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[第四弾]妹に言われたいセリフ

701 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:23:32 ID:MbsMlPVZ
ある日の夕方、
「おっかしいですねぇ……おっかしいですねぇ……」
「な、何が?」
ぶつぶつと謎の呪文を唱えつづけていた優希によって、俺の沈黙はついに破られた。
優希は――平安時代のお姫様のような――長い髪をふわりとなびかせて振り向く。
「にいさま、私のパジャマ知りませんか?」
「パジャマ?優希の?」
「はい。昨日はちゃんと着ていたんですけど……どこいっちゃったんだろぉ……」
ぎくり。
……思い当たる節があった。

702 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:24:46 ID:MbsMlPVZ
―――昨夜、
「ねぇねぇ……おにぃたん、もう寝ちゃった?」
「いいや。まだ起きてるよ」
「えへへ……真夜中なのに起きてるって、なんだかどきどきするよねっ」
例のごとく、夜モードの優希は楽しそうに笑った。昼の優希とは違った笑みだ。
またも怖くて眠れないと言って、勝手にベッドにもぐりこんで来たのだった。
「そうだなぁ……たしかに昔はドキドキしたけどな」
「あは♪おにぃたんといっしょー♪」
「でも、今は全然そんなことないぞ。小さな頃だけだろ?」
「……むーっ!おにぃたんはもう純粋な心じゃなくなっちゃいました……」
「な、なんだそりゃ」
「でもでもっ!ゆきといっしょにいれば、おにぃたんも純粋な心に戻れるのですっ♪」
「……寝る」
「あわわっ!ご、ごめんなしゃい!だからもうちょっとお話しようよぉ……」
「嫌だ。寝る」
「おにぃたん……うう……」
さすがにやり過ぎただろうか。声のトーンは落ち、今にも泣き出しそうに聞こえた。
「……仕方ない。もう少しだけだぞ?」
言いながら優希のほうへ寝返りを打つ。すると、彼女の体がわずかに震えた。
「ん。どうした?」
「……おしっこ」

703 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:26:00 ID:MbsMlPVZ
まず、ガバッ!と擬音が出そうなほど飛び上がり、優希を見た。
……シーツは汚れていない。
「ち、違うよっ!?まだしてないもん!」
「いや、まだとか言うなよ!早くトイレに行ってこい!」
「でも……おそと、真っ暗だよね……?」
「ついていってやるから!ほら、行くぞ!」
嫌がる優希の手を引っ張り、俺は部屋を飛び出した。
優希の言うとおり。廊下は真っ暗だった。しかも今は草木も眠る丑三つ時。
ああ、たしかに怖いかもしれない。
少しだけひるんだ、その間に。隣の優希はぶるるっと震えた。
…………。

704 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:27:14 ID:MbsMlPVZ
「……あー。洗ったんじゃないのか?」
「え?にいさま、洗濯機に入れたんですか!?」
「あ、ああ。思い出した。コーヒーこぼしちゃってさ」
とっさに口から出たウソに感心していると、いつのまにか優希の姿はなくなっていた。
すぐにドアが開き、優希が戻ってくる。
「あった?」
「ありました……。あれじゃ明日まで乾きません……」
「あらら。悪かったよ」
「……にいさまのばかっ!私、パジャマは一着しかないんですよ!?」
……はあ。また優希を怒らせてしまった。
こうなると一日は確実に口を利いてもらえないのだ。ちなみに前回は二日つづいた。
「もうっ……ジャージなんてあったかなぁ……」
「あの、優希?」
「な、ん、で、す、か?」
うわぁ……めちゃくちゃ怒ってる。
「ええと、俺の服貸してやるよ」
うん。自分でもびっくりした。

705 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:28:48 ID:MbsMlPVZ
「……ちょっと大きいです……」
「文句言うなよ。仕方ないだろ?」
「もとはと言えば、にいさまのせいなんですけどねぇ……」
「う。悪かったよ……」
優希は俺のお古のパジャマを着ていた。
思いっきり裾をまくっているズボンに、だぶだぶの上着。
「しかも、にいさまの匂いがします。……最悪です」
言いながら優希は服の首元を引っ張り、自らの可愛らしい鼻から下を覆った。
「おいおい、何してるんだよ」
「べっ、別になんでもないです。なんでもないですよっ?」
なんだろう。心なしか声がうわずっているように聞こえる。
それに何やら頬が赤い。隠れた口が、かすかに微笑んでいるような……。
「ん……にいさまの匂い……」
「とりあえず、機嫌直してくれるかな?」
「はい……今日は特別ですからね?」
「……肝に銘じておきます」
「はい」
優希は裾をずるずると引きずり、ドアノブに手をかけ、
「にいさま、おやすみなさいっ」
何故かとても嬉しそうな表情で、ばたんとドアを閉めた。
……やれやれ。
その日、優希は俺の部屋には来なかった。

706 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:30:03 ID:MbsMlPVZ
「あれ?優希、昨日貸した服は?」
「えっ!?あ、ああ、洗っちゃいましたよ?」
「そっか。ま、洗っといたほうがいいか」
「そ、そうですっ。……あのままじゃとても返せませんから……」
「何か言ったか?」
「なっ、なんでもないですっ」

707 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/24 23:43:31 ID:MbsMlPVZ
( ´−`) .。oO(しばらく旅に出ます。探さな(ry

708 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/24 23:48:19 ID:Xv2ABRV9
嫌〜!神様行かないで〜!!
最高級のSSを書いておきながら旅に出ることはありませんよ!
しかし疑問なのは借りたパジャマを洗った原因はお漏らしか?それとも愛えk(ry

709 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/25 04:02:58 ID:t5VC0NUG
>>708
洗ってないんじゃない?返さない為の言い訳かと

710 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/26 00:32:38 ID:35738s6a
何気におまいらも神くさい
いろんな意味で

711 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :05/02/26 00:36:38 ID:PcmdVnuw
神が…神が旅に……
戻ってきてくださ〜い!!・゜・(つД`)・゜・

兄さまのにおいであんな事やこんな事を……?!(*´Д`)ハァハァ

712 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/26 00:39:10 ID:1ZxCtb55
>>710
おまいのIDのほうが神くさい希ガス

713 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/26 00:48:08 ID:7YqZQ6IS
その夜の優希ちゃんの裏話をエロスレでキボン

714 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/26 14:53:45 ID:hFl08Qfj
>>714
俺がかわりに書いてやってもいいぞ?

715 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/26 14:59:11 ID:hFl08Qfj
まちがえた
>>713
>>714×

716 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/02/26 16:43:39 ID:FiyifdD8
SS書きにとって、自分のキャラは大切な仲間!!
(俺は全く関係ないが)誰かが代わりに書くなど、言語道断だ!!


でも、実はかなり読みたいよ……(;´Д`)

717 :710 :05/02/27 04:13:27 ID:l4kLR0Wd
>>712
35738s6a
巫女な沙耶・・・・か?
神かも。

718 :コンズ :05/02/27 04:59:41 ID:RQMGDSBc
遊星さん、海中時計さん、乙です!!
遊星さん>双子の出番をもっとください〜!!
海中時計さん>戻ってきてー!!てかホントに良かったですよ!!素直じゃない所がたまらないっ(´Д`)ハァハァ

719 :遊星より愛を込めて(変態) ◆isG/JvRidQ :05/02/27 18:30:13 ID:vX1Ndpm0
「はわわっ!?おにぃちゃん、この服、何なの!?」
「あの……巫女さんの服かな……?」
「みくさん?」
「巫女さん。えーと、大きな神社とかで働いている女の人の事かな……」
「じゃあ、何でサヤが神社の女の人の服を着てるの?」
「知らん」
「はわ……」
ちょっと落胆した顔をする沙耶。俺は沙耶の頭にポンと手を置いて、
「でも、可愛いよ、沙耶」
「可愛いのっ!?嬉しいなー!!」
そう言って両手を高く上げ、パタパタ振った。
そして、一通り喜びを表現した後……沙耶がブルッと震える。
「寒い?」
「ううん……おしっこ……」
「ああ、行ってきな」
「うん」
沙耶がトイレに行こうと、歩き出すと……
「はわわわわ……足が……はわっ!!」
裾を踏んで、沙耶が豪快に転ぶ。
「大丈夫か!?」
「うん……大丈夫……でも、トイレ……行けないよぅ……」
「しょうがないなぁ……。抱っこして連れてってやるよ」
「うん。ありがと……」
俺は沙耶を抱きかかえて、放り込むようにトイレに入れる。
「ふぅ……間に合った……」
「はわわわわわわわわわっ!!!脱げないよぅ!!漏れちゃうよぅ……おにぃちゃん……助けてよぅ」
「助けるって……どうすればっ!?」
「はわ……わわ……おにぃちゃぁん……クスン……」
「まさかっ!?沙耶!?」

(´-`).。oO(>>717巫女な沙耶……こんな感じか……?でも、38で無くて39だったら……エロスレで一本書けたな……)

720 :712 :05/02/27 19:26:55 ID:THn0lA1V
>>717
素晴らしいと思いません?巫女ですよ巫女w

>>719
乙です!!
まさか書いてしまうとは……可愛い(*´д`)ハアハア



語呂合わせでネタを探す前スレ921でしたorz

721 :1:小学生SS :05/02/28 04:32:49 ID:4QHPzMiZ
 さて、今日の授業が終わったわけです。
 未来を担う若人であるボクは、今日も今日とて倶楽部活動に励もうと思っております。
 ランドセル背負って校庭へGO。
「またねー、かなちゃーん」
「うん、またね、なおちゃん」
 たったかたったか廊下を走っちゃいます。
 ボクの学校はただいま併合移転の真っ最中。 校庭は校庭でも中学校の校庭を使います。
 そんな訳で、移動に無駄な時間を掛けてられないのです。
 中庭。
 2メートルのフェンスも幅跳びで鍛えたボクの前には無意味。
 ほいほいほいっと登っちゃいます。
 てっぺんまで来て折り返そうとしてたら・・・中学校側に人がいた。
「キミ・・・・パンツ見えてるよ?」
「・・・・えへへ」
 一瞬ドキッっとしたけど、女の人みたい。
「降りれるの?」
「うん」
 ぴょんと一っ跳び。
「中々体力あるね。 アクティブな性格だし・・・・なんでスカートなの?」
「えへへ・・。 お兄ちゃんが女の子らしくしろって言うからです」


722 :2:勧誘SS :05/02/28 04:33:59 ID:4QHPzMiZ
「ふ〜ん・・・。 キミ、何年生?」
「えと、6年生です」
「そっか、来年中学か・・・・ね、羽球――バドミントン興味ない?」
「あ・・・・えと、ごめんなさい。 ボク・・・じゃない、わたし幅跳びやってるんです」
「む・・そっか、残念。 いい戦力になりそうだったんだけどなぁ」
 ごめんね、お姉さん。
 ボク、幅跳びがスキなの。
「んじゃ、引き止めて悪かったね。 気が向いたらオレんとこ来て見て。
 コートなら大体開いてるから、息抜きにでもやりに来るといいよ」
「あ、はい、有り難うございます」
「じゃね〜」
 体育館の方に駆けて行く。
 今の人・・・・自分のこと、オレって・・・言ってたな・・。
 あ、いけない、練習遅れちゃう。
 グランドの角、砂場の方に行こうとすると――。
「なお〜」
 道路の方からボクを呼ぶ声。 この声は――。
「なおくんっ」
「よ、なお。 今から練習か?」
「うんっ。 ねね、なおくんはどうしたの? 学校終わったの?」
「ああ、試験中だから早めに終わったんだ」
「そ〜なんだ〜」
 この人がボクのお兄ちゃん、尚登。
 車で20分くらいのところに通ってる高校二年生なんだよ。
 背はボクよりずっと高くてサッカー部。 勉強は・・・・まぁ普通くらい、かな?
 それで・・・ボクの大好きなお兄ちゃんなんだ♪


723 :3:地獄極楽SS :05/02/28 04:35:12 ID:4QHPzMiZ
「一緒に帰ろうかと思ったけど、無理か」
「ん〜・・・そうだね〜」
「何そんなにへこんでんだよ」
「だってぇ・・・折角一緒に帰れたかも知れなかったのにぃ・・」
 なおくんと一緒に学校通えたのは、ボクが一年生でなおくんが六年生だった一年間だけ。
 しかも帰りの時間なんて滅多に合わないから、一緒に帰れたことなんて・・・・えと、全部で四回しかないや。
「そんなんでへこむか、普通? ま、それじゃあ帰りは遅いんだな?」
「ん、多分ね」
「んじゃ、俺は商店街でしばらくブラブラしてから帰るわ」
「またゲーム?」
「だはは、起き上がり大門の悪夢、再びだ」
「なにそれ?」
「お前は分かんなくていいよ。 とにかく、なんかあったら携帯に入れてくれ」
「ん、分かったよ」
「じゃ、頑張れよ」
「うん、ボクがんばっちゃう!」
「な〜お〜?」
「あ・・・・えへへ、わたし、がんばるねっ」
「うむ、精進するがよいぞ。 じゃな」
「気を付けてね〜」
 後姿を見送る。 あ〜・・・我が兄ながら、かっこいいなぁ・・・・。
 後姿もいいんだよねぇ・・・。
「あっ、練習!!」

724 :4:臨時コーチSS :05/02/28 04:36:16 ID:4QHPzMiZ
 急いで砂場に駆ける。
 あれ? 洋介さんがいない?
 きょろきょろ・・・・あ、いた。
「よ〜すけさ〜ん、なにしてるの〜? こっちだよ〜?」
 ボクを見付けた洋介さんが、ちょっと早歩きでこっちに来る。
「洋介さん、遅刻?」
「違うよ。 素直ちゃん、話聞いてないでしょ?」
「え?」
「俺がコーチ出来るのは昨日までだって言ったろ?」
「え・・・・ウソーっ?!」
「あのねぇ・・・もともと十日間だけの約束でしょ?」
「あ・・・そうだったかも」
「もうテスト期間も終わりだから、時間も合わないしね」
「洋介さんの学校は今日で終わりなんだ・・」
「そう。 今日はちょっと用事があるしね。 だから、今日の練習はなし」
「ええ〜? ボ・・わたし、一人でも練習出来るよ〜」
「駄目。 一人で練習なんてやらせられないよ。
 怪我したら『特別に面倒見てくれ』って千葉先生に言われた俺の立場がないでしょ。
 もともと学校にも無理言ってるみたいだし」

725 :5:大会前SS :05/02/28 04:37:17 ID:4QHPzMiZ
「でもぉ・・・・」
「それに、その格好で跳ぶ気?」
「え・・・あ、着替え忘れてた」
 スカートのままだったよ。
「コレは着替えればいいでしょっ。 それより練習させてよぉ」
「ダダこねないでよ・・・なんでそんなに跳びたいのさ?」
「それは・・・幅跳び、スキだし」
「それだけ?」
「今度の大会で、勝ちたいから・・」
「なんでさ?」
「その・・・・お兄ちゃんに・・・幅跳び、中学校いっても続けていいって言ってもらいたいから」
「ふ〜む・・・・お兄さん、幅跳び反対か?」
「その・・・女の子らしくしろって、いつも言ってるから」
「そうか・・・。 なんにしろ、今日はナシだ」
「そんな〜」
「体休めるのも練習のうちだぞ」
「う〜・・・・うん」
「よし。 それじゃな」
「は〜い、さよなら〜」

726 :6:忍び込みSS :05/02/28 04:38:26 ID:4QHPzMiZ
 いきなり暇になってしまいました。
 なんにもすることがないから家に帰っちゃいます。
「ただいま〜」
 誰も居ない家に鍵を開けて入ります。
 用心のために鍵をかけておきます。
 茶の間にランドセルを降ろして一呼吸置きます。
 ん〜・・・なおくんもいないしどーしよっかなぁ。
 ちょっとゲームケースを漁ってみます。
「・・・・格闘ゲームと、サッカーゲームばっかり」
 なおくんの趣味です。
 ボクは格闘ゲームやらないし、サッカーゲームだって一人じゃやらないので困りものです。
「なおく〜ん、は〜やくかえってこ〜いっ」
 こんな時間がもったいないです。
 一分一秒、なおくんと遊んでたいです。
 今、なおくんは居ません。 ボク一人です。
「なおく〜ん・・・さびしいよぉ・・・・」
 一人・・・しょうがないから一人で何か楽しいことを探しましょう。
 一人・・・一人でするもの・・・・一人じゃなきゃ出来ない・・なおくんがいたら出来ないこと・・・・。
「あ・・・・」
 一個、浮かびました。
「なおくんのお部屋・・・・最近入ってないなぁ・・・・・」
 あ、でも駄目駄目。 勝手にお部屋入るなんて・・・・。
 でも・・ちょっと気になっちゃうよね・・・・・でも駄目だもん。
「あ・・・ボクの漫画・・一冊返してもらってないや・・・・」
 ・・・・・・なんか、急に読みたくなった・・・・ような気がするな〜。
「返してもらいに行くだけ・・・・だよ?」
 そうだよ。 早く返してくれないのが悪いんだもん。

727 :7:ガサ入れSS :05/02/28 04:39:41 ID:4QHPzMiZ
 こんこん。
「入るよ〜・・・」
 返事がないのが分かっていても、やっぱりノックとかしてしまう。
 がちゃ――。
 あ、以外に片付いてる・・・・。
 ちょっと前よりキレイになったお部屋。
 壁にはサッカー選手のポスターが何枚か。
 それと――なおくんのにおい。
 あれ? なんかどきどきしてきちゃった・・・・。
「ま、漫画・・・どこだろ?」
 あわてて辺りを見る。
「ないなー・・・本棚?」
 上から見てって・・・・しゃがんで下の段を見る。
 雑誌だね。 じゃあ違うね。
「どこかなー・・・ふう」
 ベッドに腰掛ける。
 ベッド・・・なおくんの、ベッド。
 なおくんがいつも寝てるベッド・・・・・。
 あ、あれ? またどきどきしてきちゃった・・・・。
 なおくんのベッド・・・・・。
 ぽふっ。
 ちょっと寝転がってみる。
「なおくん・・・・お兄ちゃんのにおい・・・・」
 どうしよう・・・・・心臓がばくばくいってる・・。
 でも、やな気分じゃない・・・もっとこうしてたい・・・・。
「なおくん・・・・」
 ころんと転がってみる。
 あれ?
 右腕に異物感・・・・何コレ?
 掛け布団をめくってみる。 本・・・・雑誌だ。

728 :8:妹が見付けちゃう本といえばSS :05/02/28 04:40:45 ID:4QHPzMiZ
「も〜、なおくんてば、ちゃんと本棚に戻しとかなきゃ駄目だよ〜?」
 何となく、ぺらぺらとめくってみる。
「・・・・・・・あれ?」
 なんか・・・・コレって・・・。
「えっちな・・・・本?」
 女の人が・・裸で・・・・わぁ、男の人もっ?!
「わぁー、わぁー、なにこれなにこれなにこれっ!?」
 ばん、と閉じる。
「も、も、もお! なおくんてば、こんなえっちな本読んでたんだね!」
 ボクのことお部屋に入れなくなったのはこーいうことなんだねっ!
 む〜、なんか頭にきちゃうよ。
 こんな・・こんな本なんかに・・・・こんな・・・・・・・・・。
 ちら、っと見る。 表紙からじゃ、とてもあんな中身は予想出来ないよ。
「こ、こんな・・・こんな、えっちな本・・・・なおくん、読んでるんだね・・・」
 ぺらっ・・・・・ぺらっ・・・・・。
 あ、あれ? ボク、なにしてるんだろ?
 そ、そんな、じっくり読んじゃってなんか・・・・わ・・・何コレ・・・?
 読み進めるうちに、気になる単語で手が止まる。
「お兄ちゃん・・・・」
 兄と妹の、禁断の・・・・・・・・き、禁断の、愛・・・・。
 お兄ちゃん・・・・なおくんと・・・ボク・・・。 ボ、ボクとなおくんが・・・。
 目を閉じて、想像してみる。
 恋人になった、なおくんとボク・・・・。
 ・・・・・またどきどきしてきたよ・・・もっと、もっとどきどき・・・・したい・・。

 ボクは夢中になってその妄想を追いかけていった―――。

729 :9:寝起きSS :05/02/28 04:41:54 ID:4QHPzMiZ
「んう・・・・?」
 いつの間にか・・・寝てたんだ・・。
 う〜、すごくいい夢だった気がするのに・・・思い出せないや。
 ちょっと寒い。 身を縮こまらせる。
 とんとんとんとん・・・・階段を登る音。
 誰か帰ってきたのかな?
 がちゃ―――。
「あれ・・・・なお? 帰ってたのか? ってかなんで俺の部屋に?」
 あ・・・・わ、忘れてたっ。 ここ、なおくんのお部屋だよう!
「あ、ご、ごめん、まん、漫画、取り来たら、その、寝ちゃってっ」
「ん、陸上で疲れてたんだな」
「あの・・・・怒った?」
「なんでさ? 疲れてたんだろ? 仕方ないさ」
 あ・・・なおくん優しい・・・。
「い、今起きるね・・・」
「ん? 寝ててもいいぞ?」
「そ、そんな訳にも・・・」
 ゆっくり起き上がる。
「ん? なお、なに抱えてんだ?」
「え?」
 腕を見る。
 大事そうに抱きしめられた雑誌が一冊。
 あれ・・・コレって・・・・。
 離してみる。
「うあっっ!!? そ、それはっ!!??」
「えっちな・・・本」
 え・・・・ボ、ボク、えっちな本を大事そうに抱えて寝てたのっ!?
 や、やだぁっ。


730 :10:追いかけっこSS :05/02/28 04:44:15 ID:4QHPzMiZ
「なななおくん、ごめんなさいっ! ボ、ボク、そんな、その、偶然・・・じゃなくて、そのっ」
 言葉が上手く繋がらないよっ。
「そ、その・・・・あう〜っっ」
 もう逃げちゃうよ、こんなの〜っっ!!
「あ、コラ、置いてけソレ!!」
「あうぅ〜、あうぅ〜っ」
 なおくんのばかっ、なおくんがぜ〜んぶ悪いんだもんっ!
 か、顔が真っ赤だよ〜っ!
「ま、待てぇ、なお!」
「ふああっ!? 何で追っかけてくるのぉ?!」
 い、今なおくんの顔見たら、顔見たらっ!!
 顔がぐんぐん熱くなってくのが自分でも・・・・やぁっ!!
「そ、その本返せってば!」
「やぁ、こ、来ないでよぉっ」
「待てぇ、このっ!」
「来ないでぇ、来ないでってば、なおくんのばかぁ〜〜〜っっっ!!!」


731 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/28 04:50:16 ID:4QHPzMiZ
置いときます。
この台本には続きみたいのがありまして・・・・まぁ多分公開はしません。
ってかですね、かなりやばいんですよ、コレ。
一人称が僕と同じ。 歳の差も、サッカー部なのも一緒。
こんなのうちの兄に見られたら、と思うとどきどきものですよ。
うむ、「おにいちゃんのにおい」って一回使ってみたかった台詞でした。

設定がヤバイ台本  >>721-730

732 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/28 04:52:21 ID:4QHPzMiZ
兄  →尚登 で、妹からはなおくん
妹  →素直 で、兄からはなお
分かりづらい名前でごめん。

733 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/28 08:31:39 ID:h6YHOE7w
ここまで書いておいて続きを書かない手はありませんよ!
かなり期待してますんで続ききぼん!

734 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/02/28 17:17:32 ID:c2O8WETf
。・゚・(ノД`)・゚・。ごめんね。試験期間だから。ごめんね。

735 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/28 23:06:37 ID:4QHPzMiZ
うふふ、早く帰ってこないと僕のちらしの裏ですよ〜?

>>733
やぁ・・・続きじゃないんですよ。 間話?
期待は裏切ると思いますから・・・・。

嗚呼、兄の部屋に忍び込んでた時期が懐かしい。
今では堂々と兄パソから2chやってます。 駄目いも。

736 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/02/28 23:09:23 ID:4QHPzMiZ
あ゛、海神様へのレスか?
いかんにゃ〜、最近調子に乗ってるで、自分。
ちょっとしめてくる。 きゅっ。
暫く僕も旅に出るわさ。

737 :前スレ931 :05/02/28 23:13:45 ID:9/ojwIIT
>>736
いやいや、ナイスでしたよ姐さん
ボクっこは自分的にツボなんで、続き期待ですー

738 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/03 01:26:55 ID:Zqdoy3mC
関係ないいけど、元ネタこれかな?
ttp://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20020905/thing.htm

739 :遊星より愛を込め(消滅中) ◆isG/JvRidQ :05/03/03 20:55:55 ID:h2dCEBvZ
俺のコテハンの元ネタのこと?だったら、全然違うけど。

740 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/03 21:01:05 ID:Zqdoy3mC
あ、そうですか。 無駄レスすいません。

741 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/03 22:55:15 ID:zkpi/qH3
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)ゆ、遊星ししょー!?

742 :前スレ931 :05/03/03 23:10:08 ID:OqjEgbXZ
うう…近頃めっきりSS減って悲しい限りです…
今はみんな充電中っつーことっすか…

743 :前スレ921 :05/03/03 23:29:35 ID:o+KQxof7
近頃SS書かずにD.C.P.S.やりまくってるわな……

しばらくPCはネット復活させられそうにないし、携帯からだと迷惑ですし
('A`).。oO(俺のSSなんて無い方がいいだろうし)

>>742
みんな受験関係で忙しいんじゃないですかね……確か3/01に試験があった気がします('A`)

744 :前スレ931 :05/03/03 23:39:15 ID:OqjEgbXZ
>>743
そんな!前回の凄く面白かったっすよ。続き待ってますよう?
俺っちも、飲み会ラッシュが終わってやっとSS書き始めましたぁ(出来るだけ面白いものにするため
努力はしてるんですが…ヒロインが主人公の妹じゃないんですよねこれが。いいのかしらん?)

にしても受験かぁ…去年にやっと開放されましたよ俺は…
皆さんにも最後まで頑張って欲しいものですねぇ

745 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/04 00:02:35 ID:9LuaOXsS
「遊星より愛を込めて」とくれば、ウルトラセブンに決まっておろう。と

746 :前スレ921 :05/03/04 00:20:48 ID:/TyYmNgR
>>744
そんな事言われたらまた書いちゃいますよ 笑
俺は順調に行けば今年受験だったハズなんですがねぇ……何処で人生が狂ったのか今じゃ社会人兼学生WWWWorz
て何書いてんだ俺

受験は頑張って欲しいですね。

てか、ヒロインが妹じゃないのはスレタイ的にさすがにやばいのでは?
妹と限定されているのがこのスレの良い所であり、悪い所でも…ある…ような…
どうなんでしょう

747 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/04 00:24:32 ID:+AWeJDjL
>>230-231
僕は姉を書きましたよ、と。

748 :前スレ931 :05/03/04 00:27:06 ID:7UGQEFJN
>>746
んと…兄と妹っていう関係そのものがテーマなんで、ギリギリいけるかなーとか思ったんですけど…
ダメかなぁ…

749 :前スレ921 :05/03/04 00:44:42 ID:/TyYmNgR
>>748
なるほど…そういう事なら大丈夫じゃないでしょうか。
俺の視野が狭かったです。すいません。
期待してますね!

>>747
と、いう訳で俺のはやとちり&勘違いでした…申し訳ないです…

750 :前スレ931 :05/03/04 01:03:53 ID:huXytmWO
>>749
いえ、こちらの設定の方がヤバイだけっすから…もうちょっとスレタイに沿うように
しときますです。
前スレ921さんのも期待してますからねー

751 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/04 01:27:18 ID:+AWeJDjL
>兄と妹っていう関係そのものがテーマ
すごい期待したのは僕だけじゃないハズだ!
ワクワクドキドキ。

752 :前スレ921 :05/03/04 01:47:18 ID:/TyYmNgR
>>750
931さんは今のままで良いと思いますよ!おかげで少しネタが浮かびました。
(;´-`).。oO(そっかぁ…偽妹もありだよな……)

無理に妹(義妹)にする必要はないんですよね…『妹な存在』

>>751
同じく激しく期待してます。
清次郎の人さん(ですよね?)の次回作も楽しみにしてますよ……清次郎の人・では失礼なんで何か呼び方はないでしょうか…('A`)

753 :遊星より愛を込(消滅中) ◆isG/JvRidQ :05/03/04 08:25:00 ID:GANQieSP
>>745
御名答。そこまで分かれば、由来については言う事も無いでしょう。

>>747
つ[試作]姉に言われたいセリフ
  >>750
一応貼ってみるといいと思うよ。
例えスレタイに沿って無くても、萌えられたら儲けもんだw

ま、俺個人としては「お兄ちゃん(またはそれに類する語)」で呼んでくれれば、妹の条件としては十分なんだけど。

>前スレ921 前スレ931 清次郎の中の人
コテハン、せめてトリップを付けたらどうだろうか……。

754 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/04 17:41:08 ID:HjVkiM0L
―――それは正に象牙の塔。
月下の草原を舞台に、二人の剣士は戦闘の極致を迎えていた。
その対照的な動きはさらに加速し、幾重の剣戟を重ねる。
片や、烈火の如き騎士。灼熱を思わせる剣線。
対するは、流水の如き騎士。変幻を思わせる剣線。
しかし絢爛さは微塵も無い。ただ無機質な、殺意の剣。
……それは正に象牙の塔。
突然、赤の騎士は後方に飛んだ。仕切り直しをするつもりだろうか。
「……やるな。だが、」
白刃の切っ先を向ける。
「勝つのは俺だ」
それを憮然と見つめていた青の騎士は、毅然とした態度で答える。
「もう手加減しませんよ?」
沈黙。
……空気が張り詰めていく。殺意がすべてを塗り潰していく。
重層の殺意。そして。
―――緊迫は一気に崩れた。
二人の輪郭が歪み、時間を超越する―――!!
瞬間。
……赤の騎士はすれ違い様に一閃されていた。

755 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/04 17:42:11 ID:HjVkiM0L
2P WIN!
「…………」
俺はコントローラーを落とした。食い入るように画面を睨む。
「今の……俺のほうが速かったよな?優希」
横を見ると、優希はえへへと可愛らしく胸を張っていた。
「にいさま。言い訳は見苦しいですよ?」
「……はい。負けました……」
しぶしぶ“夕食を創る者”と書かれたエプロンを手に取る。


「今夜はピーマン使うか」
「ぴっ、ピーマンですかっ!?ちょ、ちょっと待ってくださいっ!!あああ、ダメぇ!!」

756 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/04 17:43:21 ID:HjVkiM0L
_| ̄|○ むしゃくしゃして書いた。
ピーマン嫌いなら何でもよかった。今は反省している。

757 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/04 20:57:00 ID:+AWeJDjL
スキキライはいけないと知りつつ、好き嫌いする娘は良いものだ・・・。

コテハンて、自分、名乗る程の者じゃないんで・・・・。

758 :兄:尚登サイト :05/03/05 03:41:46 ID:xWjP97C2
「あ〜あ、早く春になんないかな〜」
 この冬何度目だろう、そのセリフを聞いたのは。
「もう三月だ、すぐに春になる」
「ん〜、そ〜だけど〜・・・。 早く雪、とけないかなぁ?」
「お前なぁ・・・毎日毎日、そればっかりだぞ」
 いい加減嫌になってくる。
「だって〜・・・早くまた跳びたいんだもん」
「あ〜あ・・・幅跳び中毒だよ、これじゃ」
「むぅ、なおくん、なんかやな感じっ」
 ぷんむくれて、窓を見やる。
「あ〜あ、早く春になんないかな〜」
「・・・・・やれやれ」
 オレは立ち上がり、壁に掛けてあるコートを掴んだ。
「ん・・・・なおくんどっか行くの?」
「コンビニ」
「じゃ、ボクも行く」
 立ち上がって上着を掴む。
「だめだ」
「えっ、何で?」
 きょとんとした顔。 まぁ断られるとは思ってなかったんだろう。
「何でだと思う?」
「えと・・・・・あ、あの、わたしも・・わたしも連れてって」
「いいぜ、なお」
「うん、ありがと」
 なおの奴はもうじき中学だってのに、どうにもガキっぽいというか、男の子っぽいというか。
 前から特に言葉遣いに関しては注意してきたが・・・一向に「ボク」が治らない。
 将来困るぞ・・・・。

759 :兄:尚登サイト :05/03/05 03:43:05 ID:xWjP97C2
「コンビニって、ドコの?」
「一番近く。 わざわざ遠いとこ、こんな寒い中行くかよ」
「あはっ、そうだね〜寒いよね〜」
「あ〜・・・一つ言いたいことがある」
「な〜に、なおくん?」
「・・・・・・・・なんで短パンなんだ?」
 そう、信じられないことに短パンなのだ、このおぜうさんは。 上着は着てるクセに。
「コレぐらいが丁度いいんだよ」
「ウソだ・・・・・」
「ってゆーかなおくんが寒がりすぎなの。 それでも北国育ちかぁ〜」
「気温が一桁なんだ・・・コレぐらいが正しいリアクションだ」
「運動してないからだよぉ〜。 なおくん、体力あるクセに。 サッカー部のクセに」
「知るか。 オレは寒いの、とにかく」
 さっさと行っちまおう。
「あ、まってよなおくんっ」
 並んで歩き出す。
「何しに行くの?」
「雑誌」
「雑誌・・・・・?」
「雑誌だ。 買いに行くんだよ」
「雑誌って・・・・」
「あん?」
 なんか様子が・・・・?

760 :妹:素直サイト :05/03/05 03:44:17 ID:xWjP97C2
「雑誌って・・・・」
 ボクの頭の中に数ヶ月前のことが蘇ります。
 なおくんの部屋にあった・・・・えっちな・・・・。
「なお?」
「えっ?! な、なに?!」
「なにって・・・・どーかしたか?」
「う、ううん! なんでもないよっ!!」
 ぶんぶん、っと首を振ります。
「・・・・行くぞ?」
「う、うんっ」
 なおくんが歩きだします。 ボクも遅れずについて行きます。
 うう・・・なんだか顔が火照ってきたよ・・・・・。
 ちら、となおくんを見ると、何も知らないなおくんは真っ直ぐ前を見ているだけです。
 いつものカッコイイ顔のままで・・・・・。
 ・・・・うぅ〜、また顔が・・もぉ、なおくんのせいだもんっ。
 なおくんがえっちなのがいけないんだもんっ!
「・・・・・なおくんのバカ」
「・・・なんだと?」
「なんでもないもん」
 ぷいっ、だもん。
「何いきなり不機嫌になっとるんだ・・・・?」
「ふんっ、だ」

761 :妹:素直サイト :05/03/05 03:45:21 ID:xWjP97C2
 結局なおくんが買ったのはサッカーの雑誌でした。 ・・・でも、別のときにきっと買うんだもん。
「真っ直ぐ帰るぞ」
「え〜? 折角出てきたのにぃ?」
「寒い」
「だったらさ、商店街行こ?」
「商店街ぃ〜?」
「ホラ、なんか暖かいの食べてこーよっ」
「暖かいのか・・・・それならいいかな」
「やったぁ、決まり♪ 何食べよかな〜♪」
 折角なんだから寒いのも楽しまなくちゃ。
「・・・・ふぅ」
「ん? どしたの、なおくん」
「いや、機嫌直ったみたいだな、って」
「へ? 機嫌?」
「・・・・いや、何でもない」
 変ななおくんです。 そんなことより、何食べよっかな〜。
「甘いのがいいな〜。 鯛焼きとか」
「鯛焼きは・・・・お前はマズイような・・・」
「へ? なにそれ? 何でボクが鯛焼き食べちゃ駄目なの?」
「ボクって言うからだ」
「何ソレぇ? ヒドイよ、そんなこじつけ!」
「そんなこと言うならやめにする」
「あ、あ、ごめんなさい、ボ、わたしが悪かったよっ」
「よろしい」
「・・・・・むぅ、食べ物を盾にするなんて・・」
「何か言ったか」
「なんでもないもん」

762 :兄:尚登サイト :05/03/05 03:46:23 ID:xWjP97C2
「なんでもないもん」
 またまたなおがむくれてしまった。
 う〜む、ちょいとひどかったかもな・・・・。
 しかし、ボク、背が低い、生足、ショートカット、に鯛焼きまでプラスされたら・・・・色々マズイ気がする。
 それだけは阻止しろと天が言ってる気がする。
「・・・・で、何にする?」
「えと・・・・甘くて暖かいの・・」
「甘いのじゃなきゃ駄目なのか?」
「んー・・・・なおくんは甘くない方がいい?」
「俺は甘いのはそんなに好きじゃない」
「そだったね。 じゃ、肉まん!」
「肉まんか・・・コンビニに戻るのか?」
「おやおや〜? なおくん知らないの〜?」
「・・・・なんだよ」
「最近おにがわらさんとこの近くに中華まん屋さんが出来たんだよ〜?」
 おにがわらさんとこ、とは、おにがわら診療所のことだが・・・。
「ちゅうかまんやぁ〜?」
 何だソレ。 聞いたことが無い。
「なおくんもボ・・・わたしも田舎者だから知らないだけだよ〜。 都会じゃ中華まん屋さんくらいあるんだよ」
 ・・・・・そうなのか。
「ね、行ってみよ?」
「むぅ・・・百聞は一見にしかずか」
「決まりだねっ。 肉まん肉まん〜♪」
「あれ・・・ってゆーかそれならお前はあんまん食えばいいだろ」
「なおくんと同じのがいいんだもん」
「・・・・そーかよ」

763 :兄:尚登サイト :05/03/05 04:08:21 ID:xWjP97C2
「ん、ここか」
 確かに・・・中華まん屋、とでっかく看板に書いてあるな・・・・なんで病院の近くに食い物屋・・・・・・。
「尚登さん?」
「あん? 誰だ俺を呼ぶのは」
「えーと、虎鉄です」
 後ろに立っていたのは中学のときの後輩だった。
「鉄か。 なにやってんだ?」
「あの、ここ、俺の家です」
 指差すのはおにがわら診療所。
「そーいやそーだったな」
「先輩は?」
「中華まん屋に」
「あー・・・・あそこですか・・」
「あん? 何だよ、その思わせぶりなセリフ」
「いえ・・・・そちらは?」
 と、なおを見やる。
「あ、えと、妹の素直です。 今度中学生になります」
 ぺこりとお辞儀。
「こんにちは。 俺は虎鉄。 よろしくね」
「あ、はいっ」
「さてさて挨拶も済んだ所で話を戻そうか」
「・・・・逸らそうとしたのに」
「そんなことは許さん。 吐け」
「あ〜、その・・・・店に入るの、この時間帯は先輩だけにした方がいいですよ」
「は?」
「それじゃ」
「あ、こら待てっ」
 なんだよ・・・逃げるようなことなのか?

764 :妹:素直サイト :05/03/05 04:10:55 ID:xWjP97C2
「それじゃ」
 虎鉄さんが家に入って行ってしまいました。 なんだろ・・・・?
「・・・・・まぁ、一応俺だけで入るから待っててくれ」
「・・・うん」
 なおくんがお店に入って行きます。 待ちます。 ・・・・・・。
「・・・・・うぅ、遅い〜」
 時計を見ます。 もう三分は経ってます。
「早く〜。 なおく〜ん、一人で外に居る身にもなってよ〜」
 五分以上待たせたらデコピンしちゃいます。
「う〜、う〜、遅いよ〜」
「・・・・・誰か待ってんの?」
「え・・・あっ、お姉さん」
「や、憶えててくれたんだ」
 それはこの間パンツを見られたお姉さんでした。
「誰待ってるの? お兄さん?」
「はい。 なおくんってばヒドイんです。 もう五分・・あ〜、六分も! ボクのこと待たせてるんですよ!」
「六分って・・・・はは、せっかちさんなんだ」
「そんなことないですよ〜。 なおくんの方がよっぽどせっかちです。 ボクが着替えるのも待てないんだから・・・」
 この間、着替えてる所を見られたんです・・・。 恥ずかしかったです、あれは・・・。
「似たもの兄妹か・・・羨ましいね」
「え・・そうですか? 似ててもいいことなんてないですよ?」
「ん〜、オレ、アニキと全然似てないからさ」
「お兄さん、いらっしゃるんですか?」
「うん。 中々かっこいいよ?」
「そ、それならなおくんだってっ」
「あはは・・・・誰だって自分のアニキが一番だよね。 キミもお兄さん好きなんだ?」
「え・・あ、あの、その・・・・」
「オレもね〜・・・なんか素直になれないんだけどさ、アニキのこと好きだよ」
「ボ、ボクも・・好き・・・・です。 でも・・ボクも、素直じゃないかも・・・」
「ん〜・・・お互い、要努力、だね」

765 :妹:素直サイト :05/03/05 04:12:20 ID:xWjP97C2
「じゃ、またね」
「あ、はいっ」
 お姉さんが歩いていきます。
「素直に、かぁ・・・」
 ボクの名前なのになぁ・・・。 なれないんだよね・・・。
 きぃ・・・と、お店のドアが開きます。
「あ、なおくん」
「・・・・・無駄に疲れた」
「・・・・なおくん?」
「いや・・・何でもない。 ほら、肉まん」
「わ、ありがとー。 待ってて、お金・・・・」
「いらねーよ」
「え、でも・・・」
「奢る、ソレくらい」
「あ・・・あ、ありがと」
 袋から熱い肉まんを取り出します。
「わ、あっついねぇ」
「まぁわざわざ店で買って冷めてたら最悪だからな」
「ん〜、おいしいねぇ」
「そうか・・・」
「あれ、なおくん食べないの?」
「・・・・疲れたからいい・・・」
「え〜、一緒に食べよ〜よ?」
「いや・・・・食欲がない。 ってか買ってない」
 え・・買ってないの? そ、そんなぁ・・・・一緒に同じの食べたかったのに・・。
「むぅ・・・しょうがないなぁ」
「ああ・・・・悪いな」
「はい」
「ん?」

766 :兄:尚登サイト :05/03/05 04:14:25 ID:xWjP97C2
「はい」
 と差し出された右手。
「・・なんだよ?」
「半分こ」
「はぁ? だから、いらないって―――」
「だめだもん、食べなきゃ」
「なんで・・?」
「なおくんと・・・・同じがいい。 一緒の食べたいんだもん」
 コイツ・・・なかなか可愛いことを言いよるわい・・・。
「まぁ、そこまで言うなら」
 右手から食べかけ肉まんを頂く。
「って、半分以上残ってるぞ」
「食べてもいいよ?」
「バカ、コレはもともとお前のために買ったんだから、それじゃ本末転倒だろ」
「でも、疲れたときは美味しい物いっぱい食べれば元気になれるよ」
「あ、いや・・そんな心配されるほど疲れた訳じゃないから」
「そお? でも食べて。 ボクおなかいっぱいだから」
「んなわけ・・・・まぁいいや、食うぞ?」
「うん」
「ん・・・言うだけあって、なかなか美味いな」
 あの女、腕だけは確かか・・・。
「おいしいよね」
「ん。 やっぱりお前も食え」
「え・・? いーよ、ボクはもう」
「遠慮なんかすんなって」
「してないよぉ」
「くのやろう、あんまり遠慮するのも失礼なんだぞ」
「してないってば〜」

767 :兄:尚登サイト :05/03/05 04:15:59 ID:xWjP97C2
「そんなに嫌なら・・・・こうだ!」
「え・・むぐっ?!?」
 肉まんを無理やり突っ込んでやる。
「むぐむぐ・・・・?!」
「ほーれほれ。 食わんと窒息するぞ?」
「む、むぐ・・・・・・んぐ・・」
 食い始めたようだな。 手を放してやる。
「んぐんぐ・・・ぷは、ひ、ヒドイよぉ、なおくんっ」
「なにおう。 お前があんまり嫌がるからだろ?」
「嫌がってなんかないよぉ。 ボクはただ、なおくんにいっぱい食べて欲しかっただけだもん」
「嘘吐けぇ、俺が口にしたもんなんて食べたくないだけだろ?」
「そ、そんなことなっ・・・!!」
「・・・・?」
「か・・・・間接キス?」
「は・・・? 何を今更」
 肉まんでキスもなにも無いと思うが・・・。 でも、一応そうなる・・・よな?
「え、やだ、ボ、ボク、なおくんと間接・・・?!」
 そーゆーの気にする辺り、まだ小学生だよなぁ・・・もうすぐ中学だけど。
「まぁはじめにしたのは俺の方だけどな。 なおの食べかけ食ったから」
「わ、わ、そ、それじゃ、お互いに・・・!?」
 なんか面白いな。
「これじゃ本当にキスしたのと変わんないかもなぁ〜?」
「ええ??!! そそ、そんなぁ?!」
「なんだなお、俺とキスは嫌か」
「え、あの、その・・・・っ」
「やっぱそーなのかぁ・・・お兄ちゃん傷ついたなぁ」
「あ、あう・・・・」

768 :妹:素直サイト :05/03/05 04:24:14 ID:xWjP97C2
「やっぱそーなのかぁ・・・お兄ちゃん傷ついたなぁ」
 な、なおくんとなら・・いやじゃないケド・・・・・・・。
 う〜・・・ヒドイよ・・ファーストキス・・・・もっとちゃんとしたのがよかったよぉ・・・。
「うぅ・・・ヒドイ、ヒドイよぉ・・・ぐす」
「おわ、なお、泣くなよ!」
「だってぇ・・ボクのファーストキス・・・」
「あ、アレは冗談だって」
「・・・本当?」
「本当だって! 泣かないでくれよ、な?」
「う・・うん」
 ごしごし、と涙を拭います。
「わ、悪いなお、まさか泣くとは思わなかった」
「う、ううん、ボクこそ泣いちゃったりしてゴメンね?」
「いやいや、今のは俺が完全に悪い。 女の子なのにな・・・あーいうからかい方はまずかったな」
「ん・・・えへへ、いっつもボクに女の子らしくしろとか言ってるのにね〜?」
「う・・・・スマン」
 なおくんってば、口ばっかりなんだから。
「う〜む・・俺が女の子のこと分かってないんだもんなぁ・・・もっと乙女心を学ばねばならんな」
「ぷっ・・なおくんってば真面目な顔でなに言ってるの〜?」
「いやぁ、深刻な問題だぞ。 こんなんじゃいつまで経っても彼女の一人も出来ん・・・」
「え・・・・彼女?」
「いつまでもフリーじゃなぁ。 何かとお前にも世話させちまうし」
「う、うん・・・・・」
 なおくんに・・・彼女・・・・。
「そ、そんなに焦んなくてもいいんじゃない?」
「ん〜・・・まぁ焦って身に付くモンでもないか」
「そ、そ〜だよ!」
「まぁこんなんだから、彼女出来ても世話になるかもしんねーな。 そんときは頼むわ」
「う、うん・・・・・」
 なんか・・・・やだな・・。

769 :妹:素直サイト :05/03/05 04:29:21 ID:xWjP97C2
 なおくんも・・・彼女、つくっちゃうんだね・・・。
 そう、だよね・・・・男の人だもん、それが普通だよね・・・・。
 いつまでも・・・・ボクと一緒じゃ・・・ないんだもんね・・・・。
「なお・・?」
「ん、なに?」
「いや・・・なんか沈んでるから・・やっぱ結構傷ついたか、アレ」
「ううん、そんなことないよ?」
「う〜ん・・・分かった、何か一つ言うことを聞いてやろう」
「そ、そんな、別にそんなことしなくても・・・」
「遠慮なく言え」
「・・・・・・・・」
 ボクの、願い・・・・・。
 なおくん・・・ボク・・ずっとこのままがいいよ・・・・。 二人で居たいよ・・・彼女なんてつくっちゃやだよ・・。
 でも・・・こんなの、ただのワガママだよね・・。 素直になるとか・・そんなんじゃないよね・・・。
「なおくん・・・」
「おう」
「なんでも・・・いいの?」
「二言はない」
「だったら・・・・ちゃんとして」
「なにを?」
「キス・・・・ちゃんと、して」
「は・・・・はいっ?!」
「ボク・・初めては、なおくんがいい・・・・なおくんじゃなきゃ、やだ・・」
「ば、バカお前、そんなの・・・・っ」
「やだもん・・・なおくんと離れるの、やだもん。 でも、ワガママだから、それだと・・・だから、代わりに、キスして・・・」
 ちょっと・・・泣いてた。 泣き落としなんて・・卑怯かな? でも・・・・。
「なおくん・・・・・」
 ボクは、目を閉じた。
「な、なお・・・・」
 そして―――――。

770 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 04:36:51 ID:xWjP97C2
終わりだよ?
封印したのはネタが被ったんで永久封印です。
こんなのでよければあげます、先生。
「お兄ちゃん(またはそれに類する語)」じゃないけど、妹だからセフってことに。

設定がアレなのの続きみたいなの  >>758-769

サイトチェンジの生かし方を模索中。 コレじゃ読みづらいだけですからねぇ。
しかし連投規制がウザいです・・・・。
どうしても呼ぶ名前が欲しいという奇特な方は、>>3を。

771 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 04:46:09 ID:xWjP97C2
妹サイトが敬語混じりで読みづらいのは、小学生っぽいかなーって思ったからです。
駄目だこりゃ。
次回からの台本に期待しないで下さい。
なんかホントにちらしになっちゃいそうでこあい。
神々のSS所望。 もっとだ、もっと僕に力を・・・・!!!

772 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 05:08:31 ID:/Y8RxE+v
えっと…清次郎の中の人ですか?
GJです!
Kanonネタキタ━━━( ゚∀゚ )━(∀゚ )━(゚  )━(  )━(  ゚)━( ゚∀)━( ゚∀゚ )━━━!!!!
兄は一体中で何をされたんですか?

773 :コンズ :05/03/05 08:06:15 ID:XC1qqSCF
キタ━━(°∀°)━━━
乙華麗様です!!次回に期待っ!!


















まだかね?

774 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :05/03/05 08:37:43 ID:g2Iqivhb
GJ!Σd(>ヮ<)
兄が中で何をしたのか僕も気になるっス。
肉まん作ってたのかな?

775 :中華:偽妹 1 :05/03/05 14:37:16 ID:xWjP97C2
 どうして自分がこんなことをするのか、よく分からなかった。
「それじゃあ始めるよ」
 なんで女の子が僕を不敵に睨んでいるのか分からなかった。
「勝負は一本。 お題は――言わなくても分かってるね?」
 女の子が頷く。 ばあさんが僕を見る。
「いいね?」
 ここで駄目、って応えても駄目なんだろうね・・・。
 しかたなく頷く。
「それじゃあ厨房担当決めの一本勝負・・・・はじめ!」
 調理場に声が響き渡った。

「ここかな・・・・?」
 求人ちらしを頼りに着いた場所。 開店前で看板も出していない。
「病院の隣・・・ここだよ・・ね?」
 戸をこんこん、と叩く。
「あの・・・すみませーん。 ちらし見て来たんですけど・・・」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・。
 なかなか返事が返ってこない。
「あれ・・・開いてる?」
 手をかけると戸が動いた。
「あの・・・・」
 首だけ入れて中を覗く。 うわ・・・・な、なにこれ・・・。
「ぼ、ボロい・・・・」
「あんだって?」
「うわぁっ!?」
 後ろから声。 驚いて僕は奇声を発してしまった。
「あんた、何してんだい?」
 そこに居たのは一人のばあさん。
「えと・・・その」
「見てのとおり、うちは開店前で金目のモンなんかないよ」

776 :中華:偽妹 2 :05/03/05 14:38:26 ID:xWjP97C2
「金目・・・って違います! 泥棒なんかじゃないですよ!」
「ならなんだってんだい?」
「あ、あの・・・これ」
 と差し出すちらし。
「ほう・・・あんた、うちで働く気かい?」
「は、はい、出来れば」
「見てのとおりうちは貧乏だからいい待遇なんて出来ないよ?」
「・・・・いいんです」
「ふん、ワケありかい。 まぁいいさ、安月給でなら雇うよ」
「あ、有り難う御座います!」
「まぁ中に入んな」
 中に通される。 まぁ、なんというか・・・・。
「ボロいかい?」
「そ、その・・・・」
「ま、安く買い叩いたからね。 でも」
 と、そこは―――。
「ここだけはしっかりしとる」
「わ・・・す、すごい、ちゃんとした厨房だ・・・・!!」
 周りがボロいせいもあって、厨房の設備は格段に良く見えた。
「どうだい? 料理屋の一つでもやれそうなモンだろ?」
「は、はい、すごいです」
「かっかっかっ。 その目付き、あんたも厨房希望かい」
「え・・・あんたも?」
「ま、中に入んな」
「あ、はい」
 事務室らしき所に入れられると、そこには・・・。
「ばばさま、何してるか?」
 ・・・・女の子がいた。

777 :中華:偽妹 3 :05/03/05 14:39:28 ID:xWjP97C2
「うちはただの中華まん屋。 調理に二人もいらん。 ちゃっちゃと決めちまいな」
 そ、その理屈は分かるけど・・・。
「ふふふ・・・この勝負、わたしの勝ちね!」
 そのちょっと怪しい日本語も分かるけど・・・・。
「な、なんでホイコーロー勝負!?」
「オトコが決まったコト、グダグダ言わないアル!」
「あ、アル・・・!? ば、ばあさん、この娘、なんなの?!」
「うん? あたしの孫さね。 広東育ちの」
「いや、アルって・・・・」
「そんなことより料理しなくていいのかい?」
「おわぁ、そーだった!」
 野菜を切っていく。 ふと目をやると・・・。
「わ、なんだあの手つき!?」
 ・・・・・・野菜が宙を舞って切られていく。
「あの子はホイコーローが一番得意なんだ」
「って、僕が不利じゃないですか!!」
「イチイチうるさいアル! オトコならビシッとするアル!」
 うー、このままじゃ負けちゃうって! 折角見付けた僕の居場所なのに・・・・!
「ま、負けられるかぁ!!」
 僕はペースを上げた・・・・。

778 :中華:偽妹 4 :05/03/05 14:40:36 ID:xWjP97C2
「そこまで!」
 どうにか僕が作り終えた所で、ばあさんが言った。
「ふふーん、わたしの回鍋肉が冷めてしまうとこだたアル」
「う・・・」
「まず食ってみるのが先さね」
 先にあの娘のから食べる。
「ふむ・・・腕を上げたね」
「当然アル」
「・・・・美味い」
 ちゃんとしたホイコーローは肉より野菜が美味い・・・・コレは、まさにそれだ。
「ふふふーん、どうやら勝負あったカンジアル」
「それじゃあこっちも食うよ」
 う・・・・ど、どうだ・・・?!
「ほう・・・・これは・・・・」
 何その微妙なリアクション!?
「勝負あったね」
「当然アル」
「厨房担当は―――アンタだよ」
「・・・・・・ぼ、僕!?」
「・・・・・・ええ?! な、なんでアル、ばばさま!!」
「食ってみな」
「む・・・・あむ」
 神妙な面持ちで食べていく・・・。
「そ、そんな・・・ウソアル・・・・・」
「この勝負、アンタの負けさ」
「ウソ・・・ウソアル!!」
「あ・・・っ」
 女の子は飛び出して行った。
「ほっときな。 アンタは明日から来な」
 い、いいのかな・・・でも、他人の僕が出来ることなんてないし・・。

779 :中華:偽妹 5 :05/03/05 14:42:27 ID:xWjP97C2
 翌日、僕は店の前に居た。 昨日の今日で・・・あの娘に会うのは、ちょっと気が引けるなぁ。
 相当な自身があったみたいだったからなぁ・・・。 しかも一番得意なホイコーロー・・。
「っていうか開店もしてないのに何させるつもりなんだろう・・・」
「やることならいっぱいあるんだよ」
「うわぁ、ばあさん、また後ろかよ!?」
「何をビビってんだい。 店内の片付けがあるんだ、とっととお入り」
「わ、ちょ、待って、心の準備が・・・」
 無理やり中に入れられると―――。
「あ、お兄ちゃん、ようこそアル!」
 あの娘が・・・・ってええ!?
「お、お兄ちゃん・・・・!?」
「昨日お兄ちゃんに負けて分かたアル。 わたし、テングなてた。 上には上が居るアル。
 お兄ちゃんの回鍋肉、とてもおいしかた・・・・だから、お兄ちゃんてよばせて欲しいアル!」
「だ、だからの使い方が変なような・・・なんでお兄ちゃん?! 意味分かってる!?」
「尊敬できる、身近、年上、って聞いたら、ばばさまが教えてくれたアル。 間違てたアルか?」
「ば、ばあさん!?」
「かっかっかっ。 いいじゃないか、アンタシスコンだろ?」
「うぐ、何故ソレを・・・・!?」
「駄目アルか・・・?」
「だ、駄目って言うか・・・」
「お兄ちゃん・・・・」
「・・・・・・・是非そう呼んで下さい」
「やったぁ、んこぃ、どもありがと!」
「わわ、跳び付かないでよっ」
「わたし、藍、らん言うアル。 お兄ちゃんは?」
「ぼ、僕は浩人・・・・」
「ひろと・・・かこいい名前アル。 これからよろしくアル、浩人お兄ちゃん!」
 う・・・お、お兄ちゃん・・・・ぼ、僕の理性、もつんだろうか・・・・。

 僕の、新しい日常が始まった・・・騒がしく。

780 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 14:47:37 ID:xWjP97C2
中華ならなんでもよかった・・・とういう話。
ホイコーローは四川料理、ランは北京読み、育ちは広東・・・とバラバラ。
一応わざとですよ?
続かせようかと思ったけど、止めた方がいいカンジ・・・。
プロジェクト僕のチラシの裏。

781 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 14:53:34 ID:xWjP97C2
一時間半じゃこんなんですた。
身近、ていうのはこれから身近になるってことですよ。
ほぼ毎日顔あわせるようになるから。

中華な偽妹 >>775-779

>>772 >>774
秘密です・・・って対したことじゃないんですが。

782 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/05 16:20:14 ID:+Xb4ZXZv
「お兄ちゃん?……もうっ、早く起きてよ〜!」
………………。
「わたし朝練があるんだからね?先に行っちゃうよ?」
…………。
「……ふんだ。いいもん、お兄ちゃんなんて知らないから!」
……。
「―――あれ?」
俺は目を開けた。もぞもぞと布団から這い出て、目覚まし時計を引っ掴んだ。
……すでに8時。

…………あはは。

完っ璧に遅刻コースだ!!
「くそっ!比奈のやつ、起こせっての!!」
―――あれ?
待てよ。そういえば何か聞いたような気がする。
俺はせわしなく動きながらも、わずか数行上のやりとりを回想してみる。
……ああ。そういや言ってたな。
「はあ……間に合うかなぁ」
絶望的な期待を込めて、俺は制服の袖に腕を通した。

783 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/05 16:21:48 ID:+Xb4ZXZv
「なんだ、余裕じゃないか」
校門をくぐり、備え付けの時計を見上げ、俺は呼吸を整えた。
本気で走ったら案外早く着いてしまった。さすが俺だ。元テニス部なだけある。
緩やかなスロープをのぼっていくと、ふと視界に嫌なものが入った。
「……朝練か」
見ると、テニス部の連中がコンクリートの壁に打ち込みの練習をしているところだった。
その中に見慣れた後ろ姿があるのを見つけ、俺はゆっくりと近づいていく。
「よう、比奈。朝から元気ですねぇ」
「ひゃうっ!?」
突然、背後から声をかけられた制服の女の子―――比奈は、慌ててボールを打ち損なった。
ふたりのすぐ横を通過して、ボールはスロープを転がっていく。
「あ!あああっ!!」
それを比奈は呆然と眺め、がっくりと肩を落とした。
「お兄ちゃん……?」
「ははは。愉快、愉快」
そのまま背中を向けて立ち去ろうとすると、がしっと手を掴まれた。
「拾ってきて」
「嫌だ」
……ゴゴゴゴゴ、と擬音が聞こえてきそうな雰囲気に変わっていく。
ところが。比奈は本気で怒っているつもりだろうけど、まったく怖くない。
そもそも比奈は校内で1、2を争うほど可愛いのだ。ぷくっと頬を膨らませても、むしろ可愛い。
「……お兄ちゃん、もう一回言うね?……拾ってきて?」
「もう一回言うぞ、比奈。……い、や、だ」
周囲が後ずさりを始めた、瞬間。

784 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/05 16:23:28 ID:+Xb4ZXZv
「―――コラ!比奈さん、朝練はジャージに着替えてやりなさいって言ったでしょ!?」
げ。
「は、はいっ!すみません、先輩……」
向こうから一人の女生徒が歩いてくる。そいつは俺の顔を見て、にんまりと笑みを浮かべた。
「あらあら、真司君。ついに我がテニス部に戻ってくれる気になったのね?」
「アホ」
現テニス部部長で、同級生でもある女子を睨む。
「俺は戻らないって言ってるだろ」
……そう。昔、俺はテニス部に入っていた。
しかしある試合でケガをしてしまい、そのまま退部した。
そのケガは今も俺の右腕を呪っているからだ。
「……そうよね。テニスできる腕じゃないもんね」
「そういうこと。じゃあな。そろそろチャイム鳴るぞ?あと、比奈」
「は、はいっ!?」
「……朝練はジャージですること。じゃないと白いものが見え隠れして非常にいい」
きょとんとした比奈はまず下を見て、それからじわじわと顔を赤くした。
ワケの分からないセリフを吐いた俺は背中を向ける。
「おっ、お兄ちゃん!?それは早く言ってよぅ!」
「もうひとつ」
元テニス部のエースとしてではなく、兄として言う。
「今度から、朝は無理矢理にでも起こしてくれ。お前が困りそうだしな」
「あ……う、うん」

785 :海中時計 ◆xRzLN.WsAA :05/03/05 16:25:26 ID:+Xb4ZXZv
大方、俺のせいで朝練に遅れ、制服のまま練習をしていたのだろう。
やれやれ。俺はため息をもらしながら下駄箱を開けた。
―――さあ、一日が始まる。



=====
_| ̄|○ このスレの役立たず、海中時計です。
何を発狂したか、これからテニス部の妹SSを書くつもりのようです。
すみませんが、また俺のくだらないSSに付き合っていただけると幸いです。

786 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/05 16:35:35 ID:xWjP97C2
テニスだー!!
壁打ちキボン(謎)。
軟式かな、硬式かな・・・・ワクワク。

787 :前スレ921→すばる ◆9tSxotve.o :05/03/05 21:40:24 ID:VGSl8MND
とりあえずコテ&トリ付けました。
以後これでお願いします。

海中さん、乙ですー。おもしろかったです!

たゆんさん(で、いいのかな?)、乙ですー。
あれってサイトチェンジっていうんですか?知らなかったです…難しいですよね…
次回作も楽しみにしてますよ(゚∀゚)

788 :雨音は紫音の調べ ◆cXtmHcvU.. :05/03/06 02:03:18 ID:CFfydd51
>>たゆんさん
ここでは馴れ馴れしく「ちゃん」つけない方がいいですよね?
SS乙です〜! 
語尾にアル…イイですねぇ… (≧∇≦)b

>>海中時計さん
テニスっ娘萌えまくりです! Σd(>ヮ<)
白いものが見え隠れ…… (*´Д`)ハァハァ

>>すばるさん
コテ&トリおめでとうございます!

789 :コンズ :05/03/06 02:49:07 ID:mEFyJ9vS
たゆん様、海中時計様、乙です!!やっぱりココわイイっ(・∀・)

790 ::生命を貫く鉄の槍 :05/03/06 03:37:23 ID:VMtaWsII
 カチャリ、カチャリ――。
 暗い洞窟に音が響く。 僕は唯一の明かりのアルコールランプを頼りに、「武器」を組み立ていた。
 これは僕らを守る槍。
 同時に、僕らがここに居なければならない理由を作った槍。
 ――僕と、あの子の両親を貫いた槍。
「おにいちゃん・・・・・」
 奥から声。
「まだ、起きてたの?」
「うん。 手入れをしないと、すぐに壊れちゃうんだ」
 そういって僕は彼女に黒い槍を見せる―――拳銃という名の槍を。
「早く寝ないと、明日も大変だよ?」
「うん、分かってる。 もう寝るよ」
「じゃあ、一緒に寝よう?」
「うん」
 簡単なベッド・・・拾った毛布を敷いただけのそれ。
 二人で並んで横になる。
「寒くない?」
「うん。 おにいちゃんにくっつけば大丈夫」
「そっか。 じゃ、おやすみ」
 アルコールランプの灯りを消す。
「うん、おやすみおにいちゃん。 明日も・・・よろしくね?」
「うん」
 僕は目を閉じた。
 明日も続く戦いに備えて。

 僕はただ、この子を守りたかった。


791 ::ただ殺意を乗せたその音 :05/03/06 03:38:37 ID:VMtaWsII
 タタタッ、タタンッ。
 嫌になるくらい軽快な音。
 だがその音一つ一つに禍々しい程の狂気が詰まっているのを、僕は知っていた。
 タタタタタンッ。
 絶え間なく続く音の絶え間を見計らい、僕は飛び出す。
 タンッ、タンッ、タンッ。
 音を、今度は僕が発する。
 三つのうち一つが、その狂気の牙をむいて男に飛び掛ったようだ。
 あと、三人。
 僕は左の腰に下げたパイナップルを手に取った。
 安全ピンを抜いて、投げる。
 そして、炸裂。
 二人の男がソレに飲まれたようだ。
 あと、一人。
 僕は周囲を見渡した。
 先程の爆発を逃れて・・・・彼は何処に?
 慎重に身を乗り出す――瞬間、後ろに物音。
 男が僕の後ろに飛び出して来た。
 だが・・・・。
「な・・・・子供?!」
 男は引き金を引くのを躊躇ってしまった。
 僕は、左手の引き金を引いた。
 タンッ。
 嫌になるくらい軽快な音。
「おじさん、ここには子供なんていないよ。 ここにいるのは、生き残る人と死ぬ人だけだよ」
 もう応えることなどないソレに、僕はつぶやいた。

 僕は生き残る。 ただ、彼女を守るために。

792 ::11年の命、戦場を駆けて :05/03/06 03:40:16 ID:VMtaWsII
 戦場は旧市街地を離れ、原野の方に広がっていった。
 遮蔽物の少ない原野。
 当然標的になる確率は高くなる。
 でも、僕は戦っていた。
 あの子と生きていくために。
「コージさん、今日の分、下さい」
「ん、お疲れさん。 ほら」
 食べ物の入った袋を受け取る。
「ありがとうございます。 それじゃ、また」
 早く帰ろう。 あの子が待ってるから。

「コージ・・・あの子・・・」
「ん、まだ11だそうだ」
「11・・・・生きていくためとはいえ・・・あんな子供が戦場に、ね・・・・」

 幾度もの爆破を繰り返され、道は荒れ果てている。
 そんな道を、転ぶ限界の速さで駆けていく。
 今日の食料にはあの子の好きなリンゴが入ってる。
 僕は早くあの子が喜ぶ顔が見たかった。
「おにいちゃん、おかえりなさい!」
 あの子が迎えてくれた。
 どうやら洞窟の外で僕を待っててくれたらしい。
「ただいま」
 この子の笑顔を見て、僕はやっと戦場から帰って来られる。
 僕だって、本当は怖い。
 僕や、この子の家族を殺した、こんな武器は憎い。
 でも、僕はこの子の笑顔のためなら、どんなつらいことも我慢出来た。

 僕は、誰のためでもなくこの子のために死ぬんだろうと思っていた。

793 ::少年の存在意義 :05/03/06 03:41:50 ID:VMtaWsII
「ほら、リンゴだよ」
「わぁ・・・リンゴだぁ」
 満面の笑顔になる。
 ああ、それだけで僕は救われる。
 血で汚れたこの手にも、何の悔いも浮かばなくなる。
「食べていいの?」
「もちろん」
「ありがとう、おにいちゃん!」
 僕は、この子に救われている。
 この子がいるから、僕は生きている。
 ただ、この子が望むように・・・・。
「あむ・・・おいしいよ」
「うん、そっか」
 おいしそうに、リンゴをかじる。
「おにいちゃんは食べないの?」
「うん、全部食べていいよ」
「わぁ、ありがとう」
 頭を撫でると、くすぐったそうに目を細めた。
「おにいちゃん・・・やっぱりおにいちゃんも食べよ?」
「うん? 僕のことは気にしなくていいよ」
「でも、はんぶんこがいいよ」
「・・・そうかい?」
「うんっ。 おにいちゃんと一緒の方が、きっともっとおいしいもん」
「じゃあ・・僕も一口」
 爽やかな甘味が僕に広がる。
「うん・・・おいしいね」
「うん! おにいちゃんと一緒だもん!」

 この子のために・・・・そう、僕はこの子のために、ここに存在しているんだ。

794 ::二人、戦場に生き抜いて :05/03/06 03:43:16 ID:VMtaWsII
「おにいちゃん・・・」
「ん?」
「明日も・・・よろしくね?」
「うん」
「明日も・・・おにいちゃんでいてね・・・・?」
「うん」
「ずっとずっと・・おにいちゃんでいてね?」
「うん」
「おにいちゃんは・・・・おいてっちゃやだよ?」
「うん・・・・僕は置いてかない」
「おにいちゃんだけ・・・・おかあさんたちのところに行っちゃ・・・やだよ?」
「うん・・・・僕は、死なないよ」
「おにいちゃん・・・・」
「うん・・・・おやすみ」

 僕はただ、この子を守りたかった。
 戦場の中、残された僕ら。
 お互い一人。 でも今は二人。
 僕は生き残る。 ただ、彼女を守るために。
 でも、その時が来れば―――。
 僕は、誰のためでもなくこの子のために死ぬんだろうと思っていた。
 だって僕は、もう死んでいてもいい存在だったから。
 この子が僕に生きる意味を与えてくれたんだ。
 この子のために・・・・そう、僕はこの子のために、ここに存在しているんだ。
 僕は生きる。 この戦場を、この子と供に。

795 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/06 03:49:00 ID:VMtaWsII
ときどき不意に真面目なのを書きたくなる。
それが台本屋クォリティ。
「お兄ちゃん(またはそれに類する語)」で、
どれだけ普通じゃない兄妹モノを書けるかチャレンジしてみますた。
ちなみに外国ですよ。 言わなくても分かるか。
戦場の二人  >>790-794
呼ばれるのは何でもよかった。 今も反省はしていない。
なんか某スレ以外でHN呼ばれるの、妙な気分・・・。

796 :中華:第二話 1 :05/03/06 05:32:32 ID:VMtaWsII
 一週間。 僕がこの店に来て、一週間。
 かなりボロかった店内の内装も、かなりしっかりしたものになった。
「明日、店を開けるよ」
「え、明日ですか?」
 結構急だったので驚いた。
「ああそうさ。 アンタの仕事も明日からが本番さね」
「分かりました・・・それじゃ厨房借りていいですか?」
「練習かい?」
「はい。 開店初日に下手なもの出せませんから」
「かっかっかっ。 アンタなら大丈夫さね」
 ・・・なんの根拠があってそんなこと言うんだろう・・・・。
「ま、気の済むようにするがいいさね」
「あ、はい、有り難うございます」

「さて、と」
 僕は受け取ってあったレシピを取り出す。
 別に中華まんを専門に作っていたわけじゃないけど、それでもここの中華まんのレシピは結構変わってると思う。
「え・・・ここで春菊入れ・・シメジ!?」
 ・・・・・本当にこのレシピであってるんだろうか。
 あ、あとは蒸しあがるのを待つだけ・・・・なんだけど。
「ふ、不安だ・・・・」
「お兄ちゃん、何してるアル?」
「わぁ! ら、藍! び、びっくりしたぁ」
「あ、でういんじゅ・・・ゴメンなさい」
 しゅんとする藍。
「あ、や、そんな謝ることじゃないんだ。 僕がぼーっとしてたのが悪いんだし」
 っていうか・・・まだ「お兄ちゃん」耐性がついてないだけなんだけど・・・。

797 :中華:第二話 2 :05/03/06 05:34:15 ID:VMtaWsII
「あ、そのね、試しに作ってみてるんだ」
 蒸し器を指す。
「そうアルか・・・。 ばばさまの中華まんはとてもほうめいよ!」
「ほうめい?」
「おいしアル」
「へ、へぇ・・・」
 でも、シメジ・・・・まぁ食べてみれば分かるか。
「ん、出来たかな」
 蒸し器から取り出していく。
「ん〜、いい匂いアル」
「そうだね・・・・食べてみよう」
 僕は肉まんを一つ取って食べてみた。
「わ・・・・・美味いよ、コレ」
「いくどう、おいしいね? お兄ちゃん、わたしも食べていいアル?」
「ん、いいよ」
「んこぃ・・・・ん〜、はんふく・・・お兄ちゃんのウデも合わさて、とてもおいしいアル」
「ん〜、コレなら売れそうだね」
 すぐにこの町の名物になるんじゃないかな。
「看板娘もいるアル。 売れない方がヘンよ」
「あはは、そーだね」
 ん・・・僕の腕も落ちてないみたいだし、一安心かな。
「よいしょっと」
 片付けなくちゃね。
「あ、わたしも手伝うアル」
「ん、それじゃ頼んじゃおうかな」
「任せるアル!」
 二人で並んでジャブジャブ。
 あ〜・・・なんか本当の兄妹みたいだ・・・・・幸せ。
「お兄ちゃん? なんかぼーとしてるアル。 だいじょぶか?」
「ん!? あ、ああ!! 大丈夫、大丈夫!!」


798 :中華:第二話 3 :05/03/06 05:35:18 ID:VMtaWsII
「よっし、片付け終わり」
「二人なら早いアル」
「うん、助かったよ」
「そ、それじゃあ・・・」
 と、頭を突き出す藍。
「・・・・・藍?」
「なでなで・・・・」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くぅ!! 可愛い!! 可愛すぎる!!
「んんっ、そ、それじゃあ・・・なでなで」
「はう〜・・・・はんふく・・・・・」
 本当に幸せそうに目を細める。
 僕も幸せです、本当に。
「は、はい、お終い」
 名残惜しいけど、いつまでもこうしてる訳にもいかないからね・・・。
「はう・・・・しあわせだたアル」
「そ、それじゃあまたね」
「あ・・・・お兄ちゃん、帰てしまうアル?」
「う、うん・・・・」
「そうアルか・・・・」
 またまたしゅんとする藍。
「あ、明日も来るよ?」
「うん・・・・・」
「そ、それじゃね・・・」
「うん・・・・お兄ちゃん、ちょぃぎん・・・」
 そ、そんな泣きそうな目で見られても・・・・!
「あん? まだ居たのかい」
「あ、ばあさん・・・」
「やれやれ、外見てみな」
「外・・・・? うわ、何この雪!?」
 外は季節外れの大雪模様だった。

799 :中華:第二話 4 :05/03/06 05:36:44 ID:VMtaWsII
「こ、これじゃあ電車も止まってるかも・・・・」
 僕は携帯を取り出して、調べてみた。
「うわ・・・・明日まで復旧は絶望的って・・・・」
「お兄ちゃん・・・・・電車、駄目だたアルか?」
「うん・・・・どうしようかな・・・・」
「・・・お兄ちゃん、それなら泊まてくといいアル」
「え・・・・・と、泊まるって、ドコに?」
「ココ・・・わたしとばばさまのウチにアル」
「え・・・・ええ?!」
「ソレがいいアル、決定アル! お兄ちゃんお一人、ご案内アル!」
「え、ちょ、待って待って!」
「まぁ仕方ないさね。 今日は泊まってきな」
「ば、ばあさんまで・・・!」
「やたアル! お兄ちゃんと明日まで・・・明日も一緒アル!」
 そ、それは・・・一晩同じ家にいるということで・・・・かなり僕の理性がピンチなんですけど・・?!

 こうして僕の一日は・・・・まだまだ続きそうな予感。
 頑張れ、僕の理性! 神奈川浩人の、明日はどっちだ!?



      続くらしい。

800 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/06 05:42:46 ID:VMtaWsII
そしてときどき狂ったように書くのも台本屋クォリティ。
今の僕ならもう一本くらい書けそうなテンション。
書かないけど。 質より量が僕の台本屋モットー。
紅の蒼龍(仮題)第二話 >>796-799
800ゲト。 ゴメンなさい。
みんな! SSは一日一本にしとこうぜ!
健康に悪いから!
まぁ僕は台本なんで多分大丈夫れすけろね。

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0ch BBS 2004-10-30