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[第五弾]妹に言われたいセリフ

24 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 18:51:04 ID:ozX7WEe1
周りを見回す。
おし。唯奈良し。千奈良し。
「さぁ、行くか」
俺は自転車の鍵を開け、それに跨った。
しかし……俺は、甘かったようだ。
「あっ!!お兄ちゃん、どこに行くの?」
「よ、よぅ!!唯奈!!何か用か!?」
「コソコソしちゃって、どこに行くのかなーって思って」
「べ、別に!!言うほどのところじゃないッス!!」
「怪しい……」
完璧に疑いを持った目で、俺を見る唯奈。
「そうだ!!千奈はどうした!?」
何とか誤魔化そうと必死で別の話題を振る。
「千奈ちゃん?千奈ちゃんなら、散歩に行ったけど?」
「そうか。んじゃ、俺は……」
逃げ出そうとペダルを踏み出した俺は……唯奈にガシッと首を掴まれた。
「何で唯奈から逃げようとするかなぁ?」
「う……今日は厳しいな……」
「だって、ヒマなんだもん」
「いや、俺は用事あるからさ……」
ヤバいなぁ……急がなきゃならないのに……。
「つーことで……離脱っ!!」
俺は唯奈の手を振り払い、全力でペダルを踏む。
「あっ!!待ってよー!!」
「悪い!!理由は後で話すから!!」
「もー!!お兄ちゃんのバカ!!」
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25 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 18:52:07 ID:ozX7WEe1
「もうっ!!千奈ちゃん、聞いてよー!!」
何かに怒りながら、リビングに唯奈が入ってくる。
「何かな?」
千奈は、またか。といった感じで答えた。
「お兄ちゃんって、ヒドいんだよー!!」
「お兄さんが?」
「うん!!朝、コソコソしてたから、何処に行くの?って聞いたら逃げちゃったんだよー!?」
唯奈はソファーの上のクッションをポカスカ殴りながら、言った。
「私は、お兄さんって……そんなことする人じゃないと思うんだけどなぁ……」
「うん……唯奈だって……そう思うけど……」
「ふふっ」
ちょっと微笑んで、千奈は優しく唯奈を抱きしめる。
「心配しなくてもいいんだよ。お兄さんには絶対、理由があるに決まってるから」
「千奈ちゃん……」
「今は、お兄さんを待とうよ?きっと教えてくれるよ」
「うん……」
安心したのか、ゆっくり目を閉じる唯奈。千奈は、あやすように唯奈の肩をポンポンと優しく叩く。
「あの……と言うよりも……多分、お兄さんは……」
「お兄ちゃんは……?」
「えっと……やっぱり言わないほうがいいかな……」
「えっー!?教えてよー!!」
「でも、やっぱり、お兄さんから直接聞いたほうが……」
「そんなぁー!!気になるよぉー!!」
「大丈夫だよ。もうすぐ帰ってくるから」
と噂をすれば……
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26 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 18:53:35 ID:ozX7WEe1
「ただいま」
俺は玄関のドアを開け、中に入る。
「お兄ちゃーーーん!!!!」
すかさず唯奈が飛び出してきた。
「うぉ!?唯奈っ!?」
「早く早く早く早く!!教えてよー!!」
「いきなりだな……」
「気になってるんだよー!!!だから、早く教えてー!!」
「分かった分かった……えと、千奈は?」
「リビングにいるよー!!」
「じゃ、リビング行こう」
「うん!!」
という訳で、唯奈とリビングへ。
「お帰りなさい、お兄さん」
「ああ、ただいま。千奈」
「お兄ちゃん!!約束だよ!!早く、早くっ!!」
「あ、あぁ……えっと……」
俺は紙袋から二つ小箱を取り出し、机の上に並べた。
唯奈は期待でうずうず。千奈は嬉しそうにポーっとしている。
「えっと……確か、コッチが唯奈で……コレが千奈だな。はい」
「お兄さん、ありがとうございます」
「え……何、何?何で?」
一人状況が飲み込めていない唯奈。
そんな唯奈に千奈が囁いた。
「唯奈ちゃん……今日はホワイトデーだよ?」
「ホワイトデー……?あーーーーー!!」
「やっと思い出したのか……はい、唯奈」
唯奈にプレゼントを手渡す。唯奈は鳩が豆大福を食らったような顔をして、
「あ、ありがとう!!お兄ちゃん!!それで……ゴメンなさい。唯奈、全然知らなくて……」
「いいよいいよ。俺も逃げちゃって、結構酷いことしたし」

27 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 18:54:40 ID:ozX7WEe1
「ふふっ、これで一件落着ですね?」
「あー、まぁね。ホント、千奈には迷惑かけるなぁ……」
「いえいえ……二人が仲直り出来て、私も嬉しいです」
別に喧嘩してた訳じゃないけど……ま、いいか。
「ねぇねぇ!!千奈ちゃん、コレ!!開けてみようよ」
「そうですね。お兄さん、私たちのためにお友達に聞いていたみたいですし。楽しみですね」
「い゙っ!?千奈、ソレ、誰から聞いた?」
「ふふっ。お兄さんと仲の良い人に聞いたんですよ」
「仲の良い人って……誰だ?」
「あー!!お兄ちゃん、その人に嫉妬してるー!?」
「ばっ、バカ!!唯奈!!何言ってんだよ!?」
「さっき、目が笑ってなかったもん!!ジェラシーだー!!」
「だから違うって言ってんだろ!!」
「お兄さんが……ジェラシー……えっと……えっと……私……」
「誤解だって、千奈!!顔を赤くするな!!」
「おー。千奈ちゃん、可愛いー♪」
「えっと……私は……」

三月十四日。俺の人生初のホワイトデー。何だか、今日は二人とも勢いが凄い……。
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ヤバい……連投規制がマジで響いてる……。
しばらくしたら、俺も旅に出なけりゃならないし……
未来の台本、貼れないかもなぁ……。

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0ch BBS 2004-10-30