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[第七弾]妹に言われたいセリフ
- 896 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:12:39 ID:HmrjfKeC
- 「嫌だ!!絶対嫌だ!!というか無理だ!!」
「えー?なんで?海には行けたじゃない?」
「レベルが違う!!」
「水族館はそんなにレベルが高いの?」
「高い!高すぎる!!」
「違いが分からないんだけど……」
「海に行く理由はまぁ、如何わしい理由以外にも色々あろう。が、水族館はなぁ……」
家族連れorカップルじゃないか……。どっちも嫌いだし……。
「じゃあ、他にどこか行くところある?」
「……」
「もう一回海に行く?」
「え……」
さすがに……もう……。
「魚見に行くだけだよ?生物の勉強みたいなものでしょ?」
「生物、履修(と)ってないし……」
「私はやってるよ。じゃあ、決まりだね。行こう。生物の勉強に」
「えぇ……」
生物の勉強(魚類限定)……乗れないなぁ……。
あまり良い顔をしていない俺に対して、遥は
「お兄ちゃん」
「ん?」
「私に付き合ってくれるんでしょ?」
「はい……そうでした……」
まさに切り札……というか、拒否しすぎですか、俺……。
「謹んでお供させていただきます……」
「そ、そんな硬くならないでいいから」
「お姫様扱いはご不満か」
「それじゃ面白くないじゃない?いつもみたいなのでいいよ」
「それはそれで……」
というか、意識するとどうにも……。
- 897 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:13:41 ID:HmrjfKeC
- 「まぁまぁ、行ってみたら面白いかもしれないよ?よし、行こう!」
「……」
遥の頼みは……断われませんものねぇ……。
───────────────────────
「でか……」
大きさ。というのは、最も単純であるが、最も説得力のあるパラメータである。
大きくすれば良いというものではないとは重々承知だが、それも突き詰めれば何もいえなくなるわけだ。
「お兄ちゃん……」
「ん……?」
「固まってるよ」
「あ、あぁ……大きいな」
「驚いたでしょ?」
「まぁ……」
自分の気持ちを相手に悟られるのはあまり良い気分ではない。
まぁ、その相手が遥なら慣れるべきだが。
「もう行くいこう?早くしないとイルカショーに間に合わないよ」
「イルカ……」
「どうしたの?」
「アイツら……目が怖い。あれは人を馬鹿にしている目だ」
「動物にまで劣等感を持たなくても……」
やはりというべきか、遥の共感は得られなかったようだ。
呆れる遥。
呆れながらも、しっかり俺の腕を掴んでいるあたり、俺のことを分かってる、と言わざるを得ない。
逃げ場は無いし、もともと選択権が無いのだということをこれで思い出す。
- 898 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/27(金) 23:15:00 ID:HmrjfKeC
- それにしても……何だろう、この腕の感じ……。
「……!?」
三度目の衝撃。
一度目は目で。二度目は顔で。三度目は腕で……遥の柔らかい部分を感じた。
まぁ、意識したのは今回が初だが……。
「は、遥……?」
「何?」
無垢な顔。
……そっち方面の感情を持っているのは俺だけか……。
そうなると余計言えない……。
「行くから……手、離してくれよ……」
「どうしたの?急に……」
言える訳がない。
「イルカも……悪くないかもしれない……」
「そ、そうなの?何だか、微妙な顔してるけど……」
「気にするな……行こう……」
俺、もう人としてダメかも……。
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- 899 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/08/28(土) 23:50:57 ID:M8p5tL6h
- 遊星さん乙です!!!
しかしネガティブ兄は実妹しか女性は無理な身体なんだなw
- 900 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/30(月) 23:26:05 ID:pLgyQjVB
- 「……はぁ……」
夕日を背景に、ため息をつく遥。
ため息は俺の専売特許では……。
「どうした?」
両手に二人分の旅行鞄を持ちながら、そんな遥に尋ねる。
「……あっという間だったな、って……」
本当に寂しそうな面の遥。
「そんなに楽しかったか?」
「うん……でも、仕方ないね」
「まぁな」
正直なところ、そんなことはどうでもよく、はやく両手の重量から開放されたい……。
「帰るぞ」
「うん……」
とは言うものの、やはり口調は重い。
夕陽が、遥の憂いを帯びた表情にさらに影を作る。
しょうがないやつ……。
「あのな、遥……」
「あ、うん。分かってる。分かってるよ、帰ろう」
「いや、そうじゃなくてだな……」
荷物を置く。
「言いたいことがあるなら、はっきり言えば良い……まぁ……」
遥の目を見る。
「今回は何が言いたいかは俺でも分かったけどな」
「……?」
「今から入れる宿探すぞ」
「え……」
「ダメなら潔く帰るからな!!」
「う、うん!!」
痺れる腕を少し振って、再度荷物を手にする俺。
その後を、跳ねるようについてくる遥。
- 901 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2010/08/30(月) 23:27:20 ID:pLgyQjVB
- 「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
「今夜は何食べようか」
「宿が決まったらガイドブック見て決めよう」
「ねぇ、お兄ちゃん?」
「んー?」
「ホテル、空いてるかな?」
「まぁ……贅沢言わなきゃ大丈夫じゃないか。保障は出来んが」
「うん。あるといいね」
「出来れば、シングルを二つとれればいいがな……」
「何で?」
「……」
赤く染まる駅を背に、海に向かって坂を下っていく。
……まぁ、とんでもない安請け合いをしたものだと思いつつも、期待を持ってしまう。
変な気起こさないといいけどなー、俺。
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長きに渡ってお邪魔いたしましたが、今回の話はこれで最後。
随分前に書いたんですが、ずっと貼るタイミングを見失ってまして。
僕も久しぶりに読んだので、自分自身楽しめました。
- 902 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/05(日) 22:22:10 ID:nuT1ZaJV
- 遊星殿、毎度GJです!
細かいことを気にせず投下して頂ければ幸いです
待ち望んでますゆえ
- 903 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/12(日) 17:03:26 ID:RGt/VvqP
- 規制解除来たー
遊星さんGJ!
- 904 :名無しくん、、、好きです。。。 :2010/09/13(月) 00:45:24 ID:QnwIb5ZU
- ほ
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0ch BBS 2004-10-30