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[第七弾]妹に言われたいセリフ

891 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/17(火) 23:01:42 ID:AdbFmScJ
「……」
眠れない。
この状況で、眠れるはずが無い。
「すぅ……すぅ……」
……抱き癖があるとは聞いて無いぞ、遥。
「くすっ……」
俺の頭を抱く力を少し強めて、ちょっと笑った。
どうしよう。
エアコンのタイマーが切れて、少し熱いこの部屋。
遥の寝息と、妙にうるさい俺の呼吸音と。
「いいよ……」
何が。
「お兄ちゃん……」
何が?
「……遥は……んぅ……」
……寝言に突っ込みいれるのも野暮だが。
さて、どうしたものか……。
「……」
仕方ない。ゆっくり動いて、脱出しよう。
……と思ったのもつかの間。
「お兄ちゃん……風邪引くよ……」
抱き寄せる力がグッと強まり、俺は遥の胸の中に……。
遥の匂いが鼻腔を通じて肺の中を満たす。
起きてんじゃねぇのか、コイツ……。
「妹なら……問題にならないのか……?」
ふと、裁判沙汰の四文字が頭に浮かんだ瞬間……。

892 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/17(火) 23:02:43 ID:AdbFmScJ
痛たたたたたたたたたたたたたたたたた!!
もはや、抱き寄せるというより、ベアハッグに近い。
「お兄ちゃん……!」
「……」
口が塞がって、何もいえない。
息が苦しい……。
何、俺が悪いことしたか!?
「今日は……一緒なんだから……。放さない……」
「……」
全く、急に寂しがりになりやがって……。
「……」
少し話をしようと思ったが、この位置では物も言えない……。
仕方なく、遥の腕を軽く叩く。
「お兄ちゃん……?」
分かってくれたようで、ちょっとだけ力が弱まる。
その隙に、顔を胸前から顔前に移動させて、
「んなことしなくても……離れやしないって」
「……ホント?」
「ま、認めたくはないが、お互いブラコンでシスコンだしな……」
「へへへ……」
くすぐったそうに笑う遥。
寝てる人間にクサいことを言って、心の底から恥ずかしい俺。
……明日には忘れていたい。
「だからいい加減放せ……苦しくて眠れん」
「うん……」
寂しそうな声。
これをほっとけない辺り、俺も立派な兄だね。
「手ぐらいは繋いでやるよ……」
「うん」
黙って、遥の手を握る。
……ちょっと冷たい。
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0ch BBS 2004-10-30