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[第三弾]妹に言われたいセリフ

266 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/23 22:13 ID:???


267 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/25 20:29 ID:???


268 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/26 00:23 ID:???


269 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/27 20:32 ID:???
♥?

270 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/28 14:43 ID:???
  _|_ \  ┌──┐   _/__             /   
   _|_     │    │    /      ヽゝ_      /    
 / |  ヽ   └┬┬┘   // ̄ヽ   ̄\_)    /⌒!    
 \ノ   ノ    ノ  レ       _ノ     ヽ     /  \ノ 

  __l__   /      ‐‐┼‐‐        /      ‐┼‐  ‐‐┼‐‐  ┼─‐
   __|  、   |    |   └ 、  ┼┼、   |    |  ‐┼‐    ○    | ─
  (__|_ノ   し       _ノ  ヽ ノ   し      ○\   ノ    ノ _ 


271 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/02/28 21:09 ID:???
テスト数日前のある日。
俺は学校で勉強するために、朝早く学校に行くつもりだった。
昨晩使った教科書をバッグに入れようと、机の上を見ると
「ん……?何だ……」
手紙のようだ。
宛先も差出人も書いていない。
俺は腕時計で時間を確認した後、不思議に思いながら中を見る。

「大好きなお兄ちゃんへ♥」

やはりというべきか、それは妹からの物だった。
そういえば……最近忙しすぎて、妹に冷たくしていた事を思い出す。

「やっほ〜、お兄ちゃん。元気ですか?私はとっても元気です♪
 え〜と、急いでるわけじゃないから、暇なときにこの手紙を読んでくれると嬉しいです。

 多分今『どうして手紙なんだっ!?』って、お兄ちゃんは思ってると思うけど、
 えへへ♪あんまり意味は無いんです。
 お兄ちゃん、テストで毎日忙しそうだったから、最近全然お話してないな〜。って、ただそれだけ。
 迷惑だったらごめんなさい。」

 でも、お兄ちゃん、頑張り屋さんだね。
 朝は私が起きるより早く学校行っちゃうし、夜はずっと起きてるし。
 お兄ちゃん、いつも成績いいもんね。お兄ちゃんならきっと今度のテストもバッチリだよ♪

 でもでも、あんまり無理しちゃダメだよ?
 勉強もいいけど、ずっと勉強ばっかりじゃ、ストレス溜まっちゃうよ。
 だからさ、たまには遊ばなきゃダメだよ〜?

272 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/02/28 21:11 ID:???
 う〜ん。だからって言う訳じゃないけど、たまにでもいいから、私の話し相手にもなって欲しいな。
 ほら、お喋りはストレス解消になるって言うし。私だって、たまにはお兄ちゃんの声も聞きたいしね♥
 
 え〜と、お話したいことはいっぱいあるんだけど、
 お兄ちゃんのお邪魔になっちゃ悪いので、今日はコレぐらいにします。

 お兄ちゃん、テスト頑張ってね♪私は応援してるよ♪
 バイバイ、お兄ちゃん。大好きだよ〜♥
 良かったらでいいから、お返事書いてほしいな♪待ってるよ♪

 P.S
 美味しいアイスクリーム屋さん、教えてもらったんだ♪
 テスト終わったら一緒に食べに行こうね♪」

俺にとってのテストとは、妹の誇れる兄であるための手段……。
であるはずなのに、俺は妹に必要の無い不安感を持たせ、
それだけに止まらず、俺はその妹に励まされ、元気を貰ってしまったような気がする。
「またワケの分からんことを……」
そう言いながらも、今日は土産にケーキでも買って帰ることを、密かに心に決めるのだった。
本当に妹のために……
――――――――――――――――――――
妹からの手紙ってシチュは結構好きなんだけど、
全然、腕が追いついてないや……スレ汚しすみません_| ̄|○

俺の自己満足シリーズ。次回はホワイトデーを予定しております。
出来れば、次回もスレ汚しを許していただきたいなぁ……と図々しくも思っております。

273 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/29 02:28 ID:???
いや、スゴク(・∀・)イイ!よ

274 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/02/29 22:51 ID:???
次回もたのしみにしてまっす!

275 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/03/03 06:05 ID:???
お疲れさまです! また次も楽しみにしています。

276 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/09 03:11 ID:???
moehosyu

277 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/12 11:55 ID:???
これは保守ですね。

278 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/14 19:51 ID:???
「えへへ♪」
バツがいっぱい書いてあるカレンダーを見ると、自然に笑顔になる。
そして、また一つ、13って書いてある欄に大きなバツ印を描いた。
「とうとう明日かぁ〜♪楽しみだな〜♪」
そう考えると、なんだか胸がドキドキしてくる。
不安のような期待のような、胸のドキドキ。
そのドキドキを胸に抱えたまま、電気を消してベッドに潜り込む。
「おやすみっ♪お兄ちゃん♪」
隣に聞こえるぐらいの大きな声で、隣の部屋にいるはずのお兄ちゃんにおやすみの挨拶をした。


三月十四日。今日は待ちに待ったホワイトデー。
楽しみで、いつもより一時間も早く起きてしまった。
朝ごはんも作って、お兄ちゃんが起きてくるのを待っていたんだけど……
もう、待ち切れないよ〜!!ゴメンね、お兄ちゃん、起こしちゃうよ!!
コンコン
「お兄ちゃ〜ん♪朝だよ〜♪」
ドアの前でノックをして、ドアノブに手をかける。
「ちょっと待て!!入るな!!」
お着替え中だったのか、お兄ちゃんがちょっと慌てて言う。
「あっ……ごめんなさい」
思わずドアの前で頭を下げてしまう。
「ゴメンな。でも、ちょっとお前には見られたくない物が……」
「あっ!?それって、もしかしてエッチな本〜?」
「そんなの持ってねぇ!!」
必死になってお兄ちゃんが反論する。
こういうウブって言うかキマジメって言うか、そんなところが可愛いんだよね〜♪
でも……何なんだろう、私に見られたくない物って……
「じゃあ、何〜?」
「ココで教えたら、見せない意味が微塵もないじゃねぇか」

279 :名前忘れた、↑も俺です ◆isG/JvRidQ :04/03/14 19:53 ID:???
「う〜ん。なんだか怪しいなぁ〜?」
「気にするな、そんな変なもんじゃないから」
お兄ちゃんがドアを開けて、出てくる。
「さぁ、飯だ飯!!早起きしたから腹減ったぞ」
「うん♪食べよう♪」
でも……何で早起きなんてしたんだろう……いつも大体同じ時間に起きてくるのに……。
なんだか今日のお兄ちゃん……変だなぁ……。
今日は楽しみにしていたホワイトデー……のはずだったのに、何だか……。


「はい、お兄ちゃん。コーヒー」
「ありがと……」
お兄ちゃんはトーストをかじりながら、コーヒーを口に運ぶ。
私はお兄ちゃんの向かい側に座って、お兄ちゃんの顔を眺めてる。
「そういえば……お前、今日どこか出掛けるか?」
もしかして、どこか連れていってくれるのかな。
そうだったら、嬉しいな。そうだったら、いいのにな……
「ううん!!今日は家にいるつもりだよ!!」
思わず声が大きくなってしまう。
「そうか……なら……今日は……」
今日は……?
「今日一日だけ家を空けてくれないか?」
えっ……。
「どう……して?」
「ちょっとワケは言えないが……どうしても一人でやりたいことがある」
「また……ヒミツ……か……」
「何か言ったか?」
「ううん……何も。……いいよ。私、出掛けてくるよ」
「頼む。金はやるから、昼飯は好きな物食ってきていいぞ」

280 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/03/14 19:55 ID:???
「うん。分かったよ……」
私はため息ですっかり覚めてしまったココアを飲み干し、お兄ちゃんに背を向ける。
ホワイトデー……やっぱり忘れちゃったんだ……。
それとも……私のことなんて……ホントはどうでもいいのかなぁ……。
私は泣きそうになるのをグッとこらえて、お出かけの準備をする。
「じゃあ……行ってきます」
「気をつけろよ」
「うん。大丈夫だよ」
私はお兄ちゃんの顔を一度も見ずに、玄関のドアを開ける。
……なんでだろう、お兄ちゃんの顔が思い出せないや。


今日一日、自分が何をしていたのかのも分からないぐらい、私は悲しみでいっぱいだった。
不安で、寂しくて、何かにすがるような思いで、街頭の時計を見ると、もう五時を過ぎていた。
「そろそろ帰ってもいいかなぁ……」
私は遠くの空にそう呟いて、家に帰る道を歩き出す。
歩いて五分ぐらいの距離だったのに、そこからの道のりはとても長かった。
お兄ちゃんは……私のこと、どう思ってるのかな……。
好き……?ただの妹?それとも……邪魔者……?
今まで考えたことも無かった不安や疑いが次々に浮かんできて、何度も足を止めた。
仕方ないか、何でも出来るお兄ちゃんと比べたら、私はドジでバカで……
それでも……この家の玄関まで辿り着けたのは、どうしてもお兄ちゃんを信じたかったからだと思う。
そして、ありったけの勇気と希望を振り絞ってインターホンのボタンを押す。
『はい、どちら様でしょうか?』
お兄ちゃんのかしこまった声……。
「私だけど……もう入ってもいいかな……?」
『おお、お帰り。丁度いい!!すぐ入って来い!!』
う〜ん、何か困ってるのかなぁ……。
よく分からなかったけど、言われたとおり、急いで家の中に入った。

281 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/03/14 19:56 ID:???
「お帰り!」
お兄ちゃんが出迎えてくれる。
いつもの顔とは違って、お兄ちゃんは恥ずかしそうにニヤニヤしてる。
「えっと……何かな?」
「まぁ、入れ……あっ、ちょっと目をつぶっててくれ。その方が……」
お兄ちゃんが何かを言いかけて止める。
気になったが、聞く気に離れなかった。
お兄ちゃんは私の背中を押して、キッチンに連れて行く。
何だろう……。
もし『紹介するよ、俺のカノジョだ』とかだったら……。
部屋に入りたくない……何も見たくないよ……。
「そんな嫌そうな顔すんなって……目、開けてもいいぞ」
私は閉じていた目を恐る恐る開く。
「あっ……」
目の前には、色とりどりのお花がいっぱい……。
一瞬、何が起こったのか分からなくなった。
「えっ……お兄ちゃん……コレって……」
「その……今日はホワイトデーだろ……?花なら……気に入ってもらえるかと思ったんだが……」
「お兄ちゃん……」
覚えててくれたんだ……。
なんだかホッとするのと同時に、胸の辺りが暖かくなってくる。
「それと……」
お兄ちゃんはお花を私に渡して、奥から何かを持ってくる。
「ほい。バレンタインのチョコのお返し」
そう言って、お兄ちゃんが差し出した物は……
「ケーキだぁ……」
大きくて、いい匂いで、細かい飾りがいっぱいついたケーキ。
私には一目見ただけで、お兄ちゃんの手作りだと分かった。
「どうだ!!素晴らしかろう!!手間と神経をふんだんに使ってるぞ!!」
お兄ちゃんが自信たっぷりの表情を見せる。
「まぁ、売り物にはちょっと及ばないけどな」

282 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/03/14 19:57 ID:???
こう言ってるけど、お兄ちゃんは手先がとっても器用で、何か作るのが大好き。
そういえば、去年の七夕では、すごくちっちゃくて可愛い笹飾りを作ってくれたなぁ……。
そして、何か出来上がったときの、こんな嬉しそうな子供みたいな顔のお兄ちゃんも普段と違って、素敵だった。
「すご〜い!!お兄ちゃんって、こんなのも作れるんだね〜!!」
「これぐらい、本さえありゃ誰でも作れると思うぞ。まぁ、大分神経は使うが……」
お兄ちゃんは、大げさに目頭を押さえてみせる。
「と言うか、コレを作ることより、お前にバレないように準備する方が余程大変だった」
そういえば、そうだ。
いつごろから準備をしていたのか知らないけれど、最近、お兄ちゃんに違和感を感じたことは……
今朝以外ない。
「もしかして……私に見られたくない物って……」
「恐らく、ご想像通りかと……」
この言葉を聴いた途端、何だか目の前のお兄ちゃんの顔が滲んできた。
「あれ、おかしいな……すごく嬉しいのに、涙が……」
嬉し泣きってこういうことを言うんだろうな。
自分の意思とは関係なしに、涙がポロポロとこぼれてくる。
お兄ちゃんは、微笑みながら、涙を拭いてくれる。
「お兄ちゃん……ありがとう。今日は最高のホワイトデーだよ」
「礼には及ばん。いつも何だかんだ言っても、お前には世話になってるからな」
「ううん!!そんなことない、何の役にも立ってないのは私の方で……」
私がここまで言いかけると、お兄ちゃんが手を私の口に差し出して、私の話をさえぎる。
「俺は、お前の笑顔だけで十分だ……と思ってる」
お兄ちゃんがちょっと恥ずかしそうに言う。
そんなふうに思っててくれたんだ……。お兄ちゃんにとって、私は必要な存在なんだよね?
そう考えると、とっても嬉しくて、何だかお兄ちゃんに『好きだ』って言われたような気分になる。
だから……。
「お兄ちゃん……。私、お兄ちゃんのこと……大好きだよ♥」

たぶん私の気持ちを伝えるのに、これ以上の言葉は無いと思う。
だって、誰になんて言われたって、私は誰よりもお兄ちゃんのことが大好きだから……。
だから……今日だけでいいんだ。私の精一杯の言葉、無視しないで、笑わないで、聞いて欲しいな♥

283 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/03/14 19:59 ID:???
兄の視点でのホワイトデーが、書きにくいので、思い切って妹の視点にしてみたら、
普段の三倍ぐらいワケが分からなくなってしまった……。ごめんなさい……。

しかし、質より量。他人の嗜好より自分の趣味。現実から目を背け、イタい妄想に走る。
最低じゃん、俺……。_| ̄|○

284 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/15 00:31 ID:???
>>283
キタ━━━( ´∀`)・ω・) ゜Д゜)゜∀゜)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)−_)゜∋゜)´Д`)゜ー゜)━━━!!!!

そして

イイ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━ !!!!

285 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/16 22:53 ID:???
これはイイ萌えもエ萌えもエですな!!

286 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/24 19:28 ID:???
ほしゅ〜

287 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 14:49 ID:r5a0Dc51
hosyu

288 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:39 ID:???
  「ただいま」
俺は玄関の重いドアを開けた。靴を乱雑に脱ぎ捨て、どかどかと上がる。
コンビニ袋をぶら下げてリビングに入るが、そこに俺以外の人の姿は無かった。
……いや、誰もいないことは分かっていた。俺は一人暮らしをしているのだから。
テーブルの上にジュースやら何やら入った袋を置き、テレビのスイッチを入れた。
明るいバラエティ番組が流れる。
  「アイツ、寂しくて泣いてなんかいないだろうな」
無表情でぽつりと呟いた。


 俺には三歳年下の妹がいる。今は離れ、家族と一緒に暮らしている。
まだ俺が家族の元にいたころ、深夜によく「眠れないよぅ……」とか「怖いよぅ……」とか
涙声で部屋を訪れてきたものだった。
他にも、料理が下手なくせに「任せなさ〜い♪」とか見栄を張って、キテレツな料理を
創り出したこともあった。ずいぶん世話好きな奴だった。
そして今、俺はアイツがいてくれたことの有難さを、身をもって痛感していると言うわけだ。
本音を言うと寂しい。やっぱり誰かと一緒にいたいという気持ちはある。
しかし、何故アイツが頭に中に出てくるのか、俺にはよく分からなかった。


289 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:39 ID:???
 「そろそろ夕飯でも作るか……」
テレビから顔を上げ、壁時計に目を移す。時計の針はもう六時をさしていた。
やれやれと腰を上げると、ケータイの着メロが鳴り響いた。
誰だ?
 「もしもし」
 「あ、お兄ちゃん!?私〜!」
懐かしい声。
 「おう、久しぶりじゃないか。どうした?」
 「えへへ、今日はね、お兄ちゃんに夕食を作ってあげようと思って♪」
はあ?
 「何言ってんだお前。そこからウチまで何時間かかると―――」
 「思ってんだ?」
その声は電話越しでは無かった。
 「う、うわああぁぁぁぁぁっ!」
驚いて振り向くと、そこには懐かしい姿が立っていた。
妹だ。
 「あはははは♪かっこ悪ぅ、お兄ちゃん」
 「な、なんでお前がここにっ!」
 「あ〜、何よ?たまに遊びに来ちゃいけないって言うの?」
 「いや、そういう訳じゃ無いけど……」
 「だったらいいじゃない♪ほら、夕食作ってあげるから!」
すっかりペースを乱され、ソファに座らされる。その間に妹はキッチンへ向かう。
……ここは俺の家だぞ。


290 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:42 ID:???
 「で、なんでここにいるんだ?」
 「兄妹愛に理由なんて要らないよ、お兄ちゃん♪」
 「適当に流すな」
 「……ちょっと家出」
 「家出?」
 「うん……だから、少しだけここにいさせて。お願い……」
背中越しでも充分に悲しみが伝わってきた。やれやれ。
 「少しだけだぞ。それより、何か手伝うよ」
立ち上がり、妹の隣に並ぶ。小声で何か聞こえたような気がしたが、あえて問わないでおこう。
しばらくして料理が出来上がった。出来栄えは……それなり。
テーブルを挟んで向かい合う。自然と会話が弾む。こういうのは何ヶ月ぶりだろう。
 「どう?お兄ちゃん」
 「ん〜……まあ、前に比べれば進歩したかな」
 「やった〜♪あのね、あれから一生懸命努力したんだよ!」
 「分かった!分かったから口に物を入れてしゃべるな!」
 「あ……ごめんなさい」
 「それで、お前が親とケンカなんて珍しいな」
 「悩み多き乙女なのよ」
 「どこが乙女だ。お前はどっちかと言うと魔女」
 「ひ、ひどい!繊細な女の子のハートというものを……!」
 「警棒持った奴に襲われるなよ〜」
 「なぁに、それ?」
 「こっちの話」
こうして夕食は楽しい時間が過ぎていった。


291 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:43 ID:???
 俺は食器を拭きながら、隣で洗っている妹に言った。
 「一応、家には連絡しとくぞ?」
 「うん……」
神妙な面持ちで返事をする。どうやら本気で帰りたくないらしい。
俺は食器を拭く手を止め、そっと頭を撫でてやった。
ボッ、と赤くなる。
 「なっ……!」
 「我慢するなよ」
なるべく優しい口調で言う。
 「俺も寂しかったんだから、さ」
 「え……てっきり迷惑かと思ってた……」
 「そう見えたか?」
 「うん……」
 「赤の他人ならともかく、俺の前では無理するな」
言いながら優しく撫でてやる。すると、頬を何か伝うのが見えた。
ギュッと抱きしめてやる。妹は泡だった手のまま、抱き返してきた。
 「ありがとう……」
涙声はそのまま嗚咽に変わった。


292 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:45 ID:???
 夜も更けて。
俺はベッドの上で寝転んでいた。風呂場の方から鼻歌が聞こえる。
のん気なものだ。まだ体調が優れてないくせに。
しばらくして脱衣所から出てきた。ふと視線を向けてみる。
相変わらず出てないところは出ていない。俺は少しだけ悲しくなって目をそらす。
 「なによ?」
 「別に」
 「あ〜!まさか、『小さいな』とか思ってたんでしょ!?」
図星。
 「そ、そんな訳無いだろ!誰がお前なんかの……!」
 「お前なんかの……なぁに?」
 「………」
 「私の何なのよ……?」
 「………胸」
拳骨が飛んだ。
 「痛ってぇ……」
俺は頭をおさえてうずくまる。すると、頭上から予想外のものが降ってきた。
妹は泣いていた。意外だった。
 「私だって……もう少し経てば立派になるもん!なのに……」
 「あああ、悪かった!悪かったよ……」
 「うう……ひっく」
 「ほら、昔お前が好きだった子守唄を歌ってやるからさ」
 「ほ、本当?」
現金な奴だ。
 「ああ。好きだったろ?この歌」
そう言って俺は歌い始める。それを制する。
 「ま、ままま待って!」
どうしたのかと眺めていると、急いで髪を乾かし、歯を磨き、布団にもぐった。
 「いいよ」
 「………」
……ダメだこいつは。


293 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:46 ID:???
 カーテンの隙間から綺麗な夜空が見える。
俺は妹と二人、ベッドに並んで横になっていた。一人用なので密着している。
ふいに、妹が呟いた。
 「ありがとう……」
 「ん?」
 「ありがとう……。私、こんなに優しくしてくれるお兄ちゃんがいて、嬉しいよ」
急に言われて、俺は動揺した。強気な妹からは今まで一度も聞いたことが無かった。
 「どうした?なんか変だぞ?」
 「変……かな。やっぱり」
 「?」
 「でもね、私は後悔してないよ。自慢できるお兄ちゃんがいて……」
 「……?」
 「本当にありがとう……お兄ちゃん……」
俺は顔を向ける。月明かりに照らされ、垂れる涙が見えた。
 「大好きだよ……お兄ちゃん……!」
ようやく分かった。
俺が寂しいとき、コイツのことが頭に浮かんだ理由。
 「ああ、俺もだ。……大好きだ」
月と星星に祝福され、俺たちは口づけた。
甘い、甘い香りがした。柔らかな感触が伝わってくる。
いつしか俺は眠っていた。


294 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 19:47 ID:???
 朝。
俺はケータイの音で目を覚ました。寝癖のついた頭のまま電話に出る。
 「ふわい」
 「……おはよう」
母さんからだった。
 「どうした?……ああ、コイツのことだろ?」
俺は言いながら隣に視線を落とす。しかし、そこに妹の姿は無かった。
あれ?と思っていると、向こうから耳を疑う言葉が聞こえてきた。
 「昨夜……亡くなったの」
 「え?」
え?
亡くなった?
 「昨日の朝から急に具合が悪くなってね……それで、その日の……夜に……」
待ってくれ。
 「ちょ、待てよ!亡くなったって……誰が!?」
本当は聞きたくなかった。
ずっと、昨夜のまどろみに浸っていたかった。
無情だった。


 妹は死んだ。
もともと病気がちで、よく風邪をひいては両親を困らせていた。
俺も何度か看病をしたことがある。ものすごく感謝されてたっけ。
話によると、妹は昨日の朝、急に体調不良を訴えたそうだ。
そのまま運ばれた病院で昏睡状態に陥った。
その間に母親は俺に連絡をしようとしたが、何故か電話が繋がらなかったそうだ。
そして……昨夜。
亡くなった。
原因は不明。知りたくもなかった。
ただ、ひとつだけ言える。昨日、ここに遊びに来た妹……。
あれは、間違いなく俺の妹だということは……。


295 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/29 20:00 ID:???
どなたか存じませんが、神キタ━━━(゚∀゚)━━うあ゛ぁあ ・゚・(´Д⊂ヽ・゚・ あ゛ぁあぁ゛ああぁぁうあ゛ぁあ゛ぁぁ

296 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/30 00:12 ID:???
うわああああああんんんんん!!!   GJだよおおおおおおお!!!!

297 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/03/30 00:44 ID:???
ヽ(`Д´)ノウワァァァァァン!!(`Д´)b GoodJob!

298 :288-294 :04/03/31 16:06 ID:???
いえいえ、お役に立てて幸いですよ

299 :元リレーSS書き :04/04/01 12:27 ID:???
>>遊星より愛をこめて氏
>>751
>>maskedriderMoe氏
相変わらず萌えっぷりですね(w
それにまだここ残っていてくれたんですね…
以前携帯からカキコしてパケ死して以来遠ざかっていたのですが、FOMAに機種変したのを機に戻ってきました。とは言えROMしかしてないのですがf^_^;
>>228
素晴らしかったです!中華号泣してしまいました(w
どうも加奈以来これ系の話に対し耐性0になってるようでして
ダラダラ長文スマソ

300 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/01 21:53 ID:???
            \     _n               /
              \   ( l    _、_ グッジョブ /
               .\   \ \ ( <_,` )    /
                 \   ヽ___ ̄ ̄  ) /
   _、_  グッジョブ       \    /    / /   _、_   グッジョブ
 ( ,_ノ` )      n        \∧∧∧∧/   ( <_,` )     n
 ̄     \    ( E)       < の .グ >   ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//        <     ッ >  フ     /ヽ ヽ_//
─────────────< 予 .ジ >────────────────
    ∩          .     <     ョ  >
    ( ⌒)     ∩ good job! < 感 .ブ >.      |┃三
   /,. ノ      i .,,E      /∨∨∨∨\.     |┃   ガラッ  話は聞かせて
  ./ /"      / /"    /         .\    |┃ ≡    _、_  もらった>>288
  ./ / _、_   / ノ'     /   グッジョブ!! \__.|ミ\___( <_,` )< グッジョブ!
 / / ,_ノ` )/ /     /|    _、_     _、_   \ =___    \
(        /    /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡   )   人 \
 ヽ      |     /   \(uu     /     uu)/ \


301 :288 :04/04/02 23:23 ID:???
(*´Д`) thx!

302 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/04/04 21:49 ID:???
お疲れさまです! 読んでて切なくなりました・・・。
この次も期待してます!

303 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/06 12:46 ID:???
またアク禁の巻き添えくらった……レスが遅れて申し訳ないです。

>>288-294
素晴らしすぎる……
そして、このスレにおける俺の立場が、また一段と無くなっていく……。

>>299
いえいえ……。
定期的に貼ることのみが俺の取り柄ですから……

304 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:15 ID:???
桜舞う気持ちいい春の日。
「気持ちよさそうだな」
ソファーで、まったりしていた妹に声をかける。
「あ……お兄ちゃん……」
「天気がいいからって、あんまりダラダラしてんなよ」
「だって気持ちいいんだも〜ん。お兄ちゃんも一緒にダラダラしようよ〜」
妹は寝ぼけたように気の抜けた声で言う。
「遠慮しとく……」
「そう?とっても気持ちいいのに〜」
妹が寝返りをうって、うつ伏せになる。
「春はいいねぇ〜、ポカポカして気持ちいいなぁ〜」
「そうだな。そろそろ炬燵も片付けようか……」
「え〜!?コタツ片付けちゃうの〜!?」
「最近暖かいし、もういらねぇだろ……?」
「でも、無くなっちゃうと寂しいよ〜!!」
この冬中、俺たち(主に妹)の足を温めてきた炬燵。
多少の愛着を感じるかもしれないが……そこまで言うのはどうなんだろう……。
「そういえば……そんなこと毎年言ってるような……」
「えへへ……そうだっけ?」
妹が舌をペロッと出して、微笑む。
「まぁいい、まだ今日はまだ今日は片付けないから安心しな」
「そうなの〜?あ〜、良かった〜♪」
「で、話は変わるが、ちょっと出掛けてくるから、留守番よろしくな」
「どこに行くの〜?」
「いや……別に言うほどのトコでは……」
「あ〜!!分かった〜!!またコンビニでしょ〜?」
「……くっ」
「それで、また、おもちゃ買いに行くんでしょ〜?」
「おもちゃって言うな、食玩と言え」
「お兄ちゃん、ソレ、ホントにどっちでもいいよ……。で、図星なんでしょ?」

305 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:16 ID:???
「ああ、確かにその通りだよ!!悪かったな!!」
「別に、そこまで言ってないでしょ……」
妹が呆れたように、小さなため息を一つ。
完全に立場が逆転している……。
「とにかく、ちょっと出掛けてくるから、留守番を頼んだぞ!!」
なんだか、居心地の悪いノリだったので、強引に話を終わらせようとする。
「あっ、ちょっと待って〜!!私も行くよ〜!!」
「何で?」
「お兄ちゃんとお散歩したいもん♪」
「じゃあ、行くか」
「うん♪」

「お兄ちゃん、何か買う〜?」
いつものコンビニ。いつもの棚の前。
唯一違うのは、今日は隣に妹がいること……。
「ああ、勿論」
俺は、目当てのブツを適当に二箱手に取り、今度は俺が妹に聞く。
「で、お前は何か買うのか?」
「あのね、ココでお菓子とかジュースとか買って、公園で食べようかなぁ〜と思ったんだけど……」
「ああ、いいねぇ」
「じゃあ、決まりね〜♪お兄ちゃん、何が欲しい〜?」
「団子か饅頭みたいな、和菓子が食いたい……」
「あっ!?気が合う〜♪私もそう思ったんだ〜♪」
「じゃあ、決まりだな」
俺は和菓子を売っている棚まで行き、相談した挙句、桜餅と団子のパックを手に取る。
そして、途中、お茶のペットボトルを二つ手に取って、レジまで持っていく。
「あっ!!お兄ちゃん……私、お金忘れちゃったよ……」
「いいよ、これぐらい俺が払う」
「えっ!?いいの〜?」
「そこまで俺はケチじゃないって」
「えへへ♪じゃあ、ご馳走になりま〜す♪」

306 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:18 ID:???
レジで、大量の商品をドサリと置き、ポケットから財布を取りだす。
そして、金を払い、袋に入ったお菓子やお茶を持って店の外に出る。
「お兄ちゃん、私が荷物持つよぅ……」
道路に出た途端、妹にビニール袋の持ち手を引っ張られた。
「何で?」
「だって、お金、全部払ってもらったから……それぐらいは……」
「おいおい……お前、何時からそんなにケチ臭い事言うようになったんだ?」
「でも……私、お兄ちゃんにこれ以上迷惑かけたくないもん……」
「それなら尚更、俺に持たせて欲しい」
「えっ……?」
「女に荷物持たせて自分は楽してる。なんて、後味が悪すぎる。俺のことを考えるなら、俺に持たせろ」
「お兄ちゃん……」
「それに、妹を可愛がることは、迷惑なんかじゃねぇよ」
うわぁ、恥ずかしいセリフ……。
……まぁ、あながちウソじゃないんだけど……。
「お兄ちゃん……♥」
そして、予想通りというべきか、妹が『恋する少女の視線』を俺に向ける。
やっぱり、こういう雰囲気は好きじゃない。
俺は軽く妹の頭を叩いて、少し早足で歩き出した。
妹は最初は戸惑っていたようだが、いつの間にか俺と並んで歩いていた。

「お兄ちゃん……気持ちいいねぇ……」
「ああ」
大きな桜の木の根元に座っている。
「さぁてと、桜も十分眺めたし、おやつにしよう♪」
「もうかよ?早ぇなぁ……」
「いいのいいの、花より団子って言うじゃない♪」
「ソレの意味知ってて言ってるのか?」
「ううん〜♪ぜんぜ〜ん♪」
「なら、いいや……」
俺は呆れて、突っ込む気も起きない。

307 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:19 ID:???
「じゃあ、決まり〜♪おやつだ〜♪」
妹は嬉しそうに、袋の中から団子を取り出して、手際よくパックを開ける。
そして、団子を二本持って、一本を俺に差し出す。
「はい♪お兄ちゃん、どうぞ〜♪」
「ああ、ありがとう」
妹の手から団子をもらい、一粒口に入れてみる。
「ん〜!!甘くて美味しいね〜?」
妹がニコニコしながら、俺を見る。
コイツ、甘い物食べてるときはホントにいい顔するなぁ……。
頬にちょこんとついてる餡子でさらに可愛さアップ……って、おい!!
……一人ノリツッコミをしてしまうほど、意識の中では異様にテンションの高い俺。
「……」
「ん?どうした、お兄ちゃん?」
俺の考えなど露知らず、妹は俺を不思議そうに見ている。
俺は無言で、自分の右の頬を軽くトントンと叩いて、暗示してやる。
「ふにゃ?どういう意味〜?」
「わからないのか?」
「えっ?うん……」
仕方ないので、俺は妹の頬の餡子を指で取って、妹に見せる。
「えっ!?コレが、私のほっぺに〜!?」
黙って頷く。
「ふわぁぁぁぁぁぁぁん!!恥ずかしいよぉ〜!!」
「別に、俺は気にしないけど……」
そんなことより気になる餡子をどうにかするため、俺は指を妹の口に押し込んでみた。
「むぐぅ…………ぷはぁっ!!もう!!イジワルしないでよ〜!!」
妹は真っ赤な顔をして怒る。
「ああ、悪い悪い……」
「……お兄ちゃんのバカ……」
「だから、悪かったって……」
「お兄ちゃんなんか、大っ嫌いだもんね〜!!」

308 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:20 ID:???
大嫌い……か。実際言われてみると、結構キツい言葉だな……。
「おい、帰るぞ……」
『あること』を決めた俺は突然、そう告げ、妹の手を無理矢理引っ張る。
「ちょっと……お兄ちゃん!?どこ行くの!?」
俺は沈黙したまま、妹の手を引っ張り続けた。

そのまま、十五分ぐらい歩いていたと思う。
俺の住んでる辺りは結構田舎なので、ここまで歩いてくると、建物も少なくなってくる。
「お兄ちゃん!!こんなとこまで来て、何があるの〜!!」
俺はなおも無視して歩き続けた。
小さな保育園の横を通り、自販機のある角を直進。
「お兄ちゃん……もう帰ろうよぉ……」
お寺の脇の坂を上り、そこにある角を右に曲がって……。
「おにぃちゃん……どこなの?ここ……?」
妹が泣きそうな声を出して、俺の手をクイクイと引っ張る。
「そのうち分かる。そうだ、目つぶってろよ」
「え……?ヤダよぅ……怖いよぅ……」
「大丈夫だって。ほれ、閉じろ」
妹はオドオドしながら、目を閉じ、俺の腕にしがみつく。
この雑木林を抜ければ……。
「ほれ、目開けてもいいぞ」
妹は恐る恐る目を開けたが、眩しそうにすぐに閉じてしまった。
そうして、またゆっくり瞼を開き……
「わぁ〜!!すご〜い!!」
「どうだ、凄ぇだろ?」
俺が妹を連れてきたのは、鮮やかな黄色に染まる大きな菜の花畑。
周りには何も無い。誰もいない。本当に二人っきりだ。
「お兄ちゃん!!スゴイよぉ〜!!」
「そうだろ?……どうだ、コレでも俺が大嫌いか?」
「えっ……?もしかして……お兄ちゃん……私が言ったこと……気にして……」

309 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/07 22:21 ID:???
「ああ、気にするに決まってる……。お前は、俺の大事な大事なたった一人の妹なんだからな……」
俺は妹の頭を撫でながら、自分の気持ちを正直に伝えた。
「お兄ちゃん……。お兄ちゃん、大嫌いなんて言ってゴメンなさい……ホントは……私……」
妹が俺に抱きついてくる。
「お兄ちゃんの事……大好きだよ……♥」
「ああ、分かってる」
花に心が洗われたのだろうか……。
今の俺には、一面の菜の花が霞むぐらい、妹が眩しく見える。
俺が素直なのは花のせいならば……今はせめて心の赴くままに……。
そんな思いを込めて、俺は妹を優しく抱き返した。
お返しとばかりに、妹は顔を俺の胸に強く埋める。
春の花のような、優しい匂いがした……。
────────────────────
調子に乗って書いてしまいました。
他の方と比べると、やっぱり、見劣りしますけど、
まぁ、『またやりやがったな』ぐらいの気持ちで、生暖かい目で読み飛ばしてやってください。

310 :288 :04/04/07 23:03 ID:???
dでも無いです、最高ですよ(*´Д`)

311 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/08 00:02 ID:???
萌え補充完了・・・  GJ!!

312 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/08 00:34 ID:???
キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━(  ゚)━━(  )━━(゚  )━━(∀゚ )━━(゚∀゚)━━━ !!!
(`Д´)b GoodJob!

313 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/04/11 20:53 ID:???
お疲れさまです! こんな台詞、本当に言われてみたいです!

314 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/15 23:23 ID:???
moehoshu

315 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/18 09:57 ID:xeFVmAoj
本当に…兄貴………ううっ。 そのとおりだったんだね。
『いったん食らいついたら、腕の一本や二本、失おうとも、
決して「スタンド能力」は…………解除しないと』 オレに言った事は!!

316 :遊星より愛を込めて :04/04/18 10:02 ID:???
        \                   /
          \                /
           \             /
             \          /
              \ ∧∧∧∧/
               <    俺  >
               < ス し   >
               <    か  >
 ─────────< レ 来  >──────────
               <    な  >
               < !!!!  い  >
               /∨∨∨∨\
              /         \
            /            \
           /     (-_-)       \
         /      (∩∩)        \


317 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/18 17:38 ID:???
(・∀・)ニヤニヤ

318 :288の人 :04/04/18 23:14 ID:???
↓caution!!

心臓の弱い方は萌え死にしないように気をつけてください。
また、気分を悪くされた方はすぐに楽しいことを考えてください。

319 :288の人 :04/04/18 23:16 ID:???
 それは、妹のある一言から始まった。
 「ねえねえ、お兄ちゃん♪」
 「ん、どうした?」
 「ぎょーちゅー検査って、なあに?」
 俺は凍りついた。
今、妹はなんと言ったのだろうか。
俺の聞き間違いであることを祈りながら、もう一度問いただしてみる。
 「……なんだって?」
 「ぎょーちゅー検査ってなあに?お兄ちゃん♪」
 「……なんだって?」
 「だ〜か〜らぁ!ぎょ―――」
大声で言おうとした妹の口を慌ててふさぐ。
 「わ、分かった分かった。ぎょうちゅう検査、だな?」
 「うん、そうだよ。私、初めて聞いたから全然分からないの」
 「ちょっと待て。お前何歳だ?」
 「私?お兄ちゃん知ってるでしょ?お兄ちゃんのひとつ下だよ」
言いながら、通学用のカバンから青いシートを取り出す。
 「これでやるらしいんだけど……教えて♪」
無知とは恐ろしい。いや、この場合は無恥か。
 「知るか。勝手にやってくれ」
 「え〜!だって分からないんだもん……」
 「俺の知ったことじゃ無いだろ。別にお前が忘れて怒られても、俺には関係無いしな」
ここまで言ってハッとした。妹は顔を俯かせ、今まさに泣こうとしていた。
 「ひどいよ、お兄ちゃん……ううっ…ひっく……」
 「あああ!分かった、教えるよ!ただしやり方だけな!」
 「ほ、本当?」
涙目で上目遣いに俺の顔を覗き込んでくる。俺はくしゃくしゃと頭を撫でてやった。
 「ああ、教えるよ」
 「ありがとう、お兄ちゃん?」
………待て、早まるな。やり方だけを教えればいいんだ。
期待に添えられず悪いが、俺はコイツを立派にしなくてはならない!
そう!ベタな展開だけは避けねばならんのだッ!

320 :288の人 :04/04/18 23:17 ID:???
 「………」
 「……お兄ちゃん?」
 「……あ、ああ、何だ?」
 「もう!早く教えてよ!」
 「あ、ああ……じゃあ、言うぞ」
俺はたっぷりと深呼吸をした。
 「そのブルーシートを……ぺたっと貼り付けるんだ」
 「貼り付けてどうするの?」
 「いや、貼り付けるだけでいい。それだけで虫がいるかどうか分かるんだ」
 「ふむふむ……」
 「じゃ、じゃあな」
 「で、どこに貼ればいいの?お兄ちゃん」
部屋から逃げ出そうとした背中に声をかけられ、俺は硬直した。
ぎこちない動作で振り向く。
 「……トイレでする大と小があるよな?」
 「やだぁお兄ちゃん、いやらしい〜」
 「いいから聞け。あるよな?」
 「……セクハラだよぅ?う、うん……」
 「その大が出てくるところに貼り付けるんだ」
 「大………?」
間。
顔面が噴火した。
 「えっ………えええええええええええええ〜〜〜っ!!」
 「………だから言いたくなかったのに」
 「お、お兄ちゃんのばかぁっ!エッチ!スケベ!セクハラ!」
 「お前が教えろって言ったから教えてやったのに………」
 「だからって、他にも伝え方があるでしょ!?ばかぁ!」
 「何とでも言え。俺は寝る」
 「ふんだ!とっとと寝ちゃってよ!エッチ!」
俺は後手でドアを閉め、重い足取りで自室へと向かった。

321 :288の人 :04/04/18 23:18 ID:???
 俺はベッドの上に転がった。
予想はしていたが、さすがにあんなに言われるとへこんでしまう。
深いため息をもらした。
 「やれやれ……どうして俺たち二人を残して先立つんだよ……父さん、母さん」
今までそれを理由に泣いたことは無かったが、自分のバカらしさに泣けてきた。
その時、室内にノックの音が響いた。
この家に住んでいる人間は二人しかいない。
 「………何だ?」
 「あのね、お兄ちゃん……さっきは言い過ぎちゃった…ごめんなさい」
案の定、妹だった。
 「ああ……別に気にしてないぞ。予想はしてたしな」
 「うん……本当にごめんね?」
 「大丈夫だって。それより、方法は分かったんだろ?もう俺に恥ずかしいことさせるなよ?」
 「あ、それなんだけど……」
嫌な予感。いや、悪寒。
 「その……手伝って…くれないかな?」
的中。

322 :288の人 :04/04/18 23:20 ID:???
 「それで、俺はどうしたらいいんだ?」
 「え、ええと…その…こ、これ、お願い……」
ブルーシート。
 「こ、これって!俺に貼り付けろってか!?」
 「う、うん……わ、私は体固いから…」
 「…いいのか?」
 「お兄ちゃんなら……いいよ。信頼できるもん♪」
 「そう言う割には顔が真っ赤だぞ」
 「は、恥ずかしいもん……!それに、お兄ちゃんだって真っ赤だよ?」
 「わ、分かった分かった!やるぞ!」
 「う、うん………」
俺はベッドの上に横になった妹から目をそらす。
 「見ないでね……」
妹がゆっくりと動くのが分かる。
 「いいよ……そ〜っと、優しくお願い……」
 「お、おう」

323 :288の人 :04/04/18 23:21 ID:???
俺はゆっくりと手を伸ばす。
だが、見ないで手を伸ばしても無意味な訳で。
ぴたっ。
 「ひゃあっ!」
 「あ、悪い…」
 「ばっ、ばかばかばかぁ!」
ぴたっ。
 「きゃっ!」
ぴたっ。
 「や、やぁ……」
ぴたっ。
ゴスッ!
足蹴りをアゴに受けた俺は、後ろに吹っ飛んだ。
 「エッチ……!」
 「ほ、本当に悪い……」
 「あ、ばかぁ!こっち見ちゃダメ!」
 「ううう……」

 「これでいくよ?いいよね、お兄ちゃん?」
 「あ、ああ」
妹は俺の手を掴み、ゆっくりと引っ張る。
俺の手は妹に引かれて、そのまま動く。
ぴたっ。
 「ひゃあっ……」
 「当たってる?」
 「え、エッチ………うん……」
俺はすぐに手を離した。妹もすごい勢いで動き始めた。
 「は、はき終わるまで振り向いちゃダメだからね?」
 「分かってるよ」
そう答え、俺は大きな吐息をした。

324 :288の人 :04/04/18 23:22 ID:???
 「なあ」
 「なあに?お兄ちゃん」
 「何で俺の隣で寝てるんだ?」
 「えへへ?それは私がお兄ちゃん大好きだからだよ♪」
 「そのうち襲うぞ」
 「襲って♪」
 「……バカ」
 「ふふふ、可愛いなぁ♪私が試したときの反応も可愛かったよ♪」
 「うるせえブラコン……って、待て。今、なんて言った?」
 「あっ……何も言ってないよ?」
 「試したときの反応って……まさか、お前……最初から知ってたな!?」
 「え、えへへ?」
 「もう寝る」
 「ご、ごめんなさい〜!」

325 :288の人 :04/04/18 23:23 ID:???
行き過ぎた変態→_| ̄|○



_| ̄|○「死して屍残すまじ…っ さらば…っ」

326 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/19 00:05 ID:???
キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━

327 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/19 20:42 ID:???
うぉぅ!?なんかスゴイのがキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
萌え━━━(゚∀゚)━━━!!!!!

328 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/20 10:57 ID:???
                 危うく萌え死ぬ所だっただろッ!!!!!!!!!!

        ∧_∧                           ∧_∧
        ( ´Д`)                          (´Д` )
        )  l            ハワワワワ……            l  ( 
      / / )              ∧_∧            ( \\
      |/ /|             ( *゚Д゚*) っ            |\ \|
      |\ \|\             ( *゚Д゚*) っ        / |/ /|
      |  \ \ |||⌒)⌒)//   ( つ つ  \\ (⌒(⌒||| /  |
    ○( <二\ |||⌒)⌒)二二三三( (三三三三三二二(⌒(⌒||| 二> )○
      \ \\ |||⌒)⌒) \\(( (_l( l_) ) //(⌒(⌒|||// /
        \ \\  ̄ ̄      (( (_l l_)))    ̄ ̄// /
         \ ) )           >>288         ( ( /
          | | |          ユサユサユサユサユサ       | | |
          | | |                          | | |
          | | |_                         _:| | |
          | |__)                     (__| |
          |__)                         (__|


329 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/04/21 06:38 ID:???
萌え尽きさせてくれた>>288氏に敬礼!

330 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/22 05:35 ID:???



331 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/26 22:02 ID:???
保守

332 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/28 20:27 ID:???
学校からの帰り道。
ふと、見知った後姿を見つけ、俺は駆け出した。
「おーい!!未来ちゃーん!!」
振り返った少女は、俺を見てため息を一つ。
「もう……兄さん……せめて人前では『未来ちゃん』は自粛してください……」
この娘は、目の中に入れても痛くない愛妹の未来。
両親が出張しがちで、俺がよく面倒を見ていた所為なのか、もう、可愛くて仕方が無い!!
未来がしっかり者で、真面目であるせいか、未来と話すときはどうしても、おどけた口調になってしまう。
「えっ?なんでよ?」
「恥ずかしいからです!!」
丁寧な言葉使いではあるのだが、堅苦しさや冷たさは全く無い。
尤も、俺に対してなら、敬語なんて使う必要は無いと思うんだけど……。
「そっか。気に入らないけど、可愛い可愛い未来がそう言うなら仕方ないか」
つまり、家の中では自由に呼んで言い訳だしな。
「もう……で、兄さん、何か用ですか?」
「いンや。歩いてたら、スゲェ可愛い女の子を見つけたんで、声かけたら未来だったと言うわけだ」
「嘘ばっかり。最初から、私の名前呼んでましたよ?」
「そうだっけか?」
「そうですよ」
「でもまぁ、可愛い娘見つけたってのはホントだから」
「もっ、もう!!兄さん!!実の妹口説いてどうするんですか!!」
「そりゃ、妹だろうと何だろうと、未来が可愛すぎるからに決まってるだろ……?」
そう言って、俺は妹の首に手を回し、妹の顔を俺の顔に引き寄せる。
「にっ、兄さん!!!」
顔を真っ赤にして、俺の手を振り解く。こういう純なところがとてつもなく可愛い……。
「あはは、悪い悪い」
「もう兄さんなんて知りません……」
そう言い残して、妹はスタスタと歩いていってしまう。
「おいおい、待ってくれよ」
「ふふっ、冗談ですよ。さ、一緒に帰りましょ?」

333 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/28 20:29 ID:???
珍しいな、未来からお誘いなんて……。
全くの予想外の言葉にしばし唖然となる。
「いいのか?」
「帰る家は同じですしね。それとも……嫌ですか?」
妹は悪戯っぽく微笑みを浮かべる。
答えは決まってる。……それは妹にだって分かっているのだろう。
「いやいや、滅相もない!」
「じゃ、帰りましょうか」
「ああ……うん、はい」
歩き出した妹に従って、俺も不思議に思いながらもその後をついていった。
すると突然、未来が振り返って、
「……あの……兄さん、今から買い物に行きたいんですけど……付き合ってもらえませんか?」
「俺は別に良いけど」
買い物!?服とかか!?それならデートじゃん!!
……あっさりとした返答だが、その反面、内面ではかなり燃え上がっていた。
「ありがとうございます、兄さん」
「で、何を買うのよ?」
「行けば分かりますよ」
秘密主義かよ、可愛いじゃねぇか……。
妹はそう言って、またスタスタと歩き出した。
────────────────
今までずっと同じ兄妹を書いてきた(つもり)けど、今になって新シリーズ。
ダラダラと書いていったら、かなり長くなってしまったので、小出しにしていきます。
稚拙の塊なんですけど、人の迷惑を考えずこれからもしばらく続くんで……
まぁ、黙殺でもしてもらえると嬉しいです。

334 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/28 22:47 ID:???
(*´Д`)

335 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/29 22:34 ID:???
            \     _n               /
              \   ( l    _、_ グッジョブ /
               .\   \ \ ( <_,` )    /
                 \   ヽ___ ̄ ̄  ) /
   _、_  グッジョブ       \    /    / /   _、_   グッジョブ
 ( ,_ノ` )      n        \∧∧∧∧/   ( <_,` )     n
 ̄     \    ( E)       < の .グ >   ̄     \    ( E)
フ     /ヽ ヽ_//        <     ッ >  フ     /ヽ ヽ_//
─────────────< 予 .ジ >────────────────
    ∩          .     <     ョ  >
    ( ⌒)     ∩ good job! < 感 .ブ >.      |┃三
   /,. ノ      i .,,E      /∨∨∨∨\.     |┃   ガラッ  話は聞かせて
  ./ /"      / /"    /         .\    |┃ ≡    _、_  もらった>遊星より愛を込めて
  ./ / _、_   / ノ'     /   グッジョブ!! \__.|ミ\___( <_,` )< グッジョブ!
 / / ,_ノ` )/ /     /|    _、_     _、_   \ =___    \
(        /    /\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/\≡   )   人 \
 ヽ      |     /   \(uu     /     uu)/ \



336 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/30 00:21 ID:???
スゴクイイ━━(・∀・)━━( ・∀)━━(  ・)━━(  )━━(・  )━━(∀・ )━━(・∀・)━━━ !!

337 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/30 22:25 ID:???
毎度ながら、俺なんかには勿体無い感想ありがとうございます……。
では、続きを……

「着きましたよ、兄さん」
そう言って、妹が立ち止まった場所は……
「ココって……スーパー?」
「ええ、夕飯の材料を買わなくては」
「つまり……俺は荷物持ちってワケ?」
何か素晴らしい事を色々考えていたのに……。
物凄くガッカリだ……。
っていうか、何故この事態を考えもしなかったんだよ、俺……。
普通に考えれば、当然こうなるだろ……。
「そんなに落ち込まないで下さい……確かに、荷物を持ってもらえると嬉しいですけど、
 そんな理由で兄さんについてきて貰った訳じゃありませんから」
「じゃあ、どういう理由なんだよー?」
「あの……お砂糖がとっても安いんです。でも……」
「お一人様○袋限り。ってヤツか?」
「そうなんです!!あの……お願いしても良いですか?」
「おいおい、未来。この俺が可愛い可愛い未来の頼みを断ると思うか?」
「それは……嬉しいんですけどぉ……」
未来はまた頬を赤くする。
まぁ、こんな公衆の面前では、俺でも恥ずかしいからな……。
「じゃ、決まりだ。とっとと買って帰ろうぜ」
「そうですね。売り切れる前に、買っちゃいましょうか」
俺たちは騒がしい店内に入り、手早く、カゴとカートを持ってくる。
「で、晩飯は何にするつもりなんだ?」
「ふふっ、兄さんは何が食べたいですか?」

338 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/04/30 22:26 ID:???
「難しいね……未来の作るものは何でも美味いからな……」
未来は家事が得意なのだ。
特に料理については、少々兄バカなところもあるだろうが、
何処へ嫁に出しても恥ずかしくないレベルだと思う。
ま、俺の目が黒いうちは、嫁に出す気なんて更々ないけど……
「まったく……何を言ってるんですか。私は真面目に聞いてるんですよ?」
「なんだよ、それじゃぁ俺がふざけてるみたいじゃねぇか」
「ふざけてるじゃないですかぁ……」
「いや、俺の未来に対する思いはいつだって本気だぞ?」
「にっ、兄さんっ!!!!止めてくださいよぉ……」
「何だ、嫌か?」
「嫌ですよぉ……こんな人前で、そんなぁ……」
「ふーん……。じゃあ、人前じゃないところで 俺 に 言われるのは、未来はまんざら嫌でもねぇんだ?」
「……」
未来の動きが一瞬フリーズする。
「未来……?」
「そそそそ、そんなっ!!わわ、私!!にににに、兄さんのことは嫌いじゃないですけど……!!」
俺の言ったことは、どうやら未来の処理範囲の限界を超えてしまったようだ。
これだから未来は面白い。
そして、クドいようだがそういうトコが可愛いのだ……。
「未来、落ち着けよ……」
「に、にぃさんのせいですよぅ……からかうなんて酷いです……」
「でもさ、未来が可愛いから、ついついいじめたくなっちゃうんだよなぁ」
「も、もう!!兄さんには愛想が尽きましたよ……」
未来は、そう言って一人で先に行ってしまう。
俺もさすがに反省したので、周りの冷たい視線を一斉に浴びながら、黙って未来の後を歩いた。

339 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/04/30 23:50 ID:???
|/|-|\
| *0M0)……
| ⊂/   
| /

340 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/02 01:07 ID:???
イイ萌えキターーーーーーーーーーーーーーーーー!!

341 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/02 05:58 ID:???
   .人
 (;0w0)  「ダディャーナザン!!ナズェミテルンディス!!」

……お兄ちゃん。夢中だね

342 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/03 16:36 ID:???
「まったく……兄さんなんかと来るんじゃなかった……」
帰り道、未来が呟いた。多分、ワザと俺に聞こえるようにだ。
「それはひでぇなぁ……」
「実際、バカばっかり言って、荷物持つぐらいしか役に立ってないじゃないですか……」
「勝手なこと言うなよ、これだって凄く重いぞ……?」
俺は両手で提げているビニール袋を上げて、妹に見せてやる。
「それだけ兄さんマイナスの部分が大きいって事です!!」
じゃあ、荷物も持たなかったら……怖っ!!考えるの止め止め!!
「それにしても重すぎるぞ……何買ったんだよ?」
「まず、お約束のお砂糖二袋、あとは、缶詰、お肉、野菜とか……あっ、お醤油も買いましたね」
なるほど……重いワケだ……。
「肉か……ふむ……人参、玉葱もあるし……今日はカレーか?」
「ふふっ、残念でした。シチューのつもりですよ」
「惜しいな……まぁ、未来の料理は何でも美味いから、カレーでもシチューでも問題ねぇな」
「ありがとうございます。兄さんにそう言ってもらえると嬉しいですよ」
未来が嬉しそうに笑う。
でも……
「でも……そんな未来の料理がしばらく食えなくなると思うと寂しいよ……」
「えっ……何でです?」
「言ってなかったか?俺、明日から神戸へ修学旅行だぞ?」
同じ高校でも近所の私立はオーストラリアに行けるらしい……。しかも、一週間も……
対して俺たちは、あまり遠くはない神戸、二泊三日……。
あーあ、コレだから公立は……。ま、どうでもいい話か。
「そういえば……そうでしたね。準備はもういいんですか?」
「準備は大体出来てる……楽しみなんだけど、三日も未来に会えないと寂しいよ」
「そうですね……でも、私もしばらくは楽ができそうです」
「おいおい……俺がいないからってダラダラするなよ?」

343 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/03 16:40 ID:???
「違います!!兄さんのバカな事を聞かなくてもいいから、楽だなぁ……って意味です!!」
「未来にとって、俺はいない方が良いのか……マジでヘコむ……」
「それなら、少しは日頃の行いを反省してくださいよ……」
「まさか」
「はぁ……。だと思いましたよ……」
未来のため息は今日だけでも何度目だろうか。
そういえば……ため息をすると、幸せが逃げる。って言うよな……。
ひょっとして、俺、未来を不幸にしてるのか……。
「……しかし、そうは言ったが、未来……せめて、俺がいない間は、目一杯ダラダラしてくれよ」
「あの……兄さん?さっきと言ってることが、180度ぐらい違いません?」
「ま、まぁ、気にするな!!俺のせめてもの優しさってやつだ!!」
「兄さん……何だかいつもの兄さんじゃないみたいです……」
「そうか?」
「そうですよぉ……。……でも……兄さん、ありがとうございます。嬉しいです」
「あのさ……俺は、礼を言われるようなことは何もしてないんだけど……」
「いえいえ、私は兄さんの気持ちが嬉しいんですよ?」
「そう……」
ああ言ったのは、自分のしてきたことに対する帳尻合わせ、つまり俺自身のためなんだが……。
ここまで感謝されると、未来に悪い事をしてしまったような気がする……。
ま、未来が喜んでくれてるんだから結果オーライだな。
「そんなことよりも、早く帰りましょ?お腹空いてませんか?」
「空いた、空きまくりだ」
「ふふっ、兄さんの旅立ち前の最後の料理、頑張って作るぞ〜!!」
珍しく未来が張り切っていた。
俺は、そんな『幸せの重み』を両手で感じながら、未来と並んで歩いていた。

344 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/03 22:56 ID:???
(*0M0)剣崎!は、早く続きを!

345 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/05 05:06 ID:???
どうも、お久しぶりです。遊星さん、良質のSSの執筆、ご苦労様です。
最近、「人大杉」状態になったり、アクセス禁止令が出たりして、顔出す
ことができませんでした。
で、ついさっきSSを書き終えたのですが・・・どうやらまだ、遊星さんの
SSが終了してないようなので、そちらの方が完結してから投下したいと
考えてます。
それでは、続きを楽しみにしてます!

346 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/05 23:03 ID:???
>751 ◆FFV1SjUAV2

今から貼っていただいても、俺は構いませんよ。
大体、俺のが終わるのを待ってたら、いつまでたっても貼れませんって(w


そういえば、今回、妹に名前が付いちゃってますけど、
「妹を『ちゃん』付けで呼ぶ兄」を書きたかっただけなんで、たいした意味は無いです。
そんな訳で、「未来」の読み方は、「みらい」でも「みき」でも「みく」でも構いません(w
名前など飾りですから(w。
……でも、俺は『みく』のつもりで書いてたり……

347 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:43 ID:???
>遊星さん
分かりました。では、お言葉に甘え、貼らせていただきます。


「お兄ちゃん、何やってるの?」
 ある日の夜。リビングでノートにペンを走らせていた少年の背後から、少
女が声をかけた。
 声をかけられた少年は、ペンを握る手の動きを止めて、振り向いた。
「ああ、これか? 今度の試合の作戦考案だ。サッカーってのは、選手の配
置一つで勝敗が決まることもあるからな。作戦は綿密に立てないといけない
んだ」
「ふうん。そういえばお兄ちゃん、このところすごく気合入ってるよね」
「ああ。今度の試合は、全国大会出場がかかった大事な試合だからな。なん
としても、勝たなきゃいけないんだ」
「そう……頑張ってね、お兄ちゃん」
 そう言ってから少女は、部屋の真ん中に正座して、群青色のブラウスを折
りたたみ始めた。
 仕事の関係で、両親があまり帰ってこないこの家では、家事のほとんどを
少女がこなしている。食事も掃除も洗濯も、みんな少女が一人で引き受けて
いた。それは決して楽な作業ではないが、つらいと感じたことは一度もなかっ
た。少女は家事をするのが好きだったし、何より大好きな兄のために働ける
という実感を持てるのが嬉しかったからだ。

348 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:43 ID:???
 しばらくの間、少年と少女は無言で自分の仕事を続けた。コチコチという
時計の音と、少年の使うペンの音だけが、部屋に響いていた。
 そして数分後、
「よし、できた。こんなもんでいいか」
 少年は軽く息を吐いて、テーブルの上にペンを置いた。そして椅子から立
ち上がり、言った。
「おい、こっちは終わったぞ。何か手伝えることがあったら、言ってくれよ。
細かい作業でないのなら、オレが……」
 手伝ってやるよ、と言いかけたその言葉を、少年は飲み込んだ。
 いつの間にか少女は、眠りに落ちていた。膝の上にたたみかけのYシャツ
を置いた体勢で、コクリコクリと頭を前後させながら。
 少年は少女の肩に手を置き、軽く揺さぶった。
「おい、起きろよ。起きろってば」
「う、んん……あ、お兄ちゃん。どうしたの?」
「どうしたの、じゃねえだろ。こんなところで寝たら、風邪ひくぞ」
「え? あたし、寝てたの?」
「ああ、グッスリとな。お前、少し寝不足なんじゃないのか? 目の下にク
マができてるぞ」
「うそ、やだ! 本当に?」
 少女は慌てて、両手で目の下を擦り始めた。その子供じみた仕草に、少年
は思わず苦笑を漏らす。

349 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:45 ID:???
「ほら、もう寝ろよ。明日も学校があるんだろ? 早く寝ないと、また遅刻
するぞ」
「うん、そうするよ。おやすみ、お兄ちゃん……」
 少女はそう言うと、自分の部屋のある二階へ歩いていった。その足取りは
緩やかで、今にも倒れ込んでしまいそうな感じだった。
 そんな妹の姿を見ながら、少年は首を傾げた。彼女はここ数日、ずっと眠
たそうな顔をしている。と言っても、ちゃんと今まで通りの時間に寝ている
し、激しい運動をしている様子もない。だとすると、何が原因なのだろうか。
「う〜ん……あいつ、一人で何やってるんだ?」


 翌朝。眠りについていた少年は、冷たい空気を顔に感じ、目を覚ました。
(あれ……何だ、この風は?)
 寝ぼけ眼で上半身を起こすと、明け方特有の冷気が少年に吹き付けた。
 見ると、ベッド脇の窓が半開きになって、カーテンが揺れている。さらに
部屋のドアも開かれていて、風が吹き抜けていた。
(きのう閉め忘れていたのか。うっかりしてたな……)
 時計を見ると、まだ朝の5時前だった。今日もハードな練習があるし、ま
だ時間もあるから、ギリギリまで寝かせてもらおう。少年はそんなことを考
えながら、窓に手を伸ばした。……と、そのとき、少年は門のそばに人影が
あるのを見付けた。

350 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:46 ID:???
 一瞬、新聞配達員かと思った。しかし、その姿をよく確かめた少年は、寝
ぼけ眼を大開きにするほどに驚いた。
 それは、少年の妹だった。音を立てないよう気遣ってか、鉄製の門をゆっ
くりと静かに閉ざそうとしているところだった。
 少年ははじめ、妹が寝ぼけているのかと思った。しかし、それにしては足
取りがしっかりしているし、両目も開かれている。それに、少女はパジャマ
姿ではなく、ちゃんと学校の制服に着替えていた。どうやら少女は、これか
らどこかへ行こうとしているようだ。しかしこんな時間に、いったいどこへ?
(気になるな……よし、付けてみるか)
 少年はすぐに服を着替え、家を飛び出した。
 玄関を開けたとたん、震えるような冷気が少年を襲った。もう春とはいえ、
まだ朝方は寒いみたいだ。こんな寒い中を、少女はいったいどこへ行こうと
しているのだろう。
 冷たい風から身を守るかのように、コートの前を抑えながら歩く少女。そ
の後ろを、少女に気付かれないように、10メートルほど離れて少年は付き
歩いていく。事情を知らない人が見たら、ストーカーと勘違いされかねない
光景だ。

351 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:47 ID:???
 それから十数分後。ずっと真っ直ぐに歩き続けていた少女は、不意に方向
を変えて、階段に足をかけた。
 それは、50段くらいはありそうな長い階段だった。少女の細い脚では、
ただ登るだけでも大変そうである。中頃に来たあたりで一度立ち止まった少
女は、苦しそうに胸を押さえながら階段を登っていき、一番上まで着いたと
ころで膝を抱えてうずくまってしまった。そして呼吸を整えてから、また歩
き始めた。
 少女が登り切ったのを確かめてから、少年は後を追って階段を登り始めた。
さすがサッカー部の主将をしているだけあって、その足取りはとても軽い。
あっという間に残り十段ほどのところまで駆け登ったところで、少年は上方
に真っ赤な鳥居が建てられているのに気付いた。
(そうか、ここは神社だったのか。あいつ、こんな所に用があるのか?)
 少年は急ぎ足で最上段まで登り、鳥居をくぐった。この神社は街はずれに
あるせいか、正月や夏祭りのとき以外はほとんど人が来ない。おまけに今は
明け方なので、人の気配はどこにもなかった。

352 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 06:48 ID:???
 と。
「……神様。どうか、あたしの願いを聞き入れて下さい」
 どこからか、少女の声が聞こえてきた。
 少女は境内の真ん中で、両手を合わせていた。目を閉ざして祈りの言葉を
呟くその顔は、真剣そのものだ。
 少年は素早く移動し、大きな松の樹の下に身を隠した。息を殺し、全神経
を聴覚に集中させると、少女の呟くような小さい声が耳に入った。
「今度の試合、どうかお兄ちゃんを勝たせて下さい。そのためなら、私がど
んな目にあっても構いません」
(! あいつ……!)
「私は知っています。いままでお兄ちゃんがどれだけ頑張ってきたか、努力
してきたかを。それは全て、今度の試合で勝つためです。それを無駄にしな
いためにも……お願いです、どうか勝たせて下さい!」
 少女は両手を力いっぱいに握り締め、頭を垂れた。悲壮感すら漂うその姿
に、少年は心臓がドキンと跳ねるのを感じた。
 妹は自分のために、毎日祈っていたのか。睡眠時間を削って、貴重な朝の
時間を費やしてまで。ただでさえ、学校の行事や家事で忙しい身だというの
に……その献身的な態度に、少年は胸を震わせた。

353 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 07:01 ID:???
 数分後、祈りを終えた少女は後ろを振り向き、もと来た道を帰り始めた。
慌てて木陰に身を隠す少年。その姿に気付くこともなく、少女は神社を後に
した。
 妹の姿が見えなくなったのを確かめてから、少年は樹の下から外へ出た。
少年は照れ臭そうに頭を掻き、頬を赤らめた。
「ありがとう、オレなんかのために祈ってくれて。お前の気持ち、ありがた
く受け取らせてもらうよ。よーし、オレも頑張ろう。とりあえず、家までダッ
シュするか!」


 数日後。市内の競技場で、サッカーの試合が行われた。
 かなり大きな大会ということもあり、場内はたくさんの観客や運営員で埋
め尽くされていた。互いの学校の応援団が、左右の観客席に別れあって大声
を張り上げていた。
 そしてスタンドの片隅の座席に、少女が一人で座っていた。少女は祈るよ
うに両手を合わせながら、お守りを握り締めていた。ここ数日、毎日のよう
に通っていた神社で買った紫色のお守りだ。まだ中学生の少女にとって、そ
れは決して安い買い物ではなかったが、兄のためと割り切って小遣いをはた
いて購入したのだ。

354 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 07:02 ID:???
 試合が始まってだいぶ経つが、まだ両校とも得点を入れていなかった。電
光掲示板を見ると、残り時間はあとわずか。おそらくこの試合、先に点を取っ
た方が勝者となるだろう。ピンと張り詰めた緊張感が、会場中を覆い尽くし
ていた。涼風が吹いているというのに、固く握り締められた少女の両手は、
もう汗でびっしょりだ。
 と。フィールドの真ん中にあったボールが高く蹴り上げられ、相手校のゴ
ール前まで飛んできた。それに合わせるかのように、少年が走り寄った。
「主将、今です!」
「よしっ!」
 後輩の呼びかけに応え、少年は高く飛び上がった。落ちてきたボールに合
わせ、大きく頭を振る。少年のヘディングを受けたボールは唸りを上げて飛
び、相手校のゴールに突き刺さった。
 ゴールネットが揺れると同時に、審判がピーッと笛を鳴らした。
「いよっしゃあ!」
「やったあー!」
 0対0の均衡を破るゴールに、応援団は大声を張り上げた。今まで胸につ
かえていた鬱憤を吐き出すかのような怒号が飛び交い、太鼓やラッパの音が
そこらじゅうに鳴り響いた。

355 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 07:02 ID:???
 その直後、審判が再び笛を吹いた。今度はゴールを知らせる笛ではない。
ピッ、ピーという、短い音が二つ。それは試合の終了を告げる合図であり、
少年の学校が勝ったことを知らせる笛でもあった。その瞬間、さっきゴール
が決まったとき以上の熱気が膨れ上がり、大声が響いた。
 周囲の人と握手を交わす者、歓喜の声をあげながら抱きしめ合う者、腕を
振り回しながら空気が震えるほどの大声を張り上げる者……しょんぼりとう
なだれる相手校のスタンドとは対照的な喧噪がその場を覆った。
「やった……やったね、お兄ちゃん……!」
 少女は胸元で両手を合わせ、身体を震わせた。心なしか、その目はわずか
に潤んでいるように見える。しかし、誰もが喜びの絶頂に浸っているせいか、
少女の涙に気付く者は誰もいなかった。
 と。フィールド上で仲間と勝利の喜びを分かち合っていた少年が、懐から
何かを取り出して、少女に向けた。

356 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 07:05 ID:???
「あっ……!」
 少女は思わず息を呑んだ。少年が取り出したのは、少女が持っているもの
と全く同じ、紫色のお守りだったのだ。
 それを見た少女は、すぐに理解した。兄は自分の行動に気付いていたのだ
ということを。毎日のように朝早く起きて、神社にお参りしてきた自分の行
動を、ちゃんと把握していたのだということを……でも、それを口に出すの
が照れ臭いから、お守りを掲げるという態度で示したんだ。妹に対する、感
謝の気持ちを……。
 また溢れそうになる涙を、少女は必死で抑えた。それから少女はお守りを
握り直し、その腕を兄に向かって伸ばした。勝利を称えるように親指を立て
ると、少年も伸ばした手の親指を立て、少女に向けてウィンクをして見せた。
 おめでとう、お兄ちゃん。きっと、あたし達の願いが神様に通じたんだね。
 これからの試合も頑張ってね、お兄ちゃん!

357 :751 ◆FFV1SjUAV2 :04/05/06 07:07 ID:???
終わりです。
なんかまとまりのない文章になってしまったような感じ・・・これからも精進します。

358 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/06 09:57 ID:aiG4DYuw
>>1「お…お兄ちゃん…今夜…寒いから…あ、あの…一緒に寝て…いい…?」

359 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/06 10:12 ID:???
「お兄ちゃんのロリコン!」

360 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/06 20:04 ID:???
>751 ◆FFV1SjUAV2
そんなことないッス、あなた様のはいつもいつも素晴らしいですよ
   .人
 (;0w0)  ヂャア゙、オリボヅヅギオ゙……

「ごちそうさまでした……」
兄さんがいなくなって二回目の夜。
食べ終えたハンバーガーの包みに向かって呟いてみる。
……もちろん、返事が無いことは分かっている。兄さんは遥か遠く神戸の空の下……。
兄さんには、旅行の前夜に『お休みなさい』を言ったきり、会っていない。
つまり、丸二日近く、兄さんの顔を見てないことになる。
……まさか、こんなに兄さんのことが気になっちゃうなんてね。
私はため息と共に、立ち上がって、食べ終えたゴミをゴミ箱に捨てる。
ゴミ箱は、昨日のお弁当のパックや、パンのビニール袋でいっぱいだった。
……最近、ほとんどキッチンには入っていなかったからなぁ。
兄さんはいないのだ。
だから、兄さんの朝ご飯や、お弁当は作らなくてもよい。
お洗濯も重い思いをすることもない。
兄さんのバカな会話に、いちいち怒る必要も無い。
……確かに、兄さんの言うとおり、私は楽をしているのかもしれない。
でも、
兄さんのお弁当の感想も聞けない。
兄さんの優しさはどこにも無い。
兄さんの顔や声や匂い……兄さんのすべてを自分の体で感じられることも無いのだ。
上手く言えないけど……なんだか物足りない……。
「どうしてなんだろ……私、兄さんのことばかり考えてる……」
答えは既に出ている。
ただ、それを認められないだけ。
でも、何故、認められないのか……。
多分、兄さんを信じられないんだろう……。

361 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/06 20:06 ID:???
私以外の女の人にも、同じ事を言ってるんじゃないかって……。
私にとっては愛の言葉でも、兄さんにとっては単なる冗談にすぎないのではないかって……。
殊に、恋なんてしたこと無いから、余計に臆病になってしまう……。
「兄さん……会いたいです……。せめて……声だけでも……」
兄さんは……私がいなくても平気なの……?
私のこと、可愛いって言ってくれたのはウソ……?
私……兄さんが思ってるより……強くないんだから……。
だから……お願い、兄さん……。早く帰ってきてよぉ……。
私は、不安でいっぱいになっている頭を抱えながら、ソファーの上で丸くなり、
来るはずの無い何かをずっと待っていた。

「あーぁ……疲れたぁー」
俺は宿泊先のベッドに飛び込んで、天井に向かって……迷惑にならない程度に怒鳴る。
「二日間、ご苦労さん。班長」
「誰のせいだと思ってるんだよ、森下さんよぉ……」
同じ班の一人で、親友であり悪友の森下が話しかけてくる。
「まぁ、いいじゃん。こうして、俺たち四人、無事ホテルにいる訳だし」
「うるさい……」
「大体、お前だって『土産が足りねぇ!!』とかなんとか言って、どっか行っちゃっただろー?」
「……」
「お前、そんなに土産ばっかり買ってどうする気だよ?」
「勿論、妹に」
「相変わらずだな……」
「悪いか?」
「別に。何を今更って感じだしな」
「でも、そういえば二日も会ってないんだなぁ……」
あの日、未来を叩き起こしてでも、『行って来ます』を言うべきだった……。
実は、今になって、後悔していた。
「心配か?」
「心配?誰が?」

362 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :04/05/06 20:08 ID:???
「誰がって……お前に決まってるだろ?違うのか?」
「しねぇよ。未来は、俺の三千倍はしっかりしてる……心配したら失礼だろ」
「そうか?ま、でも寂しがってるんじゃないのか?電話でもしてやったら?」
「まさか……」
「どうして?」
「未来は俺になんざ興味ないって」
「ふーん……まぁ、常識的に考えれば、妹なんて、そんな物かもなぁ」
「そうそう。バカな兄貴から開放されて、今頃は羽を伸ばしまくりだろうよ」
俺は、自分に言い聞かせるように、そう呟いた。
「うぉ!!忘れてた!!班長は今から集合だった!!」
まったく、班長ってのは忙しい。愛する妹のことも考えられないぐらいに……。

363 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/06 22:45 ID:???
(*0M0)よし!いいぞ剣崎!
751 ◆FFV1SjUAV2氏もグジョバ!

364 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/07 14:27 ID:???
萌えも絵も絵も絵も絵も絵も絵も絵!!!!!!

365 :名無しくん、、、好きです。。。 :04/05/07 22:56 ID:???
「お兄ちゃん、ココアでもいれよっか?」「お、悪いな。」「あと何か欲しいものある?お菓子とか…」「んー…いや、いいよ。」「じゃ、待っててね。」……欲しいものは、ある。…1つだけ。

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0ch BBS 2004-10-30