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[第四弾]妹に言われたいセリフ

112 :第四話:受験生、看病する・後編 :05/01/26 00:26:07 ID:n91dOKVc
 なんだかあたたかいです。 目が覚めました。
 今・・・・何時でしょう? 外は暗いです。 寝起きで頭がはっきりしません。
 学校・・・今日は平日のはずです。 学校はどうなったのでしょうか。
 いつもは兄さんか、馨ちゃんが起こしてくれます。 今日は起こしてくれなかったのでしょうか?
 自慢になりませんが、私は寝起きがとても悪いです。 ま、まさか見捨てられたのでしょうか?
 い、いえ、あの優しい兄さんがそんなことをする筈がありません。 馨ちゃんだって、たまに喧嘩もしますがとても仲の良い姉妹です。
 では、どうして私はこんなに暗くなるまで寝ていたのでしょうか?
 たとえば、彗星が衝突し、粉塵が巻き上げられ、地表に太陽光が届かなくなったとか。 大変です、天地戦争が始まってしまいます。
 ・・・・・まだ頭が動かないようです。 第一、それじゃあ私が起こされなかった理由になりません。
 そんな危機的状況なら、なおさら起こしてくれるでしょう。
 というか、いい加減布団から出ましょう。 下に行けば、誰か居るかもしません。
 そこで私はやっと、なにかあたたかいものの存在を思い出しました。 コレは何でしょう・・・?
 あたたかかったからでしょうか、私の態勢はソレにしがみつくような格好です。
 大きいですね。 抱き枕でしょうか。 しかし、私の所持品にそのようなものは無かった筈です。
 何かこう・・・・やわらかいようで、硬いようで・・・・そしてあたたかくて・・動い・・・・てる?
 そこでやっと私は気付きました。 コレは人間であると。
 人間・・・・私と一緒に寝る人間・・・・・馨ちゃんでしょうか? 最近はあまり一緒に寝なくなりました。 少々寂しいというのは、馨ちゃんには内緒です。
 久しぶりに来たのでしょうか。 ・・・・いえ、違います。 馨ちゃんはこんなに大きくありません。
 お母さんでも・・・無いですね。 お父さんは、恥ずかしがって、私と一緒に寝たことがありません。

113 :名前、有り難く貰いました。 dクス :05/01/26 00:27:13 ID:n91dOKVc
 ・・・・・・・・・・・・・・では。
 こ、この人は。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・兄さんでした。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・はっ、フリーズするところでした。
 ににに兄さんが、わたわた、私のベッドで寝て・・・??! 一緒に?!
 こここれはどーいうことでしょーか? 兄さんと一緒に寝た・・・兄さんと寝た・・・兄さんと一晩すごした・・・・
 って、違います!! いけません、最近そういったゲームのやり過ぎですね!
 こ、こんないかがわしい妹は嫌われてしまいます。 自粛しましょう。
 話を戻しましょう。 今、兄さんは私と同じベッドの上で寝ています。 私に抱きつかれて。
 抱きつかれて・・・・・・・・・はっ、またいかがわしいコトを考えてしまうところでした。
 いけません、このままではふしだらな妹になってしまいます。 ここは兄さんに起きて貰いましょう。
 でも、どうやって起きて貰いましょう。 出来れば、私が抱きついたまま起きて貰いたいです。
 一分一秒でも長く、くっ付いて・・・・ではなく! す、少し寒いんです!
 起こす方法、起こす方法・・・・。 そこで浮かんだのは、先日プレイしたゲームのワンシーン。
 ・・・・・・・・・・キスで起こす。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!! ////

114 :っていうかおればっか貼り杉だよな・・・ :05/01/26 00:29:03 ID:n91dOKVc
 き、決めました! 兄さんをき、キスで起こします! 昨日も未遂でしたし、丁度良い機会です!
 だいたい兄さんは酷いんです。 私たちの気持ちを知ってるクセにはぐらかして。
 そのくせ、馨ちゃんとはもうキスしてるらしいじゃないですか! (←カン違い)
 これは、お仕置きなんです!
 もぞもぞと、兄さんを登っていきます。 ターゲットを見付けました。 しっかりと眠っているようです。
 獲物を目に焼き付けます。 ・・・・・・・ぽっ。 ////
 でででは、いきます!
 き、緊張して、なかなか近づけません。 唇と、唇と、あわせるだけなのに・・・・人間って不可解です。
 これはお仕置き・・・これはお仕置き・・・! 自分に言い聞かせて、ゆっくり・・顔を近づけます・・・・。
 ・・そういえば・・・・ゲームはどう・・・なったんでしたっけ・・・・・・。
「ん・・・雛・・・・?」
「ひゃ、ひゃいっ!」
「起きたのか・・・?」
「は、はひっ、おお起きましたっ!」
 そうでした。 ゲームの彼は寸前に起きたのでした。

115 :みんなも貼れ! おれの粗が目立つ! :05/01/26 00:30:32 ID:n91dOKVc
「熱は・・・・もうないみたいだな」
「は・・・はい・・」
 あの謎のテンションも消え、残ったのはいつもの私でした。 兄さんの前では、ろくに喋ることも出来ない、根暗な妹・・・・・。
 ちょっと鬱です。
「裏雛も治ったみたいだな」
「はい・・・?」
「あ、いや、気にしないでくれ」
 ふと、部屋に見慣れないダンボールが積まれて置かれているのを見付けました。
「あの・・・兄さん・・?」
「何だ?」
「あの・・・・箱、は?」
「アレか? あれは蜜柑だ」
「みかん・・・・全部・・?」
「えーと、右半分の3箱が蜜柑だ」
「左・・・は?」
「林檎」
「そんなに・・・たくさん・・・?」
「親父がな・・・・。 下に後2箱ずつある」
 そ、そんなに買ってどうするのでしょうか?
「みんな心配したんだぞ。 馨なんか救急車呼ぶとか言い出して」
「ごめん・・・・なさい・・」
「いや謝ることじゃないさ。 ま、雛が無事ならそれでいいさ」
「ご迷惑・・・・おかけしまし・・・・た・・・・・・」
 嫌になる。 家族にどれだけの迷惑をかけたか。 そのくせ自分は兄さんのことで舞い上がって・・・・。
 あ、駄目、泣きそう・・・。

116 :前半と後半でテンションが違います :05/01/26 00:32:33 ID:n91dOKVc
「いやしかし、肺炎とか言われてどーしよーかと思ったよ」
「え・・・?」
「いや、雛、肺炎起こしかけてたらしいぜ」
「肺炎って・・・言うと・・子供が良く遊ぶ」
「そりゃ公園」
「アニリンを・・・塩酸で・・中和・・・」
「それ、アニリン塩酸塩」
「不死の存在である屍人を、永遠に消し去る力を秘めた・・・」
「それは宇理炎」
「ハッピーエンド」
「大団円」
「タフターン山にいる」
「魔龍グゥエイン。 あの話は感動したな・・・ってそうじゃなくて。 肺炎だよ」
「肺炎・・・ですか・・・・?」
「そう! 下手したら死んじゃうこともあるんだぞ」
「そう・・・・・らしい、ですね・・」
「らしいって・・・あのなぁ。 俺はソレ聞いたときブッとんだぞ。 めちゃくちゃ心配したぞ」
「ご、ごめんな・・・さい・・・・」
「いやだから謝んなくてもいいけどさ」
「ごめん・・なさい・・・・ごめんなさ・・・い・・・・・ごめ・・ん・・・・」
 ・・・・涙が溢れてきた。
「ひ、雛!? どうした!? どっか苦しいのか?!」

117 :雛がヒロインみたいだ・・・馨は!? :05/01/26 00:34:36 ID:n91dOKVc
「・・・ち、ちがい・・・・まっ・・ぐすっ」
 言葉が続かない。 ただただ想いだけが溢れていく。
 みんなに心配かけたこと。 兄さんが心配してくれたこと。 自分はそんな心配を受ける資格などないこと。
 自分は本当に情けなくて。 我侭で。 自己中心的で。
 そんな自分が本当に嫌で。
「ごめん・・・なさ・・い・・・ひっく・・・ごめ・・・・い・・・」
 ただ、泣くしかなかった。
「・・・・・よしよし」
 兄さんが、私を抱きしめた。 そして、私の頭を撫でる。
「に・・・兄、さん・・・?」
「よしよし」
「・・・・・兄さん・・・・・・・」
「よしよし」
 何も言わずに、私を撫でる、兄さんの、手。
「う・・・・うぁぁーーーーーん」
 私は泣いた。
 産みの親が死んだときも、泣かなかった・・・泣けなかった私が。
 ただ、子供の用に。


 泣いた。




 涙が流れなくなっても、兄さんは抱きしめ続けてくれた。
 ひどく安心する、この温もり。
 やっぱり私は、兄さんが好きなんだ、と気付いた。
 妹としてでもいい。
 こんな私でも、兄さんは受け入れてくれますか?

118 :おまけ :05/01/26 00:36:48 ID:n91dOKVc
「兄さん・・・」
「ん?」
 泣くだけ泣いた私は、一つ、どうしても聞きたいことが出来ました。
「馨ちゃんと・・・・・キス、したの・・・?」
「ぶっ、な、何をっ!?」
「した・・・・の?」
「い、いや、してないから!」
「そう・・なんだ・・・・」
「そうそう、してないしてない!」
「じゃあ・・・・私に、して・・・?」
「・・・・・へ?!」
「わがまま・・・・もう、言わない・・から・・・・お願い・・」
「ひ、雛、だってそれはっ」
「妹で・・・・いいから・・・キス・・・・・キス、だけ・・」
「ひ、雛・・・・」
 私はやっぱり卑怯ものですね。 兄さんは優しいから、きっと断れない。
「ん・・・・・」
 目を閉じる。
 心の中で、馨ちゃんに謝りながら。
 ・
 ・
 ・
 がたたーーーーーん!!
 突然大きな物音・・・い、いったい何ですか!?

119 :おまけのさいご :05/01/26 00:38:18 ID:n91dOKVc
「あはは〜・・・。 戸、開いちゃったみたいね〜」
「か、母さん!? それに馨!?」
「いや〜、馨ちゃんが暴れるもんだから〜」
「お、お母さんに、かか馨ちゃん・・・!? み、見てたの・・・・・・?!」
「え〜と、キス、したの・・・? のあたりからよ、今日は」
「聞いてねーーっっ!! 覗いてんじゃねーよお前ら!!」
「な、何だよアニキ! 自分のこと棚に上げてさ! 今、絶対にキスしようとしてたろ!?」
「な、んんんなわけねーだろっ!」
「いーや! 絶対にそーだった!!」
「くおら、いい加減なこと言うな!!」
「まぁまぁ、二人とも〜」
「母さんも同罪だろっ!」
「話を逸らすな、バカーニキ!」
 やいのやいの。
 この家族は、変わってませんね。 私が来たときから、多分来る前から、ずっとこう。
 小さいことでも大騒ぎして。 大きいことなら、もっと騒いで。
 初めは馴染めなかった。 けれども、兄さんのおかげで「家族」になれた。
 今は心から思う。
「ぷっ・・・・・ふふふ」
「ひ、雛?」
「あは、あははははっ・・・・!」
「あらあら雛ちゃん、楽しそうね〜。 奈緒子さんも笑っちゃえ〜。 ふふふ〜」
「な、なんだよ二人して笑って・・・」
「置いてかれた・・・? オレたち」
「み、みたいだな。 よし、笑っとけ! はっはっはっは!」
「・・・??? あ、あはは・・?」
「あははは・・・・!」
 お母さん、お父さん、馨ちゃん、兄さん。
 私は、この家族が、大好きです。

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0ch BBS 2004-10-30