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[第六弾]妹に言われたいセリフ
- 540 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:50:02 ID:TrsYCOEI
- 「つまらない……」
誰もいない我が家で一人呟く。
テレビをつけても、どこもクリスマスだと騒がしい。
幸せなクリスマス……それが、正直、鬱陶しくも羨ましくもあった。
ふと、窓の外を見る。
そういえば、雲が多くなってきた気がする。
これで雪なんか降ったら、かなり憂鬱だろう。
祈るような気持ちでカーテンを閉めた。
「はぁ……」
ため息がいやに響き、寂しさが絶頂に達した瞬間、妹の望の顔がよぎる。
「あんなのでも、いれば少しは……」
道場のクリスマスパーティーとやらに出かけていった望。
まぁ、家で俺なんかと過ごすよりはよっぽど有意義だとは思うのだが。
無いものを嘆いてもしょうがない。今あるものを最大限に活用せよ。
とは誰の言葉だったか。
とりあえず、今はせっかくの自由時間だ。
読書の時間と割り切って読みかけの本を読むとしようじゃないか。
……。
それからどれくらい時間がたったのだろうか。
乗ってきたというのも変な話だが、集中して読めるようになってきた。
そんな時、
「なーんだ……ボクがいなくても結構楽しんでるんだー」
ソファの後ろからつまらなさそうな声。
「望?」
「ただいま……」
「おぅ、早いじゃないか?」
「そんなことないよっ!!」
何だかイライラしている望。
「……どうした?」
「なんでもないっ!!」
- 541 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2006/12/24(日) 22:50:34 ID:TrsYCOEI
- 「人を怒鳴りつけといて、何でもないわけないだろ」
「ボク、全然怒ってないんだからね!!寂しくしてると思って途中で帰ってきたのに、お兄ちゃん普通だし、
ボクが帰ってきても邪魔そうだし、ケーキだって買ってきたのに……」
確かに言っていることは、無茶苦茶。
でも涙目で、泣きそうな声でこんなこと言われたら……無視できるわけないじゃないか……。
「だから、ボク全然怒ってないんだからね!!」
「……」
難儀な女だなぁ……。
「そうかい……」
「どこ、行くの……?」
「関係ないだろ。望が帰ってきたのに、ここで待ってる必要なんか無いんだから」
……これは少しウソ。
まったくそんな気がなかったというワケでもないが。
「お兄ちゃんが……ボクを……?」
一人で想像し、顔を赤らめる望。
しかしまぁ、馬鹿妹のこの目は眩しすぎ……。
「えへへへ……お兄ちゃん……」
何だかジワリジワリと近づいてくる望。
……もしかして、変なスイッチを入れてしまったのだろうか……。
「お兄ちゃん、ケーキ買ってきたんだよ。二人で食べよう!!」
「あ、あぁ……」
「ケーキ食べたら、二人でテレビ見て、二人で遊んで……」
「望……?」
「ね、お兄ちゃん?」
「あ、あぁ……」
「ありがとう。ボク、嬉しいよ!!」
「そうっすか……」
まぁ、そんなこんなで望に振り回されるクリスマス。
嘘も方便とはよく言ったものだけど……
この場合は良かったのか悪かったのかよく分からないなぁ……。
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0ch BBS 2004-10-30