■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 最新50

[第六弾]妹に言われたいセリフ

545 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:55:52 ID:TrsYCOEI

あちらこちらで輝くイルミネーション。
ちょっとしたものから、本格的なものまで。少し歩けば、家ごとの違いも見えて面白い。
まぁ、一人で見るというのも悲しいことではあるが、こればかりは仕方ない。
最近そう開き直っている。
そんな感じで、すっかり暗くなった帰り道を一人で歩いていると……
「あれは……」
前方に見慣れた感じの少女が。
「澪かな……。っていうか……」
メイド服を着歩く人間など、俺は澪以外に知らない。
完全に確信を得た俺は少し早歩きで、彼女に向かっていく。
「澪。今帰り?」
澪の肩を軽く叩くと、
「お、お兄ちゃん!!」
口をパクパクさせて何だか驚いてる澪。
そして、
「お、おいっ!!」
全力で走り出す澪。
「澪っ!?」
「うわああああああん!!見ないでくださいぃぃぃぃぃぃ!!」
「えぇー……」
何だかそんな澪を追えず、ただ呆然と立ち尽くす自分。
「ま、いいか……」
澪が分からないのはいつものことだ。
随分彼女に慣れてきた自分がそこにいた……。
───────────────────────

546 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:57:51 ID:TrsYCOEI
澪と別れて数分後、我が家のドアの前にたどり着いた。
この何だか嫌な予感は……きっと当たるんだろうなぁ。
身構えてドアを開ける。
「……」
待ち構えてたのは……やっぱり澪でした。
……何だかリボンみたいなのに絡まっている。
これはまさか……。
「お、お兄ちゃん!?早くないですか!?」
「早いか……?」
「澪、せっかくお兄ちゃんを驚かせようと思ったのにぃ……」
頬を膨らませる澪。
でも、俺は、
「いや……十分驚いてる……」
クリスマスカラーのメイド服だものなぁ……。
しかもスカートは短いし、胸元開いてるし……
「え?ホントですかー?」
「……あぁ、さすがに……」
「うーん、じゃあ、いいかな」
自分で納得する澪。
じゃあ……俺も何でも良いや……。
「ところで……そのリボンは……?」
「あぁ、これですか?クリスマスらしいでしょ?店長デザインなんですよー」
「そういうデザインなんだ……」
「はい」

547 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:58:26 ID:TrsYCOEI
澪はすごい。少しも迷いがないのものなぁ……。
「……もしかして、似合ってないですか?」
「え?」
「さっきから……全然見てくれてないですよねぇ……?」
「……」
まぁ、目のやり場に困るし……。
「帰るときも、何だかみんな澪を見てないし……」
そりゃあねぇ……。
「澪、泣いちゃいますよ……?」
「……」
「泣いても良いんですか?」
「……いや、困るけど」
「でしょ?じゃあ、褒めてください」
上目遣いそんなことを言ってくる澪。
仕方ないなぁ……。
「いや……似合ってるし、可愛いと思うよ」
「じゃあ、何で見てくれないんです?」
「そりゃだって……カッコ悪いじゃないか……」
「カッコ悪い?お兄ちゃんはいつもカッコいいですよ?」

548 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:59:04 ID:TrsYCOEI
「……俺としてはそういうのカッコ悪いと思うんだよね……」
「はー。そうなんですか……」
「だからあんまり言いたくないんだけどな……」
「なるほどなるほど。お兄ちゃん、硬派なんですね!!」
「硬派……」
古臭い言い回しだなぁ……。
「でもでも、そういうの一杯言っても良いと思います。それでも、お兄ちゃんカッコいいから」
「……人の話聞いてた?」
「大丈夫ですよ!!お兄ちゃんがお兄ちゃんをカッコ悪いと思ったら、
 それ以上に私がお兄ちゃんをカッコいいって褒めてあげます!!」
ホントにこの娘は……
「それより、お兄ちゃん、行きましょう!!」
「え?どこに?」
「リビング!!パーティーの準備は出来てます!!」
俺の右腕を抱きしめる澪……。
あの……自分が何してるか分かってます?
「……お兄ちゃん?」
「な、なんでもない!!行こうか!!」

不思議なクリスマス。
まぁ、澪がサンタってことで良いじゃないか。
───────────────────────

501KB
新着レスの表示

スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2004-10-30