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[第五弾]妹に言われたいセリフ
- 16 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:35:01 ID:ozX7WEe1
- 休みはいいねぇ……。
俺は休日の有難みを噛み締めながら、ベッドに寝転びながらダラダラと雑誌を読んでいた。
すると……
「おにぃちゃーーーーーん!!」
妹、パジャマ姿……ま、沙耶のパジャマは俺のYシャツだが……の沙耶が俺のベッドに突然飛び込んでくる。
「ぐはっ!!」
降ってきた沙耶をまともに腹に食らってしまった。
「朝だよー!!起きてよー!!」
俺の腹に抱きついて脚をバタバタさせる沙耶。
「沙耶……どいてくれ……重いよ」
俺から降りて、ベッドのそばに立つ沙耶。
そして、腕をパタパタ振りながら、
「あ、うん!!それよりね、それよりね!!」
「何?」
「今日はホワイトデーなんだよ!!知ってるー!?」
ホワイトデー……!?
ヤバっ……すっかり忘れてた……。
「いや、知らないな。ホワイトデーって何?」
「はわっ?おにぃちゃん、知らないのー?」
「うん。教えてくれ」
「えっとねぇ、男の人が女の人にバレンタインデーのお返しをあげる日なんだよー!!」
「へぇ……そんなの、俺の故郷には無かったぞ?」
「ふるさと……?」
「ああ、アメリカじゃそんな日なんてなかった」
「はわわっ!?おにぃちゃん、あめりか人だったのっ!?」
「知らなかった?」
「知らなかったよー!!じゃあ、サヤもあめりか人なのっ!?」
- 17 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:36:01 ID:ozX7WEe1
- 「オフコース」
「はわわっ!?サヤ、英語分からないよっ!?」
「とまぁ、冗談はコレぐらいにして……ホワイトデー、何も用意してないなぁ……」
「うん。だって、あめりかにはホワイトデーは無いんだよね?しょうがないよー」
会話が噛み合ってない……。
沙耶は何を冗談だと思ったのだろうか……。
「……いや、だからソレはウソで……」
「ウソ……?じゃあ、おにぃちゃんとサヤはあめりか人じゃないの?」
「そりゃそうだろ」
「あー!!良かったー!!サヤね、英語全然分からないからどうしようかと思っちゃったよー!!」
「ほぅ。ま、そりゃよかったな。朝飯食うぞ、朝飯」
「うん!!」
作戦成功。
ホワイトデーのことを忘れてくれたようです。……ま、どこまで持つかが問題だけどね。
───────────────────────
「どうすっかなぁ……」
とぼとぼ歩きながら呟く。
沙耶へのプレゼント、コレだ!!ってモンがないんだよな……。
「あーあ……」「あーあ……」
ドン。
誰かに正面衝突する。
「あっ、すいません……」
「すいません!!すいません!!」
俺とぶつかった女の子が、何度も頭を下げて俺に謝る。
あれ……この娘は……。
- 18 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:37:01 ID:ozX7WEe1
- 「ひょっとして……千奈ちゃん……?」
「えっ……み、三上さんっ?」
「こんにちは。千奈ちゃん」
「は、はい!!こんにちは……あ、あのっ!!すいませんでした!!私、ボーっとしてて!!」
「いいよいいよ。俺もちゃんと前見てなかったし……で、今日は真司は?一緒じゃないの?」
「えっと……今日は……」
「そうか。千奈ちゃんは一人で何してるの、こんなところで?」
「えっと……お散歩です」
「ま、考え事するのに一人は丁度いいしね」
「えっ……?」
「いや、何か悩んでます。って顔だったからさ。俺でよかったら話に乗るよ?」
千奈ちゃんはしばらく俯いて、迷っていたようだが……
「あっ、はい。お願いします」
「うん。で、どうしたの?」
「今日はホワイトデーで……お兄さんが美味しいもの買ってきてくれるって言ってたんですけど……」
「ふむ……」
「つい忘れて、ケーキを焼いちゃったんです……」
「うん。……で?」
「えっと……それで終わりですけど」
えっと……
真司が折角何か買ってきてくれるのに、お菓子が家にあったら真司に申し訳ない……
でも、捨てるのも勿体無いし……。みたいな感じ……?
それは悩みの部類に入ってないと思うのだけど……。
「じゃあさ、そのケーキ、俺にくれないか?」
「えっ?」
「俺もホワイトデーのプレゼント探しててね。かなりの店に行ったけど、あんまり良いのが無くってさ」
「ええ、構いませんけど……いいんですか?」
「ああ。千奈ちゃんのケーキなら、沙耶も喜ぶと思うよ」
「そうですか。そう言ってもらえると嬉しいですね」
「はははっ。……そうだ、お礼をどうしようかな。何がいい?」
- 19 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:38:01 ID:ozX7WEe1
- 「い、いえ!!お礼なんて悪いですよっ!!」
「いや、そういう訳にはいかないって……どうしよう」
「じゃあ……あ……あの……三上さん……一つ欲しい物があるんですけど……」
微妙に千奈ちゃんの頬が赤い……?
何だ、この妙なノリは……
「何かな?」
「えっと……えっと……」
「ん?」
「えっと……ハンバーグ……」
「ハンバーグ?」
「えっと……前頂いたのが凄く美味しかったので……もう一度食べたいなぁと思いまして」
「ははははっ!!分かった、そのうち作って持っていくよ」
「は、はいっ!!え、えっと……ケーキは家にありますけど……」
「ああ、今から行ってもいい?」
「はい」
という訳で……俺、三上修二と友人の妹、石川千奈という微妙なコンビで石川家へ……。
───────────────────────
「ただいまー」
玄関のドアを開けると……
「わーい!!おにぃちゃんが帰ってきたぁー!!」
「ただいま、沙耶」
「ん?おにぃちゃん、何か持ってる?いい匂いがするよー」
「そうか?気のせいじゃないの?」
「ううん。おにぃちゃんの匂いとは違うの。甘い匂いがするー!!」
凄い嗅覚だな……。
「バレちゃ仕方ないな。沙耶へのプレゼントだよ、ホワイトデーのな」
「はわわっ!?サヤの!?」
「うん。ま、こんなところで開けるのもなんだから、リビングに行こうか?」
「うん!!」
- 20 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:39:03 ID:ozX7WEe1
- という訳でリビング。
「はやくっ♪はやくっ♪」
「おぅ……」
俺は千奈ちゃんから貰った箱を開ける。
沙耶はそれを一目見て……
「はわ……わわ……」
落胆した。
それもそのはず。ケーキとはいえ、千奈ちゃんの焼いたケーキはシフォンケーキ。
ま、ケーキのスポンジ部分みたいなもんだ。
それだけでも十分美味いけど……やっぱり見た目には地味だ。
「お、おにぃちゃん……えっと……う、嬉しいよ……」
笑顔を取り繕ってはいるが、悲愴なガッカリオーラがひしひし伝わってくる……。
「へぇ……沙耶、コレで嬉しいんだ?」
「え……?」
「まだ作りかけなんだよ、コレ。でも、沙耶がそんなに喜んでくれるなら、もう食べても良いけど?」
ま、作りかけってのは千奈ちゃんに失礼だが。
面倒なんで、説明は以下の回想に任せる。
『お、美味そうだね』
『でも、これだけだと地味じゃないですか?』
『俺はそうでもないけど……沙耶にしてみれば、地味かもな』
『そうですよね。ですから……コレも差し上げますよ』
『生クリームとフルーツの缶詰……?』
『はい。家でデコレーションしてみてはどうですか?そんなに時間もかかりませんし……』
『なるほどね』
『それならケーキらしくなると思いますよ』
『うん。ありがとう。千奈ちゃん』
『いえいえ。沙耶ちゃんによろしくお願いしますね』
『あぁ、唯奈ちゃんと真司にもよろしくな……あ、それと、真司のプレゼント期待してもいいと思うよ』
『えっ……?』
- 21 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/14 12:46:08 ID:xF5FMMku
- 自己支援
- 22 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:46:35 ID:ozX7WEe1
- 『真司、色々情報収集してたからさ』
『お兄さんが?』
『ああ、なんとかアイツらを喜ばせてやりたい。って……』
『お兄さん……』
『ま、真司が帰ってくる前に俺は消えるわ。じゃあね』
『はっ!!はいっ!!』
……という訳だ。
「はわわ……作りかけ?」
「ああ、生クリームと果物の缶詰があるからさ。二人で完成させよう?」
「う、うんっ!!」
「さぁ、まずは生クリームを泡立てないとな」
「はいはいはーい!!!サヤがやりまーす!!」
右手をピンと上げて、自己主張する。
「えっ?結構、大変だぞ?」
「大丈夫だよー!!」
「そうか……じゃあ、頼むわ」
「うん!!」
俺は沙耶に恐る恐るボウルと泡立て器を渡す。
カショカショカショ……。
「んしょ、んしょ……はわわっ!!」
沙耶が勢い余って、クリームを弾き飛ばす。
俺や沙耶の髪や顔にクリームがついた。
「ふふ、きゃははははははははっ♪」
「あっ……あはははははは!!」
「おにぃちゃん、クリームついてるよー?」
「沙耶だってだぞ?」
沙耶は自分の頬についているクリームを、自分で舐めた。
そして、沙耶は突然笑いだして、
「きゃははは♪ホワイトデーって楽しいねー!!」
「そうか?」
- 23 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/03/14 12:47:40 ID:ozX7WEe1
- 「うん。おにぃちゃんと一緒が一番楽しいよー!!」
そう言って、沙耶が俺に抱きついた。
「サヤ、おにぃちゃん、大好きだよー!!」
「ははっ。ありがとう、沙耶」
沙耶の頭を優しく撫でる俺。沙耶は、心地よさそうに目を閉じた。
「さ、続き続き。生クリーム、二人で混ぜよう?」
「うん!!」
ま、沙耶が喜んでくれたようでホントによかった。
そして……早いうちにハンバーグを作らないとね。
───────────────────────
容量オーバーか……ビックリした……。しかも連投規制厳しくなってるし……。
さて、ホワイトデー台本。そして、双子プッシュ計画第1.5弾。
そして、遊星より愛を込めて、復活。
いや……名前無くなったら、ホントに消えるつもりだったんだけどさ、
こんなのを最終回にするのは嫌だ!!ってことで意味もなく復活。
ホント、ウザい奴でゴメンな……クレームあったら大人しく消えるからさ。
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