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夏目房之介さんスレッドver.4

482 :夏目房之介 :2000/11/06(月) 20:27
過去の質問及びコメント1
135 10.6 他 夜話で取り上げたい作家などについて:
夜話の初めは、いしかわ氏と当時のディレクターが中心になって決めた。
そんな経緯もあって、いしかわ氏の基準から大きく外れるものは、
けっこう難しい。でも、それでいいと僕は思う。
あんまりあれもこれも目配りした「平等主義」なんかより、
そっちのほうが面白いし、第一、若いファンにこびる必要はない。
現在は、毎回次回の選定について打ち合わせがあるが、
僕はあまり「これをやりたい」とかいわないようにしてる。
僕は、基本的にこれは僕が出る意味はないとか、
読み切れないものは出ない。
それだけなんだけど、やっぱNHK側にすれば困るわけで、
しかたないから「それ何巻?」って聞くようにしてる。
分析の時間とか入れると、僕には限界がある。
自他ともに認める遅読の人なので。

483 :夏目房之介 :2000/11/06(月) 20:46
過去の質問及びコメント2
231まそがさん他 10.9 書き下ろしと完成度及び商業主義などについて:
まず、僕の見地からいうと、日本のマンガの規模は、
明らかに週刊連載の大量出版、
薄利多売、一誌多連載という商業的方法に支えられてきました。
そこにTVに始まるメディアミックス、商品化権が重なり、大きな市場を構築した。
完成度の高い「優れた」作品は、逆にいえば、
そうした経済的基盤の余裕によって可能になった。
日本マンガのいいところは、優れた先端的な作品も、大衆的な作品も、
同じ商品市場の中で、
純文学・大衆文学のような隔離をされずに発展できた、という点です。
フランスやアメリカの例をみるにつけ、
この両極分解、「いい作品」だけを認めようとする基準が、
むしろ大衆文化としての衰弱をまねくように思えます。
とはいえ、これらの方法論もそろそろ金属疲労状態になりつつあるようで、
「書き下ろし」という欧州型も本当は長期戦略として考えてきてよかったろうと思います。
商業的な面での成功といっても、
せいぜい短期から中期までの戦略でしかないように僕には思えます。
書店・流通まで含めた売り方で考えるとね。
「完成度の高いものを」「いい作品を」という要求は、
読者の成熟とともに必然的に出てくるけれど、
多くの類型的・大衆的な作品が全体を支えていることを忘れると、
マンガの純粋芸術化を求める狭い意見になりがちだというのが、
僕の考えです。

484 :夏目房之介 :2000/11/06(月) 21:05
250 10.9いち漫画書きさん 他 この前後のどわさん
設定、舞台、世界観、キャラ立てなどについて:
これらの用語について、かなり混乱があったように思えます。
混乱を整理するためには、
それぞれの言葉の出自や、
どういう文脈で使われているかの検討が必要です。
が、ここで「漫画書きさん」が「どわさん」の整理した文について、
「理性的な意見という気がする。漫画を書く動機って単純だと思うんですよ。」
と書いてるのは、どわさんが「理性的」に整理したものについて、
「理性的」だといってるだけで、あまり意味をもちません。
「漫画書きさん」は、マンガを描く実際の作業についていっていて、
そのことを整理して考えることと、描くことそのものは別のことですね。
一人の作家の中でも、実際の作業はかなり無意識な混沌としたもので、
それを言葉で整理するときは別の抽象的なレベルの問題になります。
なぜ、僕がここにこだわるかというと、
こういう違うレベルの問題を混乱させると、
「ロクなマンガも描かないくせに偉そうなこといいやがって」とか、
「マンガも描けない癖に偉そうに批評なんかするな」
という見当違いの反発と同じ論理的混乱になっちゃうからです。
現場と技術的整理や批評・論理のレベルは違うし、
僕の書いてきた「表現論」と現場的技法論も、
相互に利用は可能ですが、
理論的なレベル、場は違うと思います。
ここを押さえるのと、そうでないのとでは、
議論がうまくかみあって生産的になるかどうかのキワなので、
とても大事な問題だと思っています。

485 :夏目房之介 :2000/11/06(月) 21:08
484は、過去の質問及びコメント3でした。
以後、時間のあるときに、
今までの中で書いておきたかったことを、
いくつか書き込んでいきます。

486 :ああっ名無しさまっ :2000/11/06(月) 21:15
>>372-374
その後見苦しい経過をたどっております
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=saku&key=973488320

487 :ああっ名無しさまっ :2000/11/06(月) 22:18
>481
アメリカでは、はっきり役割分担して漫画を作ってるって聞いた。
あっちは、出版物もなんらかの審査を通らないと、出版できないから、
そうとうしっかりした物作るんだって。
最初から、世に出る物と出ない物がぎっちり区分けされるんだと。
これは、483で夏目さんが
>この両極分解、「いい作品」だけを認めようとする基準が、
>むしろ大衆文化としての衰弱をまねくように思えます。
もうこのようにコメントしてるけど。
とりあえず、その話を聞いて、日本に生まれて良かったと思った(笑)。

488 :ああっ名無しさまっ :2000/11/06(月) 22:21
>477
神保町の古本屋街をぶらぶらしてると、たまに海外のコミックスを見かける
ことがあるよ。
興味があるなら、自分でゲットするのもよいかと。
ほんとは手に入れる機会が毎年春にあるんだけど、企業秘密なので今日は
このへんで。

489 :fusa :2000/11/06(月) 23:49
>この両極分解、「いい作品」だけを認めようとする基準が、
>むしろ大衆文化としての衰弱をまねくように思えます。
ネットの中もよく似てる感じがする。お下劣サイトや2ちゃんがあるから
インターネットも底力が出るってもんよ。

ともかく誠実な姿勢の先生に、感心するのだった。この贅沢な空間の
ことは、忘れないです。



490 :fusa先生 机下 :2000/11/06(月) 23:52
今日の潮出版の雑誌に先生のお名前を発見!


491 :谷岡ヤスジ :2000/11/07(火) 00:32
マンガ議論、面白いマンガを産む役に立ってなかったりしチ

492 :谷岡ヤスジ :2000/11/07(火) 00:33
なんちて

493 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 00:37
夏目さん、ぜひ今度少女漫画板の「盗作しちゃダメじゃないか」スレを覗いて
ひとつご意見お願いします。

494 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 00:41
2ちゃんねる・・・。
時に荒れるスレッドを横目に嘲笑し。
時に鋭いレスに涙を流し。
時に向きになって長文カキコをしてみたり。
時に調子に乗って叩かれたり。

確かに、色々な要素があって、ここは面白い場所ですよね。
変幻自在、というか。ここ来たら他の掲示板はぬるいこと、ぬるいこと(藁
物事に表裏があるってことを、ここに来るだけで体感できるちゅーのが良い。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/07(火) 04:38
>夏目さん
マンガ夜話の作品選びはレギュラーがしゃべりたい作品を
選ぶべきだと僕も思います。
僕は取り上げる漫画のファンじゃなくて漫画夜話のファンなんで。
そういう意味で「ドラえもん」や「聖矢」はいまいちでした。
たぶん「ドラえもん」や「聖矢」のファンはマンガ夜話で
レギュラーが話すようなことなんて聞いても嬉しくないと思うんですよ。
でレギュラー陣も思い入れがないから冷めた客観的な分析だけで
盛り上がらずに終わってしまう。(例外でアストロは客観的な分析だったけど
面白かった)
夏目さんもマニアックな作品でもガンガン自分のやりたい作品を
会議で言ってくださいね。


496 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 06:49
先日テレビで京都精華大のマンガ学部が出てました。教授の肩書きで
竹宮恵子さんが、授業で実技指導をされてました。あの学校の図書館て、
漫画だらけでした。いやぁ、漫画を描ける人が羨ましかったです。
いつか、漫画学部夏目教授、が誕生するのも、いいな〜
週1くらいで、京都で講義。。。なかなか良いではありませんか?!
fusa先生、ドンドンいい本を書いて、きっと上洛して下さい。
ヨロピク。

497 :どわ :2000/11/07(火) 07:01
>>484
あのときに自分が書いた事を思い出すと、恥ずかしさに身もだえしてしまう。
自分の力不足だけならまだしも、たびたび指摘された議論のレベル…。
誰に、どのような流れでのカキコかってことに、注意を払っていなかった。

498 :どわ :2000/11/07(火) 07:36
「聖矢」は連載で読んだ方が面白い、比較的新しいマンガ。
グレチキの話は、作品のファンとして共感できたし、面白かった。
ゲストに、若手のマンガ評論家を迎えれば、さらに興味深く面白い回になったんじゃ
ないかな。

499 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 07:48
やっぱ、この人、根っからの漫画好きだわ。
すんげー。

500 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 07:55
499に激しく同意だね。

501 :477 :2000/11/07(火) 10:44
>481、487
すごいねアメコミも。どうやって造ってるかなんて考えて
見たことなかったので今度はそんな視点でも読んでみようっと。
>488
企業秘密!素敵な響き…。(教えてって事じゃないよ言葉に反応しただけ)
ありがとう、ぶらぶらしてみます。

502 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 12:05
>>491 谷岡ヤスジ マンガ議論、面白いマンガを産む役に立ってなかったりしチ
直接役に立たんでもヨカッタりしチ。それはそれで面白けれバよかったりしチ。

>>495 マンガ夜話の作品選びはレギュラーがしゃべりたい作品を選ぶべきだ
たしかにそうだし、そうなっちゃうんだけど、
自分達がしゃべれるものばっかりやるワケにもいかないのよね。
星矢があって、一条さんがきて、ホモホモがあって、マキバオー。
これで、やってるほうもリズムができる。
見るほうも、星矢が面白い人もいれば、他のが面白い人もいる。
これが連日誰かが入れ込んでるものばっかりだったら、
あの番組はこんなに続かない。
ここにはスタッフ達の見えない努力があるんですな。
これって日本のマンガ雑誌と同じで、
あれもあれば、これもある。
だから面白いし、いろんな人が読める。
ってのと同じ。
つまり大衆性、娯楽性の保証ってことだと思います。
僕は、プロとしてはどんな球でも、
それなりに打てないといけない、
と思ってるけど、たまに僕が打つと失礼にあたるものがある。
そういう時は休むのね。

503 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 12:17
>>501 477すごいねアメコミも。どうやって造ってるかなんて考えて
見たことなかったので今度はそんな視点でも読んでみようっと。

いいですね。僕も昔は、話は知ってても興味はなかった。
でも、香港にいって、じつはアメコミと同じシステムで作ってるって知り、
なおかつ彼らが目指してるのが日本マンガだって知って、
マンガとそれを支える制作システムの問題を考えてたら、
編集のこと、流通のこと、社会構成のこと、文化背景のことが、
すっごく面白い課題になった。
結局、マンガ一つで各国の人口・市場・産業構造・文化(観)・・・・、
いろんなことがわかるんですよ。
ちなみにフランスはアート志向の作家重視型で書き下ろし的。
台湾や韓国は日本に近いが、それでも編集はただのお使いさん。
今、僕は自分の表現論を、そうした知見の中でどう位置づけるか、
それを考えてるところです。

504 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 12:25
あ、503の続き。
アメコミ、香港型分業は、会社が著作権を所有管理する。
日本のように出版社と作家が独立してると、
著作権は作家が所有する。
また、欧米では原画をコンベンションで売るのがふつう。
それで作家(画家)は生計を立ててるところがある。
再版はフィルムでやるらしい。
でも、日本では原画を著作権者たる作家が所有管理して再版するので、
売れない。貸本時代には読者プレゼントされてたけどね。
ドイツでは「なんで日本の作家の原画は売ってないのか」
って質問があって、そういうシステム上の違いを説明しました。

505 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 12:34
sageru

506 :>▽< :2000/11/07(火) 12:38
『ホモホモ7』の復刻版を買ったら、いしかわさんの解説がついていました。夜話メンバーの影響力の大きさを感じました。
NHKも夏目&いしかわ監修で宮谷選集を出すとかすればいいのに。

アメコミの環境って、日本のアニメと似ているように思えます。
徹底的な分業制である事、作者がさほど優遇されていないこと。などなど

507 :名無しさん :2000/11/07(火) 12:45
夏目さんが休んだ回ってけっこうあるっけ?

508 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 16:38
>>459
私は ピーター・バラカンさんが夏目さんに似ていると思う。
バラカンさんは 最近、エジソン生命のCMで 英語ペラペラしゃべってるよ。

509 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 18:14
>>507
出ようとしたけど出られなかったのは「ガラスの仮面」だったね。
真澄様の格好で謝ってるFAXがきていた。
そのせいかあの回は荻野目慶子の電波(演技?)全開だった。

510 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 21:21
>>vol.3の490 ナレーション+セリフをワクにいれて絵物語に入れるのは
そう難しい発想じゃないと思うんだ。
でもフキダシに言葉を収めるというのは新しい起源の
新しい発想だったんじゃないだろうか。

これ、重要な指摘です。絵物語的な言葉の囲い込みは、
中国の連環画、日本の黄表紙、西洋の絵本など、
近世〜近代の例はいくらもある。フキダシにセリフを入れるのは、
ナレーションとセリフの分離が前提になります。
むろんフキダシの前段階と思われる記号表現もないわけじゃない。
でも、そこには明らかに新しい段階があったはずです。
その時期が映画と同時期の初期大衆社会だとすれば、
大衆的な時間のとらえかた、感じ方、
言葉の文と会話の分離などの共有感覚が、
映画やコミックの成立と相互的にあったんじゃないか。
これが、荒っぽい今の僕の仮説。


511 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 21:52
519=過去の答えとコメントその4でした。
以下、その5
上で触れた490以後、498どわさんを介して524Yさん、538ヒロさんなど、
コマの話になってますね。
僕のコマ論については著作を参照してもらうとして、
コマという枠組み自体は、すでに19世紀の風刺画でも
成立してます。事実、19世紀ドイツの絵物語形式のマンガにもありました。
日本でも西洋風刺画の影響下にできた明治新聞漫画の中にあります。
江戸中期の手品解説本なんか、一見ほとんど近代のコマみたいです。
けれど肝心なのは、ただ箱型の線がいくつか時間を区切っていることじゃなくて、
その機能と効果が生む「物語」性だろうと、僕は思っています。
つまり、コマの利用による自在な時間の画像分節の緩急と、
ナレーション及びセリフの分離による言葉の時間の広がり。
これが重なって、初めて今世紀のコミックス表現になっただろう、と。
この仮説には、絵→写真→連続写真→映画という画像→映像の変化、
近代における文と絵=小説と絵画の分離(宮本大人氏仮説)、
という前提があります。
というわけで、こういう論議をきちんとするには、
あまりにもこの場所は狭すぎる、ということもありますね。



512 :夏目房之介 :2000/11/07(火) 22:11
過去の答えとコメントその6
>>vol.3 562ああっ名無しさまっ
夏目氏のスタンスって手塚と同時代性に立脚してる{略}
そこが夏目氏の限界なんじゃないかい?

これは同556フィルさんの「手塚の冒険」への感想を受けて書かれ、
その後フィルさんらの適切なフォローがありました。
(厳密にいうと僕は初期赤本手塚には「同時代」じゃないけど)
僕が「冒険」の前「手塚どこ」を書いたとき、
いちばん考えたのが、そのことでした。
「どこ」の中に、手塚の初期アトムの線を「重い」と感じる
年下の編集者の話がでてきます。
そこで提出したかったのが、世代の感性の問題でした。
でも、とにかくも最初に何かを、できるだけ遠く(普遍化)に投げておく。
それが世代的感性を基礎にしてもできるのかどうか。
つまり、だいぶ前にここで語った世代と普遍性の問題ですね。
結果からいえば、できたと思います。
本当いうと、若い世代からの反発、批判がすぐにでもくるかと思ってました。
でも、それは少なくとも僕の知る限りでは、
理論的な検討に値する言葉として届いてこなかった。
それが「届いた」と思ったのは、
じつに数年前に若手研究者の批判に遭ったときでした。
虚勢でも嘘でもなく、涙が出るほど嬉しかった。
6年ほど待ったことになります。
孤独であるより、まっとうな批判のあるほうが、
何かを知ろうとしている人間にとっては嬉しいんです。

513 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 22:45
夏目さ〜ん、2ch撤退する前に質問解禁になるんですよね〜。
楽しみだな〜。その時は教えてくださいね〜。
また寝かしませんよ〜。

514 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 23:04
>孤独であるより、まっとうな批判のあるほうが、
 何かを知ろうとしている人間にとっては嬉しいんです。

をを、重みのある言葉。本当にここは2ちゃんねる?

515 :ああっ名無しさまっ :2000/11/07(火) 23:13
ただ今書店で発売中の「ダ・ヴィンチ」で、夏目さん・呉さん・夢枕さんの
鼎談を発見。なんでも、夢枕さんのお知り合いが、貸本マンガを大量に持って
らしたのを、夢枕さんに譲られたとか。
マンガの山を目の前にした、3人のお顔はまるで少年のようです。
おまけに、あのさいとう・たかを先生の近影もあり。
けっこうお得かも。

516 :夏目房之介 :2000/11/08(水) 00:17
>>515 発売中の「ダ・ヴィンチ」で、夏目さん・呉さん・夢枕さんの
鼎談を発見。{略}マンガの山を目の前にした、3人のお顔はまるで少年のようです。

あれ、獏さんから僕にFAXがあって、
相談受けて実現したんだけど、
貸本の山みたてらほんとに嬉しくてさ。
だって僕が借りてた南波健二の「タックル猛牛」シリーズとか、
もう懐かしいやら楽しいやらの宝の山だったんだもん。
僕らにとっては古本としていくらになるかなんて、
どうでもいいんだよね。
僕は収集家でもマニアでもないので、
ただただ読めれば嬉しい。
でも、十何冊かはほんとに僕が買いたかったなぁ。

517 :515 :2000/11/08(水) 00:51
>>516
わはは。本をめくっている夏目さんの目は、白く煙った前髪に反比例して、
もうほんとに「マンガ読めて嬉しいっ!」ってキラキラしてましたからね〜。

「鼎談」だなんて堅苦しいこと言わないで、「マンガ好きオヤジーズ集合!」
とでもして欲しかったくらいですわ。
どうせなら、往年の名バンド・ビージーズにあやかって、ジージーズとか。
ちょい悪ノリ。

518 :ああっ名無しさまっ :2000/11/08(水) 01:31
原稿を著作者が管理…の話で思い出したけど、最近本宮ひろしが
75年連載当時の「俺の空」の生原稿1000枚を読者プレゼントに出してたね。
なんつーか、なんつーか、いやはや…

519 :ああっ名無しさまっ :2000/11/08(水) 01:37
>518
さすが、ジャンプの巻頭を自らのグラビアで飾った伝説の男。
やはり、サラリーマン金太郎はやることが違う!!

・・・って言ってる俺自身がもうだめ・・・。
もともとバンカラな人だから、自分の原稿にあんまり執着しないんだろな。

520 :495 :2000/11/08(水) 01:54
>>502の夏目さん
なるほど作品の並びにもリズムがあって僕が面白くないと思った回も
面白いと思った回に影響を与えてるってことですね?
それは考えなかった。「今日ダメ、あっ今日面白い」って一回のタームで
考えてました。
それって夏目さんが著書や483で言ってる「良いものばかりを優遇して
それ以外のものを冷遇してると全体の基盤が貧弱になる」って考えに通じますよね。
この考えって僕はすごい面白いと思います。
(以下蛇足)
これからの夜話ってどうなるんでしょう?
ジャンルごとや雑誌ごとってのもアリかもって大月さんがムックで
言ってましたが。
「エロマンガ夜話」とかあったら面白いですよね。
あと「COM夜話」や「ガロ夜話」とか。

521 :夏目房之介 :2000/11/08(水) 03:12
>>520 495それって夏目さんが著書や483で言ってる「良いものばかりを優遇して
それ以外のものを冷遇してると全体の基盤が貧弱になる」って考えに通じますよね。

その通り。それが大衆文化のいいとこ。
大衆社会って、いろんなものが重層して物事が成り立つ社会だしね。

>>「エロマンガ夜話」とかあったら面白いですよね。
あと「COM夜話」や「ガロ夜話」とか。

そういう話は次回の打ち合わせでそろそろ出るんだけど、
どうなるかな。僕個人は目先変える試みはいいと思うけどね。
岡田さんと二人でアメコミやらないっていってみたけど、
いしかわさんは興味ないみたいだから、まぁ無理か。

夜話の「ホモホモ」で思い出したこと。
いしかわさんが、劇画のパロディは絵が当時でもちょっと・・・・
といってたよね。それはそうだったんだけど、
「何をやりたいか」がわかるだけで、当時の僕らは楽しかったし支持した。
僕にとってスパイダースがたとえば「サマーガール」で、
自分達じゃできもしないビーチボーイズの「サーファーガール」をやろうとしてた、
その意気やよし!って感じで喜んでたんだよね。
うん、これを本番中にいってみたかった。
いしかわさんや呉さんには受けたかもしれない。




522 :魁!名無しさん :2000/11/08(水) 04:43
夏目さん、こんばんわー。
過去スレ拝見しましたー。で、ちょっと一言。
万引きを甘く見るのはちょっとご勘弁を・・・うち小売業で(汗)。
高校生集団がサンプルを丸ごと盗んでいったり・・・結構笑い事じゃないんで
まあ世の中にはこういう立場の人間もいるということで。強制はできませんが。

523 :ああっ名無しさまっ :2000/11/08(水) 09:52
>322
ありゃあ、万引きをしてしまって、収集がつかなくなっていた人の
心理状態に一言フォローしてあげたコメントと読んでおりましたがなあ。
別に、夏目さんは万引き行為自体について、甘いことを言おうとしたん
じゃない気がする。

524 :夏目房之介 :2000/11/08(水) 11:10
>>522 名前:魁!名無しさん
万引きを甘く見るのはちょっとご勘弁を・・・うち小売業で(汗)。

あはは、あたしゃビニ本止めてくれ論についてかと思った。
失礼、いや、小売業の方はほんとに冗談じゃすまないでしょう。

あの「人生相談」はあとにも書いてあるように、
フェイクである可能性も高いけど、
逆に本物だった場合のことを考えて、
ああいう真正面からの物言いになりました。
それに他の人は「万引きは犯罪だ」
って怒ってましたしね。

まぁ刑事ドラマでよくあるじゃないすか。
僕は「カツ丼食べっか?」の、おいしい役をやっただけです。

しかし、
>>まあ世の中にはこういう立場の人間もいるということで。強制はできませんが。
って、魁さんて強持てのお名前にしては、気の弱い。
万引きは、そりゃいかんです。
正直にいえば、僕が万引きしたのは小学生のときね。
それも1回か、そこら。
僕も気が弱いもんで。



525 :ああっ名無しさまっ :2000/11/08(水) 11:56
夏目さん、すごい書き込み量だけど、立つ鳥跡を濁さずなんだろうか。

エロ漫画夜話は難しいとしても、そろそろ山本直樹をとりあげて欲しい。
あと、ギャグ漫画夜話とか。

526 :ああっ名無しさまっ :2000/11/08(水) 15:46
夏目さん、前言ってた12月に出るとかいう新刊の正確な発売日とかタイトルとか教えてくださいな。
と宣伝の手伝いをしてみる。


527 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 00:17
>>526さん。ありがっとぉぉおお!(涙)。
東京新聞連載のコラム「これから」の夏までの分
(2ちゃんについての記事含む)
を倍ぐらい加筆して講談社から12月初旬
(まだ講談社が教えてくんない)
1200円で、版型小B6(新書より少し大きい)
で発売予定。もうすぐ再校がでる。
よろしく!

528 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 00:41
あ、タイトルは「これから」だからね。
それから、ドイツから帰ったとき、
ギルドの奴らを掃除しといたっていってくれた
海賊さん。けっこう、受けました。
昔、大好きだったもんで。

529 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 00:50
2ちゃんねるにおける夏目さんの出没条件

1 仕事がなくてヒマなとき
2 気が向いたとき
3 書き込みが適度にされているとき
  (なるべく、少ないほうが好ましい)
4 おもしろそうな話題があったとき
5 自分に対して痛烈または名指しのレスがあったとき
  (なるべく対応したほうが良さそうだと判断された場合に限る)

という風に見ましたが、どうでござんしょね。

530 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 00:55
気になってたのは、以前四方田さんをひきあいに出して、
記号論的なマンガ研究をどう思うか、という質問が研究者の方からありました。
そのとき、僕はどうもうまく答えられてない気がしてました。
むろん、今は記号論であれ、何であれ、様々な側面からの研究が必要です。
いろんな人がいろんなところから研究をしてくれれば、
それだけみんな勉強になるはずです。

ただ、僕がいいたかったのは、
たとえば「構造分析」と称してマンガの話の構造を解こうとする場合、
マンガの構造においてコマの構成を抜きにしては
構造分析にならんだろうって視点を強調したかったんです。
もともと言語論からきた構造分析は
マンガに当てはめればマンガの言語・文法、
つまり絵とコマと言葉の関連構造を考えないと
できなはずなんだと思います。
このへんが欧米思潮受け売りアカデミズムの限界だろうと、
僕は思っているので。

531 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 01:05
>>529 そのとおりでござんすね。
予測してみますか?
それはともかく、
今週中はとりあえず質問解禁にしておきます。
ただ、全部答えられるとは限りません。
例によって君もしくは君の質問が
無視され、あるいは重複しても、
当方は一切関与しないので、
そのつもりで。
なお、この書き込みは
今月中に自主的に消滅する。
(タ・ン、タンタンタッ、タンッタンタッタ=音楽)

532 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 01:15
>>530
乱入失礼します。手厳しい見解ですね。
最近ようやく、「手塚治虫はどこにいる」を拝読しました。
前書きに書かれた「蛮勇を奮う」という言葉。
夏目さんが手塚さんに持っている愛情と敬意と、自分がそう思っている人の作品
を解体することに対しての畏れと、それでもやらねばならんというぎりぎりの
感情とが、ごちゃまぜになって吹きつけてきたような気がしました。

この本では、漫画批評という分野において初めて、あらゆる作品に共通する
ものさし(コマとフキダシ)の定義付けがされている、と思いました。
夏目さんの言葉でいえば、手術用の「メス」です。
それはまた、漫画という表現に共通する定義でもあると思います。

上手く言えないけど、これでようやくどんなジャンルやどんなテーマを持った
漫画でも、同じ土俵で闘わせることができるような気がしました。
あんまり、夏目さんのあとを追いかける人はいないようで、相変わらず漫画に
関しては、感想文のようなものが多く、ある方法論を提示しようとしている
人は少ないようにも感じますが。勉強が足りないだけかもしれません。

533 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 01:18
>>531
そんなノリノリだと、こっちも本気で削除依頼出しちゃいますよ?(笑)
いや、実際には出しませんけど。。。

「講座」で野放しにされた時の夏目さんを思い出すなぁ。

534 :ハーイ、先生質問でーす :2000/11/09(木) 02:05
もしもー、マンガ学部で講義するならばー、何ていう講座を
担当しちゃいたいですか?
ちなみに、竹宮恵子先生は、というと「脚本論」でした。
マンガの歴史?マンガの力?比較文化論的マンガ学?
それともマンガ概論?・・←んなことだけは、ない気がしますが?

535 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 02:22
夜話の延長戦あるいは番外編として、「マンガ大学」やらないかなあ。
校長(と書いて何かあった時の後始末役)に夏目さん。
講師はコワモテのいしかわ教授に、やたらしゃべりまくる岡田教授。
あと、なぜか競馬専攻の大月教授。
事務のおねーさんとしてアシスタントさん。
後は、ノリのよい現役漫画家のみなさんを2・3人と、教授陣と仲のよい
講師(呉さんとか)の方々をお呼びして、3時間くらいの限定開講。

金八先生の課外授業の回みたいになって、おもしろそうだ〜。


536 :あ” :2000/11/09(木) 02:36
>>534

「マンガ的男根論」とか「マンガ女体論」だったりしたら、
おいら、テンプラして聴きに行くぞ!(笑い

537 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 02:51
>535
いいねーそれ。んじゃ名物院生として、みうらじゅんさんで!
万年学生として、みなもとたろう先生に一番後で居眠りしてもらお。


538 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 03:07
>>511 絵→写真→連続写真→映画という画像→映像の変化、
近代における文と絵=小説と絵画の分離(宮本大人氏仮説)

確かに、映画の始まりは、連続する画像の面白さにあったみたいですね。
1890年代の映像作家で、フランスのジョルジュ・メリエスという人が
いるのですが、この人は破天荒なフィルムを得意としていました。
元手品師という経歴を持つメリエスは、ある日、公園で撮影をしていたのですが
撮影中、急にカメラが故障しちゃったんです。
そこで、撮影を中断し、修理して、もう一回カメラをまわしたんです。
そしたら、中断前の映像が、再開した時の映像とくっついちゃって、馬車が
霊柩車に、男が女に、とまるで突然変異を起こしたような、不思議なフィルム
ができたんです。
これは、記録の正確さを求めるならば、失敗作です。
だけど、メリエスはこの魔可不思議な映像にはまっちゃったんですね。
もともとそういう素質があったんだろうけど、その後この経験を生かした
「トリック撮影」(止めては撮る、ということを繰り返して、最終的に1本の
フィルムに仕上げる)を駆使して、幻想的な作品を作っています。
ある男の頭が伸び縮みする「ゴム頭の男」や、魔術師の魔法で、小さいびんに
女の子が閉じこめられる「悪魔のトリック」(フィルムに直接着色しているの
で画面が赤っぽい)など、変化の面白さを追求し続けています。
単純明快で、わかりやすく、映画の初期にすでにこのようなフィルムがあった
のか、と驚かされます。テレビの特集で見た、手塚さんのアニメ「ジャンピン
グ」に通じるような、動かすことの楽しさがストレートに表現されています。

そういえば、映画の初期って、音楽やセリフを収録・再現する技術が映像に
追いついていなかったから、映像とセリフが、別々の画面に、交互に映される
んですよね。このへんが、フキダシとセリフの関係性に、何か関係があるのか
なあ。つか、長くてごめん>all

539 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 11:00
532さん、ありがとうございます。

>>534 名前:ハーイ、先生質問でーす
たぶん、適当になんでもできる題を考えて、
直前に考えるんじゃないかな。
講演はいつもそうだから。
締め切りが遠いと考えない。

>>535
俺、銅像になって水かけられるの?
(ハナ肇)

>>538
>>映像とセリフが、別々の画面に、交互に映されるんですよね。
このへんが、フキダシとセリフの関係性に、何か関係があるのか

それは絵物語など、ナレーションと絵が交互にくる印刷物のほうが先じゃないかな。
セリフの分離は舞台脚本であったろうし・・・・
ところで、メリエスの段階からモンタージュ論で映画を飛躍させた
エイゼンシュタインは俳句からインスパイアされて考えたって知ってた?
竹熊さんから教わったんだけど。


540 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 15:57
思いつきですまん。
漫画の評論などをされる方も増えてきている気がするんだけど
各々の活動をまとめて知ることができるような“場”を創っては
もらえんでしょうかねぇ。(まだないよね?)
一読者としてはバラバラにみなさんの活動までは追いかけづらいんだけど。
「オレこんなの書いたのでよろしく」みたいな情報が列記されてるだけの
ホームページでもいいんだけれどなぁ。
(あとそこに漫画評論用語辞典でもあれば完璧なんだけど)
漫画夜話のサイトあたりを拡張してはもらえんのでしょうか?

541 :うそ :2000/11/09(木) 17:10
>541
あと、漫画技術用語辞典的なものも欲しいです。

それともどなたかすでに体系的網羅的なものは出していらっしゃるのでしょうか。

542 :優馬 :2000/11/09(木) 17:26
>>541,540

>漫画評論用語辞典でもあれば完璧

同感。ただ、「マンガ評論」の用語そのものがまだ開発途上にあるというのが現状
では?
夏目さんのお仕事あたりがそのへんを切り開いていると思うのですが、ほんと、誰
か学問的な頭の方が体系的に整理してくださらないかしらん。
夏目さんの本は、どんなに堅くてもエンターテインメントの要素(というか「マンガ
好き」の香り、みたいなモノ)が入っていて、すごく好きなんですが、まだ体系化は
されていない。
「マンガ学部」が真っ先に取り組むべき仕事は、そのあたりだと思うのですが。
マンガ評論の分析と体系化。間違いなく正真正銘の「学問」です。


543 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/09(木) 18:31
>メリエスの段階からモンタージュ論で映画を飛躍させた
>エイゼンシュタインは俳句からインスパイアされて考えたって

へー、実は自然科学者にして俳人(つーか、夏目さんのご祖父のまな弟子
ですな)の寺田寅彦は、その事実を知らなかったんでしょうがやはり当時
の映画を見て、モンタージュと俳句(連歌)の共通性に気付いて指摘して
いるんdねすよ。
私は中野翠さん(名エッセイストにして呉智英の同級生(笑))の文章で
知ったんですが。

http://www.aozora.gr.jp/cards/htmlban/Eigajidai.html

有益なヒントはたとえば俳諧連句の研究によっても得られる。連句における天然と人事との複雑に入り乱れたシーンからシーンへの推移の間に、われわれはそれらのシーンの底に流れるある力強い運動を感じる。たとえば「猿蓑《さるみの》」[*注8]の一巻をとって読んでみても……(続く)



544 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/09(木) 18:33
鳶の羽も刷《かいつくろ》いぬはつしぐれ
  一ふき風の木の葉しずまる
 股引の朝からぬるる川こえて
  たぬきをおどす篠張の弓

のような各場面から始まって

 うき人を枳殻籬《きこくがき》よりくぐらせん
  今や別れの刀さし出す
 せわしげに櫛で頭《かしら》をかきちらし
  おもい切ったる死にぐるい見よ

の次に去来の傑作

 青天に有明月の朝ぼらけ

が来る。ここに来ると自分はどういうものかきっと、ドストエフスキーの「イディオット」[*注9]の死刑場へ引かれる途上の光景を思い出すのである。こ

(中略)
しかし、話の筋が通らなくては物足りないという観客が多数にあるかもしれない。それならばかつて漱石虚子によって試みられた「俳体詩」のようなものを作れば作れなくはない。
 ほんとうを言えば映画では筋は少しも重要なものでない。人々が見ているものは実は筋ではなくしてシーンであり、あるいはむしろシーンからシーンへの推移の呼吸である。この事を多くの観客は自覚しないで、そうしてただつまらない話のつながりをたどることの興味に浸っているように思っているのではあるまいか。アメリカ喜劇のナンセンスが大衆に受ける一つの理由は、つまりここにあるのではないか、有名な小説や劇を仕組んだものが案外に失敗しがちな理由も一つはここにあるのではないかという気がする。
 連句には普通の言葉で言い現わせるような筋は通っていないが、音楽的にちゃんと筋道が通っており、三十六句は渾然たる楽章を成している。そういう意味での筋の通った連句的な映画を見せてくれる人はないものかと思うのである。
 パラマウント・ニュースのようなものの組み合わせは場合によっては、偶然ではあるが、前述の連句的の効果を持ちうる。近ごろ朝日グラフで、街頭のスケッチを組み合わせたページが出るが、ああいうものを巧みに取り合わせて「連句」にすることもできる。


545 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 19:04
>>540 「オレこんなの書いたのでよろしく」みたいな情報が列記されてるだけの
ホームページでもいいんだけれどなぁ

そりゃ、僕だってほしいわな。マンガ情報のサイトはできつつあるが、
マンガ論のはなさそうだなぁ。ほしいよねえ。

>>542 優馬さん。
>漫画評論用語辞典でもあれば完璧
同感。ただ、「マンガ評論」の用語そのものがまだ開発途上にあるというのが現状
では?

同感の同感。固有の用語は僕と仲間がつくった「マンガの読み方」の
間白、形喩、漫符くらいで、あとは業界現場の技術用語。
「キャラ立ち」や「ネーム」の類。ガリとかおあいそなどの隠語に近い。
あと慣習的な用語として「24年組」「ニューウェーブ」とか。
批評用語はそれなりに概念規定が必要だけど、
業界用語や慣習的用語は曖昧なので、
区別が必要ですね。
「24年組」については、

ヤマダトモコさんが使い方に注意したいとの趣旨の
論文「まんが用語<24年組>は誰を指すのか?」
(C・M-BOX 98年8月号)
で詳細に書いてます。


546 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 19:17
再び>>542 優馬さん。
「体系化」については、批評史というよりマンガについての言説史として
瓜生吉則氏がやりつつある(データ既出)。
マンガ論全体の体系化は、表現論、歴史、商品・市場流通論、
読者論まで含めると、まだ途にもついていないが、
いずれは試みられるでしょうね。
ただ、僕自身表現論の「体系化」を試みようと思ったとき、
たとえばヘーゲルみたいに完全に閉じてつくりたくなかったし、
それは駄目なんじゃないかって直感的に思った。
そうすると、今現在進んでいるマンガの変容に追いつかない。
文法って概念も、じつは日々変容する言葉に
一応の網をかけるだけで、フィードバックや
パラダイム変換が必要になる。
いい加減なとこで隙きだらけでやったほうが、
あとあと利用価値があるような気がする。
って、それしかできなかったんだけどさ。

547 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 21:13
古い話とお思いでしょうが、
>>Vol.2 16 htさんへ。
どうも気になって溯って読んでみました。
「動線を中心に「運動の線表現」というテーマに絞って{略}
(1コマで)運動する対象をいかに表現しるのか、という論文を制作中です。」
というhtさんの、質問の中心課題について、
「マンガの読み方」参照という以外、僕はまるで答えてませんね。
しかし、「読み方」では運動と動線そのものについて、
ちゃんと書いてあるわけではなかったですね。
申し訳ありませんでした。
なんか、その頃気になっていたことがあって、
ついヘンなほうに筆が走っちゃったんだと思います。
少し長めになりますし、htさんがまだおられるかどうか
わかりませんが、次の書き込みで少し書かせていただきます。

548 :湯宿 :2000/11/09(木) 21:14
「私のヰタ・セクスアリス」という本に夏目さんの初オナニー&初Hの体験談が・・・
嘘じゃないすよ、ねえ夏目さん。その・・・ビンに・・・(自主規制)
ちなみに漫画家では、赤塚不二夫、杉作J太郎、佐藤まさあき、バロン吉元、さかもと未明
も答えてた。あと唐澤俊一も。

549 :湯宿 :2000/11/09(木) 21:16
・・・て、あげちゃいかんかった?ゴメソ

550 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/09(木) 21:19
たしかにここ数年で多少市場が大きくなった漫画評論本。
(紀伊国屋に行くと毎月のように新刊でてるもんね)

どこの本でどんなテーマが取り上げられているか、どんな
人がどう論じているか−−−こういうのをインデックス化
する作業が必要だな。
だれかHPでやらないか(他力本願)

551 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 21:26
過去の答えとコメント その7−1

動線表現は、おそらく直接起源を溯れば、
19世紀のカリカチュアにもあるでしょうし、
どこかで触れたと記憶しますが、
日本の12世紀の絵巻物にすでにあります。
ただ、絵画、一枚絵の成熟とともに
動きの記号表現はプロポーションや
他の対象の描写(風にゆれる樹木とか)に
いわば喩えられていくように思います。

逆にいうと、これがナゼだったかを推測できれば、
動きの動線表現のレベルが考えられるのではないでしょうか。
レベルというのは、形喩(定義は「読み方」参照)の
他の記号表現と比較した記号の特性のようなものですが。

552 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 21:34
過去の答えとコメント その7−2

個人的見解ですが、
ここには一枚絵や文章というジャンルの確立に伴う
絵と言葉の意味性の分離という歴史的前提があったんじゃないかと。
つまり動きそのものを直接表現する記号表現は、
絵としてはあまりに言葉の意味性が強くありすぎた。
いわば画像の純化された鑑賞性を損なうから。
ここまでが、前近代史的な、動線記号の概念についてです。




553 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 21:57
過去の答えとコメント その7−3

とはいえ、以上は相当乱暴で実証性のないたんなる当て推量です。
けれど、理論的にのみいえば、動線表現が汗、光、煙など
物理的対象の画像化を抽象的な比喩にする形喩、記号表現とは異なり、
純粋に抽象的な「動き」の表象である、ということはいえるはずです。
それは、たとえていえば抽象動詞「いる」が
落ちて「いる」、話して「いる」というように、
具体的な動詞について状態をあらわす働きみたいなものかもしれません。
(参考 三浦つとむ「日本語はどういう言語か」講談社学術文庫154p〜)


554 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 22:11
過去の答えとコメント その7−4

ところで、戦前の米国アニメなんかには、
たとえば気づきの線分がアタマから発して消えていくような
「運動?の線表現」がありましたし、
足を猛烈に回して走るとプロペラのように線分の重複で表現されました。
これらはディズニーの3D的リアル化の中で消えていきますが、
じつは手塚はこれを盛んに使って戦後マンガの表現域を広げていきます。
赤本3部作の頃の手塚は、異常なほど使っている気がします。
大枠でいえば、物語の構成(並列的ではない、構築的時間の導入)
に必要な「時間」の要素を絵の中にできるだけブチこんだ、
そういう事態ではないでしょうか。
むろん、それ以前から動線は漫画に使われていて、
理論的には絵物語の文の「時間性」を絵に組み入れる工夫と考えられる、
というのが私の雑な仮説でした(「読み方」「仮説・コマの発達史」参照)。
手塚はコマをさらに複雑に構成して、重層した時間をつくろうとしたので、
いきおい動線を多用したわけです。
同じことが60年代から70年代にかけて「劇画」によって、
さらに過剰になされました。

555 :母を訪ねて529 :2000/11/09(木) 22:27
>>531
じゃあ、夏目さん出没トトカルチョでもやりますか。

今までの書き込みのようすから、その際の夏目さんの心理状況にさかのぼって
みた結果にすぎないんですが。あんがい、図星だったようですね。(ニヤリ)


556 :538です。 :2000/11/09(木) 22:52
>>539
エイゼンシュタインは俳句からインスパイアされて考えたって知ってた?

知らなかったです!!(\゜ε゜/)ビックリ
つまり、小林一茶が、乳母車や石のライオンに化けたってわけですか?
日本の文化もなかなか捨てたモンじゃあないですねえ。
字幕(セリフ)と画像(ストーリー)の関係については、「手塚どこ」で
夏目さんが指摘されていた、コマを一種の単位と見なすことで生まれる遊び
(コマとコマの間を柱に見立てたり、変形させたりする)と同じ経過があった
のではないかと思ったんです。
コマの間に生じるすき間をコマと同格の存在として扱うことで、コマが単なる
枠という役目を越えて、生き物のように変化を起こしたように、初めは映画の
セリフとストーリーは、音声再生の手だてがない、という物理的な理由で分離
させられていたはずだったのが、それが方法として定着したことで、セリフと
ストーリーを個別の物として認識することにつながったのではないか。
字幕の背後が映像と違うことを観客に知らせるために、字幕の背後はたいてい
黒い画面になっています。これを紙の上で表現するには、絵とセリフを一つの
画面上で、それぞれ個別のものとして、分離して描かなくてはならない。
つまり、字幕用の黒い背景と、フキダシは、画像や絵と違う次元のものを伝え
るための手段なのではないか、と。

たびたび長くてごめんなさい。
前のコメントで覚えたての映画論が嬉しくて長々書いてしまいましたが、やは
り夏目さんはちゃんと映画の歴史も追っかけてらしたんですね。
エイゼンシュタインの情報、おもしろかったです。ありがとうございました。

557 :古谷一行が出てきそうな雰囲気が・・・ :2000/11/09(木) 22:56
>548
いや〜ん、せきらら〜☆
んな正直に答えなくてもいいのに〜
でもそこが夏目さんのよいところ〜

558 :夏目房之介 :2000/11/09(木) 23:43
アハハハ。
みんな僕の出没状況なんか把握しないでよ。
ますます、2chに来づらくなるじゃないか。

さて、手塚氏のコマ割についてだけど、
日本独特の「マンガ」という文化を生成させたのは、
手塚氏のコマ割、すなわち一つ一つの独立の空間を結合させた、
一つの集合体としての世界を生み出したことが大きな起因となっているんだね。
コマの一つ一つがある宇宙であると捕らえるのも、また見方もひろがるね。

559 :ああっ名無しさまっ :2000/11/10(金) 00:14
>>546 ただ、僕自身表現論の「体系化」を試みようと思ったとき、
   たとえばヘーゲルみたいに完全に閉じてつくりたくなかったし、
   それは駄目なんじゃないかって直感的に思った。

うん。そこが、夏目流漫画学のみそなんですよねえ。
夏目さんの評論のよさっていうのは、評論家夏目房之介の冷静な理性と、
漫画好き夏目房之介の感性が同居しているとこだと思うんです。
だから、もし夏目さんの後に、夏目さんの使った言葉を分析用語として使う人
がいたとしても、その言葉は彼ないし彼女の理解の上で使用されてしまうので、
もともとの漫画好きの感性が読みとったものからははずれてしまうおそれが出
てくる。また、夏目さんの言語を辞書みたいに収集し、解説してしまうと、
独特の直感によって読みとられた、感覚に訴える微妙なニュアンスが消えて
しまう可能性がある。標本箱に入れられたちょうちょみたいに。

感性と理性の同居については、音楽の世界にもピアニストでありながら、同時
にピアノ音楽の批評を行っていた人物が実在する(名前が出てこないんですが)
ので、夏目さんのやり方はそう変わったもんでもないし、対象にアプローチ
する回線が多いだけ、ただ批評活動を目的にしている人よりも、より広いもの
が書ける可能性がありますね。って、著作を見れば一目瞭然なんですが(笑)。


560 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 00:18
過去の答えとコメント その7−5

ただ、劇画の場合必ずしも物語高度化の要求だけで動線を多用したのではない。
むしろ意匠的、装飾的な側面も強くあって、これは時代的なもの、
付加価値的な要求だったような気がします。
のちに70年代以降の少女マンガなどが、この傾向を加速したように見えます。

というわけで、運動の記号表現については、
歴史的な問題、理論的な問題、マンガの実際の用法、
ざっとこんな観点がありうるのではないか、というところです。
長長と申し訳ない。
他の方、すいません。

561 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 00:32
>>556 名前:538です。
音声再生の手だてがない、という物理的な理由で分離
させられていたはずだったのが、それが方法として定着したことで、セリフと
ストーリーを個別の物として認識することにつながったのではないか。

この映画字幕→吹き出し成立論は、実証的には反証が多くて難しいかもしれません。
が、今世紀の大衆社会の映像・画像の受容感覚の変容というレベルで考えれば、
似たような相互影響はありうるんじゃないでしょうか。


562 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/10(金) 01:05
あげあ

563 :質問解禁ということで :2000/11/10(金) 01:08
ではでは。
夏目さんの誕生日っていつなんですか?
知人友人親戚関係に「夏目デー」として広めますので、
ちょこっと書いていただけるとうれしいかも。

564 :フィル :2000/11/10(金) 01:26
質問解禁になったようなので、夏目さんに質問です。
夏目さんはマンガ夜話「ベルセルク」の回の次の日に、「ベルセルク」という
作品は、馳星周さんの仰っていた『救いのない世界観』というものが、キーに
なる作品だった、反省している、というようなことを仰っていたのですが、
もし、その後に言葉を付け加えることが出来たとしたら、どのようなことが
仰りたかったのでしょうか。

あと、夏目さんは古谷実さんの「稲中卓球部」の回には、
出演なさっていなかったのですが、「稲中」とはいわず古谷実作品に対して
どのような印象を持っておられますか。個人的に古谷実作品に対しては、
夏目さんにとっての山上たつひこほどではないとしても、
非常に強い世代的な(といっていいと思えます)共感を覚えているので、
ぜひ、聞いてみたいです。

「ベルセルク」は私の趣味からいくと、ぱっと見はあまり面白くなさそうな作品
なのですが、読んでみたらコスモの燃え盛る非常に熱い良い作品でした。
マンガ夜話を見るたびに好きな作品が増えていくので、マンガ夜話はこれからも
ヴァラエティーにとんだラインナップを期待したいです。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/10(金) 01:31
そういえば「手塚治虫は…」で夏目さんが指摘してたのに、手塚以前は

【1】
  (・_・ )     ●三  \(・∀・ )エーイ

【2】
 ギャッ!(*ロ* )☆●三         (^∀^ )キヒヒ

----------------------------------------
というよーに、コマの展開がかならず「時間の移動」だったのが、手塚以後

【1】
     \(・ロ・;)<ああっ、『殺し屋ジョー』だ! (・。・;)<エッ?

(【1】と【2】の時間は同じ、視点が切り替わっただけで)

【2】
  バーン(▼_▼メ)y-~~~

-------------------------------------------
となるという、この指摘が一番知的に興奮した。

566 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 01:33
さて、運動記号について長〜〜〜〜い書き込みをしましたが、
thさんに申し訳なかったという動機だけでなく、
自分の領分に近いものは、ある程度きちんと誤解なく書こうとすれば、
どうしてもこのくらい書いてしまう。
でも、それは僕が「有名人」で「実名」だから、
イレギュラーでもたまたま(一応表面は)許されてるってこってす。
他の人がやったら撃たれるだろうしね。
(むろん、僕は文章でお金もらってる芸くらいはある、ってのもあるけど)
実際は、ここでのやり取りの中で、
同様のことは沢山あったはずです。
でも、いくらナンデモ毎度それは無理なわけで、
そこがこの場所の議論の場としての限界なのだろうと思います。
ま、それも含めて試行錯誤、色々文体をこなしたり、
面白かったんですけどもね。
ありがたい、ありがたい、南無。

で、僕の誕生日なんか、どうすんだ?
ま、別に発表してないことじゃないからいいけどさ。
昭和25年、朝鮮戦争勃発の年の8月18日、獅子座のA型。

567 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 01:44
>>564 フィルさん。
すいません「ベルセルク」については、
今は何を考えてそういったかまではおぼえてないな。
ただ、あの回で僕は多分「ベルセルク」のかなり重要な部分を
取り逃がしてるって感じがしてたんですね。
そこへのキィワードだったなって思ったんだと思います。
「稲中」は、たしかに「世代的共感」をもちやすい作品です。
僕も面白かったけど、ああ、結構難しいとこだなぁ、
これからうまく切り抜けてくれればなぁ、と思ったようにおぼえてます。
僕の中では「マカロニ」などと共通する「青春物」の要素、
それも作者が作品とシンクロして同時進行してしまうようなそれが、
面白さで、アブなっかしくて、気を許すと困りもんの暗さが出てくる。
そんな感じを受けました。
最近は読んでないけど、大月さんは「面白い」っていってたな。


568 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/10(金) 01:44
寺田寅彦は「映画のモンタージュを、実際に俳句(連句)にできるか」
という実験として、パールバックの『大地』を連句化してたよね。

569 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 01:48
>>565 さん。
あははははは。
いい息抜きだなぁ。
ありがとう。

570 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 02:05
フル〜い質問の答え。
Vol.2 40 桜庭和志について。
あれは面白い。強いんだけど、
今までのコスモ燃やすタイプじゃなくて、
まるで普段同様に出てきて、
柔軟な頭で勝っちゃう。
ふつう、初手のにらみ合い見てて、大体睨み負けしてるほうが負けるんだけど、
彼だけはあさって見てて、勝つ。
あのヘンさは、注目に値する。

マンガに関係ない話題にふったとこで、
本日は寝る。
では、おやすみ。

571 :どわ :2000/11/10(金) 02:06
夏目さんへ質問です。
今後の執筆予定を教えてください。
その内書きたいなってのも、聞きたいです。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/10(金) 02:24
>>478
多チャンネル化でそういう可能性もあるけど 、NHKは今、昔の番組を
大幅に閲覧可能にするセンターを構想中らしいっすよ。
(さいたま新都心だったか?)もっとも数年後の話ですが。

573 :フィル :2000/11/10(金) 02:27
夏目さん、ありがとうございました。
「稲中」のことを書いたのは、あの回のマンガ夜話は、いしかわさんでさえ「稲中」を
もてあましているようで、作品の確信にまったく迫れず、見ていてとてもストレスを
感じてしまったためです。
やはり、あの作品はマンガ表現としては、革新的なところはないし、
洗練されたものでもないので、感性が共有できなければ評価は難しいのかもしれませんね。
ただ、古谷実さんは「僕と一緒」、「グリーンヒル」と作品を重ねるごとに、
マンガ表現も手馴れてきて、「稲中」ではかいま見ることしかできなかった作者の
胸の内にうずまくものを、ずいぶんと洗練された形で提出することができるようになりました。

表現方法や線に対する表現に対する感性だけでなく、物語やギャグに対する感性も
世代によってギャップがあるのでしょうね。個人的に世代で人間を分けるのは
嫌いなのですけれども。どうしようもないものもあるのかもしれません。

574 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 03:00
寝そびれた。
>>571 どわさん。
今後の執筆予定

昨日書いたのがマガジンハウスの「東海林さだお不条理傑作選?」解説。
今日書いたのが二玄社PR誌「かく!」の「書の宇宙」叢書完結後エッセイ。
あ、「書の宇宙」最終巻「副島種臣」のもあったな。
あとBK1に1万円で新書文庫買ってエッセイ書くのと、あれこれあって、
立命館大国際言語文化研究所紀要「言語文化研究」2000年4月発売の
「特集・まんが研究」に長い論文を書くのが今月締め切り。
来年夏あたりに週刊朝日百科・世界の文学「マンガと文学」にも書く。監修も僕。
タイトル未定のマンガと世界のことを体験的に書く書き下ろしもやんなくちゃ。
講談社の「本」に単行本「これから」のことも書くんだった。
毎日新聞「シリーズ20世紀の記録」の89年の入る号で、
手塚さんのことを真崎守さんと対談してる。
あと12月の芸新別冊のエッセイと取材に、
NHKの「ガラスの地球を救え」ってラジオ番組の取り・・・・・

ああああああ、何だかわかんなくなっちゃった。

駄目だ、寝よう。


575 :母を訪ねて名無しさん千里 :2000/11/10(金) 04:51
お休みフサフサ♪

576 :534 :2000/11/10(金) 05:01
ハーイ、先生おやすみなさいです。レスありがとうございまーす。
お仕事色々。立命の言語文化って、面白そうな紀要出すんだー興味深いー。
ところで、近々バンコック、インド等に行くんですが、お薦め漫画ってありますか?
(かなりオバカな質問だと自分でも思いつつ、恥をしのんでカキコする)
どちらも漫画事情知らないので、漫画の存在すら「?」です。多分、インドは多言語だから、
どうしても漫画より、唄ダンスと表現豊かな映画が大衆に浸透してるんだろうなーてなこと
位しか、思いも付きません。インドって神様の絵は画一的だけど、あれをパロディにして
漫画にしてるヒトは、、、多分いないですよね。
(すみません、とりとめなくて、まだ、頭ぁ寝てますー)


577 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/11/10(金) 05:20
唐沢俊一がそのへんのマンガを紹介いてますが、まだ非常にレベルが低く、
そのぶん「味」というかヘンな面白さがあるとか。唐沢氏はそういう原初的な
魅力が必要だということで高く評価してるが、たしか夏目氏は「それは都会の
便利さを満喫してる文明人が、未開人を見て『本物の生活がここにある』と
感激するようなものでは」と疑問を呈した、という記憶が。

それからタイは、ドラえもん人気が完全に定着しているので、お好きなら
タイ語版のいろいろなドラ商品があるはず。

578 :ああっ名無しさまっ :2000/11/10(金) 10:24
こ〜ゆ〜事を夏目センセに聞くのもアレなんですが・・・、

「し〜う〜のあらまんちゅ」の元ネタってなんなんでしょ?

手塚氏の造語なんでしょうか???
2ch手塚スレでずっと話題にのぼりつつイマイチ真実が見えてきません。
う〜ん、気になる・・・。



579 :ああっ名無しさまっ :2000/11/10(金) 10:49
おもいつきふたたび。
漫画評論本のインデックス化、ネットの本屋に要望だしてみようかな?
情報を扱ってるっていうネットの特性が活かせるんじゃなかろうか。
と思ったのも実際の本屋だとこの手の本、探しにくい時がある。
(夏目さんの本も含めて。ごめんね)
本屋によってどの棚に分類してるかが定まってないからだと思うけど、
売り場の広さの限界もあって専用のコーナーも設けにくいだろうしなぁ。

580 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 10:52
>>576 534さん。
577さんのいう通り唐沢俊一「アジアン・コミック・パラダイス」
(KKベスト97年)でタイ中心に東アジアのマンガが紹介されたますが、
キッチュ好みで集めたか、ネタが古いか、だと思われる節があり、
僕が最近見たのではタイのマンガは、意外なことにおしゃれ系。
絵は格段にうまくなってるみたいです。
それを見た限りでは少女マンガ的手法を使ってました。
特徴は足の指が長いこと。サンダルで土踏んでる足ですね、あれ。
手元にDOJO CITY という会社の少年向けマンガ雑誌がありますが、
恐らく翻訳物中心ながら(クレジットが意味不明)
結構レベルは高く、可愛い女の子モデルを使った
おしゃれ情報満載の雑誌(暑さ1センチ)です。
アジアの状況は3年もたつとガラリと変わってしまうので、
タイはなかなか面白いかもしれません。

581 :夏目房之介 :2000/11/10(金) 11:43
>>579漫画評論本のインデックス化、ネットの本屋に要望だしてみようかな?

それはいいアイデアかもしれない。
でも、僕の知り合いもやってるけど、
彼らは彼らで膨大な情報処理に手一杯だからなぁ。
それと雑誌、紀要、サイトにのる論文などまで入れると、
これは研究者のネットワークで知るしかない。
学会は興味ないけど、そういう情報センターのサイトは
あると便利だなぁ。


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