■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50

[第五弾]妹に言われたいセリフ

600 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:04:00 ID:U1scoXLp
俺だって、このスレナンバーワンの台本書き(選考方法:年功序列)!!
このまま何もしないではいられねぇ!!新キャラ引っ下げて登場だ!!

「んー!!終わったー!!」
ノートを閉じ、制服のシャツのボタンを一つ外し、大きく背伸びをする。
真っ青な空、白い雲。自分の体を忘れそうなほどハッキリとキレイに見えた。
今日の夏季補習も無事終了。
残り何日かなー。なんて考えると、ワクワクしてくる。
そんな俺は、足取りも軽く、教室を出る。
すると……制服を着ていない少女が立っていた。
シンプルなワンピース。艶やかな黒髪。そして、透き通るような白い肌。
その少女は何かを探すようにキョロキョロしたり、教室を覗き込んだりしていたが
俺の姿を見つけると、パッと表情が明るくなった。
「お、お兄ちゃん……!」
「羽音ちゃん……?どうしたの、こんなトコで?」
この少女の名前は霧島羽音。俺の従妹になる。
羽音は隣の市に住んでいて、今まではなかなか会う機会がなかったのだが、
俺が今年、こちらの高校に入学し、通うことになり、こうしてたまに顔を見せるようになった。
「お、お兄ちゃん……えっと……その……」
「……?」
「ほ……」
「ほ……?」
「えっと……えっと……」
深呼吸。
「補習、お疲れ様でした!!こ、コレ、お弁当っ!!」
恥ずかしそうに紺色の包みを差し出す羽音ちゃん。
俺はそれを丁寧に受け取って、
「お弁当……?」
「は、はい!!お昼からも頑張ってください!!」
勘違いしてるわ……。

601 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:05:32 ID:U1scoXLp
「あ、あのね……羽音ちゃん……」
「はい!!」
「補習……午前中だけなんだけど……」
「えっ!!」
固まる羽音ちゃん。
そして、
「あ、えっと……す、すいませんでした!!」
俺から弁当の包みを奪い取り、走り去ってしまった。
「ちょ!?は、羽音ちゃん!?」
急いで追いかける。
しかし、気付いたときには羽音ちゃんの背中は遥か彼方……。
羽音ちゃん、早ぇ……。
しかし、さすがに俺も男だ。
プライドをかけて、全力で走る。
カーブを最小限で駆け抜け、階段を飛び降り、
やっとのことで、羽音ちゃんが大分近づいてきた。
周りの生徒が迷惑そうに見ているが、そんなことを気にしている余裕はない。
ラストスパート!!
最後の力を振り絞り、何とか羽音ちゃんに追いついた。
「羽音ちゃんっ!!」
羽音ちゃんの肩に手をかける。
「お、お兄ちゃん……?」
羽音ちゃんが急に足を止めて振り返った。


602 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:06:13 ID:U1scoXLp
「どうして逃げるの?」
「だ、だって……失敗しちゃって……」
「失敗?何を?」
「えと……だから、お弁当いらないのに……」
俯く羽音ちゃん。
優しくその名を呼んだ。
「羽音ちゃん」
「は、はい!!」
背筋をピンと伸ばし、返事をする羽音ちゃん。
「俺、家遠くて、今から帰ると一時半くらいになるからさ。弁当持って来ようか迷ったんだよね」
「……」
「で、結局面倒で作ってこなかったんだけど……何かお腹空いちゃったなー」
横目で羽音ちゃんを見る。
「お、お兄ちゃん……」
「何かな、羽音ちゃん」
「こ、コレ……食べて……ください……」
羽音ちゃんは、ゆっくりと遠慮がちにさっきの包みを差し出す。
「お、何コレ?」
「え、えと……お弁当です……」
「ありがとう。嬉しいよ」
俺は左手でお弁当を受け取り、右手で羽音ちゃんの頭にポンと手を置く。
「は、はいっ!!ありがとうございますっ!!」
「羽音ちゃん、お昼は?」
「えっと……私も、お弁当を……あ、あれっ!?」
「どうしたの?」
「お弁当……忘れちゃいました……。帰ります……」
肩を落とし、振り返る羽音ちゃん。
俺はそんな羽音ちゃんの肩を掴んで
「俺も行くよ」
「え……?」

603 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:06:43 ID:U1scoXLp
「俺、自転車あるから。送ってくよ」
「え、いやっ!!いいですよ!!」
羽音ちゃんは手をパタパタ振って断る。
「そう?良かったら、白田公園で一緒にお弁当でもと思ったんだけど……せっかく良い天気だしね」
「っ!?」
「どうしたの?」
「その……い、行きたい……公園」
「あ、行きたい?」
「はい……」
小さい声で呟く羽根ちゃん。
そんな羽音ちゃんに、俺は……
「声が小さくてよく聞こえないぞー?」
「え……えっと……行きたい……です」
「え?」
「公園、行きたいです!!お兄ちゃんと!!」
「はい、よくできました。行こう」
「はいっ……!」
可愛く返事をして、俺の横に並ぶ羽音ちゃん。
「お兄ちゃん……」
「ん?」
「明日も……お弁当作っても……いい?」
「いいよ。っていうか、お願いします、だよな。俺は作ってもらうんだから」
「ううん。お勉強だから」
「勉強?」
「うん。お兄ちゃんのね……」

604 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/31(日) 21:07:22 ID:U1scoXLp
「俺の……?」
「えと……お嫁さんになるときの……ね?」
「羽音……ちゃん……?」
頬を赤く染めて、俯く羽音ちゃん。
何だ、そういうことか。
「羽音ちゃん」
「はぃ……」
「待ってるよ」
「お兄ちゃん……!!」
「行こうか?」
「うん」

夏はまだ始まったばかり。
あと何日、羽音ちゃんのお弁当を食べられるのかなー。
───────────────────────
俺の夏はまだだろうか……。
後テストが二つ、レポートが一つ……はぁ……。

新キャラ。また敬語系。でも可愛いよ、羽音……。
兄ちゃん、一気火勢でお気に入りだよ……。

499KB
新着レスの表示

スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2004-10-30