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[第四弾]妹に言われたいセリフ

804 :中華:第三話 2 :05/03/08 05:10:19 ID:lOxsD9GB
「も〜い〜か〜い?」
「う、うん」
 がらら。
 戸が開けられる。
「ん〜・・・ちゃんと似合てるね。 よかた〜」
「ホントに僕のために買った・・・の?」
「勿論アル。 ちゃんと全部わたしが選んだよ」
「へぇ・・・サイズも合ってる」
「パンツも買たアル」
「・・・・・アレも藍が買ったの?」
「・・・・・ちょと、恥ずかしかたアル。 ちゃ、ちゃんと穿いてるアル?」
「う、うん」
「ならいいアル。 恥ずかし思いしたかいがあるよ」
 し、しかし、そんなことまでしてくれるとはね・・・。
「晩御飯、出来てるよ」
「あ、じゃあ頂こうかな」
「はいな! こちアル!」
 引っ張られていくと・・・。
「わ、茶の間だ」
 畳敷きの茶の間だった。
「日本の建物なんだ、普通だろ?」
 とばあさん。
 まぁそうなんだけど、店内はすっかり中華屋の内装だからちょっと戸惑ってしまったわけだ。
「ほれ、とっととお座り。 飯が冷めちまう」
 促され、ちゃぶ台に着く。 ・・・・ちゃぶ台なんて初めて見た。
 そこに並んでいたのは―――。
「和食だ・・・・」
 秋刀魚、味噌汁、菜っ葉に漬物・・・・・完全に和食。
「コレ・・・誰が作ったんです?」
 ばあさん、和食も作れたのか?

805 :中華:第三話 3 :05/03/08 05:11:24 ID:lOxsD9GB
「わたしアル」
「え・・・藍がコレを?」
「はいな。 勉強したアル」
「へぇ・・・凄いなぁ」
「まぁまだまださね。 季節外ればっかりさ」
「あ・・・そう言えばそうだ」
「えへへ・・・まだ出来るのそれくらいしかなかたから・・」
「いやでも凄いよ・・・食べてもいいかな?」
「勿論アル」
「じゃ、いただきます」
 ん・・・・コレは・・。
「美味しい・・・」
「ホント!? やた、ほぃさむ!」
「うん、美味しいよ、コレ・・・・凄い、下手すると僕が作ったのより美味しいかも・・・」
「そな褒めても、ナニも出ないよ〜」
「ん〜、でも本当に美味しいよ。 凄いね」
「そう言われると練習したかいあるよ〜」
「やっぱ練習したんだ?」
「はいな。 お兄ちゃんのために・・・あ」
「え・・・ぼ、僕のため?」
「・・・・・・・はいな」
 こ、こんなことまで・・・・? え、ホントに・・・?!
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・何二人で世界作ってんのさ。 ここにババァが居ること、忘れんじゃないよ」
「え、あ、何言ってんすか、も〜! あははははっ!!」
「そ、そうアルばばさま! あははははっ!!」
 ・・・・食卓に二人の寒い笑いが響いた。

806 :中華:第三話 4 :05/03/08 05:12:31 ID:lOxsD9GB
「ふぅ〜・・・何か・・・眠れない」
 それで。
 僕はやっと床についたんだけれども・・・なんか眠れない。
「ん〜・・・藍があんなにまで僕を慕っててくれてるとはね・・・」
 どうしてだろう・・・・藍は・・僕をかなり慕ってるみたいだ・・・・・でも、なんか・・・。
 コンコン―――。
「・・・誰?」
「わたし・・・アル」
「・・藍? どうしたの、こんな時間に・・・」
「開けて・・・いいか?」
「うん」
 すっ・・・と戸が引かれ、藍が入ってくる。
「で、どしたの?」
「あの・・・お兄ちゃん・・お願い・・・あるよ」
「うん?」
「一緒・・・・寝ていいか?」
「・・・・・・・・(えぇぇぇ―――――!!?)」
 な、なんとか声には出さなかったけど・・・そ、それはマズイんじゃないかな!?
「ら、藍、いくらなんでも、そ、ソレは・・・・」
「ダメ・・・・・か?」
「・・・・藍?」
 すがる様な・・・・目。
「う・・・・・ん〜・・・・・しょうがないなぁ・・」
「やたぁ・・んこぃ」
 早速布団に潜り込んでくる。
「お兄ちゃん・・・じょうたう」
「う、うん・・・お休み・・・・」
 そうして・・・・一分と経たないうちに、藍は寝息を立て始めた。
 藍・・・・キミはどうして・・そこまで僕を信用してるんだ?
 ・・・・・なにか・・不自然な程に・・・・・・・。

807 :中華:第三話 5 :05/03/08 05:14:48 ID:lOxsD9GB
「すぅ・・・・」
 穏やかな息。 本当に・・・・僕に委ねてしまっている。
 まだ、会って一週間そこらなのに・・・・。
「おにい・・・ちゃ・・」
「ん・・・・?」
「すぅ・・・」
 寝言で、僕を? はは・・・出来すぎだよ・・・。
「おいてちゃ・・・・や・・・」
「・・・・え・・?」
「また・・・藍を・・・らう・・・・せい、んだく・・・!!」
「・・・・・・」
「ご・・・・んだく・・・! まま、ばば・・・・ご・・らう・・・じょい・・!!」
 意味は・・・・分からなかった。
 けれど・・・・この娘の抱える何かを・・・垣間見た気がした・・・・。
「・・・・よしよし」
 僕は、藍の頭を撫でた。 少しでも・・・藍を安心させてやりたくて・・・・・・。
「あ・・・ご・・・・・ご、んごい・・・ほう・・」
 藍は、幸せそうに微笑んだ。
 僕の存在が少しでもこの娘の救いになるなら・・・・こうして撫で続けよう。
 いつか、本当に救える日が来るまで・・・・。

 小さな決意と供に・・・僕の一日は終わった。

808 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/08 05:29:42 ID:lOxsD9GB
お呼びじゃないのは知ってるけれど〜、出来ちゃったから貼っちゃいま〜す。
保守。
誰かなんか書いて〜・・・もう来んな〜とかでもいいから・・・・。
広東語はかなりてけと〜なんで解読しようたって無駄無駄無駄ぁですよ〜。
紅の蒼龍(もうこれでいいや)第三話 >>803-807
台本の三連投に成功。

809 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/08 16:56:01 ID:ORQiDLcI
           ノ ‐─┬       /
          ,イ  囗. |      / _ 丿丿
            |    __|    ―ナ′
                     /  ‐' ̄
              ,‐       /
            ナ' ̄       /   、___
     /      ノ`‐、_
    / _ 丿丿  _メ       | _/
  ―ナ′     〈__         X / ̄\
   /  ‐' ̄               / V   /
   /       \   l       レ ' `‐ ノ
  /   、___  Χ ̄ ̄〉
             \ 丿       /
              \          / _
                    ―ナ′__
     | _/       ̄ ̄〉     /   ,
    X / ̄\       ノ     /  _|
   / V   /             /  く_/`ヽ
   レ ' `‐ ノ  ―――'フ
              / ̄      ┼┐┬┐
               |          〈 /  V
              `−      乂   人

             ┼‐      |  ―┼‐
             ┼‐       |    |
             {__)      |   _|
                        |  く_/`ヽ


810 :遊星より愛を ◆isG/JvRidQ :05/03/08 18:40:02 ID:NhkRDZ5m
久しぶりだな……いろんな意味でさ。
幾多のSSが貼られているが……ま、俺が一々感想書いてくと、作品に泥を塗ることになるだろうから何も言わない。
だが、言葉じゃ表せないほど、みんな素晴らしい!!それだけは言っとこう。

811 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/08 19:26:47 ID:lOxsD9GB
>>809
有り難う。 何もレス付かないのが一番つらいよ。 本当、有り難う。

>>810
(つД`)・゜・。

812 :すばる ◆9tSxotve.o :05/03/08 21:12:19 ID:kbJRUqFP
前スレ並に過疎化してる……とりあえず『名無しさん歓迎』

>>たゆんさん
乙ですー。
折角SS投下してくれているのに反応が遅くなって申し訳ないです_no
このスレには無いタイプのSSですね!イイっ(゚∀゚)

813 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/08 22:07:07 ID:hu1qyMz1
ホワイトデーには祭りになるはず…ですよね、神の皆様!?

814 :すばる ◆9tSxotve.o :05/03/08 22:27:54 ID:kbJRUqFP
俺は神達には及ばずながらもホワイトデイSS書くつもりですよ。
ネタが浮かばなければパスしますが…。

815 :コンズ :05/03/09 16:58:03 ID:tpkrUFt6
たゆんさん、中華娘のSSの方、萌えさせていただきましたよ!!
遊星さん>是非双子を〜(しつこい
すばるさん>楽しみにしておりますぞ!!





















ホワイトデーっていつだっけ?orz

816 :未来たん教信者 :05/03/09 17:15:37 ID:o7MrBJNZ
ホワイトデーは未来たんですよね?遊星さん。

817 :未来たん教信者二号 :05/03/09 18:19:24 ID:wjdEweEC
漏れも未来たんきぼんです!

818 :遊星より愛 ◆isG/JvRidQ :05/03/09 20:59:33 ID:r241y1Vx
未来のつもりだよ。

ま、しかし、俺の命もあと五レス。台本など到底貼れまいよ。

819 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/09 22:21:51 ID:f6Nizatw
終末まで残り4レス?!

神が氏ぬ。

神々の黄昏(ラグナロク)。

世界滅ぶ。

そこで僕が世界を再生。

僕が創造神。

(゚д゚)ウマー

ここで何故かVPネタ。

そうか・・・ホワイトデーか・・・忘れてた。 
なんも貰ったことないからねー、あはは。 だってあげたこと無いからね・・・・。
やっぱり充電期間ってのが欲しいんですねぇ・・垂れ流し状態で、環境にも悪そうな自分。 ゴメン。
>このスレには無いタイプのSS
ヌレ違いの悪寒。 すいません。 (´Д`;lll)

820 :すばる ◆9tSxotve.o :05/03/09 23:26:54 ID:r//voCY8
>>818
つ【を込めて】
ドゾー

>>819
世界観が・なんでスレ違いなんて事ないスよ!
寧ろスレ違いでも萌えられるなら気にしな(ry

821 :中華:第四話 1 :05/03/10 01:34:32 ID:uRJdAEi+
 さてさて、僕がこの店に来て一週間と三日。
 お客さんも段々と増えてきた手ごたえが感じられる。
「ん〜・・・もう三時過ぎか・・・・」
 ちょっと半端な時間だ。 休日だからこんな時間に来る人もあんまりいないだろうけど、かと言って来ない訳でもない。
「ん〜・・・仕込みでもしとこうかな・・・」
 がた――んっ!
「わ?! な、何だ!?」
 店の方から大きな音。 な、何かあったのかな・・・?
 僕は急いで厨房を出た。
「・・・るアル! おマエに売るモノはないアル!」
「はぁ?! お前、何言ってんだ?!」
 口論が聞こえる・・・ま、まさか・・・・。
「ど・・・どうしたのさ・・・?」
「あ・・・お兄ちゃん! 出てきちゃダメアル! ココは危険アル!」
 藍が僕を追い返そうとする。
「お、おいアンタ! 責任者か!?」
 お客さんらしき男の人が、それを止める。
「放すアル! お兄ちゃんは渡さないアル!!」
「てめ、変なこと言うんじゃねぇ!」
「あ、あの!! 二人とも落ち着いて!!」
「あ・・・はいな」
「・・・・・む」
「そ、それで・・・どうしたんですか?」
「この女、いきなり俺に売るモノぁねえとか言い出したんだよ」
「ふん、どうせお兄ちゃんを狙うオンナの手先ね! オンナの匂い、するよ!」
「このアマ、さっきから調子乗りやがって・・・!!」
 ああ・・・・またなんだね、藍・・・。
「藍・・・誰彼構わず喧嘩売るのやめなさい」
「む・・お兄ちゃんがそう言うなら・・・」

822 :中華:第四話 2 :05/03/10 01:35:58 ID:uRJdAEi+
「あの、すみません・・・本当に・・・」
 頭を下げる。
「いや・・・アンタに謝られても・・・」
「あ、ほら、藍も・・・」
「わ、わたしは謝らないよ! だてそいつ、ウソ吐いたよ!」
「ウソ・・・?」
「わたし聞いた! オンナ連れてるな、て。 でもそいつ、オンナなんて連れてない言うたよ!」
「そ、それじゃあ連れてないんだよ。 藍の勘違いだったんだよ」
「ち、違うよ! そいつからオンナの匂いするよ! ホントよ!」
「・・・俺、そんな匂うか・・?」
「あ、す、すいません!!」
「あ、いや・・・女連れってのは・・間違いじゃないんだよ。 外に待たせてるから」
「ほら! やぱりウソ吐いてたアル!」
「あんなぁ、普通いきなり女連れか、って聞かれたら恋人とかそういうもんだと思うだろ? 待たせてんのは妹だよ」
「む・・・・その妹がお兄ちゃん狙てるに違いないアル」
「こ、こら藍!」
「あ〜・・もういいわ。 何か疲れた・・・・」
「あ、す、すいません! そ、それでご注文の方は・・・」
「肉まん一個」
「お一つでよろしいのですか?」
「食欲失せたわ」
「あ、はい、で、では、御代は要りませんので・・・・」
「ん? そうか? なら貰っとくぞ」
「毎度有り難うございましたー」
 ふぅ・・・・さてと・・。
「藍・・・・またやったね?」
「ら、藍はお兄ちゃんのためを思てやたアル!」
「僕のことを思うなら、喧嘩はよしてよ・・・」
 これでもう・・・あーもう、何回目だろう、藍が客に喧嘩売ったのは。 僕が居ると女の人が来るだけで喧嘩腰だもんなぁ・・・。
「ねぇ・・・僕のこと狙う人なんて居ないんだから・・・もうちょっと落ち着いてよ」

823 :中華:第四話 3 :05/03/10 01:37:10 ID:uRJdAEi+
「甘いよ・・・甘いアル、お兄ちゃんは・・・一瞬の油断が死を呼ぶよ」
「な、何言ってるのさ・・・」
「でも、お兄ちゃんが迷惑なら・・・」
「迷惑って言うか・・・まぁ、喧嘩は止めてよ」
「・・・・・・はいな。 それなら、これ持つアル」
「・・・・何コレ?」
「護身用の武器ね」
 柄からずっしりと来るその重み。 すらっとした美しい刃。
 ゆるやかにカーヴを描いた刀身は、日本刀のそれよりもずっと幅がある。
「・・・・何コレ?」
 僕は思わず同じ言葉を発していた。
「青竜刀アル」
「・・・お返しします」
「な、なんでアル? ナギナタみたいなののがよかたか?」
「いや・・・あのね藍、日本には銃刀法というものがあってね、こういうものは持ち歩いちゃいけないの」
「そ、そうなのか?」
「うん。 だから、コレはしまっといてね。 気持ちはありがた〜く、受け取るから」
「むぅ・・・明日までに代わり探しとくアル」
 いりません。

 まぁこんな感じで、藍が客に喧嘩を吹っ掛けること以外、概ね問題は無かったんだ。 ただ・・・。

「お兄ちゃん、今日も泊まてくアル!」
「あ、いや・・・きょ、今日は流石に・・・」
「だ、ダメか・・・?」
「あ、いや、その・・・・」
「お願いアル・・・・」
「・・・・・・・う〜・・・うん・・・」
「やた! 今日も一緒アル!」
 ・・・・と、あの日以来、この家の厄介になってます・・・。

824 :中華:第四話 4 :05/03/10 01:38:15 ID:uRJdAEi+
「おやぁ? アンタ、また泊まってくのかい?」
「は、はい・・・すいません」
「あたしゃ構わんさね。 それよりアンタんとこの親御さんにゃ連絡してるのかい?」
「いえ、家は出てるんで・・・」
「そうかい。 ま、あたしゃあの娘がよけりゃそれでいいさ」
「は、はぁ・・・」
 一緒の寝てるなんて言えないよなぁ・・・。
「お兄ちゃん、今日も一緒に寝るアルーっ!」
「わ―――っっ!!」
「・・・・ほう」
「あ、や、その、こ、これには訳がっ!!」
「あ・・・ば、ばばさま居たのか?!」
「居たともさ」
「あ、あう、わ、わたし、ご飯作てくるアル!!」
 わ、ぼ、僕を置いて逃げたっ!!
「一緒に、ねぇ・・・」
「あ、その、なんて言うか・・・」
 や、ヤバくないか、コレ!?
「・・・・・あたしはね、あの娘が望むんなら何だっていいのさ」
「え・・・?」
「あたしはあの娘に何にも出来なかったからね・・・」
「ば、ばあさん・・・?」
「あの娘・・・・何か言ってなかったかい? ・・・・寝言とかで」
 寝言・・・毎晩繰り返される、寝言・・・・。
「言って・・・ました。 中国語で、なんか・・・・」
「・・・・そうかい。 まだ夢に見るのかい、あの娘は」
「あ、あの・・・・何か・・・あったんですか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

825 :中華:第四話 5 :05/03/10 01:39:47 ID:uRJdAEi+
「ご飯出来たよーっっ!!」
 沈黙は藍の声に破られた。
「わ、ら、藍、随分早かったね」
「へへー、今日のめにゅうはコレね!」
「お・・・うどんだね」
「はいな。 下準備軽くしとけばちょちょいのちょいよ」
「それじゃあ、いただきます・・・・・うん、コレも美味いよ」
「へへーん、当然アル! アイジョウたっぷりそそいだアル!」
「あ、あはは、ありがとう」
「・・・ふむ。 あたしの好みを言わせて貰えば、もう少しコシが欲しいところだね」
「ふむふむ、コシが足りないか。 お兄ちゃんもそう思うアルか?」
「ん〜、そうだね。 今のままでも十分美味しいと思うけど、僕もコシの強いのが好みかな」
「分かたアル。 次はもとコシ入れるアル!」
「ん、頑張れ藍」
「はいなっ」
 満面の笑みとガッツポーズ。 うん、やっぱり藍はこういう顔が似合う。
 夢にうなされる藍は・・悲しそうで、辛そうで・・・・。
「(・・・・明るくなったね、この娘も)」
 聞こえるか聞こえないかの、ばあさんのつぶやき・・・やっぱり、この娘は、何かを抱えてるんだ。
「(僕は・・・この娘に何か出来るのか? 僕にその何かを・・・・藍と共有出来るだけの、器があるのか?)」
 無いのかも・・・知れない。
 けれども・・・・・僕は、藍のために、何かをしてやりたかった。

「ご・・・・んだく・・・! まま、ばば・・・・ご・・らう・・・じょい・・!!」
「・・・・よしよし・・・大丈夫、大丈夫だから―――」
 僕には、撫で続けることしか出来ないんだろうか?
 彼女を救ってやることは出来ないんだろうか?
「おにい・・・ちゃん・・・」
 僕は―――――藍を、救いたい。
 この娘の、「お兄ちゃん」として――――。


826 :中華:第四話 6 :05/03/10 01:41:26 ID:uRJdAEi+
「た、大変アルーっ!! 遅れてしまうアルー!!」
 大きな声で目を覚ます。
「ん・・・? 藍・・・・・? どうしたの・・?」
「あ、あう、遅れてしまいそうアル!! お兄ちゃん、いってきます!! アル!!」
「・・・・い、いってらっしゃい」
 言い終わる前に・・というか言ったのも分かんなかっただろうな、藍は出てってしまった。
「・・・・? 何なんだろう・・・?」
 僕は着替えて下に降りた。
「あ、ばあさん・・・おはようございます」
「ん、おはよう」
「あの・・・藍、どこに行ったんですか?」
「あの娘かい? 仕入れさ」
「へぇ・・・今日は藍が行ったんですか?」
「いつもあの娘さ。 今日は寝坊した様だがね」
「寝坊って・・・わ、まだ五時になってない・・。 どうりで薄暗いわけだ・・・・」
「本当はもう少し後でもいいんだがね、アンタに食わせる晩飯の材料も仕入れてくるんだとさ」
「え・・・僕の? わざわざ・・・?」
 ・・・そんなことまで・・・・。
 藍・・・なんで、なんでキミは・・・・。



827 :中華:第四話 7 :05/03/10 01:42:47 ID:uRJdAEi+
「あの・・・どうして藍は・・・・そうまで僕に・・?」
「・・・・アンタを好いてるんだろうさ」
「そ、そういう話じゃないんです!」
「照れ隠しかい?」
「ふざけないで下さい!! あの娘は・・・何か、何かあるんでしょう?! 何かを抱え込んでるんでしょう!?」
「・・・・・アンタ、あの娘のなんなんだい?」
 僕は―――僕は、あの娘の・・。
「僕は、あの娘の、兄です」
 驚くほどに・・・素直にその言葉が言えた。
 まだ、ホンの数日だけれど・・・確かに藍は僕にとって大きな存在になっていた。
 僕の・・・・・妹として。
 大切な片翼として・・・・・。
 忘れえぬ痛みと供に。
「・・・・・・・そうかい。 聞いて・・くれるかい? あの娘の支えになってやってくれるのかい?」
「はい・・・・」
 僕は、今度こそ、苦しみから彼女を解き放ってやりたかった。

 一日が始まる。
 藍と、僕が、本当の兄妹になるために―――。



828 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/10 01:47:22 ID:uRJdAEi+
何をやってもダメなヒトがやってきました。
もうすぐ終わるはずだから・・・・。 四連投・・・。
ゴメンね、こんな中華属性以外のヒトには無用の長物置いて。
神々が降臨される前に終わらせたいんだけど・・・。
紅の蒼龍第四話 >>821-827
萌えないよ、コレ・・・・どうしてくれようか。

829 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/10 07:44:49 ID:BAwcCc/6
こんなに続きが気になるのはこの間の神ラッシュ以来だ!
早く続ききぼん!

830 :すばる ◆9tSxotve.o :05/03/10 15:41:57 ID:BV/8FAR5
>>821-827
乙ですー。
イイっ(・∀・)です!
続きも期待してますよ。

831 :遊星より ◆isG/JvRidQ :05/03/10 22:53:16 ID:y+SAEwN5
>>816-817
エロバージョンに一つ貼ったぞ。
兄の変態度アップだが、よければ見て。

>>821-827
乙ッス!!
毎回素晴らしいですよ、マジで。

832 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/11 07:48:45 ID:x/7uM6Ff
妹「お兄ちゃんキモィ…」


833 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/11 15:32:37 ID:ecBwaEqZ
妹「ちょっとぉ お兄ちゃんのと一緒に洗濯しないでよ」

834 :地獄の死者 :05/03/12 16:20:27 ID:NFWMm24s
妹「一緒に寝よっ」

835 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/13 21:03:33 ID:xJ0cSVLy
ageられてますね・・・まぁいいけど。

なんだか神々らにまで気を使わせてしまったようで・・・僕って奴ぁ、ドコまでも・・・。
そんじゃあいつかの続きでも貼りましょうかね・・・。
出来は結構ひどいですが・・・どうも伝えたいことを重視しすぎてまとまってないんですよね・・。
でも14日に張ることだけは避けたいので・・・。

前言い訳はこんぐらいにして、貼りましょーか。
なうろ−でぃんぐ・・・・。

836 ::僕がお兄ちゃんになってあげるから :05/03/13 21:36:51 ID:xJ0cSVLy
 僕があの子と出会ったとき、彼女は動かなくなった二人の前に呆然と座り込んでいた。
『・・・・逃げないの?』
 僕は聞いた。
『・・・・・・』
 彼女は応えなかった。
『ここにいても・・・殺されるだけだよ。 その人たちも・・・・そんなことは望まないんじゃない・・・かな』
『・・・・・・』
 この二人は、彼女の両親だろうか・・・・。
『僕も・・・お父さんとお母さん、殺されたんだ。 でも、二人は最後まで僕に生きろ、って言ってた。
 だから、キミのお父さんとお母さんも―――』
『思い出せないの』
 言葉が遮られた。
『えっ?』
『多分、この人たちがお父さんとお母さんだと思うの・・・でも、思い出せないの。
 確かにお父さんもお母さんも居たの。 とっても優しかったの。 大好きなおにいちゃんも居たの。
 でも・・・この人たちが・・お父さんとお母さんなのか・・・・・思い出せないの・・・』
 そんな・・・ことって・・・・。
『ねぇ・・・おしえて。 この人たちがお父さんとお母さんなの・・・? 死んじゃったの・・・・?
 ひっく・・・わたしを置いて、死んじゃったの・・・・?』
『・・・・・・』
『うう・・・おにいちゃんも死んじゃったの? わ、わたしのこと、守ってくれるって言ってたのに、死んじゃったの?
 ずっと、ずっと守ってくれるって言ってたのは、ウソだったの・・・?』
 同じ―――この子も、僕と一緒で・・誰も居ない、もう一人きりなんだ。
『お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・助けてぇ・・・こんなの、嫌だよぉ・・・』
 そう思ったら・・・この子を放って置けなくなった。
『・・・泣かないで』
『うう・・・おにいちゃん・・・おにいちゃん・・・・ひっく・・』
『泣かないで・・・僕が・・・・僕が―――』

『僕がお兄ちゃんになってあげるから』


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0ch BBS 2004-10-30