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ネットだから書ける貴方の人生物語

612 :名無しさん :2000/12/11(月) 23:19
都市近郊の専業農家の長男に生まれる。父は文盲の人。しかし俺はなぜか尋常小学校で勉強がよくできた。
百姓がいやでいやでたまらなかった。
学校の先生に師範学校への進学を勧められる。「百姓に学問なんかいらん!」と父に殴られた。しかし母がかばってくれて進学できた。
都心の小学校に就職が決まり、毎日親元から汽車通勤。
結婚して都心の借家に引っ越す。通勤が楽になる。子供もできた。百姓のあととりは弟にまかせるつもりだった。

大東亜戦争勃発。たよりの弟が出征してしまった。住んでいた借家が空襲で焼け落ちてしまった。
しぶしぶ、妻子を連れてクソ親父のいる実家に引き揚げる。
まもなく弟の戦死の報が届く。
おもしろくないので酒浸りになった。毎月給料日には、若手教師を引き連れて、大半を飲んでしまっていた。
妻を泣かせた。悪いことをしたと思っている。

最後は校長になれた。しかし定年まで、このクソ田舎から汽車通勤し続けた。

クソ親父は俺の定年と前後して、ようやく死んだ。よくも長生きしたものだ。
俺の人生は戦争のせいで狂わされた。
戦争がなければ弟は死ななかった。弟が百姓をついだだろう。住んでいた都心の家も焼けなかった。俺は都心で新生活ができていたはずだ。
戦争のせいで、教職のかたわら、クソ親父といっしょに嫌いな百姓をやらなければならなくなった。
世間一般から見れば俺の被害はマシなほうかもしれない。妻子ともに生き延びたし、職も失わず、気に入らない親父だが引き揚げる場所もあった。
それでも俺は戦争を憎む!俺は反戦だ!!

今も俺はしぶしぶ百姓をやっている。教師の年金で食ってゆけるのだが、やらないと荒れてしまうではないか。


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0ch BBS 2004-10-30