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[第五弾]妹に言われたいセリフ
- 289 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:40:27 ID:QPn7OdNn
- 「・・き・・てくだ・・・コウ・・さま」
「・・きて下さい・・朝ですよ。」
誰だ・・・、俺を様付けするのは。
我が家に俺を様付けする人間なんて居ない。
それに今日は学校はないはず・・・。
まだ回らない頭をフルに使って確かめる
「今日は日曜だぞ・・・それに一体誰だ・・・って!?」
目の前に美幸『らしき』人が居た。
しかも・・・・、メイド服。
「おはようございます、幸一様。」
ちゃっかり決め言葉まで言っている。
「・・・・何でそんな格好をしてるんだ?」
「えへへ、驚いた?」
「お前は本当にユキか?」
「うん、ユキだよ。」
「じゃあ、何故そんな格好してる」
「コウくんに喜んで欲しかったからだよ!」
「喜んで欲しかったのは分かった、でも何故にメイド服なんだ?」
「友達に『男の人はメイドさんと巫女さんには目がない』って聞いたんだよ。」
なんて事を吹き込んでくれるんだ・・・その友達は。
「・・・ここで話してても仕方がない、朝飯を食うか。」
「只今準備して参ります、御主人様。」
「って、その格好で料理するのか?」
「え・・・そうだけど。」
「そうですか・・・」
「それじゃあ、作ってくるね。」
そう言って嬉しそうに部屋を出ていった。
全く、何を考えてるのか。
でも・・・メイドって言うのも良いかもしれない。
取り敢えず自分も行くか。
- 290 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:41:30 ID:QPn7OdNn
- 「幸一様、お食事の用意が出来ました。」
「お、おぅ、ありがとう。」
なんか調子が狂う・・・。
食事はいつもと同じ純和風
手始めに味噌汁を飲む。
「美味しい?」
「いつも通りにな、それよりユキは食べないのか?」
「メイドは御主人様とは一緒に食べないものですから。」
「おいおい、そこまで拘る必要ないだろう。」
「気分の問題なの。」
そう言う問題かと思いながらご飯をガッつく。
「そうだ、飯食い終わったらちょっと本屋まで行く予定だから留守番頼むな。」
「うん、分かった。」
最後に残った焼き魚を平らげる。
「それじゃ、行ってきます。」
「え、もう行くの?」
「あぁ、昼までには帰ってくるから。」
「分かりました。行ってらっしゃいませ、御主人様。」
最後までメイドになりきるとは・・・。
半分苦笑めいた笑顔を残して家を出る。
「・・・・・暑い。」
春だと言うのにこの暑さは何だ。
出かけるなんて言うんじゃなかった・・・。
- 291 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:42:39 ID:QPn7OdNn
- 読んでいた本を畳む。
「・・・そろそろ帰るか。」
本屋に行く予定があるなんて出任せだった。
俺はコスプレ等には慣れてない。
だから美幸のメイド姿は刺激が強すぎた。
「まぁ、可愛いから良いんだけどな。」
「誰が可愛いんだ?真田。」
「おわっ!?い・・・石井か!」
まずい・・・声に出てたらしい。
「驚くこと無いだろ。で、誰が可愛いんだ、もしかして愛しの妹か〜?」
「ち・・違うっ!お前には関係ない事だ。」
「おやおや、図星みたいだな。良いよなぁラブラブで。」
「うるせぇな。俺は帰るから、じゃあな。」
「末永くお幸せに。」
本屋を出ると暑さが再び襲ってくる。
湿度が比較的低いのが不幸中の幸いだ。
しかし、それでも暑いものは暑い。
地球温暖化を助長させる時代の名器を産んだ方々への呪いを
頭の中で唱えつつも家を目指す。
道行く人が振り返っていたからもしかしたらまた声に出ていたかもしれない。
暑さに絶句しそうになったところでようやく家の前に到着。
そろそろ美幸の奴も私服に着替えてるだろう。
暑さから逃げるように家のドアを開ける。
- 292 :二姉持ちの弟 :2005/05/19(木) 21:43:55 ID:QPn7OdNn
- 「ただいま〜。」
だが返事はない。
そのまま廊下を歩き、リビングに繋がるドアのノブに手を掛ける。
ガチャリ・・・・
「あ、お帰り!」
「・・・・・。」
バタン・・・・
見てはいけない物を見てしまった気がする・・・。
白い服に赤いズボン・・・いや違う、あれは袴じゃないのか。
そう言えば、朝に「メイドさんとか巫女さん」とか言ってたっけ。
もう一度出かけるわけにも行かないし、仕方がない。
ガチャリ・・・・
「なぁ・・・、一体そんな服どこから仕入れて来るんだ?」
「友達から借りたんだよ。」
「お前は凄い友達を持ってるんだな・・・。」
「えへへ。ねぇ、この格好似合ってる?」
「あ、ああ・・・・似合ってるよ。」
「本当?じゃあ、ご奉仕しちゃおっかな♪」
「ご、ご奉仕って、一体何をするんだ?」
「うーんと、マッサージっ!」
「マッサージか・・・」
駄目だ、ご奉仕だなんて言うから飛んでもない方向に考えてしまった。
「えっと、じゃあ・・・腰を揉んで貰おうかな。」
「良いよ、じゃあシャツ脱いで!」
「いや、別に脱ぐ必要は・・・。」
「い・い・か・ら!ほら、早く。」
「わかったよ、脱げば良いんだろ。」
- 293 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/05/19(木) 21:44:55 ID:QPn7OdNn
- 俺がシャツを脱ぐと美幸の視線が体に注がれる。
「・・・コウ君って、結構筋肉有るんだね。」
「一応毎日筋トレしてるからな。じゃあ、早速頼む。」
カーペットの上にうつぶせになる。
「あ、うん。やるね。」
美幸の柔らかい手が腰に触れる。
徐々に力が入ってくるのが分かる。
ちょうど良い具合の力で気持ち良い・・・って、いてててて!
「痛い痛い!力入れすぎだ!」
「え、あぅぅ。ごめんなさい・・。」
「いや、良いよ。取り敢えず少し力を緩めてくれれば。」
「うん、わかった・・・。」
再びリラックスモードに入る。
しかし、一向にマッサージが再開される気配が無い。
と思ったら、首筋に手が回ってきた。
そしてそのまま後ろから美幸が抱きついてきた、半分俺にのし掛かる状態で。
「お、おい。何する気だ?」
「これもご奉仕の一つだよ♥」
背中に美幸の胸が当たってるのが分かる。
美幸ってこんなに胸大きかったっけ・・・。
やばい、心臓がバクバクする。
「ねぇ、コウ君。私のこと・・・好き?」
美幸が耳元で囁いてくる。
「あぁ・・・・好きだよ。」
「私もコウ君のことが大好きだよ!」
「ははっ、ありがとう。取り敢えずマッサージの続きしてくれないか。」
「りょーかいっ!今度は気を付けるね。」
嗚呼、神様。俺はなんて幸せな兄なんだろう。
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0ch BBS 2004-10-30