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[第四弾]妹に言われたいセリフ
- 41 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/22 21:36:00 ID:hDqrp3EL
- 休日の朝っていうのは、なんて素晴らしいんだろう。
暖かな日差し。布団の温もり。心地良い眠気。
そのすべてを何にも妨げられることなく、幸せに浸っていることができる。
忙しい平日とは大違いだ。
俺は何度目かの抗議を申し立てた目覚まし時計を黙らせ、再び布団に顔をうめた。
(し、幸せだ……)
そのまま深い眠りに―――落ちられなかった。
…………。
なんだ、この臭いは。
「……く、くさい!」
俺は布団から顔を出し、くんくんとニオイを嗅いだ。
……明らかな異臭がする。
「な、なんだ?何のニオイだ?」
布団から這い出て、部屋の真ん中に立った。
どうやら部屋の外から漂ってきているらしい。
「…………」
俺は無言で戸を開けた。
- 42 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/22 21:38:49 ID:hDqrp3EL
- 階段を下りて台所に誘われた俺が目にしたものは、見慣れたものだった。
よく知っている後姿だ。鮮やかな黒髪がゆらゆらと揺れている。
「ふんふーん♪」
声の主は機嫌がいいのか、鼻歌交じりで料理を作っている。
……だが。
コンロからもくもくと煙が立ち昇っていた。
こいつか。
「……おはよう、希美」
「あ」
少女がくるりと振り返る。俺の姿を捉え、その表情がころりと柔らかくなった。
「お兄ちゃん!おはよ〜!」
笑顔で駆け寄ってくる。まるで尻尾を振る犬コロみたいだ。
「えへへ。今ご飯作ってるから、もうちょっと待っててね?」
「それはいいけど……あれはどこの国の料理だ?」
言いながらコンロを指差す。え?と振り返り、瞬間、希美の顔が青ざめる。
「あ、あ、あああ〜っ!!」
パタパタと慌てながら戻っていく。俺は苦笑しながらその背中を見守っていた。
- 43 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/22 21:41:00 ID:hDqrp3EL
- 少女の名前は希美。俺の妹だ。
もちろん血は繋がっている。正真正銘、ホンモノだ。
……いや、深い意味はないぞ?
昔からおせっかいで、優しく、よく俺の世話を焼いていた。
現在進行形。
今日も俺のために朝食を作ってくれていたようだ。しかし―――。
頭はいい。可愛い。家事もほとんど難なくこなす。
だが、ひとつだけ苦手なものがあった。
料理だ。
ご覧の通り、希美は料理が殺人的にヘタだ。
味が悪いとかの問題じゃない。そもそも形を成していないことが多い。
“未確認物体”。俺は希美の料理をそう呼んでいる。
「あ〜あ……。お魚がちょっと焦げちゃったよぅ……」
希美に近づき、肩越しに覗いてみる。
…………どこがちょっとだ。
- 44 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/22 21:43:23 ID:hDqrp3EL
- 「…………」
「……あー」
「…………」
「……希美?これ、俺が食べるのか?」
「…………」
「無視するなって。もともとお前が作ったんだからな。調理者が責任を持って食べるべきだぞ」
「……それはお兄ちゃんのために作ってあげたものです。だからお兄ちゃんが食べてください」
「却下」
「そんなぁ〜っ……」
どす黒い物体を前に、俺と希美は目を合わせた。
「ホントに食べなきゃだめ?」
「食べろ。これのせいで起こされたんだし」
「う〜っ。お兄ちゃんの意地悪……」
おそるおそる箸を動かし、未確認物体を摘む。
箸の先がじゅっ、っていった。
「お、お兄ちゃぁぁぁぁん!」
「た、食べろ!食べてしまえ!」
「わたしには無理だよぉ……ひくっ」
こいつ!?泣くつもりか!?
「やだよぉ……やだやだやだーっ!!」
…………。
「……仕方ない。廃棄処分にしよう……」
「う、うん……。仕方ないよね……」
「…………」
「…………」
「やっぱり食え」
「やだもん」
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0ch BBS 2004-10-30