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[第六弾]妹に言われたいセリフ

492 :夢ノ又夢 ◆7FqW82/Veo :2006/10/15(日) 21:30:57 ID:pih7j5Ps
「クラスの連中とボーリング、テスト明けにスカッとストレス解消という訳」
「・・・男友達と?」
「男も女も、だな」
「・・・そう・・・」

興味無しとでも言いたげな気の無い返事、それきりお互い言葉を交わす事もなく流れる沈黙の時間。
先程まで一人でいた時と同じ静寂が辺りを包み無機質な音だけが隣から聞こえる。
こうなってくるといよいよ以って弱いのは俺の方。
集中力の途切れない巴とは対照的に問題とにらめっこすればする程、俺の神経はヤスリの如く磨り減っていく。

「・・・くあっ、限界だ、巴、少し休憩を入れよう」
「疲れちゃったみたいだね、じゃ、そうしよっか」

両手を揚げて降参のポーズ、そのまま椅子を支えに後ろに反り返る俺。
姿勢の崩れない巴を横に窓に映る逆さまの月がぼんやりと目に入り、意識しないうちに深い溜め息が零れ落ちた。
なんというか、はっきり言ってこれはもう完敗。

「はぁ・・・ん?なんだこの写真?」
「何って、お兄ちゃん覚えてないの?」
「いや、覚えているような覚えていないような・・・」

今まで気づかなかったのも可笑しな話ではあるが机の上に整然と並べられた中の一つの写真に目が入る。
写真に写る見覚えのある二人の子供、というか俺と巴。
満面の笑みでピースをする俺と少し恥ずかしそうに俺の腕に引っ付く巴が映っている。

493 :夢ノ又夢 ◆7FqW82/Veo :2006/10/15(日) 21:33:06 ID:pih7j5Ps
「これはボクにとって特別な写真・・・お兄ちゃん、この頃のボクの将来の夢ってなんだったか覚えてる?」
「夢ね・・・なんだっけか?確か妙な事を言い出した記憶があるんだが・・・」
「ボクの夢はお兄ちゃんになる事、お兄ちゃんみたいじゃなくてお兄ちゃんそのものに」
「ああ!!完璧思い出した!!いきなり俺になりたいとか訳の分からない話をしてきたんだよな」

頭の上に浮かび上がる思い出に腕組みして懐かしむ、そんな俺を見て楽しそうに微笑む巴。
無邪気な頃の二人の声が耳の奥遠くに鳴り響いて部屋の空気がだんだんと明るくなっていく。

「あの時は驚いたよ、いきなり真剣な顔してどうしたらボクはお兄ちゃんになれる?だもんな」
「子供心に色々考えた結果だったんだよ・・・どうすればずっとお兄ちゃんといられるだろうって」
「俺と一緒に?」
「お兄ちゃんと一緒だとすごく楽しくて、一緒なら辛いことも寂しいこともなんでもなんとかなるって思えた」
「そ、そう?・・・まぁ、なんか年中引っ付かれてた気はするな」
「だから怖かったんだよ・・・もしお兄ちゃんを失ってしまったら・・・そう考えるとすごく怖かった」
「それでいっそ自分が俺になってしまおう、と」
「うん、ま、そんな事は当然出来なくてガッカリしちゃったんだけどね・・・ふふっ」

子供だった自分の幼さが今となっては余程可笑しかったのか巴に屈託の無い笑いが零れる。
いや待てよ・・・そいうや、巴が自分の事をワタシではなくボクと言い出したのも確かこの頃だった気が・・・

「あははっ、夢は儚く破れた訳か、残念だったな」
「ううん、そうでもないよ、お陰で気が付いたんだ・・・色々ね」
「色々、ねぇ・・・」
「そ、色々だよ」

目を細めて見詰める俺の隣で巴は写真を手に取りちょうど二人の間に置き換える。

494 :夢ノ又夢 ◆7FqW82/Veo :2006/10/15(日) 21:46:55 ID:pih7j5Ps
話はもう少し続きます、本当は一度に投下したいのですが続きの推敲が
まだ足りませんので忘れられない程度にちまちまといきます。
>481、482様
それが狙いと言いたい所ですが単純に上で述べた通りなので気長にお待
ち頂けると幸いです、も少し萌えられる話に出来る様、努力してます。
>遊星様
澪ちゃんカワイイですね、やはり天然と巨乳はセットでしょうw
妹メイド服を期待して待ってます。
葵ちゃんはいつも通りイイ!!
この二人のこそばゆい距離感が未だ出せずにいますよ、ホントに。
こういう萌える話がいつか書けたらなぁ・・・

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0ch BBS 2004-10-30