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[第五弾]妹に言われたいセリフ
- 453 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/06(水) 21:58:14 ID:stl02ERy
- 「ねぇねぇお兄ちゃん、
ペアルック、しよっ!」
- 454 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/06(水) 22:42:34 ID:q8+KCfG9
- 「お兄ちゃんの服おっきぃー!ぶかぶかだ〜♪」
- 455 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 00:56:52 ID:j2erBfx1
- >>454
さらに「えへへ〜、お兄ちゃんの匂いがする」があればなお良い
- 456 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 02:18:25 ID:+oGjJZOG
- なるほどなるほど・・・把握した
- 457 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 15:13:52 ID:xkhVoYVU
- 【お兄ちゃんっ】妹にしてっ☆【3スレ目だよ♪】
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1120637188/l50
キミたちにオススメだよ。
- 458 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:03:44 ID:v6wxf/es
- 七夕ネタ期待age
- 459 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:05:27 ID:xsKjlQ6v
- お兄ちゃんのスウプに私のへその緒入れておいてあげたお。
- 460 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 16:14:46 ID:gKldU2hm
- なにこのスレ
(・∀・)イイ!!
- 461 :丹下 桜継 :2005/07/07(木) 17:08:39 ID:E+gq4+zm
- 妄想乙wwww
- 462 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 17:52:58 ID:xsKjlQ6v
- >>461
死ね
- 463 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 19:26:46 ID:+oGjJZOG
- >>461
丹下ちょっとこのスレこい
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1113806290/
- 464 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/07(木) 23:33:18 ID:AX8WTOt9
- 「お兄ちゃ〜ん♪ 一緒に『電車男』見よ〜♪」
- 465 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/09(土) 21:18:30 ID:54HSe7P6
- 「お兄ちゃん、友達、連れてきたよ。
左右からムギュッとされたいんだよね〜。」
- 466 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/09(土) 21:56:47 ID:wL04bBCz
- 「私が家にいる時は部屋から出ないでくれる?マジ殺しそうなんだけど。」
- 467 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 01:07:01 ID:H3ZSsj9K
- 「おい、アニキよぅ、ケツにてぇとどかねーんだけどよっ。優しくふきふきシテシテシテ」
- 468 :コンズ :2005/07/10(日) 22:04:53 ID:B4F0F/tS
- >464
>465
イイですっ
ネ申の降臨はまだですかねぃ(漏れは書けないのにorz
- 469 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/10(日) 22:31:24 ID:uY5l2wAL
- ……需要があれば、来週の火曜日に。
名付けて遊星祭りだ!!
- 470 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 22:44:22 ID:cpMoZ3H1
- 遊星祭り!?
是が非でもお願いします!!
- 471 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/10(日) 22:54:36 ID:zsZQ6XuO
- 遊星祭り激しくキボンヌ!
- 472 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/11(月) 11:21:54 ID:YwtBt9QG
- ワクテカ
- 473 :コンズ :2005/07/11(月) 13:03:02 ID:MgNLGuU2
- 何とっ!?遊星さんゼヒお願いしますっ!!
双子の登場に期待っ
- 474 :260 :2005/07/11(月) 21:48:21 ID:qYvZolct
-
「・・・静かだな」
春より大きくなった空を見上げて独りカレーパンにかぶりつく。
喧騒を離れ、屋上で一人過ごす昼休み。
ゆっくりとした時間の中で流れる雲を見ているとここが学校で
あることさえ忘れてしまいそうだ。
「ん?メールか、ええと」
唐突に無粋な着信音に現実に引き戻される俺。
今度からは音をクラシックにでもしておこうかなどと思いつつメールを開いてみると
お兄ちゃん、今晩のおかずは何にしようか?
「こんなん直接聞けゃいいじゃないか」
「ふふっ、じゃあそうするよ、お兄ちゃん何がいい?」
「うおわっ!?」
空を遮る様に見慣れた綺麗な顔が流れる黒髪と共に視界に割り込む。
- 475 :260 :2005/07/11(月) 21:56:40 ID:qYvZolct
- 約二ヶ月ぶりに参上!!
ちまちま投下していきますんで祭りまでの間繋ぎになれば幸いです。
そして、月影の姐さんのも待ってますぜ。
- 476 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 02:27:54 ID:ZcmrOTt4
- うわあああああ!!
260氏キタ━━.':+'・(ノ∀`)'.'*:.━━!!
GJです!!
- 477 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 13:01:41 ID:vYavXvYc
- 俺は妹が嫌いだった…「死ね」「ウザい」「クソ兄貴」口も性格も最悪だと思っていた
そんな妹がある日熱を出した…37度3分…
俺「なんだよ微熱じゃねぇか。そんぐらいで学校休むなよ。」
夕子『うるせぇよクソ兄貴!!気持ち悪いんだよ!!』
俺「中1にもなって見え透いた嘘ついてんじゃねぇよ。明日はサボんなよ。」
夕子『うるせぇよ早く学校行け!!死ね!!』
俺は妹が嫌いだった…この日までは…
次の日も夕子は学校を休んだ
俺「またサボりかよ。」
夕子『違ぇよ病院行くんだよ!!』
俺「ど〜せ仮病だろ。行くだけ無駄。」
夕子『うるせぇよ早く学校行け!!死ね!!』
俺が学校で授業を受けていると突然教室のドアが開いた。
先生「おいっ斎藤、お前のお母さんから電話だ。職員室来い。先生、ちょっと斎藤借ります。」
先生『あ…はい…どうぞ…』
- 478 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 15:22:37 ID:ZcmrOTt4
- (;´-`).。oO(ちょ…めちゃくちゃ気になるじゃまいか…)
GJ!!
てか最近またヒドく過疎ってる気が…
取り敢えずコテ晒していきますね
- 479 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 19:09:09 ID:vYavXvYc
- 俺「何すか?何かあったんすか?」
先生「いいから…ほれ…」
俺「もしもし?」
母『たかし?ちょっと今から病院来なさい。』
俺「は?何で?」
母『夕子が入院することになったからよ。』
俺「だから?俺関係ねぇじゃん。」
母『いいから来なさい。』
俺「は?意味わかんねぇし。」
先生「いいから行ってやれ。」
俺「???」
先生に言われたので俺は病院に行くことにした。大学病院だった。先生が地図と交通費をくれた。
病院の入口で母が待っていた。
俺「で?夕子がどうかしたの?」
母『いいから来なさい。』
俺は母に診察室みたいな所に連れてかれた。中には先生らしき人が待っていた。
先生「君がお兄さんのたかし君だね?」
俺「はぁ…」
先生「妹の夕子ちゃんのことなんだが…驚かないで聞いて欲しい…」
俺「はぁ…」
先生「君の妹は…白血病にかかっている…」
俺「はぁ…は?」
- 480 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 20:05:00 ID:vYavXvYc
- その後先生にいろいろと説明を受けたがよく覚えてない…というか頭に入らなかった…
ただ…ドナーがいないこととドナーが見つからなければあと1年の命と言われたことだけは覚えてる…
病室に行くと夕子はベットでマンガを読んでた…
夕子『なんだ、兄貴来たんだ。』
俺「あぁ…まぁな…」
夕子『栄養失調だってさ。』
俺「そっか…ゆっくり休めよ…」
夕子『兄貴テンション低くない?』
俺「ちょっと疲れてるだけだよ…」
夕子『ふ〜ん』
それから一週間…俺は毎日夕子のお見舞いに行った…
ときどき夕子の友達が来たりした…俺はリンゴを剥いてやったりゲームを持ってったりいろいろした…
『最近の兄貴なんかやさしいね。』とか『早く退院したい。』とか言われたけど上手く流した…
- 481 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 20:27:59 ID:rK7DuJUK
- なんかお前らのオナニー文にも飽きてきたよ(´・ω・`)
- 482 :遊星より愛を込めて ◆ni2.3Eq2oY :2005/07/12(火) 20:37:24 ID:7DzBKOEv
- もともとそういうトコだから。
一々そんなこと言わんでもいいよー?
- 483 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 20:38:36 ID:7DzBKOEv
- トリップ間違えた……orz
- 484 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 20:42:44 ID:NZB9h4vA
- 「8億円の遺産を相続放棄します」
- 485 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 21:07:11 ID:ZcmrOTt4
- ちょ…スマソ…トリがバレた…orz
しばらくROMにまわります
- 486 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 21:07:22 ID:7DzBKOEv
- そろそろ始めるか……。
と、その前に……
>>443
えっと、俺のネーミングにはほぼ元ネタがありまして……。
それはまた、次の機会に……。
>260さん
お久しぶりです。
続き、楽しみにしてますよ!!
>>477>>479>>480
続きが気になる……。
- 487 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 21:08:40 ID:7DzBKOEv
- >>485
あ、そうっスか。
ID出てるんで、トリ変えるなら、今のうちに宣言しておいてはいかがですか?
- 488 :すばる ◆9tSxotve.o :2005/07/12(火) 21:15:15 ID:ZcmrOTt4
- 次から◆9l4B6y7T.Qで来ます。
これもバレたらしばらく潜伏しますね
迷惑かけてホント申し訳ないorz
- 489 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/12(火) 21:17:31 ID:ZcmrOTt4
- トリ変え忘れたorz
ではしばらく潜伏しますノシ
>>遊星さん
期待してますよ(゚∀゚)
- 490 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 21:34:21 ID:h4MQrbnl
- 「お兄ちゃんに好きな人ができたら、こまっちゃうな。」
- 491 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:04:21 ID:7DzBKOEv
- 「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
帰り道、俺と並んで歩いている少女、相川梨那が俺に語りかける。
「明日、イヤだよね〜?」
「明日?何かあったか?」
「校内実力テストだよー?」
「別にいいじゃん。順位出すだけで、成績関係ないんだし」
「良くないー!!このテスト悪かったら……」
「悪かったら?」
「お小遣い減らされちゃうんだよー!!」
「……あっそ」
「うぁー!!今月欲しいものがいっぱいあるんだよー!!」
「頑張れー」
適当に相槌を打っていたが、梨那はそれがご不満のようで、
「ねぇ、お兄ちゃん。梨那がこんなに困ってるのに、何か言うことないの?」
「ん?あぁ、勉強しろよ」
「そうじゃなくてー!!」
「……何?」
「一緒に勉強しよう、とかー」
「俺、勉強しないから」
「うにゃ……じゃ、じゃあ、俺が教えてやるよ。とかー」
「いいけど、当然有料な」
「にゃぁ……ヒドいよぉ……」
「酷くない」
「けーち、けーち!!」
「ケチで結構」
「うにゃぁ……」
肩を落とす梨那。
ま、別に暇だから付き合ってやっても良いんだけど。
梨那の提案をサラッと受けるのも……何かカッコ悪いし。
- 492 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:05:06 ID:7DzBKOEv
- 「そういや……数学の課題出てたな……」
「いつまで?」
「……実力テストの日まで」
「明日だねー?」
意見を求めるように、俺の顔を覗き込む梨那。
「ね、ねぇ……お兄ちゃん?ついでだから、一緒に勉強しようよ?」
「……しょうがねぇなぁ」
「いいのっ!?」
「まぁ、いい。で、どっちの家でやる?」
「どっちでも良いよー。じゃあ、梨那の家にしようか?」
「えー?お前の家ー?何か襲われそう……」
「襲わないよっ!!っていうか、それはこっちのセリフだよっ!!」
「俺は梨那を襲うほど、困ってないからなー」
「にゃ……そう、だよねー、お兄ちゃん人気あるもんねー、あはは……」
どうして、ちょっと落ち込んじゃったのかね、梨那クン?
「梨那……冗談に決まってんだろ。突っ込んでくれないと、ちょっと恥ずかしいじゃないか……」
「にゃ?冗談……?」
「はい、冗談ですー。困りまくってますー。梨那だって襲いますー」
「そ、それはそれで困るんですけど……」
「よし。まぁ、リアクションは合格だな。で、どっちにする?」
「梨那の家でも良いけどー……あ、今日、工事の人が来るんだった!!梨那の家、ダメだー!!」
「そんなこと、最初に言えって……」
「ゴメンねー。お兄ちゃんの家でも良い?」
「まぁ、いいけど」
「やったー!!お兄ちゃんのお部屋、久しぶりだねー!!」
「勘違いするな!!誰が俺の部屋に入れるか!!客間だ、客間!!」
「にゃ!?つまんないよ、そんなのー!!」
「勉強するのに、面白いもつまらないも無いだろ」
「あるもん!!お兄ちゃんの部屋がいいー!!」
「ワガママ言うな!!お前、何か壊しそうだから嫌なんだよ!!」
- 493 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:05:51 ID:7DzBKOEv
- 「壊さないよー!!だから、お願いー!!」
両手を合わせて、目を閉じて俺に懇願する梨那。
「いいだろう……ただし、何か壊したら……」
「壊したら……?」
「全く同じものを買ってきてもらう!!」
「にゃ……分かりました……」
「よし。確かに」
「わーい!!お兄ちゃんと一緒だー!!じゃあ、梨那、ちょっと先に行くねー?」
「ああ」
突然走り出し、俺を追い抜かす梨那。
そして、前方で振り返り、
「お兄ちゃーん!!着替えたら、すぐお兄ちゃんの家に行くねー!!」
「おう。じゃあな」
「うん、あとでねー!!」
そう言って、また振り返り、100メートルほど前方の家に、駆け込んでいった。
───────────────────────
えっと、課題は……
何だ10ページだけか、楽じゃないか……。
問1……簡単簡単……よし、解けた。
問2は面倒くさいな……。
そんな具合で、順調に進めていると、
「あれー?答えが違うー……何でー?」
テーブルの真正面に座っている梨那が、間抜けな声を上げた。
「見せて……あ、計算ミス発見」
「にゃ……?どこどこ!?」
「ここ」
ペンの先で指し示す。
梨那の動きが止まる……。
「あー、なるほどなるほど」
「気をつけろよ。そこが間違ってると、(4)まで間違えるぞ?」
- 494 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:06:36 ID:7DzBKOEv
- 「うん……梨那、計算ミス多いんだよねー。どうすればいいのかな?」
「慣れるしかないんじゃないのか」
「うにゃ……分かったよ……」
えっと……どこまでやったっけ……。
あぁ、問2の計算の途中か。
続きをやろうと、俺のペンがノートに接地した瞬間……。
「ところで、お兄ちゃん……コレ、このやり方で合ってる?」
梨那がノートを差し出す。
「ん……全然違う!!a=0と、そうでないときで場合分けするんだよ!!」
「あー、授業でそんなこと言ってたかもー。ありがとー」
「ああ……」
また、ノートと向かい合う。
数問ほど、解いた後……。
「ねぇ……この問題のやりかた、教えてー!!」
「あぁ……。上の問題とほとんど同じだぞー?この部分を一つのまとまりとして考えるんだよ」
「ふーん」
「つーかさ……」
「ん?何?」
「俺、全然進んでねぇぞ!!」
「にゃー。大変だねー?」
梨那の頭を小突く。
「にゃっ!?何っ!?」
「誰のせいだと思ってやがる!!」
「り、梨那っ!?」
「必死なのは分かるが……俺だって、やることあるんだぞ?」
「うん……ゴメン」
「何だ?いやに素直だな?」
「え……?あはは、そうかな……?」
力なく笑う梨那。
やっぱ、元気ないじゃないか……
- 495 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:07:22 ID:7DzBKOEv
- 「あぁ。何か悩み?」
「うん……やっぱり梨那じゃダメなのかなって……」
「テスト……?」
「うん……」
「いいじゃん、小遣いなんて。少しなら貸すぞ?」
「ううん、それだけじゃないの……。やっぱり、梨那……進学出来ないのかな……」
「進学するのか?」
「うん。まだ、詩の勉強したいから……でも、梨那、バカだし……」
「ふーん……」
「明日のテスト……この人はどれぐらいの大学にいけるのか、っていうのを見るものらしいから……」
「なるほど……」
「だから、こんなんじゃ……梨那、全然ダメなんじゃないかって思って……」
俯く梨那。
泣く寸前、十秒前ってトコか。
「梨那……お前の前に居るのは誰だ?」
「にゃ……?」
「誰だと聞いている」
「おにぃちゃん……?」
「そう。この州田敬介(学年一位)様がいるじゃねぇか。家庭教師にはうってつけだぞ?」
「家庭教師……?」
「今からお前に、俺の知識を全部叩き込んでやる。しかも、タダで」
「……」
「お前は……夢を諦めるな」
「う、うんっ!!」
「さ、勉強勉強。気合入れろよー」
「うん!!」
- 496 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:09:38 ID:7DzBKOEv
- また机に向かう梨那。
「ねぇ……お兄ちゃん」
「ん?」
「ありがとう……大好きだよ」
「よく、そんな恥ずかしいことが言えるねー」
「でも、ホントだからねー♪」
俺は梨那を守りたい。
梨那の体も心も。梨那の夢すらも。
それは、俺が梨那の兄であることの、何よりの証だと思うから。
───────────────────────
梨那。
何で書き始めたか忘れた。
兄に『バカ』と言える点で他の妹とは異なる(と、俺は思っている)。
- 497 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:10:25 ID:7DzBKOEv
- 久しぶりだね……。
さぁ、唯奈……勇気を出して……。
大丈夫。
全然大丈夫だよ。
だから、さぁ、勇気を出すの、唯奈……。
……
「あーーーーーーーー!!!」
……最近、雨で全然部活とかしてなかったからな〜。
千奈ちゃんは千奈ちゃんで、二日に一回ぐらいは、お兄ちゃんにお菓子作るし……
あ!
そうだよ、このバスタオル、結構水含んでるモンね!!きっとそうだよ!!
じゃあ、外して……
「唯奈っ!!」
えっ……!?
「あーーーーーーーー!!!」
食事を終え、まったりムードの我が石川家に、少女の絶叫が響き渡った。
「あの声は……?」
「唯奈ちゃん、ですよね?確か、今お風呂に……
俺にお茶を持ってきてくれた千奈が呟く。
「ちょっと俺、様子見てくるよ!!」
「は、はいっ!!お願いしますっ!!」
唯奈に何が……!?
不安を抱えながら、脱衣所のドアを開ける。
「唯奈っ!!」
「きゃっ!?お、お兄ちゃんっ!?」
中では、今にもバスタオルを外そうとしていた唯奈が……。
慌てて隠す唯奈。
- 498 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:11:10 ID:7DzBKOEv
- 「何かあったのか!?」
俺はそんなこと気にも留めず、唯奈に歩み寄る。
「えぇ……えっとぉ……なんにもないですよ?」
「んー、何か隠してない?」
「え、えと……そんなことないですよ?」
「で、何でそんな話し方なんだ?」
「いや、別に意味は無いけどぉ……とにかく、何も無いったら無いの!!」
「そうか……?」
「そうだよっ!!さ、服着るから、出てって!!」
「あ、あぁ……」
さっきの緊迫感は何処へやら……。
ちょっと悲しくなって、千奈のところへ戻る。
「どうでしたか?」
「ん……何もないってさ」
「そうですか」
「でも、妙に冷たかった……」
「冷たい?」
「あぁ、何か俺が邪魔みたいだった……」
「え……?」
「出てって!!……だって」
「……着替えの最中だったから、慌ててるんじゃないんですか?」
「んー、そうだといいけどね」
苦笑いして、お茶を一気に飲みほす。
「千奈……おかわりもらえる?」
「はい」
千奈が俺の湯飲みを持って立ち上がる。ちょうどそのとき、
「お風呂、空いたよー」
唯奈がドアを開け、入ってくる。
- 499 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:11:55 ID:7DzBKOEv
- 「あ、唯奈ちゃんもお茶、飲む?」
「うん。冷たい麦茶がいいなー」
「はーい」
立ち上がってキッチンに向かう千奈。
「あ、そういえば……お母さんが、会社の人から、お土産でお饅頭を頂いてきたんですけど、食べますか?」
「あぁ、もらおうかな」
「はい。唯奈ちゃんは……?」
「いい……」
「そうなんだ」
千奈が唯奈に微笑む。
唯奈は恥ずかしそうに、下を向いた。
……何だ?
「はい。お待たせしました」
「あぁ、ありがとう、千奈。唯奈もそんなトコに突っ立ってないで、座れよ」
「う、うん……」
俺から、離れたトコロにわざわざ座る唯奈。
何か話でもしようと思ったが……そんな唯奈を見て、何も言えなくなってしまった。
「なぁ、千奈」
仕方なく、話を千奈に振る。
「はい?」
「千奈は食べないのか?」
「はい、私もやめておきます」
「そう……」
妙に気まずい思いを紛らすため、一人饅頭をかじってみた。
───────────────────────
- 500 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:12:40 ID:7DzBKOEv
- 「千奈ちゃん、お兄ちゃんは……?」
「お風呂、しばらく唯奈ちゃんと私、二人きりだよ」
「で……話って何?」
「いきなりだけど、唯奈ちゃん……太っちゃったんだ?」
「千奈ちゃ〜ん、言わないでよ、気にしてるんだから〜」
「やっぱり……ダイエットするの?」
「うん!今度こそ、本気!!」
「そのセリフ……何度目だっけ?」
「う……こ、今度こそだもん!!」
「お兄さんには秘密なの?」
「うん」
「何で?」
「だって……恥ずかしいし……それに……」
「それに?」
「太った、なんて言ったら、お兄ちゃんに嫌われちゃうかも……」
「そうかなぁ……お兄さんはそんなこと、気にしないと思うけど……?」
「でも、やっぱりダメなのっ!!こっそりダイエットするんだから!!」
「ふーん……そういえば、お兄さん、落ち込んでたよ?」
「え?何で?」
「唯奈ちゃんの態度が冷たかった。って。嫌われてるかも、なんて言ってましたよ?」
「そうなんだ……」
「お兄さんには、言った方が良いと思うけどなぁ……」
「だ、ダメダメ!!絶対ダメ!!とにかく秘密に、ダイエットするの!!」
「……そう。頑張ってね」
「うん!!」
───────────────────────
- 501 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:13:25 ID:7DzBKOEv
- 「はぁ……」
風呂の中。
大きなため息を吐く。
「何でなんだろ……」
唯奈。
んー、分からん……。
千奈が言うように、着替え見ちゃったから……?
いや、でも、もしそうなら、その時にもっと怒るよなぁ……。
ま……ヘタしたら、理由もなく嫌われたってコトか。
元々いなかったんだから、唯奈が俺から離れていったとしても、悲しいわけないんだけどなぁ……。
なんだろ、この感じ……。
分からん……。
モヤモヤした頭をなんとかしたくて、頭から冷水のシャワーを被ってみる。
ふぅ……。
そうだ、千奈に相談してみようかな……。
「それがいいな……」
シャワーを止め、風呂場を出る。
そして、脱衣所。
「あ……体重計がビショビショだ……誰だよ……」
ん……?
確か……
「そういえば、この辺だったな。さっき、唯奈が居たのは」
ってことは、体重計に乗ったのは唯奈で……。
大声出したのは……まさか……。
───────────────────────
- 502 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:14:10 ID:7DzBKOEv
- とりあえず、急いで服を着て、リビングへ向かう。
まだ、千奈も唯奈も居るだろう。
「千奈っ!」
リビングに飛び込むと、千奈も唯奈も、驚いて、ジッと俺の顔を見る。
「お、お兄さん……?どうしました?」
そして、千奈が遠慮がちに話しかけた。
「ちょっと耳貸してくれ」
「あ、はい」
千奈に耳打ちする
「もしかして……唯奈って、体重とか、気にしてたとか……?」
「あ、正解です。さすがお兄さん。鋭いですね」
千奈がささやく。
「偶然だって」
「なんでもいいですよ。唯奈ちゃんのフォロー、頼めますか?」
「ああ、そのつもり」
「お願いします」
というわけで、唯奈の前に立つ。
「唯奈」
「あ、お兄ちゃん、何?」
「よし、やるか」
「え、やるって、何を……?って、えぇ!?」
唯奈を片手で持ち上げる。
「お、お兄ちゃん!?何してるの!?」
「持ち上げてる」
「な、何で!?」
「別に」
「別に、って……」
- 503 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:14:55 ID:7DzBKOEv
- 「強いて言うなら、力試し」
「力試し?」
「ああ。大丈夫、俺は今の唯奈でも、軽く持ち上げられる」
「お兄ちゃん……?」
「ってことは、唯奈がソファで寝てても俺は唯奈をベッドまで連れて行ける」
「……」
「しかも……千奈」
「きゃ、きゃっ!?」
もう片手で千奈を持ち上げた。
「俺は千奈も唯奈も、一緒に持っていける」
「……」
「あー……上手く言えんけど……唯奈は無理しないでも良いと思う。もちろん千奈も」
「お兄ちゃん……」「お兄さん」
「もし、俺だけじゃ二人ともを支えられなくなったら……俺が鍛えるからさ」
「うん!!」「はい!!」
「うんうん。分かれば良いんだよ」
俺は二人を下ろし、二人の肩をポンポンと叩く。
そして、何か飲み物を探し、冷蔵庫へ。
「ね、唯奈ちゃん?私の言ったとおりでしょ?」
「うん」
「ダイエット、また失敗だね」
「うん。でも、ある意味成功」
「だね」
仲良く囁きあっている二人。
「ん?何の話だ?」
割って入る。
- 504 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:15:40 ID:7DzBKOEv
- 「お兄ちゃんの話」「お兄さんの話です」
「俺の?どんな?」
「「秘密」」
「秘密って……そりゃないだろー?教えてくれよ」
「秘密。ね、千奈ちゃん?」
「ね、唯奈ちゃん?」
困惑する俺の前で、双子は顔を見合わせ、いたずらっぽく微笑んだ。
──決まってるじゃない。お兄ちゃん、大好き……ってそういう話だよー。ね、千奈ちゃん?
──お兄さんカッコいいなぁ……ってそういう話だよね、唯奈ちゃん?
───────────────────────
双子。
海中さんの双子ssに触発されて書いた。
書いていて楽しいが、当時からちょっと不人気……orz
- 505 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:16:35 ID:7DzBKOEv
- 雨。
ガラス越しに雨降りの景色を見ながら、のんびり過ごす。
室内に居る分には、雨降りも嫌いじゃない。
「ねぇねぇ、おにぃちゃん!!遊ぼうよっ!!」
俺の妹、沙耶が俺の隣で、騒いでいる。
「いいけど、何して?」
「お散歩!!お散歩行こうよー!!」
「……雨だぞ?」
本人には言えないけど、沙耶はよくコケるしなぁ……。
雨の日でずぶ濡れになったら、風邪引くかもしれないし……。
「雨でも良いよー!雨でも楽しいよー?」
「沙耶がよくても、俺がダメだ」
「何でー?」
「太陽が出てないと、元気出ないんだよ、俺」
「えーっ!?おにぃちゃん、だいじょーぶなのっ!?」
「うん。大人しくしてればね」
「はわ……じゃあ、しょうがないね」
「あぁ、ゴメンな」
……ところで、雨の日で俺が元気なかったことってありますか、沙耶さん?
「ううん」
「じゃ、ちょっと寝るよ、お休み。沙耶」
「うん、お休み、おにぃちゃん」
予想以上に上手くいったことに驚きながら、俺は目を閉じる。
沙耶は、しばらくゴソゴソと何かをしていたが、結局テレビを見ることに落ち着いたようだ。
チャンネルを変えている。
二週ほどチャンネルを変えた後、プツンと音を立て、周りが再び静かになった。
……まぁ、休みの日の昼は、沙耶が見るような番組はあんまり無いよな。
そして……隣に人の気配。
「おにぃちゃん……」
小さな小さな声が聞こえる。
……なんか罪悪感。
- 506 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:17:20 ID:7DzBKOEv
- でもあんなウソついちゃったし、普通に起きるのもなぁ……。
何かないか、何か……
ん……そういえば……今日は……。
「ねぇ、沙耶?」
「はわわっ!?び、びっくりしたよー!!」
「あぁ、ゴメン。で……散歩行こうか?」
「はわ?何で!?」
「いや、雑誌が今日発売日だからさ。買いに行かなきゃと思って」
「そうなんだー。いいよー、行こー!!」
「あぁ、行こうか」
───────────────────────
「わーい。お散歩、お散歩っ」
「あんまり、はしゃぐなよ」
雨降りの町を、傘を差しながら、二人並んで歩く。
沙耶が転ばないように、俺はしっかり沙耶の右手を握っている。
「てへへ……サヤね、お散歩行けないと思ってたから、すごく嬉しいんだー」
「そうか?でも、雨の日はいろいろ気をつけないとな」
「いろいろ?」
「ああ、出来るだけ水溜りに入らないように。とか、滑らないように、とかな」
「だいじょーぶだよ!!おにぃちゃんが手をつないでいてくれるもん!!」
「じゃ、俺が危なくなったら、沙耶が助けてくれよ?」
「はわっ!?う、うん、サヤ頑張るよー」
「おっ、頼もしいなぁ」
「てへへ……」
そんな風に談笑していると……
バシャ
脇を自動車が通り抜け、大きな水飛沫があがった。
その水飛沫が、俺の隣の少女へ……。
「さ、沙耶っ!!大丈夫かっ!?」
- 507 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:18:05 ID:7DzBKOEv
- 「う、うん。傘があったから、あんまり濡れてないよー」
「そうか……よかった」
「てへへ、ちょっとビックリしたけど、傘にビシビシッ!!って水がかかって面白かったよー!!」
「そっか。でも、危ないから、俺と場所変わろう?」
「うん!!おにぃちゃん、ありがとう!!」
なんてやってる間に
……大型のトラックが横を通る。
水飛沫、そして……突風。
「うぉっ!?」
「はわわわわっ!!」
吹き飛ばされないように、必死で傘を掴んだ。
風が止み、前のように雨は上から降ってくる。
俺はなんとか持ちこたえたが……
「はわわ……傘が……」
沙耶の傘は、突風に負け、骨が折れてしまったようだ。
しゃがみこんで、傘を見ている沙耶。
「あー、ダメだな、コレは」
俺は自分の傘を沙耶の頭上に掲げ、沙耶の傘をのぞき見る。
「サヤの傘が……おにぃちゃんと一緒に買いに行ったのに……」
「沙耶……」
こんな落ち込んだ沙耶を見るってのは、そうあることじゃない。
こんな光景を見るのはゴメンだが、俺にはかける言葉が思いつかなかった。
「沙耶……帰ろう?」
「……」
「そんなに濡れてちゃ風邪引くぞ?抱っこしてあげるから、帰ろう?」
「うん……」
ゆっくり立ち上がる沙耶。
俺は沙耶を左手で持ち上げ、傘を持った右手も使い、左腕の上に座らせる。
「ねぇ……おにぃちゃん……」
沙耶が呟くように言う。
- 508 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:20:19 ID:7DzBKOEv
- 「ん?」
「あの傘……持って帰ってもいい……?」
「あぁ、いいよ」
傘を拾い、沙耶に渡す。
顔は見えなかったが、悲しそうなオーラは伝わってくる。
「また明日、新しい傘買いにいこうよ?」
「うん……」
喜ぶと思ったのだが……沙耶の声はまだ暗い。
「沙耶、その傘、大切にしてくれてたんだ?」
「うん……おにぃちゃんが買ってくれた傘だもん……」
「そうだったね。前使ってた傘が無くなっちゃって、二人で買いにいったんだよな?」
「うん……」
「でも、なかなか良い傘が見つからなくて、町中探し回ったんだよな」
「うん……コレと同じくらいカワイイ傘、さがそうね?」
「いや、やめとく」
「はわ……?」
「直してみるよ、傘」
「おにぃちゃんが……?」
「うん。ダメなら、誰かに頼んでみる。だって、大切な傘なんだよな?捨てるのは勿体無いよ」
「お、おにぃちゃん……!!」
「ん?新しい傘、欲しい?」
「ううん!!ありがとぉ!!」
喜び極まってか、沙耶が俺を力いっぱい抱きしめる。
「てへへ、おにぃちゃん、大好きー」
頬擦りされる。
「沙耶、寒くない?」
「ううん、だいじょーぶ。おにぃちゃんが暖かいからねー」
「そう。でも、油断は禁物だよな。早く帰ろう?」
「うん!!」
- 509 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:21:13 ID:7DzBKOEv
- 俺の妹、沙耶。
やっぱりこの娘には……俺は適わないかも……。
───────────────────────
沙耶。
マイブームが犬耳の時に書きたくなった。
遊星の一番のお気に入り。
- 510 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:21:42 ID:vYavXvYc
- いや…上手く流せたと思っていた…
数日後、家でゴロゴロしてたら夕子からメールがきた。
[件名]いままでゴメンね
[本文]お兄ちゃん…夕子もぅ気付ぃちゃったょ…お兄ちゃんが急に優しくなった理由も…夕子が退院出来なぃ理由も…夕子死ぬんでしょ?はっきり言ってょ…お兄ちゃん…
お兄ちゃんなんて呼ばれたのも夕子からメールがきたのもかなり久しぶりだった…
メールは返さなかった…というより返せなかった…
親と相談して明日俺が本当のことを夕子に話すことになった…
その日はまったく眠れなかった…夕子になんて言えばいいのか…思いつかなかった…
翌日もお見舞いに行った。
夕子『あ〜っ!!お兄ちゃんなんで昨日メール返してくれなかったの〜!!』
俺「…」
夕子『お兄ちゃん?』
俺「夕子…はっきり言うな………お前は…白血病にかかってる…」
夕子『…』
俺「夕子…」
夕子『なぁ〜んだ。やっぱり!!とっくに気付いてるって♪』
俺「…」
俺は病室を飛び出してトイレで泣いた…両親の涙が…夕子の無理矢理つくったような笑顔が…すごく…すごく悲しくて…その日はそのまま家に帰った…
- 511 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:19:36 ID:7DzBKOEv
- 「ん?」
「あの傘……持って帰ってもいい……?」
「あぁ、いいよ」
傘を拾い、沙耶に渡す。
顔は見えなかったが、悲しそうなオーラは伝わってくる。
「また明日、新しい傘買いにいこうよ?」
「うん……」
喜ぶと思ったのだが……沙耶の声はまだ暗い。
「沙耶、その傘、大切にしてくれてたんだ?」
「うん……おにぃちゃんが買ってくれた傘だもん……」
「そうだったね。前使ってた傘が無くなっちゃって、二人で買いにいったんだよな?」
「うん……」
「でも、なかなか良い傘が見つからなくて、町中探し回ったんだよな」
「うん……コレと同じくらいカワイイ傘、さがそうね?」
「いや、やめとく」
「はわ……?」
「直してみるよ、傘」
「おにぃちゃんが……?」
「うん。ダメなら、誰かに頼んでみる。だって、大切な傘なんだよな?捨てるのは勿体無いよ」
「お、おにぃちゃん……!!」
「ん?新しい傘、欲しい?」
「ううん!!ありがとぉ!!」
喜び極まってか、沙耶が俺を力いっぱい抱きしめる。
「てへへ、おにぃちゃん、大好きー」
頬擦りされる。
「沙耶、寒くない?」
「ううん、だいじょーぶ。おにぃちゃんが暖かいからねー」
「そう。でも、油断は禁物だよな。早く帰ろう?」
「うん!!」
- 512 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:23:29 ID:7DzBKOEv
- ピカッ……ゴロロロ
稲光が走り。雷鳴が轟く。
「ふむ、凄いなぁ……」
窓から外を見ながら呟く。
「雨も強いですね」
俺の妹、未来が俺の隣で答えた。
「今日は、できるだけ早く寝た方がいいな」
「そうですね」
「とりあえず、使わないコンセントは今のうちに抜いとけよ?」
「え……?何でです……?」
「知らないのか?」
「私は機械はダメなんですけど……」
「あぁ、そうだったな。近くで雷が落ちると、コンセントが刺さってる電化製品は壊れるかもしれないって感じかな」
「そうなんですか……」
未来がそこまで言った瞬間……
ピカッ、ゴロロロロロロ!!
大きめの轟音が響いた。
「ひゃっ!?」
可愛い声を出して、俺に抱きついてくる未来。
「あらら、未来ちゃん、怖いの?」
「い、いえ!!ちょっと驚いただけです!!」
「ホントに〜?」
「本当です!!」
「と、まぁ、ふざけてる場合じゃなくて……寝るぞ、未来」
「あ、私はまだ洗い物があるので……」
「テレビで見たんだが、雷の日は水を使うのもダメらしいぞ。洗い物は、明日にして寝ようぜ?」
「そうですか……じゃあ……」
その時……、
一瞬だけ、辺りが昼間のような明るさに包まれた。
何が起こっているのか理解する間もなく、爆発音にも似た雷鳴が轟く。
そして、暗闇に包まれる我が家。
- 513 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:23:56 ID:7DzBKOEv
- 「わっ、わぁっ!!」
雷鳴に慌てて、俺に抱きつく未来ちゃん。
「い、今っ……家が揺れてませんでしたかっ!?」
「あぁ、揺れた」
おっ、未来ちゃんの胸が腕にっ!!
そんな邪なことを考えながら、あくまで落ち着いて答える。
「に、にぃさんっ……!」
「怖い?」
「だ、だって……」
雷に怯え、俺の胸の中でフルフル震えている未来ちゃん……
可愛い過ぎるーーーー!!
「とりあえず、真っ暗だし、蝋燭点けようよ」
「は、はい……」
俺は机の上にあった蝋燭を手に取り、ライターで火をつける。
ぼうっと、未来の顔が明るく照らされる。
「用意しといてよかったな」
「そう……ですね……」
「さぁ、寝るぞ」
「は、はい」
俺は蝋燭を持って、ゆっくり階段を上る。
未来は俺の後ろに従った。
「未来、はい」
俺の部屋の前で、未来に蝋燭を手渡す。
「えっ……何ですか……?」
「何って……俺の部屋、ここだから」
「え、えっと……に、兄さん……」
「何?」
「い、一緒に……ね……」
「一緒に?」
- 514 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:24:20 ID:7DzBKOEv
- 「いっしょに……寝てください……」
「一緒に……って、いぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
一緒に寝てくださいって……未来に言われたい台詞、トップ5には確実に入ってるぞ!!
今、すげぇ幸せ……!!
「だ……だってぇ……」
「……うーん、どうしようかな」
いや、もちろんオッケーしたいけど……流石にマズい気もしてる……。
『いいだろ!!せっかくのチャンスだぜ?大丈夫、未来だってある程度は覚悟してるって!!』
と、悪い将人。
『未来ちゃんと寝てあげなさい。恐怖から妹を守るのも兄の仕事です』
と、良い将人。
ぬぅ……
「同じだ……」
「え……何がですか……?」
「え、えっと……何も無い……」
ここで悪い将人とか良い将人とか言ったら、未来ちゃん、不安が募って暴走する気がする……。
「あ……あの……やっぱり、ダメですか……?」
未来ちゃんが、恥ずかしそうに呟く。
「んー……」
まぁ、確かに可哀想だし、サラのときは大丈夫だったから……今回も、それに賭けてみようかな。
「分かった。一緒に寝るか?」
「は、はい!!ありがとうございますっ!!」
物凄い勢いで頭を下げる未来。
「まずは、未来の布団を取って来なきゃな。一緒に行こう?」
「はいっ!!お願いします」
───────────────────────
- 515 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:24:40 ID:7DzBKOEv
- 蝋燭の明かりの下。
俺の部屋の床に、二人分の布団を敷いて、未来と二人そこに寝ころんでいる。
雷は、相変わらず大きな音を立てている。
未来はすっかりトラウマになってしまったのか、小さな稲光にも可愛い悲鳴をあげた。
「もう、寝ようよ……?」
「だ、だって……怖いです……」
「雨戸閉めようか?少しはマシになると思うけど?」
「で、でも……窓も開けられなくなるので、暑いですよ?」
「まぁ、そうか……雷、我慢できる?」
「分かりません……きゃっ!」
「無理っぽいね。雨戸閉めるよ……」
「い、いいです!!」
「え……?」
「兄さん……あの……その……」
蝋燭に照らされた未来の恥ずかしそうな顔……。
うっ、綺麗だ……。
「な、何……?」
「えっと……その……手、繋いでくれませんか?」
「手……何で?」
「安心、するんです。だから……お願いします」
未来が手を差し出す。
「……」
そっと手を握る。
「これでいい?」
「はい、ありがとうございます……お休みなさい」
「あぁ、お休み」
蝋燭を消す。
未来の顔が見えなくなる。
「昔を思い出すな」
「え……?」
- 516 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:25:03 ID:7DzBKOEv
- 「未来、昔はこんな感じだった。『お兄ちゃん、お兄ちゃん』って、俺の後いつも追いかけてきてさ」
「え……そうでしたっけ?」
「うん。でも、やっぱり未来は未来なんだって思ったよ」
「そうですか……。兄さんは、昔から相変わらずですけどね」
「そうか?ま、それでもいいよ……もう、寝よう?」
「はい」
未来の姿は見えない。だけど、俺の大事な未来はここにいる。
未来を感じながら、俺は目を閉じた。
───────────────────────
深夜。時計を見ると二時十分前。
ふと目が覚めた。
窓を見ると、雨も風も雷も止んでいるようだった。
隣を見る。
兄さんが、気持ちよさそうにスヤスヤと眠っていた。
その兄さんから伸びた手は、今も私とつながっている。
兄さん、ずっと手を握っててくれたんだ……。
「ありがとう」
そう呟く。昔の、『お兄ちゃん』が大好きだった時の気持ちで。
ううん……今の『兄さん』も、多分、好きだと思うんだけど。
兄さんの手。
いつからだろう……。
この手が、頼もしいって思えるようになったのは……。
そんなに太くないように見えるんだけど、暖かくて、力持ちで、いつも私を助けてくれる兄さんの手……。
まだ、面と向かって気持ちを伝えるのは恥ずかしいけど……。
でも、今なら言える気がする。
- 517 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:25:23 ID:7DzBKOEv
- 「大好き……」
兄さんの手の甲にそっと口づけ。
「お休み、兄さん……」
兄さんと手を繋いだまま、兄さんにちょっとだけ近づいて、瞳を閉じた。
兄さんの手を握る力が、ちょっとだけ優しくなった気がした。
もう一度呟く。
兄さん。大好きです……。
───────────────────────
未来。
多分ダカーポを見たのがきっかけだと思う。
エロとか、色々やらせて、ホント申し訳ない……。
- 518 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:32:36 ID:KcEQsOS3
- 遊星祭りマジ乙です!
最高っす!
双子ちゃんが可愛すぎ!
- 519 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/12(火) 22:33:03 ID:7DzBKOEv
- 何故だろう……とりあえず、>>511は無視してください。
とりあえず、これにて終了。
今回、頑張った。
7月1日に思いついて、12日で4作品……。記録的な速さだね。
第二弾の712に登場して、二年と半年。
これからも、精進しますんでよろしくお願いします。
あと、712という数字がかなり気に入ってるので、7月12日は遊星記念日。勝手に決めた。
- 520 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 22:56:13 ID:Id9Bzf71
- 遊星さんGJッス
- 521 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/12(火) 22:57:59 ID:N4qWR9cw
- 本当に・・・皆さんGJです・・・。
素晴らしすぎて書く気が失せました('A´)
- 522 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/12(火) 23:46:55 ID:vYavXvYc
- 翌日もお見舞いに行った。
夕子『お兄ちゃんなんで昨日出てっちゃったの?』
俺「ちょっと腹が痛くなってな…ハハハ…」
夕子『そうなんだ…アハハ…』
俺「…」
夕子『…』
二人しかいない病室はすごく静かだった…
夕子『お兄ちゃん…』
俺「ん?」
夕子『夕子…怖いよ…』
俺「え?」
夕子『夕子まだ死にたくないよ…死ぬの怖いよ…』
夕子の目から涙がこぼれ落ちた…俺は…どうしたらいいのか…わからなくて…優しく抱きしめて「大丈夫、大丈夫」と言うしか出来なかった…
それから俺は毎日病院に行った。学校も昼休みになるたび夕子に電話した。夕子は明るさを取り戻し日に日に元気になっていった。先生も「もしかしたらそのうち治るんじゃないか?」と驚いていた。
俺は毎日病院に通った。クリスマスも正月も夕子の病室で過ごした…
- 523 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:05:02 ID:vYavXvYc
- ある日いつものように病院に着くとロビーに巨大な笹が飾ってあった。(あぁ…今日は七夕か…)
病室に入りしばらく話してると夕子が銀色の細長い紙を渡してきた…
夕子『お兄ちゃんも願い事書いたら?』
俺「そうだな、なんか書くか。」
夕子『何て書くの?』
俺「やっぱ夕子が元気になりますように…かな。夕子は?」
夕子『ないしょ♪ってかまだ決めてない♪』
俺「じゃあ夕子も早く元気になれますように…だな♪」
夕子『うん♪』
翌日も病院に行った。ロビーの笹に俺の短冊を見つけた。夕子のは…無かった…
俺「夕子、早くしないと笹片付けられちゃうぞ?」
夕子『明日吊すの♪』
俺「で、願い事は?」
夕子『ひみつ♪今日は疲れてるから夕子もう寝るね…』
俺「大丈夫か?ゆっくり休めよ。じゃあまた明日な。」
夕子『うん…また明日ね…』
家に着くと同時に夕子からメールがきた…
[件名]いままでありがとぅ
[本文]お兄ちゃんいままで迷惑ばっかかけてゴメンね…ありがとぅ…大好きだょ…
玄関のドアを開けると母が走ってた…
母『たかし!!病院行くよ!!』
俺「いや…今帰ったばっかだけど…」
母『いいから早く!!』
- 524 :月読 紫音 ◆SION/lApfc :2005/07/13(水) 00:20:48 ID:9xCZ1E0F
- >>遊星さん
遊星祭りお疲れ様でした!
読み応えたっぷり!萌えもすげぇ!
来年も楽しみにしています! (≧∇≦)b
>>522-523
悲しい系のお話ですね…っ (´;ω;`)
- 525 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:23:32 ID:w4Vb+9AD
- 病室に入ると夕子の顔には白い布がかけられていた…俺は力無くその場にへたれ込んだ…
なんで?さっきまで元気だったじゃん…先生治るかもって言ったじゃん…
俺が呆然としてると看護婦さんがケータイと短冊を渡してくれた…
夕子は死ぬ直前まで握りしめて「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」と言ってたらしい…
金色の短冊には
『生まれ変わったらお兄ちゃんの恋人になれますように』
そう書いてあった…
涙が溢れた…
夕子が死んだこと…
夕子の最期を看てやれなかったこと…
夕子の気持ちに気付いてやれなかったこと…
全てが悲しかった…
あれから2年…夕子のケータイと短冊は遺影の横に置いてある…あの時のまま…
- 526 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 00:30:19 ID:w4Vb+9AD
- 遊星さん乙!!!!遊星さんGJ!!!!遊星さん夢と希望をありがとう!!!!
そしてこんなクソ話を支援してくださった方々…本当にありがとうございます。
七夕ということで七夕ネタを投下してみました。(;´∀`)非常に読みづらい駄文失礼しました…m(_ _)m
みなさん乙!!!!それではまたROM専に戻ります♪みなさんまた会う日まで…(*´∀`)ノシ
- 527 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/13(水) 09:25:27 ID:I11hHzG3
- 昨日はお騒がせしましたorz
遊星さん、名無しさんGJです!
名無しさんのがバラバラになっちゃったんでまとめてみました。
名無しさん投稿
>>477
>>479-480
>>510
>>522-523
>>525
- 528 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 10:38:22 ID:ayQWd2UJ
- ttp://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=5318
7月12日は遊星記念日。これはガチ。
- 529 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/07/13(水) 13:33:09 ID:w4Vb+9AD
- すばるさん…ありがとうごさいます!!(*´∀`)なんか考えついたらまた投下していいですかね?(;´∀`)
- 530 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:31:35 ID:uLjNRf14
-
「コウくん、起きて、起きてってば!」
夜中に美幸に起こされる。一体何時なのだろうか。
枕元に置いてある時計を覗き込む・・・
「なんだよ、2時じゃないか。何か用か?」
「何って、流星群だよ!一緒に見るって約束したでしょ?」
「そうだったっけ・・・わかった、今起きる。」
上体を起こすと急かすように美幸が腕を引っ張ってくる。
「慌てるなって、まだ時間にはなってないんだろ?」
「そうだけど、善は急げだよ。」
美幸さん、何か言葉の使い方間違っているような気がしますが。
ここは取り敢えず言われたとおりに急ぐことにする。
「それにしても、こんな都会で満足に流れ星なんか見れるのか?」
美幸を従えベランダに出て空を見るが・・・
さすが都会、ほとんど明るい等級の星しか見えない。
「・・・見えると良いなぁ。」
空を仰ぎながら美幸が呟く。
だが、予定時刻まで暫く時間が有るので見える気配は無い。
視線を空から戻し、周りに視線を巡らす。
海と山とに挟まれた港街
我が家はその山裾にある。
おかげで街の様子を一望できた。
近くに人の気配は無い。
ただ、遠くのネオンの光だけが街が生きていることを語っていた。
- 531 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:33:17 ID:uLjNRf14
- 「何見てるの?」
不意に隣から声が聞こえてきた。
「この街の光は全部人間が作った物なんだなと思ってさ。」
「人間って凄いよね。何でも出来ちゃうんだよ。」
「その反面、これだけ多くの自然を破壊してるんだ。」
「あ、それって嫌かも。」
「人間も元は自然で暮らしてたからな。100万ドルの夜景とか言うけど、
元々あった自然の方がそれ以上価値があると思う。」
「コウくん、なんか学者さんみたいな事言ってるよ。」
「そうか?それにしても、少し冷えるな。ユキは大丈夫か?」
「私もちょっと寒いかも、くっついて良い?」
夏とはいえ、夜になるとさすがに冷えてくる。
晴れていると放射冷却で尚更のこと
半袖というラフな格好なので余計だ。
ん・・・ちょっと待て、『くっついても良い?』??
「ちょ、ちょっと待った!」
「・・・・駄目?」
ぅ、そんな懇願するような上目遣いで・・・
「し、仕方が無いな。ほら、こっち来いよ。」
でも、実は凄く嬉しかったり。
調子に乗って美幸の肩に腕を回す。
- 532 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:34:20 ID:uLjNRf14
- 「・・・ありがとう。」
恥ずかしそうに俯きながら言う仕草が可愛い。
何だか俺も恥ずかしくなって、誤魔化すように空を見る。
「そろそろだな、見えると良いけど・・・」
続いて美幸も空を見る。
だけど、まだ見えない。
「コウくんとこうして居られるなら、見えなくても良いかな♪」
「な、何言ってんだよ。」
「本当だよ、コウくんと一緒にいられるのが一番の幸せだもん。」
「よく平気でそんな事言えるよ・・・」
「だって、本当なんだもん。」
「ま、俺もユキを独りにさせるつもりはないからな。」
そんな話をしていると唐突に流れ星第一号が流れた。
「あ、流れた!コウくんも見た?」
「見たぞ、小さかったけどな。」
「綺麗だね・・・」
次の瞬間二個目が。
「あ、また流れたな。」
「え、嘘!?あぅぅ、見れなかったよぉ。」
「今のは大きくて綺麗だったなぁ。」
「コウくん、わざと言ってるでしょ?」
「そんな事はないぞ、正直な感想だ。」
「ぅー。次は絶対見るぞーっ!」
「ああ、頑張れ。」
- 533 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:35:22 ID:uLjNRf14
- その後、30分ほど二人で眺めていた。
すると満足したのか、はたまた眠さに耐えかねたのか
「もう寝るね、お休み。」と一言残し、自室に戻っていった。
「俺もいい加減寝るか・・・。」
ベランダの戸締まりを確認し、自分も自室へ向かう。
部屋のドアを開け、いざ快眠へ!・・・・と思いきや
何故か美幸がベッドの上に座っていた。
「・・・何で俺の部屋にユキが居るんだ?」
「えへへ、一緒に寝ようと思って、駄目かな?」
「駄目に決まってるだろ!子供じゃあるまいし。」
「子供かどうかなんて関係ないよ。仲の良い二人が一緒に寝るのは当然のことだよ。」
「とは言ってもだなぁ、俺も男な訳で、お前に何するかわからんぞ?」
「コウくんだったら何されても良いもん。」
「お前、無防備すぎ・・・。」
「それに、コウくんは何があっても変な事しないでしょ?」
「いや、そうかもしれないけどな、遠慮ってもんを知れ。」
「良いじゃん、減るものじゃないんだから、ね?」
そう言って腕に絡み付いてくる。
俺が甘えに弱いことを良いことに・・・・
「あぁ、もう。分かった、勝手にしろ!」
「やったぁ!それじゃあ、お邪魔しま〜す♪」
まだまだ夜は長そうだ・・・・。
- 534 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/13(水) 19:37:08 ID:uLjNRf14
- あー、遂に変な物を投下しちゃいました、ごめんなさい('A`)
先日、ディープインパクト計画があったので、彗星関連で書きました。
そろそろ新妹を登場させるべきでしょうか・・・。
- 535 :474の続き :2005/07/13(水) 22:41:56 ID:bZBoKDGV
- 「ど、どこから現れるんだお前は!?」
「ごめん、下から着信音が聞こえたからつい」
「屋上の更に上なんかで何してるんだか・・・」
「こっちの方が風が気持ちいいから、お兄ちゃんもおいでよ」
差し出された白い手を取りはしごを昇ると一面に広がる青い空。
涼しい風が頬を撫でて行く。
「なるほど、これは確かに気持ちいいな」
「うん、ここが一番空気が澄んでるよ」
「いつも昼はここにいるのか?」
「いつもじゃないよ、独りで静かにしてたい時にね」
「ふ〜ん・・・あ、そうだ、どら焼き食べるか」
片手に提げていた小さなビニール袋から食後のデザートを取り出し二つに割る。
しかし、我ながら不恰好に割ったもんだ。
大きさの明らかに異なる二つを二人して見比べてしまう。
「ありゃ・・・ま、いいや、ほら食べな」
「・・・お兄ちゃん、変わってないね」
「ん、何が」
「半分にした物は絶対に大きい方をボクにくれるよ」
「そんなの当たり前だろ」
「ちっちゃな時からそうだったよね、覚えてる?子供の頃の事」
「子供の頃か・・・確かにおやつはよく二人で分けてたっけな」
「あの頃はいつも一緒だったよね、楽しかったな・・・」
「俺が思い返すに楽しいだけじゃなかったなぁ、自転車の件とか」
- 536 :260 :2005/07/13(水) 23:00:19 ID:bZBoKDGV
- 遊星神、乙です。
これだけ沢山の妹を書いてきた事に、また書き続けている事に本気で尊敬しますよ。
これからも期待しております。
>名無しさん
ええい、ちくしょう!!目が霞む!!
GJです!
>二姉持ちの弟さん
七夕なんてすっかり忘れてましたorz
妹と流星群とはいいですなぁ、GJ!!
そのうち書きたいな・・・やっぱ無理かな
一つ書くのに二ヶ月程掛かるからなぁ・・・
- 537 :260 :2005/07/13(水) 23:01:26 ID:bZBoKDGV
- すんません、sageを忘れてました。
- 538 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 01:20:19 ID:DYdkrKZc
- >>名無しさん
ラストが…悲しくて…
泣けてくるっス……っ! 。・゚・(ノД`)・゚・。
>>二姉持ちの弟
良いですねぇ!流星群!
コウくんが羨ましいっス…!
>>260さん
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
二ヶ月も待ちきれないっスよ〜!
- 539 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 01:23:39 ID:DYdkrKZc
- すみませんっ!
538で二姉持ちの弟さんに「さん」を付け忘れてしまいました……
本当にすみませんでした…… m( __ __ ;m
- 540 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/14(木) 12:28:37 ID:ovnTMS21
- >>雨音は紫音の調べさん
え、あぁ。気にしなくて良いですよ、気にしないタチですし、気付きませんでしたから(汗
それにしても、平日の休みって言うのは暇ですね。
暇つぶしついでに今度は姉に言われたいセリフの方を書いてみようかな、とか考えてます。
- 541 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/14(木) 21:17:12 ID:Ke4vYw1X
- 遊星ネ申とか言われると、某ヒーロー番組を思い出すのは俺だけか……。
>名無し様
お疲れ様です。
あの……お邪魔して申し訳ありませんでした……。
>二姉持ちの弟様
GJっス。
なるほど、流星群ですか……。
姉スレの方も頑張ってください。
>260様
流石ですよ。
続き、期待してます!!
- 542 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/14(木) 21:24:37 ID:DYdkrKZc
- >>二姉持ちの弟さん
呼び捨てになってしまいすみませんでした…… m( __ __ ;m
姉SSの方も楽しみにしています!頑張ってください! ヽ(>▽<)ノ
- 543 :二酸化マシンガン処分品 :2005/07/15(金) 09:47:32 ID:pV5ds4JS
- >>弟さん
もしや!葵姉のやつはあなたですか!!
- 544 :二姉持ちの弟 ◆NzGZTaJDAM :2005/07/15(金) 15:45:55 ID:h5SMfh5b
- いえ、あれは別の神職人様の作品です。
・・・うちの姉どもを見てたら萌える姉SS書ける自信が無くなってきました('A`;)
- 545 :260 :2005/07/15(金) 20:28:09 ID:x6mq9Au1
- 当時の痛みを思い出すとついつい身震いしてしまう。
そんな俺を見て巴は昔を懐かしむ様に目を細めてクスリと笑う。
「自転車の練習、ボクが転ぶ度にお兄ちゃんが庇ってくれた・・・」
「まぁ、絶対に痛い想いはさせない約束だったからな」
「何度も何度も転んで、それでも嫌な顔一つせずに最後まで付き合ってくれた」
「補助輪無しの練習しようって言い出したのは俺だったからな」
無傷の巴と体中生傷だらけの俺というのは子供の頃は珍しい事じゃなかった。
他にも逆上がりの練習、スケートの練習と転んだ時の下敷きになった回数は
数え上げたらキリがない。
「練習してる時はいいんだけど風呂に入る時がキツかったな、あれは」
「でも、ボクは楽しかった」
「ああいうのも楽しかったか、そりゃいい思い出だな」
「うん、ボクの・・・ボクとお兄ちゃんの大切な思い出・・・お兄ちゃん、ありがとう」
「ん?どうした急に」
微笑みながら、それでも真剣な眼差しで巴は真っ直ぐに俺を見つめてくる。
「お兄ちゃんはいつでもボクの事を守ってくれたよね、ホントに・・・嬉しかったよ」
「よしてくれよ、そんな風に改めて言われるとなんか照れるだろ」
「・・・ふふっ」
「・・・変な笑い方」
まじまじと見つめて来たかと思うと急に巴は悪戯っぽく笑みをこぼす。
そんな人懐っこい笑顔も眩しい妹に妙な具合に照れてしまう。
・・・なんか悔しいが反則的に綺麗だよな、実際。
- 546 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2005/07/16(土) 20:20:36 ID:o2dxmPmt
- >>545
お、続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
260様の書く兄妹、俺は好きですよ。
- 547 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/17(日) 01:25:57 ID:AZCToZ0K
- 妹はとてもよく笑う娘だった…
小さくてか細くではあるがよく笑う娘だった…
あの事件が起こるまでは…
○月○日俺は妹の中学の入学式の日
妹は少し落ち着かず俺に
「お、お兄ちゃん…わ、私にもお友達できるかなぁ」
俺は当時中三だった友人は多い方だった
勉強は…ダメだったが空手で中学生では有名だった
…最初はいつもいじめられていた妹を助ける為だけに頑張ってきた
「大丈夫だよ!美咲は俺の自慢の妹なんだから!」
「うん、うん!」
「あとなにかあったら俺が助けてやるから」
きゅっ
美咲は俺の手を握った
「ありがとう…お兄ちゃん…学校までこうしていていい?」
「…あぁいいよ」
4年半ごしの妹の学校生活がいいモノになることを心のそこから願いながら
見慣れた通学路を歩いた
(;´Д`)=3お久しぶりです忘れてるはずですが
よろしければご観覧ください
- 548 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :2005/07/18(月) 12:37:11 ID:zKH+oFbu
- GJ!!
続きが気になるーっスー!! モエェ(*´Д`*)ェエ工
- 549 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/18(月) 14:30:12 ID:YInOjRu+
- そして入学式が始まった
「お!あいつ緊張してんなw動き固いし、今にも泣きそうだw」
「新入生着席!」
・
・
・
そして式が終わり上級生の俺らはもう帰りだ
新入生は校内見学とLHRがある
「お〜い!将!帰ろうぜ!」
「え?あっと俺は用事あるからさき帰っていいよ」
「はは〜ん…お前美咲ちゃん心配してんだろ!このシスコンがw」
「うるせ〜!…ただ、俺は…」
「まぁ、わからんでもないがな、美咲ちゃん弱弱しいかんな〜」
「でも美咲ちゃんのいいとこわかってくれるヤツいるさ、あんま心配すんな」
「あぁ…そうだよな帰るか直(大丈夫だよな美咲)」
そうこの男直春は唯一美咲と仲良くしてくれている俺の親友だ
軟派野郎だが根はいいやつ
「帰りにミスドいこうぜ!今日はなんていうか甘いもんくいてぇし」
「いいね!いこう」
・
・
- 550 :二酸化マシンガン自動式 :2005/07/18(月) 14:31:14 ID:YInOjRu+
- 「う〜ん美咲のヤツおそいな〜」
「ちょっと学校いってみよう…べ、別に美咲が心配なわけじゃ…」
心配だった
「はぁはぁ、あそこにいるのは…おい!美咲!」
「あ、お兄ちゃん」
「なにしたんだよ〜心配したぞ」
「ごめん…なさい…うぐっ」
「おい!別になかんでも!」
「お兄ちゃん…またお友達できなかったよ…みんなは楽しそうなのに
私また一人だった…う、う、ひっぐ、うわ〜〜〜ん!」
「大丈夫だよ!まだ初日だろ!もう」
(まだ初日…確かにそうだ…でも心配だった…)
はい、すいません駄文書きました
一応続きです
- 551 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/07/18(月) 16:10:59 ID:/1drsvCO
- >>260氏の文章力は相変わらず素晴らし杉ますね
GJッす!
>>二酸化マシンガン自動式さん
GJです!今度は自動式ですかww
- 552 :260 :2005/07/18(月) 23:21:54 ID:el+XxdAF
- 「うふふっ、ごめんね。お兄ちゃんのそういう所、ホントに昔のままだから」
「そういう所って何が?」
「・・・照れ隠し」
人差し指をピンと立てて秘密をそっと明かす様に囁く巴。
「あははっ・・・まいったなぁ、しっかりバレてるか」
「もちろん、ボクはお兄ちゃんの事ずっと見てきたんだから」
見惚れていた事には気付かれなかった様でなによりだな。
心の中で漏れる安堵の溜息を知らずに微笑む巴を前に
さらに誤魔化すべく俺は盛大に欠伸をかます。
「ふぁ〜あ・・・それにしても、今日はポカポカだな」
「眠たくなった?」
「ああ、枕でもありゃなぁ」
「・・・枕ならあるよ、良かったら貸してあげよっか?」
「そりゃありがたい、是非」
少し考えるそぶりを見せたのが気に掛かるが折角の申し出を断る理由もない。
「けど、枕なんてどこに?」
「・・・ここ・・・」
頬を紅く染めてちょこんと自分の膝を指差す。
一瞬、思考が止まる俺。
膝?・・・つまり、膝枕?
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