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[第七弾]妹に言われたいセリフ

471 :長い物に巻かれた :2008/04/15(火) 07:09:24 ID:aNVD48l4
>>467
名前書き忘れました。

472 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/15(火) 23:15:07 ID:99xLTpEt
GJ
続きが気になる。

473 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/21(月) 22:48:32 ID:c4wWBuJy
「おぉ……」
知っていることとと知っていることが繋がる瞬間。
通学途中、いつも大きくて良い家だと思っていた家が、まさか冬月の家だとは……。
「……」
隣の遥も俺と同様に、呆然と鉄製の門を眺めている。
「デカいな、真雪の家……」
「一人だと広すぎるくらいだよ」
「一人で暮らしてるのか……?」
「うん。お父さんもお母さんもたまにしか帰ってこないから」
少しだけ、寂しそうな顔。
「そうか……」
ものの見事に地雷を踏んでしまった俺は、少し言葉を弱める。
「あの……冬月先輩……?」
そんな俺に、遥の助け舟。
「良かったら、家でご飯食べていきませんか?」
遥はホンマにええ子や……。
「いい……の?」
「はい。もともとお鍋の予定でしたから、一人くらい増えても大丈夫ですよ」
「そりゃいいや。食べてけよ」
「うん……じゃあ、お邪魔する」
微笑。
何だ、思ってたより笑うじゃないか。
「真雪は、なかなか笑顔もいけるな」
「え……?」
微妙に驚きの真雪。
「!?」
かなり驚きの遥。
っていうか、ヒいてる……?

474 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/21(月) 22:49:51 ID:c4wWBuJy
「……各々の驚きの内訳を聞こうか」
ヘコみながら辛うじての質問。
「だ、だって、お兄ちゃんが女の人を自然に褒めるなんて!?」
「……私は……笑顔なんて褒められたことないから……」
……。
……なんていうか、真雪は意外と笑うんだな。ってぐらいの意味合いなんだが……。
妙に誤解されてる気がする……。
「別にそういう意味で言ったんじゃねぇ……」
「照れなくても良いのに。冬月先輩可愛いもんね」
「……か……かわ……っっ……」
「あ、先輩も照れてる」
……ダメだ、コイツら……。
───────────────────────
しばらく来ていない間にめっきり人がいなくなって……。
責任の一端を感じているので、短いですが貼ってしまいます。
もう1、2回で終わりますので、しばらくのご辛抱を。


あと、長い物に巻かれた先生は早めに次回作を貼ってください。先生の力が必要ですw

475 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/22(火) 01:50:30 ID:+wzCnwKB
えーと、妹あんまり関係無いですが、とりあえず由佳編を貼ります。


叶わぬ想いというのは、存在するのだろう。痛みをともなって、確かに、胸の奥深くに、存在するのだろう。
痛みに耐えられ無ければ、別の想いで上書きしてしまえば良い、想いを忘れてしまえば良い。それが1番、確かな方法なのだから。

なら……………

想う事を止められない私は、どうすればいいの?
〜・〜・〜・〜・〜・〜
シャッ シャッ シャッ  シャッ
放課後の教室に、軽快な音が響く。親友の雪華が、デッサンをしている音だ。
このリズムが、雪華のリズムなのだろう。軽快でありながら、どこか繊細さを感じさせるリズム。
私はこのリズムが好きだ、もちろん、このリズムを奏でる事が出来る、雪華の事も大好きだ。
「………」
雪華は、ただ一点のみを見つめ、それが自分のすべき唯一の事であるかの様に、絵を描く事に集中している。
雪華の視線の先を追ってみる。そこには、綺麗な紅色に染まった、紅葉の木があった。
(その景色の先に見えるのは……………誰?)
本人に問うまでもなく、答えは出た。
紅葉先輩に決まっている。

476 :長い物に巻かれた :2008/04/22(火) 01:51:58 ID:+wzCnwKB
雪華が風邪を引いた日、私はお見舞いに行った。そして、帰り際に一言「がんばれ」とだけ言った。
その言葉が、引きがねになったのか、ならなかったのかは分からない。雪華がどういう意味で受け取ったのかも分からない。
ただ、これだけは確実に言える。雪華は、あの日を境に、少しだけ変わった。
なにがあったのかは聞いていない、雪華が、自分から話をしてくれるのを待つのが、マナーだと思うから。だから、自分からは聞かない。そう、誓った。
「そろそろ………帰りましょうか。」
その声を合図に、紅葉の木から視線を戻すと、雪華は絵を描くのをやめていた。
「うん、帰ろっか」
私は、雪華にそう返し、二人並んで、夕暮れ時の校門をくぐった。
ーーーーー・ーーーーー
許可も得て無いのに、由佳編を貼ってしまいました…………えーと、ごめんなさい。季節外れの上に妹関係無いですね。
一気に全部書こうと思っていたんですが、長くなりそうだったので、前半、後半に分ける事にしました。
遊星さん、一応貼りましたが、こんな拙い作品で良いのでしょうか?
それと、一ファンとして、ネガティブ兄シリーズ、続きを楽しみにしております。
最後に言い訳を少しだけ、G級に対抗するために、古龍狩りしてて、余り時間が取れませんでした。て、言い訳になってませんね、ごめんなさい。

477 :長い物に巻かれた :2008/04/22(火) 01:53:53 ID:+wzCnwKB
>>475
また、名前書き忘れました…………orz

478 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/24(木) 05:24:21 ID:VCAYCzZj
お二人とも乙!!!
続きが楽しみです。

479 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/24(木) 22:23:58 ID:s8QFGUZB
職人さま方GJ!

480 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/24(木) 22:40:14 ID:BBEtu8t+
四人用のテーブル。形は正方形。座る人間は三人。
どう考えたって、一辺に一人座るべきだろうが。
「遥……狭いぞ」
俺と真雪が同じ辺に。
遥は向かいに座って
「そう?ほら、やっぱり近い方が良いって」
「……」
絶句。
「あ、私居ない方が良いかな?」
「遥!?」
いかん……声が裏返った……。
「冗談だよ、冗談」
むぅ……なんだか遥に良いように遊ばれているような気がする……。
「……悪いな、真雪……」
「別に……気にしてないから……」
「ならいいんだが」
問題は……妙に浮ついている遥だな。
どうしたものかねぇ……。
「まぁまぁ、お兄ちゃん。そんな難しい顔しないで。お兄ちゃんの好きな鶏団子もう煮えてるよ」
俺の顔色をうかがいながら、お皿に取り分けてくれる遥。
そう……鶏団子多めにな。
「……」
待っている間ふと横を見ると、何故か俺の顔を覗き込んでいる真雪に気付いた。
「どうした、真雪……?」
「大野君に聞きたいことがあるんだけど……」
「何を?」
「遥ちゃん以外に妹が居るって本当……?」
……いる……のか……?

481 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/24(木) 22:41:39 ID:BBEtu8t+
「いるのか……?」
遥に丸投げ。
遥は歯切れ悪く、
「……あきらさんや宮原先輩のこと……かな……?」
あれを妹に含めるんだ、やっぱり……。
「いるんだ……」
何か考えるように呟いた真雪。
あぁ、嫌なノリ……。
「っていうか、どこで聞いたんだよ、そんなこと」
「……」
少し俯く真雪。
「知りたいから……」
「はい?」
「大野君のこと……何でも……」
……ストーカーかなにか……?
それとも、敵を知り己を知らば百戦危うからず。的な……?
「お兄ちゃん……そういうことじゃないってば」
遥が見事に呆れた表情で俺の心を読む。
「というと?」
遥に尋ねるべきじゃないね、ここは。
「先輩、ちゃんと言ったほうが良いですよ」
「うん……」
言う?何を?
「あの……大野君のこと……好き」
……はいはい。なんとなく分かってましたよ、この展開。
ああ、そうですよ。信じたくなかっただけですよ。
「……でも……私も、妹で良い」
「……」
良かないけどな……。

482 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/04/24(木) 22:43:20 ID:BBEtu8t+
「だって。どうする、お兄ちゃん?」
「……」
どうって……性懲りも無く三回目ですぞ?
もう遥も慣れちゃってるし……。
出来れば聞かなかったことにしたいが、ばっちりアイコンタクトをとってしまった俺。
「勝手にしろ……」
肩の力が抜ける。
もうどうでもいいや……。
虚空を眺める俺の肩を、チョンチョンと優しく小突く真雪。
「賢にぃ……。食べないの……?」
ヘンな呼び方された……。
「食べるけどさ……」
美味いよ、鍋。
美味いってば……。
「賢にぃ」
「ん?」
「これからもよろしくね」
「……あぁ」
胃が……。
胃が痛いのに……腹が減っている……。
もうダメだな、俺……。
───────────────────────
このクール娘編は一応終了ですかね。もう同じパターンであることを開き直っている感があります。
まぁ、あと一回エピローグ的なものをよういしてますので、あと一回ご辛抱を。
しかし、自分で言うのもなんだけど、真雪可愛いなぁ……。可愛く書けないのが申し訳ないなぁ……。

>長い物に巻かれた先生
乙です。次回作も楽しみにしてますので。
しかしハンター多いんだなぁ……。頑張りましょう、皆さん。


483 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/04/28(月) 01:49:37 ID:8FAn21yy
GJだ!

484 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/05/04(日) 23:35:09 ID:vR6tEHF4
コンコン。
お兄ちゃんの部屋を軽くノック。
「ん?」
「お兄ちゃん、お風呂空いたよー」
ドアを開けて、お兄ちゃんの部屋に。
この部屋寒いなぁ、湯冷めしちゃうよ……。
「……ん?」
ベッドに寝転んでいたお兄ちゃんが、妙な表情になる。
「どうしたの?まだヘコんでる?」
「いや……ちょっといいか?」
ゆっくり立ち上がるお兄ちゃん。
そして、真顔で私の傍に……。
「……」
お兄ちゃんが私の耳に顔を寄せる。
耳に息が当たって……ヘンな感じ……。
そんな……お兄ちゃん……私なんかでいいのかな……。
「お……お兄ちゃん……?」
そう考えたら凄くドキドキしてきて、耐えられなくなりそうで……口を開いた。
「……やっぱりそうだ!」
「え……?」
「同じなんだよ」
「何が……?」
「真雪がさ、何か良い匂いがすると思ったんだが、遥と同じ匂いなんだな」
「へ……?」
「使ってるシャンプーが同じなのかな」
「さあ……そうなんじゃない?」
安心したような、ガッカリしたような……。

485 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/05/04(日) 23:35:48 ID:vR6tEHF4
「……ってことは……お兄ちゃんは私と同じ匂いだから冬月先輩と抵抗無くお話できるって事?」
「説明的だな……。恐らくそうだと思う」
お兄ちゃん、野生動物みたい……。
「意外と俺の女嫌いもたいしたこと無いのかな」
と、手ごたえを感じているのか小さく呟くお兄ちゃん。

翌日このことを七海ちゃんに話したら、
次の日から、宮原先輩とあきらさんと亜紀ちゃんの髪の匂いが同じになった。
まぁ……お兄ちゃんは相変わらずだったけど……。
───────────────────────
少し時間が空いてしまいました。ネガティブ兄クール娘編、これで最後になります。
しかし人いないな……俺のせいですか、やっぱ。

486 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/05(月) 00:58:23 ID:VZwFdQjV
いやいや遊星氏を待ってるんですよ。

このシリーズ好きなんでこの先も続けて欲しい…。
ともかくGJ!

487 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/05(月) 02:03:34 ID:fGEYg8bV
ネガティブ兄好きだ〜。
GJ!

488 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/05(月) 02:09:56 ID:j8Qh0CBT
流星さんも長い物には巻かれろさん二人の投下楽しみに待ってますよ。
今回もGj

489 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/09(金) 03:27:54 ID:Pjlv6Wer
遥が相変わらず良い妹で可愛い、最高だ!
真雪も可愛いですが、しかしこの兄ちゃんも上手くすれば
ナチュラルに妹を含めたハーレムを造れそうなのにw

490 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/09(金) 19:50:15 ID:xWEuwImO
小学3〜5年の実妹or養子(義妹?)を俺専属のメイドにする妄想
文才無いのは理系なので仕様

由佳「にいさま、ご飯出来ましたよ♥」
俺「ありがとう由佳、じゃあ食べようか」
由佳「はいっ♥今日は兄さまの好きなハンバーグを作ったんですよ♪」
俺「ははは、それはとても楽しみだよ」
由佳「冷めないうちに持ってきますね♥」
30秒後
由佳「はわわっ」 ガシャン!
俺「あぁ…あ…ハンバー…グ…ぁ…」
由佳「すっ、す、すす、すみません!、今すぐ片付けますのd」


491 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/09(金) 19:51:30 ID:xWEuwImO
俺は由佳のエプロンを掴み揚げると、思いっきり腹を殴る
由佳「…っが…ぁ…にい…さ…ま」
俺「お前さ、誰に養ってもらってると思ってんの?俺さ今超腹減ってるんだよね、解かる?」
由佳「すびっ…すみ…はぁっ、はぁガッ…ません、ごめ…ご免なs」
俺「じゃあ今すぐ作り直せよ!早くしろよこのカス!!」
怒りに任せて由佳を絨毯の上に突き倒す
由佳「ひぃ…許し…て…ご免なさい、ご免なさい、ご免なさい…」
俺「早くしろっつってんだろおおおおおおお」
絨毯の上に寝転んだ由佳に、殴る蹴るなどの暴行を数分間続ける
由佳「ごめ………さ…い…許して、許し…て…兄…さま」
俺「…はっ!、由佳!由佳!僕は…何て事を…」
由佳「違うんです兄さま、由佳が…由佳が悪いんです、どうか御自分を責めないで下さい」
俺「由佳、こんな…僕を許してくれるのか?」
由佳「いいえ兄さま…許してもらうのは由佳の方です、こんな駄目な妹を許してくれますか?」
俺「当然だよ由佳…ご飯なんてまた作り直せば良いんだからね」
由佳「うぅ…兄さま、兄さまぁ…ぐすっ…うぅ」
泣き付いてきた由佳をそっと抱きしめる
俺「痛かったよね…御免ね…でも由佳の為なんだよ、解かってくれるよね?」
由佳「ぐすっ…はい…兄さまは由佳の事を大切にしてくれていますから…大丈夫ですよ♥」
俺「ありがとう、由佳はいい子だね…」
由佳「に…兄さま…っています」
俺「何だい由佳?」
由佳「お腹にっ…兄さまのモノがっ、ひゃぁ…♥」

鬼畜ロリコンは死ぬべきですね
ギャルゲ版は長文規制が有るんだな
他の板では1レスで書けたのに

492 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/16(金) 23:48:56 ID:nj8m2tSA
このスレも随分寂れてしまったなぁ・・・・。
海中さんとか夢ノ又夢さんとか健在だった頃が懐かしい。
あの頃がピークだったのかもしれんね、
もう一度、巴ちゃんが読みたい・・・

493 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/19(月) 22:11:02 ID:Upd8quln
続き期待保守

494 :長い物に巻かれた :2008/05/21(水) 05:18:43 ID:3oD6fZvN
えーとお久しぶりです、そしてすみません、由佳編投げっぱなしで。
由佳編ですが、続きが上手く書けないので別のを投下します、ホントすみません。



妹が死んだ。
急な事故………という訳ではない。
妹は五年前から入退院を繰り返しており、死ぬ間際も病院で生活していた。
そして………あっさりと死んだ。
病院から連絡を受け、駆け付けるまでの一時間、その間に、現実は残酷な程簡単に、妹の命を奪った。
死に際を看取る事さえ出来なかった。
そして僕には、『空虚』という名の、大きな傷が刻まれた。
その傷が疼く度、思い出してしまう。妹との十五年間………特に残酷だった五年間を。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
その知らせは突然だった。
今年十歳になった妹、自分より五つ年下の妹が、病院に運ばれたのだ。
学校の授業を投げ出して、病院へと急いだ。
ロビーで病室の番号を聞き、妹の病室へと向かう、途中で看護婦の人達に注意されたが、それでも構わず、病室へと急ぐ。
病室の前には、母さんがおり、慌てている様子の俺を見て
「静かにっ」
と、視線でたしなめた。
それで我にかえり、気持ちを落ち着かせる。
一呼吸置いてから、ドアノブに手をかけ、母さんの方へと視線を向ける。母さんが無言で頷いたので、そのままドアを開けた。
妹は、少し多めの汗をかいていたが、それ以外は比較的穏やかに寝ているようだった。
「紗夜………」
その様子を見て、妹の名を呼ぶと共に、安堵のため息をはく、この様子ならたいしたことないか、と思ったからだ。

けれど、三日後に…………僕はこの時の自分を、呪いたくなる程憎む事になる。
〜・〜・〜・〜・〜・〜

495 :長い物に巻かれた :2008/05/21(水) 05:21:07 ID:3oD6fZvN
あの後しばらくして、紗夜は目を覚まし、少しだけ会話をして、僕は病院を後にした。
紗夜は検査の必要があるらしく、三日間の入院を余儀なくされた。
僕は、学校が終わると病院に寄り、紗夜の話相手を務めた。周囲からはシスコンとからかわれたが、僕はこれが兄としてやるべき事だと思ったし、やめる気も無かった。
それも今日で三日目、つまり紗夜が退院する日だ。
僕は学校が終わると、急いで帰宅し、母さんと共に紗夜の待つ病院へと向かった。
ロビーで待っていた紗夜を見つけ、二言三言話していると、母さんが医者に呼ばれた。
「私はお医者さんと話して来るから、二人は先に帰っていて?」
その言葉に僕たちは頷き、二人並んで病院を出た。
思えばこの時気付くべきだったのかもしれない。看護婦達が紗夜に対し、同情の視線を向けていた事に。
帰り道、紗夜はいつもと様子が違っていた。僕のシャツの裾を不安げに掴み、
「お兄ちゃん…………」
と何度も語りかけてきた。
僕は呼びかけられる度に返事をしたが、紗夜は結局最後まで、同じ言葉を繰り返すのみだった。
母さんは僕たちが家に着いてから、2時間程後に帰ってきた。少し疲れたような顔をして、僕が病院での事を聞いても、上の空でなにも答えてくれなかった。

496 :長い物に巻かれた :2008/05/21(水) 05:22:34 ID:3oD6fZvN
その日の夜、受験勉強を済ませ、寝る準備をして電気を消そうとすると、
コンコンッ
と、随分軽いノックの音が聞こえた。
「お兄ちゃん……私」
「紗夜、どうした?」
ドアを開けると、不安そうな表情をした紗夜が、枕を持って立っていた。
「あのね……久しぶりに………一緒に寝て。」
怯えるような、甘えるような、複雑な声色で、そう嘆願してきた。
僕はやっぱりシスコンなのかもしれない、紗夜にそんな風にお願いされて、断れる訳無いじゃないか。
紗夜が布団に入ったのを確認して、電気を消す。僕が布団に入ると、紗夜が身を寄せてきたので、頭を撫でてあげた。
「………うぅ…ひっぐ…………ぐすっ」
「ど、どうした!?」
しばらくそうしていると、紗夜が突然鳴咽をあげはじめた。僕はどうしていいか分からなかったので、とりあえず紗夜の頭を撫で続けた。
「ひぐっ…………あのね」
10分程泣いた後、紗夜の口から出た言葉は………………
「私………死ぬらしいの」
あまりに残酷過ぎるものだった。

その後、紗夜に色々聞かされた。看護婦と医者が話している内容を聞いてしまった事、いつ死んでもおかしくないという事、手術をしても助からない可能性の方が高いという事。
聞く度に、絶望的な気分にさせられる言葉を、一字一句逃さず聞いた。
全てを話し終え、泣きじゃくる紗夜を強く抱きしめ、現実を恨んだ、自分を恨んだ……………紗夜を、精一杯愛そうと誓った。

〜・〜・〜・〜・〜・〜

497 :長い物に巻かれた :2008/05/21(水) 05:25:34 ID:3oD6fZvN
夢を見た、三日程前の現実の夢を。
夢のなかの自分を、どうしようもなく、呪いたくなった。どうしようもなく、殺したくなった。
なにも知らず、楽観的な考えを持っていた自分を、どうしても、許せそうになかった………

〜・〜・〜・〜・〜・〜
朝、カーテンの隙間から、朝日が差し込んでいる。
腕の中に、まだ温もりはあった。その温もりは、もう起きていたようで、笑顔で………涙の痕がしっかり残っているが、それでも………精一杯の笑顔で、僕を見つめていた。
「お兄ちゃん、私………簡単には死なないから。」


その日から、僕たちの、辛くて残酷で…………少しだけ幸せな五年間が始まった。

ーーーーー・ーーーーー
なんか予想以上に長くなってしまいました。それになんか場違い感が…すみません、なんか色々すみません。

498 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/21(水) 05:57:23 ID:9OznVceN
つ、続きが気になります…

499 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/21(水) 21:48:04 ID:n565eXMj
やっべぇ…むっちゃ続き気になるっす…
続き待っております!!

500 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/21(水) 22:54:42 ID:/dWJKyE5
500

501 : :2008/05/21(水) 22:57:55 ID:8/5peZpv
イェヤアー
セーックス

502 :長い物に巻かれた :2008/05/23(金) 03:49:14 ID:hRY4yKNd
一年目・夏 〜僕がすべき事〜


紗夜の病気が発覚して、僕たちの周りは、少しだけ状況が変わった。
まずお金の問題があった。
長期に渡り、入退院を繰り返す事を前提にした治療。それにはやはり、かなりのお金がかかるらしい。
そういった経緯があり、母さんは、今まで週に二日程度だったパートの仕事を、毎日するようになった。父さんも、夜遅くまで帰って来ない日が多くなった。
だから自然、僕と紗夜、二人でいる時間が増えた。
僕にも少し高めの目標が出来た、ワンランク上の高校に、志望校を変えたのだ。
変えた理由は簡単、家から1番近い高校だからだ。
今の僕の学力では、ぎりぎり合格圏内と言ったところだが、ここに受かれば、少しでも長く、紗夜と一緒に過ごせる。だから僕は、今まで以上に受験勉強に力を入れた。
出来る限り紗夜のそばにいる事。それが僕のするべき事だと思ったから、そのための努力を怠る気はなかった。

〜・〜・〜・〜・〜・〜
『あの日』から一週間が過ぎ、学校は夏休みにはいった。僕の基本的に、昼は紗夜と一緒に遊び、夜はひたすら受験勉強を頑張る、という毎日を繰り返していた。
おかげで学力も少しづつだが、順調に伸びているし、紗夜と多くの時間を過ごせたが、友人達と過ごす時間がめっきり減ってしまった事が、やはり心苦しかった。
まあ、1番の親友で幼なじみの紅葉は、部活の引き継ぎが忙しいらしく(演劇部部長)、僕の状況を抜きにしても、余り遊べなかったと思うけど。
そんな紅葉も、今日は午後からはフリーらしく、僕の家に来て、勉強を教えてくれると言ってくれた。紅葉は成績がよく、僕が志望している高校より、更にワンランク高い高校への推薦の話が出ているぐらいなので、その申し出は素直に有り難かった。

503 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/23(金) 03:53:15 ID:hRY4yKNd
ピンポーンッ
昼食を食べ終わり、紗夜と一緒にテレビを見て時間をつぶしていると、玄関のチャイムが鳴った。
「ハーイ、今いくよ。」
紅葉が来たのだと思い、返事をして玄関へと向かう。しかし、玄関の扉を開け、そこにいる人物を見て、僕は少しだけ驚いた。
そこにいたのは紅葉ではなく、予想外だけど、ある意味納得出来る人物だった。
愛らしく、優しげな瞳。肩の辺りまで伸びた、少しウェーブのかかった綺麗な黒髪。肌の色は初雪のように白く、街ですれ違えば、ほとんどの人が振り返るであろう、文句なしの美少女。
「せ、雪華ちゃん?」
紅葉の妹の雪華ちゃんだった。
「お久しぶりです、南先輩。」
そういって、軽く微笑んでから、頭を下げる雪華ちゃん。
(や、やっぱり雪華ちゃんて、凄く可愛いなぁ………て、違う違う。)
一瞬鼻の下を伸ばしそうになったが、思考を切り替え、気になった事を聞いてみる。
「せ、雪華ちゃんがどうしてここに?紅葉は?」
僕がそう聞くと、雪華ちゃんは微苦笑をしながら答えた。
「兄さんは急な用事で来れなくなってしまったので。」
雪華ちゃんの表情から考えて、部活の後輩達に引き止められたのだろう。相変わらず凄い人気だなぁ、紅葉は。

504 :長い物に巻かれた :2008/05/23(金) 03:58:58 ID:hRY4yKNd
「ですから、兄さんに頼まれて、これを届けに来ました。」
そういって、五冊のノートを差し出してくる雪華ちゃん。
「これは?」
「兄さんのノートらしいです。参考になれば、と言っていました。」
紅葉のノートか、それは参考になりそうだ。
「お兄ちゃーん、まだぁー?」
雪華ちゃんからノートを受け取った所で、リビングの方から、紗夜が顔を覗かせてきた。そして、雪華ちゃんの姿を確認すると、嬉しそうな顔をして、玄関まで歩いてくる。
「お久しぶりです!!雪華さん!!」
物凄く興奮した様子で、雪華ちゃんに挨拶する紗夜。てゆーかキャラが変わってないかい?
「お久しぶりです。紗夜さん。」
僕にしたのと同じ様に、雪華ちゃんは紗夜にも挨拶した。
「遊びに来てくれたんですか!?」
とても嬉しそうに言う紗夜。そういえば紗夜は、昔から雪華ちゃんに懐いてたな。
雪華ちゃんの方をちらりと見ると、少し困ったような微笑を浮かべながら、なにかを確認するように、僕の方を見ていた。
「えーと、僕は構わないけど?」
「ありがとうございます。」
お礼を言いたいのはこっちなんだけどね。

〜・〜・〜・〜・〜・〜

505 :長い物に巻かれた :2008/05/23(金) 04:01:08 ID:hRY4yKNd
その後は、僕、紗夜、雪華ちゃんの三人で、Tvゲームをしたりして、時間を潰した。
ちなみに、総合的な勝率は、雪華ちゃんの圧勝だった。紅葉といい、桜先輩といい、この姉兄妹はなにをやっても凄いらしい。
時計の針が四時半を指す頃になって、雪華ちゃんは家に帰って行った。
紗夜は久しぶりに雪華ちゃんと遊べて満足だったらしく、今は幸せそうな顔をしながら、リビングのソファーで寝ている。
紗夜に毛布をかけてあげると、僕は紅葉のノートに目を通す事にした。
紅葉のノートは丁寧に纏められている上に、少し先の範囲まで予習までしてあったので、とても参考になった。

ススス、ぴと。
2時間程たった頃、いつの間に起きたのか、紗夜が僕によりそうようにして、隣に腰掛けてきた。
僕は右手でシャープペンシルを動かしながら、左手で紗夜の頭を撫でてあげた。
紗夜の体温は夏場だというのに、それほど不快ではなく、逆に心地よい程だった。


…………………そんなはずないだろ?
心の中で、誰かが囁いた。そう、そんなはずがない。夏場だぞ?人間の体温が心地いいなんてあるわけないだろ!?
「紗夜!!」
紗夜の方に目を向ける、紗夜は………………不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「どうしたの?お兄ちゃん?」
まるでなんでも無いかのように、そう答えた。
その様子を見て、肩の力が抜けた。そうだよ、紗夜は最初から体温が低いんだった。気温が高いと、人の体温の方が逆に涼しく感じるということも、思い出した。
安堵すると共に、ある感情が、僕の心に深く突き刺さっているのも感じていた。

506 :長い物に巻かれた :2008/05/23(金) 04:03:25 ID:hRY4yKNd
『恐怖』

いつ、最悪の自体になってもおかしくないという現実に対する、ソレ。
ソレが僕をたまらなく不安にさせた。
その不安が顔に出ていたのか、紗夜が心配そうな顔をしていた。
「ああ、大丈夫だよ。紗…」
言い終わる前に、紗夜が僕を抱きしめてきた。十歳の平均よりも、幾分か小さいその体で、精一杯僕を抱きしめていた。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。紗夜はまだ、大丈夫だよ。」
不覚にも、涙が出そうになった。だけど、堪えた。僕が泣けば、紗夜はもっと心配するだろうから。
紗夜に抱きしめられながら、僕は、雪華ちゃんが帰り際に残していった言葉を、思い出していた。

『頑張って、下さいね?紗夜さんと一緒に。』

そうだよ、紗夜が頑張ってるんだ。僕が不安に負けてどうする!?紗夜を信じてあげなくてどうする!?
僕は紗夜の背中に手を回し、大切な妹を、優しく抱きしめた。

「ありがとう、紗夜。」

〜・〜・〜・〜・〜・〜
その日の夜、僕と紗夜は一緒に寝た。僕が抱きしめてあげると、紗夜は、凄く嬉しそうに、少しだけ照れたようにしながら、僕の胸に、頭を押し当ててきた。
『恐怖』という名の楔は、相変わらず心に突き刺さったままだったけど、その日は、とても安らかに眠る事が出来た。

ーーーーー・ーーーーー
『紗夜』の二回目です。相変わらず場違い感が……………次の話は一気に時間が跳んで、二年目の春の話です。なるべく早く書き込みたいとは思いますが、いつになるかはわかりません。

507 :長い物に巻かれた :2008/05/23(金) 04:04:56 ID:hRY4yKNd
>>503
また、名前いれ忘れてました…………orz

508 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/23(金) 18:38:23 ID:cPO2oFq3
これは続きが気になる
全然場違いじゃないです。

509 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/23(金) 23:01:44 ID:9hZJbi8v
読んでてドキドキする…

510 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/29(木) 00:05:52 ID:LNB5y8o0
投下期待age

511 :長い物に巻かれた :2008/05/30(金) 04:05:49 ID:etYvPPxc
前回の投下から、結構な時間が開いてしまいました。スミマセン。しばらくぶりですが、『紗夜』投下します。


季節は流れる。

夏が過ぎ、紗夜は一つ歳をとった。
11歳の誕生日、僕が贈ったのは、蝶があしらわれた髪飾りだった。決して高い物でもなかったけど、紗夜は凄く喜んでくれた。
新学期になった。僕は学校に行かなければならなくなったけど、紗夜はもう学校に通っていない。
通えないのだ。
だから紗夜は、僕が学校に行っている間は一人ぼっち。仕方がない事とはいえ、僕にはそれが、とても辛かった。
学校が終わったら、真っすぐ家に帰り、なるべく多くの時間を紗夜と過ごす。そして夜は受験勉強にうちこんだ。
単純な日々の繰り返し、それでも僕は、自分に出来る事を、精一杯頑張った。

季節は流れる。

二年目・春 〜茨の刺〜

秋が終わり、冬が過ぎ、春になった。
紗夜はその間、数回の入退院を繰り返した。
最初の頃は、小学校の友人達が沢山お見舞いに来てくれたが、二回、三回と入院を繰り返すたび、お見舞いに来てくれる子達は、その数を減らしていった。
無理して笑う紗夜に、僕はなにも言ってやれなかった。
僕の方は志望の高校に無事合格した。夏休み前にはぎりぎりだった学力も、紅葉や桜先輩の協力もあって、二学期が終わる頃には、合格ラインを十分にクリアする程まであがっていた。
春、微かな変化をともなって、温かなこの季節を迎えた。

〜・〜・〜・〜・〜・〜

512 :長い物に巻かれた :2008/05/30(金) 04:10:01 ID:etYvPPxc
今日は紗夜と一緒にピクニックに出掛けた。
紗夜が言うには、僕の入学祝いにデートをしてくれるらしい。
という訳で、今日はピクニック改め紗夜とのデートだ。
朝、一緒に家を出て、目的地ヘと向かう。その間、紗夜は僕と腕を組み、時折鼻唄が口ずさむ程上機嫌だった。
紗夜の歩幅は小さい。僕はその歩幅に合わせて、ゆっくりと歩いた。
しばらく歩いて目的地に着いた。時刻は午前11時頃、思っていたより時間がかかったが、まあよしとしよう。

…………チクリ。

「少し早いけど、お昼にしよ?」
紗夜がそう言ってきたので、少し考える。
きゅるる〜〜〜〜
だが、考えるまでもなく、僕のお腹が鳴った。
「そ、そうしよっか。」
恥ずかしくなって、苦笑しながらそう答えた。
適当な場所にシートを敷き、その真ん中にバスケットを置く。朝、早起きして紗夜と一緒に作ったお弁当だ。中身はサンドウィッチ。僕も紗夜も、料理は余り得意ではないので、うまく出来たとは言い難いが、作っている時は、なぜかとても楽しかった。
トマト、タマゴ、玉葱のサラダ等々、紗夜の体を考えると、肉系は避けた方がいいと思ったので、野菜中心の具材構成。いろんな種類が楽しめる様に、小さめに作って種類を豊富にした。
紗夜がトマト、僕がタマゴをそれぞれ手にとって、とりあえず一口食べてみる。
ばくりっ
「………………」
「………………」

513 :長い物に巻かれた :2008/05/30(金) 04:13:22 ID:etYvPPxc
「普通だね。」
「ああ、普通だ。」
うん、普通だった。特別美味しいという訳ではないが、別に食べれないという訳でもない。まあ、うん、普通だ。
モグモグ
最初の一つは、なぜか二人とも黙って食べた。食べ終わるのは、僕の方が幾分か早かったが、二つ目には手をのばさず、なんとなく紗夜が食べ終わるのを待った。
「普通だけど……」
「普通だけど?」
「普通だけど、うん、美味しいね。」
一つ目を食べ終えた紗夜が、ニコッと笑って、そんな矛盾したことを言う。
言っている事は明らかにおかしいんだけど、僕には紗夜の言いたい事が、なんとなく分かるような気がした。
その後、二人で話しをしながら食べたサンドウィッチは、やっぱり普通だけど美味しかった。
少なめに見積もって作ってきたんだけど、全部を食べ終わる頃には、僕のお腹はしっかり満腹になっていた。

……………チクリ。

514 :長い物に巻かれた :2008/05/30(金) 04:18:37 ID:etYvPPxc
昼食を食べ終わり、その場で少しお腹をおちつけた後、僕と紗夜は、小川の近くに移動した。僕の膝程の深さしかないので、激しい運動が出来ない紗夜と遊ぶには、ちょうどいい場所だ。
「つめたーいっ。」
紗夜は靴を脱いでから、足首辺りまでを川につけて、無邪気にはしゃいでいる。
僕は紗夜がはしゃぎ過ぎない様に注意しながら、紗夜の後ろ姿を見守っていた。
花柄のワンピースに麦藁帽子。今の紗夜の精一杯のオシャレ。
端から見ればほほえましい光景だろう。しかし、その光景を見つめる僕の心境は、とても複雑だった。
今の紗夜はとても生き生きしている様に見える。しかしそれは、事実とは違う。
無力だから、儚いから、必死に強がっているだけなのだ。
『あの日』から、八ヶ月の時間が過ぎた。紗夜の身長は少しだけ伸び、僕が進学して…………確実に、残された時間は短くなった。
(諦めない。)
この八ヶ月、何度も反芻した言葉を、再度繰り返す。
希望はまだ有る、時間はまだ残されている。だから諦めない、無力だからこそあがく、紗夜の為に。
決意を改めて確認し、紗夜の後ろ姿を見つめる。紗夜はしばらく水面を見ていたが、ふいにこちらに意識を移し、小走りに駆け寄ってきた。
「お兄ちゃっ。」
その途中、紗夜は小石に足をとられたのか、転びそうになる。僕は慌てて反応し、紗夜が転ぶ前に抱きとめた。
「うあ、大丈夫か?紗夜。」
「う、うん、ありがと、お兄ちゃん。」
紗夜は転びそうになった事が恥ずかしいのか、慌てた様子で返事をする。そこで、ふと気付いた。
「紗夜、眠い?」
「う、うん、ちょっと……」
ちょっととは言っているが、僕がみたところ、かなり眠そうだ。僕はそのまま紗夜を抱き抱えると、適当な木陰まで、紗夜を運んだ。
「ほら、無理はしない。」
「で、でも〜。」
「いいから、大人しく寝なさい。」
「う゛ー」
紗夜は不満そうにしていたが、やはりかなり眠かったらしく、すぐに寝息をたてはじめた。

515 :長い物に巻かれた :2008/05/30(金) 04:25:23 ID:etYvPPxc
「て、どこに寝かそう。」
地面にそのまま降ろす訳にもいかない、仕方ないので紗夜の帽子をとり、頭を僕の膝の上に乗せた、まあ、いわゆるひざ枕って奴だ。
ひざ枕をしたまま、紗夜の寝顔を見つめる。しばらく見つめていると、ある事に気が付いた。
「これ…………」
麦藁帽子に隠されて気が付かなかったが、紗夜の髪には蝶のあしらわれた髪飾りが着いていた。言うまでもなく、僕が紗夜の誕生日に贈ったものだ。
普段は大事にしまってあるから、今日、僕とのデートの為に着けてきたのだろう。
その事に気付いて、少しむず痒くなったので、照れ隠しの為に、寝ている紗夜の頭を、いつもより優しくなでた。

〜・〜・〜・〜・〜・〜
紗夜が目を覚ましたのは、結局少し日が傾いてからだった、暗くなってはいけないので、そのまますぐに家に帰った。大半を寝て過ごしてしまった紗夜は、とても残念そうな顔をしていたが、また出かける約束をすると、目を輝かせて喜んでいた。


夜、ベッドに横たわり、今日の事を思い出していた。
目的地に着くまでの少しの遅れ…………僕は紗夜の歩幅の狭さを考慮に入れて、予定を考えた筈だった。
少なめに作ったお昼ご飯…………紗夜が食べる量は、少しづつだが、日に日に減っている。
そして、紗夜を抱きとめた時………………紗夜の体重は、驚く程軽くなっていた………………
今まで気が付かない振りをしていた事がある。紗夜の体は、病魔という名の茨に、ゆっくりと、だが確実に、侵食されているという現実。
目を反らすのは、もう限界かもしれない。
そう思うと、僕の心に刺さった刺が、はっきりとその姿を見せる。
『恐怖』が顔を覗かせる。

現実は、多分甘くない……………

ーーーーー・ーーーーー
『紗夜』の三回目です、また思っていたより長くなってしまいました…………。えーと、次は秋の話デス。例によって、いつ貼れるかは分かりません。なるべく早く貼れる様にはするつもりです。

516 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/05/31(土) 20:20:58 ID:4XeUo5BF
投下乙
結末がわかってるだけにキツい展開ですなぁ・・・

517 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/01(日) 05:03:07 ID:aLTabkSo
続き待ってます。

518 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/03(火) 00:21:17 ID:IUna49Ws
test

519 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/06(金) 02:54:05 ID:33cLwIws
テスト?

520 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/06(金) 11:39:33 ID:cJh9laNk
お兄ちゃん・・・

521 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/07(土) 17:17:54 ID:ygvKOlpd
言われたいセリフか・・・
凄まじく可愛い異母妹に潤んだ瞳でお兄様・・・とか言われたい

522 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/14(土) 23:19:55 ID:V93Bp8mF
お兄様、投下をお待ちしております・・・

523 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/20(金) 19:03:01 ID:fu5fGQY7
人いねー

524 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/06/24(火) 22:36:39 ID:RP3PIK3q
過疎だ……。
何か貼りたいけどネタが無いなぁ……具体的なリクエストとかあれば書くけど。

525 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/25(水) 10:46:58 ID:O5dT47QY
うn


526 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/25(水) 23:47:10 ID:cl99o8sZ
作家様方の妹系以外の作品も読んでみたい。

【幼なじみ】

527 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/06/29(日) 16:52:23 ID:SyL/T1BH
>>524
ド直球な素直で甲斐甲斐しい兄に尽くす妹物が読みたいかも

528 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/04(金) 23:06:07 ID:sthxYFKf
兄上ー

529 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/06(日) 15:18:59 ID:4SgT/RLt
しかし過疎だな

530 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/06(日) 15:58:58 ID:F6yWBKWe
びっくりした……>>522
「お兄様、股下をお待ちしております・・・」って読めた。

531 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/06(日) 16:44:22 ID:qT4HRFWn
ゴメンね、筆が遅くて……。
幼馴染が、もうすぐ書きあがるけど……よく考えたら、ここじゃ貼れないね。

532 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/06(日) 22:57:14 ID:0ftmdb/a
期待して待ってます!

>>よく考えたら、ここじゃ貼れないね。
そう言えばそうですね……

たびたびあることではないので特別に、このスレに貼ってもらうって事はできませんかね?
どうせなら別のスレよりここで読みたいですし、

533 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/08(火) 23:44:32 ID:k9pvMjF2
俺も期待してる

534 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/12(土) 20:48:15 ID:YUjszdja
そういや、今日は7月12日でした……。
全く忘れてたんで、一応リクエストの幼馴染とお蔵入りするつもりだったネガティブ兄を貼ろうかなぁ……。
───────────────────────
いつもと同じ朝。
……眩しい朝日に、少しため息がこみ上げてくる。
そのため息を飲み込んだまま、玄関のドアを開けた。
「おはよう、いっくん。偶然だね」
目の前には、朝日の下で微笑を浮かべる幼馴染、野咲このは。
「あぁ……悪かったな」
ため息を紛らわすように、野咲の首辺りに話しかける。
「え?何で?」
「いや、いつも時間ズラしてたのに、重なって悪いなと思って」
「ん?別に悪くないよ?一緒に学校行けるの嬉しいよ」
相変わらず、このはは俺なんかにも優しい。
「っていうか、いっくん時間ずらしてたの?」
「朝から、わざわざ俺の顔なんか見たくも無いだろう?」
「え?そんなこと無いよ?」
この曇りの無い笑顔。
この否定の言葉の裏を考える俺は、随分とネガティブが板についているようだ……
「ねぇ、いっくん。いっくんが思ってるほど、私気にして無いよ?あんまり気を使わないでよ、幼馴染でしょ?」
「……気をつける」
気をつけたってどうにかなるもんでも無いとは思うが、このはに言っても分かるまい。
当たり障りの無い言葉でお茶を濁す。
「うん。さぁ、立ち話してる時間も無いし、行こうか?」
クルリと振り返る野咲。
「あぁ、先に行くといい」
「え?どうしたの?忘れ物?」
「別に自惚れているわけじゃないが、俺と何か関係があると思われても困るだろう?」
「ううん、全然困らないよ。だから、一緒に行こう?」
差し出された手。
……これは……どうしろと……。
固まる俺。

535 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/12(土) 20:48:47 ID:YUjszdja
「遅刻しちゃうよ?」
煽る煽る……。
「行くか」
迷った挙句、その手をスルー。
少し焦っているフリをして、仕方ない感をアピール。
「あ、待ってよ、いっくん!いっくんに話したいこと、たまってるんだから!!」
いつもと同じ朝……というのを撤回しよう。
今日はいつもよりも良くない……。
「それでね、私ね……」
「……」
気まずい思いをかかえながら、このはの言葉を黙って聴き続ける。
このはには悪いが、返すような言葉は俺は持ち合わせていない。
徐々に近づいてくる学校に、安堵を隠せない俺。
ため息だけは何とか我慢した。
しかし、気がついた。
人が多くなるにつれてこのはと一緒に歩いているというのは、結構恥ずかしい。
次第に歩くペースが上がっていく。
完全にこのはと離れてしまう俺とこのは。
距離が離れていくにつれて無口になっていくこのは。
近づいていく玄関。
このはは少し手前で駆け出して
「じゃあね、いっくん!今日は楽しかったよ!」
「あ、あぁ……」
「帰りも……一緒だといいね!」
「そうだな」
白い嘘をつく。俺も立派な大人だ。
───────────────────────

536 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/12(土) 20:49:19 ID:YUjszdja
思っていたより、朝の一件は尾を引いているようだ。
気付けばこのはの事ばかりを考えてしまう有様。
まぁ……これは、あまりいい意味では無いのだが。
「何で俺なんかに……」
確かに、幼馴染ではあるが、たまたま家が隣だというだけの話で、俺そのものには一切関係の無いことだ。
顔だって良くは無い。
成績だって良い方ではない。スポーツも同様。
性格なんてこの有様だ。
俺なんか見捨てて、もっといい人のトコに行けばいいのにな。
こみ上げてくる申し訳なさと、自信の持てない時自分に対する情けなさ。
今も、このはを避けて、裏門からコソコソと帰ろうとする俺。
すると、体育館裏に見知った人影。
「このはと……男だ」
この出来すぎなシチュエーション。
さすがの俺だって、どういう状況かは分かっている。
「……」
覗いて行きたいという好奇心もあったが……やはり、そういうのは良くない。
このはの幸せを祝って、俺は黙って退こうじゃないか。
足音を立てぬように、サッと死角に逃げ出す。
……不思議と、悪い気分はしないものだ。
───────────────────────
コンコン。
勉強中の俺の部屋、ノックされる音が響く。
「何か?」
特に何も考えず、扉の向こうの人間に声をかける
「うん」
予想しなかったこのはの声に驚いて振り向く。

537 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/12(土) 20:49:51 ID:YUjszdja
「こ……野咲?」
「ゴメンね、いきなり……ちょっと話があって」
「いや、気にするな。俺も少し話がある」
「いっくんも……?」
「俺は後でいい。先に言ってくれ」
「うん、いっくん……」
俯きがちのこのはが小さな声で話し出した。
「いっくんは……昔の約束、覚えてる?」
「約束……?」
「あ、覚えてないならいいんだ。忘れちゃうよね、普通……」
自己完結してしまったこのはにそれ以上何も言えない。
約束について色々考えていたが、
「……そ、それで、いっくんのお話って……何かな……?」
気まずくなったのか、このはが俺に話を振ってくる。
この雰囲気で話しづらいが、言わなければどうしようもない。
「野咲……もう俺とは関わらないほうがいい」
「……え……?」
「幼馴染は今日で終わりにしようと思ってな」
「……何で……」
何故か浮かない野咲。
「直して欲しいところがあるんだったら直すよ!だから……これで終わりなんて……言わないでよ……」
「でも、お前……」
「何で……何で……」
全身の力が抜けたように、肩を落とし、同じ言葉を繰り返すこのは。
このはの気持ちが全く分からずに、何も言えない俺。
「私……いっくんのこと諦めないって、決めたのに……」
「諦める……?俺を……?」
「分かってたよ……いっくんが私のこと、よく思ってないことは……。でも、好きだから……」
「何が……?」
「いっくんがだよ!!」

538 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/12(土) 20:50:23 ID:YUjszdja
「俺が……?」
「そうだよ!!私、ずっとずっとずぅっと……いっくんのこと好きだったんだから!!」
……繋がらない。
「ちょっと待って、野咲!?だって、お前……今日校舎裏で彼氏と会ってたじゃないか……?」
「え……」
今のこのはの顔には『キョトン』という擬音が物凄く似合う。
「……いっくん、あれ見てたの……?」
「見た。約束したじゃないか。野咲を幸せにするって。だから、いつまでも俺は野咲の足を引っ張っちゃいけないと思ってだな……」
「え……だって、いっくん……約束忘れちゃったんじゃ……」
「約束なら山ほどしたじゃないか。……まぁ、さすがに全部有効とは思っちゃいないが……」
間。
このはは、ゆっくりと顔を上げて、
「いっくん……あれは……告白されたのを……断わっただけだよ」
「何で?」
「何でって……いっくんのこと、好きだから……」
頬を赤らめるこのは。
……何で胸が熱いんだ……。
「ねぇ、いっくん……?」
「ん?」
「誤解が解けたところで、改めて言うね……」
立ち上がるこのは。
並々ならぬ真面目な雰囲気に、俺も立ち上がる。
このはの少し潤んだ真っ直ぐな目、逸らしたいけど逸らせない不思議な視線。
「いっくん……じゃなくて、今井一郎君……私とお付き合いしてください!私は、いっくんが一番好きです……!」
……身構えてはいたが……これはクる……。
そりゃあ……嬉しいけど……でも……
「……いや!?俺なんかでいいのか!?」
「いい!っていうか、いっくんじゃないとイヤ!!」
何も言い返せない……。
俺のネガティブ加減をすっかり忘れたこのはは、瞳を潤ませながら……。

539 :ケータイより愛を込めて :2008/07/12(土) 20:55:36 ID:8ww98EyR
連投規制厳しいなぁ……
続きはまた後ほどに。

540 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/13(日) 00:22:04 ID:ZGhsxL+r
「いっくんは……私じゃ嫌?」
「そんなこと……いや、俺だって、このはのこと……」
「こと……?」
ニヤニヤしてる……。
ふと考える。
このはなら……このはならば、俺は信じることが出来る気がする。
そこまで決まれば、あとは勇気だけだ。
このはの目を見る。大きく息を吸う。
「好き……だ」
あぁ、顔から火が出そうだ……。
「ふふふふふっ……」
顔を伏せて笑い出すこのは。
さっきから、こいつのリアクションは……
「わ、笑うなよ!!」
「ふふふっ、ゴメンね。でも、両想いだったなんて……嬉しくて……」
「このは……」
「あと、それ!!久しぶりに、このはって呼んでくれた!」
「嫌ならやめる」
「じゃあ、止めないでいいよー。ずっと呼んでいいよ、いっくん」
「そうか……」
テンションの高いこのは。
満更でもない俺。
「ねぇねぇ、いっくん!もう一回、名前で呼んでくれないかな?」
「このは……」
「うぅ〜!このは、幸せだよっ!!」
「うおっ!?」
「きゃあっ!?」

541 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/13(日) 00:26:58 ID:ZGhsxL+r
勢い良く俺の胸に飛びついて来るこのは。
受け止めてもらえると思ったのかもしれないが、突然の事過ぎて対応できずそのままベッドに倒れる。
「いっくん……」
「……」
俺の胸に寝転ぶこのは。
顔が近い……
これは……ヤバい雰囲気……。
「いっくん……さっきの約束。まだ有効かな?」
「……このはが有効だと思えば」
「じゃあ……いっくん。このはのこと……いっぱいいっぱいいっぱい、ずっとずっとずっと!幸せにしてください!」
俺の腹の上に座って言うことじゃないな、と思いつつも……。
「うん……」
「へへ、じゃあ……」
意地悪に光る子猫のようなこのはの眼……。
「こ、このは……!?」
「このはの初めて……もらっちゃってください!」

……。
接吻ですからね……?
───────────────────────
日付が変わってしまいましたが……続きです。もう一つは、少し時間を開けることにしましょう。
幼馴染……自分の書いた作品にムカついたのは初めてだ……w
ともあれ、今の僕にはこれが精一杯です……
リクエストなんて身の丈に合わないことをするもんじゃないですね……。

542 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/13(日) 01:37:31 ID:mpRsHQqg
リクエスト書いてくれてありがとうございます!

いやはや、やっぱりさすがです。
何か読んでいて萌えすぎて体中がむずかゆくなってきたw
エロスレがまだあった頃なら続きはそっちで…ってことになったかもしれない!?

ネガティブ兄の方も待ってますのでよろしくです!

543 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/14(月) 03:37:26 ID:/OEt1vhW
これは萌えた。
このはタン良いキャラだ

544 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/15(火) 23:14:00 ID:9wvz9mwm
その日は雨が降っていた。
氷のように冷たい雨が、持ち主から離れた傘に弾かれ音を立てる。
その音が途絶えた瞬間、冷え切った体にさらに冷たい血が流れ始めたのを感じた。
目の前の敵と鈍く輝く刃を、仇として認識する。
「……お前か、お前が遥を……」
───────────────────────
「結局、傘は必要なかったな……」
帰り道。
すっかり持て余してしまった傘の先端を軽く蹴飛ばす。
「わかんないよ。今から降るかも」
隣の遥は空を見上げながら、
「……確かに」
青空が大嫌いな俺でも気持ちの悪いと感じる色の空。
いつ一雨降ってもおかしくはない。
「ま、もう家だし俺には関係ないけどな」
「私は買い物に行かなくちゃいけないから関係有るんだけど……」
「そうだったな。付き合おうか?」
「ううん」
珍しく提案した俺。遥は首を小さく振って
「今日は、お兄ちゃんには秘密」
「何を?」
「お兄ちゃんの好きなものを作るから、今日は付いてきてくれなくても良いんだよ」
「ほぅ……」
遥もなかなか可愛いことを言う。
さほど気にはならないが、少しは楽しみにしておこう。
「じゃあ、私は荷物置いたらこのまま行くから、留守番よろしくね」
「おぅ。まかせとけ」
「うん、じゃあね」
小さく手を振って、遥は制服のまま再び家を出て行く。
「さてと……」
一人残された俺は、とりあえずポストを。

545 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/15(火) 23:14:32 ID:9wvz9mwm
ダイレクトメールが数枚と……ファンシーな封筒。
遥宛かと思ったが、どうやら俺にらしい。
といっても、差出人も住所も、切手も何もない。
……直接ポストに入れたのか。
正直言って怪しかったが、一応中を確認する。
「何だ……こりゃ……」
中に入っていたのは、4枚の写真と一枚のメモ。
写真には遥、あきら、宮原、真雪が。
しかし、顔の部分には絵の具で描かれたような掠れた赤のバツ印。
そしてメモには
「『もうすぐ会えるね』……って……」
性質の悪い悪戯……というワケでも無さそうな予感……。
肝心なときに一番話を聞いて欲しい人がいない……。
少し悩んだが、一応これも俺の責任だ。
気は進まないが、皆に連絡を入れようと決断した。
その時
「お、お兄ちゃん!!」
あきらが、必死の形相でこちらに駆けて来る。
「……どうした?」
並々ならぬ鬼気を感じ、俺もシリアスモード。
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
堰を切ったように、俺の胸で泣き始めたあきら。
「ど、どうしたんだよ!?」
「怖かったよ!怖かったよぅ!!」
「何が?」
「スコップ持った変な女の人に追っかけられて……必死で逃げてきて……!!」
「で、大丈夫なのか?ケガは!?」
「ボクは平気……ちょっと、転んで膝擦り剥いちゃったけど……」

546 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/15(火) 23:15:17 ID:9wvz9mwm
「でも……何なんだそいつ……あきらの危ないファンか何かか?」
「分かんない……けど……ボクのこと……邪魔だって言ってた」
「邪魔……?」
「ボクがいると、あの人のところに行けない……って」
「……」
もしかして……。
「こりゃ不味いかもなぁ……」
「何が……?」
「さっきこんな封筒がポストに入ってたんだよ」
さっきの写真をあきらに見せながら、話を続ける。
「もしかしたらなんだが、この写真のみんながヤバいんじゃないのか」
「だとしたら……」
「とりあえず、みんなに伝えよう!!あきらは宮原に連絡してくれ」
「う、うん……」
俺は……とりあえず真雪に連絡を取る。
焦っている空気。
徐々に不安になってくる。
ケータイを持つ手が震えているのを自覚し始めていた。
───────────────────────
時間空けるっていうのも限度があるだろう……。
しかも、今回はここまでで。……連投制限五回はキツいです……。
一応、僕の想像するヤンデレのお話になりますが、まぁ、あまりヤンデレ度合いには自信は無いです。

あと、もう一つ>>527さんのリクエストを頂いてますが、
登場人物がネガティブになってしまう奇病に冒されたため、もう少し時間がかかります。申し訳ない。

547 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/16(水) 00:24:06 ID:NH7/avOq
これは怖いな…
これからどうなるのか気になるわ…

548 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/16(水) 15:36:54 ID:aONR3D7y
続きが気になる

549 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/16(水) 21:47:24 ID:yQpYwLUi
ヤンデレキターーーーーーーーーーーー

550 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/20(日) 00:33:25 ID:awpxw07h
とりあえず、宮原も真雪も学校に居るらしい。
遥だけが、連絡が付かないまま。
「探しに行ってくるから、あきらは家の中で待ってろ」
「ぼ、ボクも行くよ!!」
「駄目だ。危ない」
あきらも対象であることに変わりは無い。
あきらは少し不満そうな顔をしながら、
「分かった……気をつけてね」
「ああ」
返事も適当に遥が向かったであろう道を走り出す。
何も無いなら何も無いで良い。
大袈裟なら大袈裟で良い。
が、この胸騒ぎを気のせいで片付けられるほど、俺も素直な人間じゃない。
今日は昼間だというのに暗いし、このあたりは人通りもない。
絶好の襲撃環境と言ったところか。
「……」
我ながら最低の冗談に呆れて物も言えない。
良い感じに絶望感を蓄えながら、緩やかなカーブを曲がる。
視界が開けた瞬間、足が止まった。
地面に開いた見覚えのある傘。
その向こうに見える、どこかの学校の制服の女。
そして、その手には鈍く輝くスコップ。
足を止めた瞬間、雨が降っていることに気付いた。
「あ、兄上様……」
確かに女はこう言っていた。
もちろん面識はない。
危ない女の登場に、一気に全身の筋肉が張り詰める。
「……お前か、お前が遥を……」
「ううん。まだなの」
予想以上の軽口に、血液が凍ったまま沸騰し始めているのを感じる。

551 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/20(日) 00:34:07 ID:awpxw07h
「まだ、生きてるもの」
「……」
一安心。
が、この言葉はつまり、
「でも、安心して兄上様。この女、もうすぐ死んじゃうから」
「……」
「見てて」
その得物を振りかざす女。
それを黙って見ている気は更々無い。
手に持った傘を全力で投げる。
自分のコントロールに自信が無い俺は、傘の軌跡を見ずに距離を詰め、女と遥の間に入る。
「……!?」
驚きからか、顔を引きつらせている女。
「遥!!起きろ!!」
女から眼を離さずに後ろに下がり、遥の肩を抱き上げる。
「ん……お兄ちゃん……?」
ゆっくり目を開けた遥。
重いものをおろしたように、全身が軽くなったのを感じた。
「良かった……。怪我とかないか!?」
「う、うん……大丈夫だよ」
「はぁ……本当に良かった。立てるか、遥」
「うん。ふふ、お兄ちゃんもそういう顔するんだね」
「何が?」
「なんでもない」
遥の微笑みにホッとする。
という状況ではないようで、
「何をするんですか、兄上様。遊びたいなら、あとでゆっくり……」
「何故こんなことをする」
こいつの意味不明な話はもう沢山だ。

552 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/20(日) 00:34:41 ID:awpxw07h
「もちろん兄上様のためですよ。あんな女達がいるから、兄上は私に会いに来れない……」
かみ合わない会話。
次第にイライラしてくる。
「だから、兄上様、意地悪はやめてそこを退いてください」
スコップを構える女。
答えなど考えるまでもない。
牽制のつもりで放つ蹴り。
「兄上様!?」
本気で驚く辺りが癇に障る。
「次は当てるぞ」
「冗談は辞めてください」
それでもずんずんと進んでくるこの女。
どうも威嚇で応じてくれるほど楽じゃ無さそうだ。
警告通り、今度はマジ当て。
といっても、蹴るというより押す感じに近いが。
バランスを崩し、水溜りの中に突っ込む女。
泥が跳ね、彼女の顔にかかる。
これで退いてくれるという淡い期待……
「ふふっ……」
しぶとい……。
笑いながら立ち上がる女。
「兄上様を私のものにしちゃうのが先みたいですね」
とスコップを振り上げる。
……つまり、標的は俺になったと。
「遥。下がってろ」
「だ、大丈夫なの!?」
「当然」
遥を下がらせる。
あまり、取り乱している姿は見せたくないんだけど。
「はぁ……」
意識を……塗り潰す……。
───────────────────────

553 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/20(日) 00:35:15 ID:awpxw07h
ネガティブ兄vsヤンデレ風、第二回。
……まぁ、そろそろお蔵入りになるべく台本だったという意味が分かっていただけるのではないかと。
僕自身がヤンデレという属性をいろんな意味で理解していない、というのもそれに拍車をかけていますね……
そんなこんなで、もう少し続きます。申し訳ない。

554 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/20(日) 01:03:45 ID:MBENuPvX
やっぱり遥カワイイな
続きがんばって

555 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/20(日) 01:28:36 ID:KmCdEBN5
これをおくらいりにするなんてとんでもない!

ネガティブ兄ちゃんが頼れる男に見えてきたw
続き待ってますよ!

556 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/20(日) 16:23:02 ID:3XeAO+7U
冷蔵庫からフルーチェを取り出して、部屋で食べる。
バターン!
勢いよくドアを開けて妹登場。
「おにーちゃん!わたしのフルーチェ取ったでしょ!?」
すごい剣幕に思わず固まる俺。
「あ!やっぱり勝手に食べてる!返せっ!」
俺の手からフルーチェの器を奪い取る。
「もうっ!ほとんど食べちゃってるじゃん!」
「あうっ・・・ごめん」
「口の中のも返せっ!」
怒りながら、いきなりディープキス。
ちゅぱっちゅぱっ
「フルーチェおいし〜」


あーあ、妹がいるやつっていいな〜
こんなことばっかりしてんでしょ?

557 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/20(日) 21:27:08 ID:iLA2E87U
>>556
そうだね、前半はそれとまったく同じ状況が起こり後半は地獄絵図だね。

558 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/21(月) 15:26:48 ID:7Zvms0Qz
食い物を巡り兄妹で地獄絵図・・・
まぁ、普通にあるな

559 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/22(火) 13:48:06 ID:c78jGZa6
おちんちんは食べ物です

560 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/26(土) 19:46:26 ID:Fj1Ipo0g
続き期待

561 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/29(火) 23:03:51 ID:wz1/a6Xq
「はぁ……」
ため息と一緒にお兄ちゃんの頭が、一気に下がる。
「お、お兄ちゃん!?」
危ないっていう自覚が無いのか、前も見ていないお兄ちゃんに思わず焦りの声が出てしまった。
どうしよう……でも、間に合わない……。
そう思った瞬間、斧のように振り下ろしたスコップを、左足を軸にクルッと回って避けるお兄ちゃん。
そしてその勢いのまま、側頭部に強烈なキック。
「くっ……」
体勢を崩した女の子の右手を狙って、全体重をかけた飛び蹴り。
女の子の力が抜け、なすすべなくスコップが落ちる。
お兄ちゃんはそのままもう一回転、女の子の足を間髪入れずに払った。
「うわぁ……」
あっという間に、相手を倒してしまった。
……強い……無駄に……。
でも、足技ばっかりなのは何で……?
「はぁ……」
でも、頭は垂れたまま。
お兄ちゃんは落ちたスコップを拾って、
「お前は良いよなぁ……」
「え……」
「そんな簡単に人を殺すとか言えてさ……どうせ俺なんか……」
寝転がった相手の耳元でネガティブ全開な発言を繰り返すお兄ちゃん。
暗い……お兄ちゃん、暗いよ……。
「……」
あんまり聞こえないけど、何言ってるんだろう……。
相手の女の子も何だか暗い顔してるし……。
逆に可愛そうになってきちゃったな……。

562 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/29(火) 23:04:30 ID:wz1/a6Xq
「は、遥ちゃん、大丈夫!?」
後ろから声がして振り返る。
「みんな……。私は大丈夫だけど……」
あきらさんを先頭に、宮原さんと冬月さん、そしてお兄ちゃんの友達の州田さん。
「あれ、州田さん?どうしたんですか?」
「私が……頼んだ……」
「冬月先輩が?」
この二人……どういう関係だろう……。
まぁ、いいけど。
「で、遥さん?何をやってるんですか、アレは……?」
宮原さんが恐る恐る指差した先には、
雨の路上で傘も差さずに、寝転がっている女の子の耳元に片膝付いてボソボソ呟く男の人。
どう見ても見ても怪しいよね……。
「それが私にも……」
「うーん……遥ちゃんにも分かんないんじゃお手上げだねー」
「ですね」
「……だね」
この人たちは……私を何だと思ってるんだろう……。
「でも……そろそろ……」
「そ、そうだね。お兄ちゃーん?」
恐る恐る。
矛先がこっちに向いたらヤダなぁ……。
「ん?あぁ、遥。いや、すっかり夢中になってしまった」
と、振り向いたお兄ちゃんはビショビショだけど異常なほど爽やかで、ちょっと気味が悪い……。
「あぁ、みんな。来てたのか」
みんなリアクションが無い……。引いてるんだ、やっぱ……。

563 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/07/29(火) 23:05:04 ID:wz1/a6Xq
「……その人は?」
お兄ちゃんの笑顔とは対照的に、さっきの女の子はこの世の終わりのような顔をして、地面に倒れている。
「さぁ。さっきから一言も喋らないんだ」
……大丈夫かな。
「……どうするの?」
「んー……警察で良いんじゃないか。電話しよう」
軽いノリで警察に電話するお兄ちゃん。
……説明するの、私なんだろうなぁ……。
───────────────────────
お久しぶりで……。ネガティブ兄vsヤンデレ風、第三回。次で終わりになります。
まぁ、多くは語らずとも、やっぱり封印すべき作品だったなぁとこれを貼る前に思いました……。

ネガティブ兄が蹴り主体で戦うのは、もちろんあの人をリスペクトだからです。

564 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/30(水) 19:21:27 ID:8y448u7E
遥可愛いよ遥

565 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/07/30(水) 23:38:31 ID:sqKmXWKT
続きも期待!

566 :名無しくん、、、好きです。。。 :2008/08/08(金) 15:12:48 ID:RoWyTdZh
【調査】携帯電話「1日のほとんどがマナーモード」…若い世代ほど、また男性ほど着信音を気にしている傾向
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1218171511/286

286 名前:名無しさん@九周年[] 投稿日:2008/08/08(金) 14:59:39 ID:0MjvY/I40
電車のなかで俺の携帯が携帯がなって
「お兄ちゃん!メールが届いたよっ!」と電車の中に響き渡った
すげーゾクゾクした

567 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/08/13(水) 00:33:06 ID:YXmJE+DK
「つまり、アレはお兄ちゃんへの愛情表現のつもり……ってこと?」
「この文章を平たく解釈するとそうなるな……」
後日、びっしりと書かれた紙を読みながら。
「だが、一応心を入れ替えたってことらしいがな」
「安心して良いのかなぁ……」
ちょっと不安そうな遥。
まぁ、ああいう人間は何するか分からないからな。
「その……悪かったな」
「何が?」
「完全に俺のことなのに遥や真雪達には迷惑をかけた」
「ううん、気にしてないよ」
「……」
「お兄ちゃんが私のことを助けに来てくれたのが嬉しかった。だから、今回は許す」
「そうか」
本当はもっと責めてくれた方が、こちらとしても気が楽なのだが……
遥の微笑を見ているとそういう気分ではなくなってしまう不思議。
「うん。で、何が問題なの?」
「近いうちに本人が謝りに来るらしい」
「あぁ……お兄ちゃんには大問題だねぇ……」
「それもだし……それすらも罠なんじゃないかってふと思うんだが……」
「お兄ちゃんのネガティブも今回ばかりは大袈裟じゃない気がしてきたよ。あの人……ちょっと普通じゃないからね」
「……そうだな。その時は、俺一人で行く」
気は進まないけどな。
遥は心配そうに俺の顔を覗き込んで、
「大丈夫……?」
「死ぬほど嫌だ。でも、仕方ない。遥に危険が及ぶ」
「お兄ちゃん……」
「何だよ?」
「たまにはカッコいいこと言うんだ」
「……すまん……」

568 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/08/13(水) 00:33:39 ID:YXmJE+DK
「え?褒めたのに!?」
「いつももっとカッコよかったらよかったのに……」
「それはちょっとキモいと思うよ……」
「キモい……」
気持ち悪いならともかく、キモい……。
もう立ち直れない……。
「……どうせ俺なんか……」
「お、お兄ちゃん?そんなに落ち込まないで!?別にお兄ちゃんに言ったんじゃないからね!?」
「……」
遥の声も遠く聞こえてきた。
ピンポーン。
インターホンが鳴った……気がする。
「わ、お客さん……えと……お客さんが来たから行ってくるけど、落ち込んじゃダメだよ!?」
「……」
「あと、自棄起こして、洗剤一気飲みとかしちゃだめだからね!?」
しねぇよ……。
「あと……あとは……」
「良いから行けよ……」
「う、うん……!」
テンパる遥を追い出して、ソファーの上で一人体育座り。
と思っていたが、すぐに遥が戻ってきて
「お兄ちゃん?」
「……何だ?キモい俺に何か用か……」
「噂をすれば。だよ……」
「いっ!?」
マジかよ……まだ心の準備が……。
落ち込んでいる暇がなくなった俺は……ソファーに座ってみたり。

569 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/08/13(水) 00:34:11 ID:YXmJE+DK
「あ、あの……突然お伺いしてすいません」
この前の女が入ってくる。
「遥は下がってなさい」
一応、俺が命令したという形に。
うん、なかなか良い判断だぞ、俺。
「まぁ、座って」
「はい……」
うーん……なんつーか、狂気の色が消えているし……心配には及ばないかもなぁ。
「あの……この度はご迷惑をおかけしました。お怪我とかありませんでした?」
「はぁ、あの……こちらこそ、随分暴れまわってしまって……」
あんまり記憶にないが。
「とんでもないです!!私を止めてくれて……ホントに感謝してます」
「もう……大丈夫なんですか……?」
「そのことなんですが……。私……気付いて……しまって……」
恥ずかしそうに俯いてしまった女。
「……何にです?」
売り言葉に買い言葉。仕方なくこう聞いてみる。
すると、女はゆっくりと顔を上げて、
「蹴られることがあんなに気持ちの良いものとは……思いませんでした……♥」
訂正だ!!この女、怖ぇえ!!
「ちょ、ちょっと……!?」
「これからも、もっともっといじめてくださいね、兄上様♥」
……全身の体液が逆流しているような気分だ……。
拒絶する気力も、逃げる気力も、冗談にする気もない……。
「うぉぇ……」
喉の奥がちょっと酸っぱい……。
……夢なら……覚めてくれよ……。
───────────────────────

570 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2008/08/13(水) 00:36:15 ID:YXmJE+DK
お久しぶりでございます。ヤンデレ編、最終話です。
この程度のものを引っ張りすぎじゃないか……。
まぁ、なんつーか、やっぱりヤンデレってよく分かんないなー、とか、シリアスはガラじゃないなー、とか。

せっかくの夏なんで、夏の話でも書きたいと毎年思うんですが……
色々している内に毎年夏が終わってしまう……今年もダメそうだ。

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0ch BBS 2004-10-30