■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50
[第五弾]妹に言われたいセリフ
- 101 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/19 22:55:41 ID:nYhoD2mQ
- もう、おもしろければ何でも構いません
- 102 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :05/03/19 23:12:42 ID:Y0OABBB/
- >>遊星さん
乙です〜!GJ!新シリーズですか!
ハーフ…萌え……! (*´Д`)ハァハァ
>>たゆんさん
乙です〜!
凄いですよ!マジで!
隔離スレに感想書いたので
手の空いた時に見てください!
- 103 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :05/03/20 00:24:53 ID:DCEAXzVe
- ↑隔離スレというのは
あの雑談スレの事です。すみません。
- 104 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/20 09:14:56 ID:ZvCnOG4i
- これを読めば話は大体分かる。遊星より愛を込めて台本基礎知識。(for beginners)
双子の話→明るい姉の石川唯奈(ゆな)と大人しい妹の石川千奈(ちな)の双子と、
お兄ちゃん(お兄さん)石川真司の話。義理。正直、千奈はほぼ未来。
『唯奈は何でも気兼ねなく話してくれたし、千奈も聞かれれば答えてくれた。
二人の特徴としては、俺に話してくれた限りではだが、
唯奈は明るく、素直な子。勉強はあんまりだが、テニスとかスポーツが得意らしい。
対照的に千奈は大人しく、恥ずかしがり。趣味は読書とお菓子作りらしい。
不思議なくらい正反対な二人だが……俺は、それが仲の良い理由ではないかと思っている。』
梨那の話→明るく無邪気、ちょっとバカな相川梨那と、成績優秀なお兄ちゃん、州田(すだ)敬介の話。
二人は同学年で幼馴染、勿論兄妹ではないが、兄妹のような関係。
『こいつの名前は相川梨那。俺の幼馴染。もちろん妹ではない。
だが、小二になるまで自分が俺の実の妹だと信じていたバカなヤツだ。
そのクセで、俺のことをお兄ちゃんと呼ぶのだが……。
「大体、一年も歳離れてないんだぞ、俺たち?しかも同じ学年だし」
ちなみに、梨那は俺と同じ学年である事に小一の三学期で気付いた。
「でも、お兄ちゃんはお兄ちゃんだよー?」』
- 105 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/20 09:16:15 ID:ZvCnOG4i
- 沙耶の話→無邪気で元気一杯、ちょっと臆病で引っ込み思案なところもある三上沙耶と、
沙耶のツインテールを引っ張ったり、からかったりしながらも沙耶を見守るおにぃちゃん三上修二の話。
仔犬とご主人様のじゃれ合いみたいな話にしたかったが、現実はただのロリキャラ……
『俺に起きて欲しい何かしらの理由があるのだけど、
無理には言えなくて、泣きそうになってる。そんな顔だ。
「……お休み、おにぃちゃん。でも……出来るだけ、早く起きてきてね……」
こういうネガティブな急かし方も沙耶らしいといえば沙耶らしい。』
未来の話→真面目で料理マニア、機械オンチの未来(みく)と、セクハラ全開のシスコン兄さんの話。
ハッキリ言えばエロ担当。
『「もっ、もう!!兄さん!!実の妹口説いてどうするんですか!!」
「そりゃ、妹だろうと何だろうと、未来が可愛すぎるからに決まってるだろ……?」
そう言って、俺は妹の首に手を回し、妹の顔を俺の顔に引き寄せる。
「にっ、兄さん!!!」
顔を真っ赤にして、俺の手を振り解く。こういう純なところがとてつもなく可愛い……。』
───────────────────────
……ま、今更だけど、新スレだし一応必要なんじゃないか……と、思って。
>雨音は紫音の調べ 様
えっと……『あの雑談スレ』とやらに心当たりが無いのですが……
俺……もしかして隔離された……?
- 106 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/20 14:34:45 ID:umApLcvD
- あーや、僕の方です。 ぎゃるげ板に巣くう駄目コテどもが群がるスレですー。
貴方を隔離なんて、そんな。
なんか尊敬してる方に姐さんって呼ばれちゃった。 如何しよう。
うみゅ、言い訳はすまい。 兎に角面白いの目指してこれからも頑張らせて下さい。
明日へ向けて。 日々是精進。
自分も皆も納得出来たらベストかなー。 そんな日を夢見てパッション。
む? 偉そう? 何を仰るキタキツネ。 貴方は! 偉いんですよ!
私の心の師匠七人目指定です(如何でも良い)。 之からも迷える私に道を示してやって下さいね、遊兄さん。
・・・・慣れ慣れしいか。 スイマセン。
↓次までの繋ぎ+自己満足。 細い設定ハァハァ。 有紗ハァハァ。
- 107 :なぜなに月下:ににちめ の1 :05/03/20 14:38:34 ID:umApLcvD
- 「ほいきた! 有紗と!」
「・・・・・切の」
「なぜなに月下〜!」
「・・・本編が続くか如何かも微妙なのに、よくやるわね」
「うるさいなー、続くのを願ってでしょー? はい、今日はにゃんこちゃんが進行して」
「にゃんこちゃん・・・・・・・・・んん、今日は使徒の種類について」
「おおー、ぱちぱちー」
「先ず、使徒は世界を構成する千十一の要素全てに居るわ」
「1011人だね」
「そうね。 そして使徒、と言うより要素は大きく六種類に分けられるの。
始原、根源、観念、現象、其の他のモノ・・・ってね」
「ほうほう」
「始原の要素は10。 第二夜の冒頭のね。
これらは世界が出来るよりも前に存在して・・と言うより、これらが在ったから世界は出来たの」
「だから始原なんだねー」
「次に、根源。 根源は多くの他の要素にも影響が在る要素なの」
「例えば?」
「例えば・・『雷』」
「あ〜、電気がないと大変だもんね〜」
「・・・・まぁいいわ。 根源と言っても何の根源か、という見方によって変わるから、何が根源要素か、っていう決まりは無いわ。
極端な話、奈菜の『血』だって多くの生き物に関わるから、根源とも取れるわ」
「ふーん。 じゃ、観念は?」
「観念と言うのは心持つモノ・・つまりヒトにのみ関わる、元々はさして『強い』要素ではなかったの。
でも現在は世界中にヒトが溢れてる。 今となっては『強い』要素として、『観念』っていうカテゴリーで括られてるの」
「あの怖いマネキンさんが言ってたけど、37人いるの?」
「其れは一つの括りでしかないわ。 根源と一緒。 厳密な規定なんてないの」
「何かてきとーだねー。 現象は?」
「第二夜に出てきた私達や『焼』みたいな、文字どおり『現象』の事を指すの。 根源と被る事も多いわね。
先刻(さっき)言った『雷』なんかそうね」
「強いの?」
- 108 :なぜなに月下:ににちめ の2 :05/03/20 14:41:15 ID:umApLcvD
- 「そうね・・。 『強い』のが多いわ」
「にゃんこちゃんも? 吉川先生に良い様にやられてた感じだったけど」
「あれは殺さない様、加減してたからよ。 突風は火其の物を消してしまうもの」
「へー。 んで、その他は?」
「其の他に分類されるのは・・『鉄』や、『翼』とかかしら」
「つばさ? 鳥の?」
「鳥とは限らないわよ? あと、奈菜の『血』ね。 これなんかは血其の物も示すし、血液のシステムも指すわ」
「えーと・・・つまりー、いろいろな物ってことだね」
「そうね」
「んー、要素の分類って結構てきとーなんだね・・・あ、六個なら一個足りないよ?」
「残りの一つ・・・其れは『不明』の要素」
「ふめー? 分かんないの?」
「どの始原要素にも関わらない要素をそう呼ぶの」
「あれ? 全部に関わるから始原なんじゃないの?」
「其の筈なんだけど・・実際はそうなの」
「うわー、益々てきとーくさいなー」
「例を挙げれば『時』とかね」
「んー、確かにあの10個には関係なさそう・・かも」
「寧ろ始原が影響を受けてるとも見れるわ。 『時』が流れるから『死』が訪れる訳だし」
「でも、死んじゃうから時間が流れるのかも」
「そう、そうとも取れる。 結局よく分からないの。 だから不明」
「んー・・それじゃどうしてその要素は出来たのかなー? ってゆーか、何がどうなって要素って出来たんだろ?」
「其の答えを知っているのは・・始原の十人位でしょうね」
「他の使徒は知らないの?」
「知る必要が無いもの。 使徒は己の司るモノを司るだけ」
「えー、そんなのつまんなくないー?」
「其れが使徒だもの。 余計な事を考えて、奈菜みたいに他の使徒を『殺し』たりし始めたら困るもの」
「んー・・・・・・でもどうして今になって突然、奈菜ちゃんは違う意味を見付けたんだろー?」
「さぁ・・・其れは奈菜に聞いてみないと。 奈菜にも分からないかも知れないけれどね」
「ほう、伏線の予感・・・・あ! ヤバイ、最後の行だ! ほいじゃみんな、また会う日まで! あでぃおす・あみーご!」
- 109 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/03/21(月) 08:35:26 ID:QGl3DPuA
- >>104-105
>>107-108
設定の練り込みがすごい…!さすがです!!
>>遊星さん
紛らわしい言い方してしまいすみませんです……
隔離スレは、
ゲームの話やマンガの話、日常会話など、特にジャンルを問わない雑談スレです。
「雑談好きコテ達の馴れ合い、語り合いスレ」ってやつですねw
お暇な時にでも是非覗いてみてください〜! d(>ヮ<)
差し支え無ければリンク先貼りますが……
- 110 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/03/21(月) 11:15:03 ID:TW5FDPao
- 久しぶりに来たな…
コテ付けるの、何か投下する時だけにしようかな…
>>たゆん氏
乙ですー。
こーゆーのは恐いと思ってたんですが、この作品で見方が変わりましたorz
凄いっス
>>遊星氏
乙ですー。
台詞(萌え)に重点を置いた感じに作風を変えたんですね。
相変わらず素晴らしいです
- 111 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/03/23(水) 18:15:16 ID:kJxeyLMN
- 妹「ねぇねぇ、お兄ちゃんの高校に合格しちゃった♪」
兄「ふぅん。なんでまた、ウチの学校を選んだんだ?」
妹「えっ!?……そ、それは……」
兄「まあ、別に言わなくてもいいけどな」
妹「……えっと……誰にも言っちゃダメだよ?」
兄「ああ」
妹「あのね……お兄ちゃんと……一緒が良かったから……」
兄「俺と?」
妹「な、ナイショだよっ!?誰にも言っちゃダメだからねっ!?」
兄「分かってるよ。……ふぅん、俺と一緒が良かったから、ねぇ……」
妹「お、お兄ちゃん!?」
兄「お前ってそんなに人見知りするほうだったっけ?まあ分かるけどな。その気持ち」
妹「―――え」
兄「あれだろ?身内がいないと不安だって感じたんだろ?」
妹「―――お兄ちゃんの」
兄「え?なんだって?」
妹「ばかああああぁぁぁぁぁぁっ!!!もう知らないっ!!」
- 112 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/23(水) 22:35:02 ID:krCQ6CBg
- 「えっと……えっと……」
並びに並んだ和菓子の前でサラちゃんが悩んでいる。
「サラちゃん、決まった?」
「まだ……」
「どれも美味しそうだね?」
「えぇ。あの……マサト、選んでくれないかしら?」
「ああ。いいよ……あの、すいません」
俺は団子、羊羹などを適当に選んで買う。
「可愛いお嬢さんだね?カノジョ?」
「あはは。ま、そんなもんッスよ」
「そうかい。でも、浮気は良くないなぁ」
「な、何言ってんスか!?おやっさん!!」
「だって、いつものコが見えないじゃないか。それとも、喧嘩でもしたかい?」
「いや、アイツはちょっと用事で……」
「ま、今日は見逃そう。あの娘を大事にしてあげなよ?」
「ははは。そうッスね」
「うん。頑張ってな。毎度あり」
店主と軽く会話を交わして、ビニール袋を受け取る。
「お待たせ、サラちゃん」
「この店のお得意様のようね。いつもは恋人と来てるの?」
「え……ま、まぁ、いいじゃないか。その辺の話は」
「まぁ、私も無理には聞くつもりはないわ」
「あぁ。感謝するよ。さぁ、帰ろうか」
また、沈黙の道程を歩き出す二人。
しかし……
- 113 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/23(水) 22:36:00 ID:krCQ6CBg
- 「あー!!ガイジンだ!!」
「ホントだー!!」
近所のガキがサラを指差して叫んだ。
俺は腹が立ってしょうがなかったのだが、当のサラちゃんは何食わぬ顔で歩き続けている。
「大丈夫?」
俺は前を向きながら、サラちゃんに話しかける。
「大丈夫。酔っ払いと一緒。反応したら負けよ。そのまま前を向いていなさい」
「強いね……サラちゃんは」
「慣れてるだけよ。自慢にもならないわ」
「そう……。少し、急ごうか」
「えぇ」
出来るだけ前方しか見ないようにしていたので、サラちゃんの顔は分からない。
でも……どこか悲しげな感じはしっかりと伝わってきて……行き以上に沈黙が辛かった。
───────────────────────
「マサト……」
「何?」
坂を上りきったとき、サラちゃんが重い口調で言った。
「何で……あんなこと言われちゃうのかな……」
「んー……あんまり言いたかないけど、しょうがないことだと思う……」
「うん。それは分かってる……けど……」
「あんまり、いい気分じゃないよな」
「うん……」
サラちゃんが俯いて答える。
こんな時……俺は……。
「日本で友達出来るか、不安?」
「うん……」
「……多分、サラちゃんの第一印象ってあんなモンだと思う」
「……」
- 114 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/23(水) 22:37:06 ID:krCQ6CBg
- 「でも……そこから先はサラちゃん次第だよ」
「えっ……?」
「たとえ外見が皆と違ってても、結局人を引き付けるのはサラちゃん自身だからね」
「私自身……?」
「うん。サラちゃんの場合、確かに、友達になるきっかけは人よりも少ないかもしれない。
でも、勇気出して話しかけてみたら、結構仲良く慣れるもんだよ?」
「そんなに……簡単じゃないよ……」
「そう?俺の友達が言うんだから間違いないって」
「マサトの……友達?」
「ああ。そいつもちょっと問題ありだったんだがな……
でも、いざ話してみたら凄くいい奴でさ。今じゃそんな事気にもならないよ」
「マサト……」
「勇気出た?」
「うん……ありがとう……。私、日本でも友達出来そうな気がしてきた……」
「あ……」
サラちゃんが……笑った。
凄く明るくて、嬉しそうな笑顔。
「サラちゃん……やっと、笑ったな?」
「えっ?えへへへ……うん」
もともとサラちゃんってこういう娘だったんだろうな……。
「腹減ったな……何か食べて帰ろうか?」
「えっ……えっと……」
「話し易いようでいいよ。口調には拘らないからさ」
「うん。ありがとう」
「いいよ。で、何か食べたい物あるかな?」
「やっぱり、日本の物がいい」
- 115 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/23(水) 22:38:25 ID:krCQ6CBg
- 「日本の物か……オムライスなんてどうかな?」
「おむらいす……?」
「知らない?美味しいお店知ってるんだけど、食べてみない?」
「うん。食べてみたい!」
「よし、決まり。行こう」
「うん」
───────────────────────
この台本で訴えたい事。
・緑茶を飲め。
・和菓子を食え。
・響鬼を見ろ。
つーか、悩みとかそのへん書くのに向いてないんだよ、俺は。
もっと言うと、物書くのに向いてないんだよ、うん。
変な期待させてゴメンな。まだ続くけど、次は頑張るからさ。
>海中様
こんな短いのにちゃんと萌えがあって……流石だなぁ。
- 116 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/23(水) 22:52:28 ID:lnSm1jmf
- >>姐さん
えらいこと亀レスですが…面白かったですー!
練られた展開と深い設定を、これだけ凝縮して書けるとは…もう脱帽っすよホント…
>>海中さん
カワイイ……マジで…
>>遊星神
リアルタイムで見れた!ステキですよ〜♪
- 117 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/23(水) 23:52:09 ID:u9BKqKsY
- ・ゆっくりやれ
・じっくりやれ
・亀に乗れ
- 118 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/24(木) 00:34:41 ID:kLD+eCZ3
- やっぱり此処がないと自分は駄目です。 神々最高。
中毒性が高いスレ・・・((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブル(*´Д`)ハニャーン
うっし、デュープリズムばっかやってないで、続き書くか!
オムライスとか、ピンポイントで素晴らしい。
- 119 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/03/24(木) 21:13:19 ID:u4FjRBrb
- 良いです!スバラシイです!このスレ最高!(≧∇≦)b
- 120 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/25(金) 10:36:30 ID:BWAUjHbJ
- >>海中さん
ヤバい……にやにやしちゃう///
1レスでも素晴らしい程萌えられました!
>>遊星さん
イイ(・∀・)です!
ツンデレ……?(*´д`)ハァハァ
>>118
デュープリズムとはまた懐かしいものを……
- 121 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/25(金) 16:24:37 ID:3dhdsjtW
- そういえば、『サラ・ハワード』って英国人の名前として存在するんだろうか。
ま、それはそれとして……こっから、サラの性格をどうしようかな。
一気にデレデレになるのがいいか、ツンなんだけど時々デレを見せるのがいいか……。
お兄ちゃんって呼び始めるのがいいか、「マサト」のままがいいか……。
あ、でもお兄ちゃんって呼ばなきゃスレ違いだよな……「マサト」、結構気に入ってるのに。
- 122 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/26(土) 00:33:36 ID:pVtWmD+p
- みんなもし妹がいたら何て呼ばれたい?
1.お兄ちゃん
2.兄さん
3.自分の名前
4.その他(例を挙げて下さい)
俺は基本的には「お兄ちゃん」が一番で (細かく言うと、「お兄ぃちゃん」というイントネーションが最強)
それ以外も十分OKなんだが、ひぐらしで「にーにー」を覚えて以来かなりキてる。
- 123 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/03/29(火) 21:53:21 ID:I1urJFfK
- むしろ一人称にこだわりたい
余所のスレの昔のログで見た一人称”妹”とか
フィクションでも良いから、一度お目にかかってみたい
- 124 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:19:16 ID:EWSNEC8p
- 「マサト……何を作ってるの?」
晩飯の支度をしていた時、サラちゃんが俺に声をかけた。
一応、お手伝いの申し出はあったのだけど、特にすることもないし、危ないので断った。
「ん?今日の晩御飯だよー」
「そんな大きなお鍋で?何が出来るの?」
「うん。何だと思う?」
「えっと……分かんない……」
「ヒント。サラちゃんがさっき言った」
「……?」
「ヒントその2。コレ」
俺はサラちゃんに見えるように、箸で鍋を軽く叩く。
「お鍋……?」
「正解。答えは鍋でした」
「お鍋……?お鍋を、食べるの……?」
「はっはっはっ!!久しぶりに聞いたよ、そのギャグ!!」
「わ、笑わないでよ!!知らないんだから!!」
「悪い悪い。あの、鍋料理っていって、この鍋で、お肉とか野菜とかを煮ながら食べる訳だ」
「へぇ……スキヤキみたいなもの?」
「まぁ、そんなもんだ」
今や世界中にジャパニーズ・レストランなるものがあるらしいが……鍋はそんなに有名じゃないのか……?
外国なんて行った事ないから分からないけど……。
- 125 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:20:23 ID:EWSNEC8p
- 「さ、そろそろ煮えてきたかな。食べ始めようか」
「うん」
「はい。サラちゃんの器と箸」
「うん。ありがとう」
「そういえば、サラちゃん、箸は使えるの?」
「うん。チャイニーズ・レストランには何回か行ったことがあるから」
「ほぉ。あ、豆腐ならもう食べられるよ」
「うん」
「この箸でお鍋の中のものを取って、この中のタレにつけて食べるんだよ」
「うん」
俺の言うとおり、サラちゃんは豆腐を掴もうとしたが……
「あれっ……?」
やはり豆腐となると上手く掴めない様で、豆腐を四分割してしまった。
「あ、ゴメンゴメン。俺が取るよ」
「いい!!自分でやりたい!!」
「ほぅ。自分を鍛えたいというわけだ。よく言った」
「えっと……そんな大げさな……」
「でも、練習は後。食べるときは楽しく食べる!!オタマ持って来るよ」
「えっ……うん」
つーわけで、もう春だが鍋を食う二人でした。
───────────────────────
- 126 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:21:09 ID:EWSNEC8p
- 「サラちゃん、お風呂沸いたから、先に入りなよ」
飯も食べ終え、珍しそうにテレビを見ているサラちゃんに声をかけた。
「うん。でも、マサト。私、日本のお風呂の入り方知らないわよ……?」
「あっ、そうか……つっても、俺もイギリスの風呂の文化なんて知らないし、どこから説明すればいいのか……」
って言うか、風呂ってあるの?あ、映画で見るみたいな泡風呂かな?
「あの……それなら……マサト……」
サラちゃん……顔赤いぞ……?
「ん?何?」
「一緒に……入らない?」
「おぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
「ダメ?」
「いや……あの……俺にはサラちゃんを預かってる責任があるわけで……」
「え?何言ってるの、マサト?」
「ちょっと……マズくない?」
「子供だから大丈夫よ。私、パジャマ取って来るね」
「えっ!?ちょっと!!ねぇ!?」
行っちゃった……どうしよう……。
まぁ……サラちゃんは小さい訳だし……俺も気にし過ぎかもしれないな……。
そう自分に言い聞かせながら、俺は先に風呂に向かう。
いつも通り軽く体を流し、湯船の中へ……おっと、タオル巻くのを忘れてた、危ない危ない。
そして、しばらく一人、湯船の中でのんびりしてると……。
- 127 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:22:03 ID:EWSNEC8p
- 「マサト」
サラちゃんが脱衣所から声をかける。
「よっ、サラちゃん。えっと……そこで服脱いで、その辺に畳んで置いといて」
「うん。分かってるわ」
「じゃあ、そこのバスタオルを体に捲いて入ってきて」
「うん」
髪を下ろしたサラちゃんが、タオル一枚で浴室に入ってくる。
……あ、意外と大丈夫だ、耐えられる耐えられる。
「で、体にお湯をかけてから、この中に入るんだ」
「うん」
言われたとおり、お湯を被り、浴槽の中にゆっくりと入るサラちゃん。
「熱い?」
「ううん……大丈夫よ……」
「そう。じゃあ、俺は……」
俺が立ち上がって湯船から出ようとすると……
「えっ!?マサト、もう行っちゃうの!?」
「ははは、ここで髪の毛洗うだけ。何処にも行かないよ」
「そう……良かった……」
サラちゃんの安堵の溜息。
「すぐ洗っちゃうから、待ってて」
「うん」
ってことで、シャカシャカと頭を洗って、湯船に飛び込む。
「きゃっ!?マサト!?」
「何だ?」
- 128 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:23:09 ID:EWSNEC8p
- 「マサトが……私に……ちょっと触れた……」
……それだけですか?なんか、アイツにそっくり……。
「おいおい……狭いからしょうがないじゃないか」
「ま、まぁ……そうなんだけど……ちょっと恥ずかしいわ……」
「それなら、サラちゃん、髪の毛洗ってきなよ」
「い、いいわよ!!このままで!!」
「あ……そう……」
サラちゃんの勢いに負け、そのまま二人は湯船の中、互いに向き合っている。
目を閉じ、何も考えず静かに座っている俺と、何だか落ち着き無く足をモゾモゾ動かしているサラちゃん。
二人の間に、しばらく会話は無かったのだが……
「ねぇ、マサト……」
「何?」
「そっちに行ってもいい?」
「えっ?」
「いいよね?」
そう言って、体の向きを180度回転させ、俺の膝の上に座るサラちゃん。
……さっきは恥ずかしいって言ってたくせに。
「さ、サラちゃん……?」
「うーん……これだと、肩がちょっと出ちゃうね」
ちょっと残念そうにサラちゃんが漏らす。
あ、水の位置が合わないってことなのか……。
「お湯足そうか?」
「いいわ。もうちょっとこうすれば……」
サラちゃんが、お尻の位置を前方に移動させ、俺にもたれかかるような体勢になる。
「ね、マサト」
- 129 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:24:01 ID:EWSNEC8p
- サラちゃんがその体勢のまま上を向き、俺の顔を下から覗きこんだ。
……うわっ、可愛い……かも……。
ちょっとドキドキしてきた……。
「背中流してあげようか?」
「そういうこと……よく知ってるな?」
「さっき見てたテレビでやってたから」
「えっと……じゃ、じゃあお願いしようかな……」
「うん」
ということで、二人で湯船から出て、俺は椅子に座った。
ヤバ……胸の動悸が収まらん……。
「えっと……そ、そこにあるタオルと、このボディーソープ使って」
言葉を噛んでしまった……落ち着け落ち着け。
「うん」
後ろからゴソゴソと言う物音が聞こえる。
そして、
「じゃあ始めるわね」
ごしごしごしごし……。
「どう、マサト?」
「うん。気持ちいいよ」
「良かった……。でも、そんなに気持ちいいの?」
「うん。じゃあ、今度は俺がやってあげよう」
「えっ……!?」
「いいからいいから」
ムリヤリ、サラちゃんからタオルを奪い、椅子に座らせる。
「さ、タオル外して」
「えっ……マサトっ!?」
サラちゃんが顔を真っ赤にして振り返る。
おいおい、何を想像してるんだよ……。
- 130 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/03/31(木) 23:25:06 ID:EWSNEC8p
- 「いやいや、背中出さなきゃ洗えないだろ?」
「そうだけど……」
「じゃ、やめる?」
「う……ううん……」
そう言って、ゆっくりタオルを外すサラちゃん……。
エロすぎるだろ……コレ。
そんなモヤモヤした気持ちを抱えながら、サラちゃんの小さな背中を優しく洗い始める。
「キャっ!?ま、マサト!?くすぐったいよぉ!!きゃはははは……」
「くすぐったい?じゃあ……」
手の力をちょっと強くしてみる。すると……
「ま、マサト!?そこっ!!ダメだって!!きゃははははは!!」
くすぐったそうに身をよじらせるサラちゃん。
そして……
「もう!!マサト!!真面目にやってよ!!」
サラちゃんが振り返った……。
「あっ……」
「えっ、どうしたの?……あーーーーーっ!!」
恥ずかしそうに胸を押さえ、浴室から出ていってしまうサラちゃん……。
俺は、のぼせ+興奮で、フラフラになりながら、サラちゃんに謝りましたとさ……。
───────────────────────
スレ違い!?話が無理矢理!?キャラの性格に一貫性が無い!?……知らん知らん、もう知らん!!
……つまり、まだまだ俺も鍛え足りないと言う事ですよ。
もっともっと、萌える台本が書けるように鍛えまくります。
- 131 :名無しくん、、、好きです。。。 :皇紀2665/04/01(金) 13:48:57 ID:8Vy5lyAR
- >>遊星さん
GJです!
スレ違いなんて全然気にしませ(ry
もう妹じゃなくてもロリだったらもう何でも逝い( ´д`)ハァハァ
とゆーより妹だともうネタが厳しい(;´д`)
- 132 :名無しくん、、、好きです。。。 :太正94/04/01(金) 21:43:47 ID:zWpujXAO
- >>遊星さん
乙です!GJ! Σd(>ヮ<)
お鍋でまったりイイ! ヽ(>▽<)ノ
一緒にお風呂入るのすげぇイイ! (≧∇≦)b
- 133 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 1 :太正94/04/02(土) 13:17:29 ID:szyt9Beb
- 世界は千十一の要素で構成されている。
今、世界は動き出そうとしている。
そう、生まれ変わろうと。
変わりゆく世界。
それは要素に刻まれた宿命(さだめ)。
千六番目の言葉を借りれば、キミ達は変わる事が運命付けられた『血印の使徒』。
奈菜、キミの奏でる運命は―――。
「・・・・」
土曜の午後、私は如何にも落ち着かず、十九杯目のお茶を飲み干した。
「・・・奈菜、そんなにお茶を飲んで如何するの?」
至極当然の疑問が向いに座った猫から発せられる。
「・・・落ち着かない」
「・・・其れはこっちのセリフよ。 先刻からお茶を飲んでは台所に酌みに。 酌んでは飲んで、又酌みに。
貴方ってそんなにお茶が好きなの?」
「・・・・否・・」
言って立ち上がる。
「二十杯目よ」
「嗚呼・・・・・」
湯飲みを掴んで、台所に―――。
ぴんぽーん。
其の音に私は即座に反応し、玄関に駆け出す。
「い、今開ける!」
ドア越しの相手にそう言って、素早く鍵を外し開ける。
「おー・・・ただいま」
「・・・・・お帰りなさい、お兄ちゃん」
松葉杖を突いた史也が入ってくる。
そう、今日は史也の退院の日。
「はー、やっぱウチが一番だねー」
まるで万里の旅から帰郷して来たかの様に、史也は玄関先で呟く。
- 134 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 2 :太正94/04/02(土) 13:19:33 ID:szyt9Beb
- 「奈菜、ちょっと手伝ってくれ」
言われる通りに史也を支え、背中に背負った鞄を降ろす。 次に、鞄の下に背負った松葉杖。 屋内用だろう。
「疲れただろう」
「あー、まぁ病院からぴょんぴょん来たからな」
「・・・だから私も付き合うと言ったのに」
「いやいや、体鈍ってるだろうから、こんぐらい運動しとかねーと」
「・・・無理をするなよ。 言えば、何でもするから」
「おー」
屋内用の杖で居間に向う。 途中で転びやしないかと気が気で無い。
「おー・・俺んちだ。 帰って来たー、て感じがするなー」
ばふっと先程迄私が座っていたソファーに掛ける。
「はー、くつろぐなー・・・あれ? その猫は?」
正面に成った切を指して訊ねてくる。
「あ、ええと、飼って・・るんだ」
「飼う? 奈菜が、猫を?」
「嗚呼・・・駄目、か?」
「んや、構わねーけど・・奈菜が、動物を、ねぇ・・・」
心底意外そうな表情。 ・・・私が動物を飼うのは、そんなに可笑しい事だろうか。
「でも、なんでまた」
「え、ええと・・」
聞かれて、適当な理由が浮かばない。 ええと・・・。
「そ、其の、お兄ちゃんが居なくて、寂しかった、から・・・」
即興で適当な理由を丁稚挙げるが・・な、何か・・凄く恥ずかしい事を言っている気が・・・・・・。
「へー・・・・・へ?! い、今なんて」
「ちょ、一寸部屋に行って来る!」
私は堪らなくなり、史也が言い終わる前に部屋を飛び出し、一気に自分の部屋に駆け込んだ。
落ち着くように、深呼吸。 ・・顔が火照る。
「・・・・まるで別人ね」
付いて来たらしい、切の声。
「この前焼を沈黙させたのと同一人物だとは思えないわ」
- 135 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 3 :太正94/04/02(土) 13:21:55 ID:szyt9Beb
- 「う、五月蝿いな。 私だって、こんなのはらしく無いと思って居る・・。 だ、だけど・・・・・」
「はぁ、まるで中学生ね」
ぴょんと飛び上がり、ベッドの上に丸く成る。
「中学生・・如何云う意味だ?」
「さあね」
其れきり、切は黙り込む。
「奈菜ー、ちょっと来てくれー」
史也の声。
「ほら、呼んでるわよ」
「嗚呼・・・・分かっている」
ドアを開け、廊下に出て行く。
「・・・・恋する中学生、みたいなのよ。 まぁ、初めての家族に戸惑ってる、って事にしておきましょう」
病室には静寂が満ちていた。 昼間迄、其処には歓喜の涙が溢れていた。
三年間植物状態だった青年が、唐突に目を覚ましたのだ。
「日野瀬秋(あき)、か・・」
其の青年が病室の窓辺に月光を浴び、己の名前を呟く。 満月から幾日か分欠けた月を見上げて。
―――音も無く、病室にもう一人が現れる。
「やぁ・・・『初めまして』、かな?」
可笑しそうに首を少し傾げて笑う。 銀髪が揺れた。
「キミの新しい名前を、教えてくれるかい?」
「・・そっちの国だとどうか知らないけど、日本では先に名乗るのが礼儀だよ」
「ふふっ、そうだね。 ボクの名前はウィル・フロイライン」
「日野瀬秋」
「アキ、か。 うん、いい名前だ」
嫌味の無い笑顔で、ウィルは秋に並んだ。
「如何だい、彼女は」
「別に・・普通、かな」
「そうか。 普通、か・・・くっくっく・・」
- 136 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 4 :太正94/04/02(土) 13:23:22 ID:szyt9Beb
- 「・・・何が、可笑しい?」
「いいや。 使徒が、使徒を、普通、って表わすなんて、ね。 コレも『世界の変容』の一部なのかもね」
「変容する世界、か。 奈菜は、その・・・」
「『血印の使徒』、だってさ。 千六番目も中々センスが良い」
「それはつまり、奈菜が『世界の変容』其の物だ、ってことなのか?」
「そうなるね。 勿論奈菜だけじゃない、もっと沢山の使徒たちが変わり始めてる。 例えば、キミ」
ウィルの碧眼が、秋を見据える。
「風は影響されやすいからね。 キミのお姉さんも、そうかもね」
「でも、僕らは」
「そう、『世界の変容』と呼べる程大そうなものじゃない。 『意味』が変わった訳じゃないから。
まぁ例えるなら、性格がちょっと変わった位のもの。 でも、奈菜は違う」
「『意味』其の物、要素其の物を変えてしまった」
「ふふふ、楽しみはこれからさ。 奈菜だけでは終わらない。 『世界』は動き出す。 そう、生まれ変わるんだ」
「・・・・お前は、何がしたいんだ?」
「ボクかい? ボクはただ、聴きたいんだ」
月影に、銀と碧が輝く。
「『世界の再誕』っていう、交響曲(シンフォニー)をね」
子供が新しい玩具を見付けたときの瞳。
「千八番目は言った。 停滞したものは存在しているとは言えない。 変わり続ける事こそが『永遠』だ、ってね」
純粋な喜びに満ちた瞳。
「変わり続けるから『世界』は存在する。 今まで淀んでいた『世界』が、一気に流れ出す」
純粋過ぎる程に、純粋な瞳。
「ボクは聴きたい。 『世界』たちが奏でる『音楽』を。 たった一度限りの、その音色を」
時に、純粋さは残酷さでもあり、狂気でも或る。 ウィルの瞳に宿る純粋、其れは―――。
「ま、ボクの話はこの位でいいよ。 それよりも彼女のことなんだけど」
「彼女?」
「奈菜を狙ってる使徒さ。 彼女も或る意味『血印の使徒』なんだけどね」
「分かったのか?」
「うん。 彼女はね―――」
- 137 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 5 :太正94/04/02(土) 13:25:25 ID:szyt9Beb
-
夜風に白衣が旗めく。 曇り無く輝く月に映し出された美しい横顔。 視線の先に、ヒトのシルエット。
「汝か」
白衣の女性が、其れに話し掛ける。
「あら・・・焼かしら?」
振り向く其れ。 声は確かに白衣―――焼に伝わる。
「怪我はいいのかしら? まぁ、『切』に切られたのなら、かえって丈夫になったかも知れないわね」
焼は、応えない。
「・・・・汝が私を操ったのか」
「うん? ああ、この前のことね。 ええそう。 私がやったの」
「何故」
「うふふ、話しても貴方に分かるのかしら? まぁ『忘却者』だったのなら分かるかも知れないわね」
「・・・・汝は私の寄り代だけで無く、この街全てを危機に追いやった。 其の罪は重いぞ」
「罪? 一体何の事かしら? 私は私が司るモノを司っているだけ。 そう、全ては其れだけの事」
「意味も無く私にこの街と云う世界を壊させようとした」
「意味も無く? 言った通り、私は自分の司るモノの為に動いただけよ。 意味なら其れで十分」
「話に成らんな。 『世界』の為に世界を壊すなど、戯けた理屈だ」
「あらあら、『忘却者』だった割には随分前時代的ね」
「『忘却者』が、何だと言うのだ」
「分からない? 『忘却者』は『世界の変容』の一部。 寧ろ最たる物なのかも知れないわね」
「『世界の変容』・・?」
「知らない? まぁ仕方ないわね。 今、『世界』は変わろうとしているの」
ゆっくりと、影が動き出す。
「私がこうして此処に居るのも、『変容』のお陰。 そう、奈菜のお陰なの」
月光に浮かぶ其れ。 確かに、ヒト。 だが、何かがヒトでないと感じさせる。
「だから私は彼女にお礼をしたいの」
姿でなく、内面。 滲み出る、狂気。
「うふふふふ・・。 貴方も一緒に舞台に上がる?」
「・・・・お断りだ」
「あら、其れは残念」
- 138 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 6 :太正94/04/02(土) 13:27:06 ID:szyt9Beb
- 「・・・・私はけじめを付けに来た」
「けじめ? うふふ、其れは詰り―――」
「こう云う事だ」
焼が動く。 振り被らずに伸ばした右手が、相手の衣服を掴む―――炎。 衣服が燃える。
「あら大変」
瞬時に離れた其れは、手早く上着を脱ぎ捨てる。
「もう、上半身裸。 警察に捕まっちゃうわ。 うふふ」
其れでも猶楽しそうに笑う。
「怖いわね。 私を『殺す』の?」
「嗚呼」
「そう、其れが貴方のけじめなの・・・うふふふふふ」
月を背負い、妖しく瞳が輝く。
「調子に乗るんじゃないわ」
静かに、全身を駆ける様な声。 冷たく、鋭利。 言葉が、焼の体温を奪う―――。
「・・・?!」
「うふふふふ・・真逆本気で私を『殺せ』ると思った? 『現象』風情が」
唯言葉が焼に届く――其れだけで体温が奪われていく。
「私は根源にして観念。 ヒトの体を持つ限り、生物の体を持つ限り、私を伏す事は出来ない」
「・・・!!」
最早息すらも苦しい。 一呼吸毎に『死』が近づく。
「私は『恐怖』。 半身の『恐』を超えるモノ。 根源として在る観念」
足元に焼を見下ろす。
「でもね・・。 私も知らなかった『恐怖』が在ったの。 其れを奈菜が教えてくれたの」
襟を掴み、片手で焼を引き上げる。
「其れは『孤独』。 私は半身のお陰で今まで其れを知る事は無かった。 私は一人じゃなかった。 彼女が居た」
瞳に宿る狂気。
「奈菜が、彼女を『殺し』てくれたお陰で、私は『孤独』を知り真の『恐怖』に成った。 そう、奈菜のお陰なの」
唯、狂おしく。
「だから、殺してあげるの。 彼女を、彼女の全てを。 彼女にお礼をするの。 私の半身の分まで」
純粋に。
- 139 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 7 :太正94/04/02(土) 13:29:08 ID:szyt9Beb
- 「私はお礼をしたいだけなの。 彼女にも、この想いを教えてあげたいの」
其の狂気の名は―――。
「私の『憎しみ』。 半身を奪った彼女への想い。 伝えたいの」
焼の意識が霞む。
「貴方に分かるかしら? 私の憎しみ、孤独、絶望・・・・恐怖。 私自身が初めて知った恐怖。
孤独孤独孤独、唯々一人。 今迄確かに居た私の半身が消えていく。 世界が変わる。 私と云う『世界』が『死ぬ』。
私は彼女の居なかった頃にはもう戻れない。 私は孤独でない事を知ってしまった。
そして本当の恐怖を知ってしまった。 ―――孤独孤独孤独、孤独。 私は恐怖した。 孤独と云う恐怖に。
私自身に。 ・・・自分を認められなく成った使徒は如何すれば良いのかしら? 分かる?」
繋ぎ止めた意識では、応える事も儘成らない。
「自分で『死ぬ』の。 己を否定するのは、つまりそう云う事なの。 意識其の物なんだから、使徒は」
手を放し、焼を捨て置く。
「でも、私は未だ此処に居る。 何故? ―――もう一つの道を選んだの」
月を仰ぐ。 蒼い光が彼女を映し出す。
「自分で死ぬのが嫌なら・・私が居られる様に世界を変えれば良いの。 私が居られる世界に」
両手を広げる。 月光を受け止めるかの様に。
「奈菜、彼女の『恐怖』・・きっと私の『恐怖』を癒してくれる。 だって私は『恐怖』なんですもの。
うふふふふふふ・・・。 うふふふふふふふふふふふ――――――」
「―――どうよ!?」
余韻冷めやらぬリビングに、有紗の声が響く。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・あの?」
「・・・・いい! やっぱスゲーよ有紗ちゃん!! 有紗ちゃんはホンモノだ!」
「あ・・そ、そんな褒められると照れちゃうかにゃー? あ、あははー」
「な!? 凄いよな、奈菜!!」
「嗚呼・・・矢張り良いものだな・・・・流石だ、有紗」
「な、奈菜ちゃんまでー。 どーしたのよー、いつもはそんな褒めないのにー」
- 140 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 8 :太正94/04/02(土) 13:30:47 ID:szyt9Beb
- 「否・・正直な感想だ」
「うんうん! いい! マジ最高!」
「う〜、褒めすぎです〜」
日曜の午後、有紗の家のリビング。 そしてグランドピアノの前に座った有紗。 詰り、そう云う事だ。
「奈菜! お前は幸せ者だ! こんな素晴らしい友人に恵まれて・・・! 俺は嬉しい・・!」
「全くだな・・・有紗、有り難う」
「あう・・・」
珍しく赤くなる有紗。 そう言えば有紗は褒められるのが苦手だった。
「にゃう」
私の隣の切が鳴く。 折角だから連れて来たのだ。
「ん、切もそう思うか。 付いて来て正解だったろう」
「にゃあ」
「そうだな、秋にも聞かせてやりたかったな、有紗のピアノ」
そんな私達の遣り取りに有紗が気付く。
「あ、そ、そう言えば奈菜ちゃん、そのにゃんこはどしたの?」
話の先を私達に向ける。 まぁ、此処ら辺で話題を変えてやろうか。
「えーと、飼ってるんだ」
「へー? 奈菜ちゃんがにゃんこを? そだねー、奈菜ちゃんはわんこよりにゃんこが似合いそうだもんねー」
寄って来て、切に触れる。
「こんにちわー。 お名前はー?」
「にゃ・・」
少し嫌そうに身を捩る。
「切だ」
「せつ? ちょっと変わったお名前だねー。 奈菜ちゃん命名?」
「否・・元からそう云う名前だ」
「もとから・・? もらい猫なの?」
「ん、そう、だな」
しまった・・少々墓穴を掘ったかもしれん。
「誰からー?」
「ええと、其れは、だな・・」
- 141 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 9 :太正94/04/02(土) 13:32:39 ID:szyt9Beb
- 余り適当な嘘だと、又ボロが出るかも知れんな・・。
「知り合いから、だが」
「え、誰?」
「あー、其の、病院でな、知り合って」
「ほー」
「・・えーと、ほら、病院だと動物は飼えないだろう?」
「へー。 で、誰なの?」
「・・否、誰って」
「人見知りの奈菜ちゃんだ病院で出会ったー、なんてウソでしょー?」
「私は別に人見知りでは・・・」
「わたし、奈菜ちゃんがわたしとお兄さん以外にお話してるとこ、見たことないよー?」
「み、見た事無いだけだろう・・・」
「あー、有紗ちゃん、あんまりうちの妹いじめないでやってくれよ」
見兼ねた史也が口を出す。
「でもでもー、お兄さんも気になるでしょー? 奈菜ちゃんが無理にウソ吐くなんてー。 ・・分かった!
きっとオトコですよ! ・・・・奈菜ちゃんに春が!? ウソ、マジで!?」
ぶっ、と史也が妙なリアクションをする。
「な、なんだって?! 奈菜に、オトコ!?」
「そうに決まってます! 親友にウソ吐くなんて、そーゆー事なんです、きっと!」
妙な自信で、自分で頷く有紗・・・。
「でしょ?! オトコなんでしょ、奈菜ちゃん!」
「否・・まぁ、貰ったのは、男性からだが・・・」
「ほら! ついに吐いた! ああ、真実はいつも残酷なのね! あの奈菜ちゃんに、恋人がっ!」
「い、否、恋人とかでは・・・」
「な、奈菜に彼氏が・・むぅ、兄として、どうリアクションを取ればいいんだ・・」
し、信じるなよ、史也・・・。
「こ、ここは家まで呼んで、妹はお前なんぞにやらーん! ってすべきです! それが正解です!」
「しかし・・奈菜を祝福してやるべきでは・・」
しないでくれ。
「にゃに言ってるんですか! わたしたちのかーいい奈菜ちゃんはまだお嫁になんか行かせないんですっ!」
- 142 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 10 :太正94/04/02(土) 13:34:47 ID:szyt9Beb
- もう嫁の話か。
「うーん・・でも、奈菜が選んだ相手なわけで・・・」
否、選んで無い。
「違いますぅ! 純情な奈菜ちゃんは、悪いオトコに騙されてるんですぅ! そんなヤツは一刀両断ですぅ!」
「いや・・しかし・・・」
・・・何を本気に成って居るんだ、この二人は・・・。
「はぁ・・」
「にゃぁ・・」
私の溜め息と、切の呆れた鳴き声が重なった。
「ふふふ・・・彼女は幸せ者だね」
遠い駅ビルの屋上、ベンチに腰掛て呟く。
「だからこそ、『血印』なんだろうね、奈菜は・・」
目を開ける。 広がる夕日に、銀髪が紅く染まる。
「また、覗き見かよ」
ずっと後ろに居た男が喋り出す。
「折角借りたんだから、有効に使わないと」
「・・まぁいいさ。 それよりウィル」
「なんだい、エイジ」
「アイツは、いいのか?」
「アイツ・・? ああ、彼女の事か」
「そろそろ動き出すだろ・・奈菜を『殺し』に」
「そうだろうね」
「そうだろうね、って・・いいのか? 『血印』なんだろ、奈菜は」
「それなら彼女もそうさ」
「・・どちらが『死ぬ』事になっても、それも『変容』の一部って事か」
「あるいは両方『死ん』でも、『死』ななくても」
二人だけの屋上に、一陣の風。 天から降り立つ、少女。
「ヒトが居ないからって、『飛』んで来るのは余り感心しないなぁ」
- 143 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 11 :太正94/04/02(土) 13:36:35 ID:szyt9Beb
- 「早く知らせた方がいいかなー、って」
反省した風でもなく、呑気に少女は返す。
「『時の制限』はしたのか?」
エイジが咎める様に聞く。
「・・・・えへへ」
「えへへ、じゃねぇ。 バレたらどーすんだ」
「むぅ、そーは言うけどねー、マイは全っ然『弱』っちい使徒なんだよー? そんな器用なこと出来ないもーん」
「あのなぁ・・・」
「まぁまぁエイジ。 マイはまだ『生まれたばかり』なんだ。 少しは大目に見てあげよう」
「そーだそーだ」
「マイも調子に乗らない。 確かにマイが悪いんだから」
「はーい。 以後気を付けまーす」
「あーもー、コイツは・・・。 で、なんか報告があったんじゃねーのか」
「あ、そーだそーだ。 あのね、あのヒトのことなんだけどー」
「あのヒト?」
「怖いヒト」
「『恐怖』か」
「ほら、六人目の、なんか・・」
「六人目の腕(かいな)」
「そー、それ。 それのヒトいたよねー? そのヒトをね――――――」
「そうか・・・・分かった、有り難う」
「焼、か・・・アイツは・・」
「『忘却者』。 『変容』に近しいモノ・・だった」
「動き出したか・・・『恐怖』が」
「さてさて・・此処からは奈菜次第だ。 生き残るのはどっちかな?」
「悪趣味だな、お前」
「どうして?」
「楽しそうだ」
「楽しいさ。 コレも『変容』の前奏曲(プレリュード)。 どんな音色が聞けるのか・・・楽しみだよ」
日が沈み・・三人は闇に消えた。
- 144 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 12 :太正94/04/02(土) 13:45:19 ID:szyt9Beb
-
「あのさー、奈菜」
夕飯のシチューを掬いながら、史也が話し出す。
「何だ」
「いや、さぁ・・彼氏の事、なんだけど」
「だ、だから其れは違うと言っただろう!」
「あーうん、それは、な。 んでさ、もしも奈菜に彼氏が出来たら、さ」
「・・・出来たら?」
「教えてくれよな。 祝ってやっから。 まぁ、さ、心配しない訳でもないけど、ほら、俺なんかより奈菜はずっとしっかりしてるからさ。
奈菜が選んだヤツなら、まぁ、多分大丈夫だろうし・・・」
「う・・ん・・・・分かった・・」
「んー・・そうだよなぁ。 いつまでも一緒ってわけにもいかんよなぁ・・。 俺も妹離れしないとな。 彼女も出来やしねぇ」
冗談めかして笑う。
「彼女・・居ないのか」
「おいおい・・居ると思ったか?」
「否・・・唯、確証が無かったから」
「だはは、彼女居ない暦がそのまま年齢だ」
「そうか。 良かった・・・」
「いや、良かった、って・・・」
「ん? 如何かしたか?」
「いや・・・・ははは、奈菜も兄離れしないとな?」
「私は・・したくないな」
「え?」
「出来るなら・・・・ずっと、一緒に居たい」
「・・・・・・まぁ、アレだな。 ・・無理に離れることもないか?」
「うん」
「奈菜は家事出来ないしな」
「う・・・うん。 そ、其の内、憶える」
「俺と居るウチは憶えなさそうだけどな」
- 145 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 13 :太正94/04/02(土) 13:47:29 ID:szyt9Beb
- 「な、何だ・・間接的に離れろと言ってるのか?」
「あーいやいや、そんなつもりじゃねーって」
「嫌だからな・・・私は」
「ん?」
「お兄ちゃんが何と言っても、私の方から離れる心算は無いからな」
「・・・何ムキになってんだ?」
「べ、別にむきに成ってなど居ない」
「ムキになってるよなぁ? セツ」
「んにゃー」
「おー、セツもそう思うかー」
「なっ・・・! も、もう良い!」
だん、とテーブルを叩き、立ち上がる。 其の儘ドアに向う。
「何処行くんだー?」
「散歩だっ!」
怒鳴り散らし、台所を出る。
つとと・・と切も走り出す。
一人残される史也。
「たはは・・・からかいすぎたか?」
苦笑いと独白が部屋に響いた。
「ブラコン」
外に出る為り、切が言う。
「・・・・五月蝿い」
「自覚は在るのね」
塀に飛び上がり、私の少し前を行く。
「貴方少し可笑しいわよ」
「・・・分かっている」
此処の所・・如何も自分を上手く扱えない。 自分の想いをコントロール仕切れない。
「使徒らしくないわ」
- 146 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 14 :太正94/04/02(土) 13:49:31 ID:szyt9Beb
- 「使徒らしく、か・・・」
今迄感じようとして居なかった、想い。 其れを受け入れて、私は・・・・。
「ヒトに、近づけた・・・のだろうか・・・・」
「ヒトに、近づく・・・?」
切が訝しげに此方を見遣る。
「貴方・・・ヒトに成りたいの?」
「ヒトに・・成りたい訳じゃ、無い。 唯、私はもっと・・ヒトを・・・『想い』を、知りたい」
「・・・・変わらないわ。 それは詰り、ヒトに成りたいと云う事よ」
「そう、かもな」
「そして・・それは馬鹿げてる。 使徒は使徒よ・・そしてヒトはヒト。 例え『人』だって、結局は使徒であってヒトではない」
何処か、寂しそうな切の声。 淡々と語る其れは、確かに真実。
「でも、私は―――」
「貴方は『変容』を認められないのね」
私の声が、三つ目の声に遮られる。 道の行く手、街灯にぼんやりと映し出される女性。
「其れは仕方の無い事。 誰だって今迄の自分を否定されれば腹が立つわ。 でもね、『世界』は変わろうとしている。
其れは疑いようの無い事実なのよ、八百四番目」
其の女性の言葉が続く。 『世界』が、変わる・・?
「私も変わるのは嫌だった。 嫌だったの。 でも、変わってしまう迄、其れが分からなかった。
――変えられてしまう迄。 ねぇ、奈菜?」
ぞっとする、其の声・・殺意。
「だから、私は貴方の味方。 変わりたくなければ、変わらなければ良いの」
「あ、貴方は、何なの・・・?!」
切が、声を搾り出す。
「私? うふふ・・・奈菜に半身を奪われた、哀れな使徒よ」
「貴様・・?! 焼を操ったのは、貴様か・・・・!!」
つかつかと歩み寄る。 構えようとするが・・。
「・・・動けない・・?!」
「奈菜、少し待ってなさいな。 私は今、八百四番目に用が在るの」
言葉一つ一つが私を縛る鎖と成る。 圧倒的な、『強さ』・・・・!!!
「八百四番目・・・司るのは、『切』でよかったかしら?」
- 147 :月影に踊る血印の使徒:第三夜 15 :太正94/04/02(土) 13:51:52 ID:szyt9Beb
- 切も、身動ぎ一つ出来ない。
「貴方にも、在るのでしょう? 変えたくない、失いたくない何か。 私にとっての彼女の様な。
失いたくないのでしょう? 其れを奪われて、貴方は貴方で居られる?」
「う・・・あ・・・・」
切が、相手の言葉に伏されて行く。 眼光が鈍り、虚ろに成る。
「教えましょうか、護る術を。 変わらなければ良いの。 そう、其れだけ。 でも、其れだけじゃ完璧じゃない。
貴方が変わらなくても、世界が変えられてしまうから。 だったら如何すればいいの?」
「・・・変えさせない・・・・・変えさせなければ、良い・・」
うわ言の様に・・・意識が在るのかも分からない様な声で、切が答える。
「そう。 『世界の変容』なんて・・馬鹿げてる。 私達に『変容』なんて―――必要無い」
「失う位なら――この儘で良い・・・新しいモノなんて、要らない・・・・・」
「そう・・私達には大切なモノが在る。 何よりも、自分よりも大切なモノが」
「私は・・・私達は・・ずっと、この儘で・・・・良い」
「そうよ。 うふふふふ・・・良い子ね」
大事そうに切を抱え上げる。
「行きましょう、八百四番目。 私と共に。 『世界の変容』なんて私達には必要無いもの」
身を委ねる切・・二人は、夜闇に消えようとする。
「ま・・・待て・・!! 貴様、切を如何する気だ!!」
「如何も? この子が言ったとおり。 私達は私達が望む儘に行動するだけよ」
「私が・・・・狙いでは無かったのかっ!?」
「貴方を殺すわ。 絶対に」
確かな殺意が私を貫く。 堪らず、膝を突く。
「でも言ったとおり。 私は私と同じ想いをさせたくないの。 この子には」
既に意識の無い切を優しく撫でる。
「・・・なんてね。 精々私の役に立って貰うわ・・・うふふふふふふふ」
狂気。 間違い無く、其れは病院で垣間見たものと同じ。
「うふふふふ・・安心してね。 ちゃんと、貴方の半身から殺してあげるから。 貴方を『殺す』のは其の後」
「史也に・・・・手を出すなぁっ!!!」
「うふふふふふふふふふ・・・・・楽しみに、待っててね。 うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ――――――」
漆黒に影が消え・・辺りに残るものは無かった。 空には月さえも無く――――闇だけが、其処に。
- 148 :名無しくん、、、好きです。。。 :太正94/04/02(土) 13:58:18 ID:szyt9Beb
- そろそろ忘れられた頃じゃないでしょうか。
待っていたヒトは長らくお待たせ。 待ってないヒトはいつものやつで。
NGワードにHN欄の「:」を指定してちょ。
月影に踊る血印の使徒 >>133-147
450行に全てを賭ける! とは言うものの、三回目ということでここらでスパッと終わるといい感じなんですが。
まだ続くのかい?! 続きます。 これ、あと二、三回で終わらせられるんかいな・・・?
暴走列車は今日も逝く。
- 149 :なぜなに月下:さんにちめ :太正94/04/02(土) 14:00:29 ID:szyt9Beb
- 「久々にきたっ! 有紗と!」
「マイのー」
「「なぜなに月下ーっ」」
「・・・ってあれ? にゃんこちゃんは?」
「知らなーい。 なんかねー本編で自分がどーだとか言ってねー、マイにパスされたー」
「むぅ、職務放棄だね。 後でマタタビの刑だ」
「それよりはやくやんないとー」
「そうだね! じゃ、マイたんよろしく!」
「おー。 マイ、がんばるー。 あのねー、今日は使徒の『強さ』についてー」
「『強さ』かー。 単純な強さとかじゃないんだね?」
「うん。 マイもねー、よく分かんないけどー、使徒の『強さ』はねー、かんしょおりょくなんだってー」
「干渉力、かな?」
「うん。 例えばー、えーと、五人目だったかなー。 『水』はねー、生命があるのにとって、すごく重要な要素だよねー」
「そだね。 無かったら死んじゃうもん」
「つまりー、命があるものにとってー、『水』の干渉力はすっごいってことだよね」
「うんうん」
「だからー、『獣』とかー、『木』とかはー、『水』よりずっと『弱い』の」
「ずっと?」
「うん。 絶対勝てないよー」
「絶対なの? まぐれも無理?」
「使徒と使徒の戦いはー、要素の干渉合戦なのー。 百回やっても千回やっても、結果は絶対変わらないのー」
「絶対ー?」
「絶対の絶対ー」
「絶対の絶対ー?」
「絶対の絶対の絶対ーっ」
「ホントかなー?」
「ホントだもん。 ウィルもエイジも言ってたもん。 絶対の絶対の絶対の絶対だもんっ」
「・・・・・マイたん、カワイイ」
「はえ?」
「んじゃ、またね! しーゆーねくすつ!」
- 150 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/02(土) 22:36:09 ID:maMWhb9W
- >>たゆんさん
待ってました!乙です!GJ! Σd(>ヮ<)
もうハラハラドキドキしまくりの展開っスねぇ!
続きキボンですヨ〜! ヽ(>▽<)ノ
奈菜ちゃんも萌えるけど
俺は有紗ちゃんとマイちゃん萌え……! (*´Д`)ハァハァ
- 151 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/02(土) 22:52:11 ID:KDwR5ehp
- おぉ、凄ぇ……。
萌えるって言うより、面白いですね。……あ、褒めてませんか。すいません。
姐さんのSSに触発されて、俺もなんかインスピレーションが沸いてきたー。
俺もカッコいい台本書きてー!!
- 152 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/03(日) 17:55:00 ID:XJjb8Wdk
- 「おにいちゃん、ハメハメして!」
言われ…たくないな
- 153 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/04(月) 15:31:00 ID:XSswwWHt
- ↑を受けて・・。
「あう〜、おにいちゃん、ハメ技しちゃやだ〜」
コントローラーを握って涙目で。
言われたいけど、言わしちゃ駄目だよ。 ハメ技禁止ですぅ。
- 154 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/04(月) 22:42:51 ID:pigkp2AG
- お風呂でサラちゃんの裸を直視してしまった俺は……
「あの……ホントにゴメンなさい」
まだ謝ってました。
「もういいわよ……」
「そうですか……あ、あの……明日、奮発してお寿司でも買ってくるから……」
「いいわよ、そんな……私も悪かったから」
「あ……そうですか……」
ま、許してもらえたようだし……良しとしよう。
「えっと……今晩のことだけど、和室にお布団敷くからサラちゃん、そこで寝てね?」
「え……えっと……」
「あ、ベッドのほうがいい?それなら、俺が和室で寝るよ?」
「えっと……えっと……」
サラちゃんが俯いてモジモジ……。
「何?」
「マサト……」
「はい」
「マサトと……一緒に寝たいな……なんて」
「ダメ!!絶対ダメ!!」
「え?何で?」
「いや、さっきの件もあるからさ。俺、ホントに何するか分からないよ?」
「大丈夫。私はマサトを信じてるから」
「いや……そういう問題じゃなくて……」
「そういう問題なのっ!!」
ビシッと言い切る。
- 155 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/04(月) 22:44:41 ID:pigkp2AG
- 「大体……一人じゃ……淋しいじゃない……」
バツが悪そうにサラちゃんが呟く。
「しょうがないなぁ……」
あーあ。言っちゃったよ……
ま、手出さないように頑張ろう!!
「いいの?」
「ただし!!責任は取らん!!」
「それは困る。だから……私を……私を……」
「サラちゃんを……?」
サラちゃんの顔が一気に赤くなる。
「な、何でも無いわよっ!!で、マサトの部屋はどこなの!?」
「えっと……階段上がって右だけど……」
「じゃ、行きましょ?」
「もう寝るの?」
「うん。いろいろあって疲れちゃったから」
「そう。じゃ、行こうか」
正直……不安だ……。
俺が変な気起こさないといいけど……。
───────────────────────
ピークのときよりも人が減ってるような……気のせいか。
しかし、この台本、いつになったら終わるんだろう……。
行き当たりばったりですが……まだまだ続きます。
ですので、もうしばらく、スレ違いは勘弁してください……出来るだけ頑張りますんで。
- 156 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/04(月) 23:04:25 ID:o3+nwpNa
- スレ違いなんか気にしないでいいですよーきっと。
面白ければ良しっす〜!
しかし、確かに人減ってますねぇ…寂しい限りですハイ
- 157 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/05(火) 05:33:07 ID:lU6/qFnb
- GJですー。
確かに人減りましたねー…orz
- 158 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/05(火) 21:16:13 ID:z52PcHWf
- 「あ、あ、あああ……」
「どうした、もう限界か?」
「ま、まだ大丈夫だもん!……うくっ」
「ほれほれ」
「やっ、やだぁ……!!そこは……」
「なんだよ。威勢はいい割に、こっちは全然たいしたこと無いな」
「おっ、おにいちゃんが上手すぎるんだよぉ……ひゃうっ」
「ふふん。お前の弱点など知り尽くしているからな」
「だっ、だからって……んっ……少し、休ませてくれてもぉ……」
「ダメだ」
「お、おにいちゃんの、いじわるぅ……んっ!」
「さて、そろそろラストスパートをかけるか」
「あっ!あっ!あっ!!おにいちゃん……!!もうっ……もうっ……わたしっ!!」
「イってもいいんだぜ?」
「あっ……あ……ああぁぁぁぁっ!!」
「―――お、逝った。やっぱりお前弱いな」
「ああぁぁぁぁっ!!もうヤダ!おにいちゃん強すぎだよっ!!」
「お前の攻撃がワンパターンなのがいけないんだよ」
「おにいちゃんのハメ技がいけないんですっ!あとそのキャラは使用禁止っ!」
「ハンデつけすぎ……」
「おにいちゃん!!もう一回勝負だよっ!!」
- 159 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/05(火) 21:54:25 ID:wtY/mi9d
- ベッドの上。見慣れた天井。
俺は何時間この天井を眺めているのだろうか……。
別にサラちゃんを意識して興奮してるわけじゃない。
でも……眠れないのは、サラちゃんのせいには違いないんだろうな……。
「ね、マサト……起きてる?」
「ああ、起きてるよ」
「眠れないの?」
「ああ。サラちゃんは?」
「私もなの。なんだか目が冴えちゃって……少しお話してもいい?」
「ああ、構わないよ」
「あの……マサトに聞きたいことがいくつかあるんだけど……」
「うん。答えれる範囲で答える」
「ありがと。まず……恋をしたら……どうしたらいいのかな?」
「恋?はは。いきなり難しいね……そうだな。特にしなきゃいけないことなんて無いんじゃない?」
「そうなの……?」
「でも……そのうち何かしたくなるんだよ」
「何かって?」
「それは人それぞれだね」
「マサトは?」
「俺?俺は……鍛えたくなるな、猛烈に」
「え……鍛える……?」
「その人に見合うような、その人を守れるような人間になりたくなる。だから鍛える」
「ふぅん……」
「ま、意味があるかどうかは別としてね」
「……なるほどね。じゃ、次……マサトの好みのタイプは?」
「難しい質問だな……答えなきゃダメか?」
- 160 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/05(火) 21:55:26 ID:wtY/mi9d
- 「ええ。是非」
「んー……美人っていうよりカワイイって感じかな……後は極端な年齢差はちょっと……」
「あ……そう……なんだ……」
「でも、そういうタイプってあんまり意味が無いと思うよ」
「え?」
「何だかんだ言っても、人間、恋に落ちるときは落ちるからさ。例え、タイプじゃない相手でも」
「なるほどね……じゃあ、まだ私にもチャンスは……」
「え?何か?」
「え!?えっと!!なんでもないの!!じゃ、最後の質問」
「おぅ」
「マサトは……私のこと……どう思ってるの?」
「へ?」
「だからね……えっと……その……」
「うーん……コレも難しいけど……ま……妹が出来たような感じかな」
「妹……?」
「うん。ちっちゃくて可愛くて……妹みたいだから」
「へ、へぇ……」
「あ、可愛いは失礼だったかな?」
「う、ううん!!そんなことない!!」
「そう……もう質問はいい?」
「うん……ありがと」
沈黙……。
- 161 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/05(火) 21:56:25 ID:wtY/mi9d
- 「ねぇ……マサト……」
「ん?」
「妹だったら……たまに遊びに来ても不思議じゃないよね?」
「うん。いいよ」
「マサト……妹だったら、一緒にお風呂に入ってもいいよね?」
「そう……かもね」
「妹だったら、一緒に寝てもいいよね?」
「まぁね……」
「それなら、私、妹でもいいかな」
「え……あぁ……そう」
「お兄ちゃん」
「え……!?」
「おにぃちゃん」
「な、何?」
「ただ呼んだだけ。お休みなさい」
「おい。サラ」
「え、何?お兄ちゃん」
「ただ呼んだだけだ。お休みなさい、サラ」
「うん」
「そうだ。日本の昔話でもしてやろうか?」
「うん。聞いてみたい」
「じゃあ行くぞ……Once upon a time,there lived an old man and his old wife in a village.……」
「英語、上手なのね?驚いたわ……」
「ははっ、鍛えてるからな。ま、でも、サラの前じゃ自慢にもならんさ」
- 162 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/05(火) 21:57:33 ID:wtY/mi9d
- 「まぁ……そう……ね……」
「ん?サラ?」
「くぅ……くぅ……」
「寝ちゃったのか……ま、いいや。お休み、サラ」
妹の髪を軽く撫でて、俺も目を閉じる……。
明日は……何をしようかな……。
───────────────────────
人が減ったのは俺の責任なんだろうな……。
俺も鍛えたら、いつかSSが書けるようになるだろうか……。
いやいや。自分を信じて鍛えまくれ、俺!!
>>158
いいねぇ……エロスレで一本書いてみる気ない?
- 163 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/04/05(火) 22:16:02 ID:odkxDed4
- >>158 = 拙者
(・∀・)ニヤニヤ うわなにするやめr
- 164 :海中 ◆xRzLN.WsAA :2005/04/05(火) 22:17:52 ID:odkxDed4
- それは置いといて、遊星さんGJです。
サラちゃんファンクラブとか発足しちゃいますよ、自分(*ノ∀ノ)
- 165 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/06(水) 00:46:29 ID:sH5qvwoq
- >>遊星さん
たとえ世界中から人がいなくなっても、俺はこのスレと供に生きていきますから
- 166 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/06(水) 00:48:17 ID:paUCV+aa
- 久しぶりにコテ付きで参上
遊星さんGJですー。
サラちゃんファンクラブかぁ(*´д`)ハァハァ
コテ付けて参上したのは新たなる挑戦のため…
僕には遊星さんやたゆんさんのようにばんばん投下するのは無理だ…ならばっ!!
叩かれるの覚悟で逝きます…携帯からだしネ('A`)
今、超絶即興で描きました。前スレ投下の夢亜(子供時代)のイメージ晒し。
http://p2.ms/605f2
こーゆーのはアリですか?氏ねですか?
晒しageだけはマジで勘弁願いたいorz
- 167 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/06(水) 00:50:55 ID:paUCV+aa
- コテ付け忘れてたorz
>>166=すばる
- 168 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/06(水) 00:57:56 ID:jSE0rS+P
- 遊星神GJ!毎度ながら最高にかわいいっす〜
あ、そーだ。また某雑談スレにも顔出して下さいねー
- 169 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/06(水) 01:59:30 ID:BA0cS0hC
- 歳の差があるんですか! ロリなんですか、やっぱり! やった―――っっ!!
はい、病気です。 流石やで、ホンマ・・・。
>>151
アレだ、面白いなんて最高の褒め言葉でがんす。
あれは萌えを捨ててますから(問題発言)。
両方なんて高等テク、私には無理です。 片一方でも危ういのに。
>>166
私的にはアリです。 欲しい。 下さい。 妹画像。 愛してる。
多分ですねー、ヒトが減ったと言うより書き込みが減っただけではないかと。
まぁ、ね、誰かがコメントし辛いのを貼ってるから、ねぇ。 あはは、俺だっつーの。
がんがります。 もっともっと、がんがります。 7日から学校だけど、がんがります。
- 170 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/06(水) 19:39:59 ID:yBW8f41E
- 未来派、沙耶派に続く、第三勢力、サラ派誕生の予感……!?
……俺は沙耶派ですけど。
>海中様
偉そうな口利いてすいませんでした……orz
海中様の作品を見抜けないとは……鍛え直さねば!!
>すばる様
絵かぁ……。
俺は絵が下手だから羨ましいなぁ……。
>姐さん
姐さんのSSは完成度が高いですからね。
俺なんかが褒めても、価値を損ねるだけだ……などと思ってしまうわけですよ。
おそらく皆も同じ気持ちではないかと。
あ、ちなみに英文の訳は『昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました』ですよ。
- 171 :忘れた頃にやってくる :2005/04/06(水) 23:28:55 ID:vrCr+jEc
- 頬杖をつきながら外の風景を眺める
前方からは数学教師から発せられる声が静かな教室に響き渡っている
「おい、真田。授業聞かなくて良いのか?」
不意に後ろから声を掛けられた
声の主は親友である石井裕也だ。
「どうせ聞いたって訳が分からないさ。」
「とか言って愛しの妹の事考えてるんじゃねぇのか?」
全く、とんでもない事を言う奴である。
「あのなぁ、何で『愛しの』が付くんだ?しかも何であいつの事を今考えなきゃいけないんだ。」
「だって、お前ら絶対仲良すぎだぜ。周りと比べてみろよ、異常とも言えるぞ。」
「そんな事ないさ、そりゃ仲が良いのかもしれないが、別に飛び抜けてるわけじゃない。」
そう言うと同時にキーンコーンと今日最後の授業の終わりを知らせるチャイムがなった。
挨拶を終え、出ていく数学教師と入れ替わりに担任の教師が教室に入ってくると
手っ取り早くホームルームを済ませ、開放された。
- 172 :続き :2005/04/06(水) 23:30:03 ID:vrCr+jEc
- 自由の身となったクラスメート達がバラバラと散っていく中、教室の入口から
「コウくーん!」
と弾んだ声を響かせながら妹の美幸が小走りに走ってきた。
「おっと、早速愛しの人のお出ましだ。」
後ろから茶化す声が聞こえるがこの際無視する。
「お前な、たまにはクラスメートと一緒に帰ったりしないのか?」
「良いじゃん別にー、損する訳じゃないんだしさっ。それにクラスに話の合う人が少ないから面白くないんだもん。」
「こっちは大迷惑なんだ。今じゃ学校中でシスコン扱いされてるんだぞ?」
「うぅ〜、そんなに私のこと嫌い?」
「いや、嫌いじゃないけどだな・・・」
「じゃあ良いでしょ?」
「おうおう、夫婦漫才繰り広げてくれちゃって、校内放送で聞かしてやりたいぜ。」
すかさず石井が首を突っ込んでくる。
「馬鹿言ってるんじゃねぇよ、おかげで全くモテないんだからな。」
そう喋りながら教科書を通学鞄に収め、出口に向かう。
「ほらユキ、帰るぞ。それじゃあな、石井!」
「あ、待ってよぉ〜!」
「じゃあな、真田夫婦!」
最後まで馬鹿なことを言っているが、日常茶飯事なので突っ込む気にもならず、逃げるように教室を出た。
--------------------------------------------
スレ汚しなものを貼ってすみません・・・。
統一感のない文章ですがどうか悪しからず・・・orz
- 173 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/07(木) 01:23:55 ID:mHvoiAey
- >>遊星さん
俺はみんな好きっス!
中でも未来ちゃんは特に好きー! (≧∇≦)b
>>海中さん
スゴイ… (*´Д`)ハァハァ
最初えっちぃ事してるのかと思いましたヨ…w
>>すばるさん
可愛い! (≧∇≦)b
絵が描ける人羨ましいっス…!
>>たゆんさん
萌え捨ててたんですか…?
萌え+燃えで素晴らしいっスよ!
>>171-172
イイっす! Σd(>ヮ<)
是非続きキボンです〜!
- 174 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/08(金) 16:24:44 ID:BBvZMAip
- >>171-172
GJですー。
これ前少し書いてなかったですか?あれの続きかな?
今度こそ続きキボン(*´д`)
- 175 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/08(金) 18:11:13 ID:SmjfSc3A
- 漏れも続ききぼんぬ
- 176 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/09(土) 00:57:37 ID:BrjW2kFb
- >>173-175
おほめの言葉ありがとうございます。
現在マイペースながらも書いていますが、SSではなく小説になってしまいそうです
- 177 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:15:38 ID:BrjW2kFb
- 二人で並びながら歩く
校門まで来た時、横から聞き覚えのある声で話し掛けられた。
「あら、真田君じゃない?」
「あ、どうも。上原さん。」
話し掛けてきたのは1学年上の風紀委員である上原百合恵さんだった。
上原さんは隣にいる美幸を見ると・・・
「そちらはお友達?それとも真田君の彼女?」
「え・・・・あ、いえ。私は妹の美幸って言います。」
「そうなんだ。私は2年の上原百合恵って言うの、よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「そそっかしい奴ですけど、大目に見てやって下さいね。」
「コウくん、余計な事言わないでよぉ」
「うふふ。そう言えば、真田君は1年生よね?じゃあ美幸ちゃんは・・・」
「俺は4月生まれで妹は3月生まれなので学年は同じなんですよ。」
「そうだったんだ。あまりにも仲が良くて恋人かと思っちゃった。」
「そ・・・そんな、恥ずかしいです。」
そんなに嬉しがるな、妹よ。
「えっと。それで、上原さんは今から何かやること有るんですか?」
「ええ、ちょっと風紀委員の集まりが有るの、それじゃあ行くわね。バイバイ、真田くん、美幸ちゃん。」
「はい、さようなら〜」
二人で上原さんの姿が校舎の中に消えるのを見届けると、再び歩き出した。
- 178 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:16:51 ID:BrjW2kFb
- 「えへへ、恋人みたいだって!」
「兄妹で見られたって何も嬉しくないぞ・・・」
「え〜、何でよぉ。こんな可愛い妹のどこが不満なの?」
「後々が問題なんだよ。シスコンだのブラコンだの不名誉な称号が付くぞ。」
「そんなの気にしなければ良いんだよ。それに仲が良いのは良いことだよ。」
「仲が良いにも限度ってもんがあるんだ。特に兄弟はな。」
その言葉を聞くといきなり美幸は黙り込んでしまった・・・
何か気に障ることでも言ったか、俺?
それから一言も喋らないまま歩いた。
通学路の途中にある公園に通りかかった時
「ねぇ、コウくん。公園寄っていこう・・・」
何か思い詰めたような面持ちで美幸が誘ってきた。
「ん?別に良いけど、何かあるのか?」
「うん、ちょっとね・・・」
曖昧に答えたまま美幸は公園に入っていく。
取りあえず俺はそれに着いて行くことにした。
- 179 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:18:08 ID:BrjW2kFb
- 美幸は手頃なベンチを見つけると腰を掛け、溜め息をした。
俺もその隣に座る。
「なぁ、一体どうしたんだ・・・?」
「・・・・・・コウくん。コウくんは私のこと好き・・・?」
「何を言ってんだ。そんなの当たり前だろう。」
「・・・そうじゃない。その好きじゃなくて・・・」
「・・・・ユキ?」
「・・・私は好きだよ。兄妹としてじゃなくて、コウくんを男の人として見てる・・・。」
「・・・・・・」
「・・・何度も諦めようとしたよ。でもどうしても諦められなかった・・・・。」
言葉が出なかった。
心底驚いた。まさか美幸がそんな事を考えてるとは思ってもみなかった。
「だから・・・気付いてもらおうと何度もアタックしたよ・・・、でも気付いてくれなかった・・・。」
美幸の口から次々と言葉が出てくる。
「もう・・・限界だよ、こんなの耐えられない!」
「どうして兄妹で好きになっちゃいけないの?!どうして・・・!」
目からは涙が溢れてきた。
「何で兄妹として生まれて来ちゃったのかな・・・・」
「ねぇ・・・コウくんは私のことどう思ってるの・・・?答えて・・・っ!」
俺は返答に迷った。確かに美幸のことは好きだ。
だが、それは兄妹の範囲を超えるものでは無いのではないか?
答えが出なかった・・・。
だから、俺は美幸の肩に手を置き、首を横に振った・・・。
「そんな・・・・えぐっ・・・・っく・・・・・・・コウくんの・・・・ばかああああぁぁぁぁぁっ!!」
そう叫ぶと美幸は思いっきり手を振りほどいて走り去ってしまった。
- 180 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:20:13 ID:BrjW2kFb
- ・・・暫く動く気になれなかった。
俺は・・・本当はどう思っているのだろう。ただの兄妹でしかないのか?
思えば、小さな頃から常に俺と美幸は一緒だった。
俺と一緒にいると、美幸は本当に楽しそうに笑ってくれるし、俺もその笑顔が好きだった。
だから、美幸を喜ばせる為に色々なことをやってきた。
無意識の内に美幸を喜ばせることを生きがいにしていたのかもしれない。
それは・・・好きだということだと思う。兄妹としてではなく、本当の意味で。
何故そんな事も気付かなかったんだろう、今更ながら馬鹿だったと思う。
今ならまだ間に合うはずだ・・・。
俺の本当の気持ちを伝えよう。
そう考えると同時に俺は走り出した。
色々な場所を探して回った。
家にも帰ったが美幸は居なかった。
そして、最後に思いついたのが此処だった。
─学校。
日が沈みかけ、誰も居なくなった校舎を歩く。
教室に着くと、一人寂しく椅子に座って泣いている美幸の姿を見つけた。
呼吸を整えて教室に入る。
- 181 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/09(土) 22:23:35 ID:BrjW2kFb
- 「・・・・美幸。」
「・・・コウ・・く・・・ん?」
「さっきは済まなかった、気が動転しちまって・・・」
「・・・・」
「あれからよく考えたんだ、自分の気持ちを。」
「俺、真剣に自分の気持ちを考えたこと無かったんだ。」
「それで、分かったよ。俺は・・・否、俺もユキのことが好きだ。」
「コウくん・・・」
「俺はユキの笑顔が無いと駄目なんだ、ユキは俺の生きがいなんだよ。」
「・・・・本当?」
「本当さ、だから笑ってくれ。」
「うん・・・・うん・・・っ」
ユキの目から余計に涙が溢れてきた、だけど顔は満面の笑みを浮かべていた。
「さぁ、帰ろうか・・・あ、この事は父さん達には内緒だぞ?何言われるか分からないしな。」
「うん!ありがとう・・・・大好きだよっ、コウくん!」
-----------------------------------------
え〜・・・と、お気付きかも知れないですが紛らわしくない様にコテハンとトリップ付けました。
自分ながら馬鹿な文章書いてるな〜と思っております。
ちなみに、特に「萌え」等を意識しては書いてないのでお見苦しいかも知れません。
- 182 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/09(土) 23:38:56 ID:7VGJmXjn
- >>177GJ
ところで、
巨 人 フ ァ ン で す か ?
- 183 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/10(日) 13:42:41 ID:AzRQyDxW
- >>171-172>>177-181 GJです!
これからもがんばってください!
- 184 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/04/10(日) 16:57:02 ID:lN8BLcA9
- 応援ありがとうございます。
>>182
どこのファンでも無いです。
強いて言えば地元である阪神ですが。
キャラの名前は中学時代の知り合いから拝借しました。
>>183
遊星さん達のような素晴らしいものは書けませんけど
神職人が不在の間、少しでも楽しめるようなものを書けるように頑張ります。
- 185 :182 :2005/04/10(日) 17:36:00 ID:+DZoU1wf
- そうでしたか。
上原 真田と来たものですからついそうなのかと。
これからも頑張ってください。
- 186 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/04/11(月) 00:26:41 ID:1fh0T0QE
- >>二姉持ちの弟さん
GJです! Σd(>ヮ<)
すごいイイ!萌えるっス!
続きが気になります…!
- 187 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:26:20 ID:wX16aF+o
- 時刻は七時半。場所は俺の部屋。
俺はサラのための朝食を作って、ここに戻ってきた。
「サラー。朝だぞー」
カーテンが開き、部屋中に光が満ちる。
サラは眩しそうに固く目を閉じ、寝返りをうった。
今まで暗くて分からなかったけど……寝顔も結構可愛い……。
って、見惚れている場合ではなくて……
「おーい。サラー」
俺はサラの肩を掴み、軽く揺する。
「起きろー」
「……what……?」
え、英語!?地が出たか!?
「サラ、起きろー。Wake up.」
「ん?マサト……?」
「Good morning」
「おはよう……」
ゆっくり起き上がって、眠そうに目をこするサラ。
「朝御飯できたぞー」
「うん……」
「下に行くぞ?」
「うん……」
聞いてるんだか、聞いてないんだか分からないが……
俺はそんなサラを従えて、階段を下り、ダイニングへ。
- 188 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:27:05 ID:wX16aF+o
- ダイニングのテーブルの上には、ご飯。味噌汁。焼き魚などなど……パーフェクトな日本の朝食だな。
「でさ……サラは今日帰るんだよね?」
俺は茶碗にご飯を盛りながら、サラに尋ねる。
「うん。今日の夕方、ママが迎えに来るの」
「よし。じゃあ、今日は遊びに行けるな……いいよね?」
「うん」
「どっか行きたいトコある?無きゃ俺が決めるけど?」
「うーん……無くはないけど……でも、マサトに任せるわ。そのほうが面白そうだから」
「そう?ま、そのほうがやりやすいけどね」
「うん。楽しみにしてるよ、マサト」
卵焼きを頬張りながら微笑むサラ。
何だか今日でお別れなんて信じられそうに無い……。
───────────────────────
「はぁ……着いた……」
俺は自転車のブレーキを握り締め、片足を地面につける。
俺はサラを後ろの荷台に座らせ、四、五十分ほど自転車を漕ぎ、とうとう目的地へと辿り着いた。
「お疲れ様、マサト」
「ああ、さすがに疲れたよ……」
「うん。ずいぶん遠くまで来たみたいだからね。さぁ、行こう?」
「ああ」
「って言っても、ここが何処なのか分からないんだけど……」
「ここ?お城だけど?」
「えっ?ここにあるの?」
「うん。ま、もう少し歩くけどね」
「へぇ……ここがお城か……。楽しみだな……」
本当に嬉しそうに辺りをキョロキョロ見回すサラ。
見たがってたもんな……お城。
- 189 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:27:50 ID:wX16aF+o
- 「でもな、サラ。ここには、お城を見に来たわけじゃないんだ」
「え……」
「こっち来て」
俺はうなだれるサラの手を掴み、歩き出す。
このまままっすぐ行けば……
「わ……あ……」
「すごいだろ?」
辺り一面の桜の木に圧倒されているサラ。
「知ってるよな、桜?」
「う、うん……でも、こんなにキレイなんて……」
「うん。ちょうど満開だからね」
「何だか……ずっとこうして見ていたい……」
「気持ちはわかるけど、歩きながら見ていこう?そのうちもっといい景色があるかもしれないからね」
「うん……」
俺も風流な気持ちになりながら、桜の下を歩いていく。
「ねぇ、お兄ちゃん……」
「何?」
「手、繋ごう?」
「うん。いいよ」
幻想的な風景をサラと二人、歩く。
もはや言葉など無い。だが、居心地のいい沈黙だった。
「ねぇ、サラ」
「?」
「サラは今何処に住んでるの?」
「よく分からないけど……近くに角山って言う駅がある……」
「角山か……結構近いんだな」
「えっ!?近くなのっ!?」
- 190 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:28:35 ID:wX16aF+o
- 「まぁ、俺の家の最寄り駅から電車で四、五十分ぐらいかな」
「何だ……全然近く無いね……」
「でも、来れない距離じゃない。だろ?」
「うん……」
「だからさ、また遊びに来てよ。前もって連絡くれたら、何か用意するし」
「いいの……?」
「何言ってんだよ。兄妹だろ、俺たち?」
「うん!!」
サラの笑顔。
自分ではああ言っておきながらも、この笑顔を何度見えるだろうと思うと切なくなる。
「喉も渇いたし、お茶でも飲んでいこうか?」
「うん」
「そうそう。せっかくだし、桜餅を食べなきゃね」
「サクラモチ?食べてみたい!!」
「そうそう。花見団子も忘れちゃいけないよな」
「ふむふむ……よく分からないけど、楽しみだなぁー」
……良くないな。
サラが目の前にいるのに、サラがいなくなってからのことを考えるなんて。
しばらくは、サラと一緒に楽しもう。俺も。
───────────────────────
- 191 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/11(月) 21:29:47 ID:wX16aF+o
- >>184
『神職人?いやぁ、いいんだよ、クソ台本書きで』
……俺もヒビキさんみたいなカッコいい大人になりたいなぁ。
というわけで、やっとラストが見えてきた感じですな。
あと少しだ。頑張ろう。
実は影で、あることを計画中。ま、このスレには関係ないけど……けど……。
- 192 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/11(月) 21:33:47 ID:8AF/ePFm
- リアルタイムで乙!
いや〜サラちゃんも可愛いね〜!
- 193 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/04/12(火) 05:44:55 ID:BPcKadcd
- 今日はー 休みなのにー 目覚ましをー 消し忘れ〜
起 き た orz
>>二姉持ちの弟さん
乙ですー。
王道ストーリーですね。王道の良さがしっかり出てますです(*´Д`)
>>遊星さん
乙でーす。
相変わらずリアルの季節にあった話で素敵です。
もしかしたらこの前のPCから見れない設定になってたかも…
【夢亜(第二形態)】
http://p2.ms/ha3lk
第二形態が前の台詞集の夢の中前後で第三形態になると事故前後になりまする。
- 194 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:07:20 ID:OvsBSyhB
- 何か本当にあっという間だった。
城の見学したり、外国人観光客と話したり、寿司食いに行ったり……。
全て終えて帰ってきたとき、丁度クミ姉ぇの車が家に来たところだった。
「お、丁度良かったみたいだな」
「……」
うつむいたまま、何も答えないサラ。
俺はそんなサラの手を掴んで……
「大丈夫。また会えるからさ」
「うん……」
「じゃ、そんな暗い顔してるんじゃねぇよ」
俺はサラの背後に回りこみ、脇腹をくすぐる。
「きゃ、お兄ちゃん!?きゃはははははっ!!」
身を捩じらせながら、サラが笑う。
「もう!!お兄ちゃん、何するのよ!!」
「よし。笑った笑った」
「え?」
「サラは笑顔が一番似合うよ」
「お兄ちゃん……」
「何度も言うが、俺たちは兄妹だ。会いたくなったらいつでも会いに来い」
「うん!!」
「あとは……ほい。俺のケータイの番号とメールアドレス。また連絡してくれ」
「うん!!」
サラが笑う。俺も微笑を返す。
そして、別れの挨拶はひと通り済んだと判断したクミ姉ぇがサラを呼び、
最後の最後がやってきた。
- 195 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:08:11 ID:OvsBSyhB
- 「マサト」
「……!?」
反応する間もなく、サラが俺の胸に飛び込んでくる。
そして……頬にキス。
「ホントは唇にしたいんだけど……まだ我慢するわ」
「え……?」
「いい!?マサトの次の恋人には私が予約入れてるからね!!勝手に新しい恋人作っちゃダメよ!?」
「え……えぇ……?」
「返事は?」
「……はい」
「それまでは、お兄ちゃんの妹で我慢してあげるわ」
「はい……」
「よろしい♪」
満足そうに微笑み、手を振りながら車に向かっていくサラ。
そして、乗り込む手前で振り返り
「バイバイ、マサト!!大好きだよ!!」
ちょっと恥ずかしかったが、俺も笑顔で手を振り返す。
サラはまた大きく手を振り、車の中に消える。
車はすぐに動き出し、あっという間に見えなくなった。
呆然と立ち尽くす俺の隣を、一陣の風が悲鳴を上げながら通り過ぎる。
そして、どこから来たのか、俺の手のひらの上に一枚の桜が。
「そうだよな。また会えるもんな」
俺はその桜を優しく握り締め、誰もいない家のドアを開けた……
───────────────────────
- 196 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:08:56 ID:OvsBSyhB
- サラが帰った後、なんとなく物足りない気持ちでテレビを見ていた。
すると……
「ねぇ、兄さん」
「ん?何、未来ちゃん?」
「私が旅行に行っていた間……お友達でも来てたんですか?」
「え……?友達は来てないけど……どうした?」
「あぁ、そうですか。何でもありませんよ、お兄様」
……未来ちゃんがキレてる!?
「えっと……何かあったのか?未来……?」
「ええ、お風呂場で、こんなものを見つけまして」
そう言って、未来が取り出したのは……
サラの髪の毛……?
「あ……お兄様の枕からも同じ方の物と思われる髪の毛を見つけましたよ」
「あっ……それは……!!」
「心当たりがおありのようですね?お兄様?」
「えっと……ちょっと待て、未来!!」
「いいんですよ、言い訳なさらなくても?私は分かってますから」
「言い訳じゃないって!!それは、サラっていって……」
「へぇ……お兄様の恋人、サラさんっておっしゃるんですか」
「恋人じゃないってば!!ホント、誤解なんだって!!」
「そんなに私が邪魔ならば、遠慮なく仰ってくれればいいのに」
俯いて、ちょっと拗ねている未来。
すげぇ可愛いけど……
- 197 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/04/14(木) 21:09:41 ID:OvsBSyhB
- 今はそんなこと考えてる場合じゃない!!
「はぁ……疲れたので、私はもう寝ますね?」
「ちょっ!?未来!?晩飯は……!?」
「カップラーメンでも何でもお食べになってください」
「ちょっ!?待てって!!未来!!みくぅー!!」
俺の叫びも空しく、自分の部屋へ消えてしまう未来。
叫ぶ腹を押さえながら、やり場の無い怒りを抱く俺……。
……結局、未来の料理が食えたのは、ここから二十四時間後のことでした……。
[終わり]
───────────────────────
ま、やっと終わりなワケです。俺、ご苦労様。
一月近く書いてたわけですねぇ……。
で、結局この台本でやりたかったこと
・ツンデレっぽい娘。
・嫉妬する未来。
・限りない響鬼ネタ。
……ホント難しいな、台本書きって。
- 198 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/14(木) 21:59:32 ID:3BAsTLWb
- 遊星神乙!ってかGJ!
長きに渡って楽しませて頂いたっす〜
- 199 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/14(木) 22:24:14 ID:VpuAVIy6
- うわ、そこで未来ちゃんスカ!
いや〜相変わらず萌え面白いっス!さすが遊星神!乙で〜す。
- 200 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/04/15(金) 21:33:40 ID:tDG2Dwpp
- かなり意表をつかれましたよ!未来ちゃんでしたか!
499KB
新着レスの表示
スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50
0ch BBS 2004-10-30