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[第七弾]妹に言われたいセリフ

1 :No.2 :2007/04/11(水) 21:26:33 ID:2u7WT58l
「あ……。ま、待ってたわけじゃないのよ!これは……たまたまよ!!誰がバカアニキなんか……」
こ、ここは脳内の妹が囁いたセリフを暴露しちゃうスレに決まってるじゃない!!

【バカなアニキのための四箇条】
・変なのは無視!釣り針にも引っかからない!……ったく、ホントにアニキはバカなんだから。
・SS職人にはお礼を忘れない。これぐらい、言われなくても当然よねぇ?アニキ?
・メール欄に『sage』……べ、別に二人きりとかそういうのは関係ないんだから!!
・浮気は禁止。……私だって……アニキに浮気されたら傷つくわよ……う、嘘嘘!!今のはウソよ!!

【バカアニキとの思い出】
妹に言われたいセリフ
http://game.2ch.net/gal/kako/1022/10225/1022257886.html
[第二弾]妹に言われたいセリフ
http://game4.2ch.net/test/read.cgi/gal/1028470988/
[第三弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1056993709/
[第四弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1106065356/
[第五弾]妹に言われたいセリフ
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gal/1110717816/
[第六弾]妹に言われたいセリフ
http://game12.2ch.net/test/read.cgi/gal/1129126207/

過去ログ倉庫
ttp://www.geocities.jp/mewmirror9/

じゃあ、このスレも楽しんでね、アニキ?

607 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/24(水) 21:52:18 ID:5IluGuZ5
流れに逆らわぬように、ジッとソファーで耐えていると、
「じゃあ、平等にみんなでクリスマスパーティーを開くということで」
と、誰かが言った。
……もう決定の雰囲気。
「というわけで、お兄様。楽しみにしててくださいね。詳しくはまた追って連絡しますので」
宮原のこの笑顔を正直殴ってやりたいと思った。殴らないけど。
ぞろぞろと捌けていく人。
残る遥と俺。
「どうしよう……」
「どうしようもないよ……」
「……はぁ……」
うん、逃げよう。
───────────────────────
脱出は簡単だった。
俺の家を会場にしたのは方法としてはいいが、遥を完全に味方に付けられなかったのはかなりのミスだな。
目下の問題は、ほとぼりが冷めるまで俺はどこで何をすればいいか。だ。
友人のほとんどが今日をお楽しみだろうから、そんな中に入っていく勇気は無いし、
そもそもどこまで根回しが進んでいるか……。
買い物しようにも絶対『口に出すのも憚られる二人組』が沢山いるだろうし……。
とすると、もう行ける場所はそうないな……。
「……何もかも今日と言う日が悪い」
呟いた言葉。
恨み節は、自爆の合図。
『お前が負け犬なだけじゃないか』と北風が囁く。
「そうか、これが遥の罠だったんだな……」
遥にまで被害妄想が出ている。
これは本格的にヤバいかもしれないな……。
「どうしようかなぁ……」

608 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/24(水) 21:52:51 ID:5IluGuZ5
帰る?
帰らない?
まぁ、少なくとも手ぶらでは帰りづらい空気ではある。
かといってこれから何処に行けば良い?明日の朝までは安心は出来ないぞ……。
もはや八方塞の俺。
小さな公園のベンチだけが、かろうじて俺に扉を開いている気がした。
「はぁ……」
すっかりため息も白い季節だ。
こんな真っ黒な体から出てきたのにな。
「そうか……これが孤独か」
そういえば、いろんな負の感情を抱いてきたつもりだが、
孤独、というのは自分には縁がなかった気がするな。
そう考えると、遥の存在は偉大だな。
……五分前の自分の言葉を忘れた発言に、少し情けなくなる。
「悪かったな、遥よ」
とりあえず曇り空に向かって謝ってみた。
青空に劣等感を掻きたてられる俺だが、この嫌なことが起こりそうな曇り空も……。
「サンタさんはこんな寒い日に、何してるのかな?」
そんな声を顎で聞いた。
頭を下げ、前方に視線を向ける。
「遥っ……!?」
ヒマから解消されたと言う感情が少しと、見つかった!という感情がかなり……。
即座にダッシュの姿勢。
「お、お兄ちゃん!!大丈夫だよ、連れ戻しに来たわけじゃないから!!」
小動物の相手をするように、まずは優しい言葉。
「本当か……?」
「うん。まぁ……一応、探してくる、ってことになってるけど」
「いいのか?」
「ちょっと悪いとは思うけど……」

609 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/24(水) 21:53:23 ID:5IluGuZ5
困り顔の遥。
遥も被害者であることに変わりは無い気もするなぁ。
俺はとりあえず逃走体制を解除、もう一度ベンチに座る。
「隣、お邪魔するね」
「どうぞ」
クリスマスの昼間に兄妹二人。
誰もいない公園のベンチで。
傍目カップルですかね、俺たち。
「……寒くないか?」
「私は平気。お兄ちゃんは?」
「俺も別に」
……ホントは結構寒い。
多分遥もそうじゃないかと思う。
「……お兄ちゃんは覚えてるかな」
そんな遥が空を見上げながら、ゆっくりと話し出す。
「何を?」
「小さいとき、お兄ちゃんが私にくれたクリスマスプレゼント」
……あっさり言うなぁ。
「なんかあげたか……?」
「ふふ、覚えてない?」
「昔の俺は死んだと思ってくれたほうが良いぐらいだ」
というか、俺にも小学生の時期があったんだろうか。今となっては謎である。
「お兄ちゃんがくれたのはね……温もり」
……。
「何言ってんだよ、遥……」
ネガティブ兄シリーズとは思えないハートフルな単語が……。
この体のど真ん中からこみ上げる気持ち悪さは何だ……。
「お、お兄ちゃんが言ったんだからね!?」
恥ずかしそうに反論する遥。
「俺が……?」
衝撃の事実……。

610 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/24(水) 21:53:55 ID:5IluGuZ5
やっぱり昔の俺は死ぬべき存在だったんだ。
「うん……『僕にプレゼントできるのは温もりだけだけど……』って」
気持ち悪いことするなぁ、我ながら……。
「そんなこと言ったかな……」
「うん。クリスマスにお父さんもお母さんも帰れなくて……でも、お兄ちゃんは私の傍に居てくれた」
穏やかな微笑の遥……。
その微笑を向けるのは、俺ではなく、いつの間にかいなくなってしまった俺。
……あまり良い気分ではない。
「ちょっと不機嫌になっちゃった?」
全てお見通しとでも言いたげな、意地悪な顔の遥。
「そりゃまぁ」
そのことを含めて、バツの悪い俺。
「でもね、お兄ちゃんは……今でも私に温もりをくれてるよ?」
「バカな。そんなもの、何処にあるって言うんだ……」
「わかんないけど……きっといろんな所にあるよ。お膝の上とか、腕の中とか、胸の真ん中に」
「……」
ヤバい、この雰囲気に少し飲まれていた……。
「ずっと、一緒にいよう?」
「……」
この疑問符を恨む。
俺の答えを待っている遥の瞳。
あぁ、昔の俺はこういうところに生きていたなぁ。
「今の俺に温もりなど無い……と思いたい……。
 だが、まぁ……遥が俺の中に何かを見つけたなら……好きなだけ持って行けばいい」
昔の俺の心が今の俺の言葉を使って。
……まぁ、遥が俺にとって大事な妹なのは、そんなに変わって無いような。
「うん」
真正面を見つめて、小さく頷く遥。
「……変なこと言わせやがって」
俺も遥の眺める方を見ながら、足を組みなおす。

611 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/24(水) 21:54:39 ID:5IluGuZ5
「さ、兄妹交流も済んだことだし!そろそろ引導を渡してもらおうかな」
「……」
まぁ、予想通りではある。
いつまでも逃げ切れるとは……思って無いけどさ。
「そんな嫌な顔しないの!私もついててあげるから、ね?」
「遥の方が姉さんみたいだな……」
「あはは……久しぶりに言われたよー」
……言われてるのか。
「……悪かったな、世話焼かせて……」
「お、お兄ちゃん!?べ、別にそういう意味じゃ……」
「分かってるよ……」
本当はもっと謝り倒してやりたいが……少し空気を読んだ。
遥は少し不満そうな顔をしながらも、
「さぁ、帰ろう?」
立ち上がり振り帰る。
俺も、そのあとに続いてゆっくりと立ち上がって
「遥……少し寄り道を許可してくれよ」
「寄り道?いいけど、何処行くの?」
「姉さんに何かプレゼントでも」
「もう……」
遥は小さく不満の吐息を漏らしながらも
「じゃあ、私からも何かプレゼントしてあげるよ、おとーとクン」
意地悪に微笑んで、遥が俺の手を取り走り出す。
嫌な流れに飲まれてしまった俺とその流れを操る遥。
……やっぱり嫌いだな、クリスマス。
───────────────────────

612 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/26(金) 01:45:00 ID:6wsGE8Ld
GJ!

613 :No.2 :2008/12/27(土) 01:07:26 ID:fjQzd3Cl
乙ぬるぽ!

614 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/28(日) 23:57:43 ID:qO1aUJ7A
あげええ

615 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/29(月) 00:11:38 ID:YHEr3WDP
de? dounaruno

616 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/29(月) 07:12:27 ID:6vQVlyce
ド変態

617 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/29(月) 21:28:09 ID:Rlvhvy97
小説まだ〜?

618 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/29(月) 21:48:55 ID:arV4kgA+
( ^  ^ ) オニイチャン!!

619 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/29(月) 23:53:54 ID:zVHEkU++
Zガンダムのロザミィとか年上の妹ってありなのか?

620 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:38:08 ID:qG6cXzTa
2メートルはあるだろう塀の上。
見たこと無いような派手、それでいて奇抜な服を着用。身長が1.5mほどの少女が、俺を睨んでいる。
「ちょっとそこのアナタ!!」
「……」
せめて遥の居るときに話をして欲しいもんだ……。
間違いなく会話のベクトルは俺に向いているが、あえてのスルー。
「無視するなぁー!!」
そう叫びながら、俺のすぐ目の前に飛び降りてくる女。
「いったぁーっ……!!」
やっぱ痛かったか……。
「あの……何か?」
「い……1分待ちなさい……」
何故命令口調……ムカつく……。
仕方ないから待つけど……。
「58……59……1分。で、何か用ですか」
「無視することないんじゃない!?」
「僕じゃないと思ったので」
「しっかり目があったでしょ!?」
「気のせいじゃないですか?」
「はぁ……そんなんでよくこの社会で生きてるわね……」
何故だ……何故見ず知らずの他人にここまで言われねばならん……。
「……絶望した……」
「そんなことで落ち込まないでよ、鬱陶しい」
鬱陶しい……。

621 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:38:41 ID:qG6cXzTa
「……俺を詰るだけの用なら帰りますが……」
「そんなワケないでしょ。アナタ、名前は?」
「……矢車……」
「嘘仰い」
「大野賢太郎です……」
「やっぱり……」
「やっぱりって……?」
「大野賢太郎君……」
真顔で俺を見つめる……何……?
「……?」
「やっと見つけた!私と交際しなさい!!」
「交際……って……?」
「俗に言う、付き合うってことよ」
……何を言うかと思えば……。
こんな展開にはもううんざりしている。
あとはどう断わるかだが……
「……」
無言で逃げる。
「ちょ、ちょっと!!待ちなさい!!」
待つわけ無いだろう。
とにかく、全力ダッシュ。
自分の知る限りの細道や、分かれ道を出来るだけ通過し、いつもの倍以上の時間をかけて自宅まで。
……俺は、悪くないんだよ、うん。
───────────────────────

622 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:39:13 ID:qG6cXzTa
「遅かったわね」
リビングのドアの向こうには、悪夢が待っていた。
「お兄ちゃん、お帰りなさい」
女にお茶を出しながらなんとも能天気な遥。
って、そうではなく……
「な、何故だ……っ!?」
「撒いたつもりかもしれないけど、家ぐらい知ってるわよ。フィアンセなんだから」
……。
「遥!?何か今聞こえなかったか!?」
「え……?うん……」
どうも聞き間違いではないらしい。
しかし、遥。何故お前はそんなに普通なんだ……。
まぁ、いい。そんなの今は些細なことだ。
「どういうことだ、婚約者って!?」
「婚約者は婚約者よ。知らないの?」
「誰と、誰が!?」
「私とアナタに決まってるでしょ?」
「人違いだろ」
「じゃあ、どうしてこの家に来たって言うのよ」
「……でも、全然記憶に無いぞ」
そう。それが一番大事なんだよ。
何で気付かなかったんだ、俺は。
「フィアンセの顔を忘れたって言うの!?」
「言う。お前なんか知らん。女と婚約した覚えもない」
やさぐれモード発動。
「な、何言ってるのよ!?したでしょ!?」
「知らんといっている。いつだ、いつ婚約したというんだ!?大体お前誰だ!?」
「そ、そんなの忘れる方がどうかしてるわよ!!」
「どうかしてるのは今に始まったことじゃない。四の五の言わずに教えなさい」
普段もココまで言えれば良いんだが……いや、ちょっと困るかな。

623 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:39:55 ID:qG6cXzTa
「ね、ねぇ……お兄ちゃん……?」
今まで黙っていた遥が不意に口を開く。
「黒河さん……忘れちゃったの……?」
「はっ!?」
遥が裏切った!?
「ふぅ……やっと薬が効いてきた……」
「何か言ったか!?」
「いえ、何も」
確かに言ったが、今の優先度はそっちじゃない。
「遥、大丈夫か!?この女になんか脅されてるのか!?」
「え?えぇ……っと……別に何も無いけど……お兄ちゃんこそどうしたの?あんなに仲良かったのに……」
悲しそうな顔の遥……
なんか、妙な思い出を捏造されてる気がする……。
「……」
チラッと女を見ると、したり顔がムカつくこと……。
しかし、こいつはともかく……どうも遥が嘘をついてるって感じじゃないんだよなぁ。
「お兄ちゃん……ホントに大丈夫なの?」
「よく分からんが……とりあえず遥。下がってもらって良いぞ」
「う、うん……あの……お兄ちゃん?黒河さんにひどい事しちゃダメだよ……?」
「覚えとく」
遥が部屋から出て行くのを見届ける。
さて……どうしたものか……。
「うむぅ……」
「思い出してもらえたかしら?」
「いや、全然……出合ったのって、そんなに前だったか?」
若干信じ気味の発言……。うーん、なんか急に俺が忘れてるだけのような気がしてきた。
「……いつだったかしらね」
「俺が女嫌いになる前なんだよな」
「そうね」
「じゃあ、小学生くらいか」

624 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:41:06 ID:qG6cXzTa
「多分ね」
「それなら、あきらに聞こう。アイツなら知ってるかもしれん」
「そ、そんな私たちのことに巻き込んだら、彼に悪いじゃない」
……。
「ついに尻尾出しやがったな」
「え……?何を?」
「高羽あきらは女だ。彼じゃない」
「……」
「さて……いろいろ話してもらおうか。とりあえずは……俺の妹に何をしたのかを。
 言っておくが、俺の足は女だって容赦なく蹴り飛ばすからな」
若干脅し気味だが、この際関係ない。
女はしばらく俯いていたが、急にコチラを睨んで
「アンタが……アンタが悪いんじゃない!!」
「は……」
逆ギレかよ……これだから……。
「順を追って説明しろ。俺が何をした」
「言っても信じないわよ……」
「信じるつもりもないが、一応言っておけ」
「……変な女だと思わないでね」
「もう思っているし、俺のまわりは変な女だらけだ」
俺の一言に意を決したとは思えないが、ゆっくりと口を開く女。
「私……魔女なの」
……。
…………。
…………やべぇ、コイツ本物だっ……!
「だ、だから言いたくなかったのに……!」
「それを信じろというほうがどうかしている……せめて証拠を見せろ証拠を」
「それは……無理」
……騙す気ゼロかよ。

625 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:41:40 ID:qG6cXzTa
「使えないの……今は」
「何故?」
「恋しちゃったから……」
「ふざけてんのか?」
耳を疑うセリフに、思わず口が乱暴になる。
俺は悪くないだろ……!?
「ふざけてないわよ!!だって、しょうがないじゃない……恋しちゃったのも、魔法が使えないのも……」
「で、何だ。何で婚約者偽って俺のとこに来た」
「……魔女に戻るためには……好きな人と添い遂げる必要があるの」
「だから、何で俺なんだよ。その好きな奴のトコに行けよ」
「……だから!!アンタが好きになったって言ってるのよ!!女の子にココまで言わせないでよ!!」
不意打ち……。
苦いし気持ち悪い……吐きそうだ、俺……。
「……別に良いじゃないか……魔法なくても……生きていけるぞ……」
頭をガックリ落としながら、声を絞り出す。
「そんなワケには行かないのよ!!こうしてる間にもアイツらが……っ!!」
「アイツら?」
「アンタは気にしなくても良いのよ。さぁ、早く!私を愛しなさい!!」
もう全く会話の道筋が分からねぇ……。
「急にそんなこと言われても困るからなぁ……少し考えさせてくれよ……」
「だから!そんな悠長なこと言ってる場合じゃないんだってば!!」
「何をそんなに急いでるんだよ……ん……?」
そこまで言いかけて止める。
女が緊迫した表情で窓の外を眺めていた。
「どうした……?」
「ほら、来ちゃったじゃない!!」
怒鳴るように叫んで玄関から外に出て行く女。
あぁ、お仲間の登場ですか……。
しかし、これはチャンスだ。
玄関に鍵をかけてやろうと、肩を落として向かうと……

626 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:42:23 ID:qG6cXzTa
「とうとう見つけたわっ、覚悟なさい」
さっきの女と、白い変な服の女と黒い変な服の女の二人組みが向かい合っている。
何だか緊迫した雰囲気。
「……えっと、これは何……?」
「出て来ちゃダメよ、賢太郎!」
手を大きく広げて、俺を庇う姿勢の女。
「は……?」
「こいつらは、アナタたち人間の魂を奪いに来たの!!」
「……お前は……?」
「私はアイツらと戦うために……きゃっ!!」
少し先の地面が爆発した。
「そんな話を聞く必要は無いのよ、人間さん」
黒娘が小馬鹿にしたような口調で語り始めた。
「そうそう。はやく魂欲しいなぁー!」
と、白娘。もうこいつについては語りたくない……。
設定についていけない俺。
そんな俺の背後から、
「え、え!?何、何なの、お兄ちゃん!?」
遥の登場。
もうどうしよう、この場……。
「遥、出てこないほうが良いらしいぞ」
「え……何で……?」
何でと言われても、俺もよく分からないしなぁ。
「賢太郎!のんきに話してる場合じゃないでしょ!?」
そんな場合じゃないのか……。
そんな場合が掴めない俺と遥は、どうしようもなくて、棒立ち。
「魔法力が無くなったアンタなんてもう敵じゃないの」
「そうそう。早く死んじゃいなよ!」
身の丈ほどもある杖を構える二人組。
あぁ、そういう状況……。

627 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:42:56 ID:qG6cXzTa
「賢太郎……ゴメンね、巻き込んじゃって……」
「おいおいおいおい!!やめてくれよ!?そんなこと言われたら一生悔やむだろ、俺!?」
「でも……」
しかし、俺もどうせなら一矢報いてから死にたいなぁ……。
「「消えな!」」
杖の先から放たれた禍々しい光が迫る。
考える間もない。女を突き飛ばし、その光を体に受ける。
「賢太郎っ!!」
「お兄ちゃんっ!?」
全然痛くない……死んだのか、俺。
と、思ったのは一瞬。
「あれ……?」
生きてる。
っていうか……何にも感じなかったぞ。
「え?えっ?」
周りを見回すも、敵味方ともにポカーンとしている。
……俺もそのリアクションに乗ってみる。
「そ、そんな……魔光力が効かないなんて……」
「うそうそ!?人間なんかに!?」
我に返った敵さんが焦ってらっしゃる……。
周りの人が騒いでいるのに、当事者がよく分からないんですけど……。
「遥……?」
もう何したら良いのか分からなくて、遥のほうを振り返る。
「お兄ちゃん……?」
瞳に涙を浮かべた遥が、キョトンと俺の目を覗き込んだ。
「……驚いた。まさか、賢太郎が魔封心の持ち主なんて……」
魔封心って……その設定、何だよ……?
「魔封心!?」
「魔封心!?」
魔封心……?

628 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 22:43:32 ID:qG6cXzTa
敵さんも驚いている……そんなに凄いのか、俺……?
「魔封心って……何?」
女に聞いてみる。
「要するにあらゆる魔法の干渉を受けない体質というか、性格みたいなものね……」
「性格……?」
「まぁ……魔法は所謂催眠術みたいなものなの。その催眠術自体を疑っちゃうから、かかりにくいのよ」
「つまり、お兄ちゃんがネガティブだから、魔法が効かないって事なのかな……」
「まさかでも、本人の周囲にまで影響が及んでるなんて……凄いわね、賢太郎!」
褒められたことがイマイチ腑に落ちないが……俺は今、相手に対して絶対的な高みにいるということだ。
「ま、魔封心なんて無いに決まってるじゃない!!」
「そうそう。さっきは何かの偶然よ!!」
もう一度、さっきの光が迫る。
そしてもう一度直撃したが、やっぱ何ともない。
二度目なんてどうしたら良いのか……。
「うーん……」
ここまできて何にもないと恥ずかしいな……。
「ど、どうしよう……」
「うそうそ……やっぱりホントに」
「慌てちゃダメよ!!かくなる上は……!!」
「そうそう。最後の手段!!」
最後の手段……?
「「喰らえ!!」」
俺の右側、遥に向かって放たれる光弾。
そのなんとも全く予想通りの攻撃を高めの蹴りで消す。
当てた。という視覚と当たってない。という触覚が齟齬を生んで、非常に気持ちが悪い。
その上、見事な空振りで少し体制を崩したまま足を付く。バツが悪い……。
「無事か、遥」
「うん……ありがとう」
遥が無事で何より。

629 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 23:03:37 ID:qG6cXzTa
グッと頭を下げて、
「……こんなことだろうと思ったよ……」
「そんな……」
「うそうそ?ヤバいんじゃない?」
焦る表情に柄にも無く少し強気になる。
「……遥に矛先向けやがったな……!?」
「そ、そんなつもり無かったわよっ!?」
「そうそう。私たちは……」
弁解を聞くつもりは残念ながら無い。
身を縮め、バネを使って距離を詰める。
「……お前らはいいよなぁ……そうやって、人間を見下して……なぁ?」
「み、見下すなんてそんな、ねぇ?」
「俺の力だけでも……相当痛いからな」
少し右足を引く。
さて、どちらから蹴り飛ばしてくれようか……。
「「ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」
───────────────────────
「……迷惑かけたわね、賢太郎」
……例の如く、記憶は無いが。
「一応、お前には世話になった。もっとゆっくりしてけばいいのに」
「人間界に長居するわけには行かないわ……私は、魔女なんだから」
「ご苦労さんだな」
「ええ……まぁね……」
何だか暗い。
「そういえば……」
「何?」
「名前を聞いていなかった。黒河は本名なのか?」
「ええ、黒河夜影。まだ名乗ってなかったわね」
……黒河夜影……ダークな名前だ。
「……そういえば……」
「まだ何か?」
「魔法はどうした?」

630 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/30(火) 23:04:14 ID:qG6cXzTa
「……それは……あの……」
「ん?」
「あなたの魔封心の影響で……一時的に……で、でもっ、あなたのこと好きじゃなくなったわけじゃなくて……」
そんなことかい……。
「もう何でもいいや。そもそもこの設定に間違いがあったんだな」
「設定って何よ……」
「こっちの話だ」
まさか……ファンタジーに片足突っ込むとは思わなかったからなぁ。
「じゃあ、これでお別れね」
「ああ」
「また、何かあったら呼んで頂戴」
「また何も無いといいけどな」
本心だ。
「そう……そうよね……」
そう呟いて、ゆっくりと振り返る黒河。
その背中には黒い翼が。
……驚いてもいい場合なのかな、この状況は。
戸惑う俺に、黒河は肩越しに俺を見て
「じゃあね、兄」
「……」
兄って言った……?
「妹なら、また会いに来てもいいでしょう?」
「……」
「いけないかしら?」
「こういう場合……好きにしろ。ということにしているが」
「ふふふ、ありがとう。じゃあ、また会いましょう、兄?」
黒河の微笑がフッと消えた。
……あまりにも一瞬だったな。
「まぁ、一件落着ってことに……」
夕暮れの街、胃を押さえながら歩く。
……今日の記憶を消してもらえばよかったなぁ。
───────────────────────

631 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/12/31(水) 03:19:29 ID:g/kM23L7
GJ!今回はいつも以上に、
俺の好みのツボにジャストフィットしておもしろかったっす!

632 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:55:23 ID:qLZHbJ0H
まぁ、別にどうということもない一日。
俺は別に急いでいるわけでもなく廊下を歩いている。
すると、
「やぁ」
……見慣れぬ声に振り返ると、やっぱり知らない女が立っていた。
「学校で会うのは初めてだな」
「……?」
あまりの出来事にもはや疑問符しか出てこない俺。
「今日も……ん?どうかしたかい?」
あまりに何も言わない俺に、話を続けようとした女が尋ねてくる。
「いや……誰……ですか……?」
勇気を出して聞いてみた。
「ん?あぁ……そういうことか」
どういうことだ!
心の中で突っ込みを入れながら相手の出方を伺っていると、
「まぁ、近いうちに分かるさ」
不敵な笑みを浮かべながら、女がそう呟いた。
「積もる話は、その時にしようじゃないか」
「はぁ……」
なんともリアクションが取りづらい……。
「じゃ、また今度」
満足したのか小さく手を振って、去っていく女。
どうしようもなく、ただそれを眺めている俺。
……新たな面倒は、もう避けられそうに無い……。
───────────────────────
「……というようなことがあってだな……」
帰り道、昼間の一件を遥に語る俺。
遥は一瞬だけ真面目な顔を見せてから、
「その女の人、誰なの?」
「それが……全然心当たりが無い」

633 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:56:00 ID:qLZHbJ0H
「どんな人だった?」
「……あんまり見てない……」
「それじゃ、わかんないよ……」
呆れた表情の遥。
「だろうな」
当然だと頷く俺。
「まぁ、二度と会わなきゃ問題は無いわけだ。だから、俺は先に帰るぞ」
「あ、うん。私は買い物してから帰るよ」
「おう。後でな」
分かれ道で遥と別れる。
しばらく早歩きで自宅へと向かっていたが……
「……暗いな……」
俺の不安心が活動を開始した。
……そうだよな、この時期この時間なら真っ暗だよな……。
……遥は一回危ない目にあってるわけだし……いいのか、一人で行かせて……。
……でも、あの女には会いたくない……。
……どうしたものか……。




「あれ、お兄ちゃん!?帰ったんじゃないの!?」
「……いや……やっぱり夜道は危ないなと……」
「じゃあ……私のために……?」
「まぁ、そういうことだ……」
スーパーで何とか遥に合流に成功。
前回の発言を覆すのは、何かと言い訳がちになってしまうな……。
「ありがとう、お兄ちゃん」
何だかご機嫌な遥。
俺はカートを押して歩き出した遥のあとをゆっくり付いていく。

634 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:56:45 ID:qLZHbJ0H
……まぁ、買い物の付き合いなんて退屈なものだ。
何が家にあって、何が安くて、何ができるか。
それら全てを理解してなければ、夕飯のメニューのアドバイスなど出来ない。
結局、付いてきたものの何にもしてないわけだ、俺は。
若干退屈になってきた時、
「やっぱり来たな」
……マジかよ……。
出来るだけゆっくりと振り返る。
視線の先には、なんだか白っぽい服を着ているさっきの女が
「そんなに嫌そうな顔をするな、僕だよ」
……だから嫌なんですけど……。
「……」
今度はじっくり顔を見るが……やっぱり分からない。
「お兄ちゃん?」
異変に気が付いたのか、遥がこちらに参戦してくる。
「あ」
「どうも」
発見の声を出す遥と、軽く頭を下げる女。
「あぁ、遥の知り合い……」
取り残された俺が一人、納得していると
「何だ、まだ分かってなかったのか、キミは」
呆れたような女。
……っていうか、歯に衣着せないね、この人……。
「……で、遥。誰なんだ、この人は」
「僕はパン屋だよ」
そう答えたのは遥ではなく例の女。
「パン屋……?」
「そう。ほら、そこの」
女が振り返って、指をさすお店。
そこは……

635 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:57:33 ID:qLZHbJ0H
「あそこはっ!?」
「お兄ちゃん、そこのカレーパン大好きなんだよね」
確かに、あそこのパンは好きだ……。
しかし、こんな店員がいた記憶が無い……のは、当然か。女の顔を覚えられない障害を抱えているからな。
「……バイトしてるのか?」
もう一体どういうリアクションをとればいいか分からず、下らない質問でお茶を濁す。
「まぁ、そんなトコロだ」
「へぇ……」
話、膨らまず。
気まずいよ。
「さてと、素性が分かったところで自己紹介と行こうか。僕は笹野くるむ、よろしく」
「えと、私は妹の大野遥です」
「兄の賢太郎……」
自己紹介が苦手なのは分かってもらえたと思う……
「あぁ、兄妹なんだな。あまりに仲がいいから、てっきり恋人同士かと思っていたが」
「こここここここ、恋人同士っ!?」
テンパる遥。
……そんなに嫌か。
「笹野だったな。あまり遥をいじめないでやってくれ……」
「いじめる?そんなつもりは無いが……気に障ったなら申し訳ない」
「こんな不逞の兄がいるだけでも可愛そうなヤツだ……そこを刺激しないでやってくれ……」
「……ははは!面白いなぁ、キミは」
嘲笑われた……。
……もういいや、こいつ嫌いだ……。
俺が一人落ち込んでいると、
「おっと、もう帰らなければ。では、また学校で会おう」
自己完結的にあっという間に帰ってしまう笹野。
落ち込む俺に遥は、
「……お疲れ様……あんまり、私の出る幕無かったね」
「どんな気持ちであのパン食えばいいんだ……俺は……」

636 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:58:11 ID:qLZHbJ0H
「買い物、続けようか」
「うん……」
肩をガックリ落として、俺は遥の後を付いていく。
この話、まだ、続くんですか……?
───────────────────────
「やぁ。探したよ。クラスぐらい聞いておけばよかったな」
あれから、二日後。
とうとう見つかってしまった……。
「……あぁ、久しぶり」
心底会いたくなかった俺は、げんなりしながら答える。
「元気が無いぞ、大丈夫か?」
「気にするな」
「それならいいが。無理はするんじゃないぞ。そうだ、カレーパンが好きだったな、これは土産だ」
小さな、見慣れた紙袋を机の上に置く。
……この俺を物で釣ろうってか……。
「で、何か用か?」
若干いい気分の俺。
……釣られてるなぁ、見事に。
「この前は、大事なことを言い忘れていたからな」
「大事なこと……?」
「ああ、大野賢太郎君、僕は君を愛している。僕と付き合ってくれないか」
「……」
……?
…………?
「何だとっ!?」
「ん?変な事言ったか、僕は?」
いたって普通の笹野。
それに対し、俺は大慌てで、
「普通!!」
「普通……?まぁ、そんなに個性的な方では無いな。普通と言えば普通だ」
「は……」

637 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:58:47 ID:qLZHbJ0H
お前が普通なものか!!
いや……この突っ込みもおかしいぞ。
「いきなり!!」
まだ全然身の上話とか聞いて無いし、言っても無いし!!
「昔から善は急げと言うからな。あの子が恋人で無いことも分かったしな」
「……」
こいつは手強いぞ……。
俺の性格を知らないから遠慮が無い……。
いや、この女の性格を考えたら、それすらも乗り越えてきそうだが……。
しかも、こういうときいると心強い遥がいない。
……どう断わろうかなぁ。
げんなりしながら、次の一手を練っていると、
「そんなことより……そろそろ返事をもらえないか……その……僕だって不安なんだ」
あら、そういうところもあるんですね……。
「……」
『残念だけど……』
いや、あまり遠回りな表現が効果的な相手では無さそうだ。
『俺、彼女いるし』
いねぇし。
『ダメに決まってんだろ!!』
言えない言えない……。
もうやさぐれそうだなぁ……。
そんなことを考え始めたとき、
「……っ!?」
背筋が凍るようなこの感覚は……殺気……?
凍ってしまった首をなんとか動かして、何にも言わずに振り返る。
視線の先には
「賢にぃ……誰……その人……」
「ま、真雪……」
絶対零度の視線を容赦なく刺しこんでくる冬月真雪……。
これはヤバいんじゃないかなぁ……。

638 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 21:59:25 ID:qLZHbJ0H
「あぁ、賢太郎君の友達だね。僕は笹野くるむ。今、賢太郎君に告白して、返事を待っているところなんだ」
空気を全く読まない笹野。
流血沙汰ですか、これは……。
「賢にぃ……答えは……?」
何でこんなノリで言わなきゃならないんだ……。
全く性質の違う二つの視線が痛い……。
「まぁ……そりゃ、お断りさせてもらうつもりだったけど……」
もはや尋問だよ、これは……。
「そうか、残念だね。いや、僕としたことが早とちりしてしまったようだね」
「は……?」
「遥君が恋人でないことを聞いて、君に恋人がいないと勘違いしてしまった。君にはこんな恋人がいたんだな」
……。
……それも違うんじゃないかな……。
いつもはその辺の複雑な事情を説明してくれる遥がいないので、仕方なく俺が。
「あの……確かに恋人いないけど……真雪も恋人とかじゃなくて……」
痛痛痛痛っ!間違って無いだろ!?
「ん?ちがうのか?」
「なんていうか……あの……俺は女性が苦手で……」
あぁ、自分で何を言っているんだ俺は……。
「賢にぃ……説明……しようか……?」
こんなグダグダな俺を哀れんで、真雪からの助け舟。
「……じゃあ、頼む」
本当に助け舟かどうかは疑問が残るが……。
もうどうでもいい……事実が伝われば……。
もはや投げやりな俺は説明を真雪に託し、机に崩れ落ちる。
帰りたいなぁ、もう……。
「なるほど、じゃあ、僕にもまだチャンスはあるんだな」
「うん……ライバル……」
「そうか。僕も晴れて君の妹だな。兄上」
こんな台詞が遠くで聞こえる。
もうどうでもいいから、この話、早く終われ……。
───────────────────────

639 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 22:00:00 ID:qLZHbJ0H
いつもの帰り道。
いつもと同じくらいの時間。
いつもと同じようにいつものスーパー。
いつもと違う遥……。
「あ、あのね……えとね……」
ハキハキしている遥が今日に限ってモジモジ。
一体何が……。
「……熱でもあるのか?」
不思議に思って、立ち止まり、振り返る。
「熱は……ないんだけどね……」
珍しい表情の遥。
遥の感情が読めず、出方を伺うのみの俺。
「買い物に付き合ってくれて……ありがとう」
「……あぁ」
いつものことじゃないかと思いつつも、この状態の遥に水を差す気は無い。
何食わぬ顔を装って、何にも言わずにカートを押す。
「ねぇ、お兄ちゃん?お兄ちゃんは何が食べたい?」
「遥なら分かるんじゃないか」
まぁ、俺の好きな物には詳しいわけだし……。という意図の発言であり、
やんわり否定するなり、考えるなりして欲しかったわけだが、
「えっ!?そ、そんなこと……ないよぉ……」
照れるように否定した遥。
……どうしちゃったんだ、俺の妹は。
「遥……?」
何気なく肩に置いた手に、
「え……?お、お兄ちゃん……」
胸焼けのするリアクションの遥。
嫌ではないが、何なんだ、この空気……。

640 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/12/31(水) 22:00:40 ID:qLZHbJ0H
「やぁ、兄上」
空気をぶっ壊す笹野の声。
今回ばかりはありがたい……。
「あ、ああ、笹野。今日もバイトか」
この空気を断ち切った笹野に、出来るだけ好意的な視線。
「そうだが……兄上?」
「どうした?」
「本当に君たち兄妹は仲がいいんだな」
「こんなもんじゃないか。なぁ、遥?」
「え……?あ、うん……そうかもね」
さっきと対照的になんだか素っ気無い遥。
その遥を見て、
「兄上。遥君、何だか暗いけど、何かあったのかい?」
「さぁ、俺にも……ちょっと疲れてるんじゃないか、遥?」
「そ、そうかもしれないね」
相変わらず素っ気無い。
……遥のことなら少しは分かっていたつもりだったが、まだまだ知らないことも多いんだな。
───────────────────────
ネガティブ兄に『胃が痛い』とか『胃に穴が開く』みたいなことを言わせまくっていたら、
僕本人がクリスマスイブの日に胃潰瘍に苦しむ羽目になりました……。
というわけで、俺にも遥みたいな妹がいればなぁという意味を込めて、
ネガティブ兄の書きかけの奴を急遽完成させて、厄払い。

まぁ、創作のペースはかなり遅いですが、来年もよろしくお願いします。っと。

641 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/01/01(木) 22:48:35 ID:vIABjrOi
胃潰瘍ってマジですか…お大事に…

名無しを代表して、今年も宜しくお願いします。

642 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/01/02(金) 19:45:10 ID:pI+pjDsY
投下乙です。
お体お大事に、そして今年もよろしくお願いします。

643 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/01/25(日) 20:54:51 ID:eAvgFF6v
保守。

盛り上げるためには、俺なんかでも何か書かなきゃいけないとは思ってるんだが、
書きたいネタはあるけど、文章に出来る程じゃない……。

644 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/14(土) 23:58:41 ID:sfwYfq2p
土曜日。
まぁ、別に何かあるわけでもなく。
のんびりといえば聞こえはいいが、ただ暇なだけの休日。
忙しそうな遥とは対照に、リビングでコーヒーを啜る俺。
「何かつまむもん無いかな」
ちょっとコーヒーだけでは物足りなくなってきた。
何か食べ物を探すために立ち上がる。
そのとき、
ピンポーン
チャイムが鳴る。
少しだけ遥の方を見たが、どうも手が放せなさそうな顔。
俺が出るしかないのか……。
滅茶苦茶嫌。というワケではないが、結構嫌なものだ。
ちょっと暗い顔でドアを開けると、
「お早う。朝早くからすまないね。すぐ済むから勘弁してくれよ」
と、笹野。
「まぁ、忙しくは無いからいいけど……何か用か?」
「ん。まぁ、そうだな。ほら、これを」
と言って、バッグから小さな紙袋を。
「今月は何かと物入りでな、ちょっと安物になってしまって申し訳ないが」
少し、小さな声で呟いた。
俺は不審に思いながらもその紙袋を受け取って、
「あぁ、ありがとう。何だこれ?」
「ん?そんなに変なモンじゃないぞ、普通のチョコレートだ」

645 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/14(土) 23:59:46 ID:sfwYfq2p
何故俺に突然チョコレートをくれるんだろう……。
パンの材料が余ったのかな……。
「あぁ、ありがとう。あとで食べるよ」
理由は不明だが、チョコは嬉しい。コーヒーのお茶請けにしよう。
「うん、喜んでくれて何より。美味しく食べてくれると、嬉しいよ」
「あぁ、悪いな」
「気にするな、僕と君の関係を考えたら……じゃあ、僕はバイトがあるから、失礼するね」
小さく手を挙げて、コートを翻す笹野。
それを黙って見送る俺。……笹野に食で買収されすぎじゃないか、俺……。
───────────────────────
短すぎですが、一応バレンタインにはギリ間に合った……。
続きはまた明日書きます……。

646 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/02/15(日) 03:36:09 ID:tMlulBrO
GJ!



647 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/02/16(月) 21:53:05 ID:kc+Ut2RK
.       ,、r‐''''''''''''''''ー 、
      ,r'         `' 、
     /             ヽ
.    / ,             ヽ
   ,,'  ;    ,、、,_  ニニ  ,、」、
   l.  :;;;i    ´ .._`ー   ‐''"....|
   l:,;'"`'、,    . ,;ィェ、..   ,rェ;〈
.   ';i l :::i;;,, ::' "......::'''ン  .., .:::'''"゙,
    l;゙、',.::l;;;i      r   ヽ.   l,   いやあっだめっ
    l;;;;`‐;;;;;ヽ   . './'ー'''ー‐' ',  l;;;,,   なんでそんなとこ舐めるの!?
. ,、rイ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ  ,r";;二二二,ヽ, !;;;;:'  汚いよっ!
'.:.:.l ll ;;;;;;;;;;;;;;;;;' ,rニン"  ̄二´ `ノ;;;;;`-、
:.:.:.| l.l  '';;;;;;;;;;;;;;'         ,イ l'''  l `
:.:.:.:| ','、  '''''''''   , ‐---,ェr'".l.|  |  |
:.:.:.:|  ゙、゙、       `''''''''"",ノ l l  .|  |
:.:.:.:.|  ヽヽ     `'---‐'" .//  !

648 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:16:53 ID:yUJyB29i
「早速食べるか」
リビングに戻った俺。
一段落着いたのか、ソファに座って茶を飲んでいる遥。
「あ、お兄ちゃん。もしかして、チョコレート?」
「よく分かったな。笹野からもらった」
「笹野さんから……。それにしては、嬉しそうだね?」
「丁度何か食べたいと思ってたんだ。せっかくだ、一緒に食おうか?」
「え、私はいいよ!」
強く否定する遥。
それに、ちょっとヘコむ……。
「……じゃあ、一人で食おうかな……」
ちょっと出鼻を挫かれたが、俺の動き出した甘いものを食べたい気分は止まらない。
紙袋から、上品な箱を取り出し、その箱を眺めながらテーブルへと向かう。
その最中、
「お兄ちゃんがバレンタインにそんな嬉しそうな顔してるの、初めて見たよ」
……。
ドサっ……。
……。
「お、お兄ちゃんっ!?」
遥が大声を張っている。
足の上に、小箱的なものが落下してきた痛みを感じる。
「まさか、気付いてなかったの!?」
遥の目を見る。
視線を下にズラす。
「忘れていた……」
俺はそっとチョコを拾い、そのまま紙袋に戻す。
「遥、いるか?」
「ううん……私はそれを食べる勇気は無いよ……」
「だよなぁ……」
ソファに座り、カップに残ったコーヒーを一気に飲み干す。
まさか、チョコレート一個がこんなに俺にダメージを与えるとは……。

649 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:17:26 ID:yUJyB29i
「うわ、お兄ちゃん凄い……苦くないのー?」
もう別にあきらが来たって驚きはしない。
というより、もはや感情が半分凍っている。
「……熱い」
「そっかー、でも、気をつけたほうがいいよ。ベロをヤケドすると痛いよー?」
「ああ……気をつける」
「あ、でも、もしヤケドしちゃっても、ほら!ボクのチョコは食べられるよ!!」
両手で差し出されたチョコ。
「……チョコは熱くないな」
「うん。ボクはあんまり詳しくないんだけど、有名なお店のチョコなんだって!」
「ふぅん……」
出されたチョコ。覚悟は決まった。
それを中指と親指で受け取る。
「あとで食べる」
「うん。じゃあ、ボクは帰るね?」
「気をつけてな」
「うん、ありがとう。じゃあね、お兄ちゃん」
帰ったか。
……。
「え、お兄ちゃん?な、何で私をそんな目で見てるのかな……?」
「……やり場の無いこの感情をどうしたものかと思って……」
「うー……美味しいチョコでも食べたら?」
「今食べたら、諸々を認めることになる気がする……」
「そうだね……コーヒー、もう一杯飲む?」
「……もらおうか……」
立ち上がる遥。
二つのチョコを前に、頭を抱える俺。
「……居留守、使う?」
手早くコーヒーを入れてくれた遥。
コトリとカップを置いて、言い辛そうに提案。

650 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:17:58 ID:yUJyB29i
「……もう二人にもらった時点で遅いだろ……」
そりゃ逃げたいは逃げたいが、後々面倒なことになる気が物凄くしている……。
「それもそうだね。じゃあ、先は長いけど頑張ろう」
コーヒーが薄い……。
……バレンタインなんて無くなればいいのに。
「気分が優れないようですが、大丈夫ですか?お兄様」
「……うん。大丈夫」
宮原。
宮原か。
「バレンタインのチョコを持って参りました、よかったら受け取ってください」
あぁ、手書き風の花柄が書かれた薄い紙袋。
「……手作りか……?」
「すいません……あまり時間がなかったもので……手の込んだものは……」
「いや、そういうつもりじゃないんだ……」
あぁ、俺のせいで気を悪くさせてしまった……。
ただでさえ元気が無いのに、さらにヘコむ……もう嫌だ……。
「ごめん……手作りのチョコなんて貰い慣れて無いから……」
「ふふ、私も本命チョコなんて渡すの初めてです」
……すっげぇパンチ打ってきやがった。
「……」
俺も初めて。とか何とか言ってやろうと思ったが、やっぱ無理だ……。
「ありがとう……あとで食べる」
「はい。では、お兄様もお忙しそうですし……私もそろそろ失礼しますね」
「……悪いな、お構いもしなくて」
「いえ。受け取ってもらえただけでも嬉しいです。それでは、また月曜日に会いましょう?」
……会いたくない。
「だから……その目は辞めてよぉ……私が悪いんじゃないよ……」
「……分かってるけど」
テーブルに突っ伏して、少し休憩。
三杯目の遥のコーヒーはさっきよりも随分濃い……。
……口の中に残る苦味では、喉の奥の苦味は紛らわせそうに無い。
───────────────────────

651 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:19:32 ID:yUJyB29i
立て続けに三人の自称妹たちに会って、俺の心ももうボロボロ。
毎年俺以外の男はこの時期になるとチョコを欲しがるが……こんなのが本当に幸せだと思ってるのか……。
半分死んだような気持ちで土曜日の午前中を過ごしている。
テーブルの上には三つのチョコ。
もはやこのソファから立ち上がる気力も起きない……。
……まだ土曜で良かったな。明日はゆっくり休もう。
せめて明日のことを考えて明るくなろうとしているというのに、
「おはよう兄。っていうか、もう『こんにちは』かしら?」
背後から襲い掛かる非現実女、夜影。
「別にどっちでもいい……」
「ま、それもそうね。兄、チョコレートは好きかしら?」
「……普段なら」
今、俺のチョコレート株は大暴落しているが。
「そう……良かったわ、甘いもの嫌いだったらどうしようかと思ってたの」
四個目のチョコか……。
「……これ、大丈夫なんだろうな」
「な、何よ!!その言い方!?」
「……」
ヘコんでしまった心は大きな声に弱い……。
だって、蛙とか蛇とか入れてそうな感じするじゃないか……。
「あ、ゴメン……」
俺の死にそうな雰囲気を察してくれたのか、すかさず謝罪を入れる夜影。
「いや……俺も……」
……悪くは無いはずだ、俺は……。

652 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:20:04 ID:yUJyB29i
「でも、そんな言い方……向こうの世界にはチョコレートはないし、ちゃんとこっちの世界で買ったものなんだから……」
「……」
「作るのだって、魔法は使ってないのよ……?」
「それは……悪かった……」
「そう思うのなら、このチョコ、受け取りなさい!」
「……はい……」
受け取る。
……別に、置いてってくれればいいのに。と今更ながら思う。
「じゃ、じゃあ、私は帰るから!!」
「おぅ……」
と言った瞬間には夜影は消えていた。
……アイツ便利だなぁ。
もう動く元気すらなく、しばらくそのまま食器棚の方向を眺めていると
「何処見てるの?賢にぃ」
虚空を眺める俺を本気で哀れむ真雪の声。
この人たち、今日はホントにテンポがいいなぁ……。
「……別に」
「そう……」
……心配されているね。
「遥ちゃんは?」
「……そういや、いないな。まぁ……忙しいんだ、遥は」
「忙しいんだ……」
「ああ、そうらしい」
見の無い会話は相変わらず。

653 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:20:37 ID:yUJyB29i
「……そ、その……賢にぃ……?」
「ん……?」
「こ、これ……」
はいはい。チョコだよね、チョコ。
受け取りますよ。
「……あんまり気に入らないかもしれないけど……」
……あぁ、相手の卑屈に返す言葉が無い……。
俺も少し反省した方がいいなぁ……。
「気にするな、チョコ好きだぞ」
俺、ちょっと優しい。
「……よかった……」
真雪の微笑。
別に俺は今日に関しては何とも思いませんがね。
「……今日は……帰るね……」
「おぅ、気をつけて」
真雪の背中をボッーと見つめる。
……真雪のチョコを仲間達の中に入れてみた。
───────────────────────

654 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:21:10 ID:yUJyB29i
「ふぅ……」
ため息にも色々あるが、まぁ、その色々を含んだため息を吐いてみる。
……もう誰も来ないはず。誰も来ないはずだ……。
「……あぁ……」
机の上のチョコレート五つを見る。
どうしようかなぁ……。
食べたい気持ちはかなりあるが、前述の理由を考えると食べられるはずが無い……。
「あー……チョコが食いたい!!」
買いに行こうかなぁ。
……いや、今日買いに言ったら、もうそれは恥ずかしい人じゃないか。
「遥に買ってきてもらおうかなぁ……」
「え?私がどうしたの?」
背後から遥の声。
まぁ、みんなの今日のタイミングの良さと来たら……。
俺は首をそのまま後ろに倒して、
「ん?チョコが食べたいんだが……さすがに今日買うのは恥ずかしいし、遥、買ってきてくれよ」
「お兄ちゃん……それは、出来ないよ……」
なんだか困り顔の遥。
「……何で?」
「こっち、向いて」
「んー?」
折れそうな首を正常な位置に一旦戻し、今度は捻る。
視線の先には
「あ……」
「……私も……チョコ、あるんだけど……やっぱり私のもダメ?」
「いや、遥のだったら食べるよ」
こういうのは失礼かもしれないが、遥には一番気兼ねが無い。
当たり前か。妹だし。

655 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/02/20(金) 23:21:43 ID:yUJyB29i
「ち、ちなみに……私のチョコも……他の皆とあんまり変わらない感じだけど……」
「ん?どういうこと?」
「そ、その……込められてる気持ちが……」
……?
手を後ろに組んで、モジモジの遥。
「そりゃ、そうじゃないか?」
「え……?」
「遥だって……というか、遥こそ、俺の妹だからな」
「……え?」
呆然顔の遥。
「あぁ……そっちか……」
今度は、ちょっと納得した遥。
「どっち?」
「ううん、何でもない……はい、チョコ。コーヒーは……いらないよね、もう?」
「あぁ、ありがとう。コーヒーはもうさすがにいらないね」
「私は……ちょっと疲れちゃった……休んでくるね」
「あ、あぁ……」
ヨロヨロとリビングから出て行く遥。
チョコを一つ頬張る俺。美味い。
机の上を見なければ、今幸せだなぁ。
様子のおかしい遥は……まぁ、今日は気にしないことにしよう。っていって、二度と思い出さないのだけど。
───────────────────────
何だこのあまりにも、なストーリーは。とか。
そもそも、もう日本語が上手く書けて無いじゃねぇか。とか、
こんなん書くのに何日かけてんだ。とか……。

俺、本格的に台本書きとしての能力がヤバいみたい……。
……次に会うのはいつだろうね。

656 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/02/22(日) 18:04:00 ID:iyOum8aP
GJ!

657 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/02/24(火) 01:57:05 ID:egeDSQkQ


658 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/23(月) 22:12:18 ID:VgXc8Q9Y
行く場所が無い、目的も無いというのは悲しいことだ。あるのは時間だけ……。
せめて暇な時間を共有できる人間がいればいいんだが、今の俺にはそれすらも。
まぁ、別に本屋やらコンビニやら時間をつぶせそうな場所を目指してブラブラと歩く。
「いっくん……?」
すれ違った女が振り返って呟いた。
が、この『いっくん』と呼ばれる要素を持っていない大野賢太郎には、関係の無いこと。
何にも気にせず歩き続ける。
「……いっくん……」
泣き出しそうな声。
あぁ、携帯音楽プレイヤーの電池さえ切れていなければ、聞き流せたのに……。
いや、俺には関係の無いことだ。だって、いっくんじゃないし!
少し気にしながらも、歩き続けた。
今度は、
「うぅっ……うえぇぇぇん……」
とうとう泣き出した。
周りには俺達以外は誰もいない。
少し離れたところからは、数人の人が歩いてくる。
……あぁ、この状況はどう考えたってマズいねぇ。
「……」
仕方なく振り向く。
当然女には見覚えが無い。
「……?」
何故お前も俺と同じ顔をしているんだ。
「誰……?」
泣きながら、ポツリ。
……それはこっちの台詞だ。
「人違いなら、行ってもいいですよね?」
という言うが早いか、逃げるように女から背を向ける。
大丈夫、おじさんも変な顔はして無いし。

659 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/23(月) 22:13:44 ID:VgXc8Q9Y
「ん……?」
袖が掴まれている。
「待ってくださいぃぃ……」
鼻声でこんなことを言ってくる女。
……何でだよ……関係ないだろ、俺と……。
「私、アナタにぃ〜……」
……周りの目が痛い。
家で大人しくしてりゃ良かったよ……。
───────────────────────
買い物の帰り道。
ビニール袋を手に提げた私は、正面から来る人に見覚えがあることに気づく。
そうだ、あの人は……
「あ……一郎くん」
「え……あ、遥さん」
今井一郎くんは私の従兄。
親戚だけあって、お兄ちゃんを水で薄めたような人……っていうと、少し失礼かなぁ。
「偶然だね。何してるの?」
「え……」
明らかに焦っている一郎くん。
聞いてみただけ。聞いてみただけ。
「あ、忙しそうだね。邪魔したら悪いし、私はもう行くね」
適当に気を使って、その場から抜けようとする。
「あ、あの……」
時間にして2秒後くらい。
一郎くんの声が……。
「え?」
にわかに信じられなかったが、もしかしたら私を呼んでいるかもしれない。

660 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/23(月) 22:14:39 ID:VgXc8Q9Y
首を少しだけ向けて、目だけで一郎くんを確認する。
「あ、ゴメン。ちょっと聞きたいことが……」
どうも本当に私の用らしい。
……うーん、お兄ちゃんならこんなこと絶対しないのに……。
「何かな?」
「えと……人を探してるんだけど……」
「人?どんな人?」
「このは……」
「このは……?」
このは……このは……。
……名前かなぁ、苗字かなぁ。それとも木の葉ってことなのかなぁ……。
しばらく考えていると、
「あ……」
そうだ。昔2、3回会ったことがある気がする。
確か……
「彼女さん?」
何度か一郎くんの家に遊びに行ったとき、いつも、一郎くんの後ろから離れなかった女の子の名前。
「え……?何で、それを……」
照れながらも答える一郎くん。
そんなこと忘れてたって、一郎くんの顔を見れば十分理解できるのに。
「それで、どうしたの?」
「……ちょっと……ケンカして……。俺が悪いのは……分かってるから……謝りたいんだけど……」
「なるほど、そんなことなら私も手伝うよ」
「え、いいよ!」
そうだそうだ、ここで押しても無駄だったね。
「そう?じゃあ、写真とか無い?見つけたら連絡するから」
「え?……う、うん……」
一郎くんにケータイで写真を見せてもらう。
幸せそうな顔。
……仲直りさせてあげたいな。
───────────────────────

661 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/23(月) 22:15:27 ID:VgXc8Q9Y
お久しぶりです。ネガティブ兄、いつぞやのネガティブ幼馴染編。
まぁ、全く関係は無いんだけど、裏設定を破綻させるセルフコラボ。
……当初の予定というか願望はこんな話じゃなかったんだけどなぁ。

しかし、一ヶ月書き込みなくても、落ちないんだね……
俺一人、目指せギャルゲー板最下層。

662 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/03/24(火) 00:09:21 ID:+8wsGQ1H
GJ!

663 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/03/24(火) 14:05:08 ID:hhrjdeWQ
更新来た!これでかつる!

664 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/27(金) 23:36:09 ID:hxNd4udw
「……」
「……」
「……」
公園のベンチ。
隣同士の俺と女。
……何か言ってくれよ。
「……落ち着いた……?」
仕方ないので、何故か俺が気を使う。
「す、すいませんっ!!私、ちょっとっ……」
「まぁ、いいけどさ……」
気が弱いなぁ、俺……。
「で……何か、俺に聞きたいことがあったんじゃないのか?」
もう早く帰りたい。
まぁ、嫌では有るが、仕方なく話を振ってみる。
「あ、はい……えと、その前に……私、野咲このはっていいます。あの……お名前を……」
「大野賢太郎」
「大野さん……すごくつまらないことなんですけど、大野さんが……私の友達と似てて……」
あー……。
この話は恐らくめんどくせぇぞ……。
「で、よかったら相談に乗ってもらえないかと……」
やっぱり……。
しかし、少し考えてみると、そんなことを見ず知らずの人間にすがるなんて、普通の感覚じゃない。
……それだけ友達に入れ込んでるのか、それともこの女が相当変なヤツなのか。
「まぁ、仕方ない……。で、具体的に何を?というか、どこが似てるのかまずは聞きたいんだが」
「……えと、雰囲気というか、オーラというか……陰々滅々とした感じというか……」
あー、そうか。
バカにされてんだ、俺……。
「ご、ゴメンなさい!!べ、別に大野さんがそういう人って言うつもりじゃ……」
……言ってるじゃん……。

665 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/27(金) 23:37:00 ID:hxNd4udw
でも、まぁ、
「……いいんだ、間違ってない……」
「で、でも……私、そういうところも嫌いじゃなくて……!!」
「……」
全く俺へのフォローになってないぞ……。
「えと、えと……と、というか……そういうとこも、好き……なんですけど……!!」
「……」
もう何を言っても負けな気がする。
……どうすりゃいいの?怒っていいの?
なんか女はフォローを続けてるけど、もう惚気にしか聞こえない……。
「……で、そこまで言っといて、何を俺に相談することが……」
ちょっとやさぐれた。
「……え……?」
……え……?
もしかして、いい事言った、俺……?
そんな気はなかったのに、何だかアドバイスっぽくなってしまったことに自分でも驚いている。
「そ、そうですよね、大野さん!!私は、いっくんのことが……」
全く意図してなかったんだ、その目はやめてくれよ……。
あー……消え失せたい……。
「……もう、帰っていいか……」
「あ、お礼をさせてください!」
「そういうの、いいから……」
「いえ、是非!」
……いっそ殺してほしい……。
───────────────────────

666 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/27(金) 23:37:43 ID:hxNd4udw
一郎くんと別れた後、一度家に帰り、もう一度このはさんを探す。
気を使わせないように、一郎くんには見つからないようにしていたが……
「あ、あれ、遥さん?」
まずい……見つかった……。
「遥さん、帰ったんじゃ……」
「うん。天気もいいし、ちょっとお散歩ついでに、このはさん探しのお手伝いをしようかなって」
……うーん、これもちょっとイマイチな言い訳……。
「そう……ゴメンね、わざわざ」
やっぱり今一つ納得していない一郎くんの顔。
「気にしないで。ついでだから」
焼け石に水ではあるけど、『ついで』を強調してみる。
しばらく、二人で歩いていたが、
「あ、お兄ちゃんだ」
「ホントだ、賢太郎さん……」
公園の向こうの方にお兄ちゃんがいる。
そして、遠くてよく分からないが女の人……あぁ、またお兄ちゃんは変なことに巻き込まれてるのか……。
「あれは……このは……」
「え、あの人が……?」
言われてみると、確かに特徴は似ている。
……これは、もしかして……。
「一郎くん。多分、怒るだけエネルギーの無駄だよ?」
「どういうこと?」
「……別に怒って無いならいいけど……。あのお兄ちゃんが女の人を好きになることなんてないから」
「うん……知ってる。でも、このははどうかな……」
「あの顔が、お兄ちゃんのこと好きな顔に見える?」
「……いや」
「じゃあ、行こう。お兄ちゃんも困ってるし」
「ああ」
大きく息を吐く。
そして、少し明るい口調で、
「おーい!お兄ちゃーん!!」
───────────────────────

667 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/03/27(金) 23:38:25 ID:hxNd4udw
第二弾。次で終わり。意外に短い……。

しかし、俺だけのスレかと思ったら、まだ人がいるんだねぇ。
あとは職人様がいらっしゃることを祈るばかり、と。

668 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/03/28(土) 17:57:31 ID:309AVUgD
GJ!
投稿待ちでROMってるんだ

669 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/03/28(土) 19:23:13 ID:HOpJFLuC
ノシ俺もだ
遊星氏は我々の希望の星なのさ!!

670 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/04/06(月) 16:58:47 ID:VHPa+dAS
保守

671 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/04/17(金) 23:10:55 ID:KkfFbybR
「おーい!お兄ちゃーん!!」
聞きなれた声。
このタイミング……さすが遥と言ったところか。
「は、遥!!」
完全に『助けてくれ』を込めた言葉。
その言葉に、何故か今まで俺の腕を掴んでいた女の手が離れる。
「……いっくん……」
視線の先。
アイツは……。
「なんだ、一郎じゃねぇか。ってことは、この女が一郎の彼女……?」
「どうもそうみたいだよ、お兄ちゃん」
……あー、そう……あの一郎にも……。
「このは……」
俺を無視して、この女に話しかける一郎。
……あぁ、もしかして俺達が邪魔?
「このは、ゴメン!俺が悪かった!!俺が……こんなだから……」
「ううん、いいの。私は、そんないっくんが好き」
「このは……」
「いっくん」
あー、何か抱き合ってるよ。
……気持ち悪ぃ!!
これネガティブ兄シリーズじゃねぇの!?
「で、何でこんなことに……?」
何と言うか敗北感のような感情に目を背けるように、遥にしょうもない質問を。
「お兄ちゃんこそ、何があったの?」
「俺は……話せば長くなるが、一郎と勘違いされて、何やかんやで相談に乗ってた。遥は?」
「私は、このはさんを探してる一郎くんに偶然会って、一緒に探してたの」
しかしまぁ、あれが一郎の彼女ねぇ……。

672 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/04/17(金) 23:12:19 ID:KkfFbybR
「羨ましい?」
「そういうのが全く無いといえばウソになるが……嫌悪感の方が強い」
「お兄ちゃんらしいよ」
……呆れた様子の遥。
「……帰ろうかな」
もう別に何かを言い返す気にはなれない。
何も考えずに、帰宅を提案する。
「帰りますか」
賛同する遥に心からホッとする。
しかし、
「待ってください」
帰らせてよ、バカップルさんよ……もう俺の負けなのは明白だからさぁ……。
「……」
言葉は語らない。
死ぬほど元気の無い顔で、振り返る。
「大野さん、本当に有り難う」
「……」
黙って頷く。もうどうでもいいから。
「あの、お礼といってはなんですが、お二人とも一緒に食事でも……」
「あ、もちろん奢りますから」
……この二人と一緒に?
このさっきから自分達の世界を展開しっぱなしの二人と?
死んでも嫌だ。……とは言えないんだが、どうしたらいいんだろう。
遥をチラッと見る。
お見通し、とばかりに視線を背ける遥。
……あぁ、助けてはくれないんだ……。

673 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/04/17(金) 23:13:05 ID:KkfFbybR
沈黙の俺。
三種の視線が突き刺さる。
「わかった……」
「わっ!?ホントですか!?」
驚く女。
……このリアクションなら、行かないという選択肢も十分有りだったな。
「ふふ〜♪」
ニヤニヤ顔の遥。
そして、
「良かった。俺たちがよく行くお店があるんです。紹介しますよ」
何か、いいトコ見せたいんだか何だか知らんが、よく喋る一郎。
ここから先はもう語りたくも無い。もう最低だよ……。
───────────────────────
……今回の話はこれで終わり。
毎度のことながら、このオチ弱さ。さすが俺。

相変わらず、アイデアは出ません。
まぁ、何か浮かべば出来るだけ書くようにはしますんで、その時もこのスレがあればな、と。

674 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/05/04(月) 14:59:38 ID:d4Rwl5TN
ほしゅ

675 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/05/08(金) 03:33:38 ID:caXeZd0e
保守

676 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/05/14(木) 23:10:24 ID:mDfhxhpd
・・・保守

677 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/05/23(土) 16:45:04 ID:iBg07Qa7
お兄、保守するねっ

678 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/06/07(日) 08:56:53 ID:5lnfnkg2
 

679 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/06/18(木) 15:02:19 ID:RyNsI+NL



680 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/06/25(木) 20:50:46 ID:xI1N8OQW
妹に言われたいセリフか…
可愛くて綺麗で俺に優しくて甘い妹にお兄ちゃんが一番好きだよって言われたい。

681 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/06/26(金) 23:57:11 ID:VXKRDMpn
父の会社の取引先の社長令嬢と俺との結婚式が終わりホテルの中庭にて
妹「ずっと…、ずっとお慕いしておりました…」
俺「え…ッ?」

妹「ごめんなさい、お兄さま」
俺「え…ッ?えぇ〜ッ?」(俺ハジマタ的なニュアンスで)

682 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/06/27(土) 01:58:49 ID:6/D5iIOc
>>681
血の繋がった妹とのドロドロの不倫に突入するのか
でも妻になった社長令嬢は外見だけでなく性格も素晴らしく自分を一心に慕ってくれて…

683 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/09(木) 01:36:31 ID:2vX6uc08
保守

684 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/09(木) 13:21:36 ID:6um/aRH8
妹「わたし、初めて」

685 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/09(木) 14:16:17 ID:q2jHLym/
お兄ちゃん一緒にお風呂入ろ♪
やだやだぁ一緒に入ってくれないと駄目ぇ

686 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/11(土) 00:15:36 ID:Bc7AZ5dG
「わたしが起きるの手伝ってあげるね♪それぇ」
「!」「きゃあ(>_<)お兄ちゃん裸で寝てる!」
「!!」「ウ・ソ・だよ」「…」「でも、はみ出してるヨ」

687 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/11(土) 01:25:11 ID:7h8ExjAY
『お兄!手、何か付いてるよ。ゴミかな?ちょっと見せて…あっ、あのお店…行こっ』そういって、俺の手を握ったまま、妹が駆け出した

688 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/11(土) 21:47:28 ID:fKxy5U4B
お兄ちゃんのエッチ

689 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/11(土) 22:58:36 ID:9TKPQ+r4
「お兄ちゃん…最近アニメとかしか見なくて私と全然遊んでくれないよね…付き合ってくださいなんて無理なことは言わない……でも…もう一度だけあの頃みたいに私と遊んでよ…お兄ちゃん…(ここで妹涙目)」

by妹のいない俺

690 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/11(土) 23:06:18 ID:eIu3dzYb
妹 「そんなゲームばかりして馬鹿兄さん この変態 変態 変態〜」

691 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/13(月) 23:41:47 ID:vmc4np2j
妹『お兄ちゃんが彼氏だったらなぁ…いや、何でもないよ』

692 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/07/26(日) 04:01:55 ID:xVtclSef
妹『・・・・・いいよ』

693 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/08/12(水) 15:30:15 ID:QsFHPI7g
それでもっ、あたしは、あんたのこと好きなの!

694 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/09/04(金) 11:29:59 ID:dYrkdhqj
妹『保守するよ』

695 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/20(日) 23:51:37 ID:iKCAl/xv
この全てを蒸発させそうなほど暑い日。
頬を流れる暑い汗すらも凍りつかせるその絶対零度の視線……。
「あ、あの……真雪……?どうかし……」
視線の持ち主は恐る恐る尋ねた俺の言葉を目で潰す。
「賢にぃに聞きたいことがある」
俺の言葉を遮って、淡々と言葉をつむぐ真雪さん。
「な、何でしょう?」
「3組の新谷さんと……付き合ってるって、本当?」
「は……?」
「色んな人から噂を聞いた」
僕らのイメージする取調べのように、机に手をつく真雪。
蛍光灯があれば、顔に押し付けられているところだ。
あぁ、そうだった……コイツ、俺のことが好きなんだった……はぁ……。
「いや、残念ながら心当たりが……」
「あるの?」
感情の無い言葉に妙な威圧感。
真雪……怖い……。
「あ、あの……冬月さん……?第一、僕その人知りませんし……そもそも、女嫌いなんですが」
めっちゃ下手から。
だって怖いし……。
「本当?」
「本当です……」
「……」
冷たい視線でジッと俺の目を見る真雪。
しばら沈黙が続いた後
「……じゃあ、賢にぃを信じる」
フッと微笑む真雪。
「あぁ……つーか、そんな有り得ないデマを信じないでくれ……」
「それも……そうだね」
その噂、根も葉も無さすぎなんですけど……。

696 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/20(日) 23:56:31 ID:iKCAl/xv
「喉渇いたな……」
「賢にぃ、何か飲み物買いに行く?」
「……行くか」
恐怖の数分間の終焉……。
まさかこれが最悪の事態の予兆であるとは……薄々気付いていた。
───────────────────────
授業終了後、妹と合流すると逃げるように校舎裏へ。
ここに来た理由は、三つ。
一日中日陰なので涼しいというのが一つ。妙な噂に振り回された人間に会いたくないのが一つと、もう一つは
「お兄ちゃん、どこ行くのー?」
「コンビニでアイス買う」
「こっちにコンビニなんてあったっけ?」
「俺も知らなかったが、穴場らしい」
こういう嫌なことがあった日は、冷たい物を食べて現実逃避したい……という淡い期待。
が、
「あー……そういうことか……」
何だか含みがあるような遥の言い方。
気になって、隣の遥を見る。
その遥の視線は前方右側に。その視線を追うと……少し高い場所に張り巡らされたフェンス。
そういえば、使ったこと無いが、プールってここだったな。
「で、プールがどうかしたか……?」
「え……だって……」
「だって……?」
今一つ、歯切れの悪い遥。
その理由は
「あ、大野君」
プールからの声に思わず振り返る。
「!?」
余りの眩しさに目を反らしてしまった……。
スラッとした肢体、少し日に焼けた肌、スクール水着という相当眩しさレベルの高い女性を直視してしまった俺。
眼が眩むぅ……。

697 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/20(日) 23:57:13 ID:iKCAl/xv
「だ、大丈夫!?大野君!?」
「いや、大丈夫っす……」
ぼやけた視界のまま、平静を装う。
「顔色悪いよ?部室使っていいから、少し休んでいったら?」
しゃがむ謎の女。
くぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
の、脳が侵されるっ!?
「もう……いっそ殺してくれ……」
「お、お兄ちゃん……落ち着いて……人前だよ……」
「そ、そうか……そうだったな……」
大きく息を吸う。そして、吐く。
「少し落ち着いた……」
しかし、まだ脅威は去っていない。
「あのー……本当に大丈夫なんですか?」
向こうの人。
「えっと……多分大丈夫なんで、あんまりお構いなく」
と遥。しかし、この後、遥が衝撃的な一言を付け加える。
「新谷さん」
……新谷……?
……どこかで聞いた……。
「新谷……」
「自分の彼女の名前、忘れちゃったの?お兄ちゃん?」
「……あぁ……って、違ぇよ!!」
ノリツッコミは苦手だね。
「え?違うの?」
「遥までも変な噂を……。俺ってそんなに信用無いんだな……」
「私も嘘だとは思ってたけど……お兄ちゃんがプールの方にわざわざ来るから……」
「あの『あー……そういうことか……』って、そういう意味か……」
「いや、だってー!」
落ち込む俺と必死でフォローの遥。

698 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/20(日) 23:58:41 ID:iKCAl/xv
「あ、あのー……私に何かあったんですか?」
すっかり忘れてた。
っていうか、泳いでろよ、水泳部は。
「んと……何ていうか……新谷さんとこの人に噂が……」
複雑な顔で説明をする遥。
この人っていうなよ、遥……。
「え!?初耳ですよ!?」
「会ったこともないのにな」
「え!?一年生のとき同じクラスだったじゃないですか!?」
「……あぁー……」
……。
知らん。
にも関わらず、納得したかのような素振り。こういうのは得意だ。
「まぁ、それにしても……困るよなぁ」
「あはは、私は困りませんよ?」
新谷の先制攻撃。
「……」
俺、スルー失敗。
「あ、あはははっ。新谷さん、お兄ちゃんをからかわないでくださいよー」
遥のフォロー。
「そ、そうだねー」
この悲壮感がたまらなく辛い……。
この最低な空気をどうしたものかと悩んでいると
「新谷ー!サボってるんじゃないぞー!!」
青春大好き!と言った感じの水泳部男子がこちらに叫ぶ。
ああいう奴も苦手だなぁ、俺。助かったけど。
「あ、部長ー!すいませーん!!」
振り返って叫んだ新谷。

699 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/20(日) 23:59:33 ID:iKCAl/xv
そして、立ち上がって
「呼ばれちゃった。じゃあね、大野君!」
小さく手を振って駆けて行く。
「……死ぬかと思った……」
「お疲れ様」
……暑い。
───────────────────────

700 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/21(月) 00:00:47 ID:EY8k8LLy
久しぶり。
もう秋だね……。

701 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/09/21(月) 00:50:30 ID:J8OWrRSz
やっと投下が…。GJです。

702 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/09/22(火) 03:56:09 ID:YO7PvvYK
投下乙過ぎです

703 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/09/22(火) 10:09:42 ID:fHfNrOPP
遊星殿、お久しぶりです

704 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/28(月) 23:55:19 ID:qBHPCZfT
「……お兄ちゃん……」
「ん?」
「……そんなTVの番組表なんか立ち読みしてないで、帰ろうよ……」
「わぁ、今日は野球があるぞー」
「野球なんて見てるの、見たこと無いよ……」
「明日はサッカーだぁー」
「……お兄ちゃん、スポーツ嫌いでしょ」
「今度の二時間ドラマは何だろー」
「……あ、怖い顔した冬月先輩が」
「何っ!?」
「……」
ジト目の遥。
『ベタなネタに引っ掛かってんじゃないわよ』という視線が痛い。
「……」
気まずい俺。
「帰ろう?」
「……はい……」
現実逃避はあっさりと終了。
遥のあとに続いて、コンビニを後にする。
「あ……」
入り口付近で立ち止まる。
「あ、大野君」
まさかの……。
いや、ある意味予定調和。
『ほら、早く帰ればよかったのに』という遥の視線が痛い痛い……。
「えと……体は大丈夫?」
「お陰様で」
……と、体調不良の原因に気を使う。

705 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/28(月) 23:56:01 ID:qBHPCZfT
「良かった。それなら、えと……」
ここまで言いかけたのち、チラっと俺と遥の顔を見る新谷。
「?」「?」
よく分からずに顔を見合わせる俺たち。
新谷は俺の顔を見て、
「……少し、お話聞いてくれないかな」
「……え?」
思わぬ言葉……。
横目で遥を見ると、気の毒そうな遥の顔……。
そして、ニコッと笑って一歩下がる。
諦めろということですか……。
「……手短に頼む」
最大限の譲歩。
行きたく無いんだけどなぁ……。
「うん、ゴメンね」
遥が引いたのを確認すると、俺の前に一歩近づいて
「えっと、噂、あったよね。私と大野君の」
「あぁ……」
思い出したくなかった記憶が……。
苦虫を噛み潰しながら、遥の顔を見る。
「?」
わざとらしく首を傾げる遥。……助けて。
「その……ゴメンね。あの噂流したの、水泳部の後輩だったみたいで……」
「はぁ?そりゃ、また何で……?」
別に興味は無いけど、話さないと気まずくなりそうだったから……。
「……えっと……それは……」
「……?」
嫌ぁな予感……。

706 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/28(月) 23:56:44 ID:qBHPCZfT
「や……やっぱり言えません!!ゴメンなさい!!」
物凄い勢いで走り去っていく新谷。
「早っ……」
「ど、どうしたの!?」
走り去っていく新谷と同じくらいの速さで遥が駆けて来る。
「俺……何かしたかな……」
妙な責任……。
謝らなきゃいけないのかな……。
「お、お兄ちゃん!!落ち着いて、きっとお兄ちゃんが悪いんじゃないよ!!」
「そうだと……いいけど……」
「さ、帰ろう!お腹すいたねー!」
「……うん……」
こっからはあんまり覚えてない……。
───────────────────────

707 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/09/28(月) 23:58:20 ID:qBHPCZfT
意外に人多いね。
じゃあ、また。

708 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/09/29(火) 00:51:38 ID:lpqFF2K0
GJ!次回も期待してます

709 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/10/07(水) 22:06:29 ID:T5/KTjld
今頃投下に気付いたよ
遊星さんGJ

710 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/10/11(日) 22:41:25 ID:YpQmxRIK
まぁ、そんな一件ももはや一週間も前の話。
誰も俺と新谷の噂をするものはいなくなり……っていうか誰ですか、新谷って。
「……聞いたことはある気がするんだけどな」
「お兄ちゃん、本気……?」
「あぁ……女……?」
遥のリアクションを読んだ。
「そうだけど……」
「で、新谷だっけ?その人がどうしたって?」
「うーん、新谷さんの話をする感じじゃないけど……えと、大会で優勝したんだって」
「ふーん……」
知らないからピンと来ない……。
「ま、お兄ちゃんらしいね」
「そう。俺らしいんだ」
開き直り大失敗!……ま、これが下手だからネガティブなんですけどね。
ぐったり肩を落としつつ遥の先を歩いていく。
こんな日はアイスに限るね。
「……ねぇ、やっぱり……」
「ん?」
何だかキレが悪い遥に思わず振り返る。
「なんでも……ないけど……」
変な遥だ。
再び前を向く。
「ん?」
するとそこには、水着姿の女が。
「大野君……」
「……?」
名前を呼ばれたが、知らない。
「お兄ちゃん、新谷さんだよ」
妹がこっそり耳打ちで教えてくれる。
「あぁ、優勝した」
「……それだけじゃないでしょ……」

711 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/10/11(日) 22:42:07 ID:YpQmxRIK
「……ん……?」
それだけじゃない……?
必死に記憶を辿るが、思い出そうとするたびに記憶のブラックボックスに行き着くこと以外は、特に何も無い。
「大野君」
しばらくこの謎の女を放置していたが、向こうは向こうの都合があるらしい。
混乱気味の俺に、何か伝えようと、俺の目をジッと見ている。
「私……ずっとアナタのことが好きでした!!」
「……」
えぇ、この展開にはもう慣れたモンですよ。
俺の事好きなんだ、へぇー……。
キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ……
「ホントは……アナタと付き合ってるって噂が流れたのも……凄く嬉しくて……」
「……」
「大会で優勝できたら……ずっと伝えようと思ってたから……」
「……」
胃に意識が行き過ぎて、断片的にしか頭に入ってこない。
ただ一つ言えるのは……
「ダメなんだ……」
「え……?」
「俺は……もう……ダメだ……」
水着女が俺の前で、何か優勝したらどうとか青春地味たこと言ってるし、
何か夕焼け綺麗だし、遥もいつの間にかいなくなって、二人きりだし、
っていうかコイツと俺、一週間前に一悶着あったばっかりだし、その時も辛い想いしたし……
遠のきそうになる意識を何とか保って、
「……妹からで……頼めないか……」
いや……このシリーズの設定的には間違っていない。間違っていないが……何言ってんだ!?俺は!?
「え……?」
「ちょっと体調が悪い……詳しい話は、『妹』にでも聞いてくれ」
「え、う、うん……」
胃を押さえながら、ゆっくりと校門へ向かう。
この事件について、後に遥に苦言を呈されたが……残念ながら、俺の限界はこのあたりだと思う……。
───────────────────────

712 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/10/11(日) 22:42:49 ID:YpQmxRIK
「にぃに!おはよう!!」
翌朝。
性格も悪ければ、タイミングも最低な俺。
珍しく新聞を取りに行って、新谷とばったり……。
「……」
昨日の一件がどうなったのかを知らない以上、沈黙して、相手の出方を伺うほかは無い。
俺の思惑など当然知らず、新谷本人は極めて明るく、
「ランニング中なんだけど、よかったら、一緒に走らない?」
「……いや、今日はいい」
気弱な正確が言わせた『今日は』。
と、なれば当然……。
「そっか、じゃあ明日は?」
「……考えとく」
絶対行かない。
「毎日走ってるのか?」
「うん。朝走るのって、気持ちいいよ」
「そうか……」
爽死(さわやかし)するな。俺なら。
「にぃにも、明日は一緒走ろうね!!」
……さっきは流したが、この呼び方は……。
被っちゃいけないって言う、偽妹間の協定でもあるんだろうか……どんどん奇を衒った物に……。
そんな諸々の感情を含めての、
「あぁ……」
「じゃあ、またね!」
俺の返事に満足したのか、笑顔で去っていく新谷。
それを見届けて朝日に崩れ落ちる俺。
今日も良い一日には到底なりそうにも無いな……。
───────────────────────

713 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/10/11(日) 22:43:33 ID:YpQmxRIK
今回の話はこれで最後。
じゃあ、またいつか。

714 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/10/13(火) 01:33:14 ID:rsTEVAg4
にぃに吹いたw

715 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/10/20(火) 23:13:33 ID:CGyafp6Z
保守

716 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/11/07(土) 22:50:34 ID:24HWkND5
最近、他の職人様を見ないな。

717 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/23(月) 23:11:00 ID:oODLqg0p
「……帰りたい」
人ごみの中、誰にも聞こえぬように呟いた。
……文化祭って……。
因数分解が何の役に立つんだ!という屁理屈をテスト前に幾度となく聞いたが、
じゃあ、聞こう……この文化祭は一体何の役に立つんだ?
「……はぁ……」
残念ながら、こういう祭りのときに盛り上がれない奴は悲しい奴とみなされるが、
まさに俺は悲しい奴の典型。
帰る、もしくは静かな場所に一人でいたいんだが……。
何かみんな楽しそうだなぁ、何故か。
あぁ、妬ましいこと。
「……どこか、静かな場所は……」
……どうせ有る訳無いな。
じゃあ、どうすればいいのかな……。
仕方なく、校舎内を死んだ目でウロウロしていると、
一階中央付近で、さらに濃い人ごみが……。
「何だ……?」
退屈よりはマシという意味では、興味はある。
だが、中に入っていくほどではない。
人ごみの一番外側に立って、中央の様子を伺うと、
「……誰だ……?」
真ん中には、一人の王子。……俺は、間違ったことは何も言っていない。
どうも俺の嗅覚によるところによると、男装の女性といった感じだろうか。
女ではあると思うのだが、少なくとも遥ではないことしか分からない。
確かに、外殻の奴らは全員その女を見ている。
男だけでも、俺には意味が分からないが、その中に女も含まれているのは不思議だ。
……随分人気者のようだが、人気者であればあるほど、俺には縁の無い人間だ。
こんな場にいることに対して、ため息を吐くと、

718 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/23(月) 23:11:47 ID:oODLqg0p
「はぁー。劇、終わったみたいですねぇ」
騒音の中、耳元で聞こえる声。
もちろんシカト。
「アナタに言ったんですよ、大野賢太郎先輩?」
少し棘のある言い方で、耳元の声が間違いなく俺を詰った。
幻聴だったら良かった……いや、それも良くないか。
嫌々ながらも、首をそちらに向ける。
「賢太郎先輩も、あの王子様に興味あるんですね?」
「……君は……」
顔は見たことがある。
というか、遥の友達だ。
だが、
「菊池七海です。自己紹介、何度目ですか?」
察していただけたようで。
「……遥から聞いてないか?」
「もちろん聞いてます♪」
分かっているなら。とも思ったが、きっと楽しんでいるな……。
「ところで、賢太郎先輩。今お暇ですか?」
「今は何もしたくない。だから、きっと暇ではないのだろう」
俺が苦い顔で伝えると、菊池は軽くため息を吐いて、
「心配しないでください。ウチのお兄さんは、賢太郎先輩よりずっとステキですよ?」
「……だろうな」
「あれ?お兄さん、知ってましたっけ?」
「知らないが……」
俺ほどの盆暗は、そういるもんじゃない。
と、言いかけて止めた。
「そこまで胸張って言われたら、そう信じるしかない」
「そうですね。残念ですが、受け入れてください♪」
まぁ、コイツの兄は絶対会いたくない奴だってことはわかった。

719 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/23(月) 23:12:34 ID:oODLqg0p
「じゃあ、質問変えますね。今から、行きたい場所とか行かなきゃいけない場所とか、あります?」
「……それはない」
「それは良かった。先輩、私のクラスのお店に来ませんか?」
「……客引きが目的か」
「はい♪先輩の察しがよくて嬉しいです♪」
ここまでだと逆に清清しいな。嫌な気分にはなるが。
「残念なことに、遥ちゃんはいませんが……損はさせませんよ」
「……何をやっているんだ?」
「あ、遥ちゃんに聞いてないんですか?」
聞かないようにしていた。当たり前だろう。
「喫茶店です。ただの」
「……在り来たりだな」
「と、言いつつも先輩は行った事無い。と見ましたが、どうでしょう?」
さすがは情報通。
「その顔は、図星ですね?さ、初体験しちゃいましょー?」
「……」
遥の友達は、とんでもない奴だ……。
だが、コイツが敵(キャンセル待ち)でなくて、本当に良かった……。
───────────────────────

720 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/23(月) 23:14:20 ID:oODLqg0p
久しぶり。
今更文化祭。昔のを読んでて書きたくなったから。
あと、他人様の作品に僕のキャラクタを出してもらったのを思い出したから。
まだ続く。

721 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/11/26(木) 00:12:08 ID:9rOLQwNE
GJ、続きに期待

722 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/11/30(月) 16:39:16 ID:u0M6OvEa
おお、投下が!!GJ!!!

723 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/11/30(月) 17:38:36 ID:e8Fspc3L
続き期待してます!

724 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/30(月) 23:09:31 ID:HVyCTcqo
「ささ。賢太郎先輩、どうぞー」
最後の数メートル、菊池に背中を押され、何度か来たことのある遥の教室へ。
なかなか盛況している様子だったが、菊池はその人並みを掻き分け、
「賢太郎先輩、ご案内ー!」
大声で叫ぶ。
ざわつく遥のクラスメイト。
別の意味でざわつく客。
……何?嫌がらせ?
何故か注目を浴びてしまった俺は、体を小さくしながら教室内へ。
ドアをくぐると、
「あ……」
小さな声。
そこには、
「遥……?」
この服、メイド……だっけ?
「違いますよー、賢太郎先輩。ウチのメイドさん、カプチーノちゃんですよ?」
「か、カプチーノ……?」
あぁ……カプチーノだけあって、見事に俺の顔を苦々しくさせたね……。
「か、カプチーノですっ!!お帰りなさいませ、ご主人様!!」
もはやヤケクソな遥、もといカプチーノ。
死にそうなくらいに痛々しいその姿に、何故だかアキレス腱辺りが痛くなる。
「……」
ムリだよ……こんなのにリアクション取れねぇよ……。
っていうか、正しい反応が分からないんだ……俺、ご主人様経験ないし……。

725 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/30(月) 23:10:14 ID:HVyCTcqo
「ほらほら。カプチーノちゃん、ご主人様の椅子を引いてさしあげないと」
「は、はい!!どうぞ!!」
椅子を引いてくれるカプチーノ……。
苦笑いで、その椅子に座る俺。
そもそも、妹にマジ敬語を使われて、俺は軽く死にたくなっているのだが。
「何かお飲みになりますか?それとも、甘いものはいかがでしょうか?」
正直、頭の中で普通の接客用語に変換すんのがめんどくせぇ……。
死にたい気持ちが収まらないし、普通に喋ってくれないかなぁ……。
「……コーヒー、頼めるか……?」
「はい。しばらくお待ちくださいね、ご主人様」
やたらと短いスカートを翻して、奥へと消えるかと思ったが……。
何故俺の裏にいる?
「……」
「……えっと……ご主人様とお話、しなくちゃ……」
極小さな声で、段取りを確認する遥。
聞こえてはいるが、それは聞かなかったフリ。大人だから。
「あの……遥さん……?」
「……」
まぁ、まともな神経なら、否定するのに躊躇するのは分かる。
「あの……俺、今、相当ヤバいんで……素に戻っていただけませんか……?」
「……うー……でも、みんなに見られちゃうと……」
……まぁ……一応……夢を売っているお店だものな……。
「だが……あくまで文化祭の店だ。商売じゃない……」
「それも……そうかな……うん、いらっしゃい。お兄ちゃん」
……素。
それもどうかねぇ、そんな格好で。

726 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/30(月) 23:11:35 ID:HVyCTcqo
「俺は……妹がメイドだなんて、知らなかったぞ」
振り向かず、壁に向かって呟く。
「……怒ってる……?」
「怒ってはいないが……兄としてだな……そういう……格好というか……振舞いというか……」
要するに破廉恥な格好をするんじゃない。といいたいが、さすがに言えない。
そういうことを考える人間だとは思われたくない。まして妹相手に。
「……それは……私も……ちょっと、恥ずかしいけど……」
顔を赤らめ俯く遥。
……そりゃ、大事な妹だもの。俺の感情だって、変じゃないよ。変じゃないはず。
「だが……文化祭ってそういうものなんだろうな、多分」
「お兄ちゃん……?」
そんなに意外かい、遥。
「……遥は楽しめばいいんだ。変なのにさえ、気をつけてくれれば」
俺は別のメイドが運んできたコーヒーをトレーから奪うと、
一気に飲み干し、その場から立ち上がる。
「やっぱり……俺は場違いだったな」
遥の顔をチラッと見ると、出口へ。
「お兄ちゃん!」
ガタっ!!
……一斉に椅子が動いた。
あの……振り向くのは俺だけでいいはずなんだが……。
まぁ、いいか。
「もうすぐ……終わるの。そのあと……一緒に文化祭回ってくれる?」
俯いた顔から、囁くような声。
「……遥の頼みじゃ仕方ない」
少し俯く遥の頭にしばらく触れ、頭のリボンを少し直してやる。
「へへ……」
くすぐったそうに微笑む遥に苦笑いで返し、振り返って出口へ向かう。
とたんに吐き気に襲われる俺……雰囲気に飲まれた……。
ニヒルぶった俺の先ほどの態度が、鼻について鼻について……。
……これも、まさか菊池の陰謀ではあるまいな。
───────────────────────

727 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/11/30(月) 23:16:04 ID:HVyCTcqo
今回の話はこれで最後。
じゃあ、またいつか。

728 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/02(水) 22:04:16 ID:ZfRNqD0E
遊星殿GJです!!遥フラグktkr
続き楽しみにしてまつ

729 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/05(土) 02:45:37 ID:IWOQD8M4
この二人おせーて、かわええー
ttp://www.youtube.com/watch?v=a3JK2bAp1rE&feature=channel
ttp://www.youtube.com/watch?v=rkJGK432L74&feature=channel
ttp://www.youtube.com/watch?v=V-GtrY2YFT0&feature=channel
ttp://www.youtube.com/watch?v=Cqu9Pv98mow&feature=channel
ttp://www.youtube.com/watch?v=5IfPRcT6S7k&feature=channel

730 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/08(火) 11:40:18 ID:wqiqaudi
>>727
遥ちゃん可愛い過ぎや

731 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/10(木) 23:08:34 ID:kk3a65k5
「お兄ちゃん」って呼ばれたい

「○○ちゃん」呼びだよ、うちは。。。

732 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/21(月) 18:20:25 ID:fLkYWWul
おにぃって呼ばれたい

733 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/22(火) 16:42:58 ID:+ccbu/MN
もー、お兄ちゃん!日曜だからっていつまで寝てるのよっ
お布団干すんだから、ホラ起きた起きた!

あ、あのね?こんなに天気いい日なんだからさ
二人で遊園地行きたいな、…ダメ?

734 :No.2 :2009/12/22(火) 23:19:55 ID:nXIrMg+Y
>>733
だ、たったらぁ
昨日、隣にいたひとは誰なの?

735 :No.2 :2009/12/22(火) 23:22:29 ID:nXIrMg+Y
遊星さん、乙です
漏れの方は、インスピレーションの泉が涸れたまま数年が経ちますが
いつも遊星さんのSSを楽しみにしています

736 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/23(水) 00:35:11 ID:c/bndySP
もう寝ようかって夜中に雨がざんざか降ってる中、ドアの呼び鈴が鳴った
「はいはい、どちらさまぁ…こんな夜中に誰だよ、おれぁもうねむ」
そこには傘もささずにアパートまで来た妹が立っていた
「来ちゃった…」
「おま、ずぶ濡れじゃねーか。どうしたんだよ?こんな時間に」
「…ごめん」
はぁ、こいつが何を聞いてもごめんしか言わなくなったら
何を聞いても無駄だな、ほんと誰に似たんだか
「ったく、しょーがねーなぁ。いいからさっさと風呂入って来い
サイズは合わねーだろうけど、俺の服貸してやっから」

737 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/23(水) 10:56:27 ID:IyyS4LUY
あのさ、ケータイ電話買ったんだけど
番号の登録とかよくわからなくてさ
た、試しに兄貴のケータイでメールの練習してみても、いい?

738 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/27(日) 00:21:25 ID:/MelqcdI
>>736
新星現る!!続きが気になるぞ
>>737
あっ、コラ!人の携帯勝手に見るな!!
待て!SDカードの中身見るなー!!

739 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/28(月) 00:12:28 ID:L7XC0laG
おにぃになら、いいよ…

740 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/28(月) 15:17:49 ID:PSbhgLQ+
「じゃ、ボクはシャワーを浴びてくるから
 朝食の準備はよろしく」
「へいへい」
「なんなら一緒に入るかい?
 なに、恥ずかしがるコトはないじゃないか
 昨夜のキミは素直で可愛かったよ」
「ちょ、変な言い方してんじゃねー!!
 だいったい昨日はお前のほうから雷が怖えーからって
 俺のベッドに入ってきたんだろーが!!」
「ふふ、怒った顔もまた可愛いね。愛してるよ?おにぃ」

741 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2009/12/29(火) 21:35:15 ID:3IJ2Cikr
>>740
あ、凄い。最高。
もっと長いのを!

742 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/29(火) 22:48:02 ID:R4Y0yyta
>>741
ごく短い単発オムニバスしか思い浮かばんのです、申し訳ない。



「なんでこんな寒みー日に花火なんてしたがんだよ〜」
「ねえねえねえねえ!蛇玉って花火としてどーなの?やる気あんの?
 あ、鉄砲型のヤツはあたしんだかんね!あー!ちょっとおにぃ!
 なーに線香花火一束持ってんのよ!?それは最後にすんだかんね!!」
「ったく、聞いちゃいねーよ。ま、いっか…」

743 :名無しくん、、、好きです。。。 :2009/12/30(水) 12:13:28 ID:jOkGLJCD
短いのでも投下して頂ければ個人的には満足

744 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/01/04(月) 20:20:03 ID:uylj5YLP
買い物行くのに付き合わされて、自転車に二人乗りしてて
下り坂になって、風でお互いの声が聞き取りにくい時に
「おにぃちゃーーーん!だーーーーーーい好きーーーーーーー!!」

「なぁ、お前さっきなんか叫んでなかった?」
「へ?別に何にも言ってないけど?」

745 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/01/27(水) 20:26:30 ID:MlnCQNUu
ねぇお兄ちゃん、こんな風に腕組んで歩いてたら
周りの人にはどんな風に思われるかな?

746 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/01/27(水) 22:02:44 ID:MlnCQNUu
え、映画のチケットが、友達と行く予定だった映画のチケットがあるんですが
その友達が急に行けなくなってしまって、それで…あの、その
チケット捨ててしまうのも勿体無いですし、兄さんさえ良ければなんですが
映画、一緒に観に行ってもらえま…せんか?

747 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/01/28(木) 18:20:34 ID:2et6G707
も、もぅ兄さん!わたしだっていつまでも子供じゃないんですから
いい加減、この頭を撫でるクセはやめてください…

748 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/21(日) 13:36:22 ID:JqHRUoeS
>>744-747
良い流れだ

749 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/22(月) 00:19:44 ID:sCeetmcy
兄さん、好きです。
だから、ねぇ…













死んで。


750 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/22(月) 09:09:20 ID:C6yEJK4w
「ねぇねぇねぇ、高校の頃さ、おにぃのコトが好きだって娘、いたんだよ」
「はぁ?んなワケねーだろ、俺ほとんど学校行ってなかったんだから」
「ホントだもん。おにぃのコト、ずーっとずーーーっと好きだって娘、いたんだもん。
 あの、ね?その娘が誰か…知りたい?知りたくない?」
「今更だろ?何年前の話だよ、どうせならタイムリーで言えっての(笑)」
「ふーんだ。折角さ、教えてあげようって思ったのに…」

751 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/22(月) 13:04:19 ID:hUHRTPoX
>>750
良いよー

752 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/22(月) 18:13:57 ID:C6yEJK4w
「キャーーーー!!窓窓!お風呂場の窓になんかおっきい影が映ってガサガサって!!
 なんか怖いからおにぃ外見てきt…って、ちょっとぉ聞いてるんの?なんでさっきからそっぽ向い…て
 キャーーーーーーーーー!!!おにぃのエッチ!バカ!変態!信じらんない!!」

753 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/22(月) 18:18:50 ID:Oql5yi8j
参考動画↓
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9298472

754 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/23(火) 23:41:08 ID:pKr1ObnF
もっと盛り上がれ

755 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/24(水) 00:53:32 ID:7JAYhSfg
朝に「お兄ちゃん、起きてください」
家に帰る時「お帰りなさい、お兄ちゃん」
夜に「お兄ちゃん、今日一緒に寝ってもいいですか」
「勿論いいですよ」
「ありがとうお兄ちゃん、やっばりお兄ちゃんのことが大好きだよ、ずっと一緒にいってください」
実はわたしは妹がいません- -妹がほしいだ

756 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/24(水) 09:18:53 ID:TdHcUNLf
>>732
なぜかそう呼ばれてる。
おかげで、シュタゲの後にカオヘをやって泣きそうになった。

>>755
そんな妹いる奴いねえ。
せいぜい親が旅行中に朝ごはんを作ってくれて、
「べ、別にあんたのために、作ったんじゃないんだからねっ!」
と言ってくれるのが限界だな。うちは。

757 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/24(水) 10:50:46 ID:w95bpuW0
「バカっ!バカバカ!!ほんと!ほんっっと信じらんない!
 今まで散々ほっといて、今更んなって兄貴面とかやめてよ!!
 …………でも、ありがと…」

758 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/24(水) 10:58:49 ID:w95bpuW0
「兄妹でもいいでしょ?BLよりは生産的だもん♪」
「…いや、兄妹で生産したら色々とダメだろ…」

759 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/24(水) 17:56:50 ID:5v99LUbM
>>749
もう壊れたでしょ

760 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/25(木) 20:34:56 ID:httG+5yF
久々に盛り上がってるみたいで嬉しい
リアル妹は萌えないので二次元の妹が好きです

761 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/26(金) 18:53:08 ID:/75EW/4y
「お兄ちゃん、それドロップちゃう!クローズや!!」

762 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/27(土) 23:12:32 ID:FZdnTh9v
「ほら、ネクタイ曲がってますよ?
 もぅホント兄さんは朝が弱いんですから」

763 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/28(日) 01:05:39 ID:2HdN04vn
可愛い二次元妹萌えるよ

764 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/02/28(日) 22:10:38 ID:hYfExqFn
「明日も頑張ろうね、お兄ちゃん♪」

765 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/01(月) 04:23:55 ID:jHixntoq
頑張るよ

766 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/03(水) 22:48:16 ID:E5HJFNXP
復帰記念

767 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/04(木) 09:54:15 ID:1gAawFQK
>>757を釘宮さんで聞きたい。

768 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/04(木) 16:25:12 ID:CEGIjkOt
じゃあ俺はゆかなで

769 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/04(木) 17:12:49 ID:/nGgIqrz
お兄ちゃん、お口くさーい

770 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/04(木) 22:43:22 ID:3ePwrhFI
「やーっと追いついた〜。駅の階段トコでおにぃの頭が見えたからさ
 走って追いかけて来ちゃった、にへへ♪一緒に帰ろうよ
 あー走ったら喉渇いちゃったー、なーんか喉渇いちゃったな〜」

771 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/06(土) 00:27:46 ID:TBlt2Edy
健気な妹かわゆすなぁ

772 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/07(日) 18:21:07 ID:MnAV+lr6
「えっとね、あのね?このえほん、よんでくえゆ?」

773 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/09(火) 04:41:26 ID:z6UlAEau
はなまる幼稚園の見すぎだ

774 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/09(火) 10:34:13 ID:ISncRuVf
いや、GS美神の美神が子供に戻ったヤツだろ

775 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/10(水) 02:46:37 ID:gJd8fLDb
>>774
これまた懐かしい

776 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/10(水) 09:20:59 ID:XXzDtRZ/
「横島どーん!!」

うん、スレ違いもいいとこだ
ごめん、でも反省はしてない

777 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/11(木) 19:36:56 ID:1Jkc24N6
幼くて可愛らしい妹が欲しい

778 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/12(金) 02:56:20 ID:DPfY3Z0d
「新婦さんキレイだねー」
『そうだなー』
「あっブーケ投げるよ!…あっ!アタシ、と、取っちゃった!!お兄ちゃーん!!!」
『ばっ、抱き着くな!』

779 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/12(金) 20:35:28 ID:GX3IeOWh
「おにぃちゃん、えへへ呼んでみただけ♪」

780 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/14(日) 19:35:00 ID:m/pufoVE
>>778
ぐはっ!!(脳内妹テロが起きた様子です)

781 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/14(日) 19:40:22 ID:j/wEJu7E
妹可愛いな
可愛すぎてヤヴァイ確かにこれはテロ

782 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/16(火) 12:49:46 ID:1M5wVKXP
「おにぃ〜、コンビニ一緒に行こうよー。で、あたしにアイスおごろうよ!
 ダッツねダッツ。あたしダッツじゃなきゃヤだかんね?」

783 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/17(水) 01:16:39 ID:04XNZotK
妹(長女)「お兄ちゃん、今日は私と遊ぶんだよね!!」
妹(二女)「違うよお姉ちゃん!!私が遊ぶの〜!」
妹(三女)「みんなで遊べばいい…」

あぁ…弟よりも妹が欲しかった…orz

784 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/19(金) 00:01:47 ID:+bYPhxjo
「お兄ちゃん!」
『……んーー…』
「起きてってば!遅刻しちゃうよ!」
『うんんーー?』
「………起きないとチューするぞ…」
『んーー(おちょぼ口になる)』
「ばっ、バカッ///」ベチッ

785 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/19(金) 04:22:36 ID:RkmDA++K
良い感じに子ネタの投下が続いてるね
遊星さんの投下も期待

786 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/23(火) 00:01:01 ID:gi6AdS2G
「お兄ちゃん、だ〜い好き?」

普通すぎた、後悔はしていない

787 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/23(火) 00:02:18 ID:esrFyoKr
>>786
?=ハート


788 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/23(火) 20:02:05 ID:ZonpnLlt
可愛い妹のブラコン魂?

789 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/24(水) 22:54:42 ID:xcEJlEEp
「あ、お兄ちゃん」
『おう、どうした?先帰ったんじゃなかったのか』
「傘忘れちゃって。お兄ちゃん傘ある?」
『あるけどビニ傘だから小さいぞ』
「大丈夫!くっついて帰るから。えへへ…相合傘」
『あんまりくっつくなよ…ああ、周りの目が痛い』
「恥ずかしがらなくてもいいじゃん、兄妹なんだから」
『いやしかしですね、微妙に柔らかいものがですね…』
「つべこべ言わない(お兄ちゃんあったかいな///」

うん、俺きめえ

790 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/25(木) 22:08:07 ID:hrKqTT4C
うん、確かにきめぇ







2828しながら見てる俺きめぇ

791 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/26(金) 03:04:26 ID:hFCN4/OQ
「お兄ちゃん、ボンキュボンってなんて意味?」


792 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/27(土) 04:05:07 ID:To5o3GZB
>>789
妹かわゆすw

793 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/30(火) 01:02:28 ID:vMpQu1Jm
『ふああぁ…おはよう』
「やっと起きた。お兄ちゃん遅いよ」
『うるさいなぁ。春休みなんだから別にいいだろ?
よいしょっと。なあ、メシなんかある?』
「ありません」『作って』
「イヤです」『お願い』
「お断りします」『そんな殺生な』
「……うーん…作ってあげてもいいけど…お願いきいてくれる?」
『できる事ならば何でも』
「あの、さ…アタシをどっか連れてってよ」
『はあ?!何だいきなり?』
「だってせっかくの休みなのにお兄ちゃんずっとダラダラしてんだもん、勿体ないよ」
『確かにそれは言えてる』
「でしょ?だから運動がてらアタシをエスコートしなさい!」
『うーん……じゃ水族館でも行くか、前にお前が行きたいって言ってたトコ』
「え、本当!!じゃ、ちょっと待っててね。すぐご飯作るから」
『よろしく頼む。というかご機嫌だな』
「えへへーー」

794 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/03/31(水) 00:11:44 ID:jbYIVF/A
>>793
デ、デート編は!?

795 :では793の続きを :2010/04/03(土) 02:19:01 ID:tUukFGsL
兄と二人きりで出掛けるなんて久しぶり
電車の中で一人浮かれる私は変な目で見られてはいないだろうか
『いい天気だねー』
「そうだなー」
しかし横に座る兄は生返事で私の問いに応え携帯をいじっている
ホントは私と出掛けるの面倒なの…かな…?
「よし」
兄はそう小さく呟くと携帯をしまい私を見て問い掛ける
「ところで水族館って何見たいのさ?」
『え?あっホラ、水族館と言えばイルカでしょ!ペンギン、ラッコ…
…あとフグ!』
「フグ?!フグ見たいのか?」
『えーだってフグ可愛いじゃん』
兄の横顔を目の端でチラリと見る。いつもの兄だ
不安がってたのは私の気のせい…かな

796 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/03(土) 02:20:54 ID:tUukFGsL
ふと腕時計を見ると今はちょうどお昼どき。
入館してからあっという間に時間が過ぎていく…
『そろそろお昼だね。ご飯どうしようか?』
私が尋ねると兄は不敵な笑みを浮かべた
「ふっふっふ…任せなさい…連いてきたまえ!」
言われるまま、兄に連れていかれたのは館内のレストランだった
それも少し高級そうな…。それでも兄は躊躇いもせず店内に入っていく
「あの…予約した者ですが…」
『予約って?』兄の袖を引っ張る私
「ああ、電車で来る時に携帯で予約しといた」
そうだったんだ。安堵と同時に嬉しさが込み上げてくる

案内された席につくと兄は申し訳なさそうに言う
「コースになってるからメニュー選べないけど良かったか?」
『うん、私は構わないけど…お兄ちゃん大丈夫なの?その…値段的に』
「お前にはいつも世話になってるからこれ位はな。
それに三割引きだし」
『え、そうなの?』
「おう、カップルで予約すると値引いてくれるらしい」
『か、カップル…』
兄のさりげない言葉にドキッとしてしまう
周りからすれば私たち恋人同士に見えるのかな…
「まあ俺らカップルじゃないけどバレやしないだろ」
私の気も知らずに兄がケタケタ笑う
「アハハ…あれ、怒ってらっしゃいます?なんで?」
『何でもありません!』
もう…少しは察してよね…鈍感なんだから……

797 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/03(土) 02:22:19 ID:tUukFGsL
『あー楽しかった!今日はありがとうございました』
「どういたしまして。喜んで頂けて幸いです」
昼食を取ったあとも私は兄を連れ回し、気付けば閉館ギリギリになっていた
名残惜しい気持ちで兄と並ぶ帰り道
バッグの携帯が震える。メールだ、誰からだろ?
『お母さんからだ…えっと
“父さんと夕飯食べて帰るのでヨロシク”だって』
「相変わらず仲がよろしいようで」
兄が半ば呆れた様子で言う
『じゃあ夕飯用意しないとね』
「疲れてないか?」
『ううん平気。さっ、早く帰ろ』
「そうだな。昼も良かったけどお前の作るメシが一番だよ」
サラリと放たれた兄の言葉に私は感極まって抱き着いてしまう
「またお前はそうやって…
ああ、周りの視線が痛い……」
『…暗いから誰も見てないよ』「それもそうか」
『えへへ…お兄ちゃん何食べたい?』「んーそうだなーー……」

おわり


駄文失礼いたしやした

798 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/06(火) 01:35:11 ID:I+9Ccgbu
あっ…で、出ちゃった…

ナイス、GJ

799 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/08(木) 10:34:17 ID:35qd6fGE
>>795-797
素晴らしい萌えた感動した
妹可愛いなぁ

800 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/08(木) 23:56:56 ID:lG16w8o+
ピンポーン
休日のある日、時刻は九時過ぎ。
普段は誰も訪ねてこないような俺の部屋のチャイムが鳴る。
「……?」
普段は人が訪ねてこない部屋に訪ねてくるようなヤツなど、ろくな用ではない。
居留守という選択肢も考慮してそろそろと玄関へ。
怪訝な顔をしながら、客の顔を見ようとドアに顔を近づけると、
「にいさま。いるのは分かってるんです。開けてください」
……女の子の声だった。
しかも、聞き覚えのある。
「その声……馨か」
「にいさま!?いるんですね!?」
何を切迫しているのかは分からないが、何か事情がありそうだ。
「あぁ、今開ける」
「え……えぇ……」
今ひとつ納得しない。と言ったふうな声を聞きながら、鍵を外しドアを開ける。
「久しぶり」
と、俺が声を掛けるかかけないかという間に、部屋の中に入ってくる女。
「えぇ、お久し振りですね。にいさま」
和服、長い黒髪、色白な娘。
典型的な大和撫子と言ったふうだが、これが自分の妹では。
とりあえず、在り来りな台詞で、奥のテーブルに座ってもらう。
「お茶は?」
「にいさまは下手ですから、いりません」
じっと正座したまま、冗談とも思えない口調で返事をする馨。
「そうかい。で、今日はどうした?」
「やっと……やっと見つけましたよ」
感慨深げな馨。

801 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/08(木) 23:57:57 ID:lG16w8o+
唐突なセリフに少し戸惑いながらも、
「どうして私に何も言わずに出ていったんですか!?」
「いや、まぁ、多少事情が」
「事情って何ですか!?私、それを聞くまでは帰りませんから!!」
珍しく声を荒らげる馨に少し驚く。
「あまり言いたくないし、言わない方がいいとおもったから黙って来たんだよ」
「……にいさまは馨のことが嫌いになったのですか?」
「は?」
「だから、馨に黙って出てきたんですか!?」
「いや、違うけど」
「じゃあ……」
ミィ。
馨がそこまで言いかけた瞬間、隣の部屋で物音がした。
正確には……
「猫……?にいさま、ネコちゃん飼ってるんですか?」
「あぁ、まぁ」
隣の部屋の様子を伺いながら、答える。
……起きおったか。
「にいさま。まさか、それが理由とか言わないですよね?」
「……そうだけど?ほっとけなくてさ、猫を。馨、猫嫌いだっていってたし」
「い、言ってないですよ!?」
「そうだっけ?」
言っていたような気がするんだが……まぁ、いいや。
「なんだ……てっきり馨は……」
「ん?何?」
「何でも無いです!!」
顔を急に赤らめて、顔を背けた馨。

802 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/08(木) 23:59:25 ID:lG16w8o+
それを不思議に思いつつも
「でも、にいさま……?今度からは、馨もあそびにきてもいいんですよね?」
「まぁ、それは構わないけど……」
「じゃあ、明日も来ます!」
「ああ」
「明後日もいいですか?」
「構わないけど」
「じゃあ……」
この流れが無限に続きそうだったので、
「もういっそ一緒に住んじゃえば?」
「にににににににににいさまっ!?そんなっ、同棲だなんて、そんなっ!!」
……飛躍している。
「馨は……まだ、心の準備がっ……!」
面白いから今日は放っておこう。
───────────────────────

803 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/09(金) 03:07:28 ID:U5Oyd9rg
>>800-802
GJ!!雅な妹も良いものだ

804 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/09(金) 09:23:49 ID:/VW5zLud
>>800-802
馨ちゃんについてkwsk
過去編とかも期待

805 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/09(金) 21:58:24 ID:7j0hPvdH
>>800-804
GJ!!!
続きに期待

806 :便乗スマソ :2010/04/10(土) 07:23:32 ID:B9XhU302
「お兄様、おはようございます」
『ふああ…おはよう』
「相変わらずだらし無いですね。早く食卓について下さい」
『おっ、今朝は塩鮭に卵焼きか…和食なんて珍しいな
というか何だその“お兄様”ってのは?』
「私はいつもこうです。無駄口を叩かずに早く召し上がって下さる?」
『…言葉遣いが所々おかしいんですけど』
「な、何をおっしゃいますか!そんな事あるはずありませんわ!」
『ははーん…さては大和撫子な妹のウケがいいからあやかるつもりだな?
残念だったな、ボロが出てるぞ』
「!!」
『ハハハ、慣れないことはするもんじゃねーな
っておいコラ、皿を下げるな!』
「そういう事言う人に食べさせる食事はありません」
「……(ジ〜〜ッ)」『……(うっ)』
『……悪かったよ。ただな、お前はそのままでいいんだよ』
「え…?」
『大和撫子を演出しなくても普段通りにしてくれれば充分魅力的だぞ』
「………(//////)」
『ほい、皿返せ。
いやぁたまには和食もいいよな』
「…美味しい、お兄ちゃん?」
『ウマイ!!』
「えへへ…。お兄ちゃん今日はどうする?どっか行こうよ」
『金なら無いぞ、先週の水族館で』
「もう!お昼なら私が作るから…ね?」
『そっか…なら花見でも行くか!』
「うん!」

807 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/10(土) 16:02:53 ID:/6QAoDCz
>>806
便乗乙!!

808 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/11(日) 03:53:03 ID:Lch1yem3
良スレage

809 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/11(日) 04:49:17 ID:9+GOQGu7

( = 3 =) おにぃ〜


810 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/11(日) 14:07:49 ID:chnPYP7F
これで読んでくれる人とか出たらさいこーなんだけど

811 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/13(火) 23:21:23 ID:IunU9Ugp
お嬢様っぽい妹ってどうよ?
「お兄様、私(わたくし)の宿題につきあってくださる?」的な

812 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/16(金) 11:59:53 ID:3MHizFMU
>>810
同人でもプロの声優さん使ってるとこあるし
職人さんの許可と金出す人がいればここ投下作品もプロの声優さん使って一次創作同人ドラマCDに出来る

>>811
最高だろ

813 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/16(金) 14:09:56 ID:i7JoGQJN
「今度飲みに行かない?…兄貴の奢りで。」

814 :800 ◆isG/JvRidQ :2010/04/16(金) 21:43:24 ID:ftuvCHGU
>>812
それホントにできたらすごいねー。
僕なんかのでよければ全然使ってもらって構わないんだけど。

815 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/17(土) 00:56:39 ID:jbB2/xbN
>>814
一瞬>>800-802の中の人かと思ってビックリしたw
遊星さんも投下待ってますお
>>800-802の人も続き待ってます。


ドラマCDは金さえあればなぁw

816 :遊星 ◆isG/JvRidQ :2010/04/17(土) 10:33:41 ID:/q7E2I/4
>800-802を書いたのが実は僕、ということなんだが伝わらなかったか……

817 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/17(土) 11:34:35 ID:E3mBpWUI
バタバタバタ……ガチャ
「お兄ちゃん!!」
『うおっ、なんだ!!』
「遊星殿キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」
『もちつけ』

818 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/17(土) 18:15:48 ID:jbB2/xbN
>>816
うお、そうだったのか
でも確信持てなかったのです
続き待ってます

819 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/21(水) 01:09:12 ID:v2eiWn51
保守

820 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/21(水) 13:41:35 ID:nqo82Bit
先日リアルお兄ちゃんに「中の上の顔だね」と言ったらへこんでました
ちょっと気遣って「上の下ぐらい」と言えば良かったかなと反省しています

821 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/21(水) 23:49:04 ID:BeMyN2Pi
(ユサユサ)「お兄ちゃんそろそろ起きてよー?ごはんだよ?(ユサユサ)・・・もうーせっかく早起きして作ったのにー(プンプン)」

822 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/25(日) 00:28:38 ID:9jZeAGer
二次元の妹可愛いよ

823 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/25(日) 09:34:34 ID:xSPHLhqw
三次元の妹そんなことない

824 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/26(月) 23:44:15 ID:zL+Qozsc
だって三次元の妹はリアルに居るから…
俺は二次元の可愛くて幼い妹が良いな!!!!

825 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/04/27(火) 01:58:09 ID:jPassBSR
3次元の妹も欲しい


826 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/01(土) 20:59:37 ID:OdGKsie/
明日二次元の妹の職場に行ってきます
フヒヒ

827 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/04(火) 03:43:55 ID:zx4hWfM8
『む〜ですの〜』
「はぁ…」
カランカラン。グラスの中の氷が溶け、音を奏でる。
『まったく、お兄様はこんな飲み物で私(わたくし)が機嫌を直すとお思いですの?』
ズズズ…
「とか言いつつ飲んでんじゃねぇか」
『これはこれ!ですの』
突然こんな没頭から始まるのには訳がある。簡単なことだ、俺が遅刻したからだ。
べ、別にどう始めを書けばいいか分からなかったなんてことはないんだからね!!
と、一応ツンデレっておこう。
そして、機嫌をとるために近くの自販機でジュースをおごって、今に至る。
『お兄様も、た、ま、に、は、私より早く来て、「ごめん、待たせた?」「今来たとこさ。HAHAHA」みたいにできませんですの!?』
「無茶言うなっての〜」
『そのために5分送れてきたというのにですの…(ゴニョゴニョ)』
「? なんか言ったか?」
『ふみゅ〜う、ですの』
「いででででぇ、、、」
なんか知らんがつねられた。
「んで、今日はなんの用だ?」
『これですの!!』
バーン!と、目の前に突き出されたのは、
祭りのチラシであった。
『今日は祭りがあるのですのよ!!』
「んなもん、俺じゃなくてお前のダチと行けばいいじゃねえか」
『お兄様…。私はお兄様と行きたいのですの!』
もじもじさせながら少し紅くなって俯きながら言っている。
『ダメ…ですか…?お兄様…?』

→仕方ないな、付き合ってやるか。
すまん、今日は他の奴と行くんだ…。

828 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/04(火) 03:47:01 ID:zx4hWfM8
>>827
書いてから気付いた。
自販機だとグラスとか氷の音とかしないよね…
"自販機"
の部分を
"喫茶店"
に変更でお願いします。



829 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/05/05(水) 23:03:56 ID:lMvrP93j
>>827-828
続きを期待だ!!

830 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/05(水) 23:59:41 ID:LMIkArnD
>>826
リアル知り合いに声優さんかシナリオライターにいらっしゃるのですか?

>>827-828
私も可愛い二次元妹にお兄様って言われたい><

831 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/06(木) 23:27:43 ID:1W2GVBG8
→仕方ないな、付き合ってやるか。

遅れたのもあるしな…
「仕方ねえな、付き合ってやるぜ」
『やった!』
何かをやり遂げたようにガッツポーズをしている。そこまでうれしいか、おい。
「そ、そんなにうれしいか?」
『う、うれしい訳…あるですの…』
指をあわせ、再びもじもじ。
「行くならとっとと行くぞ」
『はいですの!』
こうして、祭りに向かうことになった。

祭り編に続く

832 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/07(金) 10:03:07 ID:71lzl8mU
>>831
祭り編に期待せざるおえない

833 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/29(土) 23:23:05 ID:Zj1K4Vnv
保守

834 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/30(日) 00:31:08 ID:K+juDNye
「こら!このくそ兄貴!ぼけ!かす!」
蹴り×10
「変態!きもい!最低!」
ストンピング×10
「エロ本見るくらいなら私の・・・」
沈黙。
「ちっ!」
部屋を出て行く妹。
兄貴は、思う。


「これで邪魔がいなくなった♪」

835 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/05/31(月) 22:12:43 ID:np9eDx+D
>>834
ツンデレ妹ですか
強気なのは兄に対してのみで
基本的に家庭的で引っ込み思案な妹萌えます

836 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/06/01(火) 23:24:02 ID:wS2HnD7W
僕も何か書きたいなー。

837 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/03(木) 07:40:16 ID:EcB1qwQv
是非お願いしまふ

838 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/04(金) 08:17:57 ID:rzzUpJoy
>>836
>>800-802の続きもお願い致します。

839 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/04(金) 18:41:08 ID:FhQV9LJS
>>835
sage推奨
>>836
よろしくお願いします。


840 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/05(土) 23:10:30 ID:nb2Xu4fi
んふふ、、、カワイイアニキ、、食べちゃいたい

841 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/06(日) 00:22:20 ID:0wiVNmTm
>>1の本文をおっさんが一生懸命考えてタイピングしたかと思うと今更ながら吐き気がするな

842 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/06(日) 02:48:58 ID:jD7bGzbX
それを言っちゃあおしめえよ

843 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/06/06(日) 18:09:27 ID:J/nzk1Ne
まぁ、一生懸命かどうかは忘れたけど、タイピングした当時は大学生だけどね。

844 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/06(日) 19:20:15 ID:2gNEWxc+
お兄たち週末厨に構っちゃダメだよ!

845 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/12(土) 01:16:05 ID:+RYCsvt0
妹『私の足を舐めるか、それとも死ぬか。選んでお兄』

846 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/12(土) 23:34:44 ID:I21eyoti
兄『そんなことより俺を踏むのか、それともなじるのか。選べ妹よ』

847 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/13(日) 01:11:24 ID:WyVQkJt+
『お兄ちゃん…。お兄ちゃん。いや、これは絶対無い』
『…うーん』
『…』
『お兄』
いつもの呼び名を口にする。やっぱり、これだった。
『なんなのよこのエロビデオ…』
妹百選とうち付けられたタイトルを睨む。中身はと言えば妹と兄の…まぁ、そういう内容だった。
『はぁ、お兄の部屋なんて掃除したのが間違いだった…』
お兄ちゃんお兄ちゃんと連呼していたツーテールの女が脳裏に浮かぶ
『……はぁ』
残念な気持ちと、そういう性癖を持っていた兄に対する何とも言えない嬉しさが、私の中でぐるぐる回る。
(って!なんで嬉しがってんの私は!!)
ふと首を横にする。いつも着替えに使っているのだろう私の身長くらいはある鏡があった。
そこに写るひどくにやけた顔。
『…うわ〜』
「それ、俺の台詞な」
『へっ?』
思わず裏返る声。
『お、おにっ!?』
「…鬼?いや、そんな事よりお前その手に持っ
『いや私は別におにぃがどんな性癖持とうがそんなの人それぞれだしまぁ実妹がいるのにこのビデオはどうなんだろうとは思うよだって目の前に性癖を満たす塊が居るって言うのにおにぃときたらもうそれは
「おちつけーーっっ!」
ぽかっ!額にチョップ。
『アヴッ』
「それは友達のイタズラだ。俺のじゃねぇよ」
『……そ、そうなんだ』
「ったく…」
『…。……へ、部屋掃除しといたからっ!じゃねっ』
「あ、おいっ」
エロビデオをその場に置き、ダッシュで駆け抜け勢いよく扉を閉める
『……なにやってんだ…私』

848 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/13(日) 23:59:42 ID:3d2ZOodO
おい続きはまだか
息子が怒張したままなのだが

849 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/14(月) 01:08:12 ID:JzmY5J4N
後日イタズラをした友人とやらが私に謝りに来た
「まさか妹ちゃんに見られるとは思わなくてさ…。ごめんね」
『い、いえ。いいですよ。あはは』
あの時の私は上手く笑えていたのだろうか?
…何故ならあの時の私は――

酷く落ち込んでいたからだ

『…ハァ』
世間一般の妹ならこんな反応はしないだろう。しかし仕方ない。私は変な子だからだ。
実の兄に恋をする…変な子
(いやいやいや!ていうか世間の風潮がおかしいのよ!何で兄弟の恋愛が駄目なのよ意味わかんないでしょ!絶対私は変じゃないそうそうよ変なのは世の中様よいつも昔から私を守ってくれるし優しいし格好いいし私を理解してくれるし惚れない方が無理ってもんでしょ!!)
『…ハァアアア』
「本日二回めー」
「めー」
『えっ?』
食堂で一緒にお昼をとっていた友人二人が言う。
「最近溜め息多いねー」
「ねー」
『な、べっ、別にそんな事ないわよ!?』
「ふふーん」
全てを見透かすような目で私を見る。昔から仲が良い分、本当に見透かされている気分だった。
「ズバリ、お兄さんだね!?」
『んなっ!!べ、べつにあんなやつのことなんてこれぽっちもおもってなんかいやしな
「…あ、あんたのお兄さん」
『へっ!?ど、どこ!?』
『……あ』
「うふふ、嘘だにゃ。にやにや」
「うひうひ」
『……〜〜っ!!も、もうっ!さっさと食べて教室戻るわよ!』
「ふふ。はーい」
「へーい」

850 :おしマイケル :2010/06/14(月) 01:15:11 ID:JzmY5J4N
『ただいま』
そう言いながらリビングへと繋がるドアを開く。
「おかえり」
声のする方を見ると、兄はエプロンをつけて料理に励んでいた。
「晩飯そろそろ出来るからさ、先に風呂入ってこいよ」
『う、うん…手伝わなくて良い?』
「いいよ、大丈夫」
『そ、そっか』
・・・・・・
ドサッ。ベッドに全身を預けるように仰向けになって倒れた。
『…ちゃんと…笑えてたかな…』
もう食事どころではなかった。あの日の一件以来…いつも以上に兄を意識し始めている私。
『…ハァアアア…』
窓の外を見ると雨が降り始めていた。遠くで雷の音も聞こえ…
フッ『え』
不意に部屋の明かりが消える。
『嘘…停電!?…やだ…』
昔から暗闇は苦手だった。そう言えばこういう時はおにぃが手を握ってくれてたっけと、ふいに思い出す。その刹那、ゴゴゴと落雷の音。かなり近い。
『ひゃっ』
『う、うう…』
目を閉じ両手で耳を塞ぐ。
『…怖いよぅ……おにぃ…ちゃん』
ドンっ
『ひっ』
唐突に開く部屋のドア。
「おい、大丈夫か!」
私が一番好きな人の声が耳に届く。
『おにぃ…ちゃん?』
「おにぃちゃんて。全く、よっぽど気が動転してるみたいだな。急いで来てよかった…ってお前泣いて―――
暗闇に慣れていない目で懸命に兄の姿を捉え、駆け寄り抱きしめた…そして…
キスをした

851 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/14(月) 07:09:43 ID:FpfrdwtU
イイ!GJ!!
時に貴殿、姉妹スレ〜文才スレで活躍なさった職人ですよね?

852 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/14(月) 19:20:38 ID:JzmY5J4N
そんなこたぁあるかもしれない

853 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/15(火) 22:33:17 ID:JX5TdrS2
>>852
お兄が投下サボったから文才スレ落ちたんだからね!
でも…このスレで会えて嬉しいよ
って何ニヤニヤしてんの!べっ、別にそんなんじゃないんだから!!

854 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/16(水) 02:10:56 ID:f4mXrsGH
>>853こんな妹が欲しかったぉ(´;ω;`)

855 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/17(木) 23:55:41 ID:wIKrS1is


『お兄ちゃん』
「んぁ」
聞き慣れた声で目を覚ます。目の前には視界いっぱいに広がる妹の顔。
「…近い」
『あ、ごめん///』
顔を赤らめながら一歩後退する妹。と同時に俺は上体を起こした。
「あふ……んん。で、何か用か?」
『友達のいないお兄ちゃんのために、今日のお誘いを全て断った妹を、まずは褒めて下さい☆』
「んー。友達いますけどね、俺」
『はいはい。人を疑う事しか出来ないお兄ちゃんに、ホントの意味でのお友達なんて居ないでしょー』
いつも思うがコイツは、もう少しオブラートに包むという事を学ぶべきだ。
「悔しいけどその通りに御座います」
まぁ、人を疑いやすい性格なのは事実だし、言い返せないので素直に肯定した。
『という訳で!』
右手人差し指をビシッと一本突き出して俺を指す。
「はい」
『遊びに行きましょうお兄ちゃん!』
「嫌だ」
即答した。

856 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/17(木) 23:59:37 ID:wIKrS1is
『なんでですか!?』
「疲れてるから」
昨日は体育祭で、今日はその振替休日。身体が、「早く二度寝しようぜ相棒…」と呟いているのを、全身で感じる。
『ヤングマーン!』
ヤングマン…つまり翻訳すると、『若者がなに言ってるんですかお兄ちゃん!私はこんなに元気なんだからお兄ちゃんはその3倍くらい元気でいないとダメなんですよこの腐れカス野郎!!』と言っているのだろう。
だから俺はこう返す。
「3倍とか無理。あと兄に腐れカス野郎はどうなんだ」
『よくわかりましたねお兄ちゃん!でも腐れカス野郎ではないです。鬼畜腐れカス早漏野郎って思いながら言いました』
「お前の事なら大体はわかるさ〜…って後半なんて!?」
まぁいいや…そう言いながら再びベッドに身体を預ける。
『私の事がわかるのであれば、これから私がどう出るのか…。わかりますよね?お兄ちゃん』
…これを翻訳するとつまり…
『お兄ちゃんが遊ぶと約束するまでこのままここに死ぬまで居座ります。早く着替えて下さいお兄ちゃん』だろう。
『よくわかりましたね』
「俺まだ何も言ってないよ!?」思わずツッコミをいれつつ上体を起こす俺。
『しかし惜しい。早く着替えて下さいお兄ちゃん…ではなく、早く私に着替えさせて下さいお兄ちゃんハァハァ。の間違いです』
「ちょっと今何て!?」
『早く私に着替えさせて下さいお兄ちゃんハァハァハァ』
「増えてる!?」


857 :おしまい :2010/06/18(金) 00:02:23 ID:wIKrS1is
『いいから早く遊びにヴヴヴ
「ん」
枕元に置いてあった携帯が鳴る。サブ画面には友人の名前が表示されていた。
「ちょっと待って」
妹に一言断りを入れ、携帯をとろうとしたその時だった。妹の腕がいち早く伸びて…
ぴっ!
『おかけになった電話番号の契約者は現在妹と愛の逃避行中です。馬に蹴られぬ内に回線をお切り下さい。というかこちらから切りますさようならもう話す事もないでしょう』
ぴっ!
「……」
『…』
見つめあう二人。
『ふふ…お兄ちゃんっ!』
ビシィッ!と 親指を突き立てる妹。
『さぁ有言実行!愛の逃避行といきましょう!!』
「いくかぁぁぁぁぁあああああああああああっっ!!!」
「お前は何をしているんだ!何だ愛の逃避行って?!え?!?」
『わかってる癖に……辞書、持ってきましょうか?』
「そぉおーゆぅうう話しじゃあぁあないぞーーっっ!!?」
『……ごめんなさい。一度、やってみたくて…』
「あははそっか☆」
『はいっ☆』
ゴスッ!喉仏に突きをお見舞いする。
『ごぇっ』
「ったく…はぁ…。…。…着替えるから出てけよ」
『……えっ?…じゃあお兄ちゃん…!』
「あぁもうわかった観念するよ、行―――――
『着替えさせてくれるんですね!!!?』
「ちがうわぁああああああああぁあぁあああ!!」
ゴスッ!
『ぎゃぇっ』

858 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/18(金) 06:55:04 ID:g39yktGo
興味深いな、続けて
というかお出かけはどこかね?

859 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/20(日) 00:11:14 ID:PXhKWgqH
続きはおまいの脳内で

860 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/22(火) 00:00:30 ID:/ggwjg7H
『兄貴ィィィィィ!!』
「うぉ!?」
突然、休み時間の余暇を楽しんでいた所に突如現れる。
『体育着貸せェェェェ!!』
「まてぇい!他の女子から借りればいいだろ!」
『いやぁ〜、今日あたしらの学年全クラスで体育なのに忘れちゃってさ〜』
「なら別の学年からだな…」
『先輩達、体育ないって〜』
そういえば男子だけ外でサッカーだったような…
「さっきまで体育だったからかなり濡れてるぞ?」
『なっ…!?そ、それでいいから貸しなさい!(ハァハァ…)』
息が荒くなっている。
「マジで?」
『え、えらくマジで(ハァハァ)』
「んじゃ、ほいよ」
『サンキュゥゥゥ!』
そのままダッシュで廊下を走り去る。
「よかったのかなぁ…?」
後々後悔するのだが、今は話さない方がいいだろう。

先生「ちょwwwお前何着てる!?w」
『え?兄貴のですヨ…』
先生「あとニヤニヤ&ハァハァしすぎ」
『うへへ〜』
周りの人A「あの子ブラコン?」
周りの人B「みたそうね…」
その日の妹はとてもよい記録が出せたそうな。




861 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/22(火) 20:43:54 ID:BitXhzg9
『ねぇ、早く入れてよ…』
「そっちからこいよ」
『え…?わ、わたしから?やだ、恥ずかしいよぉ…』
「そういうのもういいから。早くしてくれ。さっさとイくぞ」
『さっさとイくって…嫌だよ』
「なんでだよ」
『おにぃとゆっくり楽しみながらイきたいの』
「俺はさっさとイきたいんだよ…」
『…なんで?』
「ゆっくりイってたら結構体、濡れちゃうだろ」
『イイじゃん別に…おにぃと濡れあうのも悪くない』
「…もういい」
そう言って妹の背中に手を回し強引に抱き寄せる。
『あんっ、もう…乱暴しないで…』
「さっさと帰るぞ。ったく、次は傘忘れんなよな」
そう言い捨て校舎を後にした。

862 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/26(土) 21:23:06 ID:2dQxnUth
「じゃあ、もう行くよ」
兄が私に振り向き、言う。
兄の上京――――――――
いつか来ると待ち構えていたけれど、やっぱり嫌なものは嫌だった。
『上京して一人になっちゃうけど、大丈夫なの?』
「はは。その台詞、今日だけで何回目だよ?」
あっ。となった。顔が赤らんでいくのが自分でもわかる。
『…わ、悪かったわね…』
「…。父さんと母さんによろしく言っといてくれ」
『う、うん。あの二人も休日に仕事が入るなんて残念だよねー、あはは』
無理に笑う。そうしないと泣いてしまいそうになるから。
「…それじゃあ」
『あ、お兄ちゃん…』
「うん?」
『…ううん。な、なんでも…』
「?」
手を振る兄。閉まりだす電車のドア。
気付けば私は兄を追って――――



863 :久しぶりの1レス投稿 ◆isG/JvRidQ :2010/06/26(土) 22:08:19 ID:cRphhW94
「髪型変えようかな……」
雑誌を見ながら、ポツリと呟く妹。
「え……?」
「お兄ちゃん。そんなに私が髪型変えるのおかしいですか?」
「おかしいっていうか、何で今になって?」
「意味はないですけど……暑いし、イメージチェンジに」
「ふーん……ま、好きにしたら?」
「……」
「どうした?」
「お兄ちゃんは、どう思います?」
「は?だから好きに……」
「そういうことじゃなくて!」
「どういうこと……?」
「……お兄ちゃんは、どういう髪型が好きですか?」
「考えたこともない……」
「たまにはバッサリ切ってみても可愛いかなー?」
「……」
「それともパーマとか」
「……」
「あ、髪を染めてみるのもいいかも知れませんね」
「……」
「……どうですか?」
「俺は……」
「うん」
「俺が贈ったヘアピンを使ってくれてる髪型だとうれしいな」
「え……?」
「ほら、ちょうど今みたいな」
「……お兄ちゃん……?」
「ま、髪型は好きにしたらいいよ」
「うん……!!」

864 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/06/27(日) 23:55:18 ID:lRur3KjX
ふんふんふー
『いい、メロディーだな』
私の鼻歌に反応する兄
『よく口ずさむよな、ソレ。なんて歌なんだ?』
お兄ちゃんなら知っていて当然の曲なのに。兄の言葉が、私の胸を締め付ける
「ん、とね……この曲は……」
兄が妹へ贈った歌。そう答えた
『……あ…』
「……お兄……ちゃん?」
私の言葉に何かを感じ取ったのか。何かに気付いた、感づいたような声をだす兄
『…はは…』
気付くと兄の目には涙が浮かんでいた
『歌詞が……でてこねぇや。………俺が…』
「…」
『俺が作った歌なのに……!』
嗚咽をもらす兄。もう見ていられなかった
「…っ…」
『……』
「お兄ちゃん……!!」
涙で霞む兄。ふと、白い天井を見上げる。釣られて私も見上げた
『……記憶障害…なんだ…よな。それすら忘れてたよ。事故で頭ぶつけて…って、何の事故だったっけ?あはは』
「…」
『…あのさ。俺の記憶がある内に…頼みたい事があるんだ』
「…頼み?」
『……俺はもう死ぬだろうから』
「お兄ちゃん!!」
ガタッと立ち上がる。悲しみよりも怒りが勝った。助かる可能性が無い訳じゃない。兄に生きて欲しいと願うから。だからこそ、叫んでしまった
『聞け!!!…俺の……俺の棚に陳列されてある辞書のカバーを外すとエロ本が隠されてるんだ。それ、処理しといてくれ、いやまじで。あんなの置いてちゃ死ぬに死ねねぇ!!』
「は?…………………ぷっ」
『な、なんだよ!』
「……自分で片づけなさいっ」満面の笑みで、そう言った

865 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/02(金) 00:43:38 ID:dnNdcJuM
「ただいま」
ウキウキ気分で帰宅。そりゃそうだ。なんてったって今日から夏休み。宿題?…知らんな。
「…?誰も居ないのか?」
やけに静かだ。俺はリビングに駆け寄り、ガチャリとドアを開いた。
『あ…おかえり、兄貴』
そこには、妹が一人、テーブルに肘をつきながら棒状のアイスを頬張っている姿が。
「母さん達は?」
『海外赴任。二人ともね』
マジかよ。そういやそんな事言ってたような言って無かったような…。
『親の話しはよく聞こうね、兄貴』
俺の心中を察したかグサリと突き刺さる一言。伊達に俺の妹をやっているワケではないようだ。
「…ふっ。しかしそんな嫌み、これから始まる俺のサマータイムのおかけで全て受け入れられるぜ…」
『何ブツブツ言ってんの……?あ、あとお姉ちゃんだけど』
姉貴か。そういや居ないな。
「遊んでから帰ってくんのか?」
まだ時間は昼過ぎ。どっかでよろしくやってんだろう。
『や、お母さん達、海外赴任でしょ?それをいい事に彼氏の家に泊まるって…』
なん…だと…!?まさか彼氏とよろしくやっているとは…。
「じゃあ当分は二人暮らしか」
『いや………実は、私もさ、彼氏の家行くから…さ』


「なん…だと…?!」

866 :続き :2010/07/02(金) 00:45:27 ID:dnNdcJuM
「お兄ちゃんは許しませんよ!!!!?」
『お、お姉ちゃんの時とはえらい違いだね…』
そりゃそうだ!可愛い妹だもの!
「そりゃそうだ!可愛い妹だもの!」
思わず口に出してしまった。きゃっ、恥ずかしいっ☆…って、んな事より彼氏がいたなんて初耳なんですけどぉおおっっ!?
『……ま、ま…まぁ、冗談なんだけどね』
「…はっ?」
『…冗談』
何故か火照りながら言う妹。オイ夏風邪か?
「…んだよタチ悪いなぁ…」
安心したのか、脱力感が俺の全身を駆け巡る。思わずその場にしゃがみこんだ。
『どんな反応…するかなって…。ま、まさか兄貴があんな反応するとはブツブツ』
何だかブツブツ言っていてよくわからない。まぁいいや。
「腹減った」
『ん』
食べかけのアイスをこちらへ差し出される。
「いらんわっっ!」
そう言って冷蔵庫の方へと足を進めた。
『……ねぇ』
「んー?お、見事に何もねぇな」
『…な、何で私とお姉ちゃんで反応が違ったワケ?』
「…」
『…』
「……さぁ?」
『なっ、なによそれ…バカアニキ…期待して損したじゃないブツブツ』
「…?」
なんか言ってる。まぁいいや。
「買い物行くぞ」
『あ、うん』
妹と俺。当分は二人暮らし。一体どうなる事やら

867 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/04(日) 20:54:28 ID:5oSaalBX
お久しぶりです。>>800-802の続きです。
前回のがアレだったんで、急遽です。
───────────────────────
駅から少し歩いた、とあるマンション。
エレベーターを降り、自室前のドアに鍵を差し込む。
……手応えが無い。
確か朝はちゃんと鍵をかけてきたはずだが。
「……ということは」
残念なことに犯人の目星はついている。
溜息とともにドアを開ける。
「……お」
開けたドアから、醤油と鰹出汁の匂いが漂ってくる。
「にいさま?にいさまですか!?」
部屋の奥からそんな声が聞こえた。
「あぁ、ただいま……」
と答えてみる。
声の主は部屋の奥でドタドタ音を鳴らした後、玄関に全力で駆けてくる。
「にいさま!おかえりませいませ!!」
流れるように玄関前に膝を付き、三つ指付いてお出迎えをする妹。
俺は一切それには触れず、
「どうやって入った……?」
「大家さんに事情を話して入れてもらいました!」
馨の何とも嬉しそうなお顔だが……こちらとしてはセキュリティの甘さに身の毛がよだつ思いだ。
「妹だって話したら、似てるね!って言われちゃいました!!」
「お世辞に決まってるだろ……血の繋がりもないのに」
疲労のせいか、マズい事を言った!と気付くのがワンテンポ遅れた。

868 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/04(日) 20:55:32 ID:5oSaalBX
前に同じようなことを行って塞ぎ込ませてしまったのを思い出す。、
いつでも謝る姿勢をとりながら、妹のほうを見ると、
「ふふん、にいさま。馨は大事なことに気付いたんですの!」
なぜか自慢気。
「はぁ?どんな?」
拍子抜けながらも、気になって尋ねた。
「双子は顔がそっくりでも性格が違うように、遺伝子が同じでも人は変わるんです!」
「うん……それで?」
「逆をいえば、にいさまと馨はずっと一緒に過ごしてきたんですから、二人が似てきても不思議じゃありません!」
何だか嬉しそうな馨。
そして、ゆっくり立ち上がって
「にいさま。馨にとっては、にいさまと一緒に過ごした時間が、にいさまとの兄妹の証なんですよ?」
「あぁ……」
「これからも一緒にいましょう、にいさま?」
「……」
馨の甘ったるい顔に耐えきれず、目をそらし、靴を脱いで、家に上がる。
だが、まぁ……
「合鍵、無くしたりはしないよな?」
「え……っ!?は、はい!!絶対大事にします!!」
「明日作ってくる」
「あっ!!はい!!私も明日来ます!!夕飯作って待ってます!!」
「冷たいのにしてくれ。明日も暑いらしいから」
「はい!にいさまのお願いなら!!」
服を脱ぎながら、妹と会話。
あとは、ウチの同居人にお伺いを立てないとな。

869 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/05(月) 12:39:56 ID:Ob8tUjBQ
お兄たちGJなんだから!

870 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/10(土) 21:10:35 ID:Mbf3jiiJ
『兄貴、これなんて読む?』
(汚兄ちゃん)と書かれた紙を出される。
「おにいちゃん?」
『お、正解〜』
ブスッ
『目がァァァァァ』
「全国(俺を含む)の兄貴に謝れ!!今すぐ謝れ!!」
『ニコ○コ動画のタグだからいいじゃん!!』





871 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/10(土) 22:11:45 ID:FOH2Zg7f
「御馳走様」
箸をおき、食卓から立ち上がる。
「お粗末様。どうだった、新メニュー?」
先に食べ終わっていた妹の遥はエプロンを装着しながら、俺に尋ねる。
「あぁ、美味かった。やっぱり遥が作るのが一番だな」
「あはは……褒めても何も出ないよ?」
照れくさそうに目を逸らす遥。
つい言ってしまった言葉だが、お互いに褒め慣れても褒められ慣れてもいないためギクシャクしてしまう。
「あ、お兄ちゃん。お茶碗、水に浸けといてくれる?」
「あぁ、分かってるよ」
「それと、お風呂沸いてるから、すぐ入っちゃって」
「おぅ」
「あと、明日から二人で旅行だから、準備しといてね」
「了解……んっ?」
『明日から二人で旅行』……?
「……遥、今なんて言った……?」
「明日から二人で旅行?」
「うん、それ。で、旅行って……何?」
「明日から、二人で海に」
「何で!?」
「お父さんとお母さんがホテルの宿泊券くれたから」
「……何故俺には何も言わない……」
「絶対嫌がるから言うなって……」
……なんてヤツら……俺の性格を分かってやがる……。
「行きたくない?」
「行きたくない」
「何で?」
「……俺みたいな日陰者の行くところじゃない……」
「言うと思った……」
うんざりしたと言いたげな遥。

872 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/10(土) 22:12:46 ID:FOH2Zg7f
どうせ語彙が少ないよ、俺は……。
「ならば、なぜ俺を海に連れて行こうとする!?」
「お兄ちゃんにもメリットがあると思うんだけどな」
「メリット?」
「あきらさんや宮原さん達に会わなくて済むじゃない?」
ん?それは確かに大きなメリット……。
だが、しかし……。
「……待て、遥……このノリ、海でも一悶着ある気がする……」
「大丈夫でしょ。万が一海で女の子に会っても、こっちに帰ってきちゃえば問題ないじゃない?」
「いや、普通に越してくるぞ、こっちに。で、絶対に同じ学校だ」
「そんな偶然あるかなぁ……」
「今更何を……今年の夏は確実に女関係の運が悪い」
『今年の夏は』で済めば良いのだが……。
「うーん、無いと思うけど……もし、そんなことになったらお兄ちゃんに協力するよ」
「……」
あんまり気が進まない……。
「行かない?」
「気が進まない」
「行こうよ。遥はお兄ちゃんと行きたいよ」
俺とねぇ……。
しかしまぁ、遥がここまで言うなら……。
「たまには……遥の役にも立たなきゃな」
「行ってくれるの?」
「遥の頼みだ、今回は仕方ない。ただ、そうそうあることと思うなよ」
「うんうん!じゃ、準備しなきゃ!!」
嬉しそうな遥。
珍しいなと思いながらも……やっぱり嫌な予感は……消えない……。
───────────────────────

873 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/10(土) 22:13:47 ID:FOH2Zg7f
最近良くお目にかかります。
えっと。別に狙って書いたわけじゃありません。なぜなら二年前に書いたから。
タイミングは完全にアレを狙ってますが。

久しぶりにネガティブ兄の台本になります。いいですね、この兄は。
どんなものか知りたければ、このスレを検索してください。

874 :名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/11(日) 02:00:52 ID:yofKIi/8
待望の遥ルート!!!!
遊星殿GJです

875 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/19(月) 22:17:15 ID:6TZiJoyo
広い部屋。
高級そうな和内装。
大きな窓。そして広い海。
「……」
落ち着かない……。
大体、子供二人で泊まるようなホテルじゃない……。
一旦チェックインしたら、遥はどっか行っちゃったし……。
「色々見て回るか」
……部屋の中を、だが。
今いるここがまぁ、メインとなる部屋だろう。
隣の部屋へと続くであろうふすまを開ける。
掘り炬燵がある……まぁ、夏なので布団は無いが。しかし、どうやら遥もいないようだ。
「……暗いな」
窓の方を見ると、障子のようなものが日差しを遮っている。
隣の部屋から察するに、この先にはベランダのようなものがあると見た。
バカと煙は……という法則に則り、ブラインドを開けベランダに……
「きゃっ!?」
……遥の声。
「あぁ、遥。ここにいたのか」
声のするほうに振り向くと、なにやら木製の箱に水。そして、さらにその中に肌色の遥。
平たく言えば露天風呂付き個室。
なるほど、初めて見た。
「……え?……う、うん……」
「露天風呂か、なかなかいいじゃないか」
「……!?」
俺の顔を見ながら口をパクパク動かす遥。

876 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/19(月) 22:18:18 ID:6TZiJoyo
「どうかしたか?」
「あっと……えっと……」
珍しく歯切れの悪い遥。
まぁ、そんなこともあるのだろうとキョロキョロと辺りを見回す。
遥の服と下着……なるほど、服はここで脱ぐのだな……。
「お、お兄ちゃん……あんまり……」
「何?」
「……なんでもない……」
「?」
もしかして……避けられてる……。
「じゃあ、俺行くから」
まぁ、ここはもう見るもの無いしな。
「あ、うん……」
やっぱり浮かない返事の遥。
俺……何かしたかな……。
───────────────────────
続きを貼るのをすっかり忘れてました。
一応まだまだ続きます。夏が終わるまでには終わらせたいですね。

877 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/20(火) 12:46:48 ID:rkTMwJwP
>>875-876
遊星殿GJです!!
個人的には遥との絡みが一番好きです

878 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/21(水) 18:03:04 ID:U9FEGMuW
妹が、あゆが死ぬ…
そう聞かされて、俺は呆然としていた。
「もう長くはないでしょう、今日生きれればいいぐらいです。」
医者からそう告げられた。
『お兄ちゃん、あゆ、退院したの?』
「あぁ、また家で一緒に暮らすんだ。」
妹が今日死んでしまうなら、今まで一緒に暮らしていた家にいさせてあげたかった。

…妹の病気は突然発覚した。
学校の検査で引っかかっただけだったのに、病院で精密検査させただけなのに…
元気そうな妹は、最近見つけられた極めて珍しい病気にかかっていた。
世界でも1〜2人しかかかっていないらしい。
元気な子でも突然死ぬ。そんな病気に何故、妹が…

俺達の家族は、事故で死んでしまって俺と妹しかいない。
俺が働いて、妹を養わせる。2人になってしまった時、そう決めた。幸せにしてやるって決めたんだ。

街へ、海へ、あゆが行きたい所へと行った。空が暗くなる。今日が終わる。




879 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/21(水) 18:07:07 ID:U9FEGMuW
『お兄ちゃん、一緒に寝てくれる?』
「そうだな、ずっと病院で1人だったもんな…。」
互いに寄り添って、温もりを確かめ合う。
『明日も遊ぶよね、お兄ちゃん。』
「あぁ、、、」
明日があるなら、あげられるなら、明日をあげたい。
『おやすみ、お兄ちゃん。』
寝息が聞こえる。このおやすみも、最期を意味するのだろうか。
『お兄…ちゃ…ん』
「どうした!?」
『トイレ…』
「…」
今までの緊張が一気に緩む。とりあえず、トイレに連れて行く。
時計の針は進んでいく。
壁を殴る。
「俺には…何も出来ないのか…?」
妹が出てきたから布団に戻る。
「あゆ…」
妹を抱きしめる。
『お兄ちゃん…大好き…。』
そう言って抱きしめてくる。
「ぜったい幸せにしてやるって…な…」
冷たくなっていく体をずっと抱きしめていた。
俺は何もできない。そう思っていた。本当にそうだったのか?そうじゃなかった。できた。だが、認められなかった。
今なら認められるか?今なら。
泣いてる俺の辺りが白くなる。
次の朝、妹を守るように、白い羽根が辺りを覆っていた。
『お兄ちゃん…?』


思いつきで書いた。この最後の文の続きは貴方が考えている通りです。

880 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/22(木) 00:20:07 ID:K3igEtfp
深夜にいい年ぶら下げたオジサンを泣かせるでない

881 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/25(日) 21:29:54 ID:S/7C+Ngt
「お兄ちゃん、準備できた?」
掘り炬燵の部屋から現れた遥が唐突に切り出す。
「何の?」
「海」
「……え?」
「あ……そっか。私が持ってたんだった」
一旦消えた遥。
そして現れたとおもいきや、
「はい、ゴメンね」
……変な布を手渡す。
「……何?」
変な布と遥の顔を見比べながら尋ねる。
「水着」
「何で?」
「お兄ちゃんにまかせると絶対持ってこないから」
「いや、そうじゃなくて……何故水着が?」
「泳ぐから」
海……泳ぐ……?
「嫌だ!!絶対嫌だ!!」
「何で?」
「場違いだ。場違いの極みだ!!」
「そう?黙ってれば普通だと思うけど」
「俺ほど醜い人間がいるか!!」
「ネガティブだね……誰も気にしないって」
「だとしても……無理だよ……そんな華やかな場所には耐えられない……」
「はぁ……じゃあ、恋人って設定にしよう!それなら場違いじゃないよ?」
「こ、恋人っ……!?」
何だ、この語感から感じる眩しさは……!!
……負けた……もう動けねぇ……。
「……負けた」

882 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/07/25(日) 21:31:06 ID:S/7C+Ngt
「え?行ってくれるの?」
「……違う……無理だ……もう立てん……」
「何で……?」
「眩しすぎて……死ぬ……」
「お兄ちゃんは、本気なところがすごいんだよね……」
呆れ顔の遥が、細いため息を吐く。
「全然嬉しくない……」
「まぁ、褒めてないからね」
うんざりした様子の遥。
グッタリした俺。
「アレか……彼女はまぁまぁだけど、男はねぇー……って言われたりとか……
 可愛い女の子に不細工な彼氏がいるのって世界の七不思議の一つだよねー。っていわれるんだ……」
「お兄ちゃんは私のこと褒めてるつもり?」
「相対的に……」
「喜んで良いのかな?」
「……嬉しきゃ喜べば……?」
「じゃあ、ダメだ……」
ため息の遥。
そして、
「……一人で行っちゃおうかな……」
ボソッと呟く遥。
「いや……それは……」
不味いだろう、女の子一人じゃ……。
「じゃあ、どうする?遥は一人でも行くよ?」
「……分かった……耐える……」
「ありがと。恋人設定は?」
「断固拒否だ」
「言うと思った。さ、隣行ってるから着替えて。で、早く行こう?」
……流された。
───────────────────────

883 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/07/25(日) 23:25:42 ID:5IcWnikl
>>881-882
遊星さんGJっす!

884 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/01(日) 21:34:56 ID:c4rJ0geI
海。
海……。
「海なんか消えてなくなれば良いのに……」
「お兄ちゃん……そういうこというと気持ち悪いと思われるよ……」
そういう独り言に限って、聞き逃してくれない遥。
ちなみに……ビキニ姿の隣の遥を、直視することが出来ず、何だか変な方向を眺めている。
「そうだね……」
言葉にすら力が入らない……。
「とりあえず、幸せな人間が憎い……」
「やめてよ、そういう発言」
「……自然に出てくるんだ……」
どんどん暗い……。
「楽しもうよ、せっかく来たのに」
「どうやって……」
「お兄ちゃんも男なんだから、こう……水着の女の人とかに鼻の下伸ばしたりとかしないの?」
「逮捕されないか……?」
「されないと思うけど……」
「少なくとも、言葉の暴力あたりは受けそうだな……キモいとかなんとか言いたい放題言われた挙句に……」
んで……あぁ、やっぱり警察沙汰……。
「……遥のハダカ見たくせに」
「何?」
ポツリと呟く遥。唐突すぎて反応できなかった俺。
「別に。妙に納得した」
「何を?」
「女の子にしか分からない話」
「ならいいや」
絶対に分からんからな。

885 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/01(日) 21:36:04 ID:c4rJ0geI
「まぁ、騙されたと思って遥と遊んでみようよ」
「気乗りしない……」
「でも、ジッとしてる方が逆に変だよ?」
「だろうな……」
「覚悟決めちゃえ!」
「覚悟……」
「ほれほれ!」
水をかけてくる遥。
それに対し、
「……悪かった……」
「何がっ!?」
「いや、何か怒らすようなこと言ったかと……」
「そのリアクションに驚きだよ……」
「どういうリアクションが正解なんだ……?」
「『あ、やったなー!この〜!』みたいな……」
「……要求する所が高い……」
「だよねぇ……」
呆れている遥。
そんな遥に俺も半ば呆れている。
「私と一緒じゃ嫌?」
「そんなことはないが……」
女に縁の無い男が考える、女のキラーフレーズ。俺にも、兄にも有効。
「じゃあ、行こう?」
「仕方ない。泳げないと思われたら嫌だしな」
「うんうん。行こう行こう」
遥に連れられ、大嫌いな海へ。
……あぁ、気が重い……。
───────────────────────

886 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/10(火) 23:06:32 ID:zIgV2VAx
長かったけど、やっと太陽が沈んだ。
日頃から日の当たる道を歩けない俺だが、今日ほど太陽が憎かったことはない……。
「あははっ!!楽しかったね!!」
海水浴場からの帰り道、テンションの上がりきった遥と、
「俺は気まずくて死にそうだったよ」
テンションの下がりきった俺……。
「そう?よく遊んでたじゃない?」
「一種の擬態だ」
そして、擬態も楽ではないのだな。
「お兄ちゃんは……楽しくなかった?」
「このリアクションで分からないか……?」
「そっか……」
悲しそうな声の遥。
少しミスったかなと後悔していると、
「ありがとう」
「は……?」
「遥のワガママに付き合ってくれて」
「あ、あぁ……?」
「私は楽しかったよ。お兄ちゃんが楽しくないのが残念だけど……」
自然に俺の手を握ってくる遥。
「でも、ありがとう」
コイツは俺如きに、なんて笑顔を見せてくるんだろう……。
笑顔の浪費家め……。
「……いや、俺こそ……遥にしてもらってること考えたら、これじゃ足りないくらいだ」
「……」
あ、凄い嫌な顔……。
「じゃあ、明日はもっと付き合ってもらおう!!」
「は!?」
「ううん、今晩もしっかり付き合ってもらう!!」
「……」
抜け目ないなぁ……。

887 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/10(火) 23:07:35 ID:zIgV2VAx
「まぁ……いいか」
今日は遥の休日だ。
そう思うことにして……これから起こることに対して少し身構える……。
───────────────────────
夕飯を食べ終え、テレビでも見ながらお茶をすする。
……若さが無いなと、少し苦笑いしたとき
「お兄ちゃん退いてー。布団敷くからー」
「あぁ、悪いな」
ゴソゴソと布団を敷き始める浴衣姿の遥。
……しかし、そこには大きな落とし穴が
「何故二人分?」
「え?だって、向こうの部屋、掘り炬燵があるから布団敷けないし」
「あぁ……」
何となく別々の方がいい気がしているのだが……。
「まぁ、遥が良いなら良いか」
「え?何の話?」
「別に……もう寝るのか?」
「うん。疲れちゃったから」
「じゃあ、俺も寝るか……」
「あ、いいよ。私、明るくても……」
「気にすんな。遥に付き合ってやるよ」
「……そう?」
といいつつ、布団も既に敷き終えて、明かりを消す気満々。
テレビを消してその布団に潜り込む。
待ってましたとばかりに電灯の紐を引く遥。
「ふぁ……疲れたね、今日は」
興奮冷めぬ口ぶりの遥が右のほうから聞こえる。
「まぁ、あれだけはしゃげばなぁ」
「うん。楽しかったよ。お兄ちゃんのおかげだね」
「……」
不意打ち……。

888 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/10(火) 23:08:38 ID:zIgV2VAx
「どうしたの?」
「あまり日陰者を褒めるな……褒められるのには慣れていない」
……。
突っ込みなし……?
「ねぇ、前から聞きたいことがあったんだけど」
「何?」
「お兄ちゃんはよく自分のこと日陰者とかいうじゃない?じゃあ、お兄ちゃんが陰なら、私は何?」
「ん……まぁ……光……的な」
拒絶ワード:光。
吐きそう……。
「そうかなぁ……」
「そうだよ」
「じゃあ……それでもいいや。でもね、お兄ちゃん……」
「……?」
「でも、忘れないで。私が光なら……私を私に作ったのは、間違いなくお兄ちゃんなんだから」
「……だから褒めるなって」
「うん。だったら、少しずつ慣れていこう」
「キツいな……」
まさに褒め殺し……。
「お兄ちゃん?」
「ん?」
「一緒の布団で寝ても良い?」
「何だよ、今日は……やけに接近してくるじゃないか」
「あきらさんや宮原さんたちと一緒に居ることが最近多いからね……今まで一緒だった身として、ちょっとジェラシー」
「正直な奴……。まぁ、遥が良いなら俺は何でも良いけど」
「へへへ、お邪魔します」
俺の布団に転がってやってくる遥。
……暑苦しい。

889 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/10(火) 23:09:39 ID:zIgV2VAx
「光があるから陰がある。私たちって、ある意味バランスとれてるのかもね」
「そういえば聞こえは良いが……」
「……が?」
「結局俺が遥の足を引っ張ってるんだよな……」
「……んー……そういう話じゃ無いんだけどなぁ……」
すっかり呆れてる様子の遥。
「相手が俺だから、仕方ない」
「ネガティブだね」
「褒めても何も出ないからな」
「……」
何故黙る、妹よ。
「……」
「お休み、お兄ちゃん」
「お休み」
───────────────────────
長めですが。まだ続きます。
少しペースを上げないと、夏が終わってしまいそうなので。

あとはスレの容量が持てばいいですが。

890 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/14(土) 10:03:19 ID:05WvInQM
シベリアに抑留されてたのでGJできませんでした
というわけで遊星殿GJ!!!!

891 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/17(火) 23:01:42 ID:AdbFmScJ
「……」
眠れない。
この状況で、眠れるはずが無い。
「すぅ……すぅ……」
……抱き癖があるとは聞いて無いぞ、遥。
「くすっ……」
俺の頭を抱く力を少し強めて、ちょっと笑った。
どうしよう。
エアコンのタイマーが切れて、少し熱いこの部屋。
遥の寝息と、妙にうるさい俺の呼吸音と。
「いいよ……」
何が。
「お兄ちゃん……」
何が?
「……遥は……んぅ……」
……寝言に突っ込みいれるのも野暮だが。
さて、どうしたものか……。
「……」
仕方ない。ゆっくり動いて、脱出しよう。
……と思ったのもつかの間。
「お兄ちゃん……風邪引くよ……」
抱き寄せる力がグッと強まり、俺は遥の胸の中に……。
遥の匂いが鼻腔を通じて肺の中を満たす。
起きてんじゃねぇのか、コイツ……。
「妹なら……問題にならないのか……?」
ふと、裁判沙汰の四文字が頭に浮かんだ瞬間……。

892 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/17(火) 23:02:43 ID:AdbFmScJ
痛たたたたたたたたたたたたたたたたた!!
もはや、抱き寄せるというより、ベアハッグに近い。
「お兄ちゃん……!」
「……」
口が塞がって、何もいえない。
息が苦しい……。
何、俺が悪いことしたか!?
「今日は……一緒なんだから……。放さない……」
「……」
全く、急に寂しがりになりやがって……。
「……」
少し話をしようと思ったが、この位置では物も言えない……。
仕方なく、遥の腕を軽く叩く。
「お兄ちゃん……?」
分かってくれたようで、ちょっとだけ力が弱まる。
その隙に、顔を胸前から顔前に移動させて、
「んなことしなくても……離れやしないって」
「……ホント?」
「ま、認めたくはないが、お互いブラコンでシスコンだしな……」
「へへへ……」
くすぐったそうに笑う遥。
寝てる人間にクサいことを言って、心の底から恥ずかしい俺。
……明日には忘れていたい。
「だからいい加減放せ……苦しくて眠れん」
「うん……」
寂しそうな声。
これをほっとけない辺り、俺も立派な兄だね。
「手ぐらいは繋いでやるよ……」
「うん」
黙って、遥の手を握る。
……ちょっと冷たい。
───────────────────────

893 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/18(水) 21:44:45 ID:CIdkuLkl
>>891-892
遊星さんGJ

894 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/20(金) 12:11:51 ID:22CXu9I3
遊星殿GJ!!!
遥みたいな面倒見のいい妹がほすい

895 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/24(火) 01:26:34 ID:IM/kvSYP
ヤバい素晴らしいよ
こんな投下があったのに規制でGJを書き込めなかった…

896 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:12:39 ID:HmrjfKeC
「嫌だ!!絶対嫌だ!!というか無理だ!!」
「えー?なんで?海には行けたじゃない?」
「レベルが違う!!」
「水族館はそんなにレベルが高いの?」
「高い!高すぎる!!」
「違いが分からないんだけど……」
「海に行く理由はまぁ、如何わしい理由以外にも色々あろう。が、水族館はなぁ……」
家族連れorカップルじゃないか……。どっちも嫌いだし……。
「じゃあ、他にどこか行くところある?」
「……」
「もう一回海に行く?」
「え……」
さすがに……もう……。
「魚見に行くだけだよ?生物の勉強みたいなものでしょ?」
「生物、履修(と)ってないし……」
「私はやってるよ。じゃあ、決まりだね。行こう。生物の勉強に」
「えぇ……」
生物の勉強(魚類限定)……乗れないなぁ……。
あまり良い顔をしていない俺に対して、遥は
「お兄ちゃん」
「ん?」
「私に付き合ってくれるんでしょ?」
「はい……そうでした……」
まさに切り札……というか、拒否しすぎですか、俺……。
「謹んでお供させていただきます……」
「そ、そんな硬くならないでいいから」
「お姫様扱いはご不満か」
「それじゃ面白くないじゃない?いつもみたいなのでいいよ」
「それはそれで……」
というか、意識するとどうにも……。

897 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:13:41 ID:HmrjfKeC
「まぁまぁ、行ってみたら面白いかもしれないよ?よし、行こう!」
「……」
遥の頼みは……断われませんものねぇ……。
───────────────────────
「でか……」
大きさ。というのは、最も単純であるが、最も説得力のあるパラメータである。
大きくすれば良いというものではないとは重々承知だが、それも突き詰めれば何もいえなくなるわけだ。
「お兄ちゃん……」
「ん……?」
「固まってるよ」
「あ、あぁ……大きいな」
「驚いたでしょ?」
「まぁ……」
自分の気持ちを相手に悟られるのはあまり良い気分ではない。
まぁ、その相手が遥なら慣れるべきだが。
「もう行くいこう?早くしないとイルカショーに間に合わないよ」
「イルカ……」
「どうしたの?」
「アイツら……目が怖い。あれは人を馬鹿にしている目だ」
「動物にまで劣等感を持たなくても……」
やはりというべきか、遥の共感は得られなかったようだ。
呆れる遥。
呆れながらも、しっかり俺の腕を掴んでいるあたり、俺のことを分かってる、と言わざるを得ない。
逃げ場は無いし、もともと選択権が無いのだということをこれで思い出す。

898 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:15:00 ID:HmrjfKeC
それにしても……何だろう、この腕の感じ……。
「……!?」
三度目の衝撃。
一度目は目で。二度目は顔で。三度目は腕で……遥の柔らかい部分を感じた。
まぁ、意識したのは今回が初だが……。
「は、遥……?」
「何?」
無垢な顔。
……そっち方面の感情を持っているのは俺だけか……。
そうなると余計言えない……。
「行くから……手、離してくれよ……」
「どうしたの?急に……」
言える訳がない。
「イルカも……悪くないかもしれない……」
「そ、そうなの?何だか、微妙な顔してるけど……」
「気にするな……行こう……」
俺、もう人としてダメかも……。
───────────────────────

899 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/28(土) 23:50:57 ID:M8p5tL6h
遊星さん乙です!!!
しかしネガティブ兄は実妹しか女性は無理な身体なんだなw

900 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/30(月) 23:26:05 ID:pLgyQjVB
「……はぁ……」
夕日を背景に、ため息をつく遥。
ため息は俺の専売特許では……。
「どうした?」
両手に二人分の旅行鞄を持ちながら、そんな遥に尋ねる。
「……あっという間だったな、って……」
本当に寂しそうな面の遥。
「そんなに楽しかったか?」
「うん……でも、仕方ないね」
「まぁな」
正直なところ、そんなことはどうでもよく、はやく両手の重量から開放されたい……。
「帰るぞ」
「うん……」
とは言うものの、やはり口調は重い。
夕陽が、遥の憂いを帯びた表情にさらに影を作る。
しょうがないやつ……。
「あのな、遥……」
「あ、うん。分かってる。分かってるよ、帰ろう」
「いや、そうじゃなくてだな……」
荷物を置く。
「言いたいことがあるなら、はっきり言えば良い……まぁ……」
遥の目を見る。
「今回は何が言いたいかは俺でも分かったけどな」
「……?」
「今から入れる宿探すぞ」
「え……」
「ダメなら潔く帰るからな!!」
「う、うん!!」
痺れる腕を少し振って、再度荷物を手にする俺。
その後を、跳ねるようについてくる遥。

901 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/30(月) 23:27:20 ID:pLgyQjVB
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
「今夜は何食べようか」
「宿が決まったらガイドブック見て決めよう」
「ねぇ、お兄ちゃん?」
「んー?」
「ホテル、空いてるかな?」
「まぁ……贅沢言わなきゃ大丈夫じゃないか。保障は出来んが」
「うん。あるといいね」
「出来れば、シングルを二つとれればいいがな……」
「何で?」
「……」
赤く染まる駅を背に、海に向かって坂を下っていく。
……まぁ、とんでもない安請け合いをしたものだと思いつつも、期待を持ってしまう。
変な気起こさないといいけどなー、俺。
───────────────────────
長きに渡ってお邪魔いたしましたが、今回の話はこれで最後。
随分前に書いたんですが、ずっと貼るタイミングを見失ってまして。
僕も久しぶりに読んだので、自分自身楽しめました。

902 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/05(日) 22:22:10 ID:nuT1ZaJV
遊星殿、毎度GJです!
細かいことを気にせず投下して頂ければ幸いです
待ち望んでますゆえ


903 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/12(日) 17:03:26 ID:RGt/VvqP
規制解除来たー
遊星さんGJ!

904 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/13(月) 00:45:24 ID:QnwIb5ZU


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