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[第四弾]妹に言われたいセリフ
- 56 :七瀬留美 :05/01/23 04:38:03 ID:/DoSogLq
- 「はいゲーセン到着」
「う・・・わぁ・・・・」
この創造しい・・もとい、騒々しい空間ベクトル。 俺もしばらくぶりだ。
「さてさて雛ちゃん、どーするかね?」
「・・・・え?」
「何からやってみる?」
「え・・・・と・・・・」
きょろきょろ。
「あの・・・・よく、分かんない・・・から・・・兄さんが・・・・するの・・・・」
「ん、そーか。 しかし俺も最近来てないからな・・・・」
どうせなら雛が普段やったことのないのがいいな。
格ゲー、シューティングは却下。 ゲーマー雛はレバー操作もお手の物だからな。
クレーン・・・・いや、ビデオゲームのがいいだろ。
「お・・・・あれなんかどうだ?」
「あれ・・・・ですか・・・?」
指差す先にはレースゲーム。 どこのゲーセンにも一台は置いてある。
さすがに筐体は家にないからな。 少なくとも操作系はパッドと全然違うハズだ。
「よし、決定だ」
「あ・・・は、はい・・・・・」
「んじゃ、初級コース・・・と」
「初級・・・・ですか?」
「ま、流石の雛も初体験ゲームなら初級編だろ」
「大丈夫・・・・ですよぉ・・・・ゲーム・・得意ですから・・・・」
「まま、ここは兄の顔を立てて・・・・・」
「は、はぁ・・・・」
ぴ、ぴ、ぴ、ぴーんっ。
「スタートッ!」
- 57 :八幡宮行け :05/01/23 04:39:44 ID:/DoSogLq
- 「うう・・・えと、アクセル・・・・・コレ、だった?」
「それブレーキ」
「あうっ」
「うわ、また壁に・・・・」
「にゃうっ・・!」
「が、頑張れ雛、ほら、ゴール見えてるっ!」
「は、はい・・・・!」
ぐいーんとハンドルを切る。
・・・・・・・・・・・・。
「雛、アクセル踏んでない」
「あうぅ・・・・・」
のろのろのろ・・・・。
「ご、ごーーーーるっ」
「・・・・・ふやぁ・・」
「ほ、ほら雛、タイム出るぞっ」
「ふえ・・・?」
「タイムは・・・・・・22分さんじゅうなな・・・・」
「ふえ・・・・・う、ぐすっ」
「ひ、雛!? なな何も泣くこと!?」
「わ、私・・・ゲーム、だけは・・・・得意な自身・・・・・あったのにぃ・・・・・」
う、うわ、俺果てしなく選択肢ミスった!?
「ひ、雛っ、誰だって最初はこんなもんだって!」
「ふぇぇ・・・・・」
あ あ あ やばいよこりゃ。
- 58 :クーロンズゲート :05/01/23 04:42:06 ID:/DoSogLq
- 「兄さんに・・・・・ゲーム、一緒に・・して貰えなく・・・なっちゃうぅ・・・」
「へ・・・・?」
「せっかく・・・・兄さんに・・教えてもらったのにぃ・・・・」
ああ・・・そういえば、雛にゲーム教えたの、俺だったな・・・・。
俺の家になかなか馴染めない雛とあそんでやりたくて・・・親父に頼んでゲーム機買って貰って。
あのころは雛も弱かったな・・・すぐに決着ついて・・・・ってそれか。
「はら、雛」
ぽんぽん。
頭を撫でる。
「大丈夫だよ。 雛が下手でも、今日は一緒に遊ぶって約束したろ?」
「あ・・・・うん・・・」
・
・
・
「さぁ雛少佐! 敗因を冷静かつ大胆に推測したまえ!」
「え・・・と、練習不足?」
「正解! れっつプラクティス」
「はいっ・・・・」
「よっこらせ」
「兄さん・・・・?」
「ほれ雛」
俺の太ももをぽんと叩く。
- 59 :ジューダス・・・・!! :05/01/23 04:43:35 ID:/DoSogLq
- 「え・・・・あの・・・」
「車運転ゲーの正しい練習法だ」
「え・・・・あの・・・・その・・・っ。
あ、あれですよね・・・兄さんのを、見てれば・・・いいんですよね?」
「違うって。 ほら」
ぽん。
「う・・・あう・・・・////」
「ほら」
「うう・・・・・・・・・・・・はい・・・」
俺の上に雛が乗っかる。
「ハンドル握れ」
「は・・・はいっ」
「アクセル・ブレーキ・ギアは俺がやるから、雛はまずハンドル操作に慣れな」
「は、はいっ」
ぴ、ぴ、ぴ、ぴーんっ。
「スタートッ!」
「わひゃあ〜〜っ」
「おいおいっ、ハンドル切りすぎ! Uターンしてどーすんの!」
「ごごごめんなさ」
「うわっ、雛足踏んでる! こっちは俺にまかして!」
「すすすいません、ミノフスキー粒子が濃くてっ!」
うわ、相当テンパってるよ。
「ほら雛、こうだよっ」
ハンドルの雛の手に俺の手を重ねる。
「あっ・・・・」
「ほら、そんなに大きく切らなくていいんだよ。 こんぐらいのカーブならこんぐらいで十分」
「は、はいっ・・・・・ボソッ(手、手が・・・・っ)////」
「何か言ったか?」
「い、いえっ・・・何でも・・・ない、よ・・・////」
- 60 :11人、居る! :05/01/23 04:45:33 ID:/DoSogLq
- 結局七時までやってしまった。
「流石はゲーマー雛、最後にゃニューレコード出してたな」
「そ、そんな・・・・まだ初級コース・・・・・だよ・・」
帰り道、そんなことを話ながら帰る。
「俺のレクチャーがいかったからだな〜、なんて」
「うん・・・そうだよ・・・・・兄さん、教えるの・・・上手」
「そ、そうか? ゲーマー雛にそういって貰えれば嬉しいぜ」
「ま、また・・・・教えて・・・ね?」
「そだな。 勉強の合間なら」
「は、はいっ・・・」
おっと着いたか。 親父たちはまだ帰ってないみたいだな。 鍵、鍵・・・っと。
「しかし流石の雛もまだ苦手なジャンルがあったとはね〜」
「私だって・・・・ゲーム全部、やってるわけじゃ・・ないから・・・・」
「雛は免許とらない方がいいかもな」
「な・・・・何それ・・・っ」
「それが日本の交通戦争終結への大きな一歩になると私は確信しております」
「ひ、ひどいよ〜・・・・」
ぽかぽかぽか。
う、うわ、予想外のリアクションだ。 可愛い・・・・。
「わっと」
鍵を落っことす。
「おっとと・・・」
「あ、ごめんなさい、兄さん・・・」
と、丁度同時に拾おうとしたもんだから。
むに。
「ん・・・?」
「はへ・・?」
こう・・・・頬と頬がくっ付いたわけだ。
「あ・・・・」
「あう・・・・・っっ////」
- 61 :こんや、12じ、だれかが、しぬ :05/01/23 04:47:45 ID:/DoSogLq
- ・・・ちなみに鍵に伸ばした手も触れ合ってたりする。
うわ・・・・近くで見ると・・・・・雛、やっぱり可愛いな・・・。
俺がどかないもんだから、雛もなんだかどく機会をはずしたようだ。
手ぇ重ねて、ほっぺくっ付けた二人。 ・・・・・何この状況?
「・・・・・・・に、兄さん・・・?」
「あ、ああ、なんだ雛?」
「やっぱり・・・あそこの大学・・・・・受けるの・・・・?」
「あ? ああ、そのつもりだけど・・・・」
「・・・・・・・」
「雛・・・・・・?」
「やだ・・・な」
「え?」
「兄さんと・・・・・・離れるの・・・・・やだ・・・」
「雛・・・・」
「兄さんが一緒なら・・・・頑張れる・・・今日みたいに、外にも・・・出られる・・・・。
でも、出られたのは・・・兄さんが・・一緒だったから、だもん・・。
一緒じゃなきゃ・・・・・・・まだ怖い・・ううん、多分、ずっと怖い・・・よ」
「・・・・・・」
「兄さんが居れば・・・・私、何でも出来る・・・・よ。
でも・・・いないと・・・・・何にも出来ないよぉ・・・・・」
「ひ・・・な・・・・・」
「兄さん・・・・・」
雛の目には俺が映ってて・・・俺の目にも雛が映ってるんだろう。
- 62 :13階段 :05/01/23 04:49:12 ID:/DoSogLq
- 「兄さん・・・・・・行っちゃ、やだ・・・・・・・何でも、するから・・・私と、一緒に、居て・・・」
「な、何でもって、おい」
「何でも・・・する・・・・・キスとか・・・だって・・・・・」
「・・・・・っっっ!?!?」
「兄さん・・・・」
「ひ、雛・・・・っ!?」
雛が目を閉じる。 うわわわ、どどどうするよ、俺!?
「・・・・・兄さん」
「・・・・・ひ、雛・・・・!?」
おおお落ち着け俺っ! こここれはきっと何かおいしい夢だっ! ゆ、夢? 夢なら何しても・・・・じゃなくてよぉ!!
「・・・・・・・何をしているのかな〜?」
「・・・・・・へ?」
「はえ?」
振り返ると・・・・そこにおわしますは・・・・・・・。
「かかか母さん!?」
「おおお、お帰りなさなさっ・・・」
雛も錯乱中だ。
「ただいま、雛ちゃん。 で、何してたの〜?」
「いい、いや、それより、いつからいたんだ?!」
「何でも、するから・・・私と、一緒に、居て、から」
「うあ、いいいるならとっとと声掛けろよっ!!」
「え〜、何かいい雰囲気だったし〜?」
「語尾を上げるな!」
- 63 :14まつ :05/01/23 04:51:03 ID:/DoSogLq
- 「それにまさか昨日の今日で、妹口説くなんて思いつかなかったし〜?」
「昨日・・・・?」
「か、母さんっ!」
「それよりいいのかな〜? お父さんはまだ車庫入れしてるけど、あの子は見てたわよ〜?」
「あ、あの子・・・・?」
「ア・ニ・キ〜〜〜?」
「うわぁ、お前も居たのかよ!?」
「いたよ! なんだよアニキ、昨日はオレとキスしようとしてたのに!!」
「うわバカ、止めろっ!!」
「え・・・兄さん・・・・? キ、キスって・・・・!?」
「ああいや違うんだ雛! あれはなんてーか、事故で!!」
「わ〜、修羅場っ、修羅場っ♪」
「煽るなっ!!」
「アニキっ!!」
「兄さんっ!!」
「うをっ、はい!!」
「「ばか〜〜っっ!!」」
どぐす、べしっ。
だんだんだん・・・・・二人とも家に入って行く。 ・・・・いつの間に鍵開けたんだ?
- 64 :15の夜 これで終わり :05/01/23 04:52:48 ID:/DoSogLq
- 「うふふ・・・モテモテね〜?」
「くおら母親、煽っといて言うこたぁそれか」
「なーによぉ、二股しようとしたあなたが悪いんでしょお?」
「い、いや、んなこたぁ・・・・って言うか、まず妹にちょっかい出したこと怒れよ、親として!」
いや、どっちかってーとちょっかい出されたんだが、取り敢えず置いといて。
「あらあら、そんなの気にしてたの?」
「普通はするわ!!」
「いいんじゃない? 私たちみんな、血のつながった人は一人もいないんだから」
「・・そうだけど・・・・さ」
「何やってんだ? お、息子よただいま」
「・・・・お帰り、親父」
「奈緒子さん、腹減ったぜぇ」
「はいはい、すぐに支度しますから」
「おう。 お前も早く入れ」
「・・・・・おう」
血はつながってない、か・・・・・・。
「だからこそ、家族の形にこだわりてぇんだよ、俺は・・・・」
俺のつぶやきは、一月の風に消えた・・・・。
- 65 :('A`) 後(悔)書き :05/01/23 05:02:26 ID:/DoSogLq
- あーあ、貼っちゃった。 何か結局前回の反省生かされてないし〜? (奈緒子ママ風)
と、ゆー訳さ。 受験生SSさ。 ゲーマーな妹を書いて見たかったさ。
ゲーマーっぽいこと、殆どしてないわけさ。 ('A`)
かわいくないの書くつもりが、何か半端に可愛くなった訳さ。 ('A`)人('A`)
人其れをキャラの一人歩きと言う。 ヽ('A`)人('A`)人('A`)ゝ
妄想力に文章力が追いつかねぇよ・・・・。
あ、誰かあの二人に名前ください・・・・・。
よし、誰か来る前に逃げるぞ、清次郎。
- 66 :今気付いた・・・・ :05/01/23 05:20:09 ID:/DoSogLq
- >>51
資格→刺客
- 67 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 07:43:11 ID:9FWtvkiA
- 誰もいねえ!逃げられたか!
- 68 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 12:45:23 ID:h9bTEFjV
- 逆に萌えの臭いがプンプン臭ってる気がするぞ
- 69 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 13:42:55 ID:/DoSogLq
- Σ('A`)
- 70 :前スレ921 :05/01/23 13:56:45 ID:ejD7RePL
- >>50-64
誰も居ないと見せかけて実は途中までリアルタイムで萌えてた('A`)
- 71 :Σ('A`) :05/01/23 14:11:56 ID:/DoSogLq
- まぢかよ!?
じゃ、名前ちょーだい。
- 72 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/23 20:19:15 ID:0r8vxw5J
- 「……」
俺は黙って、キッチンに入る。
未来は何食わぬ顔で料理中。
「あの……未来……?」
警戒しながら、俺は未来に声をかける。
「あっ、に、兄さん!?おはようございます!!」
「あ、ああ……」
俺が未来に何を話そうか躊躇っていると……
トントン。
何者かに肩を叩かれる。
「えっ!?」
俺が振り向くとそこに立っていたのは……
「よっ。わが息子」
母さんだった。
……って、何でだよ!?
「全くもう……未来とアタシの区別がつかないなんて。情けないよ?」
まさか……裏未来って、母さんだったのか?……騙されたぁ!?
「コンタクト付けてなかったから分かんなかったんだよ!!……っていうか何しに来たんだよ!!」
「あらら、忘れないでよ。ここはアタシの家なのよ?」
「じゃあ、連絡くらいよこせよ!!」
「ちゃんと連絡したわよ。未来に」
「ホントか?未来?」
「は、はい……でも、内緒にしてほしいって言われてて……」
「それじゃ、意味ねぇだろ!!」
「まぁ、そうカッカするなって、お若いの。朝ごはん食べたら出てくから」
「早いな。もっとゆっくりしてけばいいのに」
「そういうワケにもいかないのよ。あの人も何だかんだ言って寂しがりだからね」
母さんもやっぱり父さんの事心配してるんだなぁ……。ちょっと見直したぞ……。
「それにしても、今日は傑作だったわ。ちょっと驚かしてやろうと思っただけなのにねぇ?」
前言撤回。全く、この大人は……。
- 73 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/23 20:20:15 ID:0r8vxw5J
- 「だから、しょうがないんだって!!」
「未来ー、注意しないとダメよー?そのうち、この子に襲われるわよー?」
「おっ、おそわれるっ!?」
「そうそう。襲われるの。気をつけなさいねー?」
「俺を変態みたいに言うなぁ!!」
「えー?普通、妹におはようのキスを要求するぅ?アタシの若いころだって、そんなことしなかったわよー?」
「冗談のつもりだったんだよ!!」
「あの……兄さん、本当にそういうことよく言いますから……」
「ねぇ、アンタ、シスコンなの?」
うわ、視線冷たっ!!見下すなよ!!
「……」
でも、何も言えない……。いや、自分では違うと思ってるんだけど、反論する術がない……。情けな……。
「ま、シスコンでも、ロリコンでも別にいいんだけどね、アタシとしては。でも、ムリヤリはダメよー?」
「お前、もう飯食って帰れ!!」
「はいはい。未来、ご飯出来たー?」
「はい。出来ましたよ。今、仕度しますね」
「よし、食べよー。未来の料理なんて久しぶりだー」
「そういえば、母さんが料理してるのって、そんなに見たことねぇ……」
「そりゃそうよ。そんなに作らないもの」
「不良め……」
「しょうがないでしょ!!アタシは仕事が忙しいの!!」
「はいはい……」
「あの、ご飯食べられますよ……?」
「うぇーい!」
───────────────────────
「帰ったな……」
「帰りましたね」
嵐が去ったように母親は消え、我が家には静けさが戻った。
「一体、何しに来たんだ……?」
「あはは……そういえば兄さんには何も言ってませんでしたね」
「そうだよ!何なんだよ、あの若作りっ!!」
「若作り……?」
- 74 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/23 20:21:23 ID:0r8vxw5J
- 「何だよ、年甲斐もなく妙な事しやがって!!未来の真似して、頬にキスして、甘えるフリして……」
もう三十路も後半なのに……。
そう考えると、わが母親ながら、恐ろしい……。
「……ちょっと、気分悪くなってきたよ……」
「あはは……気分転換に、コーヒーでも飲みますか?」
「ああ、貰おうかな」
「はい」
未来がパタパタとキッチンに歩いていく。
「でも……お母さん、兄さんのこと心配してましたよ?」
「俺を?」
「はい。色々聞かれましたよ。ご飯は食べてるのか。とか、成績はどんな感じ。とか……」
「へぇ……」
「口ではあんな事言ってても、心配してるんですよ、お母さんも」
「そうかねぇ……」
「きっとそうですよ。……はい、お待たせしました」
俺と自分の分のコーヒーをテーブルに置いて、俺の隣に座る。
「しかし……ホントに母さんだったのかなぁ……」
「えっ?ど、どういうことですか?」
「いや……言ってる事ややってる事はともかく、雰囲気とかは、完全に未来だったんだけどなぁ……」
「ま、まさか……私じゃないですよ!!」
「うん。知ってるよ。すごい演技力だなって思っただけ」
「あ、あはは……そ、そうですよね!!」
「つーか、いくらコンタクトをつけて無かったとはいえ、裸眼でもそんなに悪くないと思うんだけどなぁ……」
「えっと……そう!目、悪くなってるんじゃないですか?ちょっと検査してきたらどうですか?」
「うーん……そうするか……」
変な未来ちゃんだなぁ……。
- 75 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/23 20:33:10 ID:0r8vxw5J
- センターの判定で第一志望C判定。推薦入試制度の有難みを知る遊星(ryです。
ま、このラストは、それぞれの解釈におまかせってことで、各自脳内補完してくださいな。
>>27-34
なるほど……一人称「オレ」も有りか……。(現在、かなりネタに飢えてます)
>>41-44
こういうの好きかも。続きが気になる……。
>>50-64
かわぇぇ……。こういう娘がオレにも書けたらなぁ……。
……感想が適当でスマヌ。
- 76 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 20:49:59 ID:8tPHDkmA
- >>75
毎度毎度GJ!
ところでものすごく失礼なこと聞くけど、ひょっとして遊星さんってYがつく国立大志望?
知り合いにちょっと心当たりある人がいるんだけど…まさか、ね
- 77 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/23 21:06:15 ID:0r8vxw5J
- >>76
うむ……Yはついているが、頭文字ではないねぇ……って、コレで結構、数絞れるな……。
つーか……バレンタインまで日がねぇ!!今年、三年目でネタがねぇ!!
- 78 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 21:12:30 ID:9FWtvkiA
- バレンタインは未来ちゃんキボン。
- 79 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 21:28:38 ID:ISLVqAR0
- >>77
あ、イニシャルじゃないんですか。ならこっちの勘違いですね、失礼しました。
- 80 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 21:52:27 ID:/DoSogLq
- 乙可憐様々ですっす。
推薦で受かった知人は、まともに受けてたらセンターで足切りされてたそーです。
絶対に講義についてけないよ、彼・・・・。
- 81 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/23 22:05:37 ID:/DoSogLq
- ところでこのスレ、ROM含めると何人くらいいるんだろ。
- 82 :前スレ931 :05/01/23 22:23:58 ID:mgiqgIjP
- 皆さんマジ乙ですー!
にしても遊星さん書くの速いですねぇ〜。スゴいです。
しかもイイ!流石ですわ。
- 83 :Σ('A`) :05/01/23 23:20:28 ID:/DoSogLq
- 何!? 早さなら負けないぜ! 安かろう悪かろう精神はおれの得意分野だぜ!
まぁ流石に3日連続で貼ろうなんて考えちゃいないけどにゃ!
- 84 :('A`) :05/01/24 02:25:16 ID:1muglDcX
- 誰もいないけど、今日は貼ラネ。 お休みかきこ。
- 85 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 08:40:55 ID:7vQi6O1C
- >>77
TOKYO大学
KYOTO大学
俺とはレベルが違いすぎる……〇| ̄|_
- 86 :('A`) :05/01/24 11:26:48 ID:1muglDcX
- YOYOGIアニメーション学院という可能性も・・・・・ないか。
- 87 :第三話:受験生、看病する・前編 :05/01/24 11:35:32 ID:1muglDcX
- 「息子! おはよう!」
朝っぱらからでかい声だな・・・・。
「おはよう、ってか名前で呼べや」
「ははは、大人の事情だ」
なんのこっちゃ。
「飯なら出来てる。 食え」
「はいはい・・・・。 ん、親父が作ったのか?」
「おうさ。 奈緒子さん、早番でな」
「そうか・・・・男の料理って感じだな」
「うわっはっはっは。 二人を頼むぞ」
「行くのか」
「ああ、俺も朝出勤だ」
「いってら」
「いってき」
・
・
・
時刻は7時半過ぎ。 あいつらを起こすにはいい時間だ。
よし、まずはアイツから・・・と思った矢先。
「ふあ・・・アニキ、おはつ・・・・」
向こうから来た。
「おはつ?」
「・・・間違えた・・・・おはよ」
- 88 :調子に乗って、書いてみた :05/01/24 11:36:38 ID:1muglDcX
- 「よう、今日は早いな」
「そでも・・・・ない」
「そうか?」
「うん」
「飯なら出来てるぞ」
「うん・・・・・うわ、お父さん作った?」
「ああ」
「うう・・・・ピーマンやだって言ってるのに・・・」
「大きく成れんぞ」
「ピーマンばっかこんなに食ってどーすんのさ・・・」
まぁ言いたいことは分かる。 親父はピーマンふぇちらしく、一品はピーマンスペシャルなおかずを作る。
ご飯は残さない主義のこいつには、かなりの試練だ。 ・・・・がんばれ。
「雛は?」
「今日はアニキの当番でしょ」
「そうだな」
朝早く雛を起こすのは時を繋ぎ止めるより難しい。 それに一日交代で挑む俺らはまさに現代のドン・キホーテ。
「んじゃ、起こしてくる」
「・・・・・うん」
- 89 :半分日記状態・・・ :05/01/24 11:37:44 ID:1muglDcX
- こんこん。
一応ノック。
「返事無し。 突入だな」
「・・・・・・」
「ところでなぜついて来てるのかね、フォールスタフ君」
「ふぉーるすたふ?」
「そっちに反応すんな。 先に飯食ってろよ」
「だって・・・・心配じゃん」
「何がよ」
「・・・・・アニキのことだから、目覚めのキス・・・・とか」
「はぁ?! お前熱でもあんのか?」
「だ、だって、アニキ、昨日だって・・・・!」
「あ、ありゃ事故事故!」
「事故って・・・・・この前オレとしそうになったのも・・・・?」
「あ、当たり前だ! 妹とキスする阿呆が何処にいる!」
「・・・・むっ・・」
あ、何か怒ってる。
「なんだよっ、最後はアニキの方から・・・・」
「うわー、なな何言ってんだ!」
こ、この娘はナニをのたまわれますかっ! ・・・・・・いや、事実なんだけどよ。
「にい・・・・さん・・・?」
「ん・・・?」
「あれ? 何か・・・聞こえた?」
「雛の・・・・声?」
「まっさか〜? 雛ちゃんがこんな時間に一人で起きてるわけ・・」
「兄さん・・・・たちでしょ・・・? 二人とも・・・そんなとこ、で・・・どしたの?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
- 90 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 11:37:55 ID:9PnOAbP1
- 支援
- 91 :(´▽`;) :05/01/24 11:39:33 ID:1muglDcX
- ばんっ!
「ひ、雛っ! どどどーしたんだ、こんな時間に起きて!」
「そ、そうだよっ、具合でも悪いのっ!?」
二人で雛の部屋に雪崩れ込む。
「・・・・?」
きょとん、とした顔の雛。
「な・・に? どうした・・の?」
「そ、それはこっちの台詞だ!」
「どーしたのっ?! なんか悪いものでも食べた!?」
「あはは・・・そんなこと・・・ないにょ・・?」
「・・・・にょ?」
「うん・・・雛、げんきげんき・・・だお?」
「だ、だお?」
「あははー、兄さんたち・・・なんで飛んでるのー・・・?」
「はっ!?」
「なんだなんだぁ!? 雛、電波受信したのか!?」
「な、何バカなこと言ってんだよ!? しっかりしてアニキ!」
「う、うむ! Be cool! 俺!」
おちつ、落ち着け俺。 雛・・・確かに本物の雛・・・だよな?
「まさか、裏雛・・・・・?」
「は?」
「あ、いや、何でもない」
- 92 :こんな時間に一体何を・・・(お互い様) :05/01/24 11:41:09 ID:1muglDcX
- 取り敢えず・・・手を雛のデコに・・・。
「うわっ、すげー熱! ひ、雛、大丈夫かよ!?」
「ええっ!? 雛ちゃん熱有るの!?」
「ああ、すっげー熱だ! 雛、大丈夫か!? しっかりしろ!」
顔が真っ赤だ。 視線も虚ろにに俺を見てる。
「えへへ・・・・兄さんに、おでこ・・・触られちゃった・・・・」
「うわ、また熱が・・・っ!」
「どどどどうしようどうしよう!? ひひ雛ちゃんが熱っ、熱をっ! 救急車呼ばなきゃ!」
「お前も落ち着け! 熱出したくらいで救急車がくるかっ!」
「で、で、でも〜! 雛、雛ちゃんが、雛ちゃんが〜!」
「落ち着けっ!!!!」
「っ!」
「・・・・どうだ、落ち着いたか」
「う、うん・・・でも、どうするの?」
「俺が病院連れてくよ」
「えっ!? でもアニキ・・・」
「学校はいいよ。 どうせ演習だから、一人でも出来る」
「オレは、どーすればいいの?」
「学校行け」
「えっ!? でも」
「いいから。 自分のせいでお前まで学校休んだって、あとで雛が知ったら・・・・」
「・・・うん、自分責めちゃうね・・・・・・分かったよ」
- 93 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 11:41:59 ID:9PnOAbP1
- リアルタイム支援
- 94 :名前無いと書きづらい・・・ :05/01/24 11:42:18 ID:1muglDcX
- 「悪いな」
「ううん」
「あ〜ん、兄さ〜ん・・・雛とも、お話してぇ・・・・」
「あ〜はいはい。 そうだ雛、おんぶしてやろうか?」
「えっ・・・ほんと〜?」
「おうさ。 ほら、上着着て」
「うん・・・・・んしょ」
「ほら」
「・・・・雛、重いかも・・・・・」
「そんなことねーって。 ほらよっと」
ちょいと勢いつけて立ち上がる。
「よし、このまま病院行く」
「こんな時間に・・・?」
「鉄んとこなら見てくれるだろ」
「ん、そうだね・・・・て、オレももう出なきゃ」
「お、そんなに時間経っちまってたのか・・・」
- 95 :('A`) リアルタイム・・・・ :05/01/24 11:43:33 ID:1muglDcX
- 「うん、鍵は閉めたよ」
「おう、さんきゅ」
「財布とか、持ったよね?」
「ああ」
「じゃ、行こう」
「おう」
と、歩き出す。
「えへへ〜・・・・・兄さんの背中〜・・・♪」
「わ、こら、そんなにくっ付いたら歩き辛いって」
「む・・・・」
そ、そんな目で見るなよ・・・・。
「兄さん・・だいすきー」
「うわっ・・・・」
み、耳元でそんなこと言うなって!
「むうううっ・・・・・!」
お、お前も何故そんな睨むよ!?
そんなこんなで、俺の目的地に到着。
な、なんか疲れたぞ・・・・。
「じゃ、またな」
「うん・・・・帰りになんか買ってくる? 林檎とか、蜜柑とか・・・」
「親父に話せばキロ単位で買ってくるだろーからいらん」
「ん・・・分かった。 雛ちゃん、早く元気になってね」
「あははー・・・・・がんばるー」
分かってないだろーな・・・。
- 96 :有り難いんだが、ついに貼り逃げ失敗か・・・ :05/01/24 11:44:39 ID:1muglDcX
- 「お願いしまーす・・・・」
ドアを開けながら言う。 と、出てくる人影。
「すいませんが、まだ診察は・・・・あれ? 先輩?」
「よ、鉄。 ちょいと特別扱いしてくれ」
「どうしたんですか・・・って雛ちゃん?」
「あは〜・・鬼が原さん、こんにちは〜」
「い、いや鬼瓦だけど・・」
「熱出してこんな感じなんだ。 親父さんに頼んでくんねーかな?」
「あ、はい、いいですよ」
「わりぃな」
と、鉄が奥に引っ込む。
「早く治して貰おうな?」
「にゃは〜」
・
・
・
「で、どうですか?」
「ただの風邪だな」
「風邪、ですか・・・良かった。 酷い病気じゃないんですね?」
「いや、それがな」
「え?」
「雛ちゃん、肺炎を起こしかけてたぞ」
「え、え〜!?」
「ま、幸いそんなことにはならなかったわけだが」
「ひ、雛が肺炎・・・・」
体は強い方じゃなかったけど・・・・肺炎って・・。
- 97 :逃がさねえ! :05/01/24 11:46:07 ID:9PnOAbP1
- さらに期待支援
- 98 :清次郎、仕度しとけ、逃げる仕度 :05/01/24 11:46:55 ID:1muglDcX
- 「ほい雛、解熱剤」
「お薬・・・? にがにが・・・・?」
「大丈夫。 鉄んとこのは苦くないって、知ってるだろ?」
「ん・・・なら飲みゅ・・・・」
んくんく・・・・。
「・・・おいしくない」
「それは勘弁してくれ」
「ふや・・・ねむねむ・・・・」
「ん、そうか。 じゃ、寝な」
「ん・・・兄さん?」
「ん?」
「一緒に・・・寝る・・」
「はいはい」
「一緒の・・・・お布団・・」
「う゛・・・」
そうですか。 そうきますか。
「一緒・・・だめ?」
な、涙目でゆーなぁ!
「わ、分かった・・・・」
「わぁい・・・・・」
何か・・・子供っぽいな。 雛は昔から大人しかったからな・・・。 こういう一面も隠れてた、ってことかな
- 99 :清次郎捕獲 :05/01/24 11:48:14 ID:9PnOAbP1
- 支援完了
- 100 :後編に続け! :05/01/24 11:48:48 ID:1muglDcX
- 「やっぱり裏雛・・・」
「ふえ・・・・?」
「あ、いや、何でも」
「えへへ・・・・兄さんと一緒に・・寝てみたかったの〜・・・」
「そっか」
「明日も・・・・・一緒に・・・寝よう・・・・ね・・?」
ぎゅう。
「あ、あはは・・・・明日も、ね・・・・」
・・・・・明日もデスカー?
「うん・・・・明日も・・一緒・・・ずっと・・・いっ・・・・しょ・・・・・」
すぅ・・・すぅ・・・・。
やがて声は寝息へと変わっていった。
「ずっと、一緒・・・・・か」
『兄さん・・・・・・行っちゃ、やだ・・・・・・・何でも、するから・・・私と、一緒に、居て・・・』
・・・・・。
でもさ、雛。
俺たちも・・・やっぱりいつかは・・・・・・・・。 いつかは・・・・・・・・。
- 101 :('A`) うしろ餓鬼 :05/01/24 11:54:17 ID:1muglDcX
- 支援攻撃はダメージ倍増。
今日病院行ってきたんで何となく思いついて書いてみますた。
まぁ・・・・後編は萌えるかもしれないじゃないですか!
明日へ希望をつなげ! がんがれ自分!
大器晩成! 大器晩成じゃ〜!
「それってつまり、今は未熟だってことですよね?」
そのとうりじゃ〜!
- 102 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 11:57:02 ID:9PnOAbP1
- GJ!
- 103 :('A`) :05/01/24 12:20:48 ID:1muglDcX
- しつこいですが、誰か名前下さい。 おれが付けると・・・・ほらね?
→名前を入れて下さい
苗字 :高橋 たかはし
受験生兄 :
強がりオレ妹 :
ゲーマーインドア妹 :雛 ひな
謎の母親 :奈緒子 なおこ
謎の父親 :
高橋雛・・・・センスナーイ!
- 104 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 13:21:05 ID:9PnOAbP1
- 受験生兄 昌宏 まさひろ
強がりオレ妹 馨 かおる
ゲーマーインドア妹 雛
ひな謎の母親:奈緒子 なおこ
謎の父親 孝司 こうじ
なんて。
- 105 :ありがて〜 :05/01/24 16:08:50 ID:1muglDcX
- ほうほう・・・・。 (´▽`)
今みずいろの新しい日和さんクリアしたけど、
離れたくない、一緒にゲーム、風邪(あっちは仮病だけど)・・・とか。
おれってひょっとして予知能力者か?
- 106 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/24 21:42:21 ID:JH4mMRLa
- 日和すか。その日和は“お兄ちゃん”て呼ぶんですよね。
日和、かわいいよ日和
- 107 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/25 00:16:48 ID:LBCNAKog
- GJ!!
遂に捕まってしましたな
- 108 :('A`) :05/01/25 00:57:05 ID:IFgVc6no
- 捕まるとか捕まらないとか、なんのスレだ、って話。 w
今日中に後編書こうかとも思ったけど起きたらメガネないし・・・。 メガネメガネ!
書けナーイ。 みずいろつづき出来ナーイ。
そして「まさひろ」知り合いに似た名前〜。
明日からがんがるよ、明日から。
- 109 :こっちにはまだ張ってないから貼るよ :05/01/25 02:51:53 ID:IFgVc6no
- いっちゃうよ・・・お兄ちゃん・・・
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1077037305/l50
竜之介さんとともえさんのお話が読みたい方はこちら。
まぁ何も言わず、クリックしてみそ。
- 110 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/25 03:23:43 ID:l9Qn/gZB
- >>109
あ、前スレでも貼られていた場所ですね。GJです!
- 111 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/25 20:29:56 ID:kcmLfbpt
- このスレ激しくGJ!
- 112 :第四話:受験生、看病する・後編 :05/01/26 00:26:07 ID:n91dOKVc
- なんだかあたたかいです。 目が覚めました。
今・・・・何時でしょう? 外は暗いです。 寝起きで頭がはっきりしません。
学校・・・今日は平日のはずです。 学校はどうなったのでしょうか。
いつもは兄さんか、馨ちゃんが起こしてくれます。 今日は起こしてくれなかったのでしょうか?
自慢になりませんが、私は寝起きがとても悪いです。 ま、まさか見捨てられたのでしょうか?
い、いえ、あの優しい兄さんがそんなことをする筈がありません。 馨ちゃんだって、たまに喧嘩もしますがとても仲の良い姉妹です。
では、どうして私はこんなに暗くなるまで寝ていたのでしょうか?
たとえば、彗星が衝突し、粉塵が巻き上げられ、地表に太陽光が届かなくなったとか。 大変です、天地戦争が始まってしまいます。
・・・・・まだ頭が動かないようです。 第一、それじゃあ私が起こされなかった理由になりません。
そんな危機的状況なら、なおさら起こしてくれるでしょう。
というか、いい加減布団から出ましょう。 下に行けば、誰か居るかもしません。
そこで私はやっと、なにかあたたかいものの存在を思い出しました。 コレは何でしょう・・・?
あたたかかったからでしょうか、私の態勢はソレにしがみつくような格好です。
大きいですね。 抱き枕でしょうか。 しかし、私の所持品にそのようなものは無かった筈です。
何かこう・・・・やわらかいようで、硬いようで・・・・そしてあたたかくて・・動い・・・・てる?
そこでやっと私は気付きました。 コレは人間であると。
人間・・・・私と一緒に寝る人間・・・・・馨ちゃんでしょうか? 最近はあまり一緒に寝なくなりました。 少々寂しいというのは、馨ちゃんには内緒です。
久しぶりに来たのでしょうか。 ・・・・いえ、違います。 馨ちゃんはこんなに大きくありません。
お母さんでも・・・無いですね。 お父さんは、恥ずかしがって、私と一緒に寝たことがありません。
- 113 :名前、有り難く貰いました。 dクス :05/01/26 00:27:13 ID:n91dOKVc
- ・・・・・・・・・・・・・・では。
こ、この人は。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・兄さんでした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・はっ、フリーズするところでした。
ににに兄さんが、わたわた、私のベッドで寝て・・・??! 一緒に?!
こここれはどーいうことでしょーか? 兄さんと一緒に寝た・・・兄さんと寝た・・・兄さんと一晩すごした・・・・
って、違います!! いけません、最近そういったゲームのやり過ぎですね!
こ、こんないかがわしい妹は嫌われてしまいます。 自粛しましょう。
話を戻しましょう。 今、兄さんは私と同じベッドの上で寝ています。 私に抱きつかれて。
抱きつかれて・・・・・・・・・はっ、またいかがわしいコトを考えてしまうところでした。
いけません、このままではふしだらな妹になってしまいます。 ここは兄さんに起きて貰いましょう。
でも、どうやって起きて貰いましょう。 出来れば、私が抱きついたまま起きて貰いたいです。
一分一秒でも長く、くっ付いて・・・・ではなく! す、少し寒いんです!
起こす方法、起こす方法・・・・。 そこで浮かんだのは、先日プレイしたゲームのワンシーン。
・・・・・・・・・・キスで起こす。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!! ////
- 114 :っていうかおればっか貼り杉だよな・・・ :05/01/26 00:29:03 ID:n91dOKVc
- き、決めました! 兄さんをき、キスで起こします! 昨日も未遂でしたし、丁度良い機会です!
だいたい兄さんは酷いんです。 私たちの気持ちを知ってるクセにはぐらかして。
そのくせ、馨ちゃんとはもうキスしてるらしいじゃないですか! (←カン違い)
これは、お仕置きなんです!
もぞもぞと、兄さんを登っていきます。 ターゲットを見付けました。 しっかりと眠っているようです。
獲物を目に焼き付けます。 ・・・・・・・ぽっ。 ////
でででは、いきます!
き、緊張して、なかなか近づけません。 唇と、唇と、あわせるだけなのに・・・・人間って不可解です。
これはお仕置き・・・これはお仕置き・・・! 自分に言い聞かせて、ゆっくり・・顔を近づけます・・・・。
・・そういえば・・・・ゲームはどう・・・なったんでしたっけ・・・・・・。
「ん・・・雛・・・・?」
「ひゃ、ひゃいっ!」
「起きたのか・・・?」
「は、はひっ、おお起きましたっ!」
そうでした。 ゲームの彼は寸前に起きたのでした。
- 115 :みんなも貼れ! おれの粗が目立つ! :05/01/26 00:30:32 ID:n91dOKVc
- 「熱は・・・・もうないみたいだな」
「は・・・はい・・」
あの謎のテンションも消え、残ったのはいつもの私でした。 兄さんの前では、ろくに喋ることも出来ない、根暗な妹・・・・・。
ちょっと鬱です。
「裏雛も治ったみたいだな」
「はい・・・?」
「あ、いや、気にしないでくれ」
ふと、部屋に見慣れないダンボールが積まれて置かれているのを見付けました。
「あの・・・兄さん・・?」
「何だ?」
「あの・・・・箱、は?」
「アレか? あれは蜜柑だ」
「みかん・・・・全部・・?」
「えーと、右半分の3箱が蜜柑だ」
「左・・・は?」
「林檎」
「そんなに・・・たくさん・・・?」
「親父がな・・・・。 下に後2箱ずつある」
そ、そんなに買ってどうするのでしょうか?
「みんな心配したんだぞ。 馨なんか救急車呼ぶとか言い出して」
「ごめん・・・・なさい・・」
「いや謝ることじゃないさ。 ま、雛が無事ならそれでいいさ」
「ご迷惑・・・・おかけしまし・・・・た・・・・・・」
嫌になる。 家族にどれだけの迷惑をかけたか。 そのくせ自分は兄さんのことで舞い上がって・・・・。
あ、駄目、泣きそう・・・。
- 116 :前半と後半でテンションが違います :05/01/26 00:32:33 ID:n91dOKVc
- 「いやしかし、肺炎とか言われてどーしよーかと思ったよ」
「え・・・?」
「いや、雛、肺炎起こしかけてたらしいぜ」
「肺炎って・・・言うと・・子供が良く遊ぶ」
「そりゃ公園」
「アニリンを・・・塩酸で・・中和・・・」
「それ、アニリン塩酸塩」
「不死の存在である屍人を、永遠に消し去る力を秘めた・・・」
「それは宇理炎」
「ハッピーエンド」
「大団円」
「タフターン山にいる」
「魔龍グゥエイン。 あの話は感動したな・・・ってそうじゃなくて。 肺炎だよ」
「肺炎・・・ですか・・・・?」
「そう! 下手したら死んじゃうこともあるんだぞ」
「そう・・・・・らしい、ですね・・」
「らしいって・・・あのなぁ。 俺はソレ聞いたときブッとんだぞ。 めちゃくちゃ心配したぞ」
「ご、ごめんな・・・さい・・・・」
「いやだから謝んなくてもいいけどさ」
「ごめん・・なさい・・・・ごめんなさ・・・い・・・・・ごめ・・ん・・・・」
・・・・涙が溢れてきた。
「ひ、雛!? どうした!? どっか苦しいのか?!」
- 117 :雛がヒロインみたいだ・・・馨は!? :05/01/26 00:34:36 ID:n91dOKVc
- 「・・・ち、ちがい・・・・まっ・・ぐすっ」
言葉が続かない。 ただただ想いだけが溢れていく。
みんなに心配かけたこと。 兄さんが心配してくれたこと。 自分はそんな心配を受ける資格などないこと。
自分は本当に情けなくて。 我侭で。 自己中心的で。
そんな自分が本当に嫌で。
「ごめん・・・なさ・・い・・・ひっく・・・ごめ・・・・い・・・」
ただ、泣くしかなかった。
「・・・・・よしよし」
兄さんが、私を抱きしめた。 そして、私の頭を撫でる。
「に・・・兄、さん・・・?」
「よしよし」
「・・・・・兄さん・・・・・・・」
「よしよし」
何も言わずに、私を撫でる、兄さんの、手。
「う・・・・うぁぁーーーーーん」
私は泣いた。
産みの親が死んだときも、泣かなかった・・・泣けなかった私が。
ただ、子供の用に。
泣いた。
涙が流れなくなっても、兄さんは抱きしめ続けてくれた。
ひどく安心する、この温もり。
やっぱり私は、兄さんが好きなんだ、と気付いた。
妹としてでもいい。
こんな私でも、兄さんは受け入れてくれますか?
- 118 :おまけ :05/01/26 00:36:48 ID:n91dOKVc
- 「兄さん・・・」
「ん?」
泣くだけ泣いた私は、一つ、どうしても聞きたいことが出来ました。
「馨ちゃんと・・・・・キス、したの・・・?」
「ぶっ、な、何をっ!?」
「した・・・・の?」
「い、いや、してないから!」
「そう・・なんだ・・・・」
「そうそう、してないしてない!」
「じゃあ・・・・私に、して・・・?」
「・・・・・へ?!」
「わがまま・・・・もう、言わない・・から・・・・お願い・・」
「ひ、雛、だってそれはっ」
「妹で・・・・いいから・・・キス・・・・・キス、だけ・・」
「ひ、雛・・・・」
私はやっぱり卑怯ものですね。 兄さんは優しいから、きっと断れない。
「ん・・・・・」
目を閉じる。
心の中で、馨ちゃんに謝りながら。
・
・
・
がたたーーーーーん!!
突然大きな物音・・・い、いったい何ですか!?
- 119 :おまけのさいご :05/01/26 00:38:18 ID:n91dOKVc
- 「あはは〜・・・。 戸、開いちゃったみたいね〜」
「か、母さん!? それに馨!?」
「いや〜、馨ちゃんが暴れるもんだから〜」
「お、お母さんに、かか馨ちゃん・・・!? み、見てたの・・・・・・?!」
「え〜と、キス、したの・・・? のあたりからよ、今日は」
「聞いてねーーっっ!! 覗いてんじゃねーよお前ら!!」
「な、何だよアニキ! 自分のこと棚に上げてさ! 今、絶対にキスしようとしてたろ!?」
「な、んんんなわけねーだろっ!」
「いーや! 絶対にそーだった!!」
「くおら、いい加減なこと言うな!!」
「まぁまぁ、二人とも〜」
「母さんも同罪だろっ!」
「話を逸らすな、バカーニキ!」
やいのやいの。
この家族は、変わってませんね。 私が来たときから、多分来る前から、ずっとこう。
小さいことでも大騒ぎして。 大きいことなら、もっと騒いで。
初めは馴染めなかった。 けれども、兄さんのおかげで「家族」になれた。
今は心から思う。
「ぷっ・・・・・ふふふ」
「ひ、雛?」
「あは、あははははっ・・・・!」
「あらあら雛ちゃん、楽しそうね〜。 奈緒子さんも笑っちゃえ〜。 ふふふ〜」
「な、なんだよ二人して笑って・・・」
「置いてかれた・・・? オレたち」
「み、みたいだな。 よし、笑っとけ! はっはっはっは!」
「・・・??? あ、あはは・・?」
「あははは・・・・!」
お母さん、お父さん、馨ちゃん、兄さん。
私は、この家族が、大好きです。
- 120 :('A`) :05/01/26 00:43:57 ID:n91dOKVc
- 前編と書いた以上、後編も書かないといけん、ということで。
メガネなくてガン飛ばしながら打ちますた。
ってかさてかさ! 誰か貼ってよ! おればっか貼ってるみたいでやじゃん!
貼り逃げしてやる。 行くぞ清次郎・・・って捕まったままや〜ん。
- 121 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/26 00:51:48 ID:h/PNtmnc
- わーいリアルタイムで見せて頂きましたー
>>112-119 GJです〜
- 122 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/26 01:31:55 ID:K5YaezFY
- GJ
触発されて書いてはみるものの・・・orz
- 123 :前スレ921 :05/01/26 02:06:53 ID:avf9n28g
- 乙です。
バレンタイン前に一回は貼ろうと思ってますが……書く暇が……orz
今PCぶっ壊れとるんでしばらくは携帯から貼ります。
- 124 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/26 18:38:26 ID:0Ja95ntO
- 無理言うなって……。
俺のフォルダに入ってるファイルをざっと数えてみたら、俺、もう34作も書いてんだぜ……。
もうネタ切れでも仕方ないよな、ははははっ……はぁ……。
- 125 :('A`) :05/01/26 23:02:50 ID:n91dOKVc
- すげぇ・・・そんだけあれば絶対ネタかぶってるよな〜、おれのと。
過去ログ見る時間があんまりないです。 ごめんなさ。 ('A`)
- 126 :第五話:受験生、悩む・前編 :05/01/27 04:15:34 ID:+qlL+pIN
- 「はぁ・・・・」
いつもの帰り道。 俺の足取りは重かった。
「俺の点数じゃ、無理か・・・・」
第一志望、D判定。 その言葉が俺に重くのしかかっていた。
「第二は予想点どうりA判なのに・・・」
今年の俺の第一志望仲間たちは、例年よりレベルが高いらしい。
「ギリギリC判定にいけるかと思ったんだが・・・・はぁ」
どうしたものか。 家のことを考えると、私大なんてもっての他。 今年、来年と高校受験も重なっている。
「あ〜、しかも締め切りせまる! だしなぁ・・・・」
「何の締め切り?」
「いや、願書の・・・っていつからいた」
「さっきから」
「答えになってな・・・待て、俺声に出してたか?」
「ん、だから聞いたんじゃん、何の締め切りって」
・・・・かなり悩んでるな、俺。 漫画やゲームじゃあるまいし、独り言なんて・・・・。
「アニキって悩むと結構声に出すのがクセだからね」
・・・・漫画やゲームのみんな、すまない、俺も仲間らしい。
「あれ、何でお前がいるんだ?」
「何でって・・・はぁ、アニキよっぽど悩んでるだろ?」
「そんなことないぞ」
「嘘ばっか。 ここがどこだかも分かってないじゃん」
言われて見渡すと・・・。
「あ、東中だ・・・」
「そ。 オレと雛ちゃんが通ってて、アニキも昔は通ってた、東中の正門前」
「・・・・・いつの間に俺はここまで・・・」
なんか電車降りた記憶がないぞ。
「・・・・・ほんとに悩んでるみたいだね」
「や、そんなことは」
「・・待ってて、いまオレの鞄取ってくるから」
「ああ」
- 127 :何か、昨日の今日ですがネタ的に :05/01/27 04:18:03 ID:+qlL+pIN
- 「お待たせ」
「いや、別に。 ・・・着替えなくていいのか?」
「待たせたら悪いだろ」
「そんくらい待つっての」
「それに、せ、せくしーだろ」
「は?」
「な、何でもねーよっ」
顔を真っ赤にして、何でもないですか? 慣れない冗談言うからだっての。 あ、いかん、俺までなんか恥ずかしくなってきた。
「あんまりそーいう寒いかっこすんなよ。 こっちまで寒くなるだろ」
「なっ! アニキ、さむいとはなんださむいとは! 確かにオレ、胸も色気もないけどさ!」
「な、なにを勘違いしてんだ、お前は!! 物理的に寒いって話だ!!」
「へ・・・? あ、あ、そそそうか、そうだよなあはははは」
あーまた顔赤くして・・・・。
「生足晒してると、雛みたいに風邪引くぞ」
「・・・・・オレも風邪引いたら」
「ん?」
「・・何でもない」
やれやれ。 コイツも変なとこで焼きもち焼きというか、それでいて意地っ張りと言うか。
「看病してやるよ」
頭に手をのっけてそう言ってやる。
「あ・・・・う、うん」
「じゃ、帰るぞ」
「そ、そーだな」
「ってかお前、マジで寒くないかその格好」
「へ? いやへーきだけど?」
マジか・・・・? 見てるだけで風邪引きそうなんだが。
「それに雛ちゃんが言ってた」
「何て?」
「ブルマーは滅び行く日本の魂だから、絶対に保護が必要だって」
・・・・・・・・・・雛、お兄さんはキミの将来に不安を抱かずにいられないよ。
- 128 :この時期がぎりぎりですんで :05/01/27 04:20:12 ID:+qlL+pIN
- あ、将来・・・・そういえば俺、そのことで悩んでたんだっけ・・・・。
なんかコイツと話してると、そーいうの飛んでくんだよなぁ・・・。
「アニキ? 行こ?」
「あ、ああ」
「部活はどーよ?」
「何、いきなり?」
「や、そーいう格好見たからさ」
「ま、順調かな。 県はかたいね」
「そっか」
「まぁ、ここらでバドミントンやってる学校少ないから」
「だな。 アレって地味に疲れるんだよなぁ・・・・」
小さい頃は俺ともやってたんだが・・・・今は勝負にならないんだろうな。
「・・・・」
「・・・・」
何となく訪れる沈黙。
「あの、さ」
「・・・・ん?」
「アニキ・・・・やっぱりあの大学、受けるのか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・そのことなんだけど、さ」
「ん?」
- 129 :半リアルタイムですから :05/01/27 04:22:20 ID:+qlL+pIN
- 「何か俺、判定がピンチらしいんだよ」
「え・・・? だってアニキ、Cくらいは取れそうって」
「ぎりぎり取れそうって言ったんだよ。 何か今年の受験生、レベル高いみたいでな。 Dだってよ」
「でぃ、D・・・!?」
「ああ・・・まず受かんないな」
「そ、そんな・・・アニキ、頑張ってたのに・・・・・」
「足りなかったんだろーなぁ、俺のは」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・そ、それで、アニキは・・・・・どうすんのさ?」
「ん・・・・選択肢は二つ。 もうちょっと北に、そこそこな大学があるんだ。 判定はA」
「花大?」
「そ。 かなり近場になるな」
「近い・・・・んだ」
「・・・・・もう一つ。 学部を変えて受ける」
「学部って・・・」
「理学諦めて、工学にすんのさ。 それだけで判定C」
「で、でもアニキ、その、理学のために頑張ってたんだろ?」
「ん・・・まぁな。 花大ならこっから通うことも出来るしな〜」
「・・・・・・っ」
「・・ん、どした?」
「・・・・何でも、ない・・」
「・・・・・・」
それから家に着くまで、俺たちは無言だった。
- 130 :因みに花大は実在しません :05/01/27 04:25:38 ID:+qlL+pIN
-
部屋に入って、ベッドに身を投げる。
『花大ならこっから通うことも出来るしな』
ソレを聞いて気付いた。
オレたちはアニキの負担になってる。 オレたちがどこかでアニキの足を引っ張っている。
アニキはきっとこう言う。 そんなことない、って。
でもそれはアニキが優しいから。 アニキがいい兄だから。
アニキが前に話してくれた。 俺の目指してる大学は最高だ、って。
アニキは忘れてるのかもしれない。 でも、オレは憶えてる。 すごく、すっごく楽しそうだったから。
あそこで俺が勉強したいと思ってるのを勉強出来たら、幸せってやつだな、って。
アニキが勉強したいっていう理学、オレにはよく分かんない。
でもアニキは、あそこで勉強したかったんだと思う。
多分、花大じゃ意味がないんだ。
でも、アニキは花大を選ぶ。 優しいから。 いい兄だから。
きっと自分の望みを、無意識に殺して。
「そんなの・・・・・駄目だよ・・・・・・」
何が駄目なんだろう?
アニキはやりたかった理学が出来る。
アニキは家を出ることが無い。
アニキは何も苦しまない。
ソレがアニキにとって、当然だから。
今までずっと、そうだったから。
一緒に居られて雛ちゃんは嬉しいハズ。
一緒に居られてオレも嬉しいハズ。
でも・・・・。
「分かんない・・・・分かんないけど、それじゃ駄目だよ・・・・・アニキ・・・」
- 131 :がんがれ受験生 :05/01/27 04:29:23 ID:+qlL+pIN
- 「ふぅ・・・」
一息つく。
「雛は・・病院か」
病み上がりだからな。 多分親父あたりに連れてって貰ってるんだろう。
「・・・・・大学、か」
本当のことを言えば、俺の心は大体決まっている。
「あいつらに寂しい思いさせんのも、な・・・・」
住めば都。 何処でだって、勉強は出来るさ。
「花大で決まり、かな・・・・」
「・・・それでいいの?」
「うわ、居たのかよ? って俺、また声に出してたんか・・・」
「アニキ、それで・・・・花大でいいの・・?」
「ん・・・・そーだな。 やっぱ理学は捨てがたいし。 それになんてったって、家から通えるのがポイント高いし・・・」
- 132 :後編・・・・気が重い・・・・ :05/01/27 04:31:20 ID:+qlL+pIN
- 「嘘だ・・・」
「え?」
「嘘だ・・・・アニキ、嘘吐きだ・・」
馨が俺に詰め寄る。
「アニキ、ほんとは花大じゃないんだろ?! あそこで勉強したいって、言ってただろ!!」
「い、いや・・・俺は、理学を・・」
「嘘だ! アニキ、また自分を犠牲にしようとしてる!」
「そっ、そんなことっ」
「あるよ! アニキはいっつも自分殺して、オレとか、雛ちゃんとか、家族を優先してる!!」
「お、俺は・・・・」
「・・・・・・嫌だよ・・・アニキと離れるのも、嫌だけど・・・・オレたちのせいでアニキが苦しむなんて・・・もっと嫌だよ・・!!」
「・・・・・俺は・・・」
「・・・・・」
「・・俺は、自分の意思で、花大に決めたんだよ・・・・・・」
ぱしーーーん。
一瞬何をされたか分からなかった。
馨が、俺を平手打ちにしたのだ。
「・・・お兄ちゃんの、バカっ!!」
反転して走り出す馨。
馨の涙ぐんだ顔を見た俺は、玄関の戸が閉まる音を呆然と聞くことしか出来なかった。
- 133 :('A`) :05/01/27 04:37:43 ID:+qlL+pIN
- おれの駄文ばっかでごめんよ〜。
でも受験生SSなんで、時期的にいろいろあるんだよ〜。
てわけで、いろんなヒトが経験する、進路先のお話。
なんか雛と交互みたいでやだけど、馨っちのお話。
おれも引っ叩かれたい・・・。 ('A`)
がんがって後編書こ・・・。 誰かおれのメガネ知らない?
そしてそろそろ清次郎返して・・・。 ('A`)人('A`)
貼り逃げっ!
- 134 :清次郎捕獲者 IDたぶん変わってる、携帯だから :05/01/27 06:56:10 ID:WtFRVN7o
- メガネなら清次郎が掛けてますよ。
SSが完結したら解放します。
というわけで、
GJ!!
- 135 :('A`) :05/01/27 18:39:55 ID:+qlL+pIN
- 清次郎・・・・。 ('A`)
言い訳しておきますが、これは 受 験 生 S S ですから!
はっきり言ってスレ違いですから! でも最後までやんないと お れ が すっきりしませんから!
だってさ、あの二人、萌え的にスペック低いし・・・・。 ('A`)
自己中はしばらくナリを潜めますかにゃ。
- 136 :(´▽`;) :05/01/27 20:05:03 ID:+qlL+pIN
- あれれ〜? 調子乗ってんじゃねーぞこのクソが! ってレスを期待してたんだけど・・・。
まぁなんて〜かあれですよ、おれ眠いと暴力的になるんでつよ。
ごめんなさいな。 土下座!
- 137 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/27 20:10:54 ID:MVG9pUnl
- はっはっはっ。
毎日SSを張ってくれる職人様に、誰がそんな失礼な事を言いますか!!
つーか、少し俺に力を分けてください……。
- 138 :清次郎捕獲者 :05/01/27 20:45:15 ID:WtFRVN7o
- 清次郎がメガネ壊しました。
どうやら帰りたく無い模様。
「早くSSを投下汁!」
と叫んでおります。
- 139 :前スレ931 :05/01/27 20:47:05 ID:l9Y8A936
- >>126-132
毎度のことながらお見事です。続き待ってますよー。
つーかホント書くの早いっすねぇ。
- 140 :メ、メガネ・・・ :05/01/27 21:00:31 ID:+qlL+pIN
- 安かろう悪かろうですから!
遊星さんほかほか、みんな優しい。 惚れる。
- 141 :('A`) :05/01/28 02:11:09 ID:qAhXftYp
- 今日貼れそうにないや。 お休み〜。
やな思いさせてごみんね〜。
- 142 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/28 11:37:34 ID:nBfojL6g
- >>126-133
糞ss乙(wwww
- 143 :(ノд`)゜。゜ :05/01/28 22:35:02 ID:qAhXftYp
- 糞SSの続き、そろそろ貼るから覚悟しといて。
そ、それと>>133はSSじゃないから・・・・・。
- 144 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/28 22:40:35 ID:f9zS/9CD
- ぬぁー……やっと60%ぐらい書き終えたよ……。いいネタ閃けぇ……。
>>143
|/|-|\
| 0M0)よし!がんばれ!!
| ⊂/
| /
- 145 :前スレ931 :05/01/28 22:41:00 ID:xakP0ZtY
- >>143
ま、ま、こういう人もいますから。気落とさずに。
続きよろしくです
- 146 :前スレ931 :05/01/28 22:43:45 ID:xakP0ZtY
- >>144
おー期待してますよ〜
俺もやっとネタと時間ができましたー。土日で書いちゃえ。
- 147 :(ノд`)゜。゜ :05/01/29 01:49:38 ID:+6YUzIlZ
- 続きはるぞぉ。
だ、誰もいないよなぁ?
- 148 :第六話:受験生、悩む・後編 :05/01/29 01:52:52 ID:+6YUzIlZ
- それから暫くして。 馨があの格好のまま飛び出したことに気付いて。
探さなくちゃ、って思ったけれど。
多分、俺も心のどっかで妹たちを疎んでた部分があったんだ、って気付いて。
あわせる顔がなくて。
ただ探すでもなく、街を歩いていた。
二月の近い街。
商店街に踊るバレンタインの文字。 ぼんやりと見て。 思い浮かぶのは、去年の冬。
- 149 :(ノд`)゜。゜自分のためにがんがります :05/01/29 01:54:05 ID:+6YUzIlZ
- 『あ、アニキ、その・・・』
『あ、の・・・・ふ、二人で・・・・・作りまし・・た・・・・』
『・・・・黒い泥魔人?』
『ち、チョコだよっ!』
『・・・黒いマドハンド?』
『ち、違う、よっ・・・!』
『く、食える・・・・・モノなのか?』
『チョコだっていってるだろ! 男らしくない! 食え!』
『ま、待て、これは前衛芸術としてオークションにかければ数百万はいける』
『んなわけあるか!』
『兄さん・・・・』
『う・・・分かった、俺も覚悟を決める決めるから泣かないでおくれ』
『最初からそーしろ!』
『う、む・・・に、ニイタカヤマ ノボレ!』
『・・・・・・』
『・・・・・・どう、かな・・?』
『・・・・・・・・・・・・辛い』
『か、辛い?! そんなハズ・・・・・・・辛っ!』
『う・・・・今年も・・失敗・・・・・だね・・』
『くあ・・・から、辛いぞこれ! くそ、辛いっ!』
『あ、アニキ、無理して食べなくてもっ!』
『ぐぬ〜、辛い! ひ、雛! 水取ってきてくれ! くそ〜、あと半分かよっ!』
『あ、は、はい・・・・っ』
『くあ〜、馨!』
『な、何っ!?』
『来年もこうだったら、許さん!』
『あ・・・・う、うん!』
- 150 :所詮女が男向けのを書くのが無理なわけで :05/01/29 01:56:17 ID:+6YUzIlZ
- 公園のベンチでそんなことを思い出していた。
あのときも・・・・アニキに無理させて・・ホント、ダメな妹だよな。
・・・・・だから、オレ、これ以上アニキの足を引っ張りたくないよ。
これ以上オレがアニキの妹でい続けたって、アニキにいいことなんてないんだ。
なら、話は早いよ。 妹をやめればいいんだ。 どうせオレたちは本当の兄妹じゃないんだ。
オレが、あそこに戻ればいい。 家族から離れて。 家族をやめて。
「あれ・・・・おかしいな・・?」
拭っても拭っても、目から流れる水が止まらない。
「なんだろ・・・これ、雨かなぁ・・・・・?」
そんな強がりを言ってみる。 だって、悲しくなんかないんだから。
「そう、だよ・・・・オレたち・・本当の兄妹じゃないじゃん・・・・・元に戻るだけじゃん・・」
でも、段々雨が強くなってきて、周りの風景が滲んで見えなくなってくる。
「っく・・・そだよ・・それが・・・・フツウ・・なんだよ・・・・あ〜もう、冬だってのに、雨なんか降らしやがって!」
オレの、大好きなアニキのために。 妹のオレが出来る一番。
「や〜めたっ! 兄妹、や〜め・・・・た・・・・・・」
天気予報は嘘吐きだ。 今日は夕方から雪って言ってたのに。
土砂降りじゃん。
- 151 :第六話:副題は親父の背中、なわけで :05/01/29 01:58:19 ID:+6YUzIlZ
- 当てもなく歩いて、着いたのは日多上川。 川辺は雪で覆われて、かろうじて一部に川原の石ころたちを覗かせている。
それを辿って、川辺に立つ。
ここで遊んだのは、馨とだったか。 雛がまだ来ていない頃、親父と三人で釣りをしたんだ。
さっぱり釣れなかったけど、馨だけぴったり四匹釣って、晩御飯のおかずを確保してくれたんだっけ。
「親父のやつ、言い出した割に下手だったな」
「あの日は食い付きが悪かったんだ」
「・・それはもう聞いたぜ、親父」
「そうか」
「雛はどうした?」
「用事があるとさ。 大方材料でも買いにいったんだろうさ」
「材料?」
「チョコレートだろ。 今年も二人で作ります、って言ってたからな」
「・・・・・・そうか」
「で、お前は何を悩んでるんだ?」
「・・・・今年のチョコをどうやり過ごすか」
「はっはっはっは。 俺は貰えんぞ、この贅沢者」
「親父は母さんのがあるだろ」
「そうだな。 で、だ」
「あん?」
「何を悩んでる?」
「・・・・・分かるか?」
「段々と父親も板についてきただろう?」
「そうだな・・・・」
何を話そうか。 何を話せるのか。
「俺は、駄目な兄・・・・・だったのかな」
出てきたのは、そんな言葉。
「言われたよ。 俺は、馨や雛、家族のために自分を殺してる、って」
「そりゃ、いい兄じゃないのか?」
「いい兄なら・・・あいつらが一番だろ? 自分を殺すなんてしない。 殺す自分なんか、持たないよ」
そうだ。 俺は自分の欲求を持ってしまった。 何よりもあいつら家族を一番に考えなきゃいけないのに。
- 152 :無理やりバレンタインネタを入れたわけで :05/01/29 02:00:46 ID:+6YUzIlZ
- 「俺は、兄失格だよ・・・・・・」
「・・・・・・ふむ」
向かい合うでもなく、二人して向こう岸をながめ続ける。
「何をそんなに恐れてる?」
「えっ・・・?」
「・・自分より優先したい誰か。 それは幻想だ。 それは『自分の中の誰か』でしかない」
「・・・・・・・・」
「頭のいいお前のことだ、そんなことは分かってるんだろ?」
「・・・・・それは、そう・・・だけど・・・・俺は、そうじゃ駄目なんだ」
「何故?」
「家族を・・・守るために・・いい兄じゃなきゃ、駄目だから・・・・」
「家族を守る、とは?」
「それは・・・その・・」
「んじゃ取り敢えず、妹たちを守るってなんだ?」
「・・・・あいつらの、幸せ・・それを守る・・・・・かな」
「あの子たちの幸せ、ってなんだ?」
「・・・・・・・・それ、は・・」
「分からんか。 なら教えてやろう」
「え・・・?」
「お前の幸せだ」
「・・・・・・へ?」
「あの子らはお前が全てだよ。 俺でもわかる。 馨は、自分がお前の不幸せの原因になってる、って感じたんだろうな」
馨ってばれてるし・・・。
「お前は今まで不幸せだったか? あの子達や、俺たち家族と暮らしてきて」
「そんなわけ・・・・ない」
「だろう? 例えお前が自分を殺していて、しかも駄目な兄だったとしてもだ。 お前は幸せだったんだろう?」
「・・・・・・当たり前だろ」
俺たち家族は、誰よりも「家族」を求めていたんだ。 家族と居られる。 それ以上の幸せがあるものか。
「なら、今までどうりでいいんじゃないか?」
- 153 :何はともあれ、いい親父名訳で :05/01/29 02:03:22 ID:+6YUzIlZ
- 「でも、それじゃ」
「お前が幸せなら、あの子たちも幸せ。 そんなら俺も奈緒子さんも幸せだ。 家族みんなが幸せ。 オールおっけー」
「・・・・そんなん、ただの屁理屈だ」
「息子、俺が四年間大学で学んだ哲学の答え、聞きたいか?」
「は?」
「人生、そんなもんだ」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・くっ」
「・・・・はははははっ」
「くはっはっはっはっはっ!」
馬鹿みたいに笑い転げる二人。 馬鹿げてる。 俺の悩みをそんなもんだ、で片付けちまった。
適わない。 この人は、本当の父親だ。
「馨なら、春木場公園だ」
「何?」
「さっき見た。 お兄ちゃんお兄ちゃん、ってわんわん泣いてたぞ」
「ほっといたんか」
「お前にしか泣き止ませられんだろーと思ってな」
「正解だ。 馨は俺にしか泣き止ませられん」
「ほう? そのココロは?」
「俺がいい兄貴だからだ」
「くっ、だっはっはっはっは、そうか、そりゃそうだ。 自分で泣かして、自分で泣き止ますなんて、いい兄貴にしか出来んな」
「ああ、いい兄貴じゃなきゃ、とっくに兄妹の縁をきられてるぜ」
「ならきられんうちに早く行け」
「分かってる」
雪道を走り出す。
「親父」
「ん?」
「あんたは最高の親父だよ」
親父は背中を見せたまま、ただ右手を上げた。
- 154 :このアニキは妹泣かしてばっかな訳で :05/01/29 02:05:52 ID:+6YUzIlZ
- 雪が降ってきた。
「おいおいおいおい・・・・あいつ、あの格好で大丈夫なのかよ!?」
思わず、独り言を吐く。 春木場のベンチなら確か屋根があった筈だが、テンパってるあいつが雪宿りなんて発想が出来るのかどうか。
この角を曲がればすぐ。 公園の隅のベンチ。 ・・・・・いた。
流石に雪まみれにゃなってなかったか。 ふぅ。 息を整える。 全力疾走しちまったぜ。
「ひく・・・おにい・・・ちゃん・・」
「呼んだか」
後ろから応えてやる。 びくっ、と振り向く。
「お兄ちゃん・・・!?」
「何でそんな驚くよ?」
「だ、だって・・・オレなんかを探しに来たの?!」
「そうだけど」
「う・・・・また、オレ・・お兄ちゃんに迷惑・・・・・」
「はいはい、帰るぞ。 寒いんだから」
「お、お兄ちゃん、待って、ちょっと聞いて」
「ん? 帰ってからじゃ駄目なのか? 寒いんだが」
「ま、真面目な話!」
「そーか」
「・・・・あの、さ・・オレ、考えたんだけど・・・・」
「ん」
「・・・・・・オレ、家族・・やめ・・・・ようかな・・・・って」
「は?」
「だ、だから、オレがあそこに戻ればこれ以上お兄ちゃんに迷惑かかんないしさっ」
「・・・・・で?」
「だ、だから・・・! 兄妹、やめるのっ!」
- 155 :思ったより長くなった訳で :05/01/29 02:08:18 ID:+6YUzIlZ
- 「・・・・はぁ? おいおいなんだよ真面目な話って、そんな話かよ?」
「そ、そんな話って・・・ひ、ヒドイよ! オレ、一生懸命考えて、それで出した答えなんだよ!」
「お前なぁ・・・。 ガキんときから聞き飽きてるぜ、ソレ」
「な、何言ってんの!?」
「『わたし、妹やめるの! お兄ちゃんのお嫁さんなる!』って」
「な、バ、バカっ! いつの話だよ! そーいうんじゃないよ! ふざけないでよ!!」
「ははははは、その言葉、そっくり返すぜ」
「え・・・?」
「そういうこと、もう二度と言うなよ」
冷え切った体を抱きしめてやる。
「あーあー、こんな体冷やして。 本気で風邪引く気か?」
「・・・・・・」
「帰ろうぜ」
「・・・・だって、オレ・・」
「お前がいなきゃ、意味が無いんだよ。 それじゃ例え志望どうりに大学行けたって、無意味なんだよ。
他の何があったって・・・・お前らが居なきゃ」
いつもの様に。 頭を撫でて。
「俺の妹でいてくれよ。 じゃないとさ、俺、駄目なんだよ」
「うく・・・」
「・・・・泣くか?」
「んん・・・もう、涙流し尽くしちゃった」
「そっか。 ごめんな」
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