■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50

[第七弾]妹に言われたいセリフ

441 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:05:07 ID:axLZxt3H
一応、投下しときます。
御国家です。


雪華が風邪をひいた。
普段から、健康管理はしっかりしている妹なので、すぐに治るとは、思うんだか。

「けほっ……けほっ。」
「大丈夫か?」
辛そうだったので、背中を軽くさすってやると、雪華は、申し訳なさそうな顔をしながら、
「大丈夫…です、兄さん。………気を遣わせてしまって、すみません。」
そう、返事をした。
背中をさするのをやめ、頭を軽く撫でる。
「あまり、大丈夫じゃなさそうだな。
あと、こういう時ぐらい、甘えろ。」
「……………ずるいです、兄さん。」
そんなやり取りの後、しばらく黙ったまま、雪華の頭を撫で続ける。
………………
「紅葉、開けてー。」
部屋の外から、姉さんの声が聞こえたので、撫でるのをやめ、ドアの方へ向かう。手が離れる一瞬、雪華が、寂しそうな顔をした気がするが、それは自意識過剰というものだろう。
「雪華、具合のほうはどう?」
「いえ、大丈」
「あまり、大丈夫とは言えない。けど、朝よりは大分マシにはなってる。」
雪華が「大丈夫」と、返事をしようとしたので、それを遮り、正確な現状を、姉さんに伝える。
姉さんは、少しだけ、困ったような、呆れたような顔をしたが、結局は、とびきり優しい微笑みを浮かべながら、俺がしたのと同じ様に、雪華の頭を撫でた。

442 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:07:54 ID:axLZxt3H
「もう、あんまり無理しちゃ駄目だよ?」
「はい………姉さん。」
「風邪ひいた時くらい、甘えて良いんだからね?
それと、お粥作ってきたから、食べさせてあげるね。」
「え!ちょっ、姉さん。」
「食べさせてあげるね。」
にこっ。
逆らう気を奪うような、綺麗な笑顔を、雪華に対して向ける姉さん。雪華も観念したようで、諦めたような溜息をついた。
「あ、紅葉。少しだけ外に出ていてくれる?」
と、そこで唐突に、姉さんがそう言った。
「ん?なんで?」
「もー、気が利かないなぁー。」
軽く頬を膨らませながら、姉さんは、お粥の乗っているお盆に視線を移す。
「あー、なるほど。じゃあ俺は、薬でも持ってくるよ。」
お盆の上には、お粥と一緒に、濡れタオルが置いてあった。
「うん、分かればよろしい。」
そういえば、随分汗かいてたなぁ、雪華。
〜・〜・〜・〜・〜・〜

443 :長い物に巻かれた :2008/04/07(月) 02:11:11 ID:axLZxt3H
コンコン。
「姉さん、雪華、もういいか?」
30分程時間をつぶし、薬を持って、雪華の部屋を訪れる。
「兄さん?もう、入っても問題ありませんよ。」
雪華の返答があったので、扉を開け、部屋に入る。
「あれ?姉さんは?」
部屋の中には、雪華しかいなかったので、疑問に思い、質問してみる。
「夕飯の買い出しに行くと言って、少し前に出掛けましたが。行き会わなかったんですか?」
「ああ、俺もさっきまで、部屋にいたからな。」
そう答えて、ふと違和感を感じた。
雪華の声が、少しだけ強張っているように感じたのだ。
「………姉さんと、何かあったのか?」
気になったので、そう質問すると、雪華は、少しだけ驚いたような顔をして、
「こういう時だけ………鋭いんですね。」
と、拗ねたような声で答えた。
「兄さんは………姉さんの事、好きですか?」
間を置かずに、雪華が質問をしてきたので、
「そりゃあ……」
好きだよ、家族だから。と続けようとして………やめた。
雪華が、とても真剣な目で、とてもまっすぐな瞳で、見つめてきていたから。だから……………『そういう』意味なんだと、理解した。理解………してしまった。

444 :長い物にマカロニ :2008/04/07(月) 02:22:01 ID:axLZxt3H
「どうして………分かったんだ?」
隠しても無駄だと思い、遠回しに、けれど正直に、自分の気持ちを白状した。
「分かるに………決まってるよ。」
声色に含まれる悲しみに……ズルイ俺は、気付かない振りをする。
「そう…………か。」
それしか、言えなかった。頭を撫でてやりたかったが、出来なかった。今それをするのは、とても残酷な事だから………。
「薬、置いておくから、しっかり飲めよ?」
耐えられなくなって、薬だけ渡して、部屋を出ようとする、
「…………あのね。」
背中を向けたところで、雪華に呼び止められた。
振り返るのは、怖かった。けれど、
(本当は…………逃げるべきじゃあ、ないんだろうな。)
そう思い、振り返る。
雪華は…………笑っていた。大粒の涙を流しながら………それでも、吹っ切れたような、穏やかな笑顔を浮かべていた。

「頑張ってね、お兄ちゃん。」


ごめんな、雪華。お前の気持ちに応えれなくて。
許さなくてもいいから、信じて欲しい。
『妹』として、お前の事、愛しているよ………。
ーーーーー・ーーーーー
な、長かったです。また、無駄に心理描写多いです。読みにくいです。すみません。
一応、雪華の気持ちには、決着を付けました。続きも一応考えては有るんですが、桜お姉ちゃん中心の展開になってしまうので、妹スレで書くのは………。
後は、今回のSSの雪華sideぐらいです。

486KB
新着レスの表示

スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2004-10-30