意志が其れを抑えて居るからだ。
「切・・・! 何故『変容』を恐れる! お前が恐れるものなど、何も無い!!」
「嘘――!! 貴方は奪った!!」
「其れは奴が私から奪おうとしたからだ!! 『世界』が変わったって・・・お前らが離れる理由なんか無い!!」
「私は・・私は・・!! 私とあの子の繋がりなんて、使徒としての繋がりしかない!! 使徒で無く成れば・・・私達は・・!!」
 切の軌道が終に私自身に向かう。
 正面から、私に・・・来る!
 身構え様とした時――私の背面から軋む鉄の音。
 切の度重なる攻撃に因って崩れ掛かった鉄材の山―――!!!
 私の体に切が届くのと、鉄材が崩れたのは、どちらが先だったか・・・・・。


 走って居た方向から突然の騒音。
 青年は其の音に立ち止まる事無く、更に速度を上げた。
 一番東端の赤い屋根。 音のした其処へ全速力の儘駆け込む。
「姉さん!! 奈菜!!」
 未だ音が響く倉庫に青年、秋の声が其の音の上に響いた。
 返事は無いが、此処しか在り得ない。 暗い倉庫を月明かりを頼りに進む。
 奥の広がりの一角・・崩れた鉄材の山。
 其処に―――。
「奈菜!?」
 見知った人影。
「・・・・・秋、か・・」

216 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 12 :2005/04/17(日) 22:44:46 ID:BI16hUL8
「奈菜、大丈夫なの?!」
「未だ・・・生きては居る・・」
 駆け寄り覗くと、鉄材を大鎌で支え如何にか空間を確保していた。
「僕が支えるから、早く!!」
「分かった・・・・」
 転がる様に這い出て、奈菜は別の鉄材を背にして座り込む。
 意識が向かなくなった大鎌が消え、秋の手からも離れた鉄材がもう一度騒音を立てて崩れた。
「如何して・・・」
 奈菜の腹部の辺り・・・血塗れの猫が声を出した。
「如何して私を助けたの・・・?!」
「言っただろう・・・私にも大切なものがあるって・・・私だって、好き好んで誰かの其れを、奪ったりはしないし・・私が護れるなら、護る・・・」
 其の血は、奈菜の血。
「な、奈菜、その傷・・・!!」
 秋が言葉を失う。
 如何見ても其れは、死に至る傷。
「奈菜! 血は止められないのか?!」
「・・いくら『血』だからと言って・・・そんな事は出来ない・・ふ、血流は止められても、傷口が塞げ無くては、な・・・」
「な、何でもいい! このままじゃ出血多量で死んじゃうよ!」
「ふう・・・済まんが、意識が霞んで来た・・・・其れも出来ない・・様だ・・・・」
「奈菜、奈菜!?」
「・・・・切・・」
「な、何・・・!?」
「切、お前の大切な・・秋・・・秋に取っても、お前は大切なヒトだ・・」
「・・・・」
「そうだろう、秋・・」
「あ、ああ・・・・」
「互いに想い合って・・何を恐れる? 何が変わったって・・・今の其の想い・・変わらないだろう?
 秋を・・・自分を・・・・信じろ。 何を疑っても、秋を信じて・・・そうすれば・・」
「奈菜・・・・」
「でも・・・私は、使徒なのよ・・!! ヒトには、成れない・・!!」

217 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 13 :2005/04/17(日) 22:46:40 ID:BI16hUL8
「ふ・・・切、お前は、ヒトだ・・お前の秋を想う・・心・・確かに、お前は、心が在る。 お前は・・ヒトだ・・・・・・」
 段々と言葉の力が弱まって行く。
「奈菜!!」
「済まん・・・私は、此処迄・・・の様、だ・・・・。 史也を・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「な・・・奈菜!!」
 瞳が閉じて、奈菜は沈黙した。
「奈菜・・・そんな・・・私、私・・・・私は・・」
 唐突に気付く。 自分は、史也の大切なものを、奪ったのだと。
「・・・私・・・私が・・奪った・・・・駄目、駄目、駄目っ・・!!」
 強烈な自責の念が切を襲う。
「こん・・な・・・!! 奈菜、死んじゃ駄目!! 死んじゃ、駄目ぇ!!!」
 泣き叫ぶ切。
「姉さん・・・!! 泣くのは何時だって出来る!! 僕は救急車を呼んで来るから!!」
「駄目・・・・駄目・・・・こんな、こんな・・・っっ!!」
「姉さん!!」
「駄目・・・死なせない!! 私の命に換えても・・・奈菜、貴方は―――!!!」
 体が熱く成る。
 切の体に新たな流れが生じる。
 風が騒ぐ―――。
「姉さん―――!?」
 世界が、変わる―――。


「・・・・・私は・・・生きて・・」
 意識が蘇る。
「・・・はは、当たり前か。 私は使徒なのだからな・・・私自身、『血』が死んだ訳じゃ無い・・」
 体を起こす。 ―――体?
「や、起きた?」
 聞き覚えの在る声。 ・・・秋だ。
「秋・・・!? わ、私は―――!?」

218 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 14 :2005/04/17(日) 22:48:13 ID:BI16hUL8
「生きてるよ。 太刀川奈菜として、ね」
「な、何故・・・」
「戻し切りって知ってるかな。 達人の刀と達人の腕があるとね、切ったものがまたくっ付くんだ。
 元々姉さんの『切』は其れに近い現象だったんだけどね。 分かれた分子と分子を再結合したんだよ」
「切に・・・そんな事が出来たのか?」
「いや、出来なかったよ。 姉さんも・・・見付けたんだ」
「何を・・?」
「切れたものは又くっ付けられる、ってね。 『切』の新しい一面・・新しい意味を、ね」
「そうか・・・切も、見付けたんだな・・」
 意味を見付けた・・きっと、何か大きなものを掴んだんだろう。
「切は?」
「ん・・自分の限界以上の干渉をした所為かな。 ・・猫の体は、死んだよ」
「・・!」
「今は、取り敢えず僕の中に居る。 色々考えたい事が在るんだって」
「そうか・・」
「伝言。 本当に御免なさい、って」
「なら伝えてくれ。 何も気にする事は無い、と」
「うん。 有り難う」
「・・そうだ、此処は?」
「病院だよ。 僕が入院してて、奈菜のお兄さんが入院してた」
「史也・・お兄ちゃん達には・・・」
「連絡したよ。 ただ、事前に口裏合わせとく必要があったからついさっきだけど。 すぐに来ると思うよ」
「そうか・・・心配掛けたろうな。 ふう・・・有紗辺りに言い訳するのが大変そうだ」
「あはは・・それだけ思われてるんだよ。 幸せ者だね」
「嗚呼・・・・私は幸せ者だ。 お兄ちゃん、有紗、秋、切・・・皆が私を支えてくれる。 家族として、親友として」
「僕と、姉さんも?」
「嗚呼。 二人は私の親友だ」
「・・・はは、姉さん泣いちゃった。 意外と泣き虫なんだなぁ」
「何だ知らなかったのか。 切はか弱いんだ。 お前が支えてやるんだ」
 秋の苦笑い。 しかし何処か嬉しそうだ。 大丈夫、この二人なら―――。

219 :月影に踊る血印の使徒:第四夜 エピローグ :2005/04/17(日) 22:49:47 ID:BI16hUL8
 日野瀬秋がこの病院に入院したのは三年前に成る。
 修学旅行の新幹線、脱線事故。 数百の命が消えた中、辛うじて其の生命を留めたのは、僅かに二人。
 日野瀬秋と、日野瀬五十鈴。
 二人は親戚として幼い頃からの交流が在った。
 強気な五十鈴に従う秋。 しかし五十鈴が何時も前に前にと出られたのは、何時もどんな時でも従ってくれる秋が居たからだった。
 二人が惹かれ合ったのは自然な流れだった。
 其の二人を引き裂いた事故。
 まるで何時も通りに一緒で在るかの様に・・二人は揃って植物状態に成った。
 先に目を覚ましたのは、秋。
 体に刻まれた記憶は、断の使徒としての秋の胸も強く締め付けた。
 そして、秋の目覚めから数日後―――。 

「ほら、姉さん・・・もういいだろ?」
 自分の中の『切』に話し掛ける。
「一杯悩んで、一杯考えて・・答え、出したんだろ? 後は、勇気を出すだけだよ」
 そっと姉の背中を押す。
 優しい風が二人限りの病室に流れ、ベッドの上の女性を包む。
 ―――女性が、三年振りに瞳を開く。
「あ・・秋・・・・」
「・・・お早う、姉さん」
 三年前と同じ様に、秋は五十鈴に笑い掛けた。
 切を、五十鈴の記憶が駆け巡る。
 そして、自分の想いと重なる。
「秋・・・秋・・!!」
 涙が止まらない。 又会えて嬉しい。 迷惑掛けて済まない。 支えてくれて有り難う。 ―――貴方が愛しい。 想いが止まらない。
「秋・・・っ!!」
 抱き締めて、唯々涙を流す。
「大好き・・・大好き・・・・・ずっと、ずっと一緒に、居て・・・!!」
「うん・・・僕は、ずっと姉さんと一緒だよ・・」
 唇が重なり―――風は、幸せを謳って居た。

220 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/17(日) 22:54:23 ID:BI16hUL8
姉スレに貼れ。
月影に踊る血印の使徒 第四夜 >>205-219
律儀に一話15レス450行でやるもんだから・・・
たいへん だ! レスすう より ようりょう の ほうが おおきい ぞ!

ってかよ、終わんないです。
あと2,3話は掛かる・・・。 が、がんがります。
多分次回あたりから伏線の回収が始まります。
名作の余韻をぶった切って・・・お邪魔しました。

221 :なぜなに月下:よんにちめ :2005/04/17(日) 22:56:16 ID:BI16hUL8
「有紗とぉ〜」
「五十鈴の」
「なぜなに月下〜ってうわぁ〜?!」
「・・・・何よ」
「にゃ、にゃんこちゃんが人間形態にビルドアップしてる?!」
「・・・何よ・・それより始めましょう」
「あ、う、うん、そだね・・今日のテーマは?」
「名前ね」
「名前? 切とか、断とか?」
「其れは要素の、引いては使徒自身の名前ね。 此処では人間としての名前。 奈菜や秋」
「あーそれね。 なんか二つも名前あってごっちゃになんない? 使徒同士なら使徒の名前だけで呼び合えばいいんじゃないの?」
「其れはとても失礼なの」
「失礼?」
「そう。 名前が在るのは基本的に人間だけ。 それを無視するなんて、その寄り代を蔑ろにする事になる。 何番目、とか言うのもね」
「はー、なるほどねー」
「おい、其処の女・・って呼ばれれば誰でも少しは頭に来るでしょう?」
「そうだねー。 つまり使徒にとって寄り代ってのは大事なんだねー」
「借り物だもの」
「うん、今日は使徒の考え方が少し分かった! それじゃまた・・・ってそーだ!」
「・・・何よ」
「前回休んだでしょ、にゃんこちゃん。 だからマタタビの刑」
「・・・マタタビって・・私はもう猫じゃ・・」
「そりゃー、くらえー」
「にゃっ?! にゃうっ、にゃーっ・・・・・はっ!」
「・・・・・にゃう・・?」
「う・・つい・・・・」
「何か・・・ひょっとして・・・・萌え?」
「う、五月蝿いわね、終わりよ、今日は!!」
「ね、ね、このネコミミカチューシャを・・・」
「今日は終わりよ!!!」

222 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/18(月) 01:53:57 ID:YZNNUtEp
GJ!すっげー!素晴らしい! (≧∇≦)b
バトルカッコイイ!
姉と弟…!感動! 。・゚・(ノД`)・゚・。

ネコ耳カチューシャ… (*´Д`)ハァハァ



223 :コンズ :2005/04/18(月) 11:49:41 ID:CBqWVbI9
乙華麗様です!!
普通に真剣に呼んでました。そして、姉と弟(´Д`)ハァハァ
次回も楽しみにしておりますゾ!!

224 :コンズ :2005/04/21(木) 00:19:29 ID:y6MRr5It
どなたか投下お願いしますっ!!このままでわ………



















バタッ

225 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/21(木) 19:35:04 ID:aofNaFKO
なむなむ(´・人・`)

最近萌え話・妹出てくるもの書いてないです(ノд`)

226 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/21(木) 20:07:34 ID:kOvCuYgC
私も。

227 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/21(木) 21:12:47 ID:pyi/bCeT
 あれから一週間。
 コウくんは何事も無かったかのように振る舞っている。
 もしかしたらそれはコウくんなりの配慮なのかもしれない。
 第一、赤ちゃんの時から一緒に暮らしている私達兄妹には
 お互いの想いが伝わったところで特別に振る舞う必要は無いんだと思う。
 それに、そのおかげで何気なく接することが出来るから気が楽だ。
「・・・〜ぃ、ユキ〜起きてるか〜?」
「・・・・え?あ、ごめん。ボーっとしてた。」
「なんか最近そればっかりだなぁ、しっかりしろよ。」
「うん、大丈夫だから。」
 いけないいけない、考え事が多いせいかボーっとしてるように見えるらしい。
「えっと、お風呂入ってくるね。」
「おぅよ。」
「・・・・・一緒に入らない?」
「っ?!ちょ、ちょっと待て!それはっ」
「じょ、冗談だよ、じゃあ入ってくるねっ!」
「お、おぅ・・・」
 無意識の内に大胆なことを言っちゃった・・・・。
 今になってから顔が熱い。
 ふふ、それにしてもコウくんの慌てっぷり・・・
 面白くて吹き出しそうだけど我慢我慢。


228 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/21(木) 21:15:26 ID:pyi/bCeT
 シャワーを浴び、体を洗う。
 体を洗い終えると湯船に浸かり、考え事に耽る。
 周りを気にしなくて良い分考え事がはかどる。
 ・・・・
 特別な振る舞いをしなくても良いのは楽だけど
 やっぱり何も変化が無いというのもつまらないし・・・
 何かコウくんをびっくりさせられるような事はないかなぁ
 ・・・そうだ、コスプレをするって言うのはどうだろう。
 友達によると、男の人はメイドさんや巫女さんに目がないらしい
 その格好をすればきっとコウくんも・・・・・・
「ユキ〜、タオルここに置いておくからな。」
「っわぁ!・・・・あ、うん。わかったぁ。」
「何驚いてるんだよ。」
「ううん、何でもないよ。」
「全く、変なヤツだなぁ。」
「もぉ〜、コウくん!」
「はいはい、失礼しやした〜。」
 ふぅ〜、びっくりした。
 全然気付いてなかったよ
 一体私がびっくりしてどうするんだ・・・。
 う〜ん、どうしようかなぁ。
 でも、善は急げって言うよね・・・
 よぉし、決めた!コスプレをしてコウくんをびっくりさせてやるぞぉ!
 そんな決意を胸に私はお風呂から出た。

---------------------------------------
投下して良いレベルなのかと迷いましたが投下することにしました。
今回は妹視点で書いてます。
展開が無茶苦茶ですが暇つぶしになれば幸いです。

229 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/22(金) 00:27:29 ID:0OvjfHNR
巫女さんでお願いします

230 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/22(金) 08:53:38 ID:vMg5zshI
↑ワロス

頑張ってくれ
十分イケてるから

231 :コンズ :2005/04/22(金) 11:53:01 ID:nS5tt6+y
二姉持ちの弟すゎん、乙です!!さぁ〜、一体何のコスプレをするのでしょうか?次回作も期待して折ります!!

232 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/23(土) 01:30:00 ID:J7isavrN
GJです! (≧∇≦)b
コスプレがすごく楽しみです〜!!

233 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/23(土) 03:21:45 ID:NvxdCejB
ツボった!!
続きに期待(゚∀゚)

234 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/26(火) 19:23:19 ID:lXBPn57j
ω・`)ダレモイナイ…

235 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/27(水) 00:27:08 ID:6/WowKhM
ここは心のオアシス

236 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/27(水) 21:42:18 ID:tMFY60ck
TOR秘奥義風に。


「行くよ、姉さん!」
「私の『切』と!」
「僕の『断』!」
「重ね合わせて!」
「全てを断ち切る刃と成す!!」
「「奥義!! 風刃剣<<ゴッドブレス>>!!!!」」

勝利メッセージ
「僕と姉さんに掛かれば」
「この世界に、断ち切れないものなど無いわ!」



まぁアレだ、保守です。
所詮テイルズ厨ですから。
風刃剣と書いてゴッドブレス。
刃と神が掛かってるのがポイント・・・?

237 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/30(土) 00:59:14 ID:OR0aE8oY
姉スレで偶然遊星さんを見かけ、「オレは姉でもイケるかも」と感じた。
しかし妹には敵わないはずだ!とにかく誰か書いて下さいお願いします!!

238 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/30(土) 02:13:06 ID:+slL1Dyc
「お兄ちゃん、キスってどんな味するか知ってる?」
「ああ? 知らねーよ」
「した事ないんだ」
「おめーはどーなんだ」
「えへへ・・私も。 だから知りたいの。 ね、してみよっか?」
「はぁ? しねーよ」
「えぇ? しよーよぉ」
「誰がおめーとするか」
「ひっどーい。 私の何が不満なのよ?」
「全部だ、全部。 遅いからもう寝ろ」
「ちょっとぉ、誤魔化さないでよ〜」
「おめーが寝ねーなら、俺が寝る。 オヤスミ」
「ああ、ちょっとぉ〜、待ちなよ〜」


数時間後・・・。
ベッドで眠り込んだ兄と、その前に立つ妹。
「くふふ・・駄目だなぁ、お兄ちゃんは。
 ちゃんと寝る時は鍵を掛けとかないと・・・こうなっちゃうんだからっ♪」


妹はキスの味を知りました。
――――――――――――――――――――――――――――――
誰でも良いって感じの事言ったから即興で書いた。
思い付けば何でも良かった。
反省はしていない。

239 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/30(土) 03:00:38 ID:2SV7BT0a
↑の続きを勝手な……止めた。
人の作品に手を出すのはイクナイな。うん。

GJですー。

240 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/30(土) 03:01:54 ID:2SV7BT0a
誤字 orz
× 勝手な
〇 勝手に

241 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/30(土) 07:05:56 ID:WxO5BCjD
>>237
でも、姉スレでは俺は放置されてますから!
残念!!っと。……コレは古いな、もう。

>>238
(・∀・)イイ!!ねぇ。
次回も期待してるよ。

242 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/30(土) 14:13:49 ID:2SV7BT0a
「…てよ……」
「……………」
「………起きろっっ!バカ兄貴ィ〜!!」
「ぉうわあっっっ!!何だ…お前か」
「何だよー、せーっかく起こしてあげたのにぃ」
「って何でお前が俺のベッドで寝てんだよっ!?」
「えー?だって昨日寝るの遅かったから寝坊しないように…」
「お前なぁ〜…そう言っていっつも俺より早く起きてるぞ?」
「あれだけ目覚ましが鳴って起きないのは兄貴だけだよっ」
「目覚ましで起きれるなら自分の部屋で寝ろっ、毎回起こされる俺の身にもなってみろよ…」
「この幸せ者〜♪」
「どう考えたら幸せなんだよ!?」

243 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/30(土) 14:15:55 ID:2SV7BT0a
「へっ?!だ…だって目が覚めた時傍らにこんな可愛い妹が居るんだよっ///」
「いや、恥ずかしいなら言わなけりゃいいじゃん……それにバカ兄貴なんて叫ばれて幸せな訳ないだろ」
「じゃあ今度から『おにいちゃん♥』にするぅっ?」
「勘弁して下さい……」

―――――――――――――――――――――――――――――――

ちょっとふざけただけですorz

244 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/01(日) 17:38:54 ID:elSvX9VM


245 :コンズ :2005/05/02(月) 04:57:33 ID:FoAIIfpw
>238
短いでもこんなにも萌えるとわ……。GJ!!
>243
『お兄ちゃん』と呼んでくださいOTL
乙ですっ!!

246 :瀬場須 ◆OLSyyL/MoE :2005/05/02(月) 21:12:10 ID:YOqqNACm
>>舞タン
イイっス!萌えGJ!

>>すばるさん
萌える…!最高ッ!

247 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/07(土) 23:27:19 ID:JgFFhath
過疎ってる orz

248 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/07(土) 23:36:48 ID:gwGjZ/FE
流石に下がり杉だからね。
GW明けにでも上げた方がこのスレのためだと思う。

249 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/09(月) 00:33:05 ID:kIaOPpvc
ゴールデンウィークがあけたのでage

250 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/09(月) 07:59:38 ID:gcmD3euU
期待age

251 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/09(月) 08:09:47 ID:a/kZTl1Z
妹「お金たくさん手に入ったから5000万あげる」
俺「そうか、悪いね」
家の妹じゃこんぐらいしか思いツカネ。

252 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/09(月) 22:46:29 ID:VSfK3sLy
両親外出中のお話

妹『お兄ちゃん、今日はどうしよっか?』
兄『なぬが?』
妹『ご飯のコトとか色々だよぉ』
兄『ん〜、どうする?』妹『えへへ〜、じゃあ私が作ってあげるね☆』
兄『?お前が?大丈夫か?』
妹『大丈夫だよ!私も女の子だから一応勉強してるモン』
兄『ふ〜ん。じゃ何でもイイから作ってミソ』
妹『お兄ちゃんも手伝うんだよ☆』
兄『は?オレ料理なんて出来ねぇぞ』
妹『私に言われた通りにすればイイからさ』
兄『そうなのか?』
妹『よしっ、じゃいってみよ〜!!』


完成

兄『オ、オイ、コレ大丈夫か?何か浮いてるんですけど……。』
妹『お兄ちゃん食べてみて』
兄『何でオレなんだよ!!まずお前が食え』
妹『私だって嫌だよ〜』
兄『はぁ〜、でわ、いただきますっ』

パクッと

兄『ちょっとトイレに』
妹『ど、どうしたのお兄ちゃん?』
兄『』
妹『………

253 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/10(火) 01:30:41 ID:h6ytI4FC
大切なのは料理の出来ではなく、作ってくれようとするその気持ちだよね?
>>252のような話ならリアルでも起こり得ると思うんだが、>>251をはじめ
妹のいる人、実際のところは如何でしょう?

254 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/12(木) 00:54:10 ID:4zw35RKq
誰かSS書いてくだされぇぇ〜!!
へ?じゃ藻前が書いてみろって?よ、よしっ、やってみまつ!!


255 :フレイム ◆ahKkMyjBGg :2005/05/12(木) 03:17:46 ID:HHrxm/GD


256 :フレイム ◆SK0Ajy5QBw :2005/05/12(木) 03:18:28 ID:HHrxm/GD
スマソ。↑のカキコは無視してください


257 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/13(金) 06:29:09 ID:9Ak7an4o
コンコン

兄「あ〜い」
妹「お、お兄ちゃん、あ、あのね」
兄「ん?どーした?」
妹「い、一緒に、一緒に寝ない?」
兄「な、なじぇ?」
妹「さ、さっきホラー映画観たらさ、怖くて眠れないの。だからね、ダメ?」
兄「い、いや、ダメでは無いけど……。」
妹「やったぁ!!じゃあ枕持ってくるね!!」
兄「あ、お、おいっ!イイのか?俺?」




















やってしもた………。

258 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/13(金) 12:24:44 ID:5gUo+xsN
さすが13日の金曜日www

259 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 11:46:37 ID:G/qJM4d8
>>257
グッジョッッッ!!!!

260 : 名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 23:39:12 ID:pIwIQxj2
ここ最近えらく静かなのでここいらでSSを投下してみます。
神々の邪魔にならぬ様にとタイミングを計ってはや四ヶ月。
いざ!!


261 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 23:42:39 ID:pIwIQxj2
山も谷も無く平穏無事な一日を終えていざ帰宅と下駄箱へ向かう途中、見覚えのある背中に出くわした。

というより忘れようがない。
遠目に見ても流れる様にサラサラなショートカットの黒髪。
真っ直ぐのびてシャンとした後姿。

・・・あれは俺の妹、巴だ。

「よっ、今帰りか?」
「えっ、ああ、お兄ちゃん」

急に声をかけられ、少し強張った肩が俺の顔を見てホッと下ろされる。

「うん、お兄ちゃんも今帰り?」
「ああ、一緒に帰るか」
「ボクは最初からそのつもりだよ」
「さいですか」

つまり、御丁寧に待っていたという訳か。
内心では予想通りだなと思いつつ肩を並べて歩き出す。

「それより、今日の体育どうだった?」
「どうって・・・そりゃ、お前」

そういえばあったんだよな、山も谷も。
話は遡ること二時間前。
お昼過ぎの授業の体育で偶然に巴と隣合わせとなってしまったのだ。
なるべく気付かれないようにしていたのだが幸か不幸かあっさり目が
合ってしまい輝きを増した瞳で我が妹は大活躍。
バスケットボールでワンマンショーを演じたのだった。


262 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 23:45:17 ID:pIwIQxj2
「張り切り過ぎだろ、あれは」
「頑張れって言ったのはお兄ちゃんじゃない」
「待て待て、あの時一言も交わしてないだろ?」
「目がそう言ってたの!!」
「んな無茶苦茶な・・・」

ふとその時の状況を思い出してみる。
点を入れる度にわざわざ送ってくる視線。
外見はともかく、中身は何年経っても変わっていない。

「でも、頑張ってたよね?」
「まぁ、確かに」
「・・・それだけ?」
「ん?他には・・・そうだな・・・」
「・・・」
「相手の子達がやたら見惚れたな、また巴のファンが増えたぞきっと」
「・・・ボク、頑張った・・・よ・・・」
「うむ、お前に憧れる子達の為にな」
「お兄ちゃんの為に頑張ったんだよ?」
「ち、ちょっと待て!!誰も頼んで無いだろうが!?」
「ボクは・・・お兄ちゃんに・・・」



263 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 23:49:35 ID:pIwIQxj2
表情を窺う様に透き通る瞳で上目使いに顔を覗き込んでくる巴。
苦手な視線に思わず上体が反れる俺。
他人には絶対に見せない顔だな。

「うっ・・・用件はなんだ?」
「えっと、その・・・今度の日曜日に」
「日曜日に?」
「どこか一緒に遊びに行きたいかなぁ、なんて・・・駄目?」
「そんだけ?」
「あっ、もちろん先約があるなら無理にとは言わないけど」

とは遠慮しつつも少し甘いこの口調は確実に良い返事を期待している。
相変わらず積極的なんだか奥手なんだか解らんな。

「何を頼んで来るかと思えば・・・まぁ、考えとく」
「考えとくってお兄ちゃん・・・」



264 : 名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/14(土) 23:51:41 ID:SVdBfmiv
何故この子はダンボール箱に置き去りにされた子猫の如き目で
見つめてくるのか?
物凄く罪悪感を感じてしまうではないか。

「どこに行くかを考えとく」
「・・・うん」

夕陽の中で花が咲いた様に綺麗な笑顔を見せる妹。
まったく、黙ってりゃ美人なのに。
そんな事を思いつつも笑顔につられてしまう。
結局、甘いのは俺の方か。

「ねぇ、御夕飯は何が食べたい?ボク、何でも作るからね」

大人びた横顔の甘えん坊を隣に帰り道を歩く。
これから訪れる休日の過ごし方を考えつつ学校内の何倍も喋る
妹の話にいつも通りき合う俺だった。

265 : 名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 00:02:39 ID:eluJezXL
なんと言うか我ながら返り討ちって感じが・・・
言い訳するとまぁ、こういうの書くのは約三年振りなのですよ。
続きもあるにはあるけどそれはまた需要があればという事で。
自分で書いて改めて思う、遊星氏はすごいと。
萌えは難しいですなぁ。

266 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 00:04:05 ID:ovrfYJ7o
( ・∀・ )!
良い物頂きました。

267 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 00:04:49 ID:4d1sbKdw
リアルタイム
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
GJ!!

268 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 05:20:39 ID:HBsA9A7h
>261->264
GJっ!!次回も期待しておりますゾ!!

269 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 05:21:47 ID:HBsA9A7h
>261-264
連投スマソ

270 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/15(日) 11:10:46 ID:izqXa5zK
>>261-264
おぉ、凄ぇ……。
続き、期待してますよ。


で、迷ったんだけど……ちょっと褒められて気を良くしたんで、このスレにも貼ってみることにしました。
妹成分も無くはないですが、基本はメイドなんで……見るなら、細目で見て下さい。
passは、俺のお気に入りの妹の名前を半角小文字で。
ttp://www.42ch.net/UploaderSmall/source/1116058375.zip

271 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/15(日) 22:25:44 ID:gYP6pxpr
(´・ω・`)コソコソ

>>270
一発でpassを当ててしまいました。やっぱりあの妹でしたか・・・。
メイドさんいいですね。妹&メイドなんて難しい組み合わせを見事に!
私も呼ばれたい・・・。・゚・(ノД`)・゚・。

272 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/15(日) 22:27:08 ID:gYP6pxpr
orz そして駄作貼り。
===
花畑のど真ん中で、俺はぼうっと突っ立っていた。
一面に咲き乱れる花が、一陣の風に流されて、飛ばされていく。
その向こう側に、一人の女の子の姿が見えた。
麦わら帽子を被り、白いワンピースをひらひらさせながら、楽しそうに踊っている。
俺はひどく懐かしいものを感じ、一歩だけ踏み出した。
足元で草花が踏み潰される音がする。たちまち草の匂いが辺りに広がる。
俺はそっと手を伸ばす。女の子はふと踊るのを止めて、こちらを向いた。
その顔は、どこか悲しそうで、胸が締め付けられるようで、そして―――。


 ジリリリリリリリリ!!
 「あー…………はいはい」
眠い頭をフル稼働して、目覚ましを止めた。窓の外から小鳥のさえずりが聞こえる。
カーテン越しの日差しから推測するに、どうやら今日は快晴らしい。
俺はベッドから足を下ろし、ウンと背伸びをすると、今朝の朝食の準備にかかった。

273 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/15(日) 22:28:29 ID:gYP6pxpr
 「……っと、こんなもんか」
エプロンを外し、食卓の上の料理を見下ろす。……うむ、完璧だ。
炊きたてのご飯に緑の野菜。適度な栄養をバランス良く含んでいる。
 「さて、そろそろお姫様を起こしに行きますかね」
誰に言うまでもなく呟くと、俺は居間の戸を開けた。


 戸を開けると、優しい日差しが室内を照らしていて、お姫様はベッドの上ですやすやと
規則正しい寝息を立てていた。俺は足音を立てないようにベッドに近づく。
か、可愛い寝顔だ。見とれつつも、俺はお姫様の頭に手を伸ばす。
そっと、頭を撫でてやる。
 「う……んん……」
気持ち良さそうに頬を緩ませた。ははは、こやつめ!
ギュッと頬をつまんでみる。
 「い、いひゃい!?」
ぱっと目を見開き、しばらく俺の顔を穴が空くほど見つめ、
 「……お、お兄ちゃん……?」
一言だけ、ぽつりと呟いた。
 「はいはい、朝だよ。起きた起きた」
言いながらカーテンを開ける。瞬間、眩しい光が目を射抜き、俺は顔を逸らした。
ベッドの上に視線を戻すと、お姫様……もとい、妹はぼーっとしていた。
ただ虚ろな表情で窓の外を眺めている。
 「朝ご飯出来てるぞ?」
 「……う、うーん……分かったよー……」
 「寝るなよ」

274 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/15(日) 22:30:03 ID:gYP6pxpr
 「んー、ご馳走様でした」
妹は満足そうに両手を合わせ、箸をとん、と食卓の上に置いた。
彼女の茶碗が空になっているのを見て、俺も少し嬉しくなる。
 「お、全部食ったのか。偉い偉い」
 「む。わたしだってお腹空くときは空くんだもん」
 「ふーん」
つまらない会話を交わし、時計を見る。そろそろ学校へ行く時間だ。
 「じゃ、俺は行ってくるから。何かあったらケータイで電話しろよ」
 「うん。行ってらっしゃい、お兄ちゃん」
にっこりと微笑む妹の頭をくしゃりと撫で、俺は家を後にした。


 「…………」
朝独特の忙しさから隔離された居間は、ゆったりとした時間を生み出していた。
女の子はふと立ち上がり、おぼつかない足取りで窓の方へ歩み寄った。
額をごつんとガラスにぶつけ、そのまま動かなくなる。
窓の外では手入れの行き届いた庭が広がり、花たちがその存在を主張していた。
しかし。
彼女の瞳はそれを捉えていない。捉えることが出来ない。
―――そう、彼女は。

 「……見えないなぁ……」
一言だけぽつりとこぼし、目の端の涙を拭い、行ってらっしゃい、と静かにささやいた。

275 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/15(日) 22:31:49 ID:gYP6pxpr
orz 萌えねーっスね。そのうち萌やすので勘弁してください・・・

276 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 22:36:53 ID:ovrfYJ7o
(*´Д`)

277 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/15(日) 22:37:13 ID:izqXa5zK
>>272-274
すげぇよ。流石海中さんだよ……。
続き、マジで期待してますよ!!

278 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/15(日) 23:05:33 ID:M0+6WxET
ヤバい悲しい系だよ…。俺これに弱いんだよね。
ともあれ海中さんGJです!次回も期待してますよ!

279 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/16(月) 05:54:56 ID:hJuKAln+
>272-274
海中様、乙です!!目が、眼がぁっ('A`)

280 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/16(月) 22:26:29 ID:+/U0CZV/
午後七時。学校から帰宅して、夕食の準備をするために台所に入った俺は、
隣の居間から妙な話し声がするのを聞いた。
何気無く戸を開けると、そこには妹が机に突っ伏して眠っていた。
机の上には古いラジオが置かれていて、ちょうど夕方のニュースを流しているところだった。
 「そんな所で寝てると風邪引くぞ」
声に反応した妹は、びくっと体を震わせて、すぐに頭を持ち上げた。
 「んにゃ……?お兄ちゃん?」
 「オレだよ、オレオレ。そんな所で寝てると風邪引くぞ」
 「んー……わたしは丈夫だから平気ですー」
妹はそう言って再び机に突っ伏した。俺も夕食の支度に取り掛かろうとしたが、
ふと机の上のラジオに目が留まった。
 「それ……母さんのか?」
その単語を耳にした妹は、切なそうに笑みをこぼし、軽く息を吐いた。
 「……そうだよ。お母さんのラジオ。かなり昔の型らしいけどね」
 「そんなの持ってたのか。知らなかったな」
 「これはお母さんの形見だから。お兄ちゃんにはナイショだったの」
形見。妹が言ったとおり、我が家の母さんは数年前に病気で死んでいる。
そしてその母親もまた…………。
 「お兄ちゃん。お母さんもさ……目が見えなかったから、こういうの聞いてたんだよね?」
妹の瞳は開いている。けれども、光は無い。真っ暗な闇に覆われたままだ。

281 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/16(月) 22:27:49 ID:+/U0CZV/
 「たぶんな」
 「あは、お母さんの気持ち、なんとなく分かっちゃうよ」
妹は無理して笑い、場を和ませるように夕食をせかし始めた。
俺はそれを無視して歩み寄り、ゆっくりとその小さな両肩を抱いた。
 「んっ?な、なに?」
妹の顔は動かず、色のない瞳が俺の顔を見つめている。俺はごつん、と額をくっ付けた。
 「わっ!お、お兄ちゃん……?」
 「大丈夫さ」
俺はよく聞こえるように喉を潤わせ、一気に続けた。
 「目が見えなくても、音は聞こえるし、何かに触れる。
  お前を必要としている人の呼び声は聞こえるし、人の温もりも分かるだろ?」
俺はあえて分かるように声を出してキザっぽく笑った。我ながら恥ずかしいぞ……。
じわり、妹の目に涙が浮かぶ。
 「お兄ちゃん……うん!お兄ちゃんは、ここにいるんだよね……」
 「そうさ。お前のすぐ側に、ここにこうしているよ」
妹はしばらく俺の胸に顔を押し付けたあとラジオを消して、ありがとう、と小さく囁いた。
そうさ。
たとえ目が見えなくても、愛はいつでも感じ取れるのだから。無論、温もりも。

282 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/16(月) 22:29:09 ID:+/U0CZV/
クサくて萌えない。これが海中クオリティ!


正直スマソ ('A`)

283 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/16(月) 22:31:22 ID:zgxO72pi
リアルタイムで見えた!!
海中様、凄いっス!!

俺も何か書かなきゃなぁ

284 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/16(月) 22:36:07 ID:r994qQ5C
うほっ激萌え!

285 :260 :2005/05/16(月) 23:21:15 ID:Y3jFBU4S
評判はまずまずの様で正直ほっとしているチキンなオレです。
続きはまたタイミング見計らいつつ貼らせて頂きます。
>266>267>268さん
読んで頂けて心より感謝。
まぁ、あんまり期待せずガッカリせず暖かい目で見てやって下さいw
>遊星氏
SS読ませて頂きました。
いや、萌えでは遊星氏に敵いませんマジで。
ちなみに俺的一番は未来ちゃん。
サラちゃんも捨てがたいんですがw
次回作を期待しております。
>海中さん
悲しくて萌える、お見事です。
俺にはとても真似できません、本当に凄い・・・。
続きを期待しておりますよ。

286 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/17(火) 00:23:47 ID:u6MXUOnD
海中様キテタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
冷たい世界と暖かい人間。
そんなSSを書くあなたが大好きです.゚・(ノд`)・゚.

287 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/17(火) 23:11:46 ID:+77P57UZ
おー!ちょっと来ぬ間に海中さん光臨とは
期待してますぜい

288 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/18(水) 00:38:00 ID:lwLB+C/i
う〜む、いつも感じるが海中さんの作品は特に情景が浮かびやすい。
これも文章の巧みさ故か…(他の神々を貶めるつもりはないですよ)

289 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:40:27 ID:QPn7OdNn
「・・き・・てくだ・・・コウ・・さま」
「・・きて下さい・・朝ですよ。」
 誰だ・・・、俺を様付けするのは。
 我が家に俺を様付けする人間なんて居ない。
 それに今日は学校はないはず・・・。
 まだ回らない頭をフルに使って確かめる
「今日は日曜だぞ・・・それに一体誰だ・・・って!?」
 目の前に美幸『らしき』人が居た。
 しかも・・・・、メイド服。
「おはようございます、幸一様。」
 ちゃっかり決め言葉まで言っている。
「・・・・何でそんな格好をしてるんだ?」
「えへへ、驚いた?」
「お前は本当にユキか?」
「うん、ユキだよ。」
「じゃあ、何故そんな格好してる」
「コウくんに喜んで欲しかったからだよ!」
「喜んで欲しかったのは分かった、でも何故にメイド服なんだ?」
「友達に『男の人はメイドさんと巫女さんには目がない』って聞いたんだよ。」
 なんて事を吹き込んでくれるんだ・・・その友達は。
「・・・ここで話してても仕方がない、朝飯を食うか。」
「只今準備して参ります、御主人様。」
「って、その格好で料理するのか?」
「え・・・そうだけど。」
「そうですか・・・」
「それじゃあ、作ってくるね。」
 そう言って嬉しそうに部屋を出ていった。
 全く、何を考えてるのか。
 でも・・・メイドって言うのも良いかもしれない。
 取り敢えず自分も行くか。

290 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:41:30 ID:QPn7OdNn
「幸一様、お食事の用意が出来ました。」
「お、おぅ、ありがとう。」
 なんか調子が狂う・・・。
 食事はいつもと同じ純和風
 手始めに味噌汁を飲む。
「美味しい?」
「いつも通りにな、それよりユキは食べないのか?」
「メイドは御主人様とは一緒に食べないものですから。」
「おいおい、そこまで拘る必要ないだろう。」
「気分の問題なの。」
 そう言う問題かと思いながらご飯をガッつく。
「そうだ、飯食い終わったらちょっと本屋まで行く予定だから留守番頼むな。」
「うん、分かった。」
 最後に残った焼き魚を平らげる。
「それじゃ、行ってきます。」
「え、もう行くの?」
「あぁ、昼までには帰ってくるから。」
「分かりました。行ってらっしゃいませ、御主人様。」
 最後までメイドになりきるとは・・・。
 半分苦笑めいた笑顔を残して家を出る。
「・・・・・暑い。」
 春だと言うのにこの暑さは何だ。
 出かけるなんて言うんじゃなかった・・・。

291 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:42:39 ID:QPn7OdNn
 読んでいた本を畳む。
「・・・そろそろ帰るか。」
 本屋に行く予定があるなんて出任せだった。
 俺はコスプレ等には慣れてない。
 だから美幸のメイド姿は刺激が強すぎた。
「まぁ、可愛いから良いんだけどな。」
「誰が可愛いんだ?真田。」
「おわっ!?い・・・石井か!」
 まずい・・・声に出てたらしい。
「驚くこと無いだろ。で、誰が可愛いんだ、もしかして愛しの妹か〜?」
「ち・・違うっ!お前には関係ない事だ。」
「おやおや、図星みたいだな。良いよなぁラブラブで。」
「うるせぇな。俺は帰るから、じゃあな。」
「末永くお幸せに。」

 本屋を出ると暑さが再び襲ってくる。
 湿度が比較的低いのが不幸中の幸いだ。
 しかし、それでも暑いものは暑い。
 地球温暖化を助長させる時代の名器を産んだ方々への呪いを
 頭の中で唱えつつも家を目指す。
 道行く人が振り返っていたからもしかしたらまた声に出ていたかもしれない。
 暑さに絶句しそうになったところでようやく家の前に到着。
 そろそろ美幸の奴も私服に着替えてるだろう。
 暑さから逃げるように家のドアを開ける。

292 :二姉持ちの弟 :2005/05/19(木) 21:43:55 ID:QPn7OdNn
「ただいま〜。」
 だが返事はない。
 そのまま廊下を歩き、リビングに繋がるドアのノブに手を掛ける。
 ガチャリ・・・・
「あ、お帰り!」
「・・・・・。」
 バタン・・・・
 見てはいけない物を見てしまった気がする・・・。
 白い服に赤いズボン・・・いや違う、あれは袴じゃないのか。
 そう言えば、朝に「メイドさんとか巫女さん」とか言ってたっけ。
 もう一度出かけるわけにも行かないし、仕方がない。
 ガチャリ・・・・
「なぁ・・・、一体そんな服どこから仕入れて来るんだ?」
「友達から借りたんだよ。」
「お前は凄い友達を持ってるんだな・・・。」
「えへへ。ねぇ、この格好似合ってる?」
「あ、ああ・・・・似合ってるよ。」
「本当?じゃあ、ご奉仕しちゃおっかな♪」
「ご、ご奉仕って、一体何をするんだ?」
「うーんと、マッサージっ!」
「マッサージか・・・」
 駄目だ、ご奉仕だなんて言うから飛んでもない方向に考えてしまった。
「えっと、じゃあ・・・腰を揉んで貰おうかな。」
「良いよ、じゃあシャツ脱いで!」
「いや、別に脱ぐ必要は・・・。」
「い・い・か・ら!ほら、早く。」
「わかったよ、脱げば良いんだろ。」

293 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:44:55 ID:QPn7OdNn
 俺がシャツを脱ぐと美幸の視線が体に注がれる。
「・・・コウ君って、結構筋肉有るんだね。」
「一応毎日筋トレしてるからな。じゃあ、早速頼む。」
 カーペットの上にうつぶせになる。
「あ、うん。やるね。」
 美幸の柔らかい手が腰に触れる。
 徐々に力が入ってくるのが分かる。
 ちょうど良い具合の力で気持ち良い・・・って、いてててて!
「痛い痛い!力入れすぎだ!」
「え、あぅぅ。ごめんなさい・・。」
「いや、良いよ。取り敢えず少し力を緩めてくれれば。」
「うん、わかった・・・。」
 再びリラックスモードに入る。
 しかし、一向にマッサージが再開される気配が無い。
 と思ったら、首筋に手が回ってきた。
 そしてそのまま後ろから美幸が抱きついてきた、半分俺にのし掛かる状態で。
「お、おい。何する気だ?」
「これもご奉仕の一つだよ♥」
 背中に美幸の胸が当たってるのが分かる。
 美幸ってこんなに胸大きかったっけ・・・。
 やばい、心臓がバクバクする。
「ねぇ、コウ君。私のこと・・・好き?」
 美幸が耳元で囁いてくる。
「あぁ・・・・好きだよ。」
「私もコウ君のことが大好きだよ!」
「ははっ、ありがとう。取り敢えずマッサージの続きしてくれないか。」
「りょーかいっ!今度は気を付けるね。」

 嗚呼、神様。俺はなんて幸せな兄なんだろう。

294 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:48:12 ID:QPn7OdNn
ごめんなさい、操作ミスでageてしまいましたorz

つくづく文章作成能力がないと感じます。
以前投稿したときに「どっちのコスになるか」と言う声がありましたが、結局両方やることに。
あと、270さん。ネタが被ってしまってすみません。
遊星さんや海中さんの様な文章が書いてみたいです。

295 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/19(木) 22:31:07 ID:3ec5ld5J
>>289-293
おぉ!!待ってました!!
メイド(;´Д`)ハァハァ、巫女もいいねぇ……。

>ネタが被ってしまってすみません
まぁさ、被ったとかなんとかは言いっこなしだよ。
誰が何考えてるのか。なんて、分かるわけないんだしね。

ま、参考にしたなら、一言あったほうがいいと思うけどね、俺は。

296 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/20(金) 09:56:22 ID:UQZHnc6q
二姉持ちの弟様もキタ━━(゚∀゚)━━!!
ユキちゃんいいなぁ(*´д`)
マジ乙です!!

297 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/20(金) 21:40:08 ID:/9YKqLRO
(つд`)ハァハァ・・・ちくしょう、萌えます・・・!
ぜひ、我々を萌やし尽くしてくださlittいleふsiじsterこ

298 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/25(水) 01:07:08 ID:WJVEBa5c
ほしゅ

299 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/25(水) 21:00:40 ID:6U1C6WWx
「ふぅ……今日も終わったなぁ……」
俺、三上修二は友人とともに、昇降口に向かって歩いている。
「だな。どっか寄ってこうぜ!!」
と、友人、州田敬介。
「ま、いいけど……二人でか?」
「しょうがないじゃん……俺たち二人はモテないんだからさ」
「失礼な……」
というようなバカな話をしていると……
「あっ!!お兄ちゃん、み〜つけた〜!!」
後ろからそんな声が聞こえた。
その瞬間、隣の州田が前方に倒れそうになる。
「り、梨那っ!!何しやがる!!」
上半身を三十度ほど傾けた州田が背中に乗った少女に叫ぶ。
「えへへ。嬉しくてね〜♪」
明るく笑う少女。
「よぅ、相川。元気そうだな」
「うん。元気だよ〜」
彼女は相川梨那。州田の……幼馴染らしい。ま、詳しい説明は他に譲るけど。
「でるたも元気そうだね〜?」
「だから……デルタは止めてくれって……」
「何で〜?」
「意味が分からないから」
「ま、意味なんて無いんだけどね〜。今日は、シンちゃんとだでぃはいないの?」

300 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/25(水) 21:02:02 ID:6U1C6WWx
「真司も立花も妹と一緒に帰った」
『シンちゃん』とは石川真司、『だでぃ』とは立花将人のこと。どちらも俺の友人。
「そうなんだ〜。じゃ、お兄ちゃん、梨那と一緒に帰ろ?」
「いや……意味分からんし……って言うか、退け。重い」
「にゃははっ。レディに重いは失礼だよ?」
「レディ?誰がよ?」
「うにゃ?お兄ちゃんって、意外とバカなんだね〜?梨那のことだよ〜?」
「知ってるよ!!」
「にゃはははははは♪ばーか、ばぁーか♪」
「黙れ、数学赤点三冠が」
「にゃっ!?ま、まだ二冠だもん!!」
「ほぅ?ま、三冠になる日も近いだろうけどな」
「つ、次は大丈夫だよ!!」
「どうだかねぇ?」
……えっと、今回の主人公は俺なんですけど……。
「州田」
何だか寂しくなったので、俺は州田に声をかけた。
「ん?どうした、三上?」
「どうした、デルタ?」
「俺、帰るわ。二人で仲良くやってくれ」
「おっ、デルタ、お主、分かっておるな〜?」
「ちょっ!?三上っ!?」
「じゃあな」
背中越しにそういって、歩き出す。
「にゃはは。これで二人きりだね、お兄ちゃん♪」
「待てって!!おい、三上!!」
背後で、相川の猫なで声と州田の悲鳴のような声が聞こえたが……
俺にはもう関係ないことだ。適当に頑張れよ、相川〜。
───────────────────────

301 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/25(水) 21:03:02 ID:6U1C6WWx
んー。かなり日も長くなってきたな。
帰る者、部活に励む者で騒がしい夕暮れ前の校庭を一人歩く。
そして、俺が校門を通り抜けたとき……
「あー!!おにぃちゃんだー!!」
後ろから声をかけられた。
慌てて振り返る俺。
「さ、沙耶っ!?」
「うん。サヤだよー」
塀に寄りかかっていた俺の妹、沙耶が、嬉しそうに俺の方に走ってくる。
「どうしてここに?」
「うん。今度のね、遠足のお菓子を買いに行こうと思ったんだー」
中学にもなって、遠足ですか……似合うけど。
「でもね、サヤ、お金持ってなかったから、おにぃちゃんに貰いに来たんだよー」
「あぁ、俺も晩飯の買い物行こうと思ってたし、一緒に行くか?」
「うん!!行くー!!」
右手を高々と挙げて、嬉しそうに笑う沙耶。
俺も微笑んで、沙耶の頭にポンと手を置き、
「よし、じゃ行こう。早くしないと、お菓子売り切れちゃうかもしれないからな」
「はわっ!?は、早くしないとー!!」
「あぁ、急ごう?」
「うん!!」
走り出す二人。
しかし……

302 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/25(水) 21:04:03 ID:6U1C6WWx
どてっ。
移動距離20メートルにして、沙耶が転ぶ。
転んだまま動かない沙耶……。
俺は体を反転させ、焦って沙耶の元へ走る。
「だ、大丈夫か!?沙耶!?」
「はわわ……転んじゃったよ……てへへ」
起き上がって、恥ずかしそうに笑う沙耶。
ちょっとホッとし、俺は沙耶の両脇を持ち上げて、沙耶を起こしてやる。
「大丈夫か?怪我してないか?」
「うん。痛くないよ!!」
「そっか。沙耶は強い娘だな?」
「えへへ……」
沙耶が笑う。頭を前に傾けて。
俺は沙耶の頭を軽く撫でた後、沙耶の服や膝の土を手で払って、
「よいしょ」
沙耶を抱きかかえる。
流石に軽いなー。
「はわわっ!?」
「コレが一番早いだろ?」
「うん!!」
「よし、出発。舌噛むなよー」
沙耶を抱いたまま、近所のスーパーへと少し早足で歩き出す。
接近する顔と顔。
沙耶は俺の顔を見て、嬉しそうに微笑んだ。
実際……お菓子が売り切れるなんて、そうは無い。
急ぐ理由は、広告の品目当て、だったりして……。
───────────────────────

303 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/25(水) 21:05:40 ID:6U1C6WWx
『小さいことにクヨクヨしたりしてない?
 自分のやりたいこと、やれること、やればいいんだよ少しずつさ。
 それが、強さになるんだよ、きっと。

 元気ハツラツ! 君は強い。オロナミンC』

えっと、久しぶりの妹台本。
つーことで、キャラの性格を思い出すため、色んな妹を出してみようかなぁ……なんて。
そんな感じ。
まだ続くと思うよ、多分。
気に入らなきゃスルーですよ。それが2chのルール。

304 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/25(水) 21:07:31 ID:JmKXC8Bp
│д`*)ミタヨ

305 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/26(木) 01:54:05 ID:UXUyueVu
遊星神様もキタ━━(゚∀゚)━━!!

是非僕らが萌え死ぬまで書いて下さい!!

306 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/26(木) 18:53:37 ID:3wo7B50/
ただいま〜。
あっついなー、今日も。

深夜、コテトリの話が出てたようので、気になって調べてみる。
鳥付けた日:03/2/14、名前付けた日:03/8/19
もう二年近くも使ってんだ……このコテとトリ……愛着も出るよなぁ。

>>308
調べてみたけどよく分かんない……。
専ブラのdatファイルがあれば出来るとか出来ないとか……。

307 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/26(木) 18:54:31 ID:3wo7B50/
人生初誤爆!?
ゴメン、皆!!

308 :sage :2005/05/26(木) 19:17:54 ID:zRqUAXoK
あの…遊星さん?
沙耶って、咲耶をもじられたのでしょうか?

309 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/26(木) 21:16:03 ID:3wo7B50/
>>308
┐(´ー`)┌
そんなものより、もっと疑うべき作品があるだろう。と。

310 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/26(木) 22:37:18 ID:Y6cWlEoH
>>260-265
GJ!!
是非とも続き読みたいです!

>>海中さん
すごい…!GJ!!
俺、萌え悲しい話に弱いです… 。・゚・(ノД`)・゚・。

>>二姉持ちの弟さん
メイドさん、巫女さん、
両方イイ!!GJ!!

>>遊星さん
デルタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
三上さんと州田さん、両方の話の続きが読みたいです!!

311 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/27(金) 02:15:21 ID:35pn4lqQ
どこの誤爆か気になるが結果的に2回も>>308にレスしてる遊星さんに萌え
ともあれGJです!!

312 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/27(金) 14:30:42 ID:G+HqNPVO
これはこっちでいいかな…

今更だけどまだ読んでなくて暇な人はどうぞ
http://moemoe.homeip.net/i/index.php?ac=view&aid=2417
携帯版でスマソ

313 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/28(土) 00:15:40 ID:TfJDpUmd
読んだ。
よかった。

314 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/28(土) 23:04:59 ID:Zw9oqKxC
風邪でしばらくの間、くたばってました。orz お久しぶりです。

>>遊星さん
沙耶たん、お持ち帰りはおいくらでしょうか?・・・え、非売品?
ころしてでも(ry それはともかく、GJです!

315 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/28(土) 23:06:18 ID:Zw9oqKxC
「お兄ちゃ〜ん……早く寝ようよ〜……」
「なんだよ、もう寝るのか?まだ早いぞ」
「わたしはお兄ちゃんと違って、やこーせーじゃないの!眠いの!」
「……はいはい。さいですか」
俺は本をぱたんと閉じて、クッションの上に放り投げた。
「あれ?本を読んでたの?」
「ああ。ダヴィンチ・コード」
「あー、それ知ってるよ。ラジオで紹介してたもん」
「なんだ、知ってたのか。読んでやろうか?」
妹は「うー」と唸ったあと、恥ずかしそうに頬を緩め、俺のパジャマに頭をすり寄せた。
「読んで欲しいけど……今日はお兄ちゃんと早く寝たいの……」
「……そっか」
よくそんな恥ずかしい台詞が言えるな、と思いつつ。俺は明かりを消した。

316 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/05/28(土) 23:07:24 ID:Zw9oqKxC
ふとクッションの上の本に視線を送る。
 妹に言われたい台詞  2005年決定版!(エロバージョン)

 「……倫理的にさ、さすがにお前はマズいよな」
 「え?なんのこと?」
 「なんでもない」

教訓:嘘も方便だが、これはひどい例である。兄はすました顔で鬼畜である。

317 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/05/29(日) 16:59:11 ID:l7/SM/Hp
>>海中さん
風邪をひいていたとはこれはまた…体には気をつけて下さいね。
ともあれGJです!
激萌えです(*´д`)



みなさんも風邪には気をつけて下さいね

318 :好きだよ :2005/05/29(日) 21:42:14 ID:H+UBTrwW
お兄ちゃんは私の苦しいとき、悲しいとき、辛いときに私の相談にのってくれたり、励ましてくれたり、アドバイスをくれたりしてありがとう。楽しいときは2倍楽しくなり、辛いときは少ししか辛くない。私、お兄ちゃんといるだけで楽しいよ。お兄ちゃんとっても好きだよ。

319 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/05/29(日) 23:50:46 ID:PkVqgvUK
>海中様
やっぱ、海中さんの書く妹は可愛いですねぇ……。
さすが海中さんッス!!

320 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 16:16:38 ID:MV+AsTi7
                     〃⌒⌒ヽ
        \            i彡ノノ))))〉   /
          \          l∬ ゚ヮ゚ 八    /ァ[〉 ⌒⌒ 〈]    ./
           \      ⊂/\__〕 ヽ  //ノi ノ/从从|〉  ./
        __  \    ./丶2    |Σノ /┌ゝ!| ゚ヮ゚ノl ./
       , ' ___ヽ  /\  / //7ゝ〇 ノ\  /≡/\丿>/
       i/ノノレリ)〉 / /.\ ///⌒γノ/___). / ≡\/≡/____
○   / <ゝ|| ゚ ヮ゚ノ!/ /○ .\/  ///ノ   /  /  /[〉γ /^lヘ ヽ
 \ / / /ヘ∇ヘ_|. //   \///    /     ./  l i ノリノ )))
    \,ヘ .l⌒l⌒l, ヘ/   |\/\/\//  /   ノ /iハ ゚ ヮ゚ ハ
   l二/\!, '⌒ヽ|,.'\二l   >     妹 〈 /   / ̄`-==-' ̄\
       (人Ξ ノ)     <      ス >   / ,イ/ ̄ ̄\ト \
      ○巛巛○      >  予  レ <   (m / ̄ ̄ ̄ ̄.\m


321 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 16:17:04 ID:MV+AsTi7
 ̄ィ^8  lヘ `8ヘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄<     の > ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ァ'   ト ヽ ̄ ̄ ̄
  从iノリノ )))リ         >  感    < .\       (ト)ミノノノ )) 〉
  ノ (li ゚ ヮ゚ノリ           <  !!  \  \     ノノ(リ ゚ヮ゚ ノ、
  /⌒\/⌒ヽ_______     //\/\/ ̄  __\  / ⌒〇二\ノ)⌒
 | ̄⌒\ 彡ノ_   |    /, 〜ーヾ   |  〃/二ヾ\ ─) ⌒ヘ◎>) ─ 彡
 |_________\_|__ 丿____|  .// .イノリ从)))  |  i /フフ77i〉\// \=(_) //
/_____________\彡ノ________ / ヽ !| ゚ -゚ノリ   .| 从|! ゚ヮ゚ノl|  .\\ |(○|(γ⌒ゝ´
 ‖      \ヽ   ./    /(⌒───|  (∧∧)⊂)   \| ──二(◎) |l
         ヽミ  /      | ` ̄| ̄ ̄ .|  .|ΘΘ| ノ     \    ゝ_ノ
           ./ \     |ニ二{]    | (_|;  /_)      \
         ./   \! ̄ ̄i ∨__ ̄ヽ/| ヘД/ヽ         .\
        /    /二二\( iii iii>\ \ |(    )


322 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 17:24:32 ID:RWT4mKCr
「お兄ちゃん!一緒にぷよぷよしよ♪」
「お兄ちゃん!食べさせてあげる♪ア〜ン」
「お兄ちゃん!一緒にお風呂入ろ♪」
「お兄ちゃん…一緒に寝ていい?」
妹よ…いい加減兄から卒業しような…こんな妹を持った漏れは幸せ者なんでつか?(´・ω・`)

323 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/01(水) 17:42:21 ID:7HbaUx4g
君の実生活を箇条書きするだけで、俺の台本は軽く超えられそうだ……

っていうか、羨ましいぞ。おい。

324 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 20:21:57 ID:W5zecRNu
羨ますぃ(´・ω・`)

325 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/01(水) 22:23:15 ID:7HbaUx4g
沙耶と二人、カートを押しながら歩いている。
沙耶には、お菓子売り場に行くように言ったが、俺と一緒に行きたい様で、
しばらく俺の買い物に付き合ってもらっている。
「晩飯何にしようかな……」
「おにぃちゃん!!サヤ、ハンバーグがいいー!!」
「おいおい。この前も作っただろ?だからまた今度。なっ?」
「うん」
「さてと……どうしようかなぁ」
呟きながら、店内を歩いていく。
「お、キャベツ一玉95円か……安いな、買うか」
と、俺がキャベツに手を伸ばすと……
「きゃっ!?」
偶然、キャベツを取ろうとした俺の手が、
同様にキャベツを掴もうとしていた女の子の手を掴んでしまった。
「あっ、すいません……」
その女の子に軽く謝って、別のキャベツに手を伸ばすと……
「あれ……?三上!?」
「ん?」
何者かに呼ばれ、顔を上げると……
「あ、立花……」
「よっ。三上も買い物?」
「ああ」
ってことは、三上の横に立ってるさっきの女の子は……
「未来ちゃんだったのか……」
「あ、お久しぶりです。三上さん。沙耶ちゃんもこんにちは」
立花の妹、未来ちゃんが、ペコリと頭を下げる。

326 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/01(水) 22:24:15 ID:7HbaUx4g
「ミクおねぇちゃん、こんにちはー」
「あぁ、久しぶり。前会ったのは……鍋パーティの時だっけ?あの時はどうも」
「いえ。好きでやってますから」
この娘。かなりの料理好きである。
立花家には、何度か食事をご馳走になったが……どれも美味くて驚いた記憶がある。
「今日は何買ったの?」
「えっと……シメジとキュウリとモヤシ、あとニンジンですね。今のところ」
「お、キュウリ買おうかな。いくらだった?」
「確か……三本で98円だったと……」
「ほぅ。安いね。あとで買おう」
「でも、今日はお肉はあんまり安くないんですよね……」
「あぁ、そうだね。魚もそこまで安くないみたいだしね。今晩は何にしようかな……」
「あ、なんでしたら、何かレシピ教えましょうか?」
「えっ?いいのっ!?」
「はい。たまには兄さん以外の感想も聞いてみたいですしね」
「そう?じゃ、お言葉に甘えて……」
俺はバッグから手帳とペンを取り出す。
すると……
「あれ……?」
ちょっと目を放した隙に、未来ちゃんが消えていた。
「……?」
呆然と立ち尽くす俺。
すると、沙耶が俺の服の裾を軽く引っ張って……
「ミクおねぇちゃん、おにぃちゃんに引っ張られて、どっか行っちゃったよー?」
「ち……立花め……」
いい機会だったのに……。
はぁ……。ま、立花らしいといえば……その通りなんだけどさ。
───────────────────────

327 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/01(水) 22:25:15 ID:7HbaUx4g
「ま、ここまで来りゃ、大丈夫だな。スマンな、未来」
「ぷはっ……はぁ……はぁ……」
「大丈夫?」
「口を塞ぐなんて、いきなり何てことするんですか!!兄さん!!」
「ん〜。強いて言うなら、悪の手先から未来ちゃんを救出したって感じ?」
「はぁ……何言ってるんですか……兄さん……」
「だって、無視されて寂しかったんだもん」
「だからって……あんなことして……三上さんに悪いじゃないですか……」
「まぁね。でも、そりゃお互い様」
「え?」
「いや、沙耶ちゃん、一人ですげぇ可哀想だっただろ?」
「え……」
「気付かなかった?」
「は……はい……」
「ま、料理の話で夢中になるのもいいけどさ」
「はい……」
「沙耶ちゃんには三上が必要だ。分かるだろ?」
「はい」
「それなら良し。さ、行こうぜ」
「はい。えっと……兄さん……」
「ん?」
「意外と優しいんですね?」
「まぁ、未来ちゃんや沙耶ちゃんみたいな可愛い娘には特にな」
「に、兄さんっ!!何言ってるんですか!!」
「いや、もう。未来ちゃん、そのリアクション、ホント可愛い!この場で抱き締めちゃいたい!!」
「に、兄さん!?何言ってるんですか!!」
───────────────────────

328 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/01(水) 22:26:18 ID:7HbaUx4g
中途半端!!だけど貼る。
ココまで行ったら、双子も出す!!サラは……微妙!!頑張る!!
ってことで、まだ続くよ。
いつも通り、気に食わなきゃスルーして。

しかし……「みく」→「未来」が、デフォルトで変換できるなんて……
新しいパソコンはいいねぇ……。

329 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 22:29:31 ID:UbWwbHcI
リアルタイムで拝見させていただきました。
遊星さん乙です!ちなみに俺は携帯から見てるんですが、こっちもみくで変換できます。

330 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 23:45:10 ID:W5zecRNu
>>遊星様
GJです!!
萌えパレード開催の予感w

>>329
('A`)人('A`)ナカーマ>携帯から見てる

331 :322 :2005/06/02(木) 03:27:38 ID:NvBvfeoi
遊星さん>そぉですか?ぢゃぁ今度1日の出来事でも書いてみます…ちなみにお風呂と寝るのは丁重にお断りしました。なんかすいません…

332 :二酸化マシンガソ :2005/06/02(木) 14:04:53 ID:sknVNkwb
遊星さん
やはり神はすごいですね
流石過ぎまつ

333 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/02(木) 23:20:30 ID:Y23j4Xg9
>>遊星さん
乙です!GJ!!
続き待ってます!!

334 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/03(金) 19:39:43 ID:yLKLy2se
なんだろう、群発頭痛にかかりました。
台本書きを少し休止します・・・

335 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/03(金) 20:06:03 ID:k9W6aOnD
携帯から見てる人、やっぱ多いんだねぇ……zip上げは、やらない方がいいか。

>>329
へぇ、変換出来るんだ。
ケータイよりも劣るPCって……orz。

>>334
大丈夫ですか?
ともかく、お大事に。

336 :二酸化マシンガン改 :2005/06/04(土) 15:20:16 ID:q3vbDOQf
妹「あにうえ〜」
兄「どうしたんだ?」
妹「これそこの川原で拾ったのじゃ〜」
兄「綺麗な石だな」
妹「えへへっこれあにうえにあげるのじゃ」
兄「いいのかい?」
妹「うむ!これはあにうえの為に探してきたのじゃ」
兄「?」
妹「あにうえお誕生日おめでとうなのじゃ!」
兄「…そうか今日は俺の誕生日か…ありがとう、詠美」
妹「えへへっ大好きじゃあにうえ!」
兄「俺もだよ…」

なんていうかこんなの貼ってすいません

337 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/04(土) 21:25:36 ID:aJum4fyn
二酸化マシンガンさんがカスタム化した!?
戦国娘(?)萌え〜!乙です!

338 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/04(土) 22:58:39 ID:q3vbDOQf
>>337さん
どうもです〜
ちょうどこの前に天上天下見てて
それで「〜じゃ」口調の娘書いてみました

改はカスタムでなく動くように直した感じですよ
ハハ…

339 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 15:41:42 ID:vCtwlWzg
>>331の者です。昨日ちょっと萌え的な事があったので書かせてもらいます。始めてなので読みにくいと思いますが…。
俺には2人の妹がいます。中1の長女ハルナ(仮名)と小4の次女ユイ(仮名)です。ハルナは憎たらしいので微妙ですがユイは超甘えん坊なので激萌えです。wじゃあそろそろ話に入ります。

340 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 15:51:33 ID:vCtwlWzg
朝、俺がまだ寝ぼけているとユイが部屋にきました。
ユ「お兄ちゃ〜ん?朝だよ〜?起きないの〜?」オ「今日って土曜だろ?」ユ「そぉだよ」オ「じゃあ寝る…」
俺の高校は土曜休みなので9時になってましたが寝ることにしました。
ユ「じゃあユイも寝る〜」オ「俺のトコで寝るなよ…」ユ「いや〜…」
結局ユイは俺のベットに入って来ました。俺もメンドくさいのでそのまま2人で寝ちゃいました…。

341 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 16:02:04 ID:vCtwlWzg
12時頃になり俺は目が覚めたのでベットに座りタバコを吸いながらテレビを見てました。後ろではユイが寝てます。30分ぐらい経つとユイが目を覚ましました。
ユ「ん〜…お兄ちゃんオハヨー」オ「ん、おはよ」ユ「あ〜っお兄ちゃんまたタバコ吸ってる〜!」オ「ん?どぉした?」ユ「こーこーせーはタバコ吸っちゃイケナイんだよ〜!」オ「はいはい」

342 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 16:13:48 ID:vCtwlWzg
タバコを消してテレビを見てるとユイが
ユ「ねぇお兄ちゃ〜ん」オ「ん〜?」ユ「おはようのチューは〜?」オ「なし」ユ「なんで〜?おねがい〜!」
後ろから抱き付いてくるユイ…。
オ「だめ」ユ「いや〜」オ「離れなさい」ユ「いや〜。チューしてくれるまで離れない〜」
はぁ〜…なんだこの妹は…orzまぁ可愛いからイイけど。w
オ「はいはい。じゃあ目つぶって」ユ「は〜い」
ユイのおでこに優しくキスをする。9歳にもなる実の妹にキスするなんて…人間失格だな…orz

343 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 16:29:01 ID:vCtwlWzg
オ「ところでメシは?」ユ「まだ食べてな〜い」オ「じゃあ何か作るか?」ユ「ユイも手伝う〜!」オ「よしっ!じゃあキッチンへGO!」ユ「GO〜!」
パンを焼いてマーガリンを塗るユイ。炒めた卵とウインナーにケチャップをかけたヤツを作ってだす俺。
オ「よしっ!じゃあ食うか!」ユ「うん!」オ「はい、いただきます」ユ「いただきま〜す!」オ「…うまいか?」ユ「うんっ!おいしーよっ!」オ「ん、ならイイや」
メシを終えて寝汗をかいたので風呂に入る。…風呂から出てユイに
オ「ユイも汗かいたんだったら風呂入っとけ」と言って居間でテレビを見る。ユイは風呂に行った。

344 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 16:40:09 ID:vCtwlWzg
ユ「お兄ちゃ〜んっ!!!!」風呂からユイの大声が聞こえる。俺は急いで風呂まで行く。
オ「どぉしたっ!?」ユ「ドアが…ドアが開かないよ〜っ!!!!」
どうやらユイは内側からカギを掛けてしまいドアが開かなくなって泣いてるらしい。
オ「ユイ〜。カギ掛かってっからドアの下にあるカギ開けろ〜」ユ「わかんないよ〜っ!!!!」
…だめだ…ユイは泣いて言うこと聞かない…orz仕方ないのでドライバーを使い外側から開ける。

345 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 16:52:01 ID:vCtwlWzg
オ「ユイ〜開いたぞ〜」と言ってドアを開ける。
ユ「うわぁ〜んっ!!!!」オ「おいっ!抱き付くなっ!濡れるだろっ!」
オ「っつか体洗ったか?」ユイは小さく頷く。
オ「頭は?」首を横に振る。
オ「じゃあ体洗ってから出ろよ」と言って居間に戻ろうとする。
ユ「行っちゃヤダ!!!!」俺のズボンにしがみつく。
仕方ないのでユイの頭を洗ってやる。可愛いなぁ…体を拭いて服を着せる。俺も服を濡らされたので着替える。

346 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 17:08:35 ID:vCtwlWzg
俺はする事がないので部屋でダラダラ。ユイはずっとついてくる。トイレにまで一緒に入ろうとしてきた。しばらくすると出掛けてたハルナが帰ってきた。
ハ「ただいま〜」オ「おぅ!おかえり」ユ「…」ハ「ユイ何やってんの?」オ「あぁ、ちょっとあってね」ハ「ふ〜ん」
親から今日は帰れないとの連絡を受ける。オレがメシを作るのか…orz3人黙ってメシを食う。なぜかユイは俺の膝の上に座ってる。会話はない…。メシを終え簡単に片付けを済ます。

347 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 17:21:12 ID:vCtwlWzg
風呂に入ろうと思い服を脱ぐ。なぜかユイも脱いでる…。
オ「何やってんの?」ユ「一緒に入っちゃダメ?」
少し考えたが今日の事があったので一緒に入ってあげた。ユイはまだ元気がない…。風呂からでてハルナに風呂が空いたことを伝える。居間で少しユイとダラダラする。そろそろ寝ようと思いユイに
オ「じゃあ俺寝るから。ユイも早く寝ろよ」と言って部屋に戻ろうとしたときズボンを引っ張られた。
オ「ん?」ユ「一緒に寝て…」オ「しゃ〜ね〜なぁ〜。じゃあ今日だけだぞ!」
内心ちょっと嬉しい。w

348 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 17:46:01 ID:vCtwlWzg
風呂から出たハルナにユイと寝ることを伝える。部屋に戻ってユイと寝た。ベットの中でユイはずっと俺の腕にしがみついてた。今日はいつもの元気なユイに戻ってたので安心した。
とまぁこんな感じですね。長文&駄文失礼しました。ちなみに今ユイは俺の部屋でマンガ読んで笑ってます。w

349 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/05(日) 18:40:23 ID:n3L74Ajz
ぴゅあぴゅあ(コンシューマ版)から。

美和「お兄ちゃんの・・・ロリコンーーーッ!」

茶をふきました。

350 :二酸化マシンガン改 :2005/06/05(日) 21:17:05 ID:yyKNTugw
バロさん
ギャルゲー的現実体験スレにカキコしてください
みんなよろこびますよん
てかユイちゃん俺にください(;´Д`)ハァハァ(最悪だ俺
しかもユイとは俺の糞SSのキャラと同じ名前…(゚∀゚)b

351 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/05(日) 21:40:44 ID:TZ7vrU+f
自分の稼ぎで 生活出来る様 一人立ち出来るまで、喫煙の資格無し!!!
よって、妹 没収!!!

352 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:11:18 ID:ib2fuB1k
「……ちゃ……て」
―――う。
「……ちゃん……きてよ……!」
―――うん?
 「お兄ちゃん!起きてよっ!」

ソファに寝ながら、薄っすらと目蓋をこじ開けると、まばゆいばかりの光が差し込んできた。
俺はとっさに顔を背け、手のひらで顔を隠した。そのままの体勢で再び目を開けてみる。
どアップで妹の顔。
 「うおわっ!?」 「きゃっ!?」
二人とも磁石のように離れ、お互いにどすん、と尻餅をついた。
 「いて……」 「いたい〜……」
見ると、パジャマ姿の妹が座り込んでいた。胸元のボタンがはだけてブラが……あれ?
ブラをしていない?ああ……それすら早いのか。お兄ちゃん、ちょっと悲しいぞ。
というか、はだけた胸元の奥に、ふたつの小さなぽっちが見える……って、まさか!
……などと不純な想像をしていると、妹はお尻をさすりながら睨みつけてきた。
 「お兄ちゃん!!いきなり驚かさないでよ、ばかっ!!」
しかし、妹の睨みつける先に俺の顔はなくて、代わりに立派にいきり立つ俺の息子が……。
 「お前、どこ見て言ってんだ?」
 「……え?お兄ちゃんの顔、どこ?」
すすすっ、と手を探らせる。―――って、オイ!!
ぐにゅっ。

353 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:12:24 ID:ib2fuB1k
あ、ダメだ。俺もう終わりだ。死ぬ。殺される。ヤバ、ヤバいよ、ヤバすぎるよ。
いくら義妹とはいえ、妹だよ。そんな妹に欲情していたなんて知れたら、マジ終わりだよ。
ああ、デストロイだ。この世のデストロイ。ああ、デストロイ!?
 「やだっ!?もしかして脛触っちゃった!?やだぁ……」
脛?足の?……ああ、そうか。感触似てないけどな。助かった。
 「人の足を汚いものみたいに言うなよ」
 「だってそうだもん。お風呂入ったばかりなのに……」
 「あのなぁ……って、おい。お前、パジャマのズボン、前後逆にはいてるぞ」
 「えーっ!?うそっ!?」
するり。
ああ、妹よ。目が見えないんだよね。だから“見られている”意識は少ないんだろうけどさ。
兄の目の前でパジャマのズボンを脱ぎだすのは止めておくれ。

354 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:13:36 ID:ib2fuB1k
まず、ふっくらとした感触を指先に覚えそうなほどの、青と緑のしましま。
健康そうで、触れると温かそうな太もも。そのまま柔らかな曲線を描き、両足へ。
……ビューティホー。合格だ。
 「……あの」
 「え?なに?……って、ひゃ」
数秒後、怒号と悲鳴と近くに落ちてた新聞の広告が飛んできたのは言うまでも無い。

 「ばかっ!もう知らない!お兄ちゃんなんて一生眠ってればいいのよ!!」
 「おーい、元はと言えばお前が悪いんだぞ?なあ、機嫌直せよ」
 「やだっ!!絶対にやだっ!!」
手すりを掴みながら猛スピードで逃げ出す妹。それを追いかける俺。
端から見たら疑われそうな光景だ。
 「なあ、許してくれってば。いいだろ?別に減るもんじゃないし」
 「減るのっ!!」
 「何が―――?」
妹の進行方向にはタンスがある。ごく普通のタンスだ。妹の足は止まらない。
……気づいていないのか?
 「お、おい!前!」
 「なによっ!ばかっ!!―――あ」
そのまま歩を進めて……。

355 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:14:49 ID:ib2fuB1k
ものすごい衝撃だった。タンスにぶつかり、その振動で上に積んであった物がすべて落下した。
 「お、お兄ちゃん……?」
反射的に妹を庇う姿勢になり、俺は背中に全衝撃を受けていた。
途中、グサッとかいう音が聞こえたりもした。……迂闊だった。
 「お兄ちゃん!?お兄ちゃんっ!!」
 「なんだ?」
ゆっくりと手を伸ばし、妹の頬に触れる。冷たい。どうやらお姫様は泣いてしまったようだ。
そんなこと、触れなくても分かる。―――見りゃ分かるんだ。
 「ごめんなさい……ごめんなさい……」
 「泣くなよ。その水分は減るぞ」
冗談を呟きながら体を起こそうとして、俺は顔をひきつらせた。
背中が痛い。
 「うが……運悪いな、俺」
震える手で背中を探ると、厚紙用のハサミが床に落ちた。ついでに血も。

356 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:15:53 ID:ib2fuB1k
 「……いいか?」
 「う、うん……」
俺は妹に背中を向け、あぐらをかいて座っていた。妹は消毒液で湿らせたガーゼを
両手に握っている。
 「痛いって言うから、言ったところを軽く拭いてくれ」
 「うん……」
湿ったガーゼの感触が背中を動いていく。
 「もう少し上かな?」
 「うん……」
感触が傷口を捉えた。俺は妹に言う。
適当に拭いたあと、上からナプキンを貼る。これでまあ大丈夫だろう。
 「あの……ごめんなさい……わたしのせいで……お兄ちゃん……ケガ……」
妹は尻すぼみに呟き、再び目尻に涙を溜めた。
 「泣くなよ。怒ってないからさ。むしろ俺が謝りたいんだから」
 「……え?」
 「いや、見ちゃったからさ。……許してくれる?」
 「……う、うん……」
俺は妹の頭をくしゃりと撫で、わざと声を弾ませて言った。

 「それじゃ、これであいこにしよう」

357 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/05(日) 22:17:04 ID:ib2fuB1k
とある二行の描写に頑張った私がいます。誰かこらしめてください……。
風邪なのか群発頭痛なのか分かりませんが、頭痛が。
ヘタクソな台本ですが、しばらく休養に入ります・・・。

358 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/05(日) 22:18:21 ID:YGAcd3+Q
二酸化マシンガンさん帰ってキター!!
しかも『改』…なんかカコイイ
GJです!


>>バiタ兄さん
羨まし杉ですorz

359 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/05(日) 23:07:47 ID:vCtwlWzg
俺の糞みたぃな話にレスしてくださった皆様ありがとうございます!あとハルナなら2・3日ぐらぃ構わないけどユイは無理です(´・ω・`)すいません

360 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/06(月) 03:27:39 ID:5RZMcMzH
>>バiタ兄さん
萌える…ね、ネタじゃあるまいな!?マジだと言うなら
証拠としてハルナちゃんを俺に預けなさい!!

>> 二酸化マシンガン改さん
ギャルゲー的現実体験スレは一時期、このスレで紹介したい程の
妹萌え&燃えな展開だったからな。現状は全く知らないが

>>海中さん
何かエロい。あれ、ここエロバージョンじゃないよね?
しかし話に上手く惹き込まれてGJです。どうかお大事に。
ところで、とある二行というのが結構気になるのだが、
オレの予想だとあの二行かな…?


361 :二酸化マシンガン改 :2005/06/06(月) 16:07:44 ID:ng0XVebF
「はぁ〜疲れた〜」
俺が部活を終えて家に帰ってくると
「おかえり〜ま〜お兄ちゃん!」
と女の子が駆け寄って…
ドンッ!
「グフハァ!」
とみぞおちに飛び込んできた
「げほっ…た、ただいま…ごほごほ…美鳩ちゃん」
「おかえりなさい!」
このこは波崎美鳩(みはと)俺の親戚のお子さんだ
今俺は学校がうちから遠いので波崎家に置いてもらっている


362 :二酸化マシンガン改 :2005/06/06(月) 16:11:04 ID:ng0XVebF
なので美鳩ちゃんとは兄弟みたいなものだ
「もうだめよ美鳩、雅君疲れてるんだから」
「ご、ごめんなさい」
しゅんとなる
「ハハいいですよ別に美鳥さん若いこは元気があっていいですね〜」
「あ〜ら雅くんそれは私に対する言葉かしら?」
顔は笑っているがアニメとかなら怒りマークがつく感じだ
実際この波崎美鳥(みどり)さんは歳は29なのだが
…明らかにまだ10代に見える若さだ
この人が今は一国の主だ
「違いますよ!そんな事いったら美鳥さんと同年代の人達に殺されますよ!」
「あら!そう」
ご機嫌になったなんか単純
「それよりお風呂お先にどうぞ、部活で汗かいたでしょ?」
「ではすいません」
「み〜も一緒にはいる〜」
「あいよ〜じゃあいこうか」
期待したかたすいませんもうここにきて3日目なので馴れました
流石に最初はエッ!だったけど
「うん!おっふろ〜」

すみませんなんか強引でして(てかゴミで
早く遊星さんみたくいいものかけるといいな〜と思います(´・ω・`)
続きありますが嫌でしたら申告お願いします

363 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/06(月) 16:30:34 ID:uZ3uN8sF
マシンガンさんや遊星さんや海中さん…皆すげぇ…俺には今日あった事を書くぐらいしか出来ないっすよ…orzまたなんか面白い事あったら書きますね…

364 :二酸化マシンガン弾切れ :2005/06/06(月) 19:42:44 ID:ng0XVebF
「ふぅ〜疲れがとれるようだ〜」
(でも、本来風呂って疲れるもんらしいがな)
「お兄ちゃんきもちいね〜」
「だな〜ってだから泳いじゃだめだよ!」
「えへへ〜じゃあつかまえてぇ」
ここは旧家の家だから家がでかいもちろん風呂もだ
「もう、はいつかまえたから大人しくしなさい」
だきっ
「はいみ〜を捕まえてくれたのでご褒美に」
チュッ
「あははそんなことしてるとホントにしたいとき後悔するよ?」
「大丈夫だよだって…マ〜オニイチャンが…」
「えっ?聞こえなかったよ?なに?」
「な、なんでもないよ!えへへっ」

とりあえず学校なのでここまでです(´・ω・`)
といっても見てないと思いますが
見てる人いたらすいませんこんなの…

365 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/06/07(火) 00:05:39 ID:XsNwa/MC
みんな凄いです…
もう俺の出る隙はないな…('A`)

366 :好きだよ :2005/06/09(木) 19:00:46 ID:TrmERqbl
お兄ちゃんと一緒にいるとつらい思いをしても、苦しい思いをしても、悲しい思いをしてもそれを乗り切ることができると思うよ。だから、私はお兄ちゃんといままで過ごして良かったよ。このまま、お互い愛し続ける兄妹でいようね。

367 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/10(金) 00:33:53 ID:Sp/NCG6n
お兄ちゃん今日は私がご飯作ってあげるね。
何か食べたい物とかある?

368 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/10(金) 01:12:20 ID:ObZy0Noa
お粥作ってくれ…風邪ひいてんだ…

369 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/10(金) 22:42:30 ID:0AmK4fM+
「えへへ〜♪」
スーパーからの帰り道、沙耶はいつものように跳ねながら、俺の隣に並んでいる。
結局、あの後立花は見つからず、未来ちゃんのレシピはしばらくお預けとなった。
肝心の夕飯だが……キャベツはあるので、焼きそばでも作ろうかと思ってる。
「えへへ〜」
沙耶が二十歩に一回ぐらいのペースで、俺の顔を見て微笑む。
……また、転ぶってのに。
「ご機嫌だねぇ」
「うん。遠足楽しみだよー!!」
「あれ?遠足に行くのに、バナナ買ってないな?」
「はわっ?ばなな?何で?」
「知らないのか?遠足の時にはバナナを持てるだけ持ってくといいんだぞ?」
「はわわっ!!知らなかったよー!?」
「ま、今度から気をつけろよ?」
「うん!!」
無邪気に笑う沙耶に微笑を返し、しばらく前を向いて歩いていると……
「きゃっ!?」
俺の右の方で小さな悲鳴が聞こえた。
ま、また転んだのだろうと重い、沙耶のほうに目をやると、
沙耶の横、つまり俺から見て沙耶の向こう側に、金髪の少女が立っていた。
「ごめんなさい。ちょっとボーっとしてて……」
金髪の少女が沙耶に言う。

370 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/10(金) 22:43:30 ID:0AmK4fM+
「う、ううん……大丈夫だから」
人見知りの激しい沙耶は、その少女にオズオズと答えた。
「君は大丈夫?」
俺はそんな沙耶の横に並び、少女に尋ねた。
「ええ、大丈夫よ」
「そう。そりゃ良かった……じゃ、俺たちはこれで。沙耶、行こうか?」
「うん!」
少女に軽く挨拶をして立ち去ろうとすると、
「ねぇ……」
後ろから声がかかる。
「ん?まだ何か?」
「アナタに聞きたいことがあるんだけど」
「俺?何?」
「この辺りで、立花っていう人の家を知らない?」
「ん〜……結構あるからなぁ……どの立花さんか分かる?」
「えっと、アナタと同じくらいの歳で、マサトって言うんだけど」
「ああ、知ってる知ってる」
「知ってるの!?」
「ああ。ちょっと遠いから、地図書いてあげるよ」
「うん、ありがとう!」
今までの感じからは想像も出来ないような笑顔を見せる少女……。
っていうか、立花……この娘……誰なの……?
───────────────────────

371 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/10(金) 22:44:31 ID:0AmK4fM+
「ねぇ、兄さん……」
「ん?どうした、未来ちゃん?」
「黙ってココまで来ちゃいましたけど、三上さん、探してるんじゃないですか?」
「大丈夫大丈夫。生物買ってたみたいだから、すぐ諦めて帰るって」
「そうですかねぇ……でも、怒ってるんじゃないですか?」
「ま、それは仕方ないな」
「どうするんですか?」
「ま、そのうち考えるさ……なんて言ってると、バッタリあったりするんだよな」
「あはは。そうですね」
笑いながら、角を曲がる。
目に入る二人の女の子と、男一匹。
俺はとっさに右手を伸ばし、隣の未来を後ろへ押しのける。
あれは、サラ!?何でこんなところに!?しかも、何故三上と!?
「え……どうしたんですか?兄さん?」
未来が小声で尋ねる。
「いた……」
「いた。って……三上さんがですか……?」
「三上もいた……」
「三上……も……?」
「ああ、えっと、沙耶ちゃんだよ、沙耶ちゃん!元気そうで良かったなぁって!」
「ああ、そういうことですか。……で、どうします?」
どうしよう……。

372 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/10(金) 22:45:31 ID:0AmK4fM+
このまま待ってたら、サラがこっちにきて、未来と修羅場。なんてこともあるし……。
かといって、逃げるのも怪しまれる……。
あぁ、もう!!一か八か!!俺はマジだぜ!!
「未来はここで待っててくれ。俺は三上と話しつけてくるから」
「あ、はい。行ってらっしゃい」
覚悟を決め、曲がり角を飛び出す。
「あっ……」
「あっ……」
サラと三上が俺を見て、小さな驚きの声を出す。
「あ、マサ……むぐっ!!」
とりあえず、何か叫びだしそうだったサラの口を軽く押さえた。
「た、立花……?」
「その角の向こうに未来が居る。行け」
「は……?」
「レシピでも何でも聞くといい」
「あ、あぁ……」
「俺は用事を思い出したから、先に帰るように言ってくれ!!」
「あ……あぁ……」
「よろしくな!!」
強引に話を完結させ、俺はサラをつかんだまま走り出す。
これで作戦成功、マジで決めたぜ!!
───────────────────────
ホントに、サラ出しちゃった……。
次は双子か……頑張るぞー。

一々レスしてったら夜が明けるから省略させてもらうけど、皆凄いねぇ……。
尊敬するよ、マジで。

373 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/10(金) 23:09:48 ID:tKq5ELNI
あなたを一番尊敬するんだけどね、マジで。

374 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/10(金) 23:10:37 ID:NZWC3HJr
GJです!
やっぱり遊星さんの台本はおもしろいですねぇ
見習いたいものです

375 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/11(土) 00:32:23 ID:rBbA7ipW
GJ!
次は修羅場ですか?
楽しみにしてます。

376 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/11(土) 00:40:54 ID:T/3/NtS7
遊星さん流石です…禿しく続きキボン

377 :二酸化マシンガン改 :2005/06/11(土) 09:43:22 ID:g+iDipNJ
く!遊星さんなんて神なものを…
うわ〜んすごすぎますよ〜

378 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/11(土) 15:14:02 ID:T/3/NtS7
あの風呂カギ事件からユイが毎日一緒に寝ようとしてくる…orz
オレはどぉすればイイんだ?やっぱ兄として一緒に寝てやるべきか?意見求む…
こんなくだらない事で悩んで申し訳ない…orz

379 :二酸化マシンガン改 :2005/06/11(土) 19:50:04 ID:g+iDipNJ
バロさん俺は意見は出せませんが

ちょっとHなこと考えちゃいました
( ´・ω・`)すいません

ちょい妹エロスレで話書いてきていいでしょうか?

380 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/11(土) 19:57:21 ID:T/3/NtS7
マシンガンさん!よろしく頼んだ!ついでに今日もしユイに言われたら一緒に寝てやろう…なんかあったら明日書きます。

381 :二酸化マシンガン改 :2005/06/11(土) 20:15:44 ID:g+iDipNJ
とりあえず書いてみました
暇な人は
たく…みてやるよ!
ってな感じで見てみてください

382 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/11(土) 20:56:32 ID:T/3/NtS7
続き書いたけど…書いてたら死にたくなった…orz

383 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/11(土) 23:57:11 ID:eV74kY1P
死ぬ前に貼ってくれ

384 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/12(日) 00:19:15 ID:FQIhLwrJ
死ぬなんつ勿体ない!
折角のおいしい人生じゃまいか!
貼ってくれ!!

385 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/12(日) 05:05:37 ID:B4nARDRW
おはようごさいます…そして…すいません…オレが続きを書いたのはエロスレでマシンガンさんの続きを書いただけです…オレがココに貼ってるのはほぼノンフィクションなんで続くか続かないかはその時々です…

386 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/12(日) 05:17:05 ID:B4nARDRW
昨日は結局ユイと寝ました…なんかいつもよりベタベタしてきた…めちゃくちゃ暑い!!!!夜中に3回も起きてしまった…orz
今日は親父の会社の仲間でやるバーベキューに親父とユイと行ってきます…なんかあったらイイな…

387 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/06/12(日) 15:00:22 ID:mDpXdmGW
このまま失踪しようかな・・・。

388 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/12(日) 18:40:10 ID:B4nARDRW
ただいま…今日は疲れた…ユイも寝た…明日書くことにします…

389 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/12(日) 20:11:45 ID:QF1BV9WJ
「……で、塩と胡椒で味を調えて、完成です」
「ほぅ……なるほどね」
「美味しそうだね〜?」
沙耶が、俺の顔を見ながら嬉しそうに言う。
「うん、美味そうだな?しかし……キャベツをそういう風に使うとは……」
「キャベツは工夫すれば何でも使えますからね。重宝しますよ」
「なるほど……」
メモを取る。
しかし、流石未来ちゃんだな……。
今日買ったモノを言っただけで、どんどんいろんなメニューを教えてくれる。
しかも、わざわざ沙耶のために、刺激の少ないものを選んでくれてるし……。
立花はかなり幸せもんだねぇ……。
「あの……三上さん」
「ん?何?」
「ちょっと外してもらってもいいですか?ちょっと女の子同士で話したいんですけど……」
「ああ、いいよ。沙耶、未来ちゃんの言うこと良く聞くんだぞ?」
「うん!!」
「よし、いい子だ」
俺は沙耶に微笑み、未来ちゃんに会釈をして、数十メートル離れた壁に寄りかかった。
少し屈んで、沙耶に何かを教える未来ちゃん。
それを聞いて、驚いたような沙耶。
微笑む未来ちゃん。
おずおずと頷く沙耶。
そして会話終了。沙耶の元へ戻る。

390 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/12(日) 20:12:59 ID:QF1BV9WJ
「もういい?」
「うん!!」
「はい」
「じゃ、帰ろうか?」
「うん!!」
と、未来ちゃんと別れの挨拶をしていると……
ピ〜ピロリロリロリ〜♪
俺のポケットから、電子音が響く。
「あっ……立花から電話だ……」
「えっ……?兄さん?」
「うん。出るよ……もしもし。どうした?」
『あっ、三上。言い忘れたけど、さっき見たことは未来には秘密にな!!』
「ああ、分かってる」
『それなら良いや。じゃあな!』
「あ、あぁ……」
切れた……。
「兄さん、何て言ってました?」
未来ちゃんが、少し目を輝かせて尋ねる。
「えっ……いや、大したことじゃないけど……」
「そう……ですか……」
「い、いや……」
肩を落とし、うなだれる未来ちゃんにどう言葉をかけるか考えていると……

391 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/12(日) 20:14:00 ID:QF1BV9WJ
「だいじょーぶだよ!!」
「えっ……」
「沙耶……」
「立花のおにぃちゃんは、ミクおねぇちゃんのおにぃちゃんだから。きっとだいじょうぶだよー?」
全く、沙耶……お前ってヤツは……。
「そうかもな。あの立花のことだから、何か未来ちゃんを驚かせようとしてるのかも」
「ふふっ……そうですね。兄さん……ですからね」
「うん」
「だな」
「ありがとうございます。そろそろ、私も帰りますね」
「じゃあねー!!」」
「こっちこそありがとう。気をつけてね」
「はい!!」
未来ちゃんは嬉しそうに、俺と沙耶、別々にお辞儀をして、帰って行った。
なんだかソレが凄く微笑ましくて、嬉しくて
『未来ちゃんにお土産でも買って帰れ』
俺は立花にそんなメールを送ってみた。
「俺たちも帰ろう?」
「うん!!」

【続く】
───────────────────────

392 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/12(日) 20:15:00 ID:QF1BV9WJ
君が超えたいモノは何?
神々、前作、連投制限?
立ち向かうとき、揺れ動く
その脳に湧き出す妄想

未来 沙耶 双子 梨那 サラ みんな二文字
駄作の始まりさ

ゴーファイ 遊、遊、遊星
限界チャレンジャー
パクリという名の魔法を持ってる
ゴーファイ い、い、妹
夢見て 仮想妹
オッケー オーライ
ネタをこの手に 
台詞が多過ぎ、遊星より愛を込めて
閃け!

……まぁ、替え歌作っちゃうぐらいやりたい放題で、次に続くワケだ。

>>387
いやいや、待ってくださいよ!!
次回作、楽しみにしてますから!!

>>388
んー、まぁ、俺がこう言うのもアレだけど、さすがにそろそろスレ違いかも……。
他にいいスレ無いかなぁ……。

393 :二酸化マシンガン改 :2005/06/12(日) 20:31:41 ID:VrVcHqBS
遊星さん
つギャルゲー的現実体験スレ

394 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/13(月) 17:36:04 ID:k7nVIlWw
たしかにスレ違い…と言うことでロム専にします(´∀`)皆様あとよろしく頑張って下さぃ!!!!

395 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/13(月) 21:27:33 ID:Af0aQOUx
↑引越て来ないの?

396 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/16(木) 00:26:45 ID:hh8sd3jQ
ほしゅだよ♥

397 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/16(木) 11:03:50 ID:N0rHzwCR
誰か書き手さん来ないかな〜?

398 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/16(木) 21:10:07 ID:1hE6YouG
放置されてもへこたれない!普通にダラダラと続きだよ。

「あーーー!!」
帰り道……。
またしても……。
「沙耶ちゃんだー!!こんにちはー!!」
「沙耶ちゃん、こんにちは。三上先輩も、こんにちは」
真司の妹たちにばったり会う。
何なんだ、今日は……。
「うん。こんにちわー!!」
「こんにちは、唯奈ちゃん、千奈ちゃん」
「沙耶ちゃん、お兄ちゃんと買い物?」
「うん!!おにぃちゃんと、遠足のおやつを買いに行ったんだよー!!」
「へぇ、遠足かー。いいなー!」
沙耶と唯奈ちゃん、仲がいいみたいだね。
人見知りするはずの沙耶も、唯奈ちゃんとは普通に話せてるし。
それが唯奈ちゃんの魅力なのかも……
「で、二人はどこへ?」
沙耶と唯奈ちゃんを横目で見ながら、俺は千奈ちゃんに話しかけた。
「ちょっとお散歩です」
「ふーん。真司は?」
真司。という単語に、唯奈ちゃんが反応した。
俺の前に立って、
「あー!!聞いてくださいよ、三上センパイ!!」
「あ……なに?」

399 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/16(木) 21:11:17 ID:1hE6YouG
「お兄ちゃんと一緒に買い物に行く約束してたのに、お兄ちゃん、帰って、いきなり寝ちゃったんですよー!?」
「あぁ、そう……」
分かってるんだか、分かってないんだか知らないが、沙耶がふんふんと頷く。
「ヒドいと思いません?ねぇ、千奈ちゃん?」
「えぇ、まぁ……楽しみにしてたので……」
「ふーん……」
「ふーん。じゃないですよ、三上センパイ!!ね、千奈ちゃん?」
「ええ……」
「いや、悪い悪い。でもさ、ま、しょうがないんじゃない?真司、色々頑張ってるし」
「お兄ちゃんが?何をです?」
「いろいろだよ。色々。な、沙耶?」
「うん」
「沙耶ちゃんも知ってるのー!?」
「うん」
「そんなー、教えてくださいよー、三上センパイ!!」
「しょうがない……教えてあげよう。ただし、コレを聞いたことは秘密にしてくれよ?」
「はいはい!!わかってますよ!!」
「千奈ちゃんは?」
「はい。私も、承知しました」
「じゃ、言うぞ。えっと……なんつーか、真司は君たちの兄になろうとして、一生懸命やってるんだよ」
「「え……?」」
ハモった。流石双子。

400 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/16(木) 21:12:18 ID:1hE6YouG
「真司にとっては、女子と話すのすら稀だからな……いきなり妹が出来て、不安とか、あるんじゃないか?」
「お兄ちゃんが?」「お兄さんが?」
またハモった。凄ぇ……。
「俺も、妹にはどう接するべきかとか何とか、色々聞かれたもんだよ。ねぇ、沙耶?」
「うん。サヤも、おにぃちゃん何をしてもらったら嬉しいの?って、聞かれたんだよー」
「お兄ちゃんが……」「お兄さんが……」
未知の双子力に俺はもう沈黙するしかない……。
「まぁ、そういうこと。真司は真面目だから、あんまりからかっちゃダメだぞ?」
「うん!!分かりました!!」
「はい」
「えへへ♪帰ろうか、千奈ちゃん♪」
「うん。そうだね、唯奈ちゃん」
「何か、お土産買って行ってあげようか?」
「うん。何がいいかな?」
「そうだね、何がいいかなー?」
「何がいいかなー?」
嬉しそうに、来た道を帰っていく双子。
真司も、なかなか慕われてるんだなぁ……。
───────────────────────
うむ。さすが俺。調子に乗ると、スレまで止めるとは……

って感じで、ダラダラ書いてきたけど、次回、軽くまとめみたいなものを書いて終わり。
コレも長かったなぁ……だけど、もう少しの辛抱だよ、俺嫌いの方々。

ところで、関係ないけど、向こうの妹スレ落ちてるよ……。
初代からの参加者だけあって、寂しい……。

401 :二酸化マシンガン改 :2005/06/16(木) 21:24:26 ID:R/XrLmHp
くっ!遊星さんの話ってなんか
男キャラもかっこいい…
神GJ!って所ですね

402 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/16(木) 22:24:47 ID:hh8sd3jQ
GJです!!
良いなぁ(*´д`)

403 :バiタ兄 ◆0.yvR/lIf. :2005/06/17(金) 17:01:46 ID:brMAWfh+
遊星さん流石です!!!!

404 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/17(金) 23:18:10 ID:zKxsoOv8
久し振りに来た。
いいよね、此処は。 みんな頑張れ。

405 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/17(金) 23:50:39 ID:4nqwQOQB
鳥は自由だ。
大空を自在に飛び回り、行きたい場所へ行くことができる。
もちろん鳥にも生活があるだろうし、弱肉強食だってあるだろう。
それでも、僕は憧れる。鳥こそ自由の象徴なんだ。
ようするに、何を言いたいかと言うと……。


「……はぁ」
僕はため息をもらしたあと、ウンと背伸びをした。
気だるさを取り除こうとしたのだが、かえって両肩に圧し掛かってしまった。
「……はぁ」
僕はシャーペンをカチカチ鳴らしながら、授業中の教室を見回した。
まず、殺気を感じる。さすが高校三年だけあって、受験の雰囲気が張り詰めている。
誰もが鋭い目つきで黒板を睨み、精確にノートに書き写している。
「……はぁ」
何度目のため息だろう。僕は重圧に耐え切れず、窓の外を眺めた。
鳥が飛んでいる。

406 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/17(金) 23:51:29 ID:4nqwQOQB
「おい、本川!よそ見するな」
先生の注意を受け、慌てて顔を戻す。ふと時計を見ると、もう授業終了間際だった。
「……えー、では前回のテストを返却する。名簿順に取りに来い」
名前が読み上げられ、生徒が前へ出て行く。僕もすぐに名前を呼ばれた。
ふらふらと歩き、薄っぺらな答案を受け取る。
「本川。お前、進学を考えてるんだろ?これじゃ話にならんぞ」
「……はい」
簡単な忠告を受け、席に戻る。僕はさっさと答案を丸め、カバンに押し込んだ。


なんだろう、この感覚は。
未来をまったく感じない。確かな何かがあると、感じられない。
ただ繰り返すだけの日々。そして卒業して、また同じことの繰り返し。
足りない。足りない。夢も希望も、何もかもが足りない。
僕は、果たして「生きている」と言えるのだろうか?

407 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/17(金) 23:52:27 ID:4nqwQOQB
僕は玄関のドアを開けた。ひどく重く感じる。
「……ただいま」
「あっ!おかえり、お兄ちゃん!」
リビングに入ると、妹がこちらを向いて可愛らしく笑った。
「ねえねえ、さっきラジオですっごく面白いこと話してたんだよ!?」
「ふぅん……」
「えへへ、知りたい?お兄ちゃん、知りたいでしょ?」
「いいよ……」
「えー、知りたくないの?……うう、やっぱり聞いてよぉ〜……」
「いいってば……」
「う〜……やっぱり聞―――」
「―――うるさい!!!」


怒鳴っていた。
妹は硬直し、凍りついた。
「本当にうるさい奴だな、お前は。目が見えなくて邪魔な奴なのに」
びくっ、と妹は震えた。僕は振り返らず、背中を向けた。
妹はわずかに声をこぼした。けれど、僕の耳はごうごうと血が流れていて、聞こえなかった。

408 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/17(金) 23:53:23 ID:4nqwQOQB
そのまま勢いよくドアを閉め、階段をドカドカと駆け上がり、部屋に入る。
カバンを投げ捨て、ベッドの上に寝転がった。

くそったれ!
分からない。この世界の価値が、まるで分からない。
生きることは、そんなに楽しいことなのか?
僕はこの幕を下ろせるのなら下ろしたい。
周囲から期待され、命令され、求められ、疲弊していく毎日。
もう疲れた。疲れたよ。疲れたんだ。
もう嫌だ。もう嫌だ。そう―――。

「もう、嫌だ…………」

窓の外を見た。鳥は飛んでいなかった。
…………僕は、どうなってしまうのだろう?

409 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/17(金) 23:56:48 ID:4nqwQOQB
欝展開専門なヘタレが来ましたよ。ご無沙汰してました。
生暖かく見守ってもらえれば嬉しくて小躍りします。

>>遊星さん
萌えすぎますがな!自分も早く精進したいです……。
くっ!夢に出てきそうだ。いや、むしろ出てきて欲し(ry

410 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/18(土) 00:04:39 ID:gPuSKkzr
すごい間違い発見……。気づいた方はスルーしてください……

411 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/18(土) 01:09:17 ID:JZhKTtPS
海中さんGJ!
続きはマターリ待ちます。

412 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/06/18(土) 02:10:29 ID:18XArYoW
海中さんキタ━━(゚∀゚)━━!!
GJです!!
実は俺…コテを晒してしまう位海中さんの大ファンだったりします(笑

413 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/20(月) 22:37:54 ID:DzhiR9n7
しばらく来ない間にレスが・・・

>>411
実は色々と切羽詰っているのでありがたいです。

>>すばるさん
ま、マジですか。さらにファンを増やせるように精進します。

414 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/23(木) 05:14:58 ID:5h4KxV4L
精確

415 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/24(金) 12:13:09 ID:Ju0LanlR
また〜り(*´∀`)

416 :コンズ :2005/06/25(土) 04:18:37 ID:j30mxwqE
どなたか投下してくだされっ!!もうダメぽorz

417 :携帯からこんにちは :2005/06/25(土) 11:32:26 ID:e/VIgxi7
「おにぃ!昨日で梅雨明けたの知ってた!?」
「ん?あぁ。これでやっと清々しく昼寝が出来るな!」
「お昼寝なんてしないでどこか行こうよ〜!」
「えー?かったるい…」
「…おにぃ…この前、梅雨が明けたら遊んでくれるって言った……」
「…仕方ないなぁ…分かったよ…」
「ホント!?じゃあ水族館行きたい!」
「あ、無理」
「…なんで?」
「今月そんな遠出する程金が無い。」
「じゃあ遊園地!」
「…遠い」
「…もういいもん…おにぃなんて知らないもん…」
「たく…分かったよ…どこ行きたい?」

418 :携帯からさようなら :2005/06/25(土) 11:34:51 ID:e/VIgxi7
「いいよ…おにぃお金無いんでしょ…」
「じゃあ海行くか?」
「いいよ…まだ海開きしてないもん…」
「そっか、残念だ。花火買う位の金ならあったんだが」
「……!?」
「そうだよな。花火はまだ早いよな。出かけるのは来月金が出来てからにするか」
服を引っ張られる
「…花火…」
「…したい?」
「…うん…」
「よし、じゃあ今から花火買いに行くか!」
「うんっ♥」

419 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/25(土) 14:18:09 ID:6zFYhvF9
病室には妹の苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている。
妹の白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが、それ以外は至って静穏
なものだ。
とても、医者がさじを投げた患者には見えない。
なんで、俺じゃなくて妹なんだ。まだ中学生じゃないか。あんまりだ。
「お兄ちゃん……」
いつもの祈りとも呪詛ともつかない思いが終わる前に、妹が静に口を
開いた。
「……なんだ?」
「わたし、飛行機が見たいよ。」
飛行機どころか、この1年外にだって出られていないのに。
「飛行機か。……どんなのが見たいんだ?」
「うん。」
ちょっと考え込んだ妹は、儚げに笑ってこう答えた。



「……F-108レイピアに護衛されて飛ぶXB-70ヴァルキリーが見たいよ。」


ちょwwwwwおまwwwwwww無理wwwwwwwwww

420 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/25(土) 19:18:30 ID:rQVeggoX
うけたw
そりゃムリだろwww

421 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/26(日) 23:06:16 ID:aMSKlA4Y
>>419
ワロタw

422 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/27(月) 00:30:56 ID:Zof3tBvS
「だーれだ?」
真夏の午後、突如視界が遮られる。聞き慣れた声…
「はいはい…」テキトーに返す
「はいはいじゃなーぃ!!ちゃんと答えて!」
「わかったよ…ゆか、由佳だろ」
「あったりぃー」うれしそうにそう言うと後ろから抱きついてくる
「暑い…離れろよ」


423 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/27(月) 03:06:53 ID:pBy9jF5w
>417-418
>422
続きをキボンっ!!

424 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/06/28(火) 00:48:12 ID:hi0OSEN+
>>417-418です。
SS書いてる合間に気分転換で書いただけなので続きは…orz

425 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/28(火) 09:48:04 ID:sp9DUNHO
「ねぇねぇ、おにぃー海行こうよー」
「やだよ。暑いし、人多いだろ」
「おねがーい。連れてってよー。」
「じゃあ行くか?」
「やったぁ。由佳、新しい水着買ったから、おにぃに見せたくて」
「それはいいけど、泳げるのか?」
「危なくなったら助けてね早v

426 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/28(火) 23:30:36 ID:LykdyTwI
ってかさ………月影に踊る血印の使徒さんまだ〜?(いまさら)

427 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/29(水) 01:33:07 ID:SgFKkiOB
「ねぇ…おにぃ、一緒に寝よーよ」
「またかぃ!」
「だって雷怖いんだもん」
「おまえ、小さいときから全然直らないなー」
稲光が走る…
「きゃっっ」
「まったく…おさまったら戻れよ」
「やーだ。今日は一緒に寝るもん」

428 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/29(水) 01:43:41 ID:esJWM2lw
うえ、憶えてた人がいたのね。
それだけで嬉しくなってしまう駄文打ちのねーさんですよ。
ごめんね、お姉さん忙しさにかまけてサボってたの、ごめんね。
ぎゃるげ板に殆ど来てすらいなかったの、ごめんね。

望むなら
今週中に
晒そうか

いや無理かも知れない。
そもそも望まれていないかも知れない。


もうあれだ、>>222以降、みんなGJ。
愛してる。

429 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/06/29(水) 18:17:09 ID:5IDisQI0
月影に踊る血印の使徒についに続きが……。
楽しみだー。

それがしの様な三下職人は、せいぜい姐さんの前座が務まるよう努力させていただきます。はい。

430 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/29(水) 18:53:29 ID:yJSJ1Gyt
たゆんさん、遊星さん、楽しみにしてます。
また〜り待とうホトトギス

431 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/30(木) 23:31:25 ID:g+Q4rAfZ
「ねぇ、お兄ちゃ〜ん!水着買いに行こっ♪」
「やだね」
「え……ど、どうしてなの?」
「暑いし、面倒だし、そもそも俺にそんな金は無いからだ」
「そんなぁ……この前、すっごく可愛いの見つけたのに……」
「そんなに欲しいヤツなら、一人で買ってこいよ。俺は絶対に行かないからな」
「……お兄ちゃんに一番に見てもらいたいくらい可愛いのに……?」
「それでもダメ。俺はクーラー依存症なんだよ」

(むー……お兄ちゃん、私の新しい水着姿が見たいはずなのに……?)


(お前の体にはスクール水着が一番似合うんだよ!だから必要無いんだ!!)

432 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/30(木) 23:34:26 ID:g+Q4rAfZ
残暑見舞い申し上げます。
……とか言ってたら、新潟では大雨らしいですね。

433 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/06/30(木) 23:37:33 ID:kUKo8Ft7
しょ、暑中かっ!

434 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/01(金) 01:13:46 ID:VoACVXgP
俺の妹は俺のコトおにぃと呼んでくるぞ。気持ち悪いっつーの

435 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/01(金) 09:32:14 ID:jgqBZD4x
>>434
おれは名前にちゃん付けorz

436 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:37:21 ID:/xZBi9Hg
【州田家付近】
「お兄ちゃん」
「んー?どうした、梨那?」
「明日も、一緒に帰ろうね?」
「イヤだっつってもついてくるだろ、お前は。家隣だし」
「それじゃ意味無いのー!!」
「意味なんてもともとない」
「あるよー」
「ないね」
「あるー!!」
「ない」
「あるあるあるある!!」
「ないないないない……これじゃ、不毛だな」
「にゃ?ふもー?」
「意味がないってコト。梨那にとっては意味がある。俺にとっては無い。これが結論」
「にゃ……それはそうだけどぉ……」
「ただ、俺には断る意味も無い」
「にゃ……?」
「もし、梨那が誘ってきたら……その時は一緒に帰ってやるよ」
「うん。ありがとう!!」
「あぁ。ただし、いつもの三つで」
「にゃっ!?有料っ!?……ちょっとショックぅ……」
「冗談冗談。さ、足がお留守だぞ。歩けよ」
「疲れたよー。お兄ちゃん、おんぶ〜♪」
「……ずっと止まってろ」
「あ、ヒド〜い!!お兄ちゃん、待ってよー!!」
───────────────────────

437 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:38:33 ID:/xZBi9Hg
【立花家、玄関】
「あ、あの……ただいまー……」
「あ、お帰りなさい。兄さん」
「あ……未来ちゃん……えっと……やっぱ、怒ってる……よねぇ?」
「え?あはは、そんなことないですよ?」
「い……?何で?」
「何でと言われても困りますけど……兄さんは帰ってきてくれたじゃないですか、私はそれでいいんです」
「未来……」
「でも……理由ぐらいは……聞かせてくれませんか……?じゃないと……」
「じゃないと……?」
「不安……ですから」
「あぁ、俺が浮気しちゃうんじゃないか、って?」
「ち、違いますっ!!その……最近物騒だからっ!!」
「ふーん……ま、心配してくれてんだ。嬉しいねー」
「で、兄さんは何処に行ってたんですか?」
「えぇっと……ソレは……」
「それは?」
「えっと……あぁ、コレ!!」
「何ですか?ソレ?」
「花姫の新作ケーキ。未来、ここのケーキ好きだもんな?」
「え……兄さん……まさか……」
「いや、ふと思い出してさ。早くしないと売切れるって思って」
「兄さん……」
「あとで食べようぜ?」
「はいっ!!」
「ま、ホントは偶然通りかかっただけなんだけど……」
「え?何か言いました?」
「いや、やっぱり未来ちゃんは可愛いなーって」
「に、兄さんっ!?」
───────────────────────

438 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:39:38 ID:/xZBi9Hg
【電車の中】
To:マサト♥
Sub:サラで〜す
新しい携帯電話で、初めてマサトにメールしちゃいます。
えっと、今日はいきなりごめんなさい。
ビックリした?
携帯電話、早くマサトに見せたかったんだ。
だって、今日から毎日マサトとお話できるからね。
だから、暇なときでも良いからお返事くれると嬉しいな。

今日はマサトの住んでる町を色々見てきました。
そのせいで、全然マサトとお話しする時間が無かったんだけどね。
あ、そうそう。今日会った人、きっとマサトのお友達だよね?
可愛い女の子連れてたけど……マサトの恋人、あの人じゃないよね?
会えないからって、浮気はダメだよ!次の恋人は私なんだから!!
えっと、とにかく、マサトのこと、色々知ることが出来てよかったよ。
また行くね〜。

P.S
マサトの写真を撮って、待ち受け画像にしようと思ったけど、忘れちゃった!
マサトの写真、送ってくれると嬉しいな。
───────────────────────

439 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:40:39 ID:/xZBi9Hg
【石川家、真司の部屋】
「お兄ちゃん、起きて」
「お兄さん、起きてください」
「ん……寝てたのか……」
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはようございます、お兄さん」
「……あぁ、おはよう……っ!!」
「どうしました?」
「悪い!!一緒に買い物行く約束してたのに……ホントにスマン!!」
「あはは、そんなのいいんだよ〜?」
「え?」
「お兄さん、お疲れみたいですからね?」
「うん。ご苦労様だよー」
「あぁ……申し訳ない……」
「私たちは、いいんですよ。気にしないでください」
「でも……」
「も〜、いいんだってば。お兄ちゃんはリチギだね〜?」
「ですね」
「そうか……?」
「うん。だけど、そういうとこが……」
「いいんだけどねー」「良いんですけどね」
「……?千奈……唯奈……何かあった?」
「いいえ」「なーんにも」
「……あぁ、そう」

440 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:41:53 ID:/xZBi9Hg
「で、トークも一段落したトコロで、お兄ちゃんに質問〜」
「あぁ、いいけど?」
「水羊羹と……」
「フルーツゼリー」
「どっちがいい?」「どっちがいいですか?」
「……はい?」
「こんな暑い日は、日本人なら、水羊羹だよねっ!?」
「あっさりしたフルーツゼリーですよね!?」
「……またケンカ?」
「ケンカじゃないよー?」
「ただ、お兄さんの好きなものを当てるっていうゲームですよ?」
「それで……お兄ちゃんは……」「お兄さんは……」
「「どっち?」」
「えぇ……!?えっと……俺は」
「お兄ちゃんは?」「お兄さんは?」
「俺は……どっちも好き」
「「え……」」
「水羊羹が食べたいときもあるし、ゼリーが食べたいときもある。常にこう。ってのは決められないかな」
「うーん……」
「じゃあ……今はどっちです?」
「今は……両方。腹減ったからね」
「うん。そういえば、お母さんがご飯出来たって」
「あー、呼びにきてくれたんだ?」
「ちょっと余談が多かったですけどね」
「まぁ、いいさ。いこう、唯奈、千奈」
「うん!」「はい!」
───────────────────────

441 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:42:52 ID:/xZBi9Hg
【三上家キッチン】
「ふぅ……やっと家に着いたよ」
「うん。もう暗くなってきたねー?」
「だな。すぐに飯作るから待ってて」
「あー、沙耶がやるー!!」
「沙耶が?」
「うん。ミクおねぇちゃんが教えてくれたんだー」
「さっきの内緒話のこと?」
「うん。明日、おにぃちゃんを、ビックリさせようって思ったんだけど、サヤ、やっぱりガマンできないよー!!」
「沙耶……」
「はわ?」
「沙耶のご飯、食べてみたいな」
「うん!!頑張るよっ!!」
「食べれるもの、作ってくれよ?」
「だいじょーぶだよ。おにぃちゃんの嫌いなもの入れないもん」
「いや、そういう意味じゃなくて……」
「はわ?」
「まぁ、いいや。頑張って」
「うん!!おにぃちゃんのために頑張るよー!」
「じゃ、俺も沙耶のために、デザートでも作ろうかなー」
「うん!!一緒に作ろー!!」



これが俺の妹。
明日も今日のままの君と、この道を歩き、笑顔を交わし、言葉を伝える。
俺はそれを望んでいるよ。
───────────────────────

442 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/01(金) 22:43:55 ID:/xZBi9Hg
双子、最近好きかも。
と言うわけで、無計画で突っ走った台本が今終了。ご苦労様、俺。
なんか、45作目らしいですよ、コレで。
数だけ書いても、相変わらず下手糞のようです、はい。

さて、こんなもんで、前座の役割は果たせてますでしょうかねぇ……。

>海中様
お疲れ様でございます。
スク水……(;´Д`)

443 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/02(土) 01:09:33 ID:5DS0RZIA
>>遊星さん
ウォォォォォォ!!
何て言っていいのか適当な言葉が見つからんから
とりあえず叫んでおく。とにかく超GJでございます!!
なんか終了とか言われると寂しいな…遊星さんが
このスレを卒業してしまいそうな感じ…
ところで遊星さんてネーミングが上手いですよね。

>>434-435
死ぬほど羨ましい…


444 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/02(土) 01:19:58 ID:SzGHsvfQ
妹の誕生日の日にレストランに行った帰りに「お兄ちゃんと食べるカップラーメンの方がおいしい」

445 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/02(土) 06:28:34 ID:TGk730tw
『ん〜…』
「お兄ちゃん?どぉしたの?」
『ちょっコッチ来てみ』
「ん?なに?」
「きゃっ!お兄ちゃん麻彩の髪の毛で遊ばないでよ〜」
『いいから動くなって』
「ねぇ何してるの?」
『ほれっ』
「えっ?」
『コッチのが可愛いべ?』
「そぉかなぁ〜?」
『お前は顔がガキっぽいからツインテールのが似合うんだよ』
「ひど〜い!麻彩ガキっぽくないもん!」
『褒めてんだぞ?可愛いって』
「………」
『まぁイヤだったら勝手に戻してよかよ』


『ん?戻してねぇの?』
「だってコッチの方が可愛いんでしょ?」
『オレはそぉ思う』
「じゃあ明日はこれで学校行ってみる♪」
『頑張れ』
「何を?」
『いや…言ってみただけですたい』
「お兄ちゃん意味不明だょ〜♪」
『…なんか嬉しいことでもあったか?』
「なんで〜?」
『なんか楽しそうじゃん』
「別に〜♪」
『さいですか』

446 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/02(土) 10:51:17 ID:syaS4w0c
妹に言われたい台詞から なんで妹としたいシチュエーションなんだよWWWWW

447 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/03(日) 02:52:56 ID:+SehZ86q
ここの>>1の妹萌える?
妹が俺の部屋に居座った
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1120314150/

報告(妹が俺の部屋に居座った)
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1120326136/

448 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/03(日) 21:10:28 ID:7lAgv0dM
もう落ちてるお

>>446
過去ログ読んで、ダブらないセリフ出せたら凄いぞ

449 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/03(日) 21:28:48 ID:+SehZ86q
遊星さんGJス(;´д`)ハァハァ

>>448
妹が俺の部屋に居座った3
http://ex11.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1120383242/

450 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/05(火) 01:10:32 ID:sLDYFtuY
コピペ。



いも 「ねーねー」
おれ 「ん?」
いも 「ジャーン!」
おれ 「……」
いも 「どう?これ(と言いつつ水着のブラを引っ張る)可愛いっしょ?」
おれ 「……」
いも 「めっちゃ可愛くない?もうね、一目惚れっていうの?売り場でさぁ、見た瞬間、これしかねぇぇぇ!みたいなw」
おれ 「で、それ着て海行ったりするわけか」
いも 「はぁ?あったりまえじゃん!」
おれ 「……お前、受験生だろ」
いも 「あっ」
おれ 「……来年にしとけ」
いも 「今年いくもの!」
おれ 「語尾が変だぞお前」
いも 「今年だもの!」
おれ 「じゃ、俺と行くか」
いも 「それはない」

即答でした。

451 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/05(火) 01:15:55 ID:kcG9QXKK
>>450
orz

452 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/05(火) 22:10:21 ID:1h9fRvzB
「お兄ちゃんが好きな服を、着てみたいな。」

453 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/06(水) 21:58:14 ID:stl02ERy
「ねぇねぇお兄ちゃん、
ペアルック、しよっ!」

454 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/06(水) 22:42:34 ID:q8+KCfG9
「お兄ちゃんの服おっきぃー!ぶかぶかだ〜♪」

455 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 00:56:52 ID:j2erBfx1
>>454
さらに「えへへ〜、お兄ちゃんの匂いがする」があればなお良い

456 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 02:18:25 ID:+oGjJZOG
なるほどなるほど・・・把握した

457 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 15:13:52 ID:xkhVoYVU
【お兄ちゃんっ】妹にしてっ☆【3スレ目だよ♪】
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1120637188/l50
キミたちにオススメだよ。

458 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:03:44 ID:v6wxf/es
七夕ネタ期待age

459 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:05:27 ID:xsKjlQ6v
お兄ちゃんのスウプに私のへその緒入れておいてあげたお。

460 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:14:46 ID:gKldU2hm
なにこのスレ





(・∀・)イイ!!

461 :丹下 桜継 :2005/07/07(木) 17:08:39 ID:E+gq4+zm
妄想乙wwww

462 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 17:52:58 ID:xsKjlQ6v
>>461
死ね

463 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 19:26:46 ID:+oGjJZOG
>>461
丹下ちょっとこのスレこい
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1113806290/

464 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 23:33:18 ID:AX8WTOt9
「お兄ちゃ〜ん♪ 一緒に『電車男』見よ〜♪」

465 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/09(土) 21:18:30 ID:54HSe7P6
「お兄ちゃん、友達、連れてきたよ。
左右からムギュッとされたいんだよね〜。」

466 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/09(土) 21:56:47 ID:wL04bBCz
「私が家にいる時は部屋から出ないでくれる?マジ殺しそうなんだけど。」

467 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 01:07:01 ID:H3ZSsj9K
「おい、アニキよぅ、ケツにてぇとどかねーんだけどよっ。優しくふきふきシテシテシテ」 

468 :コンズ :2005/07/10(日) 22:04:53 ID:B4F0F/tS
>464
>465
イイですっ

ネ申の降臨はまだですかねぃ(漏れは書けないのにorz

469 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/10(日) 22:31:24 ID:uY5l2wAL
……需要があれば、来週の火曜日に。
名付けて遊星祭りだ!!

470 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 22:44:22 ID:cpMoZ3H1
遊星祭り!?

是が非でもお願いします!!

471 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 22:54:36 ID:zsZQ6XuO
遊星祭り激しくキボンヌ!

472 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/11(月) 11:21:54 ID:YwtBt9QG
ワクテカ

473 :コンズ :2005/07/11(月) 13:03:02 ID:MgNLGuU2
何とっ!?遊星さんゼヒお願いしますっ!!

双子の登場に期待っ

474 :260 :2005/07/11(月) 21:48:21 ID:qYvZolct

「・・・静かだな」

春より大きくなった空を見上げて独りカレーパンにかぶりつく。
喧騒を離れ、屋上で一人過ごす昼休み。
ゆっくりとした時間の中で流れる雲を見ているとここが学校で
あることさえ忘れてしまいそうだ。

「ん?メールか、ええと」

唐突に無粋な着信音に現実に引き戻される俺。
今度からは音をクラシックにでもしておこうかなどと思いつつメールを開いてみると

お兄ちゃん、今晩のおかずは何にしようか?

「こんなん直接聞けゃいいじゃないか」
「ふふっ、じゃあそうするよ、お兄ちゃん何がいい?」
「うおわっ!?」

空を遮る様に見慣れた綺麗な顔が流れる黒髪と共に視界に割り込む。


475 :260 :2005/07/11(月) 21:56:40 ID:qYvZolct
約二ヶ月ぶりに参上!!
ちまちま投下していきますんで祭りまでの間繋ぎになれば幸いです。
そして、月影の姐さんのも待ってますぜ。

476 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 02:27:54 ID:ZcmrOTt4
うわあああああ!!
260氏キタ━━.':+'・(ノ∀`)'.'*:.━━!!

GJです!!

477 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 13:01:41 ID:vYavXvYc
俺は妹が嫌いだった…「死ね」「ウザい」「クソ兄貴」口も性格も最悪だと思っていた
そんな妹がある日熱を出した…37度3分…
俺「なんだよ微熱じゃねぇか。そんぐらいで学校休むなよ。」
夕子『うるせぇよクソ兄貴!!気持ち悪いんだよ!!』
俺「中1にもなって見え透いた嘘ついてんじゃねぇよ。明日はサボんなよ。」
夕子『うるせぇよ早く学校行け!!死ね!!』
俺は妹が嫌いだった…この日までは…
次の日も夕子は学校を休んだ
俺「またサボりかよ。」
夕子『違ぇよ病院行くんだよ!!』
俺「ど〜せ仮病だろ。行くだけ無駄。」
夕子『うるせぇよ早く学校行け!!死ね!!』
俺が学校で授業を受けていると突然教室のドアが開いた。
先生「おいっ斎藤、お前のお母さんから電話だ。職員室来い。先生、ちょっと斎藤借ります。」
先生『あ…はい…どうぞ…』

478 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 15:22:37 ID:ZcmrOTt4
(;´-`).。oO(ちょ…めちゃくちゃ気になるじゃまいか…)

GJ!!
てか最近またヒドく過疎ってる気が…
取り敢えずコテ晒していきますね

479 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 19:09:09 ID:vYavXvYc
俺「何すか?何かあったんすか?」
先生「いいから…ほれ…」

俺「もしもし?」
母『たかし?ちょっと今から病院来なさい。』
俺「は?何で?」
母『夕子が入院することになったからよ。』
俺「だから?俺関係ねぇじゃん。」
母『いいから来なさい。』
俺「は?意味わかんねぇし。」
先生「いいから行ってやれ。」
俺「???」

先生に言われたので俺は病院に行くことにした。大学病院だった。先生が地図と交通費をくれた。
病院の入口で母が待っていた。
俺「で?夕子がどうかしたの?」
母『いいから来なさい。』
俺は母に診察室みたいな所に連れてかれた。中には先生らしき人が待っていた。
先生「君がお兄さんのたかし君だね?」
俺「はぁ…」
先生「妹の夕子ちゃんのことなんだが…驚かないで聞いて欲しい…」
俺「はぁ…」
先生「君の妹は…白血病にかかっている…」
俺「はぁ…は?」

480 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 20:05:00 ID:vYavXvYc
その後先生にいろいろと説明を受けたがよく覚えてない…というか頭に入らなかった…
ただ…ドナーがいないこととドナーが見つからなければあと1年の命と言われたことだけは覚えてる…
病室に行くと夕子はベットでマンガを読んでた…
夕子『なんだ、兄貴来たんだ。』
俺「あぁ…まぁな…」
夕子『栄養失調だってさ。』
俺「そっか…ゆっくり休めよ…」
夕子『兄貴テンション低くない?』
俺「ちょっと疲れてるだけだよ…」
夕子『ふ〜ん』

それから一週間…俺は毎日夕子のお見舞いに行った…
ときどき夕子の友達が来たりした…俺はリンゴを剥いてやったりゲームを持ってったりいろいろした…
『最近の兄貴なんかやさしいね。』とか『早く退院したい。』とか言われたけど上手く流した…

481 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 20:27:59 ID:rK7DuJUK
なんかお前らのオナニー文にも飽きてきたよ(´・ω・`)

482 :遊星より愛を込めて ◆ni2.3Eq2oY :2005/07/12(火) 20:37:24 ID:7DzBKOEv
もともとそういうトコだから。
一々そんなこと言わんでもいいよー?

483 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 20:38:36 ID:7DzBKOEv
トリップ間違えた……orz

484 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 20:42:44 ID:NZB9h4vA
「8億円の遺産を相続放棄します」

485 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 21:07:11 ID:ZcmrOTt4
ちょ…スマソ…トリがバレた…orz

しばらくROMにまわります

486 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 21:07:22 ID:7DzBKOEv
そろそろ始めるか……。

と、その前に……
>>443
えっと、俺のネーミングにはほぼ元ネタがありまして……。
それはまた、次の機会に……。

>260さん
お久しぶりです。
続き、楽しみにしてますよ!!

>>477>>479>>480
続きが気になる……。

487 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 21:08:40 ID:7DzBKOEv
>>485
あ、そうっスか。
ID出てるんで、トリ変えるなら、今のうちに宣言しておいてはいかがですか?

488 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 21:15:15 ID:ZcmrOTt4
次から◆9l4B6y7T.Qで来ます。
これもバレたらしばらく潜伏しますね

迷惑かけてホント申し訳ないorz

489 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/12(火) 21:17:31 ID:ZcmrOTt4
トリ変え忘れたorz
ではしばらく潜伏しますノシ

>>遊星さん
期待してますよ(゚∀゚)

490 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 21:34:21 ID:h4MQrbnl
「お兄ちゃんに好きな人ができたら、こまっちゃうな。」

491 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:04:21 ID:7DzBKOEv
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
帰り道、俺と並んで歩いている少女、相川梨那が俺に語りかける。
「明日、イヤだよね〜?」
「明日?何かあったか?」
「校内実力テストだよー?」
「別にいいじゃん。順位出すだけで、成績関係ないんだし」
「良くないー!!このテスト悪かったら……」
「悪かったら?」
「お小遣い減らされちゃうんだよー!!」
「……あっそ」
「うぁー!!今月欲しいものがいっぱいあるんだよー!!」
「頑張れー」
適当に相槌を打っていたが、梨那はそれがご不満のようで、
「ねぇ、お兄ちゃん。梨那がこんなに困ってるのに、何か言うことないの?」
「ん?あぁ、勉強しろよ」
「そうじゃなくてー!!」
「……何?」
「一緒に勉強しよう、とかー」
「俺、勉強しないから」
「うにゃ……じゃ、じゃあ、俺が教えてやるよ。とかー」
「いいけど、当然有料な」
「にゃぁ……ヒドいよぉ……」
「酷くない」
「けーち、けーち!!」
「ケチで結構」
「うにゃぁ……」
肩を落とす梨那。
ま、別に暇だから付き合ってやっても良いんだけど。
梨那の提案をサラッと受けるのも……何かカッコ悪いし。

492 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:05:06 ID:7DzBKOEv
「そういや……数学の課題出てたな……」
「いつまで?」
「……実力テストの日まで」
「明日だねー?」
意見を求めるように、俺の顔を覗き込む梨那。
「ね、ねぇ……お兄ちゃん?ついでだから、一緒に勉強しようよ?」
「……しょうがねぇなぁ」
「いいのっ!?」
「まぁ、いい。で、どっちの家でやる?」
「どっちでも良いよー。じゃあ、梨那の家にしようか?」
「えー?お前の家ー?何か襲われそう……」
「襲わないよっ!!っていうか、それはこっちのセリフだよっ!!」
「俺は梨那を襲うほど、困ってないからなー」
「にゃ……そう、だよねー、お兄ちゃん人気あるもんねー、あはは……」
どうして、ちょっと落ち込んじゃったのかね、梨那クン?
「梨那……冗談に決まってんだろ。突っ込んでくれないと、ちょっと恥ずかしいじゃないか……」
「にゃ?冗談……?」
「はい、冗談ですー。困りまくってますー。梨那だって襲いますー」
「そ、それはそれで困るんですけど……」
「よし。まぁ、リアクションは合格だな。で、どっちにする?」
「梨那の家でも良いけどー……あ、今日、工事の人が来るんだった!!梨那の家、ダメだー!!」
「そんなこと、最初に言えって……」
「ゴメンねー。お兄ちゃんの家でも良い?」
「まぁ、いいけど」
「やったー!!お兄ちゃんのお部屋、久しぶりだねー!!」
「勘違いするな!!誰が俺の部屋に入れるか!!客間だ、客間!!」
「にゃ!?つまんないよ、そんなのー!!」
「勉強するのに、面白いもつまらないも無いだろ」
「あるもん!!お兄ちゃんの部屋がいいー!!」
「ワガママ言うな!!お前、何か壊しそうだから嫌なんだよ!!」

493 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:05:51 ID:7DzBKOEv
「壊さないよー!!だから、お願いー!!」
両手を合わせて、目を閉じて俺に懇願する梨那。
「いいだろう……ただし、何か壊したら……」
「壊したら……?」
「全く同じものを買ってきてもらう!!」
「にゃ……分かりました……」
「よし。確かに」
「わーい!!お兄ちゃんと一緒だー!!じゃあ、梨那、ちょっと先に行くねー?」
「ああ」
突然走り出し、俺を追い抜かす梨那。
そして、前方で振り返り、
「お兄ちゃーん!!着替えたら、すぐお兄ちゃんの家に行くねー!!」
「おう。じゃあな」
「うん、あとでねー!!」
そう言って、また振り返り、100メートルほど前方の家に、駆け込んでいった。
───────────────────────
えっと、課題は……
何だ10ページだけか、楽じゃないか……。
問1……簡単簡単……よし、解けた。
問2は面倒くさいな……。
そんな具合で、順調に進めていると、
「あれー?答えが違うー……何でー?」
テーブルの真正面に座っている梨那が、間抜けな声を上げた。
「見せて……あ、計算ミス発見」
「にゃ……?どこどこ!?」
「ここ」
ペンの先で指し示す。
梨那の動きが止まる……。
「あー、なるほどなるほど」
「気をつけろよ。そこが間違ってると、(4)まで間違えるぞ?」

494 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:06:36 ID:7DzBKOEv
「うん……梨那、計算ミス多いんだよねー。どうすればいいのかな?」
「慣れるしかないんじゃないのか」
「うにゃ……分かったよ……」
えっと……どこまでやったっけ……。
あぁ、問2の計算の途中か。
続きをやろうと、俺のペンがノートに接地した瞬間……。
「ところで、お兄ちゃん……コレ、このやり方で合ってる?」
梨那がノートを差し出す。
「ん……全然違う!!a=0と、そうでないときで場合分けするんだよ!!」
「あー、授業でそんなこと言ってたかもー。ありがとー」
「ああ……」
また、ノートと向かい合う。
数問ほど、解いた後……。
「ねぇ……この問題のやりかた、教えてー!!」
「あぁ……。上の問題とほとんど同じだぞー?この部分を一つのまとまりとして考えるんだよ」
「ふーん」
「つーかさ……」
「ん?何?」
「俺、全然進んでねぇぞ!!」
「にゃー。大変だねー?」
梨那の頭を小突く。
「にゃっ!?何っ!?」
「誰のせいだと思ってやがる!!」
「り、梨那っ!?」
「必死なのは分かるが……俺だって、やることあるんだぞ?」
「うん……ゴメン」
「何だ?いやに素直だな?」
「え……?あはは、そうかな……?」
力なく笑う梨那。
やっぱ、元気ないじゃないか……

495 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:07:22 ID:7DzBKOEv
「あぁ。何か悩み?」
「うん……やっぱり梨那じゃダメなのかなって……」
「テスト……?」
「うん……」
「いいじゃん、小遣いなんて。少しなら貸すぞ?」
「ううん、それだけじゃないの……。やっぱり、梨那……進学出来ないのかな……」
「進学するのか?」
「うん。まだ、詩の勉強したいから……でも、梨那、バカだし……」
「ふーん……」
「明日のテスト……この人はどれぐらいの大学にいけるのか、っていうのを見るものらしいから……」
「なるほど……」
「だから、こんなんじゃ……梨那、全然ダメなんじゃないかって思って……」
俯く梨那。
泣く寸前、十秒前ってトコか。
「梨那……お前の前に居るのは誰だ?」
「にゃ……?」
「誰だと聞いている」
「おにぃちゃん……?」
「そう。この州田敬介(学年一位)様がいるじゃねぇか。家庭教師にはうってつけだぞ?」
「家庭教師……?」
「今からお前に、俺の知識を全部叩き込んでやる。しかも、タダで」
「……」
「お前は……夢を諦めるな」
「う、うんっ!!」
「さ、勉強勉強。気合入れろよー」
「うん!!」

496 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:09:38 ID:7DzBKOEv
また机に向かう梨那。
「ねぇ……お兄ちゃん」
「ん?」
「ありがとう……大好きだよ」
「よく、そんな恥ずかしいことが言えるねー」
「でも、ホントだからねー♪」

俺は梨那を守りたい。
梨那の体も心も。梨那の夢すらも。
それは、俺が梨那の兄であることの、何よりの証だと思うから。
───────────────────────
梨那。
何で書き始めたか忘れた。
兄に『バカ』と言える点で他の妹とは異なる(と、俺は思っている)。

497 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:10:25 ID:7DzBKOEv
久しぶりだね……。
さぁ、唯奈……勇気を出して……。
大丈夫。
全然大丈夫だよ。
だから、さぁ、勇気を出すの、唯奈……。
……
「あーーーーーーーー!!!」
……最近、雨で全然部活とかしてなかったからな〜。
千奈ちゃんは千奈ちゃんで、二日に一回ぐらいは、お兄ちゃんにお菓子作るし……
あ!
そうだよ、このバスタオル、結構水含んでるモンね!!きっとそうだよ!!
じゃあ、外して……
「唯奈っ!!」
えっ……!?


「あーーーーーーーー!!!」
食事を終え、まったりムードの我が石川家に、少女の絶叫が響き渡った。
「あの声は……?」
「唯奈ちゃん、ですよね?確か、今お風呂に……
俺にお茶を持ってきてくれた千奈が呟く。
「ちょっと俺、様子見てくるよ!!」
「は、はいっ!!お願いしますっ!!」
唯奈に何が……!?
不安を抱えながら、脱衣所のドアを開ける。
「唯奈っ!!」
「きゃっ!?お、お兄ちゃんっ!?」
中では、今にもバスタオルを外そうとしていた唯奈が……。
慌てて隠す唯奈。

498 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:11:10 ID:7DzBKOEv
「何かあったのか!?」
俺はそんなこと気にも留めず、唯奈に歩み寄る。
「えぇ……えっとぉ……なんにもないですよ?」
「んー、何か隠してない?」
「え、えと……そんなことないですよ?」
「で、何でそんな話し方なんだ?」
「いや、別に意味は無いけどぉ……とにかく、何も無いったら無いの!!」
「そうか……?」
「そうだよっ!!さ、服着るから、出てって!!」
「あ、あぁ……」
さっきの緊迫感は何処へやら……。
ちょっと悲しくなって、千奈のところへ戻る。
「どうでしたか?」
「ん……何もないってさ」
「そうですか」
「でも、妙に冷たかった……」
「冷たい?」
「あぁ、何か俺が邪魔みたいだった……」
「え……?」
「出てって!!……だって」
「……着替えの最中だったから、慌ててるんじゃないんですか?」
「んー、そうだといいけどね」
苦笑いして、お茶を一気に飲みほす。
「千奈……おかわりもらえる?」
「はい」
千奈が俺の湯飲みを持って立ち上がる。ちょうどそのとき、
「お風呂、空いたよー」
唯奈がドアを開け、入ってくる。

499 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:11:55 ID:7DzBKOEv
「あ、唯奈ちゃんもお茶、飲む?」
「うん。冷たい麦茶がいいなー」
「はーい」
立ち上がってキッチンに向かう千奈。
「あ、そういえば……お母さんが、会社の人から、お土産でお饅頭を頂いてきたんですけど、食べますか?」
「あぁ、もらおうかな」
「はい。唯奈ちゃんは……?」
「いい……」
「そうなんだ」
千奈が唯奈に微笑む。
唯奈は恥ずかしそうに、下を向いた。
……何だ?
「はい。お待たせしました」
「あぁ、ありがとう、千奈。唯奈もそんなトコに突っ立ってないで、座れよ」
「う、うん……」
俺から、離れたトコロにわざわざ座る唯奈。
何か話でもしようと思ったが……そんな唯奈を見て、何も言えなくなってしまった。
「なぁ、千奈」
仕方なく、話を千奈に振る。
「はい?」
「千奈は食べないのか?」
「はい、私もやめておきます」
「そう……」
妙に気まずい思いを紛らすため、一人饅頭をかじってみた。
───────────────────────

500 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:12:40 ID:7DzBKOEv
「千奈ちゃん、お兄ちゃんは……?」
「お風呂、しばらく唯奈ちゃんと私、二人きりだよ」
「で……話って何?」
「いきなりだけど、唯奈ちゃん……太っちゃったんだ?」
「千奈ちゃ〜ん、言わないでよ、気にしてるんだから〜」
「やっぱり……ダイエットするの?」
「うん!今度こそ、本気!!」
「そのセリフ……何度目だっけ?」
「う……こ、今度こそだもん!!」
「お兄さんには秘密なの?」
「うん」
「何で?」
「だって……恥ずかしいし……それに……」
「それに?」
「太った、なんて言ったら、お兄ちゃんに嫌われちゃうかも……」
「そうかなぁ……お兄さんはそんなこと、気にしないと思うけど……?」
「でも、やっぱりダメなのっ!!こっそりダイエットするんだから!!」
「ふーん……そういえば、お兄さん、落ち込んでたよ?」
「え?何で?」
「唯奈ちゃんの態度が冷たかった。って。嫌われてるかも、なんて言ってましたよ?」
「そうなんだ……」
「お兄さんには、言った方が良いと思うけどなぁ……」
「だ、ダメダメ!!絶対ダメ!!とにかく秘密に、ダイエットするの!!」
「……そう。頑張ってね」
「うん!!」
───────────────────────

501 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:13:25 ID:7DzBKOEv
「はぁ……」
風呂の中。
大きなため息を吐く。
「何でなんだろ……」
唯奈。
んー、分からん……。
千奈が言うように、着替え見ちゃったから……?
いや、でも、もしそうなら、その時にもっと怒るよなぁ……。
ま……ヘタしたら、理由もなく嫌われたってコトか。
元々いなかったんだから、唯奈が俺から離れていったとしても、悲しいわけないんだけどなぁ……。
なんだろ、この感じ……。
分からん……。
モヤモヤした頭をなんとかしたくて、頭から冷水のシャワーを被ってみる。
ふぅ……。
そうだ、千奈に相談してみようかな……。
「それがいいな……」
シャワーを止め、風呂場を出る。
そして、脱衣所。
「あ……体重計がビショビショだ……誰だよ……」
ん……?
確か……
「そういえば、この辺だったな。さっき、唯奈が居たのは」
ってことは、体重計に乗ったのは唯奈で……。
大声出したのは……まさか……。
───────────────────────

502 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:14:10 ID:7DzBKOEv
とりあえず、急いで服を着て、リビングへ向かう。
まだ、千奈も唯奈も居るだろう。
「千奈っ!」
リビングに飛び込むと、千奈も唯奈も、驚いて、ジッと俺の顔を見る。
「お、お兄さん……?どうしました?」
そして、千奈が遠慮がちに話しかけた。
「ちょっと耳貸してくれ」
「あ、はい」
千奈に耳打ちする
「もしかして……唯奈って、体重とか、気にしてたとか……?」
「あ、正解です。さすがお兄さん。鋭いですね」
千奈がささやく。
「偶然だって」
「なんでもいいですよ。唯奈ちゃんのフォロー、頼めますか?」
「ああ、そのつもり」
「お願いします」
というわけで、唯奈の前に立つ。
「唯奈」
「あ、お兄ちゃん、何?」
「よし、やるか」
「え、やるって、何を……?って、えぇ!?」
唯奈を片手で持ち上げる。
「お、お兄ちゃん!?何してるの!?」
「持ち上げてる」
「な、何で!?」
「別に」
「別に、って……」

503 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:14:55 ID:7DzBKOEv
「強いて言うなら、力試し」
「力試し?」
「ああ。大丈夫、俺は今の唯奈でも、軽く持ち上げられる」
「お兄ちゃん……?」
「ってことは、唯奈がソファで寝てても俺は唯奈をベッドまで連れて行ける」
「……」
「しかも……千奈」
「きゃ、きゃっ!?」
もう片手で千奈を持ち上げた。
「俺は千奈も唯奈も、一緒に持っていける」
「……」
「あー……上手く言えんけど……唯奈は無理しないでも良いと思う。もちろん千奈も」
「お兄ちゃん……」「お兄さん」
「もし、俺だけじゃ二人ともを支えられなくなったら……俺が鍛えるからさ」
「うん!!」「はい!!」
「うんうん。分かれば良いんだよ」
俺は二人を下ろし、二人の肩をポンポンと叩く。
そして、何か飲み物を探し、冷蔵庫へ。
「ね、唯奈ちゃん?私の言ったとおりでしょ?」
「うん」
「ダイエット、また失敗だね」
「うん。でも、ある意味成功」
「だね」
仲良く囁きあっている二人。
「ん?何の話だ?」
割って入る。

504 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:15:40 ID:7DzBKOEv
「お兄ちゃんの話」「お兄さんの話です」
「俺の?どんな?」
「「秘密」」
「秘密って……そりゃないだろー?教えてくれよ」
「秘密。ね、千奈ちゃん?」
「ね、唯奈ちゃん?」
困惑する俺の前で、双子は顔を見合わせ、いたずらっぽく微笑んだ。

──決まってるじゃない。お兄ちゃん、大好き……ってそういう話だよー。ね、千奈ちゃん?
──お兄さんカッコいいなぁ……ってそういう話だよね、唯奈ちゃん?
───────────────────────
双子。
海中さんの双子ssに触発されて書いた。
書いていて楽しいが、当時からちょっと不人気……orz

505 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:16:35 ID:7DzBKOEv
雨。
ガラス越しに雨降りの景色を見ながら、のんびり過ごす。
室内に居る分には、雨降りも嫌いじゃない。
「ねぇねぇ、おにぃちゃん!!遊ぼうよっ!!」
俺の妹、沙耶が俺の隣で、騒いでいる。
「いいけど、何して?」
「お散歩!!お散歩行こうよー!!」
「……雨だぞ?」
本人には言えないけど、沙耶はよくコケるしなぁ……。
雨の日でずぶ濡れになったら、風邪引くかもしれないし……。
「雨でも良いよー!雨でも楽しいよー?」
「沙耶がよくても、俺がダメだ」
「何でー?」
「太陽が出てないと、元気出ないんだよ、俺」
「えーっ!?おにぃちゃん、だいじょーぶなのっ!?」
「うん。大人しくしてればね」
「はわ……じゃあ、しょうがないね」
「あぁ、ゴメンな」
……ところで、雨の日で俺が元気なかったことってありますか、沙耶さん?
「ううん」
「じゃ、ちょっと寝るよ、お休み。沙耶」
「うん、お休み、おにぃちゃん」
予想以上に上手くいったことに驚きながら、俺は目を閉じる。
沙耶は、しばらくゴソゴソと何かをしていたが、結局テレビを見ることに落ち着いたようだ。
チャンネルを変えている。
二週ほどチャンネルを変えた後、プツンと音を立て、周りが再び静かになった。
……まぁ、休みの日の昼は、沙耶が見るような番組はあんまり無いよな。
そして……隣に人の気配。
「おにぃちゃん……」
小さな小さな声が聞こえる。
……なんか罪悪感。

506 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:17:20 ID:7DzBKOEv
でもあんなウソついちゃったし、普通に起きるのもなぁ……。
何かないか、何か……
ん……そういえば……今日は……。
「ねぇ、沙耶?」
「はわわっ!?び、びっくりしたよー!!」
「あぁ、ゴメン。で……散歩行こうか?」
「はわ?何で!?」
「いや、雑誌が今日発売日だからさ。買いに行かなきゃと思って」
「そうなんだー。いいよー、行こー!!」
「あぁ、行こうか」
───────────────────────
「わーい。お散歩、お散歩っ」
「あんまり、はしゃぐなよ」
雨降りの町を、傘を差しながら、二人並んで歩く。
沙耶が転ばないように、俺はしっかり沙耶の右手を握っている。
「てへへ……サヤね、お散歩行けないと思ってたから、すごく嬉しいんだー」
「そうか?でも、雨の日はいろいろ気をつけないとな」
「いろいろ?」
「ああ、出来るだけ水溜りに入らないように。とか、滑らないように、とかな」
「だいじょーぶだよ!!おにぃちゃんが手をつないでいてくれるもん!!」
「じゃ、俺が危なくなったら、沙耶が助けてくれよ?」
「はわっ!?う、うん、サヤ頑張るよー」
「おっ、頼もしいなぁ」
「てへへ……」
そんな風に談笑していると……
バシャ
脇を自動車が通り抜け、大きな水飛沫があがった。
その水飛沫が、俺の隣の少女へ……。
「さ、沙耶っ!!大丈夫かっ!?」

507 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:18:05 ID:7DzBKOEv
「う、うん。傘があったから、あんまり濡れてないよー」
「そうか……よかった」
「てへへ、ちょっとビックリしたけど、傘にビシビシッ!!って水がかかって面白かったよー!!」
「そっか。でも、危ないから、俺と場所変わろう?」
「うん!!おにぃちゃん、ありがとう!!」
なんてやってる間に
……大型のトラックが横を通る。
水飛沫、そして……突風。
「うぉっ!?」
「はわわわわっ!!」
吹き飛ばされないように、必死で傘を掴んだ。
風が止み、前のように雨は上から降ってくる。
俺はなんとか持ちこたえたが……
「はわわ……傘が……」
沙耶の傘は、突風に負け、骨が折れてしまったようだ。
しゃがみこんで、傘を見ている沙耶。
「あー、ダメだな、コレは」
俺は自分の傘を沙耶の頭上に掲げ、沙耶の傘をのぞき見る。
「サヤの傘が……おにぃちゃんと一緒に買いに行ったのに……」
「沙耶……」
こんな落ち込んだ沙耶を見るってのは、そうあることじゃない。
こんな光景を見るのはゴメンだが、俺にはかける言葉が思いつかなかった。
「沙耶……帰ろう?」
「……」
「そんなに濡れてちゃ風邪引くぞ?抱っこしてあげるから、帰ろう?」
「うん……」
ゆっくり立ち上がる沙耶。
俺は沙耶を左手で持ち上げ、傘を持った右手も使い、左腕の上に座らせる。
「ねぇ……おにぃちゃん……」
沙耶が呟くように言う。

508 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:20:19 ID:7DzBKOEv
「ん?」
「あの傘……持って帰ってもいい……?」
「あぁ、いいよ」
傘を拾い、沙耶に渡す。
顔は見えなかったが、悲しそうなオーラは伝わってくる。
「また明日、新しい傘買いにいこうよ?」
「うん……」
喜ぶと思ったのだが……沙耶の声はまだ暗い。
「沙耶、その傘、大切にしてくれてたんだ?」
「うん……おにぃちゃんが買ってくれた傘だもん……」
「そうだったね。前使ってた傘が無くなっちゃって、二人で買いにいったんだよな?」
「うん……」
「でも、なかなか良い傘が見つからなくて、町中探し回ったんだよな」
「うん……コレと同じくらいカワイイ傘、さがそうね?」
「いや、やめとく」
「はわ……?」
「直してみるよ、傘」
「おにぃちゃんが……?」
「うん。ダメなら、誰かに頼んでみる。だって、大切な傘なんだよな?捨てるのは勿体無いよ」
「お、おにぃちゃん……!!」
「ん?新しい傘、欲しい?」
「ううん!!ありがとぉ!!」
喜び極まってか、沙耶が俺を力いっぱい抱きしめる。
「てへへ、おにぃちゃん、大好きー」
頬擦りされる。
「沙耶、寒くない?」
「ううん、だいじょーぶ。おにぃちゃんが暖かいからねー」
「そう。でも、油断は禁物だよな。早く帰ろう?」
「うん!!」

509 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:21:13 ID:7DzBKOEv
俺の妹、沙耶。
やっぱりこの娘には……俺は適わないかも……。
───────────────────────
沙耶。
マイブームが犬耳の時に書きたくなった。
遊星の一番のお気に入り。

510 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:21:42 ID:vYavXvYc
いや…上手く流せたと思っていた…
数日後、家でゴロゴロしてたら夕子からメールがきた。

[件名]いままでゴメンね
[本文]お兄ちゃん…夕子もぅ気付ぃちゃったょ…お兄ちゃんが急に優しくなった理由も…夕子が退院出来なぃ理由も…夕子死ぬんでしょ?はっきり言ってょ…お兄ちゃん…

お兄ちゃんなんて呼ばれたのも夕子からメールがきたのもかなり久しぶりだった…
メールは返さなかった…というより返せなかった…
親と相談して明日俺が本当のことを夕子に話すことになった…
その日はまったく眠れなかった…夕子になんて言えばいいのか…思いつかなかった…

翌日もお見舞いに行った。
夕子『あ〜っ!!お兄ちゃんなんで昨日メール返してくれなかったの〜!!』
俺「…」
夕子『お兄ちゃん?』
俺「夕子…はっきり言うな………お前は…白血病にかかってる…」
夕子『…』
俺「夕子…」
夕子『なぁ〜んだ。やっぱり!!とっくに気付いてるって♪』
俺「…」

俺は病室を飛び出してトイレで泣いた…両親の涙が…夕子の無理矢理つくったような笑顔が…すごく…すごく悲しくて…その日はそのまま家に帰った…

511 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:19:36 ID:7DzBKOEv
「ん?」
「あの傘……持って帰ってもいい……?」
「あぁ、いいよ」
傘を拾い、沙耶に渡す。
顔は見えなかったが、悲しそうなオーラは伝わってくる。
「また明日、新しい傘買いにいこうよ?」
「うん……」
喜ぶと思ったのだが……沙耶の声はまだ暗い。
「沙耶、その傘、大切にしてくれてたんだ?」
「うん……おにぃちゃんが買ってくれた傘だもん……」
「そうだったね。前使ってた傘が無くなっちゃって、二人で買いにいったんだよな?」
「うん……」
「でも、なかなか良い傘が見つからなくて、町中探し回ったんだよな」
「うん……コレと同じくらいカワイイ傘、さがそうね?」
「いや、やめとく」
「はわ……?」
「直してみるよ、傘」
「おにぃちゃんが……?」
「うん。ダメなら、誰かに頼んでみる。だって、大切な傘なんだよな?捨てるのは勿体無いよ」
「お、おにぃちゃん……!!」
「ん?新しい傘、欲しい?」
「ううん!!ありがとぉ!!」
喜び極まってか、沙耶が俺を力いっぱい抱きしめる。
「てへへ、おにぃちゃん、大好きー」
頬擦りされる。
「沙耶、寒くない?」
「ううん、だいじょーぶ。おにぃちゃんが暖かいからねー」
「そう。でも、油断は禁物だよな。早く帰ろう?」
「うん!!」

512 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:23:29 ID:7DzBKOEv
ピカッ……ゴロロロ
稲光が走り。雷鳴が轟く。
「ふむ、凄いなぁ……」
窓から外を見ながら呟く。
「雨も強いですね」
俺の妹、未来が俺の隣で答えた。
「今日は、できるだけ早く寝た方がいいな」
「そうですね」
「とりあえず、使わないコンセントは今のうちに抜いとけよ?」
「え……?何でです……?」
「知らないのか?」
「私は機械はダメなんですけど……」
「あぁ、そうだったな。近くで雷が落ちると、コンセントが刺さってる電化製品は壊れるかもしれないって感じかな」
「そうなんですか……」
未来がそこまで言った瞬間……
ピカッ、ゴロロロロロロ!!
大きめの轟音が響いた。
「ひゃっ!?」
可愛い声を出して、俺に抱きついてくる未来。
「あらら、未来ちゃん、怖いの?」
「い、いえ!!ちょっと驚いただけです!!」
「ホントに〜?」
「本当です!!」
「と、まぁ、ふざけてる場合じゃなくて……寝るぞ、未来」
「あ、私はまだ洗い物があるので……」
「テレビで見たんだが、雷の日は水を使うのもダメらしいぞ。洗い物は、明日にして寝ようぜ?」
「そうですか……じゃあ……」
その時……、
一瞬だけ、辺りが昼間のような明るさに包まれた。
何が起こっているのか理解する間もなく、爆発音にも似た雷鳴が轟く。
そして、暗闇に包まれる我が家。

513 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:23:56 ID:7DzBKOEv
「わっ、わぁっ!!」
雷鳴に慌てて、俺に抱きつく未来ちゃん。
「い、今っ……家が揺れてませんでしたかっ!?」
「あぁ、揺れた」
おっ、未来ちゃんの胸が腕にっ!!
そんな邪なことを考えながら、あくまで落ち着いて答える。
「に、にぃさんっ……!」
「怖い?」
「だ、だって……」
雷に怯え、俺の胸の中でフルフル震えている未来ちゃん……
可愛い過ぎるーーーー!!
「とりあえず、真っ暗だし、蝋燭点けようよ」
「は、はい……」
俺は机の上にあった蝋燭を手に取り、ライターで火をつける。
ぼうっと、未来の顔が明るく照らされる。
「用意しといてよかったな」
「そう……ですね……」
「さぁ、寝るぞ」
「は、はい」
俺は蝋燭を持って、ゆっくり階段を上る。
未来は俺の後ろに従った。
「未来、はい」
俺の部屋の前で、未来に蝋燭を手渡す。
「えっ……何ですか……?」
「何って……俺の部屋、ここだから」
「え、えっと……に、兄さん……」
「何?」
「い、一緒に……ね……」
「一緒に?」

514 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:24:20 ID:7DzBKOEv
「いっしょに……寝てください……」
「一緒に……って、いぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
一緒に寝てくださいって……未来に言われたい台詞、トップ5には確実に入ってるぞ!!
今、すげぇ幸せ……!!
「だ……だってぇ……」
「……うーん、どうしようかな」
いや、もちろんオッケーしたいけど……流石にマズい気もしてる……。
『いいだろ!!せっかくのチャンスだぜ?大丈夫、未来だってある程度は覚悟してるって!!』
と、悪い将人。
『未来ちゃんと寝てあげなさい。恐怖から妹を守るのも兄の仕事です』
と、良い将人。
ぬぅ……
「同じだ……」
「え……何がですか……?」
「え、えっと……何も無い……」
ここで悪い将人とか良い将人とか言ったら、未来ちゃん、不安が募って暴走する気がする……。
「あ……あの……やっぱり、ダメですか……?」
未来ちゃんが、恥ずかしそうに呟く。
「んー……」
まぁ、確かに可哀想だし、サラのときは大丈夫だったから……今回も、それに賭けてみようかな。
「分かった。一緒に寝るか?」
「は、はい!!ありがとうございますっ!!」
物凄い勢いで頭を下げる未来。
「まずは、未来の布団を取って来なきゃな。一緒に行こう?」
「はいっ!!お願いします」
───────────────────────

515 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:24:40 ID:7DzBKOEv
蝋燭の明かりの下。
俺の部屋の床に、二人分の布団を敷いて、未来と二人そこに寝ころんでいる。
雷は、相変わらず大きな音を立てている。
未来はすっかりトラウマになってしまったのか、小さな稲光にも可愛い悲鳴をあげた。
「もう、寝ようよ……?」
「だ、だって……怖いです……」
「雨戸閉めようか?少しはマシになると思うけど?」
「で、でも……窓も開けられなくなるので、暑いですよ?」
「まぁ、そうか……雷、我慢できる?」
「分かりません……きゃっ!」
「無理っぽいね。雨戸閉めるよ……」
「い、いいです!!」
「え……?」
「兄さん……あの……その……」
蝋燭に照らされた未来の恥ずかしそうな顔……。
うっ、綺麗だ……。
「な、何……?」
「えっと……その……手、繋いでくれませんか?」
「手……何で?」
「安心、するんです。だから……お願いします」
未来が手を差し出す。
「……」
そっと手を握る。
「これでいい?」
「はい、ありがとうございます……お休みなさい」
「あぁ、お休み」
蝋燭を消す。
未来の顔が見えなくなる。
「昔を思い出すな」
「え……?」

516 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:25:03 ID:7DzBKOEv
「未来、昔はこんな感じだった。『お兄ちゃん、お兄ちゃん』って、俺の後いつも追いかけてきてさ」
「え……そうでしたっけ?」
「うん。でも、やっぱり未来は未来なんだって思ったよ」
「そうですか……。兄さんは、昔から相変わらずですけどね」
「そうか?ま、それでもいいよ……もう、寝よう?」
「はい」
未来の姿は見えない。だけど、俺の大事な未来はここにいる。
未来を感じながら、俺は目を閉じた。
───────────────────────
深夜。時計を見ると二時十分前。
ふと目が覚めた。
窓を見ると、雨も風も雷も止んでいるようだった。
隣を見る。
兄さんが、気持ちよさそうにスヤスヤと眠っていた。
その兄さんから伸びた手は、今も私とつながっている。
兄さん、ずっと手を握っててくれたんだ……。
「ありがとう」
そう呟く。昔の、『お兄ちゃん』が大好きだった時の気持ちで。
ううん……今の『兄さん』も、多分、好きだと思うんだけど。
兄さんの手。
いつからだろう……。
この手が、頼もしいって思えるようになったのは……。
そんなに太くないように見えるんだけど、暖かくて、力持ちで、いつも私を助けてくれる兄さんの手……。
まだ、面と向かって気持ちを伝えるのは恥ずかしいけど……。
でも、今なら言える気がする。

517 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:25:23 ID:7DzBKOEv
「大好き……」
兄さんの手の甲にそっと口づけ。
「お休み、兄さん……」
兄さんと手を繋いだまま、兄さんにちょっとだけ近づいて、瞳を閉じた。
兄さんの手を握る力が、ちょっとだけ優しくなった気がした。

もう一度呟く。
兄さん。大好きです……。
───────────────────────
未来。
多分ダカーポを見たのがきっかけだと思う。
エロとか、色々やらせて、ホント申し訳ない……。

518 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:32:36 ID:KcEQsOS3
遊星祭りマジ乙です!
最高っす!
双子ちゃんが可愛すぎ!

519 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:33:03 ID:7DzBKOEv
何故だろう……とりあえず、>>511は無視してください。


とりあえず、これにて終了。
今回、頑張った。
7月1日に思いついて、12日で4作品……。記録的な速さだね。
第二弾の712に登場して、二年と半年。
これからも、精進しますんでよろしくお願いします。

あと、712という数字がかなり気に入ってるので、7月12日は遊星記念日。勝手に決めた。

520 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:56:13 ID:Id9Bzf71
遊星さんGJッス

521 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/12(火) 22:57:59 ID:N4qWR9cw
本当に・・・皆さんGJです・・・。


素晴らしすぎて書く気が失せました('A´)

522 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 23:46:55 ID:vYavXvYc
翌日もお見舞いに行った。
夕子『お兄ちゃんなんで昨日出てっちゃったの?』
俺「ちょっと腹が痛くなってな…ハハハ…」
夕子『そうなんだ…アハハ…』
俺「…」
夕子『…』
二人しかいない病室はすごく静かだった…
夕子『お兄ちゃん…』
俺「ん?」
夕子『夕子…怖いよ…』
俺「え?」
夕子『夕子まだ死にたくないよ…死ぬの怖いよ…』
夕子の目から涙がこぼれ落ちた…俺は…どうしたらいいのか…わからなくて…優しく抱きしめて「大丈夫、大丈夫」と言うしか出来なかった…

それから俺は毎日病院に行った。学校も昼休みになるたび夕子に電話した。夕子は明るさを取り戻し日に日に元気になっていった。先生も「もしかしたらそのうち治るんじゃないか?」と驚いていた。

俺は毎日病院に通った。クリスマスも正月も夕子の病室で過ごした…

523 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:05:02 ID:vYavXvYc
ある日いつものように病院に着くとロビーに巨大な笹が飾ってあった。(あぁ…今日は七夕か…)
病室に入りしばらく話してると夕子が銀色の細長い紙を渡してきた…
夕子『お兄ちゃんも願い事書いたら?』
俺「そうだな、なんか書くか。」
夕子『何て書くの?』
俺「やっぱ夕子が元気になりますように…かな。夕子は?」
夕子『ないしょ♪ってかまだ決めてない♪』
俺「じゃあ夕子も早く元気になれますように…だな♪」
夕子『うん♪』

翌日も病院に行った。ロビーの笹に俺の短冊を見つけた。夕子のは…無かった…
俺「夕子、早くしないと笹片付けられちゃうぞ?」
夕子『明日吊すの♪』
俺「で、願い事は?」
夕子『ひみつ♪今日は疲れてるから夕子もう寝るね…』
俺「大丈夫か?ゆっくり休めよ。じゃあまた明日な。」
夕子『うん…また明日ね…』

家に着くと同時に夕子からメールがきた…

[件名]いままでありがとぅ
[本文]お兄ちゃんいままで迷惑ばっかかけてゴメンね…ありがとぅ…大好きだょ…

玄関のドアを開けると母が走ってた…
母『たかし!!病院行くよ!!』
俺「いや…今帰ったばっかだけど…」
母『いいから早く!!』

524 :月読 紫音 ◆SION/lApfc :2005/07/13(水) 00:20:48 ID:9xCZ1E0F
>>遊星さん
遊星祭りお疲れ様でした!
読み応えたっぷり!萌えもすげぇ!
来年も楽しみにしています! (≧∇≦)b

>>522-523
悲しい系のお話ですね…っ (´;ω;`)

525 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:23:32 ID:w4Vb+9AD
病室に入ると夕子の顔には白い布がかけられていた…俺は力無くその場にへたれ込んだ…
なんで?さっきまで元気だったじゃん…先生治るかもって言ったじゃん…
俺が呆然としてると看護婦さんがケータイと短冊を渡してくれた…
夕子は死ぬ直前まで握りしめて「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」と言ってたらしい…

金色の短冊には
『生まれ変わったらお兄ちゃんの恋人になれますように』
そう書いてあった…
涙が溢れた…

夕子が死んだこと…
夕子の最期を看てやれなかったこと…
夕子の気持ちに気付いてやれなかったこと…
全てが悲しかった…

あれから2年…夕子のケータイと短冊は遺影の横に置いてある…あの時のまま…

526 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:30:19 ID:w4Vb+9AD
遊星さん乙!!!!遊星さんGJ!!!!遊星さん夢と希望をありがとう!!!!
そしてこんなクソ話を支援してくださった方々…本当にありがとうございます。
七夕ということで七夕ネタを投下してみました。(;´∀`)非常に読みづらい駄文失礼しました…m(_ _)m
みなさん乙!!!!それではまたROM専に戻ります♪みなさんまた会う日まで…(*´∀`)ノシ

527 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/13(水) 09:25:27 ID:I11hHzG3
昨日はお騒がせしましたorz

遊星さん、名無しさんGJです!
名無しさんのがバラバラになっちゃったんでまとめてみました。

名無しさん投稿
>>477
>>479-480
>>510
>>522-523
>>525

528 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 10:38:22 ID:ayQWd2UJ
ttp://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=5318


7月12日は遊星記念日。これはガチ。

529 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 13:33:09 ID:w4Vb+9AD
すばるさん…ありがとうごさいます!!(*´∀`)なんか考えついたらまた投下していいですかね?(;´∀`)

530 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:31:35 ID:uLjNRf14

「コウくん、起きて、起きてってば!」
 夜中に美幸に起こされる。一体何時なのだろうか。
 枕元に置いてある時計を覗き込む・・・
「なんだよ、2時じゃないか。何か用か?」
「何って、流星群だよ!一緒に見るって約束したでしょ?」
「そうだったっけ・・・わかった、今起きる。」
 上体を起こすと急かすように美幸が腕を引っ張ってくる。
「慌てるなって、まだ時間にはなってないんだろ?」
「そうだけど、善は急げだよ。」
 美幸さん、何か言葉の使い方間違っているような気がしますが。
 ここは取り敢えず言われたとおりに急ぐことにする。
「それにしても、こんな都会で満足に流れ星なんか見れるのか?」
 美幸を従えベランダに出て空を見るが・・・
 さすが都会、ほとんど明るい等級の星しか見えない。
「・・・見えると良いなぁ。」
 空を仰ぎながら美幸が呟く。
 だが、予定時刻まで暫く時間が有るので見える気配は無い。
 視線を空から戻し、周りに視線を巡らす。

 海と山とに挟まれた港街
 我が家はその山裾にある。
 おかげで街の様子を一望できた。
 近くに人の気配は無い。
 ただ、遠くのネオンの光だけが街が生きていることを語っていた。

531 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:33:17 ID:uLjNRf14
「何見てるの?」
 不意に隣から声が聞こえてきた。
「この街の光は全部人間が作った物なんだなと思ってさ。」
「人間って凄いよね。何でも出来ちゃうんだよ。」
「その反面、これだけ多くの自然を破壊してるんだ。」
「あ、それって嫌かも。」
「人間も元は自然で暮らしてたからな。100万ドルの夜景とか言うけど、
 元々あった自然の方がそれ以上価値があると思う。」
「コウくん、なんか学者さんみたいな事言ってるよ。」
「そうか?それにしても、少し冷えるな。ユキは大丈夫か?」
「私もちょっと寒いかも、くっついて良い?」
 夏とはいえ、夜になるとさすがに冷えてくる。
 晴れていると放射冷却で尚更のこと
 半袖というラフな格好なので余計だ。
 ん・・・ちょっと待て、『くっついても良い?』??
「ちょ、ちょっと待った!」
「・・・・駄目?」
 ぅ、そんな懇願するような上目遣いで・・・
「し、仕方が無いな。ほら、こっち来いよ。」
 でも、実は凄く嬉しかったり。
 調子に乗って美幸の肩に腕を回す。

532 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:34:20 ID:uLjNRf14
「・・・ありがとう。」
 恥ずかしそうに俯きながら言う仕草が可愛い。
 何だか俺も恥ずかしくなって、誤魔化すように空を見る。
「そろそろだな、見えると良いけど・・・」
 続いて美幸も空を見る。
 だけど、まだ見えない。
「コウくんとこうして居られるなら、見えなくても良いかな♪」
「な、何言ってんだよ。」
「本当だよ、コウくんと一緒にいられるのが一番の幸せだもん。」
「よく平気でそんな事言えるよ・・・」
「だって、本当なんだもん。」
「ま、俺もユキを独りにさせるつもりはないからな。」
 そんな話をしていると唐突に流れ星第一号が流れた。
「あ、流れた!コウくんも見た?」
「見たぞ、小さかったけどな。」
「綺麗だね・・・」
 次の瞬間二個目が。
「あ、また流れたな。」
「え、嘘!?あぅぅ、見れなかったよぉ。」
「今のは大きくて綺麗だったなぁ。」
「コウくん、わざと言ってるでしょ?」
「そんな事はないぞ、正直な感想だ。」
「ぅー。次は絶対見るぞーっ!」
「ああ、頑張れ。」

533 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:35:22 ID:uLjNRf14
 その後、30分ほど二人で眺めていた。
 すると満足したのか、はたまた眠さに耐えかねたのか
 「もう寝るね、お休み。」と一言残し、自室に戻っていった。
「俺もいい加減寝るか・・・。」
 ベランダの戸締まりを確認し、自分も自室へ向かう。
 部屋のドアを開け、いざ快眠へ!・・・・と思いきや
 何故か美幸がベッドの上に座っていた。
「・・・何で俺の部屋にユキが居るんだ?」
「えへへ、一緒に寝ようと思って、駄目かな?」
「駄目に決まってるだろ!子供じゃあるまいし。」
「子供かどうかなんて関係ないよ。仲の良い二人が一緒に寝るのは当然のことだよ。」
「とは言ってもだなぁ、俺も男な訳で、お前に何するかわからんぞ?」
「コウくんだったら何されても良いもん。」
「お前、無防備すぎ・・・。」
「それに、コウくんは何があっても変な事しないでしょ?」
「いや、そうかもしれないけどな、遠慮ってもんを知れ。」
「良いじゃん、減るものじゃないんだから、ね?」
 そう言って腕に絡み付いてくる。
 俺が甘えに弱いことを良いことに・・・・
「あぁ、もう。分かった、勝手にしろ!」
「やったぁ!それじゃあ、お邪魔しま〜す♪」

 まだまだ夜は長そうだ・・・・。

534 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:37:08 ID:uLjNRf14
あー、遂に変な物を投下しちゃいました、ごめんなさい('A`)
先日、ディープインパクト計画があったので、彗星関連で書きました。
そろそろ新妹を登場させるべきでしょうか・・・。

535 :474の続き :2005/07/13(水) 22:41:56 ID:bZBoKDGV
「ど、どこから現れるんだお前は!?」
「ごめん、下から着信音が聞こえたからつい」
「屋上の更に上なんかで何してるんだか・・・」
「こっちの方が風が気持ちいいから、お兄ちゃんもおいでよ」

差し出された白い手を取りはしごを昇ると一面に広がる青い空。
涼しい風が頬を撫でて行く。

「なるほど、これは確かに気持ちいいな」
「うん、ここが一番空気が澄んでるよ」
「いつも昼はここにいるのか?」
「いつもじゃないよ、独りで静かにしてたい時にね」
「ふ〜ん・・・あ、そうだ、どら焼き食べるか」

片手に提げていた小さなビニール袋から食後のデザートを取り出し二つに割る。
しかし、我ながら不恰好に割ったもんだ。
大きさの明らかに異なる二つを二人して見比べてしまう。

「ありゃ・・・ま、いいや、ほら食べな」
「・・・お兄ちゃん、変わってないね」
「ん、何が」
「半分にした物は絶対に大きい方をボクにくれるよ」
「そんなの当たり前だろ」
「ちっちゃな時からそうだったよね、覚えてる?子供の頃の事」
「子供の頃か・・・確かにおやつはよく二人で分けてたっけな」
「あの頃はいつも一緒だったよね、楽しかったな・・・」
「俺が思い返すに楽しいだけじゃなかったなぁ、自転車の件とか」


536 :260 :2005/07/13(水) 23:00:19 ID:bZBoKDGV
遊星神、乙です。
これだけ沢山の妹を書いてきた事に、また書き続けている事に本気で尊敬しますよ。
これからも期待しております。

>名無しさん
ええい、ちくしょう!!目が霞む!!
GJです!

>二姉持ちの弟さん
七夕なんてすっかり忘れてましたorz
妹と流星群とはいいですなぁ、GJ!!
そのうち書きたいな・・・やっぱ無理かな
一つ書くのに二ヶ月程掛かるからなぁ・・・


537 :260 :2005/07/13(水) 23:01:26 ID:bZBoKDGV
すんません、sageを忘れてました。

538 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 01:20:19 ID:DYdkrKZc
>>名無しさん
ラストが…悲しくて…
泣けてくるっス……っ! 。・゚・(ノД`)・゚・。

>>二姉持ちの弟
良いですねぇ!流星群!
コウくんが羨ましいっス…!

>>260さん
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
二ヶ月も待ちきれないっスよ〜!

539 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 01:23:39 ID:DYdkrKZc
すみませんっ!
538で二姉持ちの弟さんに「さん」を付け忘れてしまいました……
本当にすみませんでした…… m( __ __ ;m

540 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/14(木) 12:28:37 ID:ovnTMS21
>>雨音は紫音の調べさん
え、あぁ。気にしなくて良いですよ、気にしないタチですし、気付きませんでしたから(汗

それにしても、平日の休みって言うのは暇ですね。
暇つぶしついでに今度は姉に言われたいセリフの方を書いてみようかな、とか考えてます。

541 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/14(木) 21:17:12 ID:Ke4vYw1X
遊星ネ申とか言われると、某ヒーロー番組を思い出すのは俺だけか……。

>名無し様
お疲れ様です。
あの……お邪魔して申し訳ありませんでした……。

>二姉持ちの弟様
GJっス。
なるほど、流星群ですか……。
姉スレの方も頑張ってください。

>260様
流石ですよ。
続き、期待してます!!

542 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 21:24:37 ID:DYdkrKZc
>>二姉持ちの弟さん
呼び捨てになってしまいすみませんでした…… m( __ __ ;m

姉SSの方も楽しみにしています!頑張ってください! ヽ(>▽<)ノ

543 :二酸化マシンガン処分品 :2005/07/15(金) 09:47:32 ID:pV5ds4JS
>>弟さん
もしや!葵姉のやつはあなたですか!!

544 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/15(金) 15:45:55 ID:h5SMfh5b
いえ、あれは別の神職人様の作品です。
・・・うちの姉どもを見てたら萌える姉SS書ける自信が無くなってきました('A`;)

545 :260 :2005/07/15(金) 20:28:09 ID:x6mq9Au1
当時の痛みを思い出すとついつい身震いしてしまう。
そんな俺を見て巴は昔を懐かしむ様に目を細めてクスリと笑う。

「自転車の練習、ボクが転ぶ度にお兄ちゃんが庇ってくれた・・・」
「まぁ、絶対に痛い想いはさせない約束だったからな」
「何度も何度も転んで、それでも嫌な顔一つせずに最後まで付き合ってくれた」
「補助輪無しの練習しようって言い出したのは俺だったからな」

無傷の巴と体中生傷だらけの俺というのは子供の頃は珍しい事じゃなかった。
他にも逆上がりの練習、スケートの練習と転んだ時の下敷きになった回数は
数え上げたらキリがない。

「練習してる時はいいんだけど風呂に入る時がキツかったな、あれは」
「でも、ボクは楽しかった」
「ああいうのも楽しかったか、そりゃいい思い出だな」
「うん、ボクの・・・ボクとお兄ちゃんの大切な思い出・・・お兄ちゃん、ありがとう」
「ん?どうした急に」

微笑みながら、それでも真剣な眼差しで巴は真っ直ぐに俺を見つめてくる。

「お兄ちゃんはいつでもボクの事を守ってくれたよね、ホントに・・・嬉しかったよ」
「よしてくれよ、そんな風に改めて言われるとなんか照れるだろ」
「・・・ふふっ」
「・・・変な笑い方」

まじまじと見つめて来たかと思うと急に巴は悪戯っぽく笑みをこぼす。
そんな人懐っこい笑顔も眩しい妹に妙な具合に照れてしまう。

・・・なんか悔しいが反則的に綺麗だよな、実際。


546 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/16(土) 20:20:36 ID:o2dxmPmt
>>545
お、続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
260様の書く兄妹、俺は好きですよ。

547 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/17(日) 01:25:57 ID:AZCToZ0K
妹はとてもよく笑う娘だった…
小さくてか細くではあるがよく笑う娘だった…
あの事件が起こるまでは…

○月○日俺は妹の中学の入学式の日
妹は少し落ち着かず俺に
「お、お兄ちゃん…わ、私にもお友達できるかなぁ」
俺は当時中三だった友人は多い方だった
勉強は…ダメだったが空手で中学生では有名だった
…最初はいつもいじめられていた妹を助ける為だけに頑張ってきた
「大丈夫だよ!美咲は俺の自慢の妹なんだから!」
「うん、うん!」
「あとなにかあったら俺が助けてやるから」
きゅっ
美咲は俺の手を握った
「ありがとう…お兄ちゃん…学校までこうしていていい?」
「…あぁいいよ」
4年半ごしの妹の学校生活がいいモノになることを心のそこから願いながら
見慣れた通学路を歩いた


(;´Д`)=3お久しぶりです忘れてるはずですが
よろしければご観覧ください

548 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/18(月) 12:37:11 ID:zKH+oFbu
GJ!!
続きが気になるーっスー!! モエェ(*´Д`*)ェエ工

549 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/18(月) 14:30:12 ID:YInOjRu+
そして入学式が始まった
「お!あいつ緊張してんなw動き固いし、今にも泣きそうだw」
「新入生着席!」



そして式が終わり上級生の俺らはもう帰りだ
新入生は校内見学とLHRがある
「お〜い!将!帰ろうぜ!」
「え?あっと俺は用事あるからさき帰っていいよ」
「はは〜ん…お前美咲ちゃん心配してんだろ!このシスコンがw」
「うるせ〜!…ただ、俺は…」
「まぁ、わからんでもないがな、美咲ちゃん弱弱しいかんな〜」
「でも美咲ちゃんのいいとこわかってくれるヤツいるさ、あんま心配すんな」
「あぁ…そうだよな帰るか直(大丈夫だよな美咲)」
そうこの男直春は唯一美咲と仲良くしてくれている俺の親友だ
軟派野郎だが根はいいやつ
「帰りにミスドいこうぜ!今日はなんていうか甘いもんくいてぇし」
「いいね!いこう」




550 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/18(月) 14:31:14 ID:YInOjRu+
「う〜ん美咲のヤツおそいな〜」
「ちょっと学校いってみよう…べ、別に美咲が心配なわけじゃ…」
心配だった
「はぁはぁ、あそこにいるのは…おい!美咲!」
「あ、お兄ちゃん」
「なにしたんだよ〜心配したぞ」
「ごめん…なさい…うぐっ」
「おい!別になかんでも!」
「お兄ちゃん…またお友達できなかったよ…みんなは楽しそうなのに
私また一人だった…う、う、ひっぐ、うわ〜〜〜ん!」
「大丈夫だよ!まだ初日だろ!もう」
(まだ初日…確かにそうだ…でも心配だった…)

はい、すいません駄文書きました
一応続きです

551 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/18(月) 16:10:59 ID:/1drsvCO
>>260氏の文章力は相変わらず素晴らし杉ますね
GJッす!

>>二酸化マシンガン自動式さん
GJです!今度は自動式ですかww

552 :260 :2005/07/18(月) 23:21:54 ID:el+XxdAF
「うふふっ、ごめんね。お兄ちゃんのそういう所、ホントに昔のままだから」
「そういう所って何が?」
「・・・照れ隠し」

人差し指をピンと立てて秘密をそっと明かす様に囁く巴。

「あははっ・・・まいったなぁ、しっかりバレてるか」
「もちろん、ボクはお兄ちゃんの事ずっと見てきたんだから」

見惚れていた事には気付かれなかった様でなによりだな。

心の中で漏れる安堵の溜息を知らずに微笑む巴を前に
さらに誤魔化すべく俺は盛大に欠伸をかます。

「ふぁ〜あ・・・それにしても、今日はポカポカだな」
「眠たくなった?」
「ああ、枕でもありゃなぁ」
「・・・枕ならあるよ、良かったら貸してあげよっか?」
「そりゃありがたい、是非」

少し考えるそぶりを見せたのが気に掛かるが折角の申し出を断る理由もない。

「けど、枕なんてどこに?」
「・・・ここ・・・」

頬を紅く染めてちょこんと自分の膝を指差す。
一瞬、思考が止まる俺。

膝?・・・つまり、膝枕?


553 :260 :2005/07/18(月) 23:49:54 ID:el+XxdAF
後もうちょいでこの話も完結。
しかし・・・最近暑すぎる。
シベリアにでも逃げ出したい気分だ。

> 雨音は紫音の調べさん
ゆるゆると続くssですが気長に読んで頂ければ幸いです。
書き始めるとそうでもないのですが一行書くのに一時間か
かる時もあったりしますw

> 遊星さん
ありがたいお言葉をどうもです。
出来の良さでは 遊星さんの所の妹達にはとても敵いませ
んが頑張って書いてますんでこれからもどうぞよろしく。
そして、一ファンとして次のお話を期待してます。

>すばるさん

そういってもらえるといくらか救われますw
書くたびにセンスの無さを思い知らされておりますよ。
もっと萌えるssを書けるようになりたいなぁ。

> 二酸化マシンガン自動式さん

GJです!!本気で萌えましたよ!!


554 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/19(火) 11:56:43 ID:GdvDfErP
>>260
妄想乙wwwwwwwwww
つまらないからやめろバーカww

555 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/19(火) 12:55:01 ID:jhqy86sG
>>554
そう思うならアンタが見なきゃいいだけ。
260さん、気にせず頑張って下さい!
釣られてしまったのかもしれないが・・
失礼いたしました。

556 :コンズ ◆.QEIQa0jSM :2005/07/19(火) 15:05:54 ID:poWE046G
遊星祭りっ、とてもGJでこざいました!!
皆様、素晴らしすぎですOTL

557 :終末 ◆.QEIQa0jSM :2005/07/19(火) 15:08:52 ID:poWE046G
やっぱコレでorz

スマソ

558 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/19(火) 15:54:07 ID:fUP9vwiH
次の日家にて
「はい、お兄ちゃん」
「あ、あぁ、ありがと」
食事は分担で作っているお袋は美咲を産んだ時に他界してしまい
親父は今海外で働いていた
「親父はおばさんの所でお世話になりなさい」
といったが俺は
「俺が美咲を守るから!」
とごねた
まだ責任という言葉もしらないガキがよくいうと今は思う
「今日ね、お友達ができたんだ…」
顔を真っ赤にしていう
「!!ホントか!!」
嬉しかった…我が事のように嬉しかった…
「うん…名前はね、清水 葉さんっていうの」
「授業の図書室の使い方で一人でね本読んでいた時にね」

559 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/19(火) 15:55:08 ID:fUP9vwiH
「はぁ〜暇だな〜そう思わない?美咲ちゃん!」
「(ビック!)え、え、えっと!(はわわなんで私にぃ〜)」
「ご、ごめんね〜そんなに驚かなくても!」
「はぅ、ごめんなさい…(はぁ〜嫌われちゃったかな…)」
「……かっわいい〜〜〜!!可愛いね美咲ちゃん!」
「決めた!もう私の親友に決定!拒否権は認めません!」
「わぁ!」
思わず椅子からおちちゃったよぉ〜
「私、葉!清水 葉っていうんだ〜葉って呼んでね!そんかわし私も美咲って呼ぶから!いい?」
「え、あ、は、はい〜し、清水さん」
「よう」
「え?は、はいよ、うさん」
「よう!」
「あ、あ〜う〜」
「はいはいわかったよ!ようちゃんで手を打とうOK?」
「は、はい!」
「敬語は禁止!」
「あう、」

「って感じで…変かな…」
「(うん変だ)そ、そんなことないぞ!」
「よかった〜お友達できたんだ…」
「泣き顔になるな!もう、でもよかったな」
本当によかった
「うん!」

続きです
多くは言いませんごめんなさい

560 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/20(水) 20:55:34 ID:rM/Ykwpq
夏ですなぁ……。
夏のお話、何か書きたい……。

>>260
何て言うんでしょうかね、260様のssは『キレイ』だと思うんですよ。
ほのぼのしてて、それでいて不自然じゃなくて。
そういうトコが凄いなーなんて思ってしまうわけです。はい。
つまり、暑くて大変でしょうけど、楽しみにしてるんで、頑張ってください。と。

561 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/22(金) 10:06:28 ID:+1dp5BA4
続き
「ふぁ〜ねみい〜」
「ごめんねおにいちゃん…」
「いいよ別にそれだけうれしかったんだもんな〜(う、そんな目されたらこういうしかないだろ!)」

昨日急にふとんに入ってきて
「あの〜おにいちゃん…一緒に寝てもいい?」
「あ、あぁいいよ別に(こいつわざと?)」
「あのね…お兄ちゃんと春くんと仲良くなったときどういう感じだったの…」
「あぁ〜あれは…ね」
「なに?」
「内緒だ」
「え〜」
「そのかわり友達ともっと仲良くなる方法おしえてやろう!」
「いいの?」
「(がくっ)い、いいの〜ってなんだよw」
「だって〜」
「まぁいいじゃあよ〜く聞けよ〜」
ってなやりとりがあった


562 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/22(金) 10:07:28 ID:+1dp5BA4

「(かぁ〜)う、うん」
「だからいいよ、美咲はほんと小動物だな〜」
「私は人だよ〜」
「はいはいwぶすくれるな」
よしよしと頭をなでる
「うん、もうおこってないよ」
「あぁ〜あれ怒ってたの、わからんかった!ははは!」
「ぶぅ〜!」
「あはは!遅れるから置いてくぞw」
「まぁって〜!」

まぁ過去編はまだ続きます
すいませんこんなんでスレ数増やしちゃって
俺!死ねばいいよ!うわ〜ん!

563 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/22(金) 10:32:29 ID:6orxjwCy
夏ですねー・・・妹SS書きたいなー・・・海ー海ー
ノートPCのUSB壊れたー もうお金貯めてPC買った方がいいんですかね・・・


>>二酸化さん
乙ですー。
二酸化さんの作品のキャラって何か新鮮でいいですね。

564 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/24(日) 13:46:27 ID:IHh60M7u
|ω・`)つ コソーリ【 http://www.geocities.jp/you_say712/

台本書庫(候補)
とはいえ、まだ何も無い。
今は遊星専用っぽいけど、そのうち他の方々のも……。

565 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/26(火) 14:45:48 ID:Jv774xZV
「お兄ちゃん、この水着って似合う?」

566 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/26(火) 15:36:30 ID:6KS+U31I
>>遊星さん
保管庫作成乙です。
作品が保管される日を心からお待ちしております。

567 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/26(火) 21:48:41 ID:vtyFpkH9
「お兄ちゃん…台風来るんだって…」
「そうだな」
「風がゴウゴウなってるよ…」
「まぁ、台風来てるからな」
「カミナリ鳴るかな…?」「鳴るかもね」
「…カミナリちょっと怖いかも…」
「雷鳴るとしてもどーせ寝てる時だろ?」
「でも…やっぱり怖いかも…」
「怖がりは大変だなぁ」
「あのね……」
「ん?」
「だから…今日一緒に寝てくれないかな…なんて…」


>>遊星さん
GJです!

568 :二酸化マシンガン夜間迷彩 :2005/07/26(火) 23:54:39 ID:iwE6DdS9
「台風怖いね…」
「ははは!お前吹き飛ばされるんじゃないか!」
「そそそんなことないもん!…あれ?」
「お前!なにないてるんだよ!冗談くらいわかる年だろ!?」
「ヒッグ…わかってるわかってるよ〜…でもおにいちゃんと離れ離れになること頭に
浮かんじゃって…え〜ん!」
「もう…大丈夫だよ俺が離さなきゃいいことだろ?」
「うん…うんおにいちゃん…離しちゃやだよ…」
「わかったよ、たく」

まだこいつからはなれるわけにはいかないな…こいつに好きなやつができるまで

でもなんかムカつく


なんてーかすいません
ちょいとあるゲームやってたらかきたくなって
つーか続きはもうちょいまってください(待ってる人いないと思いますが)
では!

569 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/27(水) 08:18:37 ID:scEQrax8
私はお待ちしてますよ!
しかし夜間迷彩と聞くとどうしてもダンバイn(ターン

570 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/27(水) 09:24:44 ID:VlUdtzoZ
僕も待ってますよ

571 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/27(水) 20:54:09 ID:O5iv0rAw
ふぅ……とりあえず俺の分は保管完了。
不具合があったら、メールくれるとありがたいです。

572 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/27(水) 21:23:41 ID:Te6RL0Rb
>>遊星さん
激しく乙です!
ヤバイ・・明日テストの山場なのに読みたくて仕方ない・・

573 :二酸化マシンガン実は爆弾 :2005/07/28(木) 15:15:06 ID:UWvdl349
うぅ…(つω・`)みんなありがとうです
今いそがいなので待っていてください!
必ずしも書きますから(`・ω・´)ゞ

574 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/28(木) 19:10:37 ID:PtQGQ8vl
やぁ皆。
夏だね。
相変わらず、良いものを書いて居るみたいだね。
安心したよ。
あれだ・・私にもそのエネルゲー、分けて欲しいね。

>>47-61 >>83-97 >>133-147 >>205-219

此処等辺に興味の無い方、見ると反吐が出る方は。
今の内に、「:」をNGにしといて下さい。
その内、そんなのを貼りに来ますので。
嗚呼・・暑いね。

575 :なぜなに月下:ごにちめ :2005/07/29(金) 02:55:54 ID:UwjDIQtE
「有紗とっ」
「五十鈴の」
「なぜなに月下、あらすじ編〜」
「粗筋、ねぇ」
「おう。 しばらくバックれてたから、忘れてる人も多いだろーと」
「・・憶えてる人、居るのかしら」
「まぁちゃっちゃとやりましょうっ。 はい、キュー」
「・・・・ログを読みなさい。 以上」
「おいおいおいおいおいっ。 それじゃクレームしか産まない不毛の大地だよっ!」
「良いじゃない・・ログも読まない人は、こんなのスレ違いで読み飛ばすわよ」
「そ、それもそうだ・・そう、月下はザ・スレ違いなのでしたっ」
「じゃあ終わりましょう」
「うん・・っておいっ! 折角のわたしの出番をっ! 嘘、大袈裟、紛らわしい、CEROに訴えるよ!?」
「それはJARO・・しかも関係無いわよ」
「にゃんこちゃんは彼氏出来たんでしょ?」
「・・・・行き成り話を変えるわね。 ・・まぁ、一応、ね」
「ふむむ・・。 あとは奈菜ちゃんの恋路の行方だけだね。 がんばれ奈菜ちゃん!」
「誰との恋よ」
「もちろんお兄さん」
「・・・・実の兄妹は、不味いんじゃないの?」
「大丈夫! 何故ならここはっ!」
「妹スレだから・・って事ね?」
「そうさおういぇ〜っ!」
「それじゃあ奈菜にも頑張って貰いましょうか」
「そうさ! 板違いに成らない範囲でねっ!」
「・・・・・・・・どんなよ・・」
「そりゃもう、エロエロ」
「今日は此処迄」
「お? 結構純情派?」
「貴女が不純なのよ。 じゃ、また本編でね」

576 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 1 :2005/07/29(金) 02:58:59 ID:UwjDIQtE
 世界は千十一の要素で構成されて居る。
 私は、『血』。
 要素の、一つ。
 世界の、一つ。
 私は世界で在り、世界は私でも在る。
 私が変わる時、世界が変わる。
 ――私は、変わる。
 ヒトに、近付く為に。
 或いは其れは、愚かな事かも知れない。
 私は、決して、人間では無いのだから。
 伸ばしても、手は届かないのかも知れない。
 けれど、私は、伸ばし続ける。
 伸ばした手を、掴んでくれる人が居る。
 掴もうと藻掻く私を、励ましてくれる人が居る。
 私と同じ道を、歩む人が居る。
 私と、私の大切な人達の為に。
 私は、手を伸ばす。
 変わる為に。
 変える為に。
 私は、変わる。
 世界を、変える。
 私は『血』。
 己が司るものの為に。
 己自身を変えてみせる。
 私は『血』。
 世界の一つ。
 そして、世界其の物。
 そして、私は――ヒト。




577 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 2 :2005/07/29(金) 03:00:41 ID:UwjDIQtE
「ふぅ・・・・」
「・・何よ、溜め息なんて」
 思わず出た其れに、五十鈴が反応する。
「疲れてるの?」
「ん、まあ、な」
「色々大変だったみたいだね。 あの子とお兄さんに言い訳とか」
「嗚呼・・特に有紗・・・・涙目で迫られると、な・・嘘の罪悪感、と云う奴か」
 五十鈴の座るベッドの右手、詰まり私の向かいに座る秋に答える。
「・・お墓、作ってくれたんだっけ?」
「ん、猫の、な」
「・・奈菜・・・・その」
「謝るなよ。 済んだ事だ」
「・・・・分かった。 有り難う」
「飼い猫が死んだんだ。 当然の事をした迄さ」
 猫のセツは、事故で死んだ。
 私も巻き込まれ、軽い怪我を負った・・そんな言い訳。
 心苦しいものは在るが、二人を是以上巻き込む訳にも行か無いだろう。
「さて・・そろそろ出ようか」
「そうね、もう時期面会時間も終わりだし」
「毎日晩くまで、悪いね」
「友人を見舞いに来て、晩く成ってしまうだけだ。 普通だろう?」
「はは、それもそうだ。 でも、お兄さんと一緒、が良いんじゃないかい?」
「・・・・有紗みたいな事を言うな。 お兄ちゃんは・・」
「お兄さんは?」
「・・・・・・補習だ」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・ご愁傷様、ね」
「・・お兄ちゃんの、努力不足だ」



578 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 3 :2005/07/29(金) 03:05:38 ID:UwjDIQtE

「只今」
「お帰り」
 リビングから、出迎えの声。
「ちゃんと真っ直ぐ帰って来て居た様だな」
「お前は俺の保護者か」
「足が治る迄はな」
「・・・・了解」
 リビングに入り、ソファーに座る。
「直ぐ無理をするからな、お兄ちゃんは」
「そうかぁ?」
「そうだ」
「奈菜の方が、よっぽど無理してると思うんだがなぁ?」
「私・・がか?」
 不意を打たれ、隣の史也を見詰め返す。
「おうよ。 こないだだって、セツ助けようとして・・怪我したんだろ?」
「嗚呼、うん・・・・まぁ、な」
 少し、視線を泳がせて仕舞う・・嘘と云うものには、慣れないな・・・・。
「それに、すぐ自分だけで抱え込んじまう。 限界の限界まで、な」
「・・・・・・そう、かも・・な」
「俺はよぉ、奈菜がいつか背負ってるもん背負いきれなく成って、潰されやしねーかと心配なんだよ」
「・・・・・・」
「ま、話聞くだけなら出来っから・・な? 何時でも頼ってくれていーぜ。 頼りになんねーけどな」
「そんな事、無い・・。 頼りに、してる」
 史也は・・是以上の無い、私の支えだ。 私の、生きる、理由・・だ。
「・・あー・・・・帰って来てすぐの話じゃねーな。 ま、あれだ・・・・晩飯でも食うか?」
「・・そうだな。 夕飯にしよう」
「それじゃ、たまには奈菜がつく「断る」」
 ――間。
「・・私だって、美味いものの方が良い」

579 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 4 :2005/07/29(金) 03:07:40 ID:UwjDIQtE
「花嫁修業とか、する気無い訳?」
「行かないから良い」
「・・お前ね」
「奈菜ちゃんは、お兄さんの元で幸せになるので料理スキルなんざ必要ないんですっ」
「っ!」
「おわっ、有紗ちゃん!?」
 突然の割り込み声に、私も大声を上げそうに成った。
「・・・・有紗」
「なにかな?」
「何時から、何故、家に居るんだ」
「最初からいたよ」
「・・俺も気付いてなかったんだけど」
「お兄さんは鈍いから♪」
「そんな問題じゃないと思う・・」
「今日はね、久し振りにお兄さんの料理が食べたくなりましたっ」
「・・・・・・そうか。 なら、食べて行くと良い」
「ん、それじゃ今日のメニューは有紗ちゃんの好きな料理でいこうかな」
「お、カレーですか? 楽しみですー」
 ――――有紗の父は、他界して居る。
 そして残された母は、女手一つ・・と云った次第だ。
 ・・・・しかし酷なもので、彼女は遺伝性の心臓病と云う、病持ちでもある。
 倒れれば、有紗は祈るしかない――其れは、幼い頃から有紗を縛る、茨。
 だから、何時からか・・有紗の母が帰らぬ日には、我が家の夕飯に有紗が加わる様に成った。
「今晩は泊まってくんだろ、有紗ちゃん」
「良いんですか、お兄さん?」
「初めからその心算だろう」
「ふふ、さすがは奈菜ちゃん! わたしのことなら何でもお見通しってヤツだね?」
「二人とも手伝ってくれよ。 こういうときゃ、皆で作った方が美味いもんだ。 ――あ、やっぱり奈菜は手伝わなくていいぞ」
「・・如何云う意味だ」
「そういう意味だ」

580 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 5 :2005/07/29(金) 03:09:04 ID:UwjDIQtE
「ならボクが手伝おうか」
「っ!」
 背後からの声に、又も上がりそうに成る声を抑える。
「お邪魔してるよ」
「・・・・・・何故此処に居る、ウィル」
「ああ、俺が呼んだんだ。 事故ん時世話に成ったらしいから」
「うげぇ、変態銀髪っ! こんな所まで奈菜ちゃんのストーカーっ?!」
「有紗、史也の話、聞いてたかい?」
「聞いてたわっ! 一度たまたま偶然奈菜ちゃんを助けたからって、それにつけ込んで家まで無遠慮に! 恥を知りなさい!」
「恥は純血日本人の君に任せるよ。 史也、何をすれば良いかな?」
「ジャガイモの皮むきでも頼もうか。 地味だけど」
「地味な仕事は嫌いじゃないよ。 引き受けた」
「わ、私を無視するにゃーっ!」
「有紗ちゃんは他の食材切り分けてもらおうかな」
「あ・・は、はい、分かりました」
「よし、くっきんスタート」
 それぞれが仕事に入る。
 地味なカリスマ性だな、史也・・・・所で。
「・・・・お兄ちゃん、私は?」
「ん? テレビでも見てろよ」
「・・・・お兄ちゃん」
「睨むな睨むな、冗談だ。 丁度福神漬け切らしてたから、買って来てくれ。 コンビニ行って」
「・・まぁ良い。 分かった、買って来る」
「あ、奈菜ちゃん出るの? 一人じゃ危なくない?」
「ボクがつい「アンタは黙ってて」」
「・・・・一人で大丈夫だ。 行って来ます」
「おう、行ってらー」
 史也の送る言葉を背に、外に出る――と、見慣れない男。
「よう」
「・・・・誰だ」

581 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 6 :2005/07/29(金) 03:11:46 ID:UwjDIQtE
「ウィルのお仲間ってとこかな」
 千客万来とは、この事か・・。
「何の用だ」
「一人じゃ心許なかろうと思ってな。 この前みたいに、行き成り何か仕掛けられないとも限らん」
「・・・・そう、だな。 じゃあ、付いて来て貰おうか」
「おう。 俺はエイジ」
「知って居るとは思うが、奈菜、だ」
「ん、宜しく」
「それじゃあ、行こうか。 ・・エイジ、お前も食べて行く気か?」
「あーいやいや。 もう一人仲間が居てな、腹空かして待ってるから食いもん買って帰るわ」
「その序で、と云う事か」
「ま、そんな感じだ」
 街灯が照らす、コンビニへの短い道を歩く。
 そこそこ近い場所なので、偶に史也が利用したりする。
「・・お前らの目的は何だ?」
「あん? 俺らの?」
 暫し、考える仕草。
「分からん」
「・・・・おい」
「いや、マジ。 俺らはウィルに付いてってるだけだからな。 奴に聞いてくれ」
「・・ウィルに聞いても答えないから聞いたんだがな・・・・なら、お前等は如何云う関係なんだ」
「ウィルは・・命の恩人、かな」
「ウィルがか」
「そ。 俺らは『新しい要素』なんだよ」
「『新しい要素』?」
「そう。 世界誕生の頃から在る要素じゃなくて、それ以降から生まれた要素。 ウィルは違うけどな」
「・・・・要素が新しく、『生まれる』? そんな事が、在るのか?」
「『死ぬ』事が在るなら、当然だろ」
「・・・・」
「俺ら『新しい要素』の存在を認められない奴らも居てね。 そういう奴らから、身を護る手段みたいなのを手解きされたり、な」


582 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 7 :2005/07/29(金) 03:13:42 ID:UwjDIQtE
「新しいものを、認められない・・」
「あんたの敵と同じ様な所もあるな。 ・・ま、身を護る手段つっても、逃げ方とかだけどな。 ――着いたぞ」
 上げた視線、コンビニの光に一瞬目が眩む。
 ――そして浮かぶ、幼いシルエット。
「・・・・お前、何で此処に居んの」
「エイジ〜、おそいぃ〜。 マイ、おなかへったぁっ!」
「だからって此処まで来るか・・このアホ」
「なんでアホっていうの、バカエイジっ」
「今この街がどんだけあぶねーか、分かってんのかテメーは」
「しらない! いまはマイのおなかがあぶないのっ!」
「コイツは・・・・はぁ、まー良い。 とっとと買い物済まして帰るぞ」
「それでよろしい」
 ぺしっ。
「いたっ! なんではたくの、バカエイジ!」
「イラついたからだ」
「いしゃりょうよこせー!」
「飯は要らんのか」
「マイねー、ツナマヨおにぎりがたべたいなー」
 ・・・・漫才の様なコンビだな。
「・・家で食べて行くか?」
「「え?」」
「良いのか?」
「いいのっ?」
「・・同時に喋るな。 今更一人二人増えた所で変わらん。 どうせお兄ちゃんも多めに作って居るだろうしな」
「わー、ひさしぶりにまともなメシにありつけるっ」
「・・妙な言葉ばっか憶えやがって。 悪いが、是非頼む」
「ん。 大勢の方が、楽しいだろう。 さっさと福神漬けを買って帰ろう」
「おお、カレーだねっ? マイねー、カレーも好きー」
「そうか。 有紗と気が合いそうだな」



583 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 8 :2005/07/29(金) 03:15:42 ID:UwjDIQtE

「お風呂上りましたー」
 有紗の声が、リビングに響く。
「おー、そっか。 んじゃ、俺も入るかね」
 時計は、短針が十と十一の間を指して居た。
「それじゃ、私達は先に寝るぞ」
「んー、お休み」
「お休み」
「お休みなさーい」
 階段を登り、私の部屋に二人で入る。
「いやいや、中々賑やかな夕べでしたなー」
「賑やかと言うより、騒々しかったな・・」
「まぁ、あれ位騒がしい方が楽しいって事で!」
「・・大半、有紗が騒いだんだがな」
「そう、あの変態銀髪! 事あるごとに、奈菜ちゃん狙いやがってっ」
「・・・・・・もう寝るぞ」
「あ、奈菜ちゃんっ」
「何だ」
「一緒・・良いか、な・・・・?」
 私のベッドと私自身を見ながら、遠慮がちに尋ねる。
「・・他に何処に寝る気だ」
 二人では少々狭いベッドに、並んで横に成る。
「電気、消すぞ」
「うん」
 カチ、カチ。
 二つの段階を経て、暗闇が私の部屋に満ちた。
「奈菜ちゃん」
「何だ?」
「・・手」
「うん」

584 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 9 :2005/07/29(金) 03:18:17 ID:UwjDIQtE
 伸ばされた手を、握る。
「・・・・奈菜ちゃんは、私のお姉ちゃん」
「・・ん?」
「そんな、イメージ。 昔は、すごく大人な感じで・・私のお姉ちゃんみたく、見てた」
「今は?」
「・・・・すごく優しいお姉ちゃん」
 ふふふ、と笑い声。
「妹よりかわいーお姉ちゃんなんて、反則だー」
「・・有紗の方が、余程可愛いと思うんだが」
「うそだー」
「有紗は・・自分に素直に成れる。 私には、無理だ」
「奈菜ちゃん、最近段々素直に成ってるじゃん」
「未だ未だ有紗には敵わないさ」
「私も結構素直じゃないとことか、あるよー?」
「知って居る」
「・・何でもお見通しだね」
「有紗程じゃ無いさ」
「もー、さっきからそればっか」
「そうだな。 ――――有紗」
「んー?」
 空いて居る方の手を、有紗の頭に回し、撫でやる。
「・・素直に成って良いぞ」
「奈菜・・ちゃん?」
「大丈夫だ」
「・・・・・・・・奈菜ちゃ・・・・ぐす・・・・ななちゃぁ・・っ」
「よしよし・・」
「ふぇ・・ぇ・・・・奈菜ちゃん・・お母さん、おかあさんがぁ・・・・」
「大丈夫だ・・お母さんなら、又直ぐに良く成るから」
「だって・・だってぇ・・・・今度は、ダメかもしれないよぉ?」
「大丈夫・・お母さん、何時だってちゃんと、帰って来ただろ?」


585 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 10 :2005/07/29(金) 03:20:27 ID:UwjDIQtE
「ぐす・・・・だって・・だって・・・・・・おかあさん、おかあさん・・がぁ・・っ・・・・うえぇぇ・・」
「よしよし・・・・大丈夫・・大丈夫だから――」
 泣き疲れて、眠る迄・・私は、有紗に言い聞かせ続けた。


 暗闇がその場を支配して居た。
 彼女に意識が戻っても、瞳は一切の光を捉える事が出来なかった。
「――目が覚めたかしら?」
 覚醒し、どれ程の時間が経ったのか――或いは、間髪置かずにで在ったのか。
 次にその場を支配したのは、少なくとも彼女のものでは無い、女性の声。
 その声を辿り、記憶を引っ張り出す。
 自分は、何故此の様な状況に置かれて居るのか。
 相手――声の主は誰なのか。
 そもそも、自分は誰だったのか・・。
「――『恐怖』」
 口に出た、相手の名前。 其れを糸口に、一気に記憶が蘇る。
「貴様――此処は・・何の、心算だ・・」
「私は逃げやしないわ。 ゆっくり整理しなさい、焼」
「・・・・・・・・・・・・此処は、何処だ」
「貴女の学校の、保健室」
「出鱈目を、言うな」
 学校――何年も見続けた、ヒトとしての己の職場。
 其処を、見間違う筈が無い。
「本当よ。 少し、暗くして居るけれどね」
 闇が、彼女の声に蠢いた。 『恐怖』――二人目の眷属。
「・・私を、何故生かして居る。 如何する心算だ」
「ふふ・・また操るのも、良いかも知れないわね。 前よりもっと簡単よ?
 貴女には、私に敗れた・・『恐怖』が、刻み込まれて居るんだから」
「く・・っ!」
 見える訳では無い。 それでも、焼は虚空を睨み付けた。


586 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 11 :2005/07/29(金) 03:21:55 ID:UwjDIQtE
「うふふ・・安心して。 私が貴女に与えるのは――寧ろ、幸福よ」
「何を・・・・」
「其れは、私の幸福では無いけれどね・・ふふ」
 瞬間、蠢く闇は焼を中心に集結した。
「っ・・! 何、を・・・・!!」
「――左様なら、焼」
 闇は焼の意識へ染み、徐々に、徐々に、彼女の意識を奪って行く。
 其れは寧ろ、甘美とも言える・・眠りへの、誘い。
「貴女の使徒としての生命は・・・・此処で、終わる。 お休みなさい――」


 閉じて居た瞼を、ゆっくりと開ける。
「何を『視て』いた?」
「――やぁ、エイジ。 起きて居たんだね」
「未だ日付も変わってねぇよ」
「そう言えばそうだ」
 備え付けの冷蔵庫から、ミネラルウォーターを取り出し、二つのコップに注ぐ。
「ほれ」
 差し出す右手に、其の片割れ。
「有り難う、頂くよ」
 つい、と一口。
「で、何を?」
「・・・・彼女さ」
「それじゃ分からん」
「『恐怖』」
「・・何か、動いたのか」
「まぁ、ね。 ちょっと予想外・・だけど、案外予想内」
「・・どっちだよ」
「ふふ、どっちだろうね。 まぁ其れより差し迫った問題が在るよ」
「何だ」


587 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 12 :2005/07/29(金) 03:23:11 ID:UwjDIQtE
「近々『狩り』が来る」
 エイジの、動きが止まる。
「・・・・何人位だ?」
「根源一人と、現象一人・・後は」
「後は?」
「――――始原」
「なっ・・・・?! 始原が、『狩り』なんぞに参加するってのか!?」
「ふふ・・彼は、昔っから融通が利かなくてね。 『新しい要素』なんて、認められないんだよ」
「笑い事じゃねぇだろ・・」
「そう、だね。 ・・・・エイジ」
 表情に、真剣なものが加わる。
「・・・・何だ」
「頼みが、在る」
「何を今更」
「・・・・君の命に関わる」
「・・・・・・」
「彼は、奈菜を『殺し』に来る。 『世界の変容』を、潰しに」
「『恐怖』と、同じだな」
「『恐怖』も、『殺さ』れる。 彼女も、変わり過ぎた」
「・・・・皆殺しかよ?」
「はは、殆どそんなものだね。 其れで、だけど」
「ああ・・」
「君の命・・ボクに、くれ」
「はっ・・・・そんなもん、当の昔にくれてやってるぜ」
「・・・・済まない」
「・・マイは――」
 向かいのベッドを見遣る。
 布団に包まり寝息を立てる、小さな生命。
「――彼女も、だね・・」
「・・・・未だガキだが、その覚悟ぐらい、出来てるだろうさ」

588 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 13 :2005/07/29(金) 03:24:30 ID:UwjDIQtE
「・・御免よ。 ボクの、我が儘で――」
「言いっこ無し、だぜ。 そんくらいしねぇと、とても返せる恩義じゃねぇからな」
 煽り、コップの中身を飲み干す。
「何をすりゃ良い」
「時間を稼いで欲しい」
「時間?」
「奈菜と、彼女が決着を付ける迄の時間」
「お安い御用だ・・と言えないのが辛い所だな」
「頼む」
「おーけい、やるだけやってみるさ」
 立ち上がり、窓を見る。
 ガラスに映る、エイジとウィル。
「ウィル」
「何だい?」
「お前が、奈菜に――あの二人に拘る理由は何だ?」
「・・・・・・」
 コップに残った水が揺れる。
「奈菜は・・・・ボクに似てるんだ」
「・・ウィルに?」
「ふふ、そう、ボクに。 だから――」
 水を、一気に飲む。
「だから・・ボクの代わりに――――見付けて、欲しい・・」


「・・風、騒ぐわね」
 深夜の病室。 五十鈴の声が、暗い病室に響く。
「そうだね」
 答える声は、秋。
「――『狩り』が、来るって」
「・・『狩り』?」

589 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 14 :2005/07/29(金) 03:26:21 ID:UwjDIQtE
「『世界』の中の・・新しいものを認められない人達。 『変容』を、潰しに来る」
「・・・・あの時の、私と、同じ・・?」
「そうなのかも」
「そう・・」
「・・難しいかも知れないけど、姉さんは僕が護るから」
「何言ってるの。 弟らしく、私に護られてなさい」
「もう姉弟じゃなく、恋人同士でしょ?」
「こいびっ・・・・んんん・・まぁ、その・・ね」
「はは。 それじゃ・・退院の準備しとこう」
「退院って・・」
「すぐに出られる準備、って事。 病院でやりあう訳にも行かないでしょ」
「そう、ね・・動き易い服、用意して貰わなきゃ」
「ああ、あれ良いんじゃないかな。 ほら、姉さんと初めてデートした時の」
「でっ、デートじゃないわよ、あんなのっ! 一緒に映画見ただけじゃないの!」
「どの日の事とは言ってないんだけどな〜?」
「うっ・・・・しまった・・」
「――立派に、デートだったよ。 楽しかった」
「・・私も・・楽しかったわよ」
 秋と五十鈴の、記憶。
 『切』と『断』が体験した訳では無いが、其れは確かに、二人の記憶なのだ。
「はは、洒落っ気の無い服だったけどね」
「う、五月蝿いわね! 私なりに精一杯お洒落したのよっ!」
「知ってるよ。 可愛かったよ・・珍しく」
「・・余計なのよ、一言」
「未だ、もっとデートするんだ。 死んでなんか、居られない」
「・・・・当然よ。 私達は、生きるの」
「変わり続ける世界で」
「変わり続ける、永遠と共に・・ね」




590 :月影に踊る血印の使徒:第五夜 15 :2005/07/29(金) 03:28:11 ID:UwjDIQtE
「・・・・世界が、存する為に」
 男は呟いた。
 誰にとでも無く。
 或いは、己自身へ。
「変容等を、認める訳には、行かない――」
 男は続けた。
 相変わらず、その声を聞くのは男自身のみであった。
「・・・・世界の為に」
 重い扉を開く。
 明るい日差しに包まれて、男の護るべき『世界』は存在して居た。
「・・・・世界を、殺す」
 決意。
 或いは、固執。
 何年も何年も――ヒトならざるものとして生きた、己に課した・・宿命。
 或いは、意味。
 陽光の下、銀色の髪が輝く。
 瞳に宿るは、決意の光のみか。
 揺れる其れには、微かに――悲しみ。
「行くぞ」
 其の呟きを聞いたのは、男だけでは無かった。
「・・承知」
 答える其れも又、ヒトならざるもの。
 二人の『使徒』。
 『狩る』は、『使徒』。
 世界の為に、世界を殺す。
 其れは、矛盾では無いのか?
 或いは、そうなのかも知れない。
 世界の為に、世界を殺す。
 揺れる瞳に微かに陰る悲しみは・・死に行く世界への悲しみか。
 或いは――――――――。

591 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/29(金) 03:33:47 ID:UwjDIQtE
まぁリハビリって奴だ。
月影に踊る血印の使徒 第五夜 >>576-590

決戦前話ー。 会話イベントオンリー。
輪を掛けて面白くねー。
お陰で容量が軽い軽い。
後二、三話(!)で終わりますよぅ。
風呂敷畳むのは苦手やで、ホンマ。

592 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/29(金) 09:23:04 ID:05Stc9zU
たゆん様の降臨キターーー!!

593 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/29(金) 22:07:08 ID:LVAWDxQG
姐さんキタ――(゚∀゚)――!
金曜に来ると言われてからずーーーっと待ってましたよ!
乙です!

594 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/31(日) 00:23:53 ID:MIbSus30
自演褒め乙

595 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/31(日) 08:19:35 ID:fkDytcVw
まあ確かにつまらんわな

596 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 11:04:19 ID:U1scoXLp
(´ー`)y−~~~

597 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/31(日) 11:32:25 ID:mf1OYX2N
つうか意味がよくわからん

598 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/31(日) 12:25:05 ID:Z/johIH1
私も最近分からん。

599 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/31(日) 13:34:26 ID:ryhbClDe
(´・ω・`)おやおや

600 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:04:00 ID:U1scoXLp
俺だって、このスレナンバーワンの台本書き(選考方法:年功序列)!!
このまま何もしないではいられねぇ!!新キャラ引っ下げて登場だ!!

「んー!!終わったー!!」
ノートを閉じ、制服のシャツのボタンを一つ外し、大きく背伸びをする。
真っ青な空、白い雲。自分の体を忘れそうなほどハッキリとキレイに見えた。
今日の夏季補習も無事終了。
残り何日かなー。なんて考えると、ワクワクしてくる。
そんな俺は、足取りも軽く、教室を出る。
すると……制服を着ていない少女が立っていた。
シンプルなワンピース。艶やかな黒髪。そして、透き通るような白い肌。
その少女は何かを探すようにキョロキョロしたり、教室を覗き込んだりしていたが
俺の姿を見つけると、パッと表情が明るくなった。
「お、お兄ちゃん……!」
「羽音ちゃん……?どうしたの、こんなトコで?」
この少女の名前は霧島羽音。俺の従妹になる。
羽音は隣の市に住んでいて、今まではなかなか会う機会がなかったのだが、
俺が今年、こちらの高校に入学し、通うことになり、こうしてたまに顔を見せるようになった。
「お、お兄ちゃん……えっと……その……」
「……?」
「ほ……」
「ほ……?」
「えっと……えっと……」
深呼吸。
「補習、お疲れ様でした!!こ、コレ、お弁当っ!!」
恥ずかしそうに紺色の包みを差し出す羽音ちゃん。
俺はそれを丁寧に受け取って、
「お弁当……?」
「は、はい!!お昼からも頑張ってください!!」
勘違いしてるわ……。

601 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:05:32 ID:U1scoXLp
「あ、あのね……羽音ちゃん……」
「はい!!」
「補習……午前中だけなんだけど……」
「えっ!!」
固まる羽音ちゃん。
そして、
「あ、えっと……す、すいませんでした!!」
俺から弁当の包みを奪い取り、走り去ってしまった。
「ちょ!?は、羽音ちゃん!?」
急いで追いかける。
しかし、気付いたときには羽音ちゃんの背中は遥か彼方……。
羽音ちゃん、早ぇ……。
しかし、さすがに俺も男だ。
プライドをかけて、全力で走る。
カーブを最小限で駆け抜け、階段を飛び降り、
やっとのことで、羽音ちゃんが大分近づいてきた。
周りの生徒が迷惑そうに見ているが、そんなことを気にしている余裕はない。
ラストスパート!!
最後の力を振り絞り、何とか羽音ちゃんに追いついた。
「羽音ちゃんっ!!」
羽音ちゃんの肩に手をかける。
「お、お兄ちゃん……?」
羽音ちゃんが急に足を止めて振り返った。


602 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:06:13 ID:U1scoXLp
「どうして逃げるの?」
「だ、だって……失敗しちゃって……」
「失敗?何を?」
「えと……だから、お弁当いらないのに……」
俯く羽音ちゃん。
優しくその名を呼んだ。
「羽音ちゃん」
「は、はい!!」
背筋をピンと伸ばし、返事をする羽音ちゃん。
「俺、家遠くて、今から帰ると一時半くらいになるからさ。弁当持って来ようか迷ったんだよね」
「……」
「で、結局面倒で作ってこなかったんだけど……何かお腹空いちゃったなー」
横目で羽音ちゃんを見る。
「お、お兄ちゃん……」
「何かな、羽音ちゃん」
「こ、コレ……食べて……ください……」
羽音ちゃんは、ゆっくりと遠慮がちにさっきの包みを差し出す。
「お、何コレ?」
「え、えと……お弁当です……」
「ありがとう。嬉しいよ」
俺は左手でお弁当を受け取り、右手で羽音ちゃんの頭にポンと手を置く。
「は、はいっ!!ありがとうございますっ!!」
「羽音ちゃん、お昼は?」
「えっと……私も、お弁当を……あ、あれっ!?」
「どうしたの?」
「お弁当……忘れちゃいました……。帰ります……」
肩を落とし、振り返る羽音ちゃん。
俺はそんな羽音ちゃんの肩を掴んで
「俺も行くよ」
「え……?」

603 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:06:43 ID:U1scoXLp
「俺、自転車あるから。送ってくよ」
「え、いやっ!!いいですよ!!」
羽音ちゃんは手をパタパタ振って断る。
「そう?良かったら、白田公園で一緒にお弁当でもと思ったんだけど……せっかく良い天気だしね」
「っ!?」
「どうしたの?」
「その……い、行きたい……公園」
「あ、行きたい?」
「はい……」
小さい声で呟く羽根ちゃん。
そんな羽音ちゃんに、俺は……
「声が小さくてよく聞こえないぞー?」
「え……えっと……行きたい……です」
「え?」
「公園、行きたいです!!お兄ちゃんと!!」
「はい、よくできました。行こう」
「はいっ……!」
可愛く返事をして、俺の横に並ぶ羽音ちゃん。
「お兄ちゃん……」
「ん?」
「明日も……お弁当作っても……いい?」
「いいよ。っていうか、お願いします、だよな。俺は作ってもらうんだから」
「ううん。お勉強だから」
「勉強?」
「うん。お兄ちゃんのね……」

604 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:07:22 ID:U1scoXLp
「俺の……?」
「えと……お嫁さんになるときの……ね?」
「羽音……ちゃん……?」
頬を赤く染めて、俯く羽音ちゃん。
何だ、そういうことか。
「羽音ちゃん」
「はぃ……」
「待ってるよ」
「お兄ちゃん……!!」
「行こうか?」
「うん」

夏はまだ始まったばかり。
あと何日、羽音ちゃんのお弁当を食べられるのかなー。
───────────────────────
俺の夏はまだだろうか……。
後テストが二つ、レポートが一つ……はぁ……。

新キャラ。また敬語系。でも可愛いよ、羽音……。
兄ちゃん、一気火勢でお気に入りだよ……。

605 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/31(日) 21:50:22 ID:ryhbClDe
これは俺も古参として久々にちゃんとした何か書くしか・・・

>>604 遊星さん
GJです!
夏ですねー(*´д`)ハァハァ

606 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/01(月) 11:30:47 ID:nj8ub4/G
>>600-604
またまた下らん妄想乙。
つまらねえからやめちまえ!!

607 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/01(月) 12:45:49 ID:r1cuR4Lr
まあ確かにつまらんわな

608 :二酸化マシンガンBB弾仕様 :2005/08/01(月) 12:51:33 ID:KEBeLpXu
続き
四限目
「はぁ〜」
「なんだ〜またシスコン全開か!」
「ちげ〜よ暇でさ〜現社」
「なんだ〜美咲ちゃんのことでため息ついたかと思ったよ」
「ふっ!もう平気さ!あいつにも友ができたからな!」
「へぇ〜よかったじゃん」
「へ?それだけ?」
「だって俺は心配してなかったし」
「お、おれだってな〜!」
「すご〜く心配してたよな」
「くっ!」
「まぁ、この調子で彼氏もできりゃいいな」
「彼氏…あいつに…」
(あいつ自分の意思あんまださないからあんなことやこんなこと…)
「ダメだ!!!」
ガタッ
「なにがだめたんだ?如月?」
「いや!え〜と自分の頭が…ははは」
「わかってるならちゃんとノートとれ!馬鹿者」
「は、はい」
クスクス
「くそ!直お前が変なこと言うから!」
カリカリ
(このやろ〜我関せずでノートとってやがる!)

609 :二酸化マシンガンBB弾仕様 :2005/08/01(月) 13:09:04 ID:KEBeLpXu
昼休み
ここは私立なので給食がない
「将!お前どうする?」
「美咲の様子見てきてからパン買ってくうよ」
「俺も行くかな」

「あ、お兄ちゃんどうしたの?」
「いや、昼どうすんのかな〜て思ってな」
「こいつさ〜美咲ちゃんが心配で心配で仕方ないらしいよ」
「ち、ちげーよ!」
「美咲!この人噂のお兄ちゃん?」
「う、うん」
「カッコイイじゃん!私は葉っていいま〜す先輩!」
「よ、よろしく」
「将〜モテモテやね〜」
「ち、ちげ〜よ!」
「私らこれから昼なんですけど先輩方一緒にどうです?」
「行くよな!将」
「あぁ」

こうして四人で昼を過ごした


お久しぶりです
過去はあと一、二度くらいかと…
クソ作品を読んでいただけると光栄です

610 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/02(火) 15:28:33 ID:A28tHoUy
>>606-607
下らんと思うなら来るな厨房が

611 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/02(火) 23:22:20 ID:F6JiBTfn
>>610
相手しなくていいよ。時期が時期だし。

612 :すの字 ◆9l4B6y7T.Q :2005/08/03(水) 12:57:24 ID:qsNSUMhY
こんな時こそ⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーンして気分転換しようぜ
二酸化さんGJです!

⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン

613 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/03(水) 21:09:30 ID:SPYZt4OY
ギャルゲしかしてないのかココの職人
文章力に難あり杉。本読もうな

614 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/03(水) 22:23:12 ID:Tyb0o9H9
>>613
SPY・Z

615 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/04(木) 01:21:24 ID:HDpZKf0g
しばらく来ない内に神々が再降臨してるな。
みなさん狂おしいほどにGJ!!。
久々に萌え&燃え(弱火)たよ。ところで

>>遊星さん
「羽音」って何て読めばいいの?

616 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/04(木) 02:01:39 ID:lpQqd+9N
はね、ジャマイカ?

617 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 06:10:15 ID:X01QGJc/
>>615
「はね」のつもり。
羽音かわいいよ、羽音……。

618 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:24:20 ID:X01QGJc/
夏休みの午後。というか、もう夕方。
リビングで、涼しくなってきた風に当たりながらのんびりと過ごしていた。
風鈴の音が心地よい。
「今日の晩飯何かなー」
力の抜けきった声でそう呟いた時、夕飯の支度に来たと思われる妹の未来がゆっくりドアを開け、入ってくる。
そして、そのままキッチンに向かうと思われたが……倒れるようにソファーに座ると、
「はぁ……」
大きなため息をついた。
「どうした、未来?ため息なんてついて?」
「ちょっと……悩み事です」
「悩み事……?未来にも悩みなんてあるんだ?」
「そりゃ、私だって、悩みぐらいありますよ……」
「まぁ、分かってるけど。未来ちゃんに悩み事って、なんつーかイメージに合わない」
「イメージ……?」
「未来ちゃんってさ、しっかりしてるから、何でもスパッと切り抜けられそうなイメージがあるからね」
「しっかりしてても……無理なものは無理だと思います……」
「まぁね。相談なら乗るよ?」
「いえ、遠慮しときます。聞いても嫌な気分になるだけですから……」
そこまで言って、一層顔を曇らせる未来ちゃん。
「そうかい……」
さっきまで枕代わりにしていたクッションを掴む。
そして……
「てぃ」
未来の顔に投げつけた。
ヒット。
ボフッと音がして、クッションが落ちる。
「いたっ……な、何するんですか、兄さんっ!?」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔をして、未来が鼻を押さえた。
「出かけるぞ。ソレ、持って来い」
「えっ!?ど、どこへ!?」

619 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:24:50 ID:X01QGJc/
「いいトコ」
「あの……兄さん。私、晩御飯を作らなくちゃ……」
「夕飯は……外だな」
「えっ……ちょっと!?兄さんっ!」
「いいから。行くぞ」
困惑する未来の腕を掴み、そのまま外へ連れ出す。
「に、兄さん!?コレ、何に使うんです!?」
「クッション?自転車に乗るとき、尻に敷く」
そう言いながら、ガレージから自転車を引っ張り出す。
「なるほど……って、自転車ですか!?」
「自転車でなきゃ間に合わないからな」
自転車に跨る。
「間に合う?何に?」
「秘密だ。さ、後ろに乗れ」
「えぇ……あぁ、はい」
恐る恐る後ろに乗る未来。そして、しっかり俺の腰を抱く。
「よし、行くぞ」
両足に目一杯力を入れて自転車を漕ぐ。
空はまだ明るい。
まだ間に合いそうだ。
───────────────────────
家から出て左に曲がり、緩やかな坂道を上る。
途中コンビニに寄って、夕飯とあるものを調達した。
未来は何度も降りることを提案したが、俺はそれを断り、
結局そのままで、坂の一番上まで、もう少しというところまできていた。
「はぁ……はぁ……」
「もう少しですよ、兄さん」
「あぁ……」
俺は最後の力を振り絞って、全力でペダルを踏む。
坂がだんだん平らな道になり、視界が徐々に開けていく。

620 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:25:51 ID:X01QGJc/
目に飛び込んできたのは、オレンジ色の世界だった。
俺は坂の一番上で自転車を止め、未来に降りるよう促す。
「わぁ……」
未来は後ろで、ため息のような声を漏らす。
オレンジ色に染まる町並み。
夕日を受けて輝く海。
そして大きな夕日がこの場所から一度に見えていた。
「キレイだろ?」
「はいっ!!」
オレンジ色の光の受けて、一段と可愛く見える未来の顔……。
そんな未来を見ながら、さっきのコンビニで買ったコーラを一口。
未来の横顔に見惚れて、つい零しそうになる。
「未来……」
「はい……?」
「いや……まだ早いな」
「?」
「行こう。自転車乗って」
「はい」
何も考えずに自転車に乗ってしまった未来ちゃん。
「よし、ちょっと怖いけど、我慢しろよ?」
「え……!?に、兄さんっ!?」
未来が驚きの声を上げたが時すでに遅し。
俺は坂道を下り始めていた。
とはいえ、ブレーキをかけたままなのでそんなにスピードは出ない。
夕焼けの町へと、潮風を受けながら、ゆっくり下っていく。
「飲む?」
途中、コーラのペットボトルを掲げて、未来に言う。
「に、兄さん!!前向いてください!!」
「大丈夫だって。で、いる?いらない?」

621 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:26:52 ID:X01QGJc/
「あ、じゃあ……もらいますね」
俺の手からペットボトルを取る。
プシュッ
蓋が開き、炭酸の抜ける小気味よい音。
そして、コクコクという液体の流れる音が聞こえた。
「ぷはぁ……」
「美味い?」
「はい。たまにはいいですね。こういうのも」
「うん。美味いよね、こういう時に飲むとさ」
「はい……。えへへ……」
「何?」
「兄さんと……同じ気持ち」
未来が俺の腰を強く抱く。
「ちょっと……嬉しいです」
いつもより、幼いような印象を受ける未来の声。
……未来は時々、こういう大胆なことをするから、ちょっと驚く。
まぁ、可愛いんだけどさ……。
「キレイですよね……」
そんな俺の心境を知ってか知らずか、未来がいつものように呟く。
「だな」
「ありがとうございます。兄さん」
「おいおい、礼を言うのはまだ早いぞ?」
「そうですか?じゃ、これからもよろしくお願いしますね?」
「ああ、まかせとけ」
少しブレーキを強く握る。
夕暮れの下り坂を、妹を自転車の後ろに乗せて、ゆっくり海まで下っていく。
───────────────────────

622 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:27:23 ID:X01QGJc/
夜の海。
コンビニで買った夕飯を食べ、二人、砂浜で波の音に包まれている。
「誰もいないね」
「そうですね……」
何だか会話も途切れがちになる。
まぁ、それならそれでもいいんだけど……。
「はぁ……」
未来がため息をつく。
やっぱり、何もしないでジッとしていると悩みを思い出すのかな。
「未来」
「はい」
「花火しようぜ」
「花火?」
「さっき買ったから」
コンビニのビニール袋の中から花火とライターを取り出し、未来に投げる。
「しかし、あんまり花火ってないんだな、こんなもんしかなかった」
「こんなもんって……二人なら多すぎるくらいですよ?」
「そうか?まぁ、多いに越したことは無いけどな。よし、まずはこのデカいのだ」
とりあえず、数少ない吹き上げ花火を地面に置き、火をつける。
ジジジッ……
火花が導火線を伝う。
この瞬間が、結構好きだったりする。
シュワワワワ……
一瞬の間のあと、オレンジ色の炎が舞い上がった。
オレンジから赤や緑に色を変える炎を二人静かに見ている。
そして、徐々に炎が小さくなって、最終的に煙を出して消える。
「キレイだったな、これ」
「そうですね」
「さぁさぁ、どんどんやろう」
「あ、はい」
二人だけの花火。

623 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:27:54 ID:X01QGJc/
花火を振り回して未来に怒られたり、
なかなか火がつかないと思っていたら、突然ついてビックリしたり、
花火が何色に変わるか賭けたり、
どっちの花火が長く持つか競ったり……
文字にしてみると些細なことかもしれないが、ずっと未来は楽しそうに笑っていた。
それを見て、俺も嬉しかった。
「やっぱ、最後は線香花火だな。はい、未来ちゃん」
「あ、ありがとうございます」
二人しゃがみこんで、ライターの炎を二本の線香花火にゆっくり近づける。
パチ……パチパチ……
線香花火の作り出す小さな炎。
次第に炎は小さくなり、先端の珠が地面に落ちる。
この穏やかな感じが、他の花火とは違う線香花火の良いところだろう。
「このまったりした感じが、花火の締め、って感じだよな」
「ですね」
「さてと。ゴミをまとめて……」
「帰りますか?」
「ん?どっちでもいいけど……帰りたい?」
「いえ、もう少し、ここにいたいです」
「そう。じゃ、もう少しゆっくりしてくか」
「はい」
とりあえず、花火のゴミを手早く一つにまとめ、海に向かって座っている未来の隣に腰を下ろす。
海を見つめたまま、何も言わない未来。
俺も何も言わず、天を見上げる。
「兄さん……」
しばらくの沈黙の後、未来が海を見つめたままポツリと呟いた。
「どうした?」
「兄さんは……」
「……?」
「兄さんは……私の側にいてくれますか……?」
未来は悲しそうな目で俺を見て、言った。

624 :自治厨よりスルーを込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/04(木) 22:28:48 ID:X01QGJc/
「分からん……」
「そう……ですか……」
「だけど……努力はするよ」
「兄さん……」
「ま、何も出来ないけどね」
「ふふっ。いいですよ、それでも」
ちょっと微笑んで、未来が答える。
「じゃあ、私も出来るだけ兄さんの側にいられるように、努力しますね?」
「おぅ」
未来の頭にポンと手を置く。
「帰るか?」
「はい」
未来は嬉しそうに俺の手を掴み、立ち上がる。
何かよく分からんが……手を繋いでいる。
「兄さん」
「ん?」
「ふふっ。兄さん、いるかなーと思って」
「……ワケ分かんねぇ」

マジメで初心で……だけど時々妙に積極的で……
まだ、未来のことは分からないことばかり。
だけど、だからこそ……未来と一緒にいなきゃ。
多分、未来も同じ気持ちなんじゃないかな。
───────────────────────
とうとう夏休みだぁぁぁぁぁぁ!!夏っぽい話書きまくってやる!!

えっと、正直に言う。とある曲をイメージした、つーかパクった。
結構有名なフレーズをほぼそのまま使ってるから、分かる人は多いでしょう。
アレ聞くと、夏って感じがするんだよね、俺は。

どうでもいいが俺IDがGJ。

625 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/05(金) 12:20:12 ID:EAPl+uJz
>>618-624
遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ さん。
今日もくだらない妄想乙かれ様です。
いい加減飽きましたよ。
もっと面白いのを書いてください。

626 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/05(金) 17:30:15 ID:DwhB6+R8
>>625
m9(・ω・)プ…プギャ…なんでもない

627 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/05(金) 18:55:32 ID:YjJrDYp+
>>遊星氏GJ!!
車輪の唄??
違うかな…

628 :すばr ◆9l4B6y7T.Q :2005/08/08(月) 12:50:41 ID:XVmffpAB
こんな事が現実にあるなんて・・・
(・ω・`)っhttp://www.geocities.jp/siscom71/index.html

629 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/11(木) 13:46:18 ID:76UXTf5U
人こないなぁ…
暇だからボウリングでもするか。
ぷ。

630 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/11(木) 19:37:26 ID:38qE2H9r
いつの間にかネ申たちが降臨しとる〜!!

荒しまで

631 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/14(日) 23:19:32 ID:izZmFZRR
待ちまつ

(・ω・)つ旦~

632 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/16(火) 06:31:04 ID:C09nKrjK
ω・`)ノシ



633 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/19(金) 01:39:36 ID:Kcfuy5tI
えっ、ホントに誰も来ないっ!?
投下お願いしまさぁっ

スレ汚しスマソOTL

634 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/19(金) 12:45:03 ID:haUMFEGd
すごいことになっているなぁ。

635 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:30:30 ID:1Nvq5qMq
夏になると寂れるのは、ここの特徴みたいなモンだ。
どんな状況でも、俺だけは沸いて出るから気を抜くな。早速、始めようか。

「はぁ……」
胸を押さえて、ため息。

─今日こそ、言うんだ。お兄ちゃんに。
─チャンスは……もう、今日しかないんだから……
─勇気を出さなきゃ……

あと10秒……9……8…………0。
待ち望んでいた授業終了のチャイムが鳴りました。
時計とのにらめっこは、私の勝ちみたいです。
みんなが立ち上がり、礼をする。そして、騒がしくなる。
そんなあの人の教室を私は廊下から、こっそりと見ています。
あの人は……いました。
日直なのでしょうか……黒板を消しています。
お疲れ様です。と心の中で呼びかけます。
あの人は、思ってたよりも、几帳面みたいで……。
何度も黒板の前を往復しています。
それが意外でもあり、微笑ましくもあり……じれったくもあります。
ふと視線を落とす。
私とあの人のお弁当。
今日は一生懸命頑張ったんですよ?
最後……ですから。
そう思うと、少し悲しくなってきました……いけませんね、こんな弱気じゃ。
だって、今日は……


636 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:31:01 ID:1Nvq5qMq
「ねぇ、そこのキミ」
そんなことを言う男の人の声が聞こえます。
下を向いているので分かりませんが、コレが、ナンパというものでしょうか。
頑張ってくださいね。
「ねぇ、キミだってば」
またそんな声がします。
あらら……ナンパ、失敗でしょうか……?
……?
何でしょう。
右の肩の上に何か……?
顔を上げて、右の肩を見ると……手が……。
その手の先には……知らない男の人の肩……。
私……?
「私……ですか?」
「うん。キミ、最近いつもいるよねー?カレシ待ち?」
「え……えっと……違います……」
一応……カレシ……では……ないですよね……。
え……?一応……?
少し、引っかかりますが……この際無視します。
「そうなんだー。そんならさ、オレと昼メシでも食いに行かねー?」
「え……?」
「あ?もしかして、こういうの初めて?だいじょーぶだって。変な事しねーから」
「で、でも……」
「あ?迷ってる?じゃあ、オレのオゴリでいいよ。どーよ?」
「……あ、あの……」
「ん?行く?」
「え……えっと……」
困り……ました……。
早くしないと……お兄ちゃんが……。
───────────────────────

637 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:31:35 ID:1Nvq5qMq
水道の水でチョークの粉で汚れてしまった手を洗う。
水が冷たくて気持ち良い。
そのまま、つい顔まで洗ってしまう。
「ふぅー」
夏の必需品、タオルで顔を拭く。
窓から外を見ると、気持ち良いほどの青空。
オレも、今日から本当の夏休み。
補習最終日に日直とは運が悪いけど……仕事ももう終わった。
何も気にすることは無い。
「さてと、帰るとしますか」
足取りも軽く、帰り支度のため教室へ向かう。
大した荷物もないので、一瞬で荷物をまとめ、教室を後にした。
教室の戸の前にいたのは、羽音ちゃんの背中と……彼女の前に立つ知らない男。
え……何でっ!?
何もせずにそこに立っているのもアレなので、慌てて教室に身を隠す。
教室内でホッと小さくため息をつく。
とりあえず……そう!状況の整理だ!
えっと……とりあえず、羽音ちゃんと、男A。
あの男A、羽音ちゃんの知り合いだろうか……。
羽音ちゃんの肩に手なんか置いてたし……。
よく考えれば、ここは羽音ちゃんの地元。
しかも、この学校には、この市出身の人が多いみたいだし、
羽音ちゃんの中学の先輩とかがこの学校にいても何もおかしくは無い。
何処にでもある、久しぶりに会った先輩との会話。
そう考えるのが、一番合理的だ。
それだけだ。
それだけ……なのに……何か腹立つ……。

638 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:32:06 ID:1Nvq5qMq
まぁ、いい。
合理性の面では、ある程度納得の行く答えを得た俺は、することもなくなったので、
こっそりと羽音ちゃんの様子を伺ってみた。
二人は、まだ話してる。
会話する男と女。別によくある光景だ。
だが……ホント、イライラする。
さっきから、何でこんなに怒ってるんだ。ってぐらい腹が立つ。
さすがに俺がこんなことに口挟むの悪いと思って我慢してたが、もう我慢の限界!!
バッグを背負い、男Aに向かっていく。
羽音ちゃんの背後から、その男に向かって声をかける。
「「あの……」」
ハモった。
振り返った羽音ちゃんと目が合う。
「お、お兄ちゃんっ!?」
羽音ちゃんが、驚きで目を大きくさせて言った。
作戦変更。
この際、羽音ちゃんで良いや。
「よっ」
右手を上げ、羽音ちゃんに挨拶。
「羽音ちゃんの知り合い?」
「いえ……えっと……」
羽音ちゃんが、チラリと男Aを見る。
男Aは困惑したように視線をそらしたが、すぐにこちらに向き直り、
「あ、いえ、何でもないんス。一緒にご飯でも食べに行こうかな。なんて」
「そうなんだ」
心の中で胸を撫で下ろす。
……が、まだ安心は出来ない。羽音ちゃんがどうするかだ。

639 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:33:26 ID:1Nvq5qMq
「えっと……それなら、俺はお邪魔かな?」
「い、いえっ!!そんなこと、ないですっ!!」
俺は二人に尋ねたつもりだったが、羽音ちゃんが答えた。
「あ……でも……この人は……」
羽音ちゃんは、もう一度男Aに向き直り……
「あ、あのっ、すいませんが……お断りさせていただきますっ!!」
頭を下げ、言った。
気まずそうに、俯く男A。
ちょっと可哀想だな。とも思ったが……嬉しい気持ちが勝った。
「行こうか?」
「はい」
並んで歩き出す二人。
さっきまでのイライラと一変して、凄く良い気分。
青い空がさっきよりも何倍も気持ちよく見えた。
───────────────────────
「はい、お兄ちゃん、どうぞ」
公園の噴水の前のベンチ。
いつもの場所に二人で座って、羽音ちゃんのお弁当を食べる。
「うん。ありがとう」
緊張した面持ちの羽音ちゃんによって手渡されたお弁当箱。
蓋を開けると、美味しそうなおかずが、キレイに敷き詰められている。
「お、今日も美味しそうだね」
緊張をほぐすため、そう言って羽音ちゃんに笑ってみせる。
「あのね……」
しかし、羽音ちゃんは緊張した顔のまま、小さな声で呟く。
「うん」

640 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:33:59 ID:1Nvq5qMq
「今日は……全部、私が作ったんだよ」
「羽音ちゃんが?」
「うん。昨日までは、お母さんと一緒だったんだけど……今日は私一人で作ったんだよ」
そこまで言って、俯いてしまう羽音ちゃん。
「だって……今日で最後だから」
「最後って?」
「補習……今日で終わりなんですよね……?」
「ああ、そうだけど?」
「だったら……もう……お兄ちゃんに会えない……」
「え?何で?」
「だから……もうお兄ちゃんが学校に来ないから……」
だんだん小さくなる声。
最後にはもう、聞こえないぐらいまでになってしまった。
「ねぇ、羽音ちゃん?」
「はい……?」
「俺は今夏休みが始まったトコだよ?
 明日からは、ついでじゃなくて、羽音ちゃんに会うだけのためにこっちに来れるし、
 羽音ちゃんと一緒にどっか遊びにも行けるんだよ?」
「……」
「毎日だって会えるんだよ、俺たち。っていうか、俺は毎日会いたいんだけど」
「え……それって……」
「まぁ、まだ待ってよ。
 話は変わるけど、さっき羽音ちゃんが男と話してて凄くムカついたんだよね」
「うん……」
「だから……何て言うのかな……羽音ちゃんには……
 俺以外の男とは出来るだけ話して欲しくないっていうか……」
「お兄ちゃん……?」
「いつでも羽音ちゃんと一緒にいたいし、俺だけの羽音ちゃんでいて欲しい……」
「……」
「あぁ、もう!!つまり!!上手くいえないんだけど、俺、羽音ちゃんのこと、好きなんだよ!!」

641 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:34:30 ID:1Nvq5qMq
……言ってしまった。
肝心な羽音ちゃんは……俯いたまま反応が無い。
さっきの男と同じ、どう断ろうか困ってるって感じかな……。
「あ、変な事言ってゴメン……イヤなら忘れてくれて良いから……」
「……せん……」
羽音ちゃんが何かを呟く。
「え……?」
「私、絶対に忘れませんっ!!だって……凄く……嬉しいから……っ!!
 わ、私も、ずっとずっと……昔から……お兄ちゃんのこと、好きだったから」
「羽音ちゃん……」
「私も……今日言おうと思ってたんです。でも……お兄ちゃんに先に言われちゃいましたね」
微笑む羽音ちゃん。
「可愛いね、その顔?」
「お、おおおおお兄ちゃんっ!?」
顔を真っ赤にして、慌てる羽音ちゃん。
やっぱり可愛い。
今までよりも、ずっとずっと。
「早速だけど、遊びに行こうよ。今から」
「え……?」
「嫌?」
「ううん!!行きたい!!」
「良かった。でも、その前に、お弁当を頂こうかな」
「はい!!」
幸せそうな羽音ちゃんの笑顔を見ながら、茄子の煮物を口に運ぶ。
「うん。美味しいよ」
「ホント?」
「うん。食べてみなよ」
「……あ、ホントだ。良かった……。ちゃんと柔らかくなってますね」
「うん」
「でも……ちょっとお醤油入れすぎかなぁ……」

642 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:35:05 ID:1Nvq5qMq
ちょっと考えるように、俯き加減になる羽音ちゃん。
この瞬間でも、羽音ちゃんの顔が可愛すぎて……
「羽音ちゃん」
羽音ちゃんが振り向く。
その瞬間、羽音ちゃんの唇を奪う。
「ん……んー!!」
羽音ちゃんはパニックになって、手をジタバタ。
俺はちょっと意地悪して、強く唇を押し付ける。
とはいえ、さすがに悪い気がするので、お子様のキスだけでやめておいた。
唇を離す。
羽音ちゃんは、俺の顔をジッと見ながら、唇を手で押さえた。
「んー。砂糖かな?甘くて美味しいよ」
「お、お兄ちゃん!!」
「いやぁ、悪い悪い」
「私……初めて……だったのに」
「俺とじゃ嫌?」
「ううん……でも、初めてはもっと素敵なシチュエーションでしたかったな……」
「う……そ、それは悪かった」
「謝っても……手遅れですよ」
「いや、ホント反省してるから……許してくれ……」
「許しません!!だから……お返しですっ!!」
視界に空が広がっていく。
青空をバックに、頬を赤らめた羽音ちゃんの顔。
その顔が、徐々に近づく……。

高校最初の夏休み。
今年は……今までで一番、楽しくなりそうだ。

643 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/19(金) 22:36:05 ID:1Nvq5qMq
〜エピローグ(?)〜
「い、意外と羽音ちゃんも大胆だね……」
「私も……お兄ちゃんと同じなんです。
 お兄ちゃんのことが、好き過ぎて……我慢できなくなっちゃっただけですよ」
「なるほどね」
「えへへ……お兄ちゃん、大好きです」
「……」
「ほら、お兄ちゃんも」
「え……俺も言うの!?」
「当たり前です。私だけなんてズルいです」
「……あんまり、そういうの何度も言うのってカッコ悪いと思うんだけどな」
「そんなことないですよ!!さぁ!!」
「羽音……」
「はい」
「愛してるよ」
「はい!!」

[終わり]
───────────────────────
この兄妹、前の一回で終わるつもりだったけど……気に入ったんでもう一回。
ここまでハッキリした両思いは初めてだから、やりたい放題書いた。
書いてるうちに、やりたいことがポンポン浮かんできて……。


あと、そろそろ次スレのことも考えなきゃならなくなってきたよ。

644 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/20(土) 04:14:50 ID:FApac86B
>635-643

GJっ!!遊星様、相変わらず素晴らしいですねぃ。

お気に入りは双子ちゃんですが、この際何でもイイですな!!

645 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/20(土) 14:52:39 ID:mrGscolb
>遊星さん
GJです。
とても微笑ましいっすね

俺もSS書いてみようかなぁ〜…

646 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/20(土) 19:52:21 ID:IrGWMR+J
>>635-643
つまらない。
いつまでたっても成長しないのな。

647 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/21(日) 22:40:27 ID:wqtkx04y
>645様
お願いします!!


648 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/22(月) 15:40:05 ID:TUCVJXmn
>>647
お題がなかなかみつからない…
リクエストがあれば、言ってください
携帯からだからあまり長い文も書けないですけど…

649 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/23(火) 00:19:39 ID:GSr86m9N
ツンデレを希望

650 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/23(火) 02:49:33 ID:Q59sI3KV
>648様
ソチで決めてもらってイイですよ!書きたいものを書いてくださいなっ
>649氏の言うツンデレでも良いので

グダグダでスマソorz

651 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/23(火) 14:33:36 ID:f1TyQfL7
ただ今執筆中……

ツンデレ難カシス……

今週中にはできると思います
短いと思いますが、携帯からなので勘弁して下さい…

できるだけツンデレになるよう頑張ります

652 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/23(火) 19:30:55 ID:TLUNl9Lv
暇つぶしに書いてみました。宜しければ感想くださいな。

ついさっき布団に包まってもふもふしてたら飼い猫(通称ロボ)が入ってきた。
可愛かったので一緒にごろごろした。満ち足りていた。
しばらくすると5つ下の妹までもぐりこんできた。
暑いし邪魔だったので蹴っ飛ばした。少し悲しそうな顔をしていた。
しばらくすると暑かったのかロボが暴れて出て行ってしまった。
引き止めたが、振り返ってくれなかった。とても悲しかった。
落ち込んでいると妹と目が合った。寂しそうにこちらを見ている。
妙に妹が愛しくなり手招きでこっちへ来い、と呼び込んだ。
妹の表情(カオ)が輝いた。いそいそと布団に入ってくる。
恥ずかしそうに微笑んでから、そっと身体を摺り寄せてきた。
どぎまぎしながら「暑くないのか」と聞いてみると「あったかいよ、心も体も」とはにかみながら首に手を回してくる。
くらっときた。
堪らず力いっぱい妹を抱きしめた。「いたた、いたいよ」と腕の中でやんわりと抵抗する。
少しだけ力を緩めるも離してやらない。
観念したのか目を閉じて為すがままにされる妹。
胸や腕に感じる幼くも柔らかい感触、甘い髪の香り、手触り。全てが心地良い。
枕が一つしかないので抱擁を解き腕を差し出してやる。おずおずと頭を預けてくる仕草が愛らしい。
暫く妹の長い髪を梳いたり指に絡めたりしていると小さな寝息が。
安心しきったような寝顔が俺の擦れた心を暖かくしてくれる。
思えば最近仕事に付き合いにと色々忙しくて全然構ってやれなかった。
恥ずかしがりやなこいつがこんな事をしたのも一種のアピールだったのだろう。
明日からはぼちぼち相手してやるか。丁度これから暇になるしプールにでも連れて行ってやろう。
そんな事を思いつつ、軽い睡眠を取る為に目を閉じた。




653 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/23(火) 19:31:58 ID:TLUNl9Lv
うわ、ageちまいましたスマソ

654 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/24(水) 04:35:55 ID:K2xTWpL7
>651
ツンデレなんて初かな?期待してまつ(´・ω・`)

>652
GJ。初めエロかと思いました。続きキボーン

655 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/26(金) 13:16:26 ID:M+QwFBO7
(´・ω・`)ショボーン

656 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 01:55:44 ID:7dlh6asL
 『お兄ちゃん……起きてよぉ……』
 「んー……」
 『お兄ちゃん……そろそろ起きないと、濡れタオルを顔に被せちゃうよっ?』
 「んー……」
 『……お兄ちゃん……』
 「…………」
 『………………ばか』


 「―――お客さん、起きて下さいよ!」
意識が戻った瞬間の大声に、俺は驚いて椅子を揺らした。
慌てて顔を向けると、そこには呆れ顔の乗務員が立っていた。
 「お客さん、着きましたよ、駅。この列車は車庫行きなんですから、早く降りてくださいね」
 「あ、ああ……どうも」
それだけ返事をすると、乗務員はさっさと隣の車両に行ってしまった。
頭を振り、小窓から駅のホームを見る。
……馴染みのあるホームだ。俺は、帰ってきた。
浮かれてきた心を抑えつつ、荷物を下ろすために席を立った。

657 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 01:56:54 ID:7dlh6asL
 列車を降りると、まるでサウナに放り込まれたかのような熱気に包まれた。
むし暑い。というか、暑すぎる。あまりの暑さに、脳細胞がすべて蒸発しそうだ。
そんな感じでぐでぐでと改札に向かって歩いていると、ふと視界に女の子の姿が映った。
14〜16歳くらいだろうか。制服を着ている。
女の子は友達と楽しそうに話をしながら、通路の向こうへと消えていった。
その様子を眺めて、俺はどことなく懐かしい気分になり、荷物を担ぎなおした。
瞬間。

 「……どこを見ているんですか?」

 「うわっ!?」
女の子の声。
びっくりして背後を振り返ると、そこには。
 「ひどいですよ?再会の第一声が『うわっ!?』なんて」
さっきの子と同じくらいの年齢。気持ち控えめな身長。大人しそうな瞳。馴染んだ制服。
そして……忘れたことのなかった、その顔。
 「おかえりなさい、お兄ちゃん」
―――妹は、可愛らしくはにかんだ。

658 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 01:57:50 ID:7dlh6asL
 「……しかし変わったなぁ、お前も」
駅から自宅までのわずかな距離を、ふたり並んで歩く。
隣にこいつの頭があるというのも、なんだか久しぶりだ。俺はじろじろと妹を観察した。
 「そうですか?お兄ちゃんはちっとも変わってないですね」
 「その減らず口も相変わらずだなぁ」
 「そっちこそ、女の子に目がないところは変わってないですね?お兄ちゃん」
 「いや、あれは……」
ふと、言葉を止める。たしかに……あの女の子は少しは可愛かったけど、でも……。
 「お前ほどじゃ無かったよ」
前後に繋がりのない言葉に、妹は目を丸くしてこちらを見た。
 「は、はあ?どういうことですか?」
俺は無言でじろじろと妹を観察する。その様子で気づいたのか、妹は即座に顔を沸騰させた。
 「ば、ばか!!久しぶりに再会した妹を、いきなり口説いてどうするんですかっ!」
 「別に口説いてなんかいないけどなぁ。正直な感想を述べただけだし」
 「え、あ、う……う、嬉しくなんかないですからねっ!?」
妹はそれだけ言うと、つかつかと歩を速めた。
 「お、おーい……荷物持ってくれないのか?」
 「知りません!!お兄ちゃんのすけべ!!嫌い!!」
嫌い、か。俺は苦笑しながら妹の後姿を眺めた。
お前はたしかに、変わったよ。

659 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 01:58:47 ID:7dlh6asL
 「―――親父も母さんも出張!?なんだそりゃ!!」
我が家のリビングで荷物を下ろした俺は、突然の知らせに驚愕した。
それをさも当然の反応とでもいうように、妹はため息をもらした。
 「わたしは反対したんです。せっかくお兄ちゃんが帰ってくるのに、海外出張だなんて」
 「……まったく聞いてなかったぞ。初耳だ」
 「……はあ……なんでわたしがお兄ちゃんの世話をしなければならないのでしょうか……」
 「ん。あのな、俺だって大学に入ってから一人暮らしだったんだ。家事くらいできるぞ」
 「そーですか。なら自分のことは自分でしてくださいね、お兄ちゃん」
 「……なに怒ってんだ?お前」
 「怒ってなんかないです!ばか!!」
なんだこいつ。本当は自分が面倒見たいんじゃないのか?
っていうか……。
 「むしろ、面倒見られるのはお前のほうじゃないのか?ええ?」
それを聞いて、妹はぎくりとした表情になる。
そう。今回、俺は妹の高校受験の家庭教師をするために、我が家に戻ってきたのだ。
なので、勉強の面倒を見るのは俺。つまり主従関係では俺に利があるということだ。

660 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 01:59:44 ID:7dlh6asL
「うっ……」
 「ほれほれ、どうした?……よし、さっそく勉強を始めるか?」
 「え……あの、まだ着いたばかりですし……」
 「そうやって先送りにするのはいけないんだ。やるなら今すぐやらなきゃ」
 「で、でも……ほら、お昼ご飯、まだですよね?わたし、作りますよ?」
 「……ん」
そういえば、昼はまだだった。ちょうどいいタイミングで俺の腹が鳴る。
 「ほ、ほら!わたしがお兄ちゃんのお昼ご飯、作ってあげますから!!」
 「んー……そうだな。腹が減っては戦はできぬというしな」
 「えっと、お兄ちゃん、たしか冷やし中華好きでしたよね?」
 「おう。……あ、そんな気にしなくていいぞ。簡単なものでいいから」
 「え?ダメですよ。久しぶりに帰ってきたんだから、わたしが美味しいものを作ってあげます」
 「そ、そうか?悪いな」
 「ふふっ、そんなことないですよ。わたし、お料理の手伝いとかしてたんですから」
 「……へ、へえ。いい子だな、お前は」
 「えへへ……。お兄ちゃんの好きな味付けって、たしか―――」

661 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 02:00:41 ID:7dlh6asL
そこまでまくし立てて、妹はハッと気づいた。
 「―――なっ、なんでわたしがお兄ちゃんのお昼ご飯を作らなきゃいけないんですか!!」
 「い、いや……俺に言われても」
妹は顔を真っ赤にしてむうっ、とうなり、頬を膨らませた。頭から湯気が出ているようだ。
 「ばかっ!!ばかばかばかっ!!罠にはめましたね!?」
 「ここ数年、罠って単語すら聞いたことなかったぞ」
 「ばかぁ!!お兄ちゃんなんて嫌いっ!」
叫びながら、ドアを開けて出て行った。どかどかと階段を昇る音が聞こえる。
 「……はあ。変わったなぁ、あいつは」
呟きながら冷蔵庫を開ける。ひんやりとした冷気を感じ、そして俺は驚いた。
中には冷やし中華の材料だけでなく、俺の好きだった色々な料理の具材が整頓されていた。
 「……素直じゃないねぇ」
俺は二人分の冷やし中華を作るべく、麺に手を伸ばした。
やっぱり俺は、面倒を見られる側らしい。

662 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 02:03:08 ID:7dlh6asL
リアルが忙しくてご無沙汰してました、海中です。お久しぶりです。

久しぶりに色々と書いてみたのですが……どうでしょうか。
またお世話になるかもしれませんが、できれば拾ってやってくださいな。


663 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/27(土) 03:08:59 ID:tmS5QLY9
>海中さん
萌えました、GJです。

でも今書いてる奴とかなり被ってる…orz
もう一回書き直すか…

664 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/08/27(土) 09:41:29 ID:KPPmLaN5
>656-661
海中様、GJです!
忙しい中お疲れ様ですた。そして続きキボン

665 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/27(土) 10:05:53 ID:po65iWoW
>>663
吊ってきまつorz

>>664
続きはまだ書いてないのですが、できれば書きたいですね。

666 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/08/28(日) 20:50:13 ID:yU2K3QNI
>>656-662
海中さんだ、海中さんがいらっしゃったぞ、わーい!!
やっぱ海中さんはすげぇや、感動だよ。

667 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/30(火) 19:13:03 ID:eiueUqW0
GJ!

668 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/30(火) 23:27:08 ID:MbMwxm7F
 一歩踏み出すたびにギシギシと軋む階段を昇り、妹の部屋の前に立つ。
ドア越しに室内の気配を探ろうとエスパーみたいな真似もしてみたが、駄目だった。
やはり行くしかない。開いた窓から吹き込んだ風が、俺の背中を押した。
 「……なあ、入ってもいいか?」
 「…………」
返事は無い。ゴン、とドアを小突いてみるも、やっぱり返事は無い。
俺は意を決して、ドアノブに手をかける。静かに開けると、ベッドの上で寝ている妹が見えた。
しかし、ここでひとつ予想外の出来事が起こった。俺はそっとドアを開けたつもりだった。
だが、廊下の窓から入り込んできていた風が、突如として勢いを増したのだ。
当然のようにドアは凄まじい勢いで開いた。そしてすぐ入り口に置いてある本棚に激突する。

ゴンッ!!!

……家中に響き渡るほどの豪快な音が鳴った。瞬間、ベッドの上の妹がびくりと驚く。
けれど起き上がって文句を言ってこない。
(こいつ……まさかこの年にもなってタヌキ寝入りか?)
風に乗って、優しい匂いが鼻をくすぐる。俺は片手に持っていたある物を机の上に置いた。
 「……おーい、生きてるかー?」
 「…………」
返事は、無い。

669 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/30(火) 23:28:13 ID:MbMwxm7F
 「なあなあ、たかが昼飯ごときでむくれてタヌキ寝入りする妹もどうよ?」
なんとはなしに話しかけてみるけど、まったく反応は無い。
 「そろそろ起きないと、兄ちゃん怒って犯しちゃうぞ」
言いながら足の裏をくすぐってみる。すぐにバッと片足が動き、俺の手を蹴り飛ばした。
 「本日は白」
 「―――!!!??!!」
妹はついに起き上がった。おお、顔面真っ赤だ。ついでに奥歯がぎりぎりと鳴っているような。
 「いい加減にしてくださいっ!!」
 「はい」
俺はすっとお盆を差し出した。妹は突然の行動に目を丸くする。
目の前に差し出されたお盆の上には、二人分の冷やし中華が乗っていたからだ。
 「仲直りの冷やし中華、始めました」
 「…………え?」
 「久しぶりなんだ。お前とケンカがしたい訳じゃないんだ。ごめん」
 「………あ…」
しばらくの間、見詰め合ったあと、俺たちはお互いに吹き出した。
 「あはは、はは…………ありがとう、お兄ちゃん」
 「なんで?」
 「えへ……わたしがどんなにワガママしても、結局は来てくれるから」
そう言って恥かしそうに微笑んだあと、妹はベッドの上で膝を抱えた。
 「わたしも、ごめんなさい……」
 「……それじゃ、これであいこにしよう」
 「……はいっ」
その日の昼飯は、格段に美味かった。

670 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/30(火) 23:29:23 ID:MbMwxm7F
 空になった皿をお盆の上に乗せ、俺たちふたりはベッドの上に横になっていた。
そよ風が窓から入り込み、前髪を無遠慮に撫でていく。
 「えへへ……川の字ですねっ♪」
妹はごろりと寝返りを打ち、俺にタコのように絡み付いてきた。
すりすりと頬を擦り付けてくる。ついでに胸のような物も感じる……。
 「川の字にはひとり足りないだろ」
 「あ……そうでした」
呟き、くすくすと笑う。俺はそんな妹がいとしく感じ、ぎゅっと引き寄せる。
妹はさらに頬を緩め、  言った。
 「……三人目、欲しいですか……?」

What?

俺は即座に妹から離れ、そのままベッドから床へダイブした。尻を打った。痛い。
 「じょ、じょじょじょ冗談ですっ!!」
 「冗談にしては顔が赤いぞ!?」
赤面してあわあわと慌てる俺たち。端から見られたくない光景だ。
 「きょっ、きょ兄妹だしな!俺たち!!」
 「そ、そうですよねっ!義理ですけど!!」
 「…………」 「…………」
赤面したまま、しばらく沈黙する。

671 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/30(火) 23:30:22 ID:MbMwxm7F
 「……あのさ」
 「……はい」
 「……俺のこと、どう想ってる?」
 「…………兄として、尊敬してます」
 「……だよね?」
 「……だよです」
 「変な間違い、おかしたりしないよね?」
 「……たぶん……」
 「たぶんかよ!」
 「……だって!!」
妹は言葉を吐き出そうとして、しかし途中で止めた。
 「だって……!!」
いつの間にか、空はもう赤くなっていた。
 「だって…………だって好きなんですっ!!」
 「―――な」
 「好きなんですっ!!お兄ちゃんのことが、ずっと、ずっと!!」
妹は涙をぽろぽろとこぼし、弱弱しく崩れ落ちた。
 「……ずっと……ずっとぉ……うっ……ひっく……」
 「あ……」
―――俺は、決断を迫られる。

672 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/08/30(火) 23:34:59 ID:MbMwxm7F
>>666
相変わらず下手ですが、そう言ってもらえると嬉しいです。ウホッ
>>667
できればsageで・・・ GJありがとうです。

実はまだ次回を考えていないので、選択肢置いておきますね。
1.「これに応えないのは男じゃない!」
2.「い、いや……俺たちは義理でも兄妹なんだぞ!?」

673 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/31(水) 00:21:26 ID:nTmyLxn8
>>海中さん
現時点では 「2」

…畜生、頬が弛んでしまうじゃないか

674 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/08/31(水) 12:04:52 ID:BScVxLm3
彼女いない暦=年齢のキモヲタが妄想しまくるスレはここですか?

675 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/09/01(木) 06:28:54 ID:KQaL043r
>668->671
海中様、GJです!!萌えました!!
漏れ的に1キボンです

676 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/02(金) 03:08:56 ID:uOBPun7T
【大阪】中学生の妹を脅して淫らな写真を撮り自サイトで公開していた19歳の兄逮捕
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news7/1124361427

677 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/09/02(金) 05:16:18 ID:iKnhGt3L
>675
アンカーミスOTL
>668-671

678 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/05(月) 01:36:27 ID:G0VMRxMG
daremoinai

679 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/07(水) 18:51:19 ID:D7lyIe+z
面白いスレだな

俺もSS書いてみようかな…

680 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/09/09(金) 21:24:19 ID:ncNJ9BGW
業務連絡。
第四弾までのSSをまとめちゃいました。よければ、どうぞ。


ところで、何気に容量が450を超えちゃってるワケですよ。
ぼちぼち次スレのことも考えなきゃですよ。

681 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/09/13(火) 01:34:40 ID:gFrinwOE
人がいない(´・ω・`)

>679様
お願いします。期待しております

>遊星様
乙です!
次スレ……ですね。

682 :260 :2005/09/14(水) 21:55:41 ID:icBwl0Ik
「お、お前が俺に?」
「うん」
「本気で?」
「うん」
「タダで?」
「お金なんて取らないよ!!」

思いっきり照れながら妙な具合に怒る巴。
勿論な事だが耳まで赤くしていては説得力の欠片もない。
そんな俺の視線を知ってか知らずか更にそっぽ向いて拗ねた横顔。
他人には絶対に見せない顔、その二だ。

俺と接していると時々こうやって子供っぽくなる事があるんだよな巴は。
まぁ、俺から言わせてもらえばこれこそ巴の真の姿なんだが。

「もう・・・あまりからかわないでよ、お兄ちゃん」
「いや、笑ったり怒ったりせわしないなぁ、と思って」
「お兄ちゃんがそうさせてるんだよ!?」
「はいはい分かった分かった、じゃあ、折角なんで膝借りるぞ」
「あ・・・うん・・・」

ここで言い合いを始めては多分、昼休みが終わるまで続くかもな・・・

不毛な論争を避け、柔らかい膝に潜り込む。
背中越しに伝わる温もりと胸を透くサラリと風に揺れる髪の香り。
想像なんて遥かに及ばない心地よさについ黙り込んでしまう俺。

「・・・あの、お兄ちゃん・・・どうかな?」

俺を膝に乗っけてから黙り込んでいた巴が不意に口を開く。

「えっ、ああ・・・なんというか・・・かなり恥ずかしい」

683 :260 :2005/09/14(水) 22:03:18 ID:icBwl0Ik
お久しぶり、誰も待ってない期待してない260です。
前回から約二ヵ月ぶりに投下します。


684 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/09/14(水) 22:20:35 ID:cnkDzGMc
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
待ってましたよ。期待してましたよ!!
アナタの作品、大好きです、俺。

685 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/14(水) 23:16:25 ID:/h12MEU3
今日も何時もと同じ朝がやってくる
「シャ!」
カーテンの開く音と共に朝日の眩しい日差しが射し込んでくる…
「何時まで寝てんだよ!もう起きる時間だぞ!」
妹の舞の声が耳に響く…
「あぁもう!何時コイツは!起きろ!」
「ガバッ!」その言葉と同時に布団が取られる
「あと少しだけ……」
「あと少しじゃねぇよ!サッサと起きろ!毎朝起こす身にもなってみろ!」
「でも少し…(ゴニョゴニョ)」
「?何か言った?」
「サッサと起きろってんだよ!!」

「わかった、わかった…わかったからもう怒鳴るな…」
「怒鳴りたくて怒鳴ってるわけじゃねぅんだ!てめぇがサッサと起きねぇから怒鳴ってんだよ!ほら早く朝飯食わねぇと学校遅れちまうぞ!」

何時と同じような時が、何時と同じように流れて行く
そんな何時と変わらない朝…

686 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/14(水) 23:19:04 ID:/h12MEU3
645です…諸事情で来れませんでした、スミマセン…
初めてなんで色々ご指摘お願いします…
ツンデレって難しい…

687 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/09/15(木) 22:59:23 ID:MhIlxmEh
おお、待ってました!!
続きを期待してますぜ。

そうですねぇ、指摘するなら、
後半どれが誰のセリフか分かりにくい。とか……。
効果音をセリフと同じように書く(二行目と七行目)のは違和感。とか……。

偉そうだね。ゴメン。

688 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/16(金) 00:05:00 ID:oiY7qzfM
デレ分が足りない…いや真のツンデレ好きなら分かるのだろうか。
とにかく先を期待している。

オレなんか何も書けないくせに偉そうだね、超ゴメン



689 :ツンデレより愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/09/16(金) 18:54:26 ID:dokk7KB2
 忘れたのか!? 『 ツンデレ 』とは

 「なによあんた、半径2m以内に入ってこないで!

  ― でも5m以上離れないで 。― 」だ。


ちょ、ちょっと見つけたからコピペしただけよ!!
ほら、ワタシはこのスレのためを思って……。
だから、勘違いしないでよ!!べ、別にアンタのためとか、全然そういうのじゃ……ないんだからねっ!!
で、でも……折角ワタシが探してきてあげたんだから……ステキなSS、書きなさいよ!?

690 :大日本美桜塾 ◆HenXmdfsKc :2005/09/17(土) 06:18:36 ID:gmTJYAZF
もっと暴力的な方がいい

691 :【官憲上等】大日本美桜塾 ◆HenXmdfsKc :2005/09/17(土) 06:28:54 ID:gmTJYAZF
>>690はツンデレの事ね
最近生塩なキャラが増えたな…と思っただけ

妹じゃないがリアル姪っ子に言われたいなぁこのセリフ↓

あにじゃー
もっと高くなのじゃー
     〃´⌒`ヽ
    〈((リノ)))iiヽ
    l从・∀・ノ!リ人
    ⊂)丕⊂)ヽ)
    ∩</」jゝ((
/   / / ∩
 / / /  ||
   / /  ||
/ / /∧_∧||
  / /´_ゝ`)/
/|    /
 |   /
 |  /⌒l
  ヽ  | /
/ |゙ー| L
/ | /(__ヽ
 / ノ
`/ /
(_ヽ

(*゚Д゚)<まだ二歳なのにツンデレの兆候が!?
御成長が楽しみでつ

692 :終末 ◆ZkGZ7DovZM :2005/09/18(日) 00:11:30 ID:rX9U2ao6
>260様
GJです!続きお願いしますっ!
>645様
GJです!ツンデレ…イイですな
>691氏
イイですねぃ(´Д`)

693 :260 :2005/09/20(火) 20:44:46 ID:BQPS4kNx
随分と今更ながらな感想ではあるが巴が言い出した事も俺がそれに素直に従っ
た事もかなり大胆な話ではなかろうか?
心の天秤は未だにグラグラと上下を繰り返している。
しかし、既に巴の膝の上で安らいでいる自分がいる訳で・・・

「でも・・・良いな」
「・・・うん」

陽の光が巴の顔に影を落とす。
思えばこんな風に巴を見上げたのは初めてかもしれない。
視線の先にある表情は今までで一番、優しさに満ちていた。
俺の知らなかった巴の穏やかな顔。
そっと白い指先が額に触れる。
背中から伝わる暖かな魔法にだんだんと掛かっていく。

「ゆっくり眠っていいからね、予鈴が鳴ったら起こしてあげるから」
「サンキュ、う〜む・・・」
「?・・・どうかしたの?」
「いや、今とてつもなく幸せを感じているんだが・・・これでいいんだろうか?」
「・・・ふふっ、変なお兄ちゃん」

俺の言っている事の意図には全く気付いていないご様子の我が妹。

「ボクも思うよ、これが多分・・・女の子の幸せなんだって・・・」
「なんとまぁ、大胆な言葉」
「言わせてるのはお兄ちゃんだよ」
「はいはい、それも俺の所為ですか」
「所為じゃなくてお蔭だよ、お兄ちゃんと一緒だとボクは心に素直になれる、正直になれる」
「買い被り過ぎだって・・・神様じゃあるまいし・・・」

694 :260 :2005/09/20(火) 20:46:10 ID:BQPS4kNx
単純な事を大袈裟に語ってみせる巴。
神に近いのは巴の方だろ?と思う、本人には照れ臭くてとても言えたものではないが
容姿で言えば立派に女神だし。
太陽に映える漆黒の髪に絹の様な白い肌、薄紅色の唇。
そんな巴の瞳にやたら眠たげな俺の顔が映っている。
この腑抜けが神とは到底思えないな、我ながら。

「目に見えない神様より傍にいてくれたよ、ボクの事を解ってくれたよ」
「そう・・・かな?」
「辛い時、悲しい時、誰よりも傍にいてくれた、手を繋いでいてくれた・・・ホントに嬉しかった」
「・・・」
「今までも、これからもきっと・・・ずっと」
「ん・・・悪い、もう眠くてしょうがない」
「・・・おやすみなさい・・・夢の中でも傍にいてね・・・お兄ちゃん」

薄れ行く意識の中で聞いた言葉はこれまた大胆だったのか?

覚えているのは頭を撫でる冷たくて気持ちのいい指の感覚と陽だまりの様に暖かな膝の感触。
耳の奥にやたらくすぐったい言葉を残したまま俺はフワリと雲の上に浮かび上がった。

695 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/09/20(火) 21:07:22 ID:fbNHGDgX
>>693-694
もう、最高です!!
先生と呼ばせてくださいっ!!

っていうか、コテハン、せめてトリップ付けて下さい!!
先生にはその価値が十分ありますから!!

696 :260 :2005/09/20(火) 21:08:14 ID:BQPS4kNx
ようやく一段落付きました。
というか何ヶ月かかってるんだ('A`)
>遊星さん
忘れられてなかっただけで感謝です。
遊星さんのSSも期待してますよ。
羽音ちゃん、可愛いなぁ。
>645さん
ツンデレですか、この先が楽しみです。
期待してますんで無理せずにご自分のペースで頑張って下さいね。
>終末さん
ようやく涼しくなってきたのでまたちょこちょこと投下していきす。
とはいえこんなレベルなんであまり期待せずにお待ち下さい。

697 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/21(水) 11:21:07 ID:8DTrhmb/
童貞ヲタの妄想ほどキモいものはない。

698 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/22(木) 05:47:33 ID:q31Inh4X

ピザデブ?

699 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/22(木) 23:52:43 ID:lBpKqiJt
すっげえ言われたい
いや、解かってるんだ、リアルは違うなんてことくらい。
だからこそオレは、このスレに…居るんだ……(ガクッ

700 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/24(土) 02:10:49 ID:I3SxLL4k
>>697
粘着質だなー
よっぽど恵まれない毎日を送ってるんだね君ってw

701 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/29(木) 13:25:14 ID:S0xd9dzq
流れをぶったぎりますが、妹に言われたいせりふです。

「おかゆ先生だいすき〜!!」


これだけでたぶん俺もおかゆになれます。

702 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/29(木) 23:27:02 ID:sZNsZdVx
>>701

なんでそうなるかなぁ……?

703 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/09/30(金) 07:34:27 ID:3XE7FDoG
つぽかっ☆

704 :260 :2005/09/30(金) 21:26:21 ID:dahocQXW
学校帰りに軽い足取りで駅前を歩く。

「家に直行するのもいいがなんとなくどこかに寄っていきたいし、ん?あれは・・・」

本屋でも冷やかしに行こうかと思索していたその時に見つけ二つの背中。
一つは見慣れた妹の背中、そしてもう一つは知らない男の背中。
どうやらまた勇気あるチャレンジャーが現れたみたいだな。
普通なら兄として多少なりとも心配すべき所かもしれないが俺は正直なんとも思わない。

「おぉ、まだいたんだ・・・挑戦者が」

見えるんだよな、あからさまな拒絶のオーラが。
程なくして肩を落とし去っていく男。
去り行く背中は気のせいか一回り小さくなって見えた。
善戦した様だがまたもや秒殺か。
そんな光景を後に俺は忍び足で巴の背後に迫る。

「ご一緒にお茶でも如何ですか?お嬢さん」
「はい、喜んで・・・お兄ちゃん」

705 :260 :2005/09/30(金) 21:33:07 ID:dahocQXW
朝晩がようやく涼しくなってきましたねぇ。
そんなこんなで投下させて頂きます。

>遊星さん
せ、先生!?
褒め過ぎでしょうそれは。
真面目な話、前にも言いましたが萌えでは遊星さんに
敵わないですよ。
後、トリップかコテハンはもう少し書き続けられたら考え
ます。
なにげに投下したssはまだ二つだけなんで。

706 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/10/02(日) 13:07:12 ID:9reAzgol
>>704-705
いやー、俺、もう感動したっスよ!!
あれですね、さすが260さんって感じっスね!!

しかし、さすがに俺も何か書かなきゃなぁ。

707 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/03(月) 23:46:29 ID:mCHWU/2X
「...兄貴...いっしょに食べよ。」

これだけで俺は多分泣けます。

708 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/04(火) 03:56:50 ID:/PkeQlI0
「お兄ちゃん……お兄ちゃん…………お兄ちゃん!!」
「えっ?あぁ俺のこと?」
「はい…」
「どうしたの急に?いつもは真司さんって呼ぶのに」
「義理でも一応妹ですから…そう呼んだ方がいいかなって………嫌ですか?」
「いや、全然いいけど…なんか照れ臭いな」
「あと私のことも真希ちゃんじゃなくて真希って呼んで下さいね♪」
「はいよ」
「それにしてもお母さんたち遅いですね」
「あぁ〜…今日は外で食うっつってたの忘れてた…」
「えぇ!?じゃあ晩ご飯はどうするんですか!?」
「真希ちゃん作ってよ」
「真希ちゃん…ですか?」
「あぁ〜真希ね、真希、はいはい」
「わかればいいんです♪」
「で?何作ってくれんの?」
「ん〜…じゃあお兄ちゃんの大好きなハヤシライス作ります!」
「おぉ!嬉しいねぇ〜真希のハヤシライスは最高に美味いからなぁ〜」
「おだてても何も出ませんよ♪」
「ハヤシライスが出ます!」
「もう!」
「あはははは」
秋の夜に…ハウスのハヤシライス…



以上、ハヤシライスのCMでした。

709 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/04(火) 04:31:44 ID:69OZb7lj
>>708 ..............
こういうの嫌いじゃないな

710 :260 :2005/10/05(水) 20:43:49 ID:fu61cigc
わざわざ声色を変えて話し掛けた俺に弾んだ声が返ってくる。

「・・・気付いてたか、無念だ」
「ボクがお兄ちゃんの声、解らないと思う?ふふっ」

先程までとは打って変わって和やかな笑顔の巴。
人差し指で俺の鼻先に軽くタッチして、くるりとスカートを翻す。
(うっ・・・可愛い過ぎるぞ、巴・・・)
やたらと人懐っこい仕草に思わず鼓動が高鳴る。
意識してこういう事をやっていない分、余計にドキドキさせられてしまう俺。
ちょうど背中越しになって照れた俺の顔が見られなかったのが幸いだ。

「じゃ、行こ」
「は?どこに?」
「お茶に誘ってくれたのはお兄ちゃんだよ」
「・・・あ〜・・・しょうがない、男に二言は無いか」

寄り道したいと思っていた矢先だし、それも悪くない。
まんざらでもない俺の態度に満足したのか上機嫌で肩を並べ隣を歩く巴。
昔と少しも変わらない巴のそんな姿に思わず笑みの零れる俺だった。

711 :260 :2005/10/05(水) 20:55:17 ID:fu61cigc
>遊星さん
お褒めの言葉どうもです。
一ファンとして次回作を期待してますよ。
>708さん
いいですね、こういうほんわかしたのは大好きです。
なんかハヤシライスが食べたくなりました。
文字通り旨いCMだ。

712 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/10/05(水) 21:23:52 ID:eAYB1uHB
朝だ。
何時に起きようと、学校に行くという目標が控えている限り、眠い。
最近やっと、そんなことに気付いた。
休みの日はいくら眠くてもなかなか眠れないしね。
「ふあぁぁぁあ」
俺は、大きな欠伸をしながら、階段を下りる。
「おはよー……って誰もいないよなー」
自分の挨拶に自分で突っ込みながら、キッチンに続くドアを開けた。
……ハズだった。
「……ぇと……」
俺を迎えてくれたのは、小さな小さな女の子。
俺の妹、杏。
まぁ、妹と言っても血の繋がりは無い。
つい最近、母親が再婚して出来た、歳の離れた妹。
とにかく、そんな妹と、ガッツリ目が合ってしまった俺は、なんというか、気まずい思いに駆られた。
それは杏もおなじらしく、杏も全力で視線を下に逸らす。
……ここまでやられると、微妙にショックなんですけど。
「おはよう」
俺も目をそむけたかったが、まだ仲もよろしくないので、挨拶は重要だ。
俺は杏の座っているテーブルに近づきながら、出来るだけの笑顔を杏に向ける。
「……」
俯いて、全身を強張らせている杏は何も言わない。
無視ですか……。
「むぅ……」
杏の隣にでも。と思ったが、あまりの滑りっぷりのため、杏の横を通り抜け、冷蔵庫に向かう。
今となっては、あの笑顔が恨めしいよ、お母さん。
特に意味もなく、冷蔵庫の前までやってきた俺は、別に飲みたくも無い牛乳を取り出してみる。
バタンと冷蔵庫の扉が閉まったとき……

713 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/10/05(水) 21:25:42 ID:eAYB1uHB
「お、おはよう……ございます……」
「ん……?」
今小さな声で、おはようございます、と聞こえたような……。
「杏ちゃん、何か言った?」
黙ってブンブンと首を振る杏。じゃ、気のせいですね。
「そう、ゴメンね」
「……」
返事なし。
……クールですね、杏さんは。
「さてと、朝飯朝飯」
いつものように、食卓の上には朝食。
ちなみに母さんは二度寝中。ご苦労さんです。
「杏ちゃん、朝ごはんは?」
「え……えと……」
俯いて、モジモジする杏。
そんなに俺が嫌いなのか……杏ちゃん。
もうそろそろ、仲良くなるの諦めようかな。
なんて思っていると……
「ま、まだ……です」
「無理して丁寧な言葉しなくてもいいから」
「あ……うん」
「じゃ、一緒に食べようか?」
「う、うん」
杏ちゃんが立ち上がる。
そして、トテトテこちらに歩いてきたかと思うと、背伸びをして、食器棚を覗き始める。
俺はそんな杏を横目で見ながら、箸を出したり、茶碗にご飯をよそったり。
そうだ、茶碗と言えば
「そういえば、杏ちゃん」
「は、はい」
ビクっと体を大きく震わせて、こちらを向く杏。

714 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/10/05(水) 21:27:10 ID:eAYB1uHB
「杏ちゃんのお茶碗って、このクマのでよかったんだっけ?」
クマの茶碗を杏にも見えるように、上げる。
「えっ?……あ……うん」
「……何してるの?」
「えっと……お茶碗……」
「茶碗?」
「……お手伝い、しようと思って……」
「あぁ、そういうことか。そっちの棚は、あんまり使わないのばっかり入ってるからね。
 お茶碗とか、よく使うのはコッチなんだよ」
「っ!?ご、ゴメンなさい!!」
凄いスピードで頭を下げる杏。
……謝るときだけ元気だな。
「い、いや。別に謝る事じゃないよ」
って言うか、ここまでされるとコッチが困ってしまう。
「さ、用意できたから、食べよう?」
「……うん」
恐る恐る顔を上げた杏は、いつもの杏で……食卓に向かう俺の後を、ゆっくりとついてくるのでした。
───────────────────────
何か最近新キャラばっかりで……どうなる!?未来、沙耶、双子!?
ってな感じで……新キャラ、杏。
まだ続くつもりです。どうかご期待しないように。

>260様
先生、アナタのSS、大好き。
アンタ最高だよ、マジで。

715 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/05(水) 21:39:28 ID:NxNXrSgc
生徒A「おい!あの子可愛くね!」
生徒B「うお!やばいな!」
美紀「…なにかよう?」
生徒A「ねぇねぇこれからどっか行かない?」
美紀「いい」
生徒B「ようでもあるの?」
美紀「別に」
生徒A「ならいいじゃん」
美紀「あんた達と遊んでる暇はない」
生徒A「ちょっと可愛いからってイキがんなよ!」
由紀「おい!お前らうちの妹に用か?」
生徒B「(げっ!山中!こい山中の妹かよ!)」
生徒A「い、いや!なんでもないよ!なぁ!」
生徒B「そうそう!じゃあ俺たちこれで!」
由紀「なんなんだあいつら?」
美紀「ただのナンパ野郎てか兄貴面すんな」
由紀「はいはい」
美紀「アリガト」
由紀「なんかいったか?」
美紀「別に」


由紀「ふぁ〜ねるか」


コンコン
由紀「ふぁい?」
美紀「ぐすっね、ねぇ一緒にねてもいい?」
由紀「またか〜いいよこっちこいよ」
美紀「う、うんありがとお兄ちゃん…」

おしまい

716 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/05(水) 21:40:39 ID:NxNXrSgc
>>生徒B「(げっ!山中!こい山中の妹かよ!)」
>>生徒B「(げっ!山中!こいつ山中の妹かよ!)」
に直しておいてください

717 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/05(水) 21:50:31 ID:WcOqpTh7
わーい褒められた!なんかめっちゃ嬉しい♪
ハヤシライス食ってる時に思いついたんです

718 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/06(木) 01:36:10 ID:s9zIu7rK
俺もさっきカレー食べてたのにハヤシライス食べたくなってきた。
つーかしばらく来ない間に新規さんが増えてるし、>>260氏が台頭
してきてるし、ゴッドは新キャラが登場してるし。
・・・この調子で職人さんが増えてくれれば良いなあと

719 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/10/06(木) 20:02:01 ID:N/VanJ8N
職人さんが増えるのはもちろん歓迎だけど、
海中さんとか、すばるさんとか、姐さんとかのSSが読みたいと思ってるのは俺だけだろうか。
最近お姿を見てないのだけど……。

720 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/07(金) 22:05:56 ID:lYbppSbX
俺を持ちうけていたのは……沈黙の食卓でした。
俺から杏に言うことも特に思いつかず、杏が俺に話しかけてくるわけも無く、必然的にこういうことになっている。
……美味いハズがねぇよ。
これは、何よりも、気まずい。
何か話すこと無いかなー、なんて思いながら、チラッと杏の顔を見ると……
「!?」
また目が合ってしまった。
そして、また全力で視線を逸らす杏。……またもショックを受ける俺。
話をするタイミングまで失ってしまった。
「あ……あの……」
そんな小さな声が聞こえる。
「ん?」
「それ……」
俺が杏ちゃんに目を向けると、杏ちゃんは俯いたまま、俺の顔の右下辺りを指差した。
俺もそちらに目をやると、
「あぁ、醤油ね。どうぞ」
またも俯きながら、俺の出した醤油を取る杏。
「あの……えっと……その……あ、ありがとう……」
段々小さくなっていく言葉。俺には『が』辺りから聞こえなくなった。
まぁ、何を言おうとしているのかは分かったが。
そして、また沈黙の食卓の再開。
いや、それだけは避けねば!!
「そういえば……今日は早いよね?どうかしたの?」
「え……あ……うん」
うん。って……。
俺は別に理由の有無を聞いてる訳じゃないっつーの!!

721 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/07(金) 22:07:08 ID:lYbppSbX
だけど、こんなこと本人に直接言えるわけも無く
「あ、ああ、そうなんだ。何があるの?」
「えと……当番なの……」
「当番?あぁ、飼育当番とか?」
「ううん……お水……あげるの」
「そうなんだ」
……まぁ、60点だな。
「友達出来た?」
ちょっと調子に乗ってきたので、質問を続ける。
首をコクコクと縦に振る杏。
「そっか。よかったな」
「うん」
杏は少しだけ顔を上げて、頷いた。
「学校楽しい?」
「うん」
さっきよりもまたちょっと顔を上げて頷く杏。
「そっか」
うん、割と満足。
つ−か、会話が成立しただけでも快挙なんじゃないですか?
満足と同時に、朝から疲労した気持ちを感じながら、焼き魚を突付く。
うん、美味い。
そのまま満ち足りた気分でご飯を食べていると……

722 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/07(金) 22:08:04 ID:lYbppSbX
「あっ……あの……」
杏の小さな声が聞こえたような気がした。
「ん?」
俺がゆっくり杏に目を向けるのにつれて、目を伏せていく杏。
……この行動の意味が分からん。
しばらく見つめていたが、杏はモジモジしたまま何も言わない。
諦めて、下を向くと……
「い、いっしょに……」
確かに杏がそう言った。
あわてて、顔を上げる俺。
「ん?」
「え、えと……い、いっしょに……」
「一緒に……?」
「いっしょに……えと……学校……」
「一緒に学校……?」
「えと……その……行こう……?」
あ……。
顔、上げた。
杏が何かを話してるときの顔、初めて見たかもしれない……。
こんなに顔、真っ赤にして話してたんだ……。
「うん、いいよ」
「あ、ありがとう……!!」
胸の前で組んだ手をせわしなく動かしながら、杏がちょっとだけ笑う。
……そういえば、笑顔も始めてだ。
「いいよ、お礼なんて」
俺がそういうと、杏はご機嫌そうに、食事の続きを始める。
訂正。80点はカタい。
大きな進展を感じながら、俺も朝食をまた食べ始めるのでした
───────────────────────

723 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/07(金) 22:10:57 ID:lYbppSbX
とりあえず前回のでネタ切れにならなくて一安心。
……でも、続くのやら続かないのやら。とりあえず、頑張ります。

724 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/08(土) 00:33:54 ID:3Bx7W86Z
激しく続き期待してます
ただ、この兄妹の年齢設定がワカリマセヌ
このオレが脳内補完もできねーとはね

725 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/08(土) 06:18:38 ID:NH8Yq+2P
妹 年齢一桁
兄 おそらく高か大だろう

一緒に行く 妹の学校までの道に駅があり、兄はその駅を使って学校へ行きます 途中まで一緒

漏れの中ではこういう設定になっている

726 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/08(土) 14:06:49 ID:kScl96pG
今回はあんまり年齢とか細かい設定は考えてないんだけど、
まぁ、妹が小学校高学年、兄は高校一年くらいかな。と。

場所については、>>725さんと逆で、駅までの道の途中に学校が。みたいな。
だから『今日は早いよね』となる訳でして……まぁ、だからどうってことはないですが。

727 :260 :2005/10/08(土) 21:59:14 ID:u8qDI+Ih
「はぁ、涼しいな〜っていてて!!なにするんだよ!?」
「・・・余所見してるからだよ」

冷房の効いた喫茶店でまったりウェイトレスさんを眺め始めた矢先に
耳を軽く引っ張られる。

「見るぐらいならいいじゃないか、タダなんだし」
「そういう問題じゃないの・・・それより、ホントによかったの?」
「ん?注文の事か?いいのいいの」

能天気な返事に零れる呆れた巴の溜め息。
店内に流れるモノラルの音色がそれを俺の耳元でかき消す。

「普通のオレンジジュースでよかったのにスペシャルトロピカルジュースだなんて」
「だってこれだけ値段が一桁違うんだぞ?気になるだろ」

注文しようとした巴を手で制して頼んだ大層な名前の飲み物。
正直、興味本位だったのは否めない。

「俺のおごりなんだから気にするな、飲みきれなけりゃ半分俺が飲むし」
「でも・・・」
「そんなに深刻な事でも無いだろうに・・・責任は俺が取る、それよりだ」
「?」
「またまたアタックを受けてたみたいだったな」
「・・・ああ、その事」

728 :260 :2005/10/08(土) 22:18:39 ID:u8qDI+Ih
今現在、クリスマスSSを頑張って書いてます。
ええ、出来上がるのはちょうどそれ位の時期でしょうから
>>718さん
新規さんも増えて俄かに活気付いてきて嬉しいかぎりですね。
一個人としてはこれからもぼちぼち投下していくつもりです。
>>遊星さん
流石は遊星さん、続きも期待させて頂きます。
杏ちゃん、ぎこちない感じが可愛いですね


729 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/10(月) 01:46:56 ID:aojs9GCd
「お兄ちゃん!今日が何の日か知ってる?」
「…知らない」
「あ、ひっどーい!今日は私がこの家に来てから丁度2年だよ」
「ちげぇよ…。俺がお前を好きになった日から丁度2年」
「…え?私もそれ今言おうとしたのぉ!ずるいよ…」

730 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/10(月) 02:13:01 ID:VpFNMmyu
9時。居間でテレビを見ていた妹がコタツの中で寝ている
テレビが終わったら風呂に入るとか言っていたのだが…
風呂に入れば眠気も取れたろうに
しかたない。このままでは風邪をひくから抱えて部屋に連れてってやる
よいしょ!…結構重たい
暖房の効いた居間の戸を足で乱暴に開けると冷たい風が頬をかすめた
布団の用意がまだだったので畳の上にそっと寝かせて布団の用意をしてやる
押し入れを開けて布団をだすと、ふと良いにおいがした
布団の用意ができたので上に寝かせてやる
見ると畳の上で寒そうに足を抱えて縮こまっている
手を触ると冷たかった
手が冷たい人は心が暖かいという話を思い出す
この部屋には暖房がない
だから毛布を2枚かけてやる
湯たんぽも用意してやろうかな
立ち上がって台所に行く
湯たんぽは昨日使ったまま、流しに立て掛けられていた
タオルで2重にまいてポットから湯を入れる
湯たんぽの用意もできたので部屋に戻る
部屋に戻ると妹は起きていた
どうやら布団の冷たさで目が覚めたらしい
服を脱がしてパジャマに着替えさせ、布団の横から湯たんぽを入れる
なんか寂しいので手を握ってみた
やっぱり手は冷たい
両手で左手を包むようにして暖める
少しすると規則正しい寝息が聞こえ出した
妹の左手を布団の中に入れて肩が冷えないように布団をかぶせ、部屋から出た


さて、風呂入って寝るか

731 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/10(月) 11:14:44 ID:VhDinb8P
トリ忘れた・・・これで合ってる・・・・・ハズ(ぇ

>>719
一応は居るんですが忙しくて・・・('A`)
まとめサイト(?)管理乙です〜


732 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/12(水) 21:58:11 ID:pf6ZEXpT
「……」
「……」
二人、黙ったまま、学校への道を歩いていく。
……いや、こうなるのは分かってましたけどね。
何か話した方がいいのかとも思うけど、
さっきの恥ずかしそうな顔見ちゃうと、無理に話しかけるのも可哀想な気がして……
どうしようかな……。
「あ、あの……」
そんな時、隣の杏が俺の顔を見上げて言う。
「ん?」
「え……えと……」
杏は、腰の辺りで指をモジモジ動かしながら、小さな声で言った。
「どうしたの?」
「え、えっと……その……」
徐々に真っ赤になっていく杏の顔。
「だから……その……」
こういう娘だって分かってるから、別に俺も急かしはしない。
急かしたところで、どうにかなるものでもなさそうだし。
「えっと……その……手……」
「手……?」
ああ、俺ちょっと分かってきたよ。
この感じから行くと……

733 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/12(水) 21:59:41 ID:pf6ZEXpT
「はい」
杏に手を差し出す。
「え……」
「手、繋ぎたいんでしょ?」
「う、うん……!!」
杏は嬉しそうに、大きく頷いてから、俺の手を優しく握る。
「へへ……」
顔を真っ赤に染めながら、俺の横で並んで歩く杏。
……もう少し、ゆっくり歩かなきゃな。
「……帰りも……いっしょだと……いいな……」
暖かくて、優しい杏の笑顔。
「うん。そうだね」
そんな杏に、優しく笑いかける俺。
……おや、意外と俺も笑顔出来るんだな。
そのまま、何の会話もなく進む。
やがて、杏の学校の前に着く。
小さく手を振りながら離れていく杏に、手を振り返し、
いつもの道とは違う道を、駅に向かって歩き出した。
───────────────────────

734 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/12(水) 22:01:48 ID:pf6ZEXpT
ええい、筆が進まん!!
つーか……本格的なネタ切れかもしれません、俺……。
クリスマス、正月、バレンタイン……あぁ……。

>260様
GJっス!!続き、期待してます!!
あと、クリスマスSSも、楽しみにしてますよ!!

>>730
季節先取りって感じですな。
ふむふむ……情景描写の描き方とか、勉強になるっス……。

>すばるさん
おぉっ!!久しぶりでござりますです!!
いつか、すばるさんのSSが読める日を待ってますぜ。


さて、そろそろ、次スレ立てましょうかね。

735 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/12(水) 22:13:38 ID:pf6ZEXpT
ダメでした……カッコ悪ぅ……。テンプレ作ったから、気に入ったら使って。

「あ、お帰りなさい、兄さん。ご飯できてますよ」
ここは、脳内の妹さんが囁いてくれるセリフとかSSとかを暴露しちゃうスレなんです。

【兄さんと私の約束】
・荒らしさんや厨房は、無視してくださいね?
 そうでないと、兄さん自信が居づらいスレになってしまいますよ。
・出来れば、sage進行でお願いしますね。……その……恥ずかしいですから。
 メール欄に『sage』といれてくださいね。
・SS職人さんにはお礼を忘れずに。
 次も素敵なSSを読むことの出来るコツですよ。
・たとえリアル妹さんでも……浮気は、許しませんからねっ!?

【兄さんとの思い出】
妹に言われたいセリフ
http://game.2ch.net/gal/kako/1022/10225/1022257886.html
[第二弾]妹に言われたいセリフ
http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1028470988/
[第三弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1056993709/
[第四弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1106065356/
[第五弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1110717816/

過去ログ倉庫
ttp://www.geocities.jp/mewmirror9/

では、このスレも楽しんでくださいね、兄さん?

736 :260 :2005/10/12(水) 23:17:22 ID:WK59l+zx
次スレ、立てました。

[第六弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1129126207/l50

737 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/16(日) 15:01:13 ID:EdtwdGwB
やっと追い付いた!
>>690美桜くん推奨のの暴力的な妹を埋めついでに即興で軽く妄想してみますです

コンコン
「・・・・・」
本日3度目の沈黙。妹が学校帰ってきてから何か様子がおかしい。
人が「おかえり」と言っても「ただいま」どころか返事すらなかった。
いや、「ただいま」はいつもないか・・・いやいや、今の問題はそこじゃない。
いつもならノックをするだけで「うるさい!」だのなんだのとつっかかってくるのに今日は何度ノックをしても返事がない。

「お〜い。寝てるのか〜?」

・・・・・。やはり返事はない。だが俺は負けず嫌いだ。こうなったら何か反応があるまでノックし続けてやる!

コンコンコンコンコンコンコンコンコ・・・「うるさいよバカっ!・・・放っといてよ!」
「人が心配してるのに放っといてはないだろ?お前帰ってから何かおかしいぞ?」
「誰も心配してなんて頼んでない!どっか行ってよ!」

『どっか』とは妹の部屋のドアの前以外なら何処でもいい・と言う事か?なら・・・
俺は目の前のドアを掴み、妹の部屋へ入る。
久しぶりに入る妹の部屋。思わず立ち尽くしてしまった。
そこは俺の知っている妹の部屋ではなく、立派な女の子の部屋だった。
そして当の妹はベットの上で布団を被り蹲っていた。

「なんで入って来んのよ!?どっか行ってって言ったでしょ!」
「どこか行けって言われたから部屋の前から部屋の中に移動したんだが・・・ダメなのか?」
「ダメに決まってんでしょ!早くどっか行ってよ!」
「だが断る。お前が布団から出てきて何があったのか話すなら考えよう。」
「・・・何もないよ!出てって!もう放っといてよ・・・」


738 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/16(日) 15:36:43 ID:EdtwdGwB
俺は黙って妹のベットの横へ移動する。そしてもう一度

「お前が 布 団 か ら 出 て き て 何 が あ っ た か 話 す なら考えよう」

言い終わるか終わらないかのうちに妹がバッと起き上がり妹の右手が俺の頬に飛んでくる。
つまり、ビンタされた。いつも叩かれてるせいで手加減無しだとわかった。
妹はすぐに顔を反らしたがビンタの反動で妹の目から何かが飛んだのもわかった。

「・・・いい加減にしてよ!そんなに私が嫌い!?こんなからかいに怒ってる私を見てそんなに楽しい!?」
「とりあえず嫌いなやつの心配をするやつは居ないと思うが?まぁ少しからかってたのは否定はしないけど。」
「・・・うるさい!都合のいいときだけ兄貴面しないでよ!」
「俺はいつも通りだが。俺は今のお前にとって都合がいいのか?」
「うるさい!あっち行って!私に構わないで!」
「都合がいいと思うならお前も都合よく妹面すればいいだろ?俺はお前の兄貴だからな。強制はしないけどね。とりあえず夕飯作っといたから食べろよ。じゃ、どっか行くよ。」

なんでこいつは素直になれないんだろうか。強がって、自分を隠してる。
泣きたい時くらい素直に泣けばいいのに。
とにかくこれ以上居ても妹の機嫌を逆撫でするだけだと思って妹に背を向けた。
その時、急に背中の重力が増した。

「・・・この部屋の空気が重いせいか随分と体が重いな。背中に何か乗ってるのか?」
「何も乗ってない。運動不足だ。バカ・・・」
「運動不足とバカは関係ないと思わないか?」
「関係ある。運動してれば重いなんて思わない。それと・・・こっち向くな。こっち見るな。」
「それは困った。もう向いてる。だが幸いまだ見てはない。」

そう言って妹を抱き締める。
布団から体を乗り出して抱きつく妹とぼーっ天井を見つめながら妹を抱き締める兄。

739 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/16(日) 16:03:47 ID:EdtwdGwB
「端からみたら本当に『バカ』だな・・・」
「兄貴がね。」
「その『バカ』の妹もきっとバカだな。きっと強がりで無器用で、悲しい時でも兄貴に頼れないようなバカだ。」
「そうかもね・・・」
「お前の事だ。」

妹につねられる。やっぱり今のは失敗だったかも。
でも今度は手加減されてるのが分かる、と言うより痛くない。

「背中が痛い気がする。これも運動不足のせいだと思う?」
「当たり前。帰宅部なんかやってるからだよ。少しは運動しろ。」
「どっかのバカが素直になるくらい無理だな。」
「じゃあ出来る。」
「例えば?」
「・・・長距離走・・・気分がすっきりする。」
「つまり一人じゃ寂しいから一緒に走って欲しいって事か?」
「っ!!///」

途端に突き放され妹の顔が真っ赤になる。
真っ赤になった妹の顔にはさっき飛んだ『何か』がなくなっていた。
それを見た俺はにやにやしてしまう。
妹が赤面している事よりも何よりも、妹が兄を頼って、そこに安らぎを感じてくれた事が嬉しかった。
だがバカの妹がバカなように、素直じゃない女の兄も素直じゃない。


740 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/16(日) 16:20:37 ID:EdtwdGwB
「図星か?そうなんだな?」
「違うっ!兄貴が運動不足で太ったら学校で私が恥をかくからっ!!」
「はいはい。いやぁ妹に頼られる兄貴はつらいなぁ!」
「違うって言ってんでしょ!このバカ!!早くどっか行け!!」

バシンッ

本日2度目。また叩かれた。しかも手加減無しに。
ただ今度は1度目と違い嫌な気分はしない。痛いが。

「はいはいどっか行きますよ。夕飯、忘れるなよ。」

そう言って今度こそ部屋を出る為ドアへと歩く。
今は重力が弱いからか空気がいいからか体が軽い気がする。

「・・・ありがとね。」
「・・・なんか言ったかバカの妹のおバカさん。」
「どっか行くならちょうどいい走って行け。ミスター運動不足。」
「そうだな・・・多分30分後くらいには公園辺りまで走ってるだろうな。じゃあね、寂しがり屋のお姫様。」
「な・・・っ!!////」

言いながら走って部屋を出てドアを閉める。
やはり今は体が軽い。
少し運動した方がいいかも。と少し本気で思った。
長距離走、妹と同じ部活もいいかもとも思った。本当に少しだけ。

ドアを閉め終わるか終わらないかで妹の部屋から「今すぐ地獄まで走ってけバカッ!」と言う大声と枕が飛んで来た気がするが気のせいだろう。きっと。

741 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/16(日) 16:24:47 ID:EdtwdGwB
あれ?
終わってみたらこれはツンデレかどうかすら危うくなってるような・・・

久々に書いてみたら時間掛るし文章書けないし妹も兄も名前ないし・・・ダメぽ(・ω・`)
駄文で申し訳ないです・・・と言う埋めでした まる

742 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/17(月) 21:08:28 ID:ccxLyglz
さて、杏ちゃんは少しお休み。遊星的ツンデレ妹のはじまりはじまり〜。
何か冷たいケンカになってしまった……。
───────────────────────
ピーピーピー……
電子レンジが電子音を発する。
そういえば、レンジで暖める事を「チンする」というが……
『チン』と音がなるレンジは最近あまり見ない。
「最高にどうでもいいな、我ながら……」
レンジの中から夕飯のおかずを取り出し、テーブルの上へ運ぶ。
両親が急な用事で出かけてしまって、今日は俺一人。
気楽といえば気楽であるが、静か過ぎるのも少し寂しい。
少々行儀は悪いが、テレビでも見ようかと、リモコンに手を伸ばしたその時……。
コト……。
俺の前に夕飯の生姜焼きの載った皿が置かれる。
「え……?」
突然のことに驚きながら、皿の少し上へ視線を向けると……
「何よ?」
何が気に食わないのか分からないが、ムッっとしている妹、彩の顔が。
「別に。彩が来たのに気付かなかったから、ちょっと驚いただけ」
「お兄ちゃんが、ボーっとしてるからでしょ?」
生意気というか……何でこんなにケンカ売るような事を言うのだろう。
「……」
まぁ、こういうのは無視するに限る。
……というか、腹減って、怒る気になれないだけだが。
俺は、黙って夕飯を食べ始めた。
……空気が重い……。
そうだ、テレビだ。
俺がテレビをつけると、ちょうどバラエティ番組が。
一見何をやっているかはさっぱりだが、今はこのバカらしさが有り難いよ。
てなことを考えながら、しばしテレビを眺めていると……。

743 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/17(月) 21:10:17 ID:ccxLyglz
プツン……。
何とも無残な音がして、また静寂が戻ってくる。
俺が正面に目を向けると……。
「うるさい」
サラダを食べながら、彩がピシっと言う。
もう一度テレビをつけようと思ったが、リモコンはすでに彩の手の中。
「俺は少し賑やかなほうが好きなんだけど?」
「あっそ」
関係ない、とでも言いたげな彩の顔。
うるさいと思うなら思うで、もう少し言い方ってモンがあるだろうに……。
だが、この挑発に乗る俺ではない。
俺は黙って席を立った。
「どこ行くの?」
「俺、和室でテレビ見るわ」
「え……」
俺がそういうと、何故か、俯く彩。
「どうかしたか……?」
俺が尋ねると、右方が急に騒がしくなる。
どうやら、テレビの電源が入ったようだ。
「え……?」
「わ、私見たいテレビあったの忘れてたよ。お兄ちゃんも一緒に見ても良いよ?」
「あ、ああ……」
何か拍子抜け……。

744 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/17(月) 21:11:22 ID:ccxLyglz
どうすればいいか分からず、とりあえず黙って座る俺。
「……この番組でいいのか?」
「う、うん!!」
「そうかい……」
まさか彩がこういう番組が好きだったとは……。
やっぱ、人間って変わるもんだなぁ……。
まぁいいや……あんまり相手にしたくないし、とにかく早く飯食って出てこう。
俺が食事に集中しようと、下を向くと……
「ね、ねぇ、お兄ちゃん」
「何だよ?」
「コレ、食べる?」
生姜焼きの皿を突き出して、こちらを睨みつけてる彩。
「何で?」
「別に。もうお腹一杯だし」
「あ、そう……」
「いらないの?生姜焼き、好きでしょ?」
どうしよう……。
このまま貰うのも癪だが……確かに生姜焼きは好物だ。
「じゃ……もらうよ」
プライドよりも食欲の勝ち。
彩の前に置かれた皿に手を伸ばす。

745 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/17(月) 21:12:57 ID:ccxLyglz
「何だよ、全然食べてないみたいだけど……いいのか?」
「食欲無いから」
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫よ」
とは言ったものの……。
俺は立ち上がり、彩の近くへ。
「な、何するのよ!!」
「大人しくしろ。一応だ」
そう言って、彩の額に手を当てる。
「別に熱はないみたいだけど」
「……そう」
何だ、急に大人しくなって……。
「いや……何か熱くなってきたような……」
「え……?」
「顔も赤い。風邪でも引いたか?」
「な、なんでもないわよ、バカっ!!」
俺の手を振り払い部屋を出て行く彩。
「わっかんねぇなぁ……」
一人残る俺。テーブルの上には二人分の生姜焼き。
テレビでは若手お笑い芸人へのドッキリが……オチを迎えたようだ。
───────────────────────
……ツンデレって難しいなぁ、おい。
もうちょいデレ分が欲しいかなーって感じだけど、コレがボクの限界みたいですよ。
お目汚し申し訳ありませんでした。

746 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/18(火) 01:52:24 ID:K7iBOljF
贅沢言うとすばるさんの方はツン分が少ない気がする。デレ分は確かに熱いけど。
そして遊星さん本人はデレ分が足りないとのたまっているが、俺にしてみれば全くそんなことはない
しかしお二方のツンデレを連続で拝見するという珍しい事態に遭遇したから感じたのだが遊星さんが
ツンな部分を、すばるさんがデレの部分を書くという風にしてみればと思った。まあ、ツンとデレは
完全に独立している訳ではないので不可能だろうが…
それにしても、いつか職人さん達の合作(リレーSSみたいな感じ)を見てみたいと思った。
それはまさに夢のコラボレーション!!                無理ですか…?

747 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/19(水) 18:04:53 ID:hNRJiNA3
とりあえず埋める

748 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/19(水) 22:10:16 ID:IbZS0PQq
次スレ立ったし、SS貼るのも微妙だし、
せっかくだから、各々のお気に入りSSでも語るってのはどうですか、お客さん?

749 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:01:46 ID:z+xtPEDv
俺が、家に着いたのは六時半。
もう辺りは、暗くなっていた。
「ただいま」
俺が玄関のドアを開けると、母さんが奥からパタパタとやってきた。
「啓太郎、おかえり〜」
丁度今頃は夕飯の支度で忙しいはずの母さんが、わざわざ出てくるなんて……。
少し違和感を感じた俺は、一応聞いてみることにする。
「何かあったの?」
「あぁ、別に大したことじゃないんだけどー。杏ちゃんがね、ついさっき帰ってきたんだけど、元気ないのよ」
「いつもでしょ?」
「そう?ちょっと大人しいけど、そこまでじゃないと思うけど」
母さんの前だと元気ですと?
ってことは、別に人見知りしてるワケじゃないんだね……。
つまり、嫌われてるのか……俺だけ……?
いやいや、俺と母さんの感じ方の違いだと思いたいな。
「……まぁいいや。元気ないって何が?」
「おやつも食べないし、部屋から出てこないの」
「ふーん……」
「何か心当たりない?」
「……分かんない」
杏には、何しても問題になりそうな感じだけど……。
「そう……。何か大事じゃないといいけど……」
「だね。何かまたおかしな事あったら教えて」
「そうね。行く?」
「どこへ?」
「杏ちゃんのトコ」
「ううん。杏ちゃん、俺には何も話してくれないから、やめとくよ」
「ふぅん」
そう言う母さんだが……微妙に笑顔。

750 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:02:39 ID:z+xtPEDv
「何で笑ってんの?」
「いやー、私、好きよ、そういうの」
「どういうの?」
「私が言うより、自分で気付いた方が何倍も嬉しいわよ?」
「あっそ」
気にはなるが……ここまで言われると、絶対に教えてくれる気はないだろう。
母さんの脇を通り抜け、俺は自分の部屋へと向かう。
「あ、そうそう。もうすぐご飯だから、来るときに、杏ちゃん呼んできてね」
「ん、分かった」
───────────────────────
結局、夕飯のときも話をすることはなく、母さんと杏、ふたりで静かに会話をしているのみだった。
一時は進展したかと思われた俺と杏との仲だが……
一気に、出会ったとき、いや、もしくはそれ以上に後退していたようだ。
やっぱり、杏の考えてることは、よく分からない。
コレは、良い気分ではないが……そのうち突然元に戻るだろうと、若干楽観的になっていた。
その日は、何もなく、夕食後ダラダラして、風呂に入って寝たわけだが……。
「ん……」
時刻は二時。突然目が覚めた。
「ストレスってヤツかな」
そのまま目を閉じる。が、ちっとも眠くない。
とりあえず気分を変えようと思い、水でも飲もうと部屋を後にした。
階段を目指し、廊下を静かに歩いていると、一つの部屋の前で奇妙な音を耳にする。
「ここって……」
俺の部屋の隣の少し小さな部屋。杏の部屋だ。
断続的に聞こえてくる奇妙な音。
考えなくても分かる、これは杏の声……。
「杏ちゃん……?」
ゆっくり杏の部屋のドアを押し、真っ暗の部屋の中を手探りで進む。
その間も杏ちゃんの呼吸は、荒く続いている。
「杏ちゃん……?」

751 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:03:24 ID:z+xtPEDv
暗がりの中、もう一度呼びかける。
「けいたろ……さん……」
荒い呼吸の中に、杏の俺を呼ぶ声が確かに聞こえた。
「電気、つけるね」
そういいながら、電気のスイッチを探し、つける。
蛍光灯が何度か瞬いて、杏の顔が次第に見えてくる。
……苦しそうな杏の顔。
「だ、大丈夫なのか!?」
やっと、事の重大さを認識した。
「だ、だいじょうぶ……だよ……?だから……」
苦しそうな顔を無理矢理笑わせて、俺に向ける杏。
「何言ってんだよ、その顔で、大丈夫なワケないだろ!!」
その杏の顔が、あまりに健気で、可哀想で、思わず声を荒げてしまう。
杏は、布団を鼻の辺りまで被りながら、脅えた目を見せる。
「あ……ゴメン」
謝りながら、杏の額に手を置く。
熱い。かなり。
「すごい熱だ」
「私は、だいじょうぶだから……」
「いーや、大丈夫じゃないね。待ってて。色々持ってくるから」
「いいの……メイワク……かけちゃダメだって……」
「いいから。こういうときだけ良く喋るな、お前」
あ……。
何か、すげぇ馴れ馴れしいっつーか、すげぇ砕けた言葉を使ってしまった。
予想通り、脅えた目リターンズ。
「あ……ゴメン。でも、ホントに迷惑なんかじゃないから」
杏の髪を優しく撫で、俺は部屋を出て行く。
「……ありがと」
杏がそう呟いて、微笑んだのを……残念ながら、俺は見ていなかった。
───────────────────────

752 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:05:03 ID:z+xtPEDv
無視されちゃったんで、中途半端になるの覚悟で貼っちゃいました。
まぁ、次スレに続く、ってことで。

このスレでは世話になりました。また次スレでもよろしくお願いします、っと

753 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/22(土) 20:09:32 ID:0O9cwvdc
来るのが遅かった orz

>>遊星さん
無視した訳じゃないんです orz
なんかキャラが初々しくていいですな(´∀`)GJです


俺もお世話になりました〜
神出鬼没の幽霊コテですが次スレでもよろしくお願いしますね、っと

754 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/28(金) 22:36:03 ID:srnz0BmZ
浮上

755 : ◆zijNnv0Y/k :2005/10/30(日) 14:44:28 ID:6fPXjCe3
sage

499KB
新着レスの表示

スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2004-10-30