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[第七弾]妹に言われたいセリフ

170 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/08/14(火) 23:27:04 ID:6y8BsDwk
「ごちそうさま。美味かったよ、遥」
「お粗末様。ありがとう、お兄ちゃん」
カチャカチャと食器を片付け始める遥。
「あ、俺も手伝う」
「え?どうしたの?」
「……体、動かしていたい……」
「あぁ……それなら、手伝ってもらいましょうか」
「助かる……」
ため息をつきながら、スポンジを握る。
「ねぇ、お兄ちゃん?」
「ん?」
「この際だから、聞いてもいい?」
「あぁ、何を?」
「あきらさんとはどういう関係なの?」
嫌なことを聞く……。
まぁ、遥になら言ってもいいか。
「……どういう関係っていったって……」
「じゃあ、どうして知り合ったの?」
「……確か、小学一年だか二年だかのときに一ヶ月間だけ俺の学校に転校してきたんだ。で、知り合った」
「で、そのころは?」
「……質問攻めだな。別に特別な関係じゃないと思う。ま、記憶違いしてたくらいだし」
「ふぅん……お兄ちゃんは、昔は今みたいなのじゃなかったんだっけ?」
「……忘れた。でも、嫌だろ、こんな小学生……」
「今でも嫌だけど……」
……突き刺すような言葉。
妹の本音を聞けて嬉しい……ワケは当然無く、心が無惨に凹む凹む……。

171 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/08/14(火) 23:27:35 ID:6y8BsDwk
「……絶望した……」
「わわっ!!冗談だよ、冗談!!」
「……ホントにか?」
「ホントだよ!!リアクションが暗いから、こっちが焦っちゃうよ、もう……」
「スマン……」
「謝ることじゃないけど」
食器を濯ぎながら、遥は呆れたようにため息を吐いた。
「変わっちゃうんだよね。人間も。人と人の関係も」
「……俺みたいな理系にはアレルギー出そうな話だな……」
「ゴメン。変な事聞いたね」
「あぁ。ま、俺に言わせればだな……変わるのは当然。大切なのは変わった中でどうするか、だろ」
「ふむふむ……で、すっかり変わっちゃったお兄ちゃんは、あきらさんとはどうするつもり?」
変な話題になってきた……。
だが、聞かれたからには答えねばならない。
満を辞して俺の口から出た言葉は、
「このまま自然消滅を狙う……」
「却下。それじゃ、あきらさんが可愛そうだよ」
「厳しいな……」
半ばマジだったのだが、即座に却下され少し不満が漏れる。
「甘やかすばっかりが妹の役目じゃないんだよ?」
胸を張って答える遥。
……甘やかすのも妹の役目じゃないと思うが。
「……じゃ、どうすればいいんだ……」
「普通で良いんじゃない?話しかけられたら話す。メールしてきたらメールする。受身は得意でしょ?」
「……今日はちょくちょく毒を吐くな……」
「べっつにー。とにかく、逃げるのだけはダメだからね!」
「やけに今野の肩を持つんだな」
「そうかな?……でも、やっぱり女の子のことは女の子が詳しいでしょ?私には分かるんだよ」
得意顔の遥。俺にはさっぱり意味が分からず、

172 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/08/14(火) 23:28:09 ID:6y8BsDwk
「うん。で?」
「それだけ」
「答えになってないぞ」
「そうでもないよー」
「そうでもないのか……?」
「うん、そうでもないの」
……いつまで続くんだ。
「まぁ、要するに……近野とは普通に接すれば良いんだな」
「うん。頑張ってね」
「……頑張るよ」
頑張る自信が無い。
……まぁ、やるだけやってみるしか……ないよなぁ……。
───────────────────────
「おはよう、お兄ちゃん……眠そうだね?」
翌朝、いつもどおり爽やかな笑顔の遥が、いつも以上に顔色の悪い俺の顔を覗き込む。
「……寝てないからな」
「何で?」
「……嫌な夢……見そうだったから……」
「あ、そう……じゃあ、その様子だとメールとかはなかったんだ?」
「……ん」
無言でケータイを差し出す。
「えと……『今日は会えて嬉しかったよ』……普通だけど?」
声に出して読む遥。
思い出したくないからできれば控えて欲しいが……俺だって大人の事情は分かっているつもりだ。
「下」
「『お話したいことがいっぱ〜いあるから、
  今度ゆっくりお話しようね。
  明後日は撮影無いから、その日はどうかな?』……あぁ、なるほどね」
納得した顔で、ケータイを閉じる遥。
「行かなきゃダメか……?」

173 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/08/14(火) 23:28:40 ID:6y8BsDwk
「うん。逃げるのは卑怯だよ、卑怯」
卑怯……。
それは……嫌だな。
「遥……」
すがるような気持ちで遥の名前を呼ぶ。
「遥はついていかないよ」
即答。
やはり遥にはお見通しと言うわけか……。
「……酷い……」
「あのねぇ……幼馴染と会うのに妹を連れて行くなんて前代未聞だよ?」
「やっぱダメか……」
「少しでもついていくなんて思わないでよ、そんなこと……」
遥はすっかり呆れている。
「なぁ……週刊誌の記者とかいるのかな……?」
「さぁ?でも、多分いないんじゃない?」
「近野に変なイメージつかないかな……」
「大丈夫だよ。ホント心配性……何だかんだで心配なんだ?」
「……俺と偶然出合ったことで、近野の人生が狂ったらって考えたら心配もするさ……」
「私は……私の人生は狂ったとは思ってないけどな」
「そりゃ生まれたときから俺がいたから。だから、遥の人生は生まれつき狂ってんだよ」
「……ネガティブだね」
なにやらガッカリした様子の遥。
……ここでその顔は違わないか?
「これも生まれつきだ。遥には申し訳ないな」
「難しいなぁ……」
「何が?」
「別に。で、それには返事したの?」
「まだ……」
「じゃ、早くしなきゃ」
遥に急かされるようにメールの返事を打ち込む俺。
……遥も常に味方ではないのだな……
───────────────────────

174 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/08/14(火) 23:31:19 ID:6y8BsDwk
大分終わりも見えてきました。
この兄妹面白いんで、ぜひ続編も作りたいなと……。

>二姉持ちの弟様
20分で書けるって早くないですか?僕ならもっとかかると思いますが……。
まぁ、とにかく、新作のほうも期待しております。

>>169
ライダーネタを分かってくれる人がいて非常に嬉しいです。
これからも無理矢理ネタ混ぜていくんでよろしくお願いしますw

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0ch BBS 2004-10-30