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[第三弾]妹に言われたいセリフ
- 853 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :04/12/29 23:00:56 ID:5r8Qp5XM
- 萌え。
- 854 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/30 19:48:23 ID:mZlxsNd/
- 寒いくらいの海風が強く吹き付けている。
海を見ていると、何かセンチメンタルな気分になる……ような気がする。
「あっ、兄さん。こんなところにいたんですか?」
「なぁ、未来。海って広いなぁ……」
「はぁ……」
「ときに未来よ。何故、俺たちは船なんかに乗ってるんだっけ?」
「え?私、言いましたよね?」
「ああ……忘れたかもしれない。教えてくれ」
「もう……」
───────────────────────
ルルルルルルル……
「はい、結城です」
未来が電話をとる。
「あっ、お父さん。お元気ですか?」
親父か……
「はい。えっ!?」
驚いてる……。
「ありがとうございます。嬉しいですよ!!」
喜んでる……なんだろ
「はい。ありがとうございました。兄さんに代わりますか?」
俺?
「ああ、そうですか。はい、さようなら」
親父に会話を断られた……話す事も無いが、なんかショックだ……。
そういえば、親父ははるか遠くで出張中。母さんも一緒ですよ。
「で、あの飲んだくれ親父、なんだって?」
「の、飲んだくれ……?」
「異論あるのか?」
「……無いですね」
「うむ。よろしい。で、あのビール腹中年男性がなんて?」
- 855 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/30 19:50:02 ID:mZlxsNd/
- 「……えーと、船のチケットを送ってくれるそうですよ」
「船?何故?」
「えっと……九州におばあちゃんが居ますよね?」
「ああ」
「もうすぐお正月なんですけど、今九州にいるみたいなんで……」
「バアさんの家で落ち合おうって訳か?」
「そうなんです!」
「うーん……でも、それなら、飛行機でもいいのにな?」
「そうですね。でも、すごく大きな船らしいですよ?」
「ふーん」
「楽しみですね?」
「うん、そうだな」
俺も乗り物は嫌いじゃないし、船酔いしやすいと言う訳ではない。
冬休みなどダラダラするためにあるようなもの。退屈している俺には、楽しみと言えば楽しみだった。
「あの……それで、兄さん……新しい服買ってもいいですか?」
「おぅ、未来ちゃんも結構女の子してるねぇ?」
「だって……やっぱり欲しいじゃないですか……」
「いいよ。買って来いよ。ただし、俺を萌えさせて見ろ!!」
「もえる?」
「いや……こっちの話だ」
───────────────────────
「……そうだったな」
「思い出しました?兄さんったら、もうボケですか?」
「いや……ホントに急な話だったからな。何か実感が……」
「確かにそうですね」
「そういえば、バアさんの家に行くんだよな?ヒロ姉ぇはどうしてる?」
「東京の大学に行ってるらしいですよ。だから、お祖母ちゃんの家にはいないんじゃないんですか?」
「ふぅん……じゃあ、サチ姉ぇは?」
「地元の企業に就職したって聞きましたけど……」
ヒロ姉ぇとサチ姉ぇは俺たちの従姉。俺の親父の兄の娘で、昔はバアさんの家に住んでいた。
はっきり言って憎らしい姉どもだ……まぁ、スタイルだけは良いんだが。
- 856 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/30 19:51:38 ID:mZlxsNd/
- 「じゃあ、会えるかもな」
俺が何気なく発した言葉に……
「そう……ですね」
どこか遠くを見ながら、何か呟くように応える未来。
「あっ!?もしかして、未来ちゃん妬いてる!?」
「そっ、そんなことないですよぅ!!」
「嘘だねー」
「嘘じゃありません!!」
「いいや!『大好きな兄さんが、サチ姉ぇにとられちゃう!!どうしよう!!』とか考えてたんだろー?」
「考えてません!!」
「ホントかなー?」
「ホントです……って、兄さん、泣かないで下さいよ……」
「泣いてないもん!!カモメが目に突き刺さっただけだもん!!」
「なんなんですか……その奇怪な言い訳は……」
「ホントだもん!!」
「はぁ……もう知りませんからね」
「なんだよ、もうちょっとノッてくれても……」
「そうじゃありません。もうお姉ちゃんとでも何でも、仲良くしてください」
冷たい口調でそう言って、どこかへ歩き去ってしまう未来……。
やっべぇぇぇ!!完全に怒ってるよ!!!
調子に乗りすぎたぁぁぁ!!!!!!
「あの……未来ちゃん……ゴメン、馬鹿なこと言って悪かったよ……」
「兄さんが謝る事はありませんよ」
……ぬぅ、次の一言が思いつかん。
そんな感じで、何も話しかけられないまま、俺たち二人の船室の前まで来てしまう。
「ちょっ!!待てよ!!」
「ごめんなさい。ちょっと眠くなってしまいました」
一言で俺を突き放し、部屋に入って鍵を閉めてしまう。
……どうしたもんかねぇ。
つーか、閉め出された!!
- 857 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/30 19:52:56 ID:mZlxsNd/
- こんばんは。
粘着力だけは一人前。遊星より愛を込めてです。
実はコレ、正月の話に発展していくのですが……。
連投規制のせいで、長い文章を一回で貼るのがかなり面倒臭いので……。
正月を迎えた気持ちで読んでください。
- 858 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/30 20:35:26 ID:AMjpbEmx
- GJ!
- 859 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :04/12/30 20:52:26 ID:E5lUq+NZ
- がんがってね。
- 860 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/31 00:24:07 ID:8akdgAQ+
- かなり昔のことだけど、夜中に妹が通知表の成績が悪いっていう理由で叱られてた。
たまたまトイレに行こうとしていて、偶然聞いちゃったんだよね。戸もかすかに開いてたし。
戸の隙間からこっそり覗くと、親父に激昂されて立ちながら泣いてる妹が見えた。
当時、俺と妹はあまり仲がよくなかった。親は俺ばかり甘やかして妹には厳しかったから。
だから、朝起きて俺が「おはよう」とか言っても「おはよ」とか素っ気無いもんだった。
そんな妹が泣いてるのを見て、なんかカッときた。今まで生きてきた中で一番ムカついた。
- 861 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/31 00:24:56 ID:8akdgAQ+
- 俺は戸を開けて中に入って、「なにやってんだよ!!」って怒鳴った。
親は突然の乱入者に驚いて固まり、妹はぽかんと俺を見た。
「どんなことだって本人が一番反省するに決まってるだろ!!」
……と吐き捨てて、妹の手を掴んで部屋から連れ出した。そのまま自分の部屋に戻った。
鍵をかけてもう一度妹を見たら、小さな肩をガタガタ震わせながら「ぅぅぅ…」とか言ってんの。
なんか自然に体が動いていて、気づいたら抱きしめて頭を撫でてた。
結局その日は妹と同じ部屋で寝て、翌日、親が謝ってきた。
- 862 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/31 00:26:36 ID:8akdgAQ+
- 最初に言った通り、かなり昔のことなんだけど、いまだに覚えてんだよね、あいつ。
その時からものすごく仲良くなった。何の用事もないのに部屋に来て、
「へへ〜」とか言って人のベッドの上でごろごろしてんの。
「なに?」とか訊くと「んー?なんでもないよー」とか言って笑って誤魔化される。
その時だよ。
別にシスコンとかロリコンとかじゃなくて、ずっと妹を守りたいって思った。
純粋にずっと笑っていてほしいって思った。
……今年の初詣はふたりで行こうと思ってる。どうせ毎年向こうから誘ってくるし。
長くなったけど、これで終わり。なんかあったらまた書き込む。
- 863 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :04/12/31 00:50:14 ID:G4NQY4WZ
- あんた・・・・兄貴だよ・・・・。
- 864 : ◆LS6RgCUyNA :04/12/31 01:29:02 ID:aKzfsC4z
- 昨日帰ってきて、今日ネット復帰して大掃除。(もう1日ずれてるけど気にしない)
帰ってきましたよ。
明日(今日)書けると思います。ただ大掃除が半分しか終わってないんで(実家ってつらいね)出来ない可能性もありです。
ただ、できるだけ書くようにします。(もう話はほとんど出来てますんで)今日は大掃除疲れと明日の初詣に備えて寝ます。
- 865 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/31 06:38:22 ID:ObHDHGv+
- >>860-862
あんた、カッコいいよ……
- 866 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:52:10 ID:ObHDHGv+
- 「ねぇ、未来……もう浮気しないから許してー!!」
ドア越しに未来に話しかける。
「……」
「俺が悪かったからー!!」
「大きな声出すのは止めてください。恥ずかしいんで」
……一言一言がキツい。
「いや、もうホントに悪かったって!!」
「本当にそう思ってます?」
「思ってる!!」
「ウソですね」
「何でそう思うんだ?」
「服……」
「服?」
「三時間も迷って買ったのに……一回も褒めてくれてない……」
拗ねてるー!!可愛いー!!!!
「……え?」
そういえば、新しい服買ったんだっけ……。
でも……どんな服だっけか……。
「そりゃあ……ちょっとタイミングをだな……」
「じゃあ、さっきどんな服着てたか言えますか?」
「ゔ……」
「やっぱり……」
「ほ、ほら……未来は何を着ても可愛いから……」
「今日はその手には乗りませんよ」
「……」
あぁ、どうしよう!!
「未来……頼むからもう一回だけチャンスをくれ!!」
「……お断りします」
「いや……一生のお願いだ!!もし、未来が満足しなかったら……」
しなかったら……何も考えてない……。
「しなかったら……?」
- 867 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:53:09 ID:ObHDHGv+
- 「何も思いつかんし、海にでも飛び込むか」
「だ、ダメですよ!!」
「じゃあ、どうしてほしい?」
「分かりました……それは後で考えましょう」
「えっ、じゃあ、いいの?」
「仕方ありません。ただし……一回だけですからね」
「うん。感謝するよ」
ちょっと躊躇いながら、部屋に入る。
そこに立っていた未来を、とりあえず、嘗め回すように全身を見つめる。
……ん?
……ふむふむ。
「未来!?とりあえず、言いたい事があるんだが!!」
「な、何です?」
「スカート短くないか?」
はっきり言って、未来がこれほど短いスカートを穿いているのは見たことが無い。
例えて言うなら……見えそうで見えないぐらいの長さ。だが、それがいい……。
つーか……未来ちゃんの生足〜♥長ぇー!!細ぇー!!白ー!!
「えっと……どうですか……?」
「どうって……そそられるね」
「な、何ですか、その褒め方は……」
「ミニスカートも似合ってるよ。未来ちゃん、足キレイだし」
「そ、そうですか?」
うん。何度見ても美脚だ。
「うん。いくら校則が厳しいからって、制服のスカートもそれぐらいにしたらいいのに」
「嫌ですよ……」
「ま、未来は優等生だからねぇ」
「違います……」
「まぁまぁ、謙遜するなって」
- 868 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:54:05 ID:ObHDHGv+
- 「そうじゃありません……。えっと……だって、スカート短いと……見えちゃうじゃないですか……」
「ああ。パン……」
「そ、それですっ!!……だから……兄さん以外には見せたくないかな……」
「……ん……?つまり、俺には見せたいと?」
「いっ!?いやっ!!そういうわけじゃなくて!!えっと……兄さんは、兄さんだしっ!!だから……!!」
未来が手を後ろで組んで、頬を赤らめて、俯いて、モジモジして……可愛いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!
「しかし……俺も、こんな可愛い未来ちゃんに気付かなかったとはねぇ……」
「あ……やっぱり……」
「ん?何が?」
「この服……さっき着替えたばっかりですよ?気付きませんでした?」
「やはりそういうことか!!いやさ、何か違和感あるとは思ってたんだよ」
「本当ですかぁ?」
「うん。確か……さっきはスカートじゃなかったよな?あと、セーターも色がちょっと違うな……?」
「あれ……?忘れてたんじゃ……」
「うん。結構覚えてるもんだねぇ。いや、でも、あれも未来ちゃんらしくて似合ってたよ?」
「はぁ……兄さんには敵いませんね……」
「思い知ったか!!」
「はい……。やっぱり……姉さんたちには取られたくないです」
何処か虚空を見ているものの、しっかりとした口調。
つーか、やっぱり嫉妬してる……こいつは一気に攻めるチャーンス!!
「やっぱり、不安?」
「ちょっと……」
「じゃあ……」
左手で軽く肩を抱いてやる。
「俺は、未来だけしか見てないから。安心してよ」
「にぃさん……」
- 869 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:54:51 ID:ObHDHGv+
- 「今日は嫌がらないんだな?」
「……二人きり……だから……」
うむ。いい雰囲気。
……チャンスじゃん♪
「てぃ!!」
右手で未来のスカートを捲ってみる。
この体勢では肝心の中の物は見えませんけど。
「きゃっ!?」
顔の赤い未来はスカートを押さえながら、俺から飛び退く。
うむ、こういう行動もまた可愛いねぇ。
「うんうん。予想通り、可愛い反応だ」
「な、何するんですかぁっ!!!!!!!!!」
「いや、一度やってみたかったんだよ、スカートめくり」
……断っておくが、いくら俺でも、そこまで思っちゃいない。
「ええぇぇぇぇっ!?」
「成る程、スカート捲りをするのは、女の子が恥ずかしがるのを見て楽しんでるからと言うが……真実だな!!」
「もう……変態みたいな事言わないで下さいよ……たかがスカート捲りと言えども、立派な犯罪ですからね!?」
「妹だからいいんじゃないの?」
「妹でも犯罪です!!」
「あ、そうなの?……ま、でも、未来ちゃんは嫌がってないから犯罪は成立しないよね?」
「何を言ってるんですか!?嫌ですよ!!」
「そうかなぁ?」
「そうです!!」
でも、態度からすると、あながち嫌って訳でもなさそうだけど……
- 870 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:55:42 ID:ObHDHGv+
- 「まぁ、いいよ。さぁ、飯の時間までまだ時間あるし、未来ちゃんを自慢しに行こうか」
「えぇっ!?外に出るのは恥ずかしいですよ!!」
「それじゃ何のための服なんだよ!さぁ、行く行く!!」
未来の手を掴んで、強く引っ張る。
「あぁん!!に、兄さん、待って下さい!!」
「待たん!!」
「お願いですから、せめてスカートだけでも……」
「ダメ。可愛いんだから、自信持ちなさい!!」
あくまで抵抗を試みる未来を、全力で部屋から引っ張り出し、ドアを閉める。
「……もう、ムリヤリなんだから……」
「ま、気にすんな。さぁ、デッキにでも行こうか?」
「セクハラですか……?」
「何で……?」
「だって……風、強いじゃないですか……」
「大丈夫。どうせ誰もいないから」
「そういう問題じゃありません!!」
「まぁ、気にするな。別に未来ちゃんのパンツ見ようって訳じゃないから」
「じゃあ、何でですか!?……理由によっては、今晩外で寝てもらいますからね!!」
「最近忙しかったからなぁ、なんかのんびり海でも見てたい気分なんだよなぁ……」
「ふぅん……兄さんでもそんな時があるんですね」
「何だよ、その言い方?」
「いや、別に。いつも無駄に元気良いから、意外だなって思っただけです」
「惚れ直した?」
「何言ってるんですか……さ、行くなら行きましょう?」
「ああ、そうだな」
まだまだのんびりと船旅は続く……。
そういえば、未来と俺、部屋同じだけど……今夜大丈夫かな……。
- 871 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/12/31 20:56:40 ID:ObHDHGv+
- >>860-862様の素晴しい話の後で、こんな物を貼るのも気が引けるが……
自分もあまり時間が無い身故、お許し願いたい。
大晦日の夜だが……この話の時間設定は、一月二日から三日にかけての話のつもり。
ただ……ホントに書きたいものを書いただけなので、こんな船が実在するのかどうか……。
- 872 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :04/12/31 20:58:48 ID:G4NQY4WZ
- どっちも兄貴だよ・・・。
- 873 :No.2 :04/12/31 23:33:12 ID:1tKFQDNj
- お久しぶりです
前スレがdat落ちして、HTML化される予定がないようなので
過去ログ倉庫をつくりました
http://www.geocities.jp/mewmirror9/
では、よいお年をお迎えください
- 874 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/12/31 23:34:17 ID:E/v9ZGdK
- >>873
貴様に今年最後の「よくやったよ!!最高だ!!」を授けよう。
- 875 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :05/01/01 00:33:18 ID:Ju7b0EMj
- あけました。
今年もお兄ちゃん、お姉ちゃんがたにとっていい年でありますように。
- 876 :@引T ◆LS6RgCUyNA :05/01/01 00:48:13 ID:+k0Xuz6e
- 公開プロキシに通しても無いのに引っかかってた◆LS6RgCUyNAです。
トリップだけじゃ呼びにくいと思うのでHNつけました
@引Tでアップルティーとお読みください。(何でそうなるのかはわかると思いますが)
と言うことでかけなかったので今から書きたいところですが初詣帰りの疲労と明日から親戚が来てドンチャンに備えて寝ます。
そんなことで親戚来てリビングでドンチャン⇒PCリビング⇒小説かいてる暇なし。
よってしばらくかけませぬ。ご勘弁を。
4日以降には必ず。ハイ
- 877 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/01 19:35:30 ID:Q1JlFlbO
- 正月である。
我が家の場合は家でのんびり……というワケには行かず、毎年九州の祖母の家に行く事になっている。
俺たちは無事両親と九州で落ち合い、祖母の家で宴会などを楽しんでいる。
つなみに、ヒロ姉ぇは海外へ行ってしまったらしい。一安心と言うか、なんと言うか……。
……しかし、未来ちゃんの周り、心なしか人が多いような……。
と言っても、酔ったオッサンばかりなワケだが……。
未来ちゃんのうんざりした顔を見た俺はその人々の間をすり抜け、未来ちゃんの隣に座る。
「よっ!楽しんでる?」
「そう見えますか……?」
未来ちゃんが俺に耳打ちする。
「……見えないね」
「はぁ……勘弁してほしいですよ……」
「美しさは罪ってやつですかね?」
「全く……兄さんまで。冗談は止めてくださいよ」
相当参ってるな……未来ちゃん……。
「でも、チヤホヤされるのって悪い気分じゃないだろ?」
「まさか……。だって……私……」
未来ちゃんが口篭る。
「どうしたんだよ?」
「触られたんですよ……その……お尻を……」
俺の耳に近づけられた未来の顔から熱が伝わってきて、未来がまた真っ赤になっている事が分かった。
ついでに……俺の頭も怒りで真っ白に……。
「……おい、未来……どいつだ……!!」
「えっ……?」
「未来にそんなことしたのは、どの酔っ払いだ……!?」
「突然だったんで……ちょっと分からないですけど……」
「じゃあ片っ端から狩るか……!!」
「め、目が本気ですっ!?」
「大丈夫だ……命は取らん……」
「に、兄さんっ!!私は気にしてませんからっ!!だから、落ち着いて!!」
- 878 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/01 19:36:25 ID:Q1JlFlbO
- 「大事な妹の大事な部分を触られて、そう簡単に落ち着けるかぁっ!!」
「に、兄さん!!声が大きいですっ!!」
「俺も触りた……もがっ!!!」
「ああ、もう!!兄さん、ちょっと来てください!!」
───────────────────────
「頭冷えましたか?」
使っていない部屋。
俺は未来に無理矢理引っ張られて、ここに来た。
「うん……面目ない……」
「まったく……今日のは冗談になりませんよ……?」
「分かってるよ」
「昔から、兄さんは頭に血が上ると手がつけられませんからね……」
「だってよぉ……」
「だって。じゃありませんよ。向こうは酔ってるんですから」
「じゃあ、未来は我慢できるのって言うのかよ?」
「そりゃ……嫌ですけど……怒ってもしょうがないですよ……」
もう諦めたと言う様子の未来……。
「じゃあ、未来は我慢できるってのか!?」
「仕方ないじゃないですか……反抗なんて出来るわけないですし……」
「好きでもないヤツに体触られて……嫌なんだだろ!?」
「だから、言ってるじゃないですか……我慢するしかないんです……」
未来の悲しそうな顔……。
未来は、真面目で大人しいほうだから……
何もいえなくて、じっと我慢してるのが簡単に想像できて……。
やっぱり、俺は……未来のこんな悲しい顔は見たくないなぁ……。
- 879 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/01 19:37:44 ID:Q1JlFlbO
- 「分かった……。仕返ししてやろうなんて、もう思わないよ」
「……」
「だから、今からは俺が未来ちゃんを守る事にする」
「兄さん……」
「もう二度と、未来に嫌な思いはさせない……これならいいだろ?」
……ちょっとキザだったかも……。
つーか、言ってるこっちが恥ずかしいんだけど……。
「……はい!!嬉しいです!!」
未来に笑顔が戻る。
未来の笑顔を見るのは、凄く久しぶりのような気がした。
「さ、戻ろう?まだ、食い足りないんだ」
「はい!」
そういって、ドアを開け、廊下に出ると……
「うおっ!?未来、何してるんだ!?」
未来が俺の腕に抱きついてきた。
……まさか、未来ちゃんの偽者!?
「だって……兄さんは、私を守ってくれるんですよね?」
「そりゃそうだけど……。母さんも父さんもいるんだぞ!?」
「いいじゃないですか。それよりも、早く行かないと、料理なくなっちゃいますよ?」
「ま、まぁ……そうなんだけどさぁ……」
未来が……壊れた……。
もしかして……酔ってるのかな……。
「だって……兄さん、私を守ってくれるんじゃないんですか……?」
ギャー!!!見上げるないで!!!上目遣いは可愛すぎるってば!!!
「は、はは……参ったな……」
「♥」
皆さんも妹を大切に……。
- 880 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/01 19:39:11 ID:Q1JlFlbO
- うん。>>860-862様とネタが被ってます。
いや、パクリじゃないんです。パクってもしょうがないですし……。
貼るのやめようかと思ったんですけど……第一回目を貼っちゃった後だったし……。
でも、それほど>>860-862様は自分の理想の兄貴像に近かった。ということだけは知っておいて貰いたいです。
- 881 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/01 22:13:53 ID:ucFqFCDv
- 神だ…。
- 882 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :05/01/01 23:05:42 ID:Ju7b0EMj
- 兄神様。
- 883 :@引T ◆LS6RgCUyNA :05/01/04 10:49:45 ID:6AN8BhqX
- 長らくお待たせいたしました。連日連夜のドンチャンで疲れ気味の@引Tです。
では本編
「アシカ見に行くぞー。で、どこでやるんだアシカショー。」
「えっとね。こっちの道をまっすぐ行って突き当たりを右だよ。」
「あと10分しかないんだ。急ぐぞ。」
「だから走らないでってば。お兄ちゃん。もう」
「これだな、アシカショーはここだろ。」
「う、うん。お兄ちゃんが走ったせいでもう疲れたよ。」
「ごめんごめん。こっちも楽しみだからつい、な。」
「やっぱ楽しんでるんだ。」
「いいだろ別に。水族館だって久しぶりなんだから。」
「へへへ。よかった。」
「ん?何が?」
「あの、ね。私が無理矢理誘ったりしてお兄ちゃん困ってたり怒ったりしてるんじゃないかって思ってたんだ。」
「そんなこと無いって。俺は、ゆきに服かってもらって嬉しかったし水族館だって、そりゃぁちょっと疲れるかなくらいは思ったけど、でも楽しみだったし。」
「よかった。私ちょっと心配だったんだ。」
「だいじょぶだって。俺そんなこと思ってないから。つーか時間。速く入るぞ」
「そうだそうだ。早く入ろう。」
「あれ?お前泣いてんのか?もうだいじょぶだから泣くなって。」
「うん。ありがと。あ、一番前の席開いてるよ。すわろ。」
「おう」
- 884 :@引T ◆LS6RgCUyNA :05/01/04 11:13:03 ID:6AN8BhqX
- 「もう始まるね。」
「あぁ。楽しみだよ。」
「はじまったよ。あ、アシカがボール乗っけたまんま出てきたよ。」
「おぉ。移動も出来んのか乗っけたまんま。」
「アシカってやっぱすごいよね。」
「あぁ。お、係の人とキャッチボールしてるぞ。」
「あれってキャッチボールなの?」
ボールを乗っけては返し乗っけては返ししているんだがまあキャッチボールかどうかは微妙である
「このアシカのトトちゃんとキャッチボールしてみませんか?では、そこのお子さんどうでしょう。」
「ほら、やっぱりキャッチボールじゃんか」
「それどころじゃないって。うまく投げられない子供でも出来るのかな?」
「できるんじゃん?」
「あ、ほんとだ。出来てる出来てる。」
「すっげーなやっぱアシカって。」
「本日は最後までのご観覧とご声援ありがとうございました。」
「あ、終わったね。」
「終わったな。すごかったなアシカ。あ、そういえばどこ行く?次」
「この近くにある建物で熱帯魚見れるみたいだから見よ。」
「いいぜ。じゃあ行くか。」
だめだ。ねみぃ。寝る。また今度を待ってくれや
- 885 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/04 16:01:31 ID:dV3foUi5
- 妹が風邪で学校を休んでいました。兄もショックです。
テレビには、終始投げやりに司会を進めるタモリが映し出されています。
妹と目が合いました。まず汗をかいたパジャマを脱いでください。無抵抗ですか。
お兄ちゃんがシスコンなのを忘れるほど発熱しているんですね。
床に投げ出された体温計が、なおも妹脱衣ショーで3分経過とピーピー鳴き蠢いています。
笑って安心させようたって駄目です。しかし葛根湯を選んだセンスは評価したい。
いま妹がご就寝されました。妹の寝顔に兄もそっとでこちゅうです。
- 886 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/05 00:23:26 ID:fEQI9faX
- 世界のSONY赤っ恥社員が勤務中に精を出す「セックス相手」募集
http://news13.2ch.net/test/read.cgi/news/1104815617/
他社製品を貶し続け、自社製品を褒めるという情報操作を繰り広げてきた
ソニー直属の自作自演工作員、通称GKの悪行の一部が
ついにマスコミと2チャンネラーの手によって白日の下に晒された!
集えソニーに苦しめられてきた消費者よ!
聖戦はまだ始まったばかりなのだ!!
【ゲートキーパーズ悪行まとめ】
http://perape.sakura.ne.jp/memo/001/1218_gatekeeper.htm
【Sonny祭りのまとめサイト】
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1030/
関連スレ
PSP欠陥・初期不良とソニー社員による他社製品中傷に関する問題★63
http://news13.2ch.net/test/read.cgi/news/1104755382/
- 887 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/05 02:09:19 ID:24pGpn9j
- 待つ。
- 888 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:20:22 ID:aGef6N1A
- あ゙〜!!
古文ってのは、どうしてこんなに面倒臭いんだ!!
明日提出の課題を終わらせるため、俺は眼鏡をかけ、辞書とシャーペンを持って、テキストの前で唸っている。
数学や物理なら得意なのだが……国語は苦手。典型的な理系だった。
コンコン。
ノックの音が聞こえる。
「どうぞ?」
「失礼します、お兄さん」
軽くお辞儀をしながら、妹の千奈が入ってくる。
「勉強、お疲れ様です」
「あぁ、大変だよ」
俺は椅子を回転させて、体全体を千奈に向ける。
「あっ、お兄さん……ソレ……」
千奈が俺の顔を指差して、言う。
「ああ、眼鏡のことか?頭良さそうに見えるだろ?」
「はっ、はいっ!!似合ってます!!」
冗談のつもりだったのに……。まぁ、いいか。
「でも、いつの間に……?」
「前から軽い近視なんだ。まぁ、勉強には全然関係無いけどな」
「そうですか?でも、いつもと違って感じで……あの……か……か……」
千奈が言葉を詰まらせ、俯く。
「ゴメンなさい……なんでもないです」
「ああ、そう……そういえば、千奈は宿題はいいのか?」
「宿題ですか?今日の分は終わりましたよ」
ちゃんと計画立ててるんだなぁ……。流石千奈と言うか……。
「そうなのか。ところで、親父はどうしてる?気配がないけど……」
- 889 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:21:42 ID:aGef6N1A
- 「旅行に行きましたけど?」
「旅行ぉ!?何で!?」
「お母さん……旅行がすごく好きなんです」
「へぇ……」
「でも……お父さんが亡くなってから、ほとんど行けませんでしたから……」
「そっか……」
そうだった……千奈と唯奈のお父さんも……
「変な話をしてすいませんでした……」
「いや、こっちも変な話して悪かった。で、話が大分逸れたが、何か用があったんじゃないか?」
「あっ!忘れてました!!えっと……暇だったから……シフォンケーキ、焼いたんですけど……お茶にしませんか?」
「ケーキ?千奈が?」
「はぃ」
「おぉ!!食べたい食べたい!!」
「ふふっ。じゃあ、準備してきますね?」
「あぁ。ところで……唯奈は?」
「勉強してますよ。そうだ。ちょっと呼んで来てくれませんか?」
「ああ、いいよ。先に行ってて」
「はい」
千奈が階段を下りていく音を聞き、俺は眼鏡を外して唯奈の部屋へ行く。
俺は唯奈の部屋のドアを軽くノックをして、しばらく待つ。……が、返事は無い。
「おい?唯奈?」
名前を呼んでみても、やはり返事は無い。
「入るぞ?」
一応の確認。
まぁ、多分聞こえてないと思うけど、しておいたほうが気分的には安心だ。
ドアを開けると、机に突っ伏している唯奈の姿。
「唯奈……!?」
「……」
ココまで来ても、まだ返事が無い。……まさか!?
「おい!!唯奈!!しっかりしろ!!」
俺は唯奈の肩を揺すり、強く名前を呼ぶ。
- 890 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:23:05 ID:aGef6N1A
- 「んぅ?……お兄ちゃん……?いたの……?」
唯奈が意識朦朧といった感じで、ムクリと起き上がる。
「唯奈!?大丈夫なのか!?」
「うーん……大丈夫じゃないかも……」
「一体どうしたんだ!?どっか痛いか!?」
「うん……頭が痛いよぅ」
「頭か!?」
「うん……全然分からないんだよぅ……」
「分からない?何が!?」
「何が……って、数学だよ……?」
「スウガク……?」
「うん。宿題が全然分からないの……」
「は……宿題?」
「そうだよ?」
「もしかして、宿題が分かんなくて、倒れてただけ?」
「う、うん……エヘヘ……」
なんだ……勘違いかよ……。
って言うか、勉強ダメなんだ、見かけ通り……。
「あっ、そうだ。千奈がケーキ焼いたから、お茶にしよう。って」
「ホント!?食べる食べる〜!!」
「美味いのか、千奈のケーキって?」
「美味しいよ〜!!あのね、文化祭のときに焼いたケーキ一切れが千円で裏取引されたこともあるんだって!!」
「誰にだよ……」
「千奈ちゃんのファン」
「いるんだ……」
「うん、結構いたよ。でも、本人は全然気付いてないみたいだから、千奈ちゃんにはナイショにしてね?」
「ああ」
なんか、思わぬところで妹の過去を知ってしまった……。
まぁ、千奈なら妙に納得というかなんというか……。
「ま、それはそれとして。早く行こう。ケーキは温かいほうが美味いだろ?」
- 891 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:24:13 ID:aGef6N1A
- 「う、うん……ねぇ、あのさ……」
「何?」
「ケーキ食べたら、唯奈に勉強教えてくれないかな?」
「どうしようかな……。俺も課題があるし……」
「あっ、無理なら……いいんだよ?」
「いや、構わない」
「えっ!?いいの!?」
「ああ、数学は得意科目だからな」
「わーい!!お兄ちゃん、ありがとう!!」
「いいっていいって。さぁ、千奈が待ってるぞ?」
「うん。行こう〜」
───────────────────────
「遅かったですね、お兄さん」
「ああ……悪い。唯奈が紛らわしい格好で寝てるもんだから、ちょっと……」
「ぶぅ!!唯奈寝てないよぉ!!」
「結果としては、どちらも変わりはないんだがな」
「そうだけどぉ……」
「ふふっ、相変わらず仲がよろしいですね?」
「確かに。ボケなしではツッコミは成り立たないからな」
「え〜!?唯奈がボケ〜!?」
「だよな?」
千奈に話題を振る。
「……ですね」
千奈は冷静に答えた。
「ヒドいよ〜!!千奈ちゃんまで〜!!」
「まぁまぁ……。それは置いといて……食べましょう?」
「そうだね」
俺はテーブルの上に置いてある皿を千奈から受け取り、一口食べてみる。
おっ、美味い。
難しいことはよく分からんが、とにかく美味い。
- 892 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:25:08 ID:aGef6N1A
- 「あの……お兄さん……どうですか?」
千奈が不安そうに尋ねる。
「ああ、美味いよ。驚いた」
「そうですか!?嬉しいです!!」
「うん。千奈ちゃん、おいしいよ〜」
「ありがとう。唯奈ちゃん」
千奈は本当に嬉しそうだ。いや、幸せそうと言った形容が一番しっくりくる。そんな微笑だった。
そんな千奈を横目で見ながら、どんどん消えていくケーキ。
そして、気がついた時には、ケーキはもう既になくなっていた。
「いや……ホントに美味かった。千奈、また作ってくれるか?」
「はい。喜んで」
千奈に微笑を投げかけていると、同じく食い終わったらしい唯奈が騒ぎ出す。
「さあ、お兄ちゃん。勉強行くぞ〜!!」
「あ、ああ……じゃあな、千奈」
「何処に行くんですか?」
「あのね、唯奈ね。お兄ちゃんにね、数学教えてもらうんだ〜!!」
唯奈は自慢のつもりは無いのだろうけど、千奈は羨ましそうに……
「……いいなぁ……」
そう呟く。
「千奈ちゃんも一緒にやればいいよ〜。ね?お兄ちゃん?」
「ああ、別に構わないけど……」
「えっ!?いいんですか、お兄さん!?お邪魔じゃありませんか!?」
「あ、ああ……全然」
「ありがとうございます!!じゃあ、私、準備してきますから!!」
「うん、準備できたら俺の部屋に来てよ」
「はい!!」
「唯奈もな」
「うん。行こ、千奈ちゃん」
「うん」
さてさて、俺の腕の見せ所って訳だ。
───────────────────────
- 893 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:26:07 ID:aGef6N1A
- 「お兄ちゃん、お待たせ〜!!」
「お願いします、お兄さん」
千奈と唯奈が、一緒に俺の部屋へやってきた。
「おぉっ!!お兄ちゃんがメガネだー!!」
唯奈が俺の顔を見るなり、俺の眼鏡を指差して、大声を出す。
「ああ、眼鏡だな」
「すごーい、頭よさそ〜!!」
「はは……」
俺は苦笑いをしながら、眼鏡を上げる。
「ねぇねぇ、千奈ちゃんは知ってたの〜?」
「うん。私もさっき見たんだよ」
「いつもカッコいいけど、こういうのもカッコいいよね〜?」
「う、うん……」
一応、声のトーンは落ちているものの……何で俺の聞こえてる前でこういう事を言うかなぁ……。
しかし、俺はそんなに格好良いワケではないと思うんだけど……。
「ま、まぁ、勉強始めようよ」
「うん」
「はい」
兄妹三人、小さなテーブルを囲んで勉強を開始する。
「お兄ちゃん……教えてー」
俺がテキストを開くとすぐに、唯奈が俺に質問してくる。
問題を見ると……数列か。これなら楽勝だな。
「ん?ああ……まず、まず、数列Anは等差数列で初項が2。第六項が17だろ?」
「……」
「だから、公差をdとすると、17=2+(6−1)dよりd=3」
「……」
「つまり、数列Anの一般項は、An=3n−1」
「……」
「よって、公式より、数列Anの初項から第十一項までの和は187となる。……分かるか?」
「……全然ダメ〜!!お兄ちゃん、初項とか等差数列とか、難しすぎるよ〜!!」
- 894 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:27:06 ID:aGef6N1A
- 「おぇ!?もしかして……唯奈?等差数列がどんな物か、分かってない?」
「ふぇ?聞いたこと無いよ?」
「ダメだ……唯奈を見くびっていた……。数列の基礎を一から教えねば……」
「ふふっ、お兄さん。頑張ってくださいね」
俺と唯奈のやりとりを黙って見ていた千奈が俺に声をかける。
「あぁ……」
千奈の言葉に力なく答える。
「ところで、お兄さん……この英文の訳し方を教えて欲しいんですけど……」
「ああ。えっと……コレは仮定法のifの省略だな。つまり、この『Had』以下の文を仮定として訳すんだ」
「へぇ……全然知らなかったです……。お兄さん、スゴイですね……」
「偶然だって」
「そうですか?そんな謙遜しなくてもいいですよ?」
「そうだよ〜?お兄ちゃん、難しい言葉いっぱい知ってるしね〜?」
唯奈の場合は……。まぁ、黙っておこう。
「いや……そこまで大層なモンじゃないけど……」
「だから、お兄さん。そんなに謙遜しないで下さい」
「えっ……?」
「どんなに面白い先生の話よりも……私には……兄さんの言葉のほうが興味をもてますから……」
「唯奈もー!!」
「だから、自信を持ってもいいと思います。少なくとも私……いえ、私たちは、お兄さんを尊敬してますよ」
「そうそう。唯奈、バカだから、お兄ちゃん、スゴイと思うよ?」
「……」
「さぁ、続けましょ。みんな頑張ったら、私、また、お菓子作りますから」
「ああ。で、今度は何を作ってくれるんだ?」
「そうですねぇ……何にしましょう?」
「楽しみだな」
「ねぇ……お兄ちゃん、早く教えて〜!!」
「はいはい……えっと……何から説明しようかな……」
「は〜い。お兄ちゃんせんせぇ」
「ふふっ……唯奈ちゃんも頑張ってね」
どっかに行くわけでもないが、ま、こういう日もいいんじゃないか?
- 895 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/06 21:28:10 ID:aGef6N1A
- そのうち俺のレスは永久欠番になります。遊s(ryです。
今回は、人気の無い俺のSSの中でも、更に人気の無い(ような気がする)双子の話。
ま、所詮、ドングリの背比べだけど。
話の進行には全く関係ないけど……数列の計算間違ってないよなぁ……。
- 896 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/06 22:00:54 ID:hVHs8tiq
- いんや、オレわどの話よりもこの双子モンが好きさぁー!!!頑張ってくだされっ!てか双子の続きを……。
- 897 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/08 01:47:25 ID:G5Ki8hyV
- 最近は遊星さん=未来ちゃんて感じだったから、一瞬新シリーズかと思ってしまったよ
しかしこちらの双子もイイ。期待してるからガンガレ!
- 898 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/09 01:12:44 ID:1FpRHODH
- 「遺産相続のお金お兄ちゃんにあげるよ」
言われたらハァハァしちゃいそうだ
- 899 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :05/01/09 02:08:15 ID:qs7qcKvJ
- 717 名前:名無しさん@非公式ガイド 投稿日:05/01/08 23:38:04 ???
63 名前:名無しさん@非公式ガイド 本日のレス 投稿日:05/01/08 22:53:12 ???
「お兄ちゃん、朝だよー、起きてー」
「む・・・お前なんで休日に起こすんだよ・・・・」
「だってお兄ちゃんといっぱい遊びたいんだもん」
「・・・・・・・(萌え)」
64 名前:名無しさん@非公式ガイド 本日のレス 投稿日:05/01/08 23:01:36 ???
「じゃ、起きてね」
「はいはい」
「・・・・・・」
「・・・・・・何だよ?」
「お兄ちゃん、勃起してるよ?」
「ぶはっ、ナニを言い出すんだお前は!?」
「やーらしんだー♪」
「朝なんだから仕方ねーだろっ」
後は頼む・・・・・ぐはっ
- 900 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :05/01/09 02:08:51 ID:qs7qcKvJ
- 718 名前:名無しさん@非公式ガイド 投稿日:05/01/08 23:52:09 ???
「おにいちゃん朝だよ早く起きろー!」
「・・・まだ7時じゃないか」
「起きろってば起きろー!」
「・・・るせーぞまだ起きねーよ」
「もぞもぞ」
「・・・ん?」
「もぞもぞ」
「・・・っばっかそこは」
「別のところは起きてるくせにー!」
「・・・るせー」
「キャハハ!」
以上、コピペ。
- 901 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/09 18:42:42 ID:AYyuVGEy
- 俺には妹が居る。いや、居た。
昔から明るくて成績は俺と同程度のバカチンだけど
人望はあった。
いっつもニコニコしてて、友達の悩みを聞いてあげたり。
俺もよく相談に付き合わされた。
ある日、妹は病気にかかった。
なんてことは無く、一ヶ月もすれば完治すると聞かされた。
妹が倒れたって聞いてすっとんで病院まで行ったが、その話を聞いて
俺は胸をほっとした。
だからこそ信じられないんだ。妹が死んだのは。
妹は死んだ。死ぬはず無いのに死んだ。
医療ミスだって。投薬量を間違えたんだって。
頭にきた。なんで死なないといけないんだよ。
投薬量のミスだって。ふざけてるよ。
そんなので死んだ妹がとても浮かばれなく思った。
葬式で、妹の体をふいてあげた時
こんな話すると「うそっぱち」とか「作り話」とか言われるかもしれない。
けど、体をふいてあげた時、聞こえた気がするんだ
「いままでありがとう」って
その時、こらえてた涙がメチャクチャあふれて、周りに親戚が居るんだけど
大声あげて泣いてしまった。
妹の旦那さんに背中をさすってもらった。
彼の手は震えていた。
- 902 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/09 23:14:59 ID:xCsSuM2a
- >>901
作り話だったら感動的だけど
実話だったら悲しすぎて俺からは何も言えない・・・
もし俺の妹が医療ミスで殺されたら俺は・・・俺は・・・・
- 903 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/10 18:01:24 ID:zePOYZ1w
- 「お兄ちゃんのだから大丈夫だよ…。」
言われたいけど………
これは遠回しに粗○ンと言っているんですよね?
- 904 :たゆん ◆BUK/i6Ymmg :05/01/10 18:18:53 ID:rwr7mj54
- あげるほどのネタではないと思われ。
- 905 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/10 22:32:33 ID:url6FFQx
- 兄上と呼ばれたいのだが
- 906 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/10 23:54:31 ID:sfzWNlWa
- 押し倒して上に乗って「今度から兄上と呼べ!」って言ってみたらどうだろう?
- 907 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/11 01:48:34 ID:ZMXMRd8s
- 兄上…私…
兄上のことを考えてると…
- 908 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/11 06:13:24 ID:2zZOT1rJ
- >>906
その意見に賛成です
- 909 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/12 19:33:21 ID:I1s2y0qN
- 日記など見てないのに
「お兄ちゃん…私の日記…見た?」
などと言われ、見てないよ。と言うと「そ、そう、ごめんね」と謝り風呂に入る妹。
こっそり妹の日記を読むと「最近兄をまともに見れない」「兄で自慰してしまった」などと書いてあった。
こちらも変に意識してしまって我慢できなくなり、夜中に妹の部屋に入って夜這いしようと布団に潜り込むと
「やっぱり見たんだ…………でもうれしい…」
以下略
妄想劇場でした
- 910 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/12 22:39:45 ID:hVv+6Vs5
- >>909
イイヨイイヨ
- 911 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/12 22:41:35 ID:hVv+6Vs5
- ああっ、ageちゃったよぉ…
ごめんなさいお兄ちゃん。許してぇ…
- 912 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/12 23:06:59 ID:ptloxLVa
- 大丈夫だよ。ゆるしてあげる。
>>910はわざとじゃないもんね?
正直に謝ったからいい子いい子してあげるね〜
- 913 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/13 03:26:29 ID:OLHOnFu9
- 遊星さん>俺は未来ちゃんの虜になりました。
また未来ちゃんシリーズ期待してます。
- 914 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/13 06:19:06 ID:DUZP8NIr
- 俺が膝枕をして頭を撫でてやると、妹は気持ちよさそうに眼を閉じ
そのまま眠ってしまった。しばらくその安らかな寝顔を見守っていると、
口元が微かに動いている。「・にい・・・」
何だろう?耳を近づけてみる。
・
・
「お兄ちゃん..だいすき....」
同じく妄想。ショボくてすまん
- 915 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/13 08:36:45 ID:FrXh08yT
- お兄ちゃん…頭の中で
私のこと、そこまで大切に
想ってくれてたんだね…。
イイヨ♪イイヨ♪
- 916 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/14 12:17:52 ID:g7/9FSfA
- なんだこのスレは……?
最高だ
感動をありがとう(´;д;`)
- 917 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/14 14:10:11 ID:LRXaqUAk
- 未来ちゃんキボンヌ
- 918 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/14 19:13:16 ID:aszmf6Eq
- もう知ってるかもしれないけど、一応貼っとく
こっちもどーぞ
いっちゃうよ・・・お兄ちゃん・・・
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/otaku/1077037305/l50
スレタイが釣りっぽい・・・・
- 919 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/14 20:40:24 ID:8yU671A+
- ロムってきた
スレタイでクソスレかと思ってたけど良スレですね!
触発されて自分でも書いてみようと思い挑戦したが ヽ(゚∀゚ ).ノウンコー
- 920 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 01:31:15 ID:qd9KgALl
- 漏れもロムってきた(・∀・)
スレタイがあれじゃなければオタクじゃなくても十分読める希ガス
普通に良
双子はまだかぁ〜〜〜(*´д`)
遊星氏はまだこのスレにおられるのでしょうか?
- 921 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 18:35:01 ID:qd9KgALl
- 「……きて……ちゃん起きて!」
………
「起きてってば!お兄ちゃん!!」
ドスッ
「ぐはっ!!」
突然俺の腹に衝撃がきた。
「あ、起きた〜。お兄ちゃんおはよ♪」
「朝からいきなり何すんだよ…」
俺の腹の上には嬉しそうな顔をした妹が乗っていた。
「折角の休みなんだからゆっくり寝かせてくれよ…」「折角の休みだから起きるんだよぉー&e」
…またわけのわからんことを言って…
「とりあえず、どいてくれ」
「ごめん!!重かった…よね…?」
そういって恥ずかしそうにベッドの横に移動した。
- 922 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 18:37:14 ID:qd9KgALl
- 起こされた仕返しに少しからかってやるか。
「あぁ、ほんとにな」
「ヒドイ…そんな正直に言わなくても…」
「冗談だ。」
「…ホント?」
「嘘だ。」
「……バカ…」
本当に拗ね始めたからやめてやるか。
「まぁ冗談はともかく、なんだ?」
「へ?」
「折角の休みに起こしたからにはそれなりに何か用があったんだろ?」
「あ!そうだ!雪が降ってるの!!」
「で?」
「だから雪が降ってるんだよぉ!!」
「…そんなことで起こしたのか?」
「そんなことじゃないよー!!今年最初の雪だよ&e」
なんでこいつは雪位でこんなに騒ぐかねぇ…
- 923 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 18:39:12 ID:qd9KgALl
- 寝起きのおれを横に、積もるかなぁ〜&eなんて言いつつずっと雪を見ている。
「じゃ、おれは寝るから。」
「ちょっ!!寝ちゃダメだよぉ!!」
「なんでだよ?」
「雪が降ってるんだよ?お兄ちゃん何も思わないの?」
「ああ、雪のお陰でいつもより布団が温かい気がするよ」
「そんなんじゃなくて!!もっとこう……ほら…」
何故か妹は俯いて頬を赤らめている。
さすがにこれだけ話すと眠気も覚めてしまって身体を起こした。
「そうだな、目が覚めたら腹がへってきたかな?」
- 924 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 18:41:14 ID:qd9KgALl
- 「そうじゃなくってもっとこう……雪が綺麗だから散歩に行きたいな…とか…」
「この寒い中わざわざ外に出たい奴なんていないだろ。」
「そうかな?わたしは行きたいな…その……お兄ちゃんと…」
「え?」
……普段は明るい素直な妹だが、そんな事を言われると少しどきりとしてしまう。
「な、なんでもないよ!ごめんね!すぐご飯の用意するから!!」
「…そうだな、たまには外で飯もいいかもな。」
「え…っ?」
「お前は来ないのか?」
「行くっ!準備してくるからちょっと待っててね!お兄ちゃん&e」
糸冬?
- 925 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 18:49:30 ID:qd9KgALl
- どーも。
スレ汚しスマソ。
地元で霙が降ってたから咄嗟に作ってみますた。
最近書いてる人が少ないっぽいしいいかなぁ〜なんて魔がさしたんですorz
バカが居る程度に読み流してやって下さい。
- 926 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/15 20:56:17 ID:ONsQbpBj
- >>920
今日センター受けてきたんです。明日も受けるんです。しかも、ネタが無いんです。
だから、勘弁してください……。
>>921-924
イイっす!!
これからも是非書き続けてください
……ところで、&eとは……?
- 927 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 21:25:00 ID:vqBRmXDk
- >>926
えっ?センターって…
キニシナイ!!
期待age
- 928 :920ー925 :05/01/15 21:49:15 ID:qd9KgALl
- >>遊星氏
詳しくは知らないんですが何かの絵文字のハートが&eと化けるらしいんですよ。
で、一部のサイトでタグを入れるのまんどくさ&ハートを入れると文字化けがあったりなかったりでまぎらわしいから「&e」としようとかなんとか…
で&eを使うのが癖になっててつい。
はっきりしなくてすんません。
お褒めの言葉ありがとうございます。
センター試験頑張って下さい(´∀`)
長文失礼しますた
- 929 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/15 21:59:17 ID:c7vaXVg2
- やば…ここ見てたらSSのネタが浮かんできて止まらなくなってきた。レポートあるのに…
- 930 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 05:44:20 ID:nlCBeYEh
- グヘヘへ。レポートなんかよりSSの方が先じゃないかぁ〜い?てか書いてくださいなm(_ _)m
- 931 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 16:30:07 ID:guwI2WPU
- いかん、SSのつもりがどんどん長くなってる…いいのかな?
- 932 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 17:23:34 ID:pnTVosbv
- おkでしょ(´∀`)
- 933 :931 :05/01/16 19:20:21 ID:oSgsUbor
- ホントにレポートそっちのけで書いちゃったよ…
あんま萌えなくても勘弁してね…
- 934 :931 :05/01/16 19:51:20 ID:oSgsUbor
- ピロリロリ〜ピロロ〜………
「ん…」
布団の中で惰眠をむさぼっていた俺を現実に引き戻したのは
おとといケータイに入れたばかりの着メロ、「月のワルツ」だった。
「…やっぱ良ーなぁ、この曲………と」
曲に聞きほれている場合ではない。まとわりつく眠気を振り切り、冷たい空気
をかき回しながら手探りでケータイを探して手に取る。
「ふぁい、もしも……」
『わあーーーーーーーーっ!!』
「!!?」
受話器から聞こえてきたのは聞き覚えの有る声の、耳を劈くような叫びだった。
『起きたぁ、蓮にい?』
「まあな…。ゆずか…?」
『そーだよ、おっはよーっ♪』
朝っぱらから大声で俺を叩き起こしたのは4つ年下の妹、柚葉だった。
天文学をやりたくて必死の思いでなんとか某有名国立大学に入学。と同時に一人暮らしを
始めて早10ヶ月が過ぎた。夏以来一度も帰省しておらず、実家に電話をかけた
回数も両手で数えられる程度だったので、妹の声が妙に懐かしいものに聞こえる。
- 935 :931 :05/01/16 19:53:05 ID:oSgsUbor
- 「まだ七時だぞ…なんだよ、そのテンションは…」
『ボクにとってはもう七時、だよ。部活だったらとっくに朝錬始まってる
時間だからねっ♪。』
「俺は夢の中にいる時間だ。特に今日みたいな土曜の朝にはな……寝かせて、
頼むから…」
『ダメだよぉ寝ちゃあ。今日は大事なお客さんが来る日なんだからぁ!』
ばかにうれしそうに言う。
「?あのなぁ、そっちに誰が来ようが俺にはかんけーな…」
ぴんぽーん
「うん?誰だ?」
『ほぉら来た!』
「おい、まさかお前…」
あわてて布団から飛びぬけ玄関へ向かう。鍵を開けて氷のように冷え切った
ドアノブに手をかけ、扉を開けるとそこには良く知っているちっちゃな影が
ケータイ片手に立っていた。
「おはよ!おにーちゃん♪」
正にいたずらが成功した時の勝ち誇った表情で、柚葉は白い歯を見せて
にっと笑った。
- 936 :931 :05/01/16 19:55:26 ID:oSgsUbor
- 「おま…なんでここに!?連絡もなしに!しかもこんな早くに?…って外さむっ!!」
「まーまー落ち着いてよぉ、蓮にい。とりあえずおっじゃましま〜す♪」
俺の矢継ぎ早な質問をさらりと受け流しさっさと我が家へ入ってゆく柚葉。
「うっわ!きったなーい!よく住めるね〜こんなトコでぇ。
あ、そーいえば朝ごはんまだだったっけ。台所借りるよー♪
ボクがちゃっちゃっと作っちゃうからさ♪」
「お前な…ってあ〜もう…」
完全に主導権を握られている。ここはひとまず様子を見よう。落ち着け俺。
ガタン!「あっごめん、おしょーゆこぼしちゃったぁ。」
ドン「ああっお砂糖もぉっ」
グシャっ「卵落としたぁ!」
落ち着け俺。
……
大騒ぎをした割にはフツーの朝食を二人で食べながら、先ほどの続きをする。
「で、急にどーしたんだよお前は…」
「うん。高校受験も終わったからさ、久々に蓮にいのとこに遊びに来たんだ♪
部活ももうあんまり無くって暇なんだよぉほんと」
「そーいや推薦だったもんな。でもお前いくらヒマだったからって、わざわざ
こんな時間に来んでも…」
- 937 :931 :05/01/16 19:57:06 ID:oSgsUbor
- 実家から我が家までは2時間近くかかる。向こうを5時前に出なければ
7時過ぎにうちに来ることなんてできないはずだ。
「始発で来たのか?親父もそんな時間によく行かせてくれたなぁ。
年のわりに古い人間だからなぁ親父は…。お袋の方が許してくれたのか、やっぱ」
「え……?あ、うん。そーなんだ」
「相変わらずだな、まったく。で、元気か二人とも」
「あー…うん…。…うん元気だよ…」
「そっか、ならいいけどさ。…ん。この卵焼き美味いな」
「あ、でしょでしょー?ボク最近卵焼きにこっててさぁ♪
今日のはちょっと自信あるんだよぉ♪」
「美味いは美味いが、台所半壊させてこれだけってのはちょっと物足りなくないか?」
何せ一人用の狭い食卓の上に乗ってるのはごはんと韓国海苔(大好物で、常に
備蓄してあるのだ)、卵焼き、それにタマネギとジャガイモの味噌汁だけなのだ。
「は、半壊って…ちょっとおしょーゆとかお砂糖とか
こぼしちゃっただけじゃないかぁ」
「台所の天井コゲてんだけど」
「あははっ♪き、気のせい気のせい。細かいこと気にしてちゃ立派な
天文学者になれないよぉ?うん!」
「…」
ここは我が家が全焼しなかっただけで儲けもんとしとくべきかもしれない
- 938 :931 :05/01/16 19:58:30 ID:oSgsUbor
- 「そーいや学校はどーだ?」
俺はごはんを口に運びながらたずねた。
「うん、楽しいよお♪でもこの時期はみんな受験勉強でさぁ、忙しくって
あんまかまってくれないんだよね〜」
「お前のハイテンションぶりについていけなくなったんじゃねーか?」
「あ、ひど〜い。いつも明るく楽しくお気楽に、がボクのモットーなんだよぉ♪」
「お気楽が8割占めてんだろ、おまえわ…」
休みの朝からこのテンションはこたえるな…
にしても…我が家での一人きりじゃない朝食は久しぶりだ。
「あの時以来…か」
ふいに思い出してしまった。あの人がいた頃を。
「ああもう、女々しいなぁ我ながら」
「何がメシなの?」
「いやメシじゃな…ってあーっ!」
ふと食卓に目を移すと、大事なものがなくなっている!
「俺の!俺の海苔が無いーっ!まさか柚葉っ」
「あれ?残してたんじゃないのぉ♪」
ぺろっと舌を出す。
「のぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!」
「あはは冗談、冗談だってば♪」
にぎやかな朝食も悪くない。久しぶりにそう思えた。
- 939 :931 :05/01/16 20:00:14 ID:oSgsUbor
- 朝食を終えるとさっそく柚葉の催促が始まった。
「ねーねー、せっかく来たんだから買い物連れてってよぉー。
色々あるんでしょー、この近くって」
「そりゃまあ確かになんでもあるっちゃあるけどさぁ…」
俺の通ってる大学は都心のど真ん中にあり、当然下宿先である俺んちも都心に
程近い。都会とは言い難いところで暮らしている柚葉が目を輝かせるのも
うなずける話ではあった。が…
「お前、今日の最高気温知ってる?」
「ううん。何度?」
「2度だ2度。オマケに午後から雪も降るんだと。な?今日はやめとこう?」
「ええ〜〜!やだよぉ!今日がいいー!」
柚葉のダダこねも久しぶりだが、ここは懐かしんでいる場合ではない。
「お前俺が寒いの苦手だって知ってんだろーが。な、明日にしようや。時間あるんだろ?」
「やだっ!」
「!」
突然語気を強めた柚葉に俺は面食らった。柚葉も一瞬気まずそうな顔をするが、
すぐにさっきまでの調子に戻る。
「あ……あの…あ…ほ、ほらぁ、せっかく早めに来たんだからぁ。今日一日だけ
わがまま聞いてよぉ〜。ね♪」
「ん〜しょうがねえなぁもう…」
久しぶりに会ったんだ。妹にちょっとはサービスしてやらないと
バチが当たるってもんかもしれない。朝飯も作ってもらったことだし。
「んじゃあ行くか、買い物」
柚葉の表情がぱあっと晴れやかなものに変わった。
- 940 :931 :05/01/16 20:01:22 ID:oSgsUbor
- とりあえずここまで、ということで
- 941 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 20:09:37 ID:pnTVosbv
- >>934ー939
キタ!
キタ!!
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
萌えるのに萌えきれない…なんて引っ張り上手な(*´д`)
とりあえずGJ!!
- 942 :941 :05/01/16 20:23:50 ID:pnTVosbv
- ミスったorz
>>934ー939→>>934-939
- 943 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :05/01/16 20:52:37 ID:wtdBNj72
- センター終わったぜ!!
>>934-939
ボクっ娘、萌える……(;´Д`)。続きを楽しみにしてるッス。
つーか、ホントどーでもいいけど、俺も某有名(地元では)国立大学を推薦で受かっちゃってるんだよね
決して受験の追い込み時期にSS書いてるわけじゃないので悪しからず。
- 944 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 21:39:56 ID:oSgsUbor
- あー…レスさんくすです。
一応シナリオは全部出来てるんで、よろしければ風呂上がりに
続き出させて頂きます。
- 945 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 22:09:45 ID:mxPw/K4N
- 期待age
- 946 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/01/16 22:34:29 ID:pnTVosbv
- 是非!!
早くっ早くっ(゚∀゚)
- 947 :かばちゃ :05/01/16 23:02:47 ID:lDQcvxZ8
- それでは僭越ながら…
_____________________________________________________
「お前…そーとー溜まってたのな、物欲」
「あはは♪まーねっ。みぃ〜んな可愛く見えちゃうからつい、ね。でもでもっ、これでも
少なくすませたつもりなんだよぉ?」
「少なく済ませてこの有様かい」
「いーじゃないか。ボクのお小遣いで買ったんだからぁ。毎月ちょっとづつ
ためてたんだぞ♪」
「荷物持ってんの誰だと思ってんだよ、ったく…」
トップス、ボトムス合わせて4着に帽子2つ、ブレス、チョーカー、ペンダント
それぞれ1つずつ。見事な買いっぷりだった。
一方俺が買ったのはユーズドのデニパン一本だけ。見事な貧乏臭さだった。
「そーいや今何時だ?」
時刻を確かめるためケータイを取り出そうとするが柚葉のほうが先にケータイを
開いていた。
ほんとに何するにしても俺より数段手際が良い。
「えと…うわ〜もう四時半だよ!楽しかった〜っ♪」
「そりゃそんだけ好き勝手やりゃあな…」
「はいはい。付き合ってくれてありがとー♪。でももう満足だから……あ、見て見て!
このお店かわい〜♪」
言うや否や速攻で店の奥へ突撃してゆく柚葉。
「コラコラコラ!ったくもー」
しょうがない。今日はあいつの奴隷を決め込むことにしよう…いまさらだけど。
大荷物を抱えながら俺も柚葉の後を追った。
- 948 :931(コテハンマチガエタヨ…) :05/01/16 23:06:27 ID:lDQcvxZ8
- 「へぇ…何かいい感じじゃんこの店」
そこはアクセサリーなどが所狭しと並ぶ雑貨屋だった。
シックで落ち着いた内装にコルトレーンのBGMが良く合っていた。
多少ベタではあったけれど。
並んでいるものも中々センスが良い。少なくとも俺好みだ。特にこのシルバーリング
なんか良い感じに見える。ちょっと手にとって見てみようとしたそのとき
「!」
隣から差し出された女性の手と俺の手が重なってしまう。
「あっ!と、すみませ……ん?って何だ、ゆずか」
呆れ顔と微笑が入り混じったような顔で柚葉が俺を見ていた。
「ボクで悪かったねぇまったく、な〜に焦ってんのさ、蓮にい。」
「あせってねー」
「まったく、女の子と手触れたくらいでそんな反応してたら先が思いやられるよぉ?」
「余計なお世話だっての。それより、気が済んだのか?」
さっさと話を切り上げようとするが柚葉は俺を逃がそうとはしなかった。
「大体、蓮にいは大人しすぎるんだよー。オクテって言うかさぁ。」
「………」
「悪い女の人にだまされたりしないか心配だよぉ、まったく。ボク知らないよぉ、
そんなことになっても……もっと積極的に攻めていかないとぉ…」
そう………
結局俺は…あの時も…
- 949 :931 :05/01/16 23:09:12 ID:lDQcvxZ8
- 「まあそーなったら…ボクが…ボクがその…面倒……見てあげても……その……
…って蓮にい?」
怪訝そうな声で呼びかけられて現実に引き戻される。
「……あ?ああ、なんだっけか」
「も〜大事な話してたのにぃ〜」
「すまん、ぼーっとしてた。あ、お詫びに何か欲しいもん買ってやるよ」
「えぇ?い、いーよーそんなの。悪いよお?」
「良いから遠慮すんなって。ちょっとは気前良いとこ見せてやるよ」
なんだかんだ言って今日は楽しかったし、最後に奮発してやろう
「ほ、ホントにいいの?」
「ああ」
「じゃ、じゃあ………これ」
柚葉がおずおずと指差したのは、俺が手に取ろうとしていたリングだった。
三日月がレリーフされているだけのシンプルなやつで、値段も大したものではない。
「おいおい、もーちょい良いやつでもいいんだぞ?」
「ううん。これが…いいの。お願い…」
……
リングをはめて店から出た柚葉はいたく上機嫌だった。リングを愛おしそうに
眺めている姿を見るとこっちまでうれしくなってくる。
「気に入ったか、それ?」
「うん!すごくうれしいよぉ!」
柚葉は満面の笑みで答えた。
「そかそか。なら良かった。あ、そうだ、親父たちにも何か買ってってやろうかな」
「あ……」
柚葉の足が急に止まる。
- 950 :931 :05/01/16 23:11:19 ID:lDQcvxZ8
- 「ん、どした?」
「え…お、お父さんとお母さんの分はいいんじゃない…かなぁ?」
「そんなわけいくかよ。長いこと帰ってないからなあ。」
柚葉は笑顔で続けるが、その顔は少しこわばったように見える。
「で、でもほらぁ、ボク服とかいっぱい買っちゃったし、お土産まで持って
帰れないかなぁ、なんて…」
「自業自得だろうが。ちょっとはガマンするんだな」
「!」
俺の言葉に柚葉は身をこわばらせた。
「…我慢なんて……」
「え?」
「………我慢しろなんて…簡単に……言わないでっ」
「柚葉っ?」
引き止める間もなかった。
柚葉はダッときびすを返し人の波間へと姿を消していってしまった。
「あいついったいどうしたって………あ。」
しまった。ひょっとして…
俺は急いでケータイを懐から取り出す。電源は入っていなかった。
俺は切った覚えは無い。
「あいつ…」
ケータイの電源をいれ、実家に電話をかける。
「あ、お袋。俺だ。柚葉のことなんだけどさ……」
- 951 :931 :05/01/16 23:33:36 ID:lDQcvxZ8
- ………
「寒い…なぁ…」
雪のちらつきはじめた公園のベンチで誰とも無くつぶやく。
「せっかく冬服買ったのにな…」
かじかむ手にかける吐息は白いベールのよう。
寒さとさびしさにひざを抱く。
「蓮にいは…悪くなかったのに」
何であんなこと言っちゃったんだろう…。自己嫌悪でいっぱいになる。
『ガマンするんだな…』
『我慢してね……お願い。お母さんのためにちょっとだけ…』
「っ……」
ぎゅっと体をこわばらせる。
「がま…ん……なん…て」
「ゆず」
「!」
紙袋を両手にさげた蓮にいが静かに立っていた。
「…あ……蓮…にい……」
「隣いいか?」
蓮にいは荷物を降ろして隣に座る。
- 952 :931 :05/01/16 23:34:27 ID:lDQcvxZ8
- 白い吐息の間隔はボクより少し短い。走ってボクを探してくれたのだろうか。
申し訳なさと恥ずかしさで蓮にいの顔をまともに見れない。
「蓮にい……あ、あの………ご、ごめ…!」
「親父たちに知らせてなかったんだな、来ること」
「…」
ばれちゃっ…た…
「心配してたぞ、二人とも」
「いまさら………いまさら…心配…なんて」
「そう…か」
蓮にいはそれ以上言わない。ボクも何も言えない。
お互いに虚空をみつめたまま時間だけが過ぎてゆく。
暗闇の中を舞い散る粉雪はまるで幻想のよう。
視界にかかる純白のカーテンは夢の世界への入り口みたいだ。
「夢…だったらいいのに」
かじかむ手の感覚だけがボクを現実に留める…
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