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[第七弾]妹に言われたいセリフ
- 370 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/14(金) 07:59:07 ID:XBHYLH8V
- もうそんなにたったのか・・・
wktkしながら待ってますw
- 371 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/15(土) 05:17:07 ID:oJnyVv5w
- おつです!
上に続いてwktkしながら待ってますw
最近、名無しが減ったのでもっと盛り上げていきたいですね
- 372 :月詠 :2008/03/17(月) 04:17:30 ID:IXYLEuLP
- 書いてみる↓
今日の妹は変だ。
言い方を変えると、考え事をしている様に見える。
今朝は、そんなこと無かったので、学校で何かあったのだろう。
少し気になったので、夕食の時に質問をしてみた。
「今日、学校で何かあったのか?」
「………………え?」
返事をするまでに間があった。
これで、疑惑が確信に変わった。
「…………………」
「…………………」
無言で返答を促すが、妹も黙り込んでしまった。
俯き、俺と目を合わせない様にして、なにかを考え込んでいる様に見える。
しばらく静寂が食卓を支配したが、妹は小さく「…………うん。」と呟くと、突然顔をあげ、
「あの!!兄ひゃ…!?」
…………………噛んだ。
その後、食卓には、気まずい空気が流れ、妹は、顔を真っ赤にして、俯いたままだった。
あ〜、聞きそびれたなぁ。
長いので一旦切ります。
- 373 :月詠 :2008/03/17(月) 04:41:07 ID:IXYLEuLP
- 続きです↓。
その日の夜、いつもの癖で、ネット上のおもしろ画像を探していたら、時計の針が、いつの間にか深夜零時を回っていた。
そろそろ寝ようと思い、パソコンの電源を落とした時、控え目なノックの音がした。
「兄さん………おきてる?」ノックの音と同じ、控え目な妹の声。
「ああ、起きてるよ。」
今日、悩んでいた事で、相談をしに来たのだろう。俺は、出来るだけ優しい声で、返事をした。
「…………………」
「どうした?入っていいぞ。」
そう促すが、妹は部屋に入っては来なかった。
そのかわり、もう一度軽くノックをすると、
「いい……ここで話すから。」
と、かろうじて聞き取れる程度の声で呟いて、微かに震える声で話し始めた。
まだ続きます。
- 374 :月詠 :2008/03/17(月) 04:55:44 ID:IXYLEuLP
- ラストです↓
「今日、クラスの友達から、兄さんに、手紙を渡して欲しいって、頼まれたの。」
「手紙…………」
自惚れかもしれないが…………何の手紙かは、想像が出来た。
「ここに置いておくから、後で………出来れば私が寝た後に………読んで。」
その言葉のすぐ後に、弱々しい足音が遠ざかって行った…………。
「俺は、駄目な兄貴で………酷い先輩だな。」
やっぱり手紙は、想像通りの物だった。
俺は、その手紙を、差出人の名前だけ確認して……………読まずに。捨てた。
長かったです。なんかすみませんでした。
- 375 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/17(月) 16:58:54 ID:uKqoTs09
- >>369
面白かったわ。
続き希望。
- 376 :童貞 :2008/03/18(火) 21:09:24 ID:oj2dmu9B
- 取りあえず義妹で〇〇兄と呼んでくれるなら
- 377 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/19(水) 22:45:50 ID:H8SB01hW
- 「入るよ?」
「あ、はい……」
ドアの向こうに声をかけると、菊池の囁くような声が向こうから。
「ぐっすり眠ってますよ」
「そう……ありがと」
勉強机の椅子に座り、遥の寝顔を眺める。
「早かったですねー。もうお昼食べました?」
「いや、まだ」
「じゃあ、亜紀ちゃんまだ作ってるんですね」
「いや、帰らせた」
「はっ!?何ですっ!?」
「いや……嫌なやつに無理矢理料理作らせることも無いんだぞ?別に買ってくれば良いわけだし……」
「え?」
「いや、遥達に頼まれたから嫌々……みたいなこと言ってたし。だから帰ってもいいって……」
俺が言い終わると、菊池は何故か肩を落として……。
「……最悪の組み合わせ……」
「何が?」
「先輩はさすがですねぇ……」
「え?」
俺が聞き返す間もなく、
「亜紀ちゃん呼んできます」
「何で?」
「えーっと……私のお昼を作ってもらいませんと」
……ウチで飯食う気だったのかよ!?
「あ、そう……?じゃあ、行って来な」
「はい。先輩は遥ちゃんをよろしく」
「あぁ」
携帯電話を取り出し、スタスタと出て行く菊池を見送る。
- 378 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/19(水) 22:46:22 ID:H8SB01hW
- ドアが閉まり、しばらく何も考えずにじっとしていると。
「あ、亜紀ちゃん!?何してんの!?」
ドアの向こうから聞こえる菊池の怒声……。
……聞こえてるって……。
「でも、亜紀ちゃんだってあれは知ってるでしょ!?」
聞いちゃいけないんだけど聞こえてくる……。
どうすりゃいいんだ……つーか、ストレス……。
「うん。大丈夫だって。うん。じゃあ待ってるね」
終わったみたいだな……。
ドアの向こうに意識を集中すると、
「お待たせしましたー」
何食わぬ顔で入ってくる菊池。
「何だって?」
「来させますよー」
「そう……」
「あ、先輩?」
「ん?」
「ツンデレって知ってます?」
「……まぁ、言葉の意味くらいなら」
要するに関わりたくないタイプの 性 別 ということだ。
「知ってるんだ……」
意外。とでも言いたげな……。
「どう思います?」
「いや……別に俺には関係ないし」
「そうでもないんですよねー」
「は?」
「ま、とにかく。そういうことなら良いです。そういう人もいるってことですよ」
「はぁ……」
いや、さすがに無いだろう……。
- 379 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/19(水) 22:46:54 ID:H8SB01hW
- ドン引きしながら遥の寝顔を眺めていると
ピンポーン
玄関のベルが再び鳴る。
あぁ……女子濃度がまた上がる……。
「今度は私が行きましょうか」
ゆっくりと立ち上がる菊池。
彼女を少し見上げながら、
「頼む」
「いいえー。じゃあ、しばらくお待ちを」
ドアから出て行く。
階段を下りていく。
何か話している。
……聞こえない。
「ヒマだなー、俺……」
遥の顔をチラと見る。
……なんであんな厄介者たちと友達なんだか。
腹減ってきたな……。
「あ、あの……」
ドアの向こうから聞こえる声に以上に驚く俺。
なんだ、浅野か……って、浅野のほうかよ!?
「な、何か?」
「食事……よかったら……食べなさいよ」
ドアを開けて入ってきた浅野は、纏っているオーラが違う……。
……怖っ……毒か!?毒なのか!?
「あ、ありがと……」
とりあえず丁重に受け取る。
でもこれ、どうしよう……。
- 380 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/19(水) 22:47:28 ID:H8SB01hW
- 「……」
「……何か!?」
「あの……先輩……」
「は、はい?」
情けなっ……。
「さっきは……ゴメン……」
「えっ……あっと……」
何、何何何何っ!?
「私……ホントは……先輩のこと……」
「……」
え、何この不愉快なノリはっ!?
「先輩のこと……」
口を開く浅野。
……しかし、今日の俺は珍しく運がいい……。
「ん……ぅん……」
ベッドで小さな声がしたかと思うと、我が家のお嬢様が目を覚ます。
お嬢様はキョロキョロとあたりを見回して
「あ……あれ……邪魔しちゃった……?」
「ななな、なんでもないのよっ!!遥!!」
「え……だって今お兄ちゃんに告h……」
「してないっ!!してないんだからねっ!?」
騒がしい遥と浅野の会話。
- 381 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/19(水) 22:48:00 ID:H8SB01hW
- 俺はそれをすっぱり遮って、
「遥、調子は良いのか?」
「あ、うん。寝たらだいぶラクになったよ、お兄ちゃん」
穏やかに微笑む遥。
俺は遥の額に手を乗せて
「熱も大分引いてきたみたいだな。食欲は?」
「……少し」
恥ずかしそうに俯きながら答える。
「ゼリーを冷やしてあるんだ。持ってくるよ」
「うん、ありがとう。お兄ちゃん」
遥の笑顔を見届けると、俺は遥の部屋を後にする。
───────────────────────
「やっぱ遥ちゃんには敵わないね」
「七海……私は……あきらめないんだからねっ……」
「まずは先輩にツンデレの魅力を知ってもらわないとねー」
「わ、私はそんなつもりじゃ……」
「でもねー、ライバルは多いんだよー。今野あきらにー、宮原先輩にー」
「頑張ってみせるもん……」
そんな二人の会話など知る由も無く。
今日はお嬢様の従者になる俺。……あぁ、なんかこのポジションしっくり来るなぁ……。
───────────────────────
ネガティブ兄,vsツンデレ編の後編。
このキャラを、僕自身が随分気に入っているのでしばらくはこのネガティブ兄で行きたいなと。
次は、クール娘と絡ませたいと計画中です。
えーっと……あまり大きな口で言えた義理ではないですが、
出来れば、このスレはsage進行でのんびり行きたいなと……。
- 382 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/22(土) 01:31:49 ID:s8XJc4CU
- GJ!!
何か姉スレが最近少し活気付いてきましたね。
- 383 :真性姉好き :2008/03/22(土) 19:11:57 ID:i2+BBVOm
- 姉属性はブームにこそ、ならんが。人気自体は、根強いからな。
- 384 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/23(日) 03:00:54 ID:jxsMInWM
- このスレももっと盛り上がって欲しい
- 385 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/23(日) 03:06:01 ID:TV92UMOc
- 妹「私はお兄ちゃんの所有物だから・・・・・好きに使っていいよ?」
- 386 :長い物には巻かれろ :2008/03/25(火) 04:45:12 ID:pw6bWqFv
- >>385
それはむしろ姉に言われたいな。
「私は○○○のお姉ちゃんだから………○○○のしたい事…………させてあげる。」
って、感じで。
妹スレでしたね。スレ違いでスイマセン。
- 387 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/25(火) 04:52:17 ID:pw6bWqFv
- sage忘れてました。
- 388 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/25(火) 05:16:34 ID:yrBigHrX
- >>386
うわっ高っ
お兄ちゃんの目線って、こんな風に見えるんだね
- 389 :No.2 :2008/03/25(火) 21:43:27 ID:PcgBdz1M
-
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- 390 :長い物に巻かれた :2008/03/26(水) 01:30:25 ID:j0FL0QVJ
- 妹かぁ
長女、長男、次女。という三人姉弟。
長女は弟達に対して優しく接し。
長男は姉を支えていき、妹を可愛がった。
次女はそんな二人が大好きで、いつも二人にくっついてまわっていた。
仲の良い三人だったが、成長していくに従って、少しづつ関係が代わっていく。長女は長男を特に可愛がる様になり、長男もその愛情に応えた。
次女は兄に対して、男性としての好意を抱く様になるが、同時に周囲の目も気になり始め、少しだけ距離を置く様になり。「お兄ちゃん」から「兄さん」へと呼び方も変えた。
↑という設定で、
仲良く並んで歩く姉と兄の背中を、切なそうに見つめながら、
「少しは私の方も見てよ………お兄ちゃん。」
……………orz
- 391 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/26(水) 01:35:54 ID:UGRQLyGX
- その設定でSS化を希望!
- 392 :長い物に巻かれた :2008/03/26(水) 22:11:22 ID:j0FL0QVJ
- >>391
SS………SSかぁ。
「ほら。」
差し出された小さな手。
向けられたのは、大好きな二人の優しい微笑み。
(あぁ………夢か。)
そう、これは過去の夢。
姉さん達についてまわっていた頃の、幼い記憶。
「お兄ちゃん………」
そう言って、記憶の中の私は、差し出された手をとる。
小さくって頼りないけれど、温かくって、優しくて………安心できる手。
この夢は………記憶。
初恋の始まりの記憶。
これから積み重ねていく想いの………最初のひと欠片。
「…………大好きだよ。」
ーーーーー・ーーーーーー出だしだけ書いてみたけど、難しいです。
- 393 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/26(水) 22:28:32 ID:pfa3x3jf
- >>392
乙、そして、実はこれだけでも十分完結してますよ。
足りない分は想像で補わせるのもありですから。
- 394 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/26(水) 22:35:33 ID:UGRQLyGX
- これは!
姉妹両方のエピソードが楽しめそうで何かワクワクしてきたぞぉ!(悟空)
続きも待ってます
- 395 :長い物に巻かれた :2008/03/27(木) 19:01:04 ID:Q+CAjd1u
- >>394
続きっすか。
ゆさゆさ
ゆさゆさ
心地よいリズムで体が揺さぶられている。
私はおそらく寝ていたのだろう。意識が少しづつ覚醒していくのが分かる。
「……きて、…起きて。」
柔らかい、優しい声が聞こえる。聞き慣れた声、自分にとって、最も近しい人間の内の一人。
「おねえ………ちゃん?」
ぴたっ
与えられていた、心地良いリズムが止まる。それが引き金となり、意識が急激に覚醒していく。
「うぅん。」
少々間の抜けた声を発し、体を起こし、目をあける。
「………姉さん。」
目の前にいる人物に声を掛ける。
整った顔立ち、綺麗な長い黒髪、大人びた雰囲気に、少女のあどけなさを垣間見せる、矛盾した美………御国 桜(みくに さくら)、私の姉。
「……………」
姉さんは、黙って私を見つめていた。真摯な表情で、不覚にも、見とれてしまうぐらいに美しい瞳で、瞬きもせずに。
「………雪華」
名を呼ばれ、緊張してしまう。
周囲の全てが、姉だけに注目しているような、姉以外、発言を禁止されているような………そんな、緊張感。
「もう一回……………お姉ちゃんって呼んで!!」
を、当の本人がぶち壊した。
ーーーーー・ーーーーー
とりあえず、出来たとこまで貼った感じです。
最近、遊星さんとか、見ないですけど、居ないんでしょうか?
- 396 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/27(木) 21:31:32 ID:QAzrPEUb
- 酷いや……。この雰囲気で、僕が出る幕なんてどこにもないじゃない……w
- 397 :長い物に巻かれた :2008/03/27(木) 22:08:53 ID:Q+CAjd1u
- >>396
いえ、遊星さんが貼ってくれれば、みんな食いつきますよ(勿論自分も)。
そうすれば自分も、ひっそりと観客に回れますから。
- 398 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/27(木) 22:26:29 ID:QAzrPEUb
- 少なくとも職人様が作品を貼ってくれる今は需要が無いでしょう……あくまで、僕は前座ですからね。
また、人が少なくなればこっそりと貼って……という感じでいこうかなと。
- 399 :長い物に巻かれた :2008/03/27(木) 22:39:42 ID:Q+CAjd1u
- >>398
少なくとも、自分は職人では無いかと。
SS書くのも、今回が初めてですし。
- 400 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/28(金) 01:57:04 ID:A+oOaC8n
- なぁ、バレてるぜ。
- 401 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/28(金) 01:58:06 ID:OG0HIapx
- >>長い物に巻かれたさん
グッジョブ!まったり待っとりますので続きもヨロっす!
>>遊星さん
このスレは今でも十分に人すくないかと……w
- 402 :長い物に巻かれた :2008/03/28(金) 05:46:15 ID:MKLY7ZMa
- とりあえず自己責任という事で、390のシチュは、書ききる事にします。
ズザザザザッ!!
周囲からの、盛大に転んだような音で我にかえる。
「……昔は…おねえ…」
冷静になって、周りに目を向けてみると………
「でも………最近……」
どう見ても学校だった。
先程の音は、『ような』 では無く、実際に周囲の人間が転んだ音だったらしい。
「……だから………」
記憶をたどってみると、六時限目の途中から眠ってしまっていたらしい。
つまり、今は放課後。姉さんは私に用があって、訪ねて来たのだろう。
「という訳で、もう一回、お姉ちゃんって呼んで欲しいの。」
…………………………。
「あの、姉さん。いきなり結論から言われても。」
「…………聞いてなかったのね。」
姉さんが、ものすごくショックを受けたという顔をする。どうやら、途中を聞き逃していたらしい。
「とりあえず、一回だけでいいから、お姉ちゃんって」
「用件はなんですか?姉さん。」
「だから、おねえ」
「用件はなんですか?姉さん。」
「おね」
「用件はなんですか?姉さん。」
「………………。」
姉さんは一瞬だけ、絶望したような(余命三ヶ月と宣告された、末期ガンの患者のような)顔をしたが、すぐにいつもの表情に戻り、訪ねて来た理由を話しはじめた。
- 403 :長い物に巻かれた :2008/03/28(金) 19:35:27 ID:MKLY7ZMa
- 「今日、お母さんの帰りが遅くなるらしいの。」
「そういえば………朝、そんな事を、言ってましたね。」
「そうなの。だから、今日の夕飯は、外食で済ませようとおもって。」
「そうですか。兄さんには、もう伝えたんですか?」
「まだだよ、紅葉は、これから誘おうと思って。」
そう言った一瞬、姉さんの声が微かに弾む。
紅葉……御国 紅葉(みくに くれは)、御国家の長男で私の兄、姉さんからすると弟。
そして、私の……
「すみませんが、私は無理です。友達と帰る約束をしてしまっているので。」
「そうなの?残念だけど、それじゃあ仕方ないね。」
そう言って、姉さんは本当に残念そうな顔をする。
その顔に、少し罪悪感を感じながら、私は帰る約束をしている友達に声をかけた。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
「しかし、桜先輩も相変わらずだよね。」
帰りに寄った喫茶店で、休憩している時、友達……由佳が突然、そうきりだした。
「相変わらず?」
「うん、悪く言っちゃえば、姉馬鹿っていうか。
私にも姉がいるけど、あんなに仲良くはないよ?」
「姉さんは………昔から変わっていませんから。」
「あー、そんな感じだよねー。」
(………違う。)
心の中で、自分の言葉を否定する。
姉さんは、昔と同じように見えて、昔とは違う。
おそらく、自分に訪れた変化と同じ変化が、姉さんにも訪れている。
御国 紅葉を………異性として認識し始めたという、変化が………。
- 404 :長い物に巻かれた :2008/03/28(金) 23:40:50 ID:MKLY7ZMa
- 兄さんを、異性として意識し始めたとき、私のとった行動は、『距離を置く事』だった。近くに居すぎると、取り返しのつかない所まで、好意が強くなりそうで、恐かった。
そしてなにより、周囲の視線が気になった。仲の良すぎる兄妹は、余り周囲に歓迎されないという事を痛感した。
しかし、姉さんは違った。私と正反対の行動を、涼しい顔で実行し、周囲を呆れさせつつ、納得させてしまった。
「あれ?」
由佳の声に反応し、思考を打ち切り、由佳の方へと意識を傾ける。
「どうかしました?」
「いや、あれ桜先輩じゃない?」
そういった由佳の視線をたどってみる。
そこには、姉さんと、
「兄さん。」
そう、兄さんがいた。
二人は楽しそうに、まるで恋人同士であるかの様に、仲良く並んで歩いていた。
ズキッ
心の奥深くで、鋭い痛みを感じた。暗い、醜い感情が込み上げてくる。
堪えようとして、堪えきれなくて、抑えているはずの言葉が、溢れてしまった。
「少しは、私の方も見てよ…………お兄ちゃん。」
だってお兄ちゃんは。
私の…………初恋の人だから。
ーーーーー・ーーーーー
やっと終わりました。長かったです。心理描写多くて読みにくいです、ごめんなさい。
あと、これ書いてる途中、『ボクっ娘妹メイド』という謎フレーズが思い浮かんだ自分は、病院に行った方がいいでしょうか?
- 405 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/28(金) 23:50:15 ID:atiEapuB
- GJ!!
そして次回作が決まった様で何よりですw
- 406 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/03/29(土) 00:40:15 ID:9BdcfiD+
- お疲れ様です。
そして、>>227-230あたりの悲願がとうとう叶いそうな予感……楽しみにしておりますw
- 407 :長い物に巻かれた :2008/03/29(土) 00:51:38 ID:3QHzV0Bm
- ボクっ娘妹メイド
これで書くと、終始バカなノリになりそうなんですけど。
- 408 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/29(土) 02:55:28 ID:XWOx5oLf
- うはwみなぎってきたよ、これ
- 409 :長い物に巻かれた :2008/03/29(土) 05:56:39 ID:3QHzV0Bm
- 試験的に書いてみました。
大学進学と同時に、一人暮らしを始めて、はや一年。
たしかに気楽なのだが、問題も多々ある。
部屋にお札が貼ってあったり、雨漏りしたり、隣の部屋のカップルが致し始めたりと、数えたらキリが無いのだが、今はもっと重大な問題を抱えていた。
妹が突然襲来してきたのだ。
奴ときたら、部屋のゴミを片付け、普段100円のカップ麺で済ましている俺に、うまい飯(300円のカップ麺)を食わせ、あげくの果てに、バル○ン焚くからと部屋から追い出しやがった。
全く、家主を追い出してなにをするつもりなのやら……あ、バ○サン焚くのか。「あれ?」
まてよ。バルサ○、焚く、アパート………。
「焚くなぁーー!!バ○サン焚くなぁーー!!」
往来の真ん中で突如絶叫する変態……つまり俺。
「他の住民が迷惑するんだよ!!俺が白い目で見られるんだよ!!」
バル○ン星人とか呼ばれたら、どうすんだよ!!
ようやく(家を出てから、30分ぐらい)事の重大さに気付いた俺は、スプリンターも真っ青のスピードで、アパートへと戻った。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
アパートへと戻った俺を待っていたのは、予想をおもいっきり、裏切る事態だった。
バ○サンは焚かれておらず、本がきっちり整頓されて並べられていた……………エロ本が。
『メイドのご奉仕』『メイドにお任せ!!』『メイド図鑑』 etc…………趣味が偏ってる?うるさい、メイドは男のロマンだ。
「お帰りなさいませ、ご主人様!!」
メイド的な声が聞こえたので、そちらを見てみると、
「へへぇー、どう?お兄。ボクもこういう服を着ると、中々カワイイでしょー。」
メイド服姿の妹………可奈が居た。
- 410 :長い物に巻かれた :2008/03/29(土) 07:13:06 ID:3QHzV0Bm
- 一体何故コイツは、メイド服を着ているのだ?
そして、いつの間に用意したんだ、ソレ?
「それは、企業秘密だよー。」
モノローグに反応するな。
「そんな事より、カワイイ?欲情する?」
そう言って、クルリとターンをする可奈。
ただでさえ短いスカートが、ふわりと浮き上がり、健康的なフトモモが、チラリ、と覗く。
その瞬間、俺の中でなにかがキレた。
「ふっざけんな!!ミニスカートなんざ、邪道だ!!フトモモになんぞ興奮しねーよ!!足首だ!!足首に萌えるんだよ!!」
すみません、キレたのは堪忍袋でした。エロい展開になんなくて、すみません。
「うっせー作者!!モノローグに入ってくんな!!俺は、今から、この阿保に、メイドのあれこれを叩き込んでやんなきゃなんねーんだ!!黙ってろ!!」
説教が続くこと一時間
「すみません、ボクが間違ってました。すみません、もうしません。すみません。」
「分かればよろしい。」
可奈も反省した様だし、許してやるか。
いや、もう一カ所気になる所があったんだった。
「なあ、可奈よ。」
「うぅ、なに?」
「メイドは、『ボク』なんて言わないんだ。」
「ふぇ?」
「よし!治すぞ!!」
「ええーーーー!!もう勘弁してーーー!!」
よく晴れた空、響き渡る可奈の絶叫。
今日も平和だ。
「全然平和じゃないよ!!ボクにとっては、厄日だよぉーーー!!」
ーーーーー・ーーーーー
なんか、暴走してしまいました。
もう還っても良いですか(土に)?
- 411 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/03/30(日) 00:31:07 ID:el/vq02M
- グッジョブ!
これで作品は2本。コテもあるし、貴方はもう立派なSS職人さんですw
- 412 :長い物に巻かれた :2008/03/30(日) 14:27:03 ID:oB4lrWt6
- 自分ばっか書いてるのも、なんか申し訳ない気がするんですが。
とりあえずSSではなく、心の叫び。
病弱で丁寧口調の妹に、
「兄様」
とか、呼ばれてぇーーー!!
- 413 :長い物に巻かれた :2008/04/01(火) 01:13:06 ID:azEztqDi
- 前回の自分のレスを除けば、丸二日レス無し。
過疎気味か?
なんか投下すべきか、黙って見守るべきか…………………。
- 414 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 01:32:04 ID:VbbkCi3A
- 俺はどんどん新作とか続きとか貼ってほしいけど……
このスレをよく見てる名無しさんは今どれ位いるんかね
ROMさんも含めた名無しさん、ちと挙手をおねがいします。
まず俺、1人め
- 415 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 03:52:58 ID:nhJ4ST6h
- 俺で二人目
- 416 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 15:02:47 ID:+44Uj7sc
- 三人目
- 417 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 17:41:17 ID:rmXR2EYR
- おれで四人目
相部屋で妹にごみ箱を見られ
ため息の後…
妹「(はぁ〜)お兄ちゃんはごみ箱を孕ませるつもり?」
って言われたい…。
欲を言うと
妹「なんの為に私がいると思ってるの?私を使ってよ!」
と実姉が居る俺が言ってみる
- 418 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 19:13:42 ID:UdWcNcfz
- 姉も妹も居る俺が5人目か。
リアルの妹は生意気だぞ。姉ちゃんは可愛いけど。
- 419 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 19:17:46 ID:gT3pe83U
- 投下待ちの6人目
- 420 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 20:44:35 ID:06XKu9xi
- 妹が欲しい普通な七人目
- 421 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 20:56:50 ID:aaEQ5heD
- 義理の妹がこの前できた[人目
- 422 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 20:59:34 ID:OMyaM3Hk
- 携帯から9人目
- 423 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 21:06:08 ID:9yq7Wm9f
- では10人目と言ってみよう。
- 424 :1人め :2008/04/01(火) 22:24:16 ID:VbbkCi3A
- ありがとうございました。何気にけっこう人いたんですねぇ……
- 425 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/01(火) 23:08:28 ID:a34Y9o3H
- ドMっぽい妹が欲しい11人目がここにw
- 426 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/02(水) 00:12:51 ID:dcmKN7b/
- 親の再婚で義理の双子妹ができた俺が十二人目?
- 427 :13人目よりROMを込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/02(水) 00:30:46 ID:EavN16M0
- 暖かい。
暖かい。
暖かい。
……寒い……?
寒い……眩しい……。
「兄さん……兄さん……?」
うるさい……。
「未来ぅ……まだ眠いって……」
どちらかといえば、まだ夢の中。
「誰なの?そのミクって人は」
「あ……うん……?」
誰だろ……。
次第に頭がハッキリしてくるにつれ、自分に対しての疑問がわきあがってくる。
「静流さん……だね……?」
目を開けて、僕を起こしてくれた妹の顔を見る。
「うん、静流。静かに流れると書いて、静流。忘れちゃった?」
彼女は僕の義理の妹、静流さん。
背が高くて、線が細くて。切れ長の目にサラサラの黒髪ストレートヘア。
見るからに付き合いづらそうな女性だが
「さて、寝惚けるのはココまで。遅刻しちゃうよ?」
実は人懐っこい、ということに最近気がついた。
そして、
「……あ?あぁ……あれ、目覚まし鳴らなかったのか……」
「鳴ってたよ」
小さく微笑んで答える静流さん。
「私が止めたの」
「え?」
「兄さんが今日一番最初に見るものは、私であって欲しいからね」
「……え?」
「私は兄さんが好きだから。兄さんの特別になりたいんだ」
恥ずかしげも無く、こういうことを言ってくる静流さん……。
- 428 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/02(水) 00:31:21 ID:EavN16M0
- 「……」
言われた僕のほうが恥ずかしいって……。
「いい加減、慣れて欲しいかな」
「……ゴメン」
「謝る事じゃないよ。そういう新鮮な反応をしてくれると、私も嬉しいよ」
「……」
すっかり遊ばれている感のある兄である僕……。
「それにしても静流さんは朝から元気だね」
「お弁当を作らなくちゃならないからね。嫌でも目が覚めちゃうよ」
「あ……ゴメン……僕だけ……」
「兄さんは気にしなくていいよ。私は好きでやってるんだ。兄さんが私のお弁当を食べてくれるだけで幸せだよ」
「でも……」
「そう申し訳なさそうな顔をしないで欲しいな。こっちだって気兼ねしてしまうじゃないか……」
少し落ち込んだ様子で俯いてみせる静流さん。
しかし、何かを思いついたようで
「じゃあ、こうしようか」
「え?」
「兄さんは極力私と一緒に昼食を取る。
その時、兄さんはその日あった事や、聞いた話、料理の感想などを私に教えて」
「それだけ?」
「違うよ、兄さん。正しくは『それこそ』だね」
「え?」
拍子抜け。
「何度も言ってるじゃない。私は兄さんが好きなんだ。
私は、兄さんが私にしてくれることなら何でも、喜んで受け入れるよ」
「ん……よく分からないけど、そういうことなら」
僕の言葉に対し、パッと表情を輝かせる静流さん。
「じゃあ、決まりだね。時間もないし、詳しいことは朝食を食べながら決めようか」
「そうだね」
静流さんに促されるように、自室を後にする。
なんというか……静流さんのペースに流されっぱなしだ。
───────────────────────
- 429 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/02(水) 00:32:16 ID:EavN16M0
- 妹に言われたいセリフスレのベテランROMが空気を読まずに参戦です。13人目。
つーか……こんなに人いたのね……恥ずかしくなってきた……。
これもひとえに新職人様のお陰ですね。
えっと、今回の台本ですが、ネガティブ兄ではありません。
素直クールといいますか、クールなんだけど愛情表現はストレート、みたいなイメージで。一応続きます。
- 430 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/02(水) 01:04:25 ID:dcmKN7b/
- GJ
- 431 :長い物に巻かれた :2008/04/02(水) 01:08:19 ID:VqT0P5Y+
- 十四人目です。
うぅ……予想以上に多い………。投下するのやめようかな…………一応しとこう。
「アハハ、お兄ちゃんもお姉ちゃんも相変わらずだねー。ご愁傷様」
『笑うな!!大変だったんたぞ!!』
「いや、どっちかというと、お姉ちゃんの方が……て、もうこんな時間。お風呂入るから切るね、バ、ル、○、ン、星、人さん。」
『な!!由佳、おま』
プッ、ツーツーツー
兄との会話を打ち切り、入浴の準備をする。電話の向こうから、抗議の声が聞こえたような気がしたけど、多分気のせい。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
お風呂に入る為、一階に降りると、姉がミシンを使い何かを作っていた。
気になったので、手元を覗いてみると………………………ナース服?
「…………なに作ってるの。」
「なにって。ナース服!!」
見れば分かります。
「お兄が、メイド好きの変態さんだって判明したから、目を覚まさせてあげるの!!
ボクの魅力と、このナース服で!!」
………………あえてツッコミませんでした。
- 432 :長い物に巻かれた :2008/04/02(水) 01:15:16 ID:VqT0P5Y+
- 「ふぅ」
湯舟に浸かり、一息つく。私はお風呂が好きだから、日本人に生まれて来て、正解だったと思う。
「うーん。」
髪の毛をいじる。ふわふわのくせっ毛。羨ましいって言う人もいるけど、私はやっぱり、ストレートの方がよかった。
視線を落とす、女性特有の膨らみが二つ、湯舟に浮いている。姉と違って、私は発育がいい。少しだけ、自分で揉んでみた。
「………んぅっ」
……………変な所を触ってしまった。
天井を見上げる。胸は、べつに大きくなくてもよかった。小さすぎるのも嫌なので、普通サイズが一番だと、私は思っている。
髪のことも、胸のことも、無い物ねだりだと、自分でも思う。それでも、そう思ってしまうのは、まさしく『理想』と呼べる女性を知っているから……
少しは、私の方も見てよ………
数日前の事を、唐突に………本当は、唐突ではないかもしれないけれど………思い出す。
あの時は、聞こえない振りをしたけど、本当は聞いてしまった………親友の、切ない本音を。
「はっぱ………かけようかな。」
親友の………あんな顔なんて、見るのは嫌だから。
どんな結果だろうと、今のままより、きっとましだから。
「よし!!」
決行は明日。月曜日。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
ちょっと伏線気味に書いてみました。
短くまとめるつもりが、予想以上に長く………orz。
遊星さん、GJです!!続き待ってます。
- 433 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/02(水) 02:28:32 ID:KZjVHFFp
- 職人さんお二方ともGJ!続きも待っとります!
- 434 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/02(水) 23:56:53 ID:meoYloJ6
- 二人とも乙!
テラ萌えるわぁ
- 435 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/03(木) 02:02:01 ID:v1chYpxt
- >>431の路線も良いですねぇ、そして>>432はエロいです。
- 436 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/05(土) 00:26:29 ID:HdUeiqt+
- 「……」
「……」
青空の下、沈黙の二人。
別に気まずいわけではない。
黙って、この二人の間に流れる雰囲気を楽しんでいる。
……のだと僕は思っていたが……
「兄さん?」
「ん?なに?」
「やっぱり私はつまらない?」
「え?」
「さっきから黙ってる……」
そうか、さすがに無口すぎたか。
「あぁ、ゴメン。少しボーっとしてた」
「はは。こんな何も無いところに呼び出して悪かったね」
「いや、静かで良いと思うよ」
「そんな私なんかに気を使ってくれなくても構わないよ。文句があるなら、遠慮なく言えば良いのに」
「ううん。こんなに良くしてもらってるのに、静流さんに文句なんていったら罰が当たるよ」
「当たらないよ。私は兄さんと一緒にいることが嬉しいんだから、怒られたくらいじゃ」
「なんか大仰だなぁ……」
「それだけ、私の中の兄さんが占める割合が大きいってことだよ」
微笑む静流さん。
うーむ……それはそれで、申し訳ない気も……。
「そうだ。兄さんに少し相談したいことが、あるんだ」
「ん?相談?珍しいね」
「うん。で、相談なんだけど……」
座りなおし、ジッと俺の目を見る静流さん。
「私たち、出合ってもう随分経つよね?」
「そうだね、もう……3ヶ月くらいかな?」
「うん。正確には3ヶ月と12日。それでなんだけど……」
「……?」
- 437 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/05(土) 00:27:00 ID:HdUeiqt+
- 珍しい。
静流さんが口篭っているなんて……。
「えっと……うーんと……」
「静流……さん……?」
「だから!そろそろ……静流さんなんて他人行儀な呼び方は……辞めてほしいななんて……」
徐々に小さくなっていく声。
でも、ちゃんと一字一句逃さず僕の耳には聞こえた。
「あぁ……そんなことでいいの?」
静流さんの硬い雰囲気から発せられた提案に、肩透かしを食らった気分。
「そ、そんなことって、兄さん!私にとってはとても重要なことで……!」
「あ、えっと、ゴメン。そんなつもりじゃ……」
怒っているというより、お説教と言うのに近い言葉に思わず、頭を下げて謝ってしまう。
「悪気があるわけじゃないんだ……許してよ、静流ちゃん」
「……!」
睨まれた……。
「……呼び捨てが良い……」
ボソッと呟く静流……。
こだわっているんだ……。
「分かったよ……静流」
「もう一回呼んで……?」
「うん。静流」
「ありがとう。幸せだよ、兄さん」
いつもの口調でそう言った静流、でも嬉しさを隠せない顔。
「兄さん、いつものやろうか」
「え?ここでっ!?」
「いいからいいから。ほら、ちゃんとコレも」
家からそんなものを持ってきたって事は……最初からそのつもりですか。
- 438 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/05(土) 00:27:33 ID:HdUeiqt+
- 「こんなに天気が良いんだ。きっと気持ち良いよ」
「……じゃあ……お言葉に甘えようかな……?」
「クス……いっらしゃいませ」
穏やかな太陽。
心地よい春風。
柔らかな静流の膝枕に横になり、耳かきをしてもらう贅沢。
ただ、冷静に考えると、この体勢は恥ずかしいぞ……。
「ふふ、気持ち良いんだね。兄さん」
「あぁ……」
間抜けな声……。
「愛してるよ、兄さん」
「こんなときに言わなくても……」
「本当は、四六時中言っていたんだけどね」
「勘弁してよ……」
「はは、今日は今の兄さんの横顔に免じて許してあげるよ」
時を忘れてしまいそうな、ゆったりとした時間。
今日もしっかり静流に乗せられてしまったが……まぁ、いいか。
「そうだ。たまには静流にもやってあげるよ」
「え?わ、私はいいよ!」
「まぁまぁ、そういわずに。膝枕もちゃんとするよ」
「う……じゃ、じゃあ……」
ちょっと勝った。
───────────────────────
作品を貼った後は人が増えるが、急速に人がいなくなるね……。
他のSSスレとかはどうしてるんだろうか。
素直クール妹後編。好きなんだけど、妹である必然性が薄い……いつものことか。
次回はネガティブ兄vsクール娘編……よく考えたら冬の話だったなぁ……。
- 439 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/05(土) 05:21:26 ID:S15QW7Xj
- GJ!
次の作品も楽しみにしてます
- 440 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/06(日) 00:21:43 ID:KJ8815af
- グッジョブ!
- 441 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:05:07 ID:axLZxt3H
- 一応、投下しときます。
御国家です。
雪華が風邪をひいた。
普段から、健康管理はしっかりしている妹なので、すぐに治るとは、思うんだか。
「けほっ……けほっ。」
「大丈夫か?」
辛そうだったので、背中を軽くさすってやると、雪華は、申し訳なさそうな顔をしながら、
「大丈夫…です、兄さん。………気を遣わせてしまって、すみません。」
そう、返事をした。
背中をさするのをやめ、頭を軽く撫でる。
「あまり、大丈夫じゃなさそうだな。
あと、こういう時ぐらい、甘えろ。」
「……………ずるいです、兄さん。」
そんなやり取りの後、しばらく黙ったまま、雪華の頭を撫で続ける。
………………
「紅葉、開けてー。」
部屋の外から、姉さんの声が聞こえたので、撫でるのをやめ、ドアの方へ向かう。手が離れる一瞬、雪華が、寂しそうな顔をした気がするが、それは自意識過剰というものだろう。
「雪華、具合のほうはどう?」
「いえ、大丈」
「あまり、大丈夫とは言えない。けど、朝よりは大分マシにはなってる。」
雪華が「大丈夫」と、返事をしようとしたので、それを遮り、正確な現状を、姉さんに伝える。
姉さんは、少しだけ、困ったような、呆れたような顔をしたが、結局は、とびきり優しい微笑みを浮かべながら、俺がしたのと同じ様に、雪華の頭を撫でた。
- 442 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:07:54 ID:axLZxt3H
- 「もう、あんまり無理しちゃ駄目だよ?」
「はい………姉さん。」
「風邪ひいた時くらい、甘えて良いんだからね?
それと、お粥作ってきたから、食べさせてあげるね。」
「え!ちょっ、姉さん。」
「食べさせてあげるね。」
にこっ。
逆らう気を奪うような、綺麗な笑顔を、雪華に対して向ける姉さん。雪華も観念したようで、諦めたような溜息をついた。
「あ、紅葉。少しだけ外に出ていてくれる?」
と、そこで唐突に、姉さんがそう言った。
「ん?なんで?」
「もー、気が利かないなぁー。」
軽く頬を膨らませながら、姉さんは、お粥の乗っているお盆に視線を移す。
「あー、なるほど。じゃあ俺は、薬でも持ってくるよ。」
お盆の上には、お粥と一緒に、濡れタオルが置いてあった。
「うん、分かればよろしい。」
そういえば、随分汗かいてたなぁ、雪華。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
- 443 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:11:11 ID:axLZxt3H
- コンコン。
「姉さん、雪華、もういいか?」
30分程時間をつぶし、薬を持って、雪華の部屋を訪れる。
「兄さん?もう、入っても問題ありませんよ。」
雪華の返答があったので、扉を開け、部屋に入る。
「あれ?姉さんは?」
部屋の中には、雪華しかいなかったので、疑問に思い、質問してみる。
「夕飯の買い出しに行くと言って、少し前に出掛けましたが。行き会わなかったんですか?」
「ああ、俺もさっきまで、部屋にいたからな。」
そう答えて、ふと違和感を感じた。
雪華の声が、少しだけ強張っているように感じたのだ。
「………姉さんと、何かあったのか?」
気になったので、そう質問すると、雪華は、少しだけ驚いたような顔をして、
「こういう時だけ………鋭いんですね。」
と、拗ねたような声で答えた。
「兄さんは………姉さんの事、好きですか?」
間を置かずに、雪華が質問をしてきたので、
「そりゃあ……」
好きだよ、家族だから。と続けようとして………やめた。
雪華が、とても真剣な目で、とてもまっすぐな瞳で、見つめてきていたから。だから……………『そういう』意味なんだと、理解した。理解………してしまった。
- 444 :長い物にマカロニ :2008/04/07(月) 02:22:01 ID:axLZxt3H
- 「どうして………分かったんだ?」
隠しても無駄だと思い、遠回しに、けれど正直に、自分の気持ちを白状した。
「分かるに………決まってるよ。」
声色に含まれる悲しみに……ズルイ俺は、気付かない振りをする。
「そう…………か。」
それしか、言えなかった。頭を撫でてやりたかったが、出来なかった。今それをするのは、とても残酷な事だから………。
「薬、置いておくから、しっかり飲めよ?」
耐えられなくなって、薬だけ渡して、部屋を出ようとする、
「…………あのね。」
背中を向けたところで、雪華に呼び止められた。
振り返るのは、怖かった。けれど、
(本当は…………逃げるべきじゃあ、ないんだろうな。)
そう思い、振り返る。
雪華は…………笑っていた。大粒の涙を流しながら………それでも、吹っ切れたような、穏やかな笑顔を浮かべていた。
「頑張ってね、お兄ちゃん。」
ごめんな、雪華。お前の気持ちに応えれなくて。
許さなくてもいいから、信じて欲しい。
『妹』として、お前の事、愛しているよ………。
ーーーーー・ーーーーー
な、長かったです。また、無駄に心理描写多いです。読みにくいです。すみません。
一応、雪華の気持ちには、決着を付けました。続きも一応考えては有るんですが、桜お姉ちゃん中心の展開になってしまうので、妹スレで書くのは………。
後は、今回のSSの雪華sideぐらいです。
- 445 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/08(火) 01:33:02 ID:fwTmdHcp
- GJ!姉スレへの投下もまってます。
- 446 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/08(火) 09:38:41 ID:qyg6Uq1J
- >>436-438
これは良い義妹です。
>>441-444
雪華が可愛過ぎて萌える
- 447 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/09(水) 00:20:14 ID:6HHJN2Kp
- 盛り上がって来た感じだな
- 448 :長い物に巻かれた :2008/04/09(水) 00:27:43 ID:MMUtx0W4
- なにを投下しようか、悩んでます。
とりあえず、脳内設定(妄想)を書いておきます。
ちょっと、話に関わる設定も有ります。
御国家side
御国 桜→御国家長女、才色兼備で家事万能、姉馬鹿と、テンプレな姉。演劇部部長。
御国 紅葉→御国家長男、桜と同等レベルの完璧超人、クールだが、隠れシスコン。演劇部所属。
御国 雪華→御国家次女、成績優秀だが、基本的には、努力の人。冷静で健気。美術部所属。
バカ兄妹side
バカ兄→可奈、由佳の兄、ノリに生きる男。
可奈→ボクっ娘、明朗快活、オープンブラコン。貧乳だが、身長は、それなりにある。
由佳→可奈の妹、雪華の親友。一番普通な人。繋ぎ役。ちょいレズっ気あり。
- 449 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/09(水) 22:53:56 ID:yx9TgAMl
- 草木生い茂る密林。
あらゆる生き物がその繁栄を求め、他の生き物よりも抜きん出ようとその牙を振るう。
「!?」
ふと空高くに鋭く尖った気配を感じた。
「来るな……」
周囲を警戒しつつ、相棒とも言える武器に魂を込める。
重く輝く、重弩。
これを持ち歩くことはこの業界では随分と変わり者と称されるが、
俺はこの武器こそ自分の命を預けるに相応しいと思っていた。
「来るの、お兄ちゃん?」
俺の後ろを歩いていた妹が俺が立ち止まったのを見て、足を止める。
そういえば、今日は二人で来ていたことを思い出す。
「あぁ、どうもそのようだ」
天空から飛来する気配の正体を、スコープで捉える。
「じゃあ、私たち兄妹の初陣、がんばろー!」
妹は背中から、刃を引き抜き構えた。
美しいカーブを描いて湾曲した刃。
自分にとってはなんとも頼りない武器に見えるが、彼女にとってはこれが頼れる相棒のようだ。
「始めようか」
ゆっくりと飛来してくる標的の翼に、挨拶代わりの銃弾を撃ち込む。
「!?」
どうも効いているようには見えないのだが、少なくともこちらには気付いてくれたようだ。
威嚇のつもりだろうか、耳を劈くような咆哮。
それが盾により阻まれ、咆哮は盾をビリビリと震わす。
「うるさあぁぁぁあぁああああい!!」
しかし、妹はというと、その大音響により思わず耳を塞ぎうずくまっている。
このままでは敵の攻撃をまともに受けるのが関の山。
「世話のかかる奴め」
前転で彼女から急速に離れると、そこから銃弾を弾倉にある限り放つ。
陽動は成功したようで、標的はターゲットを俺に定めると、その口から赤く燃える火球を投げつけた。
とはいえ、狙いは正確とは言い難い。もう一度前転でその火球を難なくかわす。
- 450 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/09(水) 22:55:02 ID:yx9TgAMl
- 「おぉ……」
騒音から回復した妹が驚嘆のため息を漏らす。
「感心してないで戦え!」
が、褒められて喜んでいるような場合ではない。
若干上ずった声で叫ぶ。
「う、うん!いっくぞー!!」
刀を構えなおし、敵に向かっていく妹。
俺はその背中を眺めながら、標的の弱点を狙って銃弾を打ち込んでいく。
「よし!羽も壊れたぞー!!」
「いいから黙って尻尾切れよ」
「あ、そっか。ボウガンじゃ切れないもんね」
「……」
「痛いっ!!お、お兄ちゃん!?今、私撃ったよねぇ!?」
「撃ってない」
「いや、絶対撃った……って、うわぁぁっ!」
「わ、バカ!こっち来るなよ!!」
妹を追いかけて巨体が迫る。
全くの無防備だった俺は、指が追いつかない。
「あ、お兄ちゃんがやられた」
「……」
「痛っ!ホントに殴ることないでしょー!?」
「……」
「あ、ほらほら!尻尾切れたよ!!ね?怒らないでよ?」
「俺も尻尾が切れたら一人で行くのに……」
「そんなこと言わないで、二人も楽しいよ。兄妹水入らずでさ。ね、お兄ちゃん?」
「……お前……」
ちょっと嬉しい。嬉しいけど……。
「あ、お兄ちゃんがまたやられた」
チクショウ、こんな相手に……。
───────────────────────
- 451 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/09(水) 22:56:32 ID:yx9TgAMl
- えっと……一応モンハンネタというか……完全に趣味の領域ですな。最上級の自己満足です。
だけど、可愛い妹と一緒にゲームがしたいんだよ、俺は!!
すいません……次回はちゃんとしたのを貼りますので。今回はお目溢しを……。
- 452 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/09(水) 23:00:21 ID:Yotoi/fu
- GJ!!
あえて聞いときますが雌火竜?w
- 453 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/09(水) 23:11:32 ID:yx9TgAMl
- 分かるのか……。
一応元ネタになった女友達が居るのですが、彼女とリオレイアを狩りまくった思い出が強くて……。
分かってくれる方が居て、気分的に救われました。
ですが、スレ違いになりますので、これ以上モンハンの話はやめときましょうw
- 454 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/10(木) 23:04:07 ID:1BVW2fI7
- ……理由は定かではないが、年頃の若者は普通ならば男女問わず異性を求めるようだ。
次回の授業から英語の授業で二人一組にならなきゃいけないとか。
どこぞのバカが、男女で組んだ方が良いとか言い出したこととか。
放課後残ってそのペアを決めることになったこととか。
男子代表と女子代表、ジャンケンで勝ったほうが使命権を得るとか。
男子代表が勝ちやがったこととか。
……本当にどうでもいい事だらけだ。
まぁ、本来俺も男子の端くれなのだから、好きな女子を一人選ぶ権利が与えられているのだが……
「じゃあ、残った大野は冬月とペアだな」
最後の一人ってホント楽で良い。大体女子の名前知らないしね。
が、最低限で済んだとはいえ、女子一人と交流しなければならないのは辛い。
うんざりしながら、その女子と顔を合わせる。
「はじめまして」
もうこの時期になってこの挨拶はおかしいのだが、本当にはじめましてなのだから仕方がない。
「……冬月真雪。よろしく」
俺の前に居たのは、小さくて細くて白くて、とても不健康そうな女の子。
大人しそうな上に、自己主張が激しくなさそうなので、俺でもなんとかなるかもしれない。
「大野賢太郎君……だよね……?」
声小せぇ……。
「俺の名前知ってるのか?」
「……同じクラス……」
「……」
同じクラスでも俺はお前のこと知らんがな……。
「まぁ、なんでもいいや……冬月さん……だっけ?」
「うん。覚えて」
「努力する」
きっとすぐに忘れる前提のこのセリフ。
「……じゃあ……帰っていいのか」
「男子は女子を送ってく……って、いってるよ?」
阿呆が……。
- 455 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/10(木) 23:04:49 ID:1BVW2fI7
- 「嫌なら私一人で帰るよ……?」
「いや、いい。そういうことなら送る……妹も一緒になるが良いか?」
「遥ちゃん……?私は……構わないけど」
有名なんだな、遥……。
「助かる。帰るか」
「うん」
鞄をつかみ、浮き足立つ教室からそそくさと脱出。
「なぁ……冬月さんの家って……」
ふと思い出したように足を止め、後ろの冬月に振り返る。
「わっ……」
驚いて俺にぶつかる冬月。
あ……なんか、冬月から甘くて良い匂い……。
ん……?何なんだ、俺らしくない……。
「……?」
「あ……悪い。家は近いのか?」
「大丈夫……大野君の家と方向は同じだから……」
「そうか、それなら……」
ふと思ったが、普通に話せてるな、俺。
遥ほどじゃないが、もしかしたらある程度の付き合いがあるあきらや宮原よりも気が楽かもしれない。
などと考えながら、歩いていたが
「あれ……冬月……?」
いない……。
どうしよう……どっかに置いてきちゃったのか……。
- 456 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/10(木) 23:05:22 ID:1BVW2fI7
- 俺は、責任という言葉に非常に弱い。
今回も非常に重い責任を感じ、慌てて来た道を引き返す。
「冬月ー……?」
誰もいない廊下は俺の濁声が非常によく響く。
汚ねぇなぁ、俺の声……。
「……ん?」
……階下から物音。
とはいえ、急いで行って違う人だったら、赤恥をかくことになる。
思慮深い俺は、早足で階段を駆け下りる。
そこには真っ暗な廊下に、一人の少女。
「……大野君……」
半泣きの冬月が壁にうずくまって座っていた。
「……悪い。置いてったりして」
「私もゴメン……迷っちゃって……」
震えた声で謝っている冬月。
強がっているのか、無理に冷静に振舞おうとしているのは俺でも分かる。
「無理すんな。寒いし、暗いし、静かだし最悪だよな」
「……うん……」
「置いていって悪かったな。もう少しだけ付き合ってくれ」
冬月に手を差し出す。
「うん……」
冬月の目が覚めるほど冷たい手が俺の手を掴む。
「暖かいね」
「冷たいな」
「ねぇ、大野君……」
「呼び捨てで良い」
「じゃあ……私も真雪でいい」
下の名前か、ハードル高いな……。
「で、なんだっけ?」
「……もう少し、このまま握ってても良い?」
……握る……。
- 457 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/10(木) 23:06:19 ID:1BVW2fI7
- おぅっ!?
手を握ってる!?俺が!?女の子の!?
「まさか……こんなことが……」
「あ、ゴメン……嫌なら……良いんだけど」
ゆっくりと手を離す真雪。
「いや……そうじゃなくて……」
「?」
不思議そうに顔をかしげる真雪。
……特別なのかな、真雪は……。
「手、握ってていいの……?」
「リジェクションが出るまでは……」
「りじぇ……?」
rejection:拒絶反応。
「聞き流せ」
「うん」
冬月真雪……。
不思議な女だ……。
───────────────────────
昨日のがあまりにもアレだったんで、二日連続ですが貼ってしまいましょう。
ネガティブ兄vsクール娘編。今更冬の話なのは……想像力で補ってください。
こういう娘、好きなんで随分贔屓目になっちゃって……。
しかし、やっぱり妹関係ないじゃん……?いつものことか、もう開き直っちゃうか。
- 458 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/11(金) 01:36:41 ID:Cg+68tko
- GJ!
自分、ネガティブ兄シリーズ好きです!!
- 459 :長い物に巻かれた :2008/04/12(土) 00:59:06 ID:diQ0J2z/
- 遊星さんの後に投下するのは、ちと緊張するんですが、とりあえず、『雪華』の物語の、シメを投下しときます。
「ごちそうさまでした。」
姉さんの作ったお粥を食べ終わり、手を合わせる。
姉さんは、最初の一口こそ、「アーン」をしてきたけれど、それ以降は、私が食べ終わるまで、嬉しそうに見つめているだけだった。
おそらく、私が自分のペースで食べられる様にと、配慮してくれたのだろう。
(ありがとうございます、姉さん。)
言葉にするのは、恥ずかしかったので、心の中でお礼を言う。
「それじゃあ、汗、拭いてあげる。」
「すみません、お手数おかけします。」
「だから、こういう時は甘えていいの。」
「………はい。」
姉さんの厚意に甘える事にし、パジャマの上を脱ぐ。姉さんは、私の身体を、まるで壊れ物を扱うかのように、丁寧に、優しく拭き始めた。
「姉さん、演劇部の方は、どうですか?」
ただ黙っているのも、なんだか気まずいので、適当な話題を振る。
「順調だよ。脚本もいい感じ。」
「演劇部の、一年生の娘が書いた脚本らしいですね?」
「うん、そうだよ。私と紅葉に、是非演じて欲しいんだって。」
「そうなんですか。」
そう、返事をしたが、実は私は、その話を知っていた。
『鏡写しの恋』………それが、脚本のタイトル。
想いを寄せ合う、双子の姉弟の、綺麗で切ない恋の話。
その内容を、親友の由佳から聞いた時、姉さんと兄さんの為に作られた物語だと、はっきりと分かった。
おそらく、脚本を書いた娘は、気付いていたのだろう。二人が胸に秘める、許される事のない恋心に。
- 460 :長い物に巻かれた :2008/04/12(土) 01:00:57 ID:diQ0J2z/
- 「よし、これくらいでいいかな?」
「はい、ありがとうございました。」
思考を中断し、姉さんにお礼を言う。
そして、パジャマに袖を通す。汗による不快感は無く、さらりとした、布の感触が心地いい。
「さてと、私はお夕飯の買い出しをしてくるから。なにかあったら、紅葉に頼んでね?」
「え?あ、はい。」
少し、意外だった。姉さんなら、兄さんが来るまで、ここで待っていると思っていたからだ。
そうこう考えているうちに、姉さんは、手際よく、お粥の容器と濡れタオルを、お盆の上に乗せると、それを持って、ドアの方へと向かった。
「雪華。」
ドアの前で立ち止まり、私に背中を向けたまま、姉さんが、私の名前を呼んだ。「遠慮なんて、しなくて良いんだよ。」
「……………え?」
ひどく真面目な声で発せられたその言葉を、私はすぐには理解出来なかった。
しかし、続けて発せられた言葉で、私は、姉さんの言いたい事を理解した。
「すごく…………つらそうな顔をしてたから。」
「!!」
姉さんは、その言葉だけを残すと、少しだけ急ぐ様に、私の部屋から、出て行った。
「優し過ぎますよ………姉さん。」
ベッドの上で、一人呟く。
姉さんは、私の気持ちに気付いているのだろう。そして、その気持ちが、自身の想いと同じ物だと、理解していて尚、ああいう風に、私を気遣えるのだ。
だからこそ、敵わないと思ってしまう、笑顔でいて欲しいと願ってしまう。自分の気持ちを抑えてでも、姉さんの想いは成就して欲しいと、心の底から、そう思えてしまうのだ。
私は…………どうするべきなのだろうか。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
- 461 :長い物に巻かれた :2008/04/12(土) 01:02:31 ID:diQ0J2z/
- 【Epilogue−Side雪華】
「つらい……ぐすっ…ですよ……兄さん。」
涙が止まらなかった。胸が痛かった。独り……失恋のつらさに泣いた。
それでも………後悔だけは、していなかった。
だって………
だって………
「どっちも同じ位………大好きなんだよ………お兄ちゃん。お姉ちゃん。」
ーーーーー・ーーーーー
長くなりましたが、一応雪華の話は、これで終わりです。
御国家関連では、番外編である『由佳編』と、続きで在り、完結編でも在る『桜編』の構想は、有るんですが、どちらもこのスレだと、スレ違いになってしまうので自重することにします。バカ兄妹の方は、ちまちま書いていくことにします。
遊星さん、自分もああいうキャラは、大好きなんで、続きを楽しみにしております。
- 462 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/12(土) 22:16:09 ID:g1+4OHjs
- >>461
お疲れ様!面白かったよ!
ところで番外編と完結編はどのスレに貼るの?
- 463 :長い物に巻かれた :2008/04/13(日) 00:32:06 ID:XU0eZ7O4
- >>462
桜(完結)編は、やっぱり姉スレが妥当とは、思うんですが…………いきなり続きを貼っても、訳わかんない人も多そうですし。
由佳(番外)編は、何処に貼るべきか、全く考えていません。百合っぽい展開になるので、見当違いのスレに貼ると、迷惑でしょうし。
- 464 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/14(月) 21:00:12 ID:vUzrUIXg
- 職人さん乙
ちょっと見ない間に良い感じに
- 465 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/14(月) 23:24:55 ID:vNkgoaKr
- 図書室。
遥は……勉強してる。真面目ー。
「待たせたな、遥」
「ううん、全然……」
出来るだけ小さな声で話しかけると、遥はペンを置いて、ゆっくり顔を上げる。
「……」
顔を上げた遥がそのまま固まった。
「遥ー?」
「え……お、お兄ちゃん……?後ろの人……」
やっぱり真雪に対してか。
「あぁ、成り行きで送っていくことになった」
振り向いた斜め後ろ。
「冬月真雪……です……」
俺の後ろで小さくお辞儀をする真雪。
「え、えっと、お兄ちゃんの妹の大野遥です」
立ち上がって大きく頭を下げた遥。
真面目な遥でお兄ちゃんは嬉しいよ……。
「帰るぞ」
色々面倒なことがあったせいで一刻も早く帰りたい俺は、そんな遥を急かす。
「ね、ねぇ、お兄ちゃん……?」
遥が耳打ちするように話し始めた。
「何だよ」
遥は真雪をチラッと見た後、
「どうしたの?何か女の子と一緒なのにあんまり嫌そうじゃないけど」
「そうなんだよ。だけど理由は俺にも……」
「もしかして、お兄ちゃんの運命の人なのかも」
「はぁ!?」
誰かにも言われたな、そんなこと……。
- 466 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/14(月) 23:25:42 ID:vNkgoaKr
- 「冗談だよ、冗談。でも、仲良くなれるかもね」
「確かに、少しは克服できるかもな」
「うん、頑張ってね」
ボーっと立っている真雪を二人で振り返る。
「……」
ジト目の真雪……。
やめろ……怖い……。
「あぁ、悪い。帰ろう」
「仲、いいんだね」
「よく言われる……」
「シスコン……?」
辛辣……。
「遥がブラコンなんだよ」
「ち、違うよぅ!お兄ちゃんがシスコンなの!!」
「クスクス……」
真雪が笑ってる。
笑うんだな、こいつ……。
───────────────────────
ネガティブ兄vsクール娘。今回は短いです。やっと妹が出てきましたね。
もう二、三回は続きます。遅く貼れば貼るほど、季節はずれになっていく……早くしなければ。
>長い物に巻かれた様
乙です。そして、ありがとうございます。次回作、楽しみにしておりますので。
- 467 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/15(火) 06:32:10 ID:aNVD48l4
- とりあえずバカ兄妹の方を落としときます。
扉を開けると、そこはナースだった。
え?意味が分からない?
うん、そうだろうな。まあ、簡潔に説明すると、ナース服を着た可奈が、居たんだが…………幻覚?違う違う、俺正常。
いや、だから正常だって。あ!黄色い救急車呼ばなくていいから!だから正常だって!!
「あ、お帰りなさーい!!」
「なんだ可奈、来てたのか。」
アパートに帰ると、そこに居るのが当然であるかの様に、可奈が居た。前々から思っていたんだが、何故こいつは、わざわざ大声で挨拶をするのだろう?
まあ、どうでもいいか。
「お湯沸いてるから、これ食べよー!!」
そう言って、カップ麺(二百円)を掲げる可奈。…………前より、安物になってやがる。
お湯を注ぎ三分待つ。程よく麺がほぐれた所で、液体スープをいれ、よくかきまぜたら完成。
「「いただきます!!」」
ハモる辺りが、兄妹っぽい。
ズルズル。ズルズル。ズルズル。
もぐもぐ。もぐもぐ。ごくごく。ごっくん。
「「ぷはぁー!!」」
またハモった。なにも、食べるペースまで似なくても。
- 468 :長い物に巻かれた :2008/04/15(火) 06:34:55 ID:aNVD48l4
- 「て!あっさりスルーしないで!!忘れてる!!重大な、ツッコミを忘れてるよ!!お兄!!」
長いノリツッコミだったな。
「ナース服!!ボクナース服着てるんだよ!!普通は、ツッコムか、欲情するかでしょ!!それをなに!?なに普通にスルーしてるの!?なにラーメン完食してるの!?なんでハモってるの!?な(中略)!?」
「長い台詞だな、作者も思わず、中略してるぞ。」
「ボクが沢山しゃべるのが普通なの!!ここは、妹に言われたいセリフスレなんだから!!前回お兄ばっかりしゃべり過ぎだったの!!てゆうかそんなのどうでもいいいいよ!!萌えるでしょ!!欲情するでしょ!!こんなに可愛いボクが、こんなにセクシーな、ってむかつく!!その顔むかつく!!」
「そんなに、むかつく顔してるか?」
「してるよ!!読者様にお見せ出来ないのが残念な位むかつく顔してるよ!!て!だからって真面目な顔しないで!!真面目な顔して見詰めないで!!惚れちゃう!!惚れなおしちゃう!!」
「…………可奈よ、テンション上がってるとこ悪いが、言わせてもらう。ナース服なんぞただの服だ。全然興奮しない。」
「…………」
いきなり沈黙する可奈。とりあえず五月蝿いのが黙ったので、カップ麺の容器をくずかごに入れる為、可奈に背中を向ける。
「……………ど」
ど?
「どっせぇーーーい!!」
やたら男らしい掛け声と同時に、首に凄まじい衝撃。(可奈よ、女の子が、どっせーい、はないと思うぞ?)
そんな事を考えながら、俺の意識は、深い闇の底へと、沈んで行くのだった。
〜fin〜
「終わらないよ!!まだ続くよ!!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜
- 469 :長い物に巻かれた :2008/04/15(火) 06:38:34 ID:aNVD48l4
- 目を覚ますと、そこはナースだった。
…………あれ?これやったな。割愛しとこう。
「あ、お兄起きた?」
目が覚めた俺に、そう問い掛ける可奈………もとい、諸悪の根源。
「………………」
ジト目で可奈を睨みつける俺。
「そんな目をしても無駄だよー。今日こそは、お兄の変態性癖を、僕の魅力で治すんだから。」
妹やナース服に興奮するのも、充分変態だと思うぞ?
「まずは、お熱を計りますよー。」
そう言って、顔を近付けて来る可奈。キスが出来る位、顔が近付き………こつん。
おでことおでこをくっつけて、熱を測り始めた。顔が近い為、可奈の吐息がかかる。しかし、俺も百戦錬磨のツワモノ(童貞だけどな!!)、この程度では、ちっとも興奮しない。
「むー。」
不満そうな声を出し、おでこを離す可奈。
「こうなったら!!最後の手段だよ!!」
そう言って、ナース服の一番上のボタンを外す。ていうか、いきなり最後かよ。レパートリーの少ないやつだ。
「ど、どう?」
前屈みになり、上目使いで訪ねてくる可奈。その頬は、微かに赤く染まっている。それも、当然といえば当然だろう。ボタンを外したことにより、元々大きめだったナース服は、大きくはだけ、可奈の健康的な肌が、鎖骨から胸元にかけて、随分と露出している。
そんな光景を目の当たりにして、俺は……………
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