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[第四弾]妹に言われたいセリフ

27 :受験生SS初号機 :05/01/22 03:09:01 ID:AFGQz4HW

 ととととと。
 がちゃ。
「アニキ〜勉強おせーろー」
「パスいち」
「勉強おせーろってば」
「うるさい、黙れ」
「ああん? なんだよその態度ぉ?
 勉強しかとりえの無いアニキが唯一アニキっぽいこと出来る瞬間を不意にしてい〜んかぁ?」
「・・・・お前こそその必要以上に尊大な態度はなんだ」
「かわいい妹はわがままを言う権利があるんだ」
 ・・・・・胸張って言うことかよ。
「あのな? 今何月だか分かるか?」
「一月後半だな」
「俺は高校何年だ?」
「三年だな」
「な? 今がいっちゃん大切な時期なんだよ、分かるだろ?」
「受験なんてどーでもいいだろぉ? それよりオレの勉強みてくれよー。 来年高校受験控えてるんだぜー?」
「お前、果てしなく矛盾してるぞ」
「だいたいさー、アニキもう大学受かってんじゃんよー」
「ありゃA判定貰っただけだっての」
「いいじゃん、たしか共通一次の点数だけで合否決めるやつだろー?」
 共通って・・・妙な単語覚えやがって。
「あれは第二志望だ。 第一はもっとレベルたけーから今からやっとかなきゃなんねーんだよ」
「・・・・・・・ボソッ(なんでわざわざ遠い場所第一に選ぶんだよ、バカ)」

28 :弐号機 :05/01/22 03:11:02 ID:AFGQz4HW
「あ? 何か言ったか?」
「・・・・・勉強教えろって言った」
「だから無理だって」
「勉強」
「無理」
「勉強」
「・・・・・」
「勉強」
「くらぁっ、いい加減にしくされぇっ!!」
 びくっ、と身を縮こまらせる。
 流石にコイツもびびったか。
「邪魔すんじゃねーっ!!」
「・・・・・」
「出てって自分の部屋で勉強しろっ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・?」
「・・・・・・ぐすっ」
「!!??」
 あ、あれ、何か泣きそう? ってかもう半泣き?
 っかしーな、ここは「分かったよバカーニキ、もう頼まねーよっ」ってリアクションだろ?
 ち、ちなみにバカーニキってのはバカ+アニキのことで・・・ってそうじゃなくてよ!
「・・あーその、言いすぎたってゆーか、なんてーか、人気低下・・・」
「邪魔しない」
「へ?」
「邪魔しないから、ここ居させて」
「・・・・・・」

29 :参号機 :05/01/22 03:12:07 ID:AFGQz4HW
 ん、これは・・・・そっか、空元気、というか空我侭(?)だったか。
「何かあったな?」
「・・・・・・うん」
「親父か? 母さんか?」
 ふるふる。
「鉄か? 美夏ちゃんか? それとも雛ちゃんか?」
 ふるふるふる。
「俺の知らない奴か?」
 ・・・・・・・・こく。
「どしたよ」
「・・・・・・」
 普段はあーいう奴なだけに、落ち込むときは結構深いんだよな、こいつ。
 前に雛ちゃんと喧嘩したときはヒドかったもんなぁ。 カッター買ってきたときはどうなるかと思ったよ。
「あのさ・・・」
「ん?」
「オレってさ・・・やな奴かな?」
「あん?」
「すごい・・・・我侭なのは知ってる」
「・・・・まぁな」
「偉そうなのも、知ってる」
「・・・・・・・まぁな」
「でも・・・・でもさ・・・・!」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・自己中、とっとと死んで地獄に落ちろ」
「は!?」
「そう言われた」
「・・・・・・・誰に!?」
「アニキの知らない人」

30 :よん様 :05/01/22 03:14:33 ID:AFGQz4HW
「・・・・どこのドイツ人だコラ!! よし、住所教えろ!! カチ込みもんじゃ〜!!」
「あ、アニキ、近所迷惑だよ」
 む・・・思わず絶叫マシーンしてしまった。 深呼吸深呼吸。
「で」
「で・・・?」
「住所は」
「ちょ、ちょっとアニキ、本気で行く気なの!?」
「ったり前田のクラッカー!! クラッキングだけじゃ済まさん!! 二度とこの母なる大地にそやつの汚れた足を付けさせません、勝つまでは!!」
「な、何言ってんだか分かんないよ〜っ」
「止めてくれるな妹よ!! 俺は今日から修羅となる!! 復讐の業火に身を焦がし、その怒れる眼差しは天を射る!!」
「訳分かんないってばっ」
「妹がそんなこと言われて平気な野郎が何処にいる!? 少なくともここにはいない!!」
「・・・・・っ!」
「さぁ、俺に住所を!! そいつの住所を晒せぇぇぇぇ!!」
「もう、いい加減にしろお兄ちゃんっ!!!!」
「うおっ!? は、はいっ!!」
 よ、予想外にデカイ声に、軍隊式の気を付けをしてしまう。 っていうか俺、興奮して立ち上がってたんだな・・・・。
「いいよ、お兄ちゃん、そんなことしなくても」
「し、しかしだな、例えお前が良くても俺の気が・・・・」
「いいの・・・・」
 ひしっ。
「お兄ちゃんは、いつでもオレの味方だよね・・・・?」
 抱きつかれちゃいましたよ、旦那。
「・・・・当たり前だ」

31 :伍号機 :05/01/22 03:16:04 ID:AFGQz4HW
「うん・・・なら良い・・お兄ちゃんがいれば良い」
「・・・・・そうか」
 ぽんぽんと頭を撫でてやる。
「・・・しかし参考までにそいつの住所は聞いておきたい」
「・・・・お兄ちゃん・・・」
「い、いやホント参考程度にすっから」
 もち、嘘♪ コロニー落としの刑は確実。
「はぁ、まぁいいけどね」
「お、晒してくれんのか」
「知らない」
「にゃに?」
「知らない、住所なんて」
「こらこら、そんな奴庇うことないぞ。 俺が天誅を・・・げふんげふん、偵察してやるから」
「だってホントに知らない」
「知らないってをい、最近の奴らは住所知らない奴に死ねとか言うんか」
「そうじゃなくてね・・・・」

32 :RockYou!(?) :05/01/22 03:18:37 ID:AFGQz4HW
 聞いてしまえば(ゲームとか漫画には)ありがちな話だった。
 自身溢れる自称イイ男が告って玉砕。 負け惜しみの一言のコーナー、という流れだったらしい。
 ってかよく考えなくてもすげー幼稚な言い回しだしな。 頭脳レベルが知れるぜ。
 まぁここでアクシデントだったのがコイツの感受性Lvがカンストするくらい高かったことだな。
 言われなきゃ気付かなかったのも情けない話だが、こいつ目が赤いし。
「そっか・・・・全く、お前はそんな奴の言葉を気にしすぎだ」
「だってさ・・・もしみんなも・・・オレの事そう思ってたら、って考えたらさ・・すげー怖くなって」
 ぽんぽん。
「お前は心配しすぎ君なんだよ」
「うん・・・・」
「お前が世界を敵に回しても、俺が捕まえてやっから」
「何ソレ、味方すんじゃないの?」
「ばーか、その後逃がすに決まってんだろ? その間にお前の無実をQEDしてやる」
「・・・・じゃ、頼っちゃおうかな」
「任せろ」
「くす・・・・うん、お兄ちゃん」
「あ、そう言えば」
「何だよ?」
「お兄ちゃん、って久しぶりだなって」
「あ・・・・・」
 見る見るうちに顔を赤くする。 あ、そーいや抱き合ったママだわ。
「あ、アニキ、離してっ」
「いやいや、最近じゃこうべたべたする機会もなかったしな。 この際兄妹のスキンシップを・・・」
「こ、こらぁ、離せぇっ」
 おーおー、耳まで真っ赤にして。 からかい甲斐があるってもんだ。

33 :セヴンスムーン :05/01/22 03:21:28 ID:AFGQz4HW
「ぐひひひひ、この匂いよぉ〜〜〜っ」
「うきゃ〜っ、アニキのヘンタイっ! 離せぇ!」
「いやよいやよも・・・・おおっと!?」
 暴れるモンだからバランスを崩して、二人ですっ転ぶ。
 まふっ。
 低反発クッションが二人分の衝撃を包み込む。 ら、らっきー。
「ういー・・・・わり、やり過ぎたわ」
 上に乗っかてる俺からどかなきゃな。 よっこら・・・・あれ? 体が浮かない?
「・・・・お兄ちゃん」
「あ、悪い、いまどくから・・・」
「もうちょっとこのままがいい・・・」
 え? あ、そうか。 こいつが背中に腕を回してたせいで立てなかったんか。
「・・・・ま、いいけど」
 しかし、この体制どう見ても恋人たちの午後って感じだよな・・・。 あ、いい匂いがするよ?
「・・・・お兄ちゃん」
「何だ?」

34 :サトーハチロー(最後) :05/01/22 03:24:56 ID:AFGQz4HW
「・・・・・・・・ん」
 と、言って目を閉じる。
 ・
 ・
 ・
 これはそういうことですか?
「お、おい、そーゆーのは流石にさぁ? な? 清次郎さんもそう思うだろ?」
「お兄ちゃんは、何があっても絶対オレの味方してくれるんでしょ?
 じゃ、これは等価交換だよ・・・・・」
 清次郎って誰だって突っ込みもなし? ってかこの娘は、こんなときにまでネタを仕込みますかね・・・・。 ああ、なんか可愛い表情してるし。
「ん・・・・・」
 ・・・あ、なんかちょっと震えてる。 か、可愛い・・・・・・・・?
 ・
 ・
 ・
 あ、ちょうちょ(何かが切れた)。
 もうどうでもいいや、成る様に成れだ・・・・。

 ゆっくり、ゆっくりと俺らの顔が近づいて・・・・・・。



「さっきからちょっと五月蝿いですよ〜」
 がちゃっ。

 おーけいママン、期待を裏切らない、とても立派な展開を有難うだぜ。

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0ch BBS 2004-10-30