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夏目房之介さんスレッドver.4

538 :ああっ名無しさまっ :2000/11/09(木) 03:07
>>511 絵→写真→連続写真→映画という画像→映像の変化、
近代における文と絵=小説と絵画の分離(宮本大人氏仮説)

確かに、映画の始まりは、連続する画像の面白さにあったみたいですね。
1890年代の映像作家で、フランスのジョルジュ・メリエスという人が
いるのですが、この人は破天荒なフィルムを得意としていました。
元手品師という経歴を持つメリエスは、ある日、公園で撮影をしていたのですが
撮影中、急にカメラが故障しちゃったんです。
そこで、撮影を中断し、修理して、もう一回カメラをまわしたんです。
そしたら、中断前の映像が、再開した時の映像とくっついちゃって、馬車が
霊柩車に、男が女に、とまるで突然変異を起こしたような、不思議なフィルム
ができたんです。
これは、記録の正確さを求めるならば、失敗作です。
だけど、メリエスはこの魔可不思議な映像にはまっちゃったんですね。
もともとそういう素質があったんだろうけど、その後この経験を生かした
「トリック撮影」(止めては撮る、ということを繰り返して、最終的に1本の
フィルムに仕上げる)を駆使して、幻想的な作品を作っています。
ある男の頭が伸び縮みする「ゴム頭の男」や、魔術師の魔法で、小さいびんに
女の子が閉じこめられる「悪魔のトリック」(フィルムに直接着色しているの
で画面が赤っぽい)など、変化の面白さを追求し続けています。
単純明快で、わかりやすく、映画の初期にすでにこのようなフィルムがあった
のか、と驚かされます。テレビの特集で見た、手塚さんのアニメ「ジャンピン
グ」に通じるような、動かすことの楽しさがストレートに表現されています。

そういえば、映画の初期って、音楽やセリフを収録・再現する技術が映像に
追いついていなかったから、映像とセリフが、別々の画面に、交互に映される
んですよね。このへんが、フキダシとセリフの関係性に、何か関係があるのか
なあ。つか、長くてごめん>all

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