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[第六弾]妹に言われたいセリフ

223 :名無しくん、、、好きです。。。 :2006/03/10(金) 16:04:02 ID:lX3bjVwb
 光に気づいた。
 無くしてから大切だと気づいた。

 手を伸ばせば何にでも届きそうな、狭い部屋。
 ただでさえ狭いというのに、そこには勉強机が二つ置かれている。
 片方は教科書類が乱雑に広げられていて、もう片方は可愛らしく装飾されたものだ。
 そんな手狭な部屋を改めて眺めていると、不意に部屋の戸が開け放たれた。
「も〜、また寝転がってる」
 そこには、不機嫌そうにこちらを睨んでいる妹、ヒカリがいた。
 今年で中三になるはずなのだが、その低い身長や幼げな顔つきのせいか、実年齢よりも一回り幼く見える。
「……何ジロジロ見てるのよ」
「いや、別に」
 あからさまに怪訝な顔をしながら、俺から視線を外しある一点を見つめた。そこは机の上、教科書が山のように積み重なっている。
 触れれば崩れ落ちそうなそれを、上から丁寧に片付けていく。
「少しは整理したらどうなの?」
「今やろうと思ってたんだよ。余計なことを」
「どうだか……って余計なことって何よ!」
 返しては返される。いつもと同じやりとり。
 そんな他愛もないやりとりが、何故か嬉しかった。
「まったく、私がいなくなったら埋もれちゃうんじゃない? この部屋」
 ヒカリはそう言いつつもテキパキと片付けていく。
 その反対側、彼女の机周りは綺麗に整理整頓されていた。
 大半の荷物はダンボールに詰められていて、後は手で持ち運べるような物しか残されていない。

 そう、もうすぐで彼女はこの部屋から、この家から出て行くのだ。

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0ch BBS 2004-10-30