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[第四弾]妹に言われたいセリフ

796 :中華:第二話 1 :05/03/06 05:32:32 ID:VMtaWsII
 一週間。 僕がこの店に来て、一週間。
 かなりボロかった店内の内装も、かなりしっかりしたものになった。
「明日、店を開けるよ」
「え、明日ですか?」
 結構急だったので驚いた。
「ああそうさ。 アンタの仕事も明日からが本番さね」
「分かりました・・・それじゃ厨房借りていいですか?」
「練習かい?」
「はい。 開店初日に下手なもの出せませんから」
「かっかっかっ。 アンタなら大丈夫さね」
 ・・・なんの根拠があってそんなこと言うんだろう・・・・。
「ま、気の済むようにするがいいさね」
「あ、はい、有り難うございます」

「さて、と」
 僕は受け取ってあったレシピを取り出す。
 別に中華まんを専門に作っていたわけじゃないけど、それでもここの中華まんのレシピは結構変わってると思う。
「え・・・ここで春菊入れ・・シメジ!?」
 ・・・・・本当にこのレシピであってるんだろうか。
 あ、あとは蒸しあがるのを待つだけ・・・・なんだけど。
「ふ、不安だ・・・・」
「お兄ちゃん、何してるアル?」
「わぁ! ら、藍! び、びっくりしたぁ」
「あ、でういんじゅ・・・ゴメンなさい」
 しゅんとする藍。
「あ、や、そんな謝ることじゃないんだ。 僕がぼーっとしてたのが悪いんだし」
 っていうか・・・まだ「お兄ちゃん」耐性がついてないだけなんだけど・・・。

797 :中華:第二話 2 :05/03/06 05:34:15 ID:VMtaWsII
「あ、そのね、試しに作ってみてるんだ」
 蒸し器を指す。
「そうアルか・・・。 ばばさまの中華まんはとてもほうめいよ!」
「ほうめい?」
「おいしアル」
「へ、へぇ・・・」
 でも、シメジ・・・・まぁ食べてみれば分かるか。
「ん、出来たかな」
 蒸し器から取り出していく。
「ん〜、いい匂いアル」
「そうだね・・・・食べてみよう」
 僕は肉まんを一つ取って食べてみた。
「わ・・・・・美味いよ、コレ」
「いくどう、おいしいね? お兄ちゃん、わたしも食べていいアル?」
「ん、いいよ」
「んこぃ・・・・ん〜、はんふく・・・お兄ちゃんのウデも合わさて、とてもおいしいアル」
「ん〜、コレなら売れそうだね」
 すぐにこの町の名物になるんじゃないかな。
「看板娘もいるアル。 売れない方がヘンよ」
「あはは、そーだね」
 ん・・・僕の腕も落ちてないみたいだし、一安心かな。
「よいしょっと」
 片付けなくちゃね。
「あ、わたしも手伝うアル」
「ん、それじゃ頼んじゃおうかな」
「任せるアル!」
 二人で並んでジャブジャブ。
 あ〜・・・なんか本当の兄妹みたいだ・・・・・幸せ。
「お兄ちゃん? なんかぼーとしてるアル。 だいじょぶか?」
「ん!? あ、ああ!! 大丈夫、大丈夫!!」


798 :中華:第二話 3 :05/03/06 05:35:18 ID:VMtaWsII
「よっし、片付け終わり」
「二人なら早いアル」
「うん、助かったよ」
「そ、それじゃあ・・・」
 と、頭を突き出す藍。
「・・・・・藍?」
「なでなで・・・・」
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くぅ!! 可愛い!! 可愛すぎる!!
「んんっ、そ、それじゃあ・・・なでなで」
「はう〜・・・・はんふく・・・・・」
 本当に幸せそうに目を細める。
 僕も幸せです、本当に。
「は、はい、お終い」
 名残惜しいけど、いつまでもこうしてる訳にもいかないからね・・・。
「はう・・・・しあわせだたアル」
「そ、それじゃあまたね」
「あ・・・・お兄ちゃん、帰てしまうアル?」
「う、うん・・・・」
「そうアルか・・・・」
 またまたしゅんとする藍。
「あ、明日も来るよ?」
「うん・・・・・」
「そ、それじゃね・・・」
「うん・・・・お兄ちゃん、ちょぃぎん・・・」
 そ、そんな泣きそうな目で見られても・・・・!
「あん? まだ居たのかい」
「あ、ばあさん・・・」
「やれやれ、外見てみな」
「外・・・・? うわ、何この雪!?」
 外は季節外れの大雪模様だった。

799 :中華:第二話 4 :05/03/06 05:36:44 ID:VMtaWsII
「こ、これじゃあ電車も止まってるかも・・・・」
 僕は携帯を取り出して、調べてみた。
「うわ・・・・明日まで復旧は絶望的って・・・・」
「お兄ちゃん・・・・・電車、駄目だたアルか?」
「うん・・・・どうしようかな・・・・」
「・・・お兄ちゃん、それなら泊まてくといいアル」
「え・・・・・と、泊まるって、ドコに?」
「ココ・・・わたしとばばさまのウチにアル」
「え・・・・ええ?!」
「ソレがいいアル、決定アル! お兄ちゃんお一人、ご案内アル!」
「え、ちょ、待って待って!」
「まぁ仕方ないさね。 今日は泊まってきな」
「ば、ばあさんまで・・・!」
「やたアル! お兄ちゃんと明日まで・・・明日も一緒アル!」
 そ、それは・・・一晩同じ家にいるということで・・・・かなり僕の理性がピンチなんですけど・・?!

 こうして僕の一日は・・・・まだまだ続きそうな予感。
 頑張れ、僕の理性! 神奈川浩人の、明日はどっちだ!?



      続くらしい。

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0ch BBS 2004-10-30