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[第五弾]妹に言われたいセリフ

748 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/19(水) 22:10:16 ID:IbZS0PQq
次スレ立ったし、SS貼るのも微妙だし、
せっかくだから、各々のお気に入りSSでも語るってのはどうですか、お客さん?

749 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:01:46 ID:z+xtPEDv
俺が、家に着いたのは六時半。
もう辺りは、暗くなっていた。
「ただいま」
俺が玄関のドアを開けると、母さんが奥からパタパタとやってきた。
「啓太郎、おかえり〜」
丁度今頃は夕飯の支度で忙しいはずの母さんが、わざわざ出てくるなんて……。
少し違和感を感じた俺は、一応聞いてみることにする。
「何かあったの?」
「あぁ、別に大したことじゃないんだけどー。杏ちゃんがね、ついさっき帰ってきたんだけど、元気ないのよ」
「いつもでしょ?」
「そう?ちょっと大人しいけど、そこまでじゃないと思うけど」
母さんの前だと元気ですと?
ってことは、別に人見知りしてるワケじゃないんだね……。
つまり、嫌われてるのか……俺だけ……?
いやいや、俺と母さんの感じ方の違いだと思いたいな。
「……まぁいいや。元気ないって何が?」
「おやつも食べないし、部屋から出てこないの」
「ふーん……」
「何か心当たりない?」
「……分かんない」
杏には、何しても問題になりそうな感じだけど……。
「そう……。何か大事じゃないといいけど……」
「だね。何かまたおかしな事あったら教えて」
「そうね。行く?」
「どこへ?」
「杏ちゃんのトコ」
「ううん。杏ちゃん、俺には何も話してくれないから、やめとくよ」
「ふぅん」
そう言う母さんだが……微妙に笑顔。

750 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:02:39 ID:z+xtPEDv
「何で笑ってんの?」
「いやー、私、好きよ、そういうの」
「どういうの?」
「私が言うより、自分で気付いた方が何倍も嬉しいわよ?」
「あっそ」
気にはなるが……ここまで言われると、絶対に教えてくれる気はないだろう。
母さんの脇を通り抜け、俺は自分の部屋へと向かう。
「あ、そうそう。もうすぐご飯だから、来るときに、杏ちゃん呼んできてね」
「ん、分かった」
───────────────────────
結局、夕飯のときも話をすることはなく、母さんと杏、ふたりで静かに会話をしているのみだった。
一時は進展したかと思われた俺と杏との仲だが……
一気に、出会ったとき、いや、もしくはそれ以上に後退していたようだ。
やっぱり、杏の考えてることは、よく分からない。
コレは、良い気分ではないが……そのうち突然元に戻るだろうと、若干楽観的になっていた。
その日は、何もなく、夕食後ダラダラして、風呂に入って寝たわけだが……。
「ん……」
時刻は二時。突然目が覚めた。
「ストレスってヤツかな」
そのまま目を閉じる。が、ちっとも眠くない。
とりあえず気分を変えようと思い、水でも飲もうと部屋を後にした。
階段を目指し、廊下を静かに歩いていると、一つの部屋の前で奇妙な音を耳にする。
「ここって……」
俺の部屋の隣の少し小さな部屋。杏の部屋だ。
断続的に聞こえてくる奇妙な音。
考えなくても分かる、これは杏の声……。
「杏ちゃん……?」
ゆっくり杏の部屋のドアを押し、真っ暗の部屋の中を手探りで進む。
その間も杏ちゃんの呼吸は、荒く続いている。
「杏ちゃん……?」

751 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:03:24 ID:z+xtPEDv
暗がりの中、もう一度呼びかける。
「けいたろ……さん……」
荒い呼吸の中に、杏の俺を呼ぶ声が確かに聞こえた。
「電気、つけるね」
そういいながら、電気のスイッチを探し、つける。
蛍光灯が何度か瞬いて、杏の顔が次第に見えてくる。
……苦しそうな杏の顔。
「だ、大丈夫なのか!?」
やっと、事の重大さを認識した。
「だ、だいじょうぶ……だよ……?だから……」
苦しそうな顔を無理矢理笑わせて、俺に向ける杏。
「何言ってんだよ、その顔で、大丈夫なワケないだろ!!」
その杏の顔が、あまりに健気で、可哀想で、思わず声を荒げてしまう。
杏は、布団を鼻の辺りまで被りながら、脅えた目を見せる。
「あ……ゴメン」
謝りながら、杏の額に手を置く。
熱い。かなり。
「すごい熱だ」
「私は、だいじょうぶだから……」
「いーや、大丈夫じゃないね。待ってて。色々持ってくるから」
「いいの……メイワク……かけちゃダメだって……」
「いいから。こういうときだけ良く喋るな、お前」
あ……。
何か、すげぇ馴れ馴れしいっつーか、すげぇ砕けた言葉を使ってしまった。
予想通り、脅えた目リターンズ。
「あ……ゴメン。でも、ホントに迷惑なんかじゃないから」
杏の髪を優しく撫で、俺は部屋を出て行く。
「……ありがと」
杏がそう呟いて、微笑んだのを……残念ながら、俺は見ていなかった。
───────────────────────

752 :712 ◆isG/JvRidQ :2005/10/21(金) 22:05:03 ID:z+xtPEDv
無視されちゃったんで、中途半端になるの覚悟で貼っちゃいました。
まぁ、次スレに続く、ってことで。

このスレでは世話になりました。また次スレでもよろしくお願いします、っと

753 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2005/10/22(土) 20:09:32 ID:0O9cwvdc
来るのが遅かった orz

>>遊星さん
無視した訳じゃないんです orz
なんかキャラが初々しくていいですな(´∀`)GJです


俺もお世話になりました〜
神出鬼没の幽霊コテですが次スレでもよろしくお願いしますね、っと

754 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/10/28(金) 22:36:03 ID:srnz0BmZ
浮上

755 : ◆zijNnv0Y/k :2005/10/30(日) 14:44:28 ID:6fPXjCe3
sage

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0ch BBS 2004-10-30