■スレッドリストへ戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 最新50

ネットだから書ける貴方の人生物語

217 :父の人生 :2000/11/30(木) 20:52
1916年、西日本の某県の県庁所在地の郊外都市の陸軍施設職員の次男として生まれる。
2才上の兄、3才下の妹あり。幼少時父が死亡し以後貧しい生活を送る。勉強・運動は
クラスでもトップクラス。
高等小学校終了時、担任に授業料のいらない師範学校受験を勧められるが気に入らず
ブッチする。今更ながら悔やまれる。
東京に出て工業系の専門学校に通うが長続きせず中退。その後、地元村役場に就職。
20才の時徴兵され陸軍に所属。兄は海軍へ。
出身地の関係で運良く中国戦線に送られる。隣町の県庁所在地出身の兵士は多くが
南洋の島に送られ、部隊によっては餓死等含めて9割を越える戦死率であった。
以後揚子江流域で中国兵と戦うが激戦はなく比較的のんびりしたもの。
29才の時日本敗戦。香港の九龍半島にある捕虜収容所で半年を過ごし、その後
復員。幸運にも兄も復員。
食糧不足の時代でもあり、故郷の村で山麓の荒れ地に入植、慣れない農民の生活
を始める。農業だけでは食べていけず地元バス会社に運転手として就職。貧困に
耐えつつ暮らす。役人を接待、酒を飲ませて農地の払い下げを受ける。

45才の時14才下の女性と遅い結婚。その後二男に恵まれる。短い幸福な時期
であった。次男出生後、妻が精神病に。暫く精神病院入院。その後家に戻るも
おかしな言動が続き近所との関係が悪化。
このころ肩たたきに合いバス会社を早期退職。以後は年金生活+農業。

田中角栄首相の列島改造ブームの時代に地価が暴騰し資産家となる。土地の
切り売りと賃貸住宅経営で何とか生活が安定する。
見栄張りの妻が子供二人を私立小学校に入学させる。妻の病気は治まらず
子供の同級生の親に言いがかりをつけ何度も訴える。もはや年をとり妻の
奇行をやめさせるエネルギーを失い、屍のような人生が始まる。

息子二人は思いの外出来がよく、二人とも私立の難関中学から併設高校に
進学。長男は地元の国公立医科大、次男は旧帝大の医学部に進学して家を
離れる。妻の病気はますますひどくなり、息子達の大学受験を妨害したり
授業料を一切払わなかったり、勝手に退学届けを出したりと暴虐の限りを
尽くす。
老齢でもはや妻を押さえるエネルギーがなく、息子達に完全に愛想を尽かされる。

時はバブル期、県庁所在地の郊外と言うこともあり地価が暴騰、一時は総資産
が十億とも言われたがその後バブルが崩壊し資産は激減する。

73才の時唯一の理解者であった兄を胃癌で失う。
75才の時悪性リンパ腫に。抗癌剤投与を受けるがこのころからめっきり体力
・気力が落ちる。もはや凶人と化した妻の言いなりになる奴隷のような日々。

徐々に老衰が進み、今や歩行も困難となる。自分の人生の終わりが近づきつつ
あることを実感している。

511KB
新着レスの表示

スレッドリストへ戻る 全部 前100 次100 最新50

0ch BBS 2004-10-30