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[第七弾]妹に言われたいセリフ

16 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:19:01 ID:4CAJBsh4
「四羽先輩はゆなの味方ですよね!?」
「え?それはその……えぇと?」

 ◇ ◆ ◇

「「ごめんなさい」」
「…………」
「わかればいいんだ。わかれば」
「だ、ダメだよ。康くんも謝らなきゃ」
「そうだぞこのバカ」
そう言って康先輩が美佐子さんに叩かれる。
「いてぇ。すいません」
「分かればよろしい」
結局、あの後騒ぎを聞き駆けつけた康先輩が騒動を納め……たりはせず、二人を更に炊き付けた。
そして康先輩を四羽先輩が注意。ゆなと紫乃先輩の言い合いは加熱。
康先輩に白黒付けて貰おうとした所で喫茶店の主、美佐子さんが来て「給料無くされたい?」という笑顔の一言で鎮圧。
その後、店のボックスのひとつに座らされ今に至る。
「今日はなんでこんな騒ぎになったんだ?」
「ゆなに……アドバイス………恋の」
「! そういう事なら年上のお姉さんにまっかせなさい!」
水を得た魚のように美佐子さんが目を輝かせてゆなを見てくる。
「え?いや、その、ゆなはべつに自分で何とかしますから……」
「だよなー。この年で結婚してないやつに任せられる訳ないよな」
「そういう訳じゃなくて……」
「康、お前夕飯抜きな」
「なっ!マジか!?」
「マジ」
「……………orz」
なんでこの人たちと話すとこうも話がそれるんでしょう……。
「そういえば紫乃ちゃん、私に用があるって言ってたよね?」
「………(コク)」

17 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:19:32 ID:4CAJBsh4
紫乃先輩は頷いてから四羽先輩に耳打ちする。
「……………」
「うんうん」
「……………………、…………」
「え?そ、そうかなぁ」
「………。……?」
「え、えぇ!?私が!?む、むむむ無理だよっ!」
しばらく紫乃先輩が四羽先輩に何か話したら、四羽先輩が康先輩を見て赤面した。
「……星くんはいちころだった……」
星くんって誰でしょう?
「星?あーあの見込みある少年か。あの少年がいちころ?まさか。飛び道具でも使ったのか?」
「アレの何処が見込みあるんだ。ただのチキンだろ」
「星くん…バカにしちゃダメ……」
「そうだよ康くん」
「あーはいはい悪うござんした。で、あいつがどうしたって?」
ゆな以外は皆知ってる……何か疎外感……。
「あ、あのー……その人、誰ですか?」
「星くんは…………………………星くん」
「はぁ……星くん、ですか……」
紫乃先輩の説明じゃさっぱり分からない……。
「紫乃ちゃん、それじゃ分からないよ。あのね、静原星一さんっていってちょっとした事で知り合った紫乃ちゃんの親友のお兄さんなの」
「はぁ……その、星一さん?がどうかしたんですか?」
「紫乃ちゃんが昔ふざけておに……あぅ……」
またもや四羽先輩が赤面した。なんなんでしょう……。
「四羽……ごー」
「し、紫乃ちゃん…ホントにやらなきゃ、ダメ?」
「……(コクコク)」
なんなんでしょう?話がさっぱりわかりません。
「あ、あのね、康くん」
「なんだ?」
「あ、あの……そのー…………やっぱり無理だよぉ〜」

18 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:20:03 ID:4CAJBsh4
真っ赤な顔に涙を溜めて抗議する四羽先輩(何をするのか分からないけど)。
「なんだったんだ?」
「さぁ?なんだったんでしょう」
「やめてもいいよね?私頑張ったよね?」
「……………………………………………………………………………………………」
「う〜……わかったよわかりましたー。やればいいんでしょー……紫乃ちゃんのばかぁ……」
「四羽は……………出来る娘」
「う、うん……あ、あのね康くん」
真っ赤な顔を俯かせてもじもじと喋る四羽先輩。こ、これは……もしかして告白?
「なんだ」
「その、怒らないでね……?」
「くはー!ここで上目遣いっすかー!さすが四羽先輩!レベル高っ!」
「ゆな……あんた一体どういう育ちしてんだ……」
「…………うるさい」
ついテンションが上がってしまって紫乃先輩に怒られた。
「「すいません」」
「って何故か勢いで私まで謝ってしまったじゃないか!」
「………みーさん」
「はい。すいません」
美佐子さんをこうも簡単に謝らせるとは……紫乃先輩、さすがというかなんというか……。
そんな事をしていた時、四羽先輩が突然康先輩の腕に抱きつく。
「な、なんだっ!?なにする気だ!?」
途端に真っ赤に赤面する康先輩。既に赤かった顔をもっと真っ赤にしつつ上目遣いを意地する四羽先輩。
「お、お、お兄……ちゃん」
「…………は?」
「大す……す……やっぱりダメ…はぅ……」
体から力が抜け四羽先輩が椅子にへたれ込む。
「ちょっ!どうした!?」
慌てて康先輩が四羽先輩を抱きかかえる。
「紫乃ちゃん……私、頑張ったよね……?頑張ったから……もう、ゴールしても、いいよね?」
「……あかん……ダメや四羽……来たらあかん」

19 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:20:35 ID:4CAJBsh4
「紫乃先輩がエセ関西弁をっ!?」
そのまま四羽先輩の首が力なくカクっと倒れる。
「おい!四羽!?」
「………すー……すー」
そして、後には穏やかな寝息だけが残った。
「……寝た」
「ああ、寝たな」
「寝ましたね」
「みたいだな。……なんだったんだ?」
「ゆなの恋へのアドバイス……ですか?」
「……ダメ」
「はい?」
「……これじゃ…ダメ」
目に、紫乃先輩の目に何かが宿る。
紫乃先輩がゆっくりと四羽先輩に近付いて行く。
「ど、どうしたんだ紫乃?」
「………邪魔……持ってて」
そして四羽先輩を抱きかかえ美佐子さんへ渡す。
「あ、ああ……それはいいが、紫乃はどうするんだ?」
「私が……やる……」
そう言って康先輩の対面に立つ紫乃先輩。
「康くん」
「な、なんでしょう!?」
何故か敬語で返す康先輩。
「年下……好き?」
「え……?別に子供は嫌いじゃないけど」
「そう……」
紫乃先輩が突然康先輩に抱きつく。
「なっ!今度はなんだ!?」
紫乃先輩が熱の篭った視線で康先輩を見つめる。
「あのね……大好きだよ?お兄ちゃん♥」

20 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:21:06 ID:4CAJBsh4
「っ!」
紫乃先輩の大好き発言に湯気が出そうな程顔を赤くする康先輩。
……お兄ちゃん?あの変質者として職員室に連れていかれた人?
「な、何言ってんの、お前」
平静を装おうとしてるけど全然動揺を隠せてない康先輩。
「お兄ちゃんは…私のこと…きらい……?」
瞳を潤ませて不安そうな顔で尋ねる紫乃先輩。
「ああ……いや……嫌い、ではない……けど」
「…………こんな感じ」
安先輩からぱっと離れて服を払う紫乃先輩。
それを見て呆然とするゆなたち。
な、なにが『こんな感じ』なんでしょう……。
「…………?」
不思議そうな顔されても……。
「……?……?」
「いや、『?』じゃなくて。紫乃、あんたは何がしたかったんだ?」
四羽先輩を抱きかかえて呆然としていた美佐子さんが皆が気になっていた事を聞いてくれる。
「……………アドバイス?」
「あ、あのー……今のどこがアドバイスだったんでしょう?」
「…………はぁ」
何故か呆れられた!
紫乃先輩が未だにぼうっとしてる康先輩を見向きもせずに美佐子さんの元へ寄り、四羽先輩の頬をぎゅーっと抓る。
「……んん……い、いた……すー」
「……………起きて」
ぎゅう。
四羽先輩の頬がうにゅーっと伸びる。
「い、いふぁい!いふぁいっ!いふぁいよひのひゃん!」
四羽先輩の頬からぱっと手が離れる。
「……おはよ」
「お、おはよ……紫乃ちゃん……あぅぅ…痛い………」
涙を滲ませながら頬を擦る四羽先輩。

21 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:21:40 ID:4CAJBsh4
「…………」
自分で抓ったくせに無言で四羽先輩の頬をさする紫乃先輩。
この先輩は本当に何がしたいんだろう。
「うぅー。紫乃ちゃんが抓ったんでしょー……用があってもこういう起こし方はやめて……なんなの〜?」
紫乃先輩が四羽先輩に耳打ちする。
「………、……………………………………。………………?」
「あ、そっか。それで私……あぅぅ……」
「……。…………、……………………!」
紫乃先輩ってなんで四羽先輩にはあんなに話すんでしょう。
「康先輩」
「…………」
この人、まだ呆然としてたんですね。
「康先輩!」
「はっ!?な、なんだ?」
「紫乃先輩ってなんで四羽先輩相手だとあんなによく話すんですか?」
「あ、それは私も気になるな。なんでだ?」
このことは美佐子さんも気になってたのか話に参加してくる。……仕事はいいんでしょうか。
「いや、俺に聞くなよ……。大体、聞き耳を立ててみろ。紫乃の声が聞こえるか?」
そういえばいくら小声で話しているとはいえ、今まで一度も声が聞こえた事がないような。
「……全く聞こえないです」
「……聞こえないな」
「だろ?なんか紫乃が話してるというより四羽が紫乃の思考を読んでるっぽいぞ」
「まさか……いくらなんでも……」
「えぇーーーっ!?紫乃ちゃんそんな事したの!?康くんに!?」
四羽先輩の驚きの声で話が途切れる。
「………」
「で、でも……」
「…?…………、…………」
「うーん……本当に?そういう事なら……」
「……………………」
「うん……わかった……約束だよ?」

22 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:22:24 ID:4CAJBsh4
「……(コクコク)」
「嘘ついたらやだよ?」
「……(コクコク)」
この二人、一体どんな会話をしてるんでしょう……。
「あのね、ちょっと聞いてくれる?紫乃ちゃんの話なんだけど……私じゃなくて紫乃ちゃんの考えだよ?」
「はい。なんです?」
「『お兄ちゃん』っていう言葉には魔力をあって、この世の半分くらいの人はこれでいちころ。それで、草薙くんも間違いなくその半分の中に入るタイプだから、抱きついてお兄ちゃーんとか言って適当に甘えれば簡単に落とせる……って」
「……………康くんも」
「お、俺は関係ないだろ!?」
「そんな……だから昔あんなに優しかったのに今は……康くんのばか」
「四羽も信じるなよ!」
「康、お前そんな趣味あったのか……」
「ねーよ!!」
「でも紫乃ちゃんに言われて喜んでたって」
「喜んでねーよ!」
「………喜んでた」
「あ、あれは紫乃がよく喋るのが意外だっただけだよ!……多分」
「え?紫乃ちゃんはいつもよく喋ってるよ。ね?」
「……(コクコク)」
「あー…なんかもうどうでもいいや……」
「え……嘘だよ?冗談だからね?私は康くんの事信じてるよ?」
「ああそう。で、ゆなはどうすんの?」
「そうですねー……」
「信じてる?ねえ康くん。さっきのは冗談だよ。だから怒らないで。ね?」
「あ、あの〜、一応今ゆなが話そうとしてるんですけど……」
「………、………」
「あぅぅ……康くんそんなぁ〜……お願いだから捨てないで〜」
「だーっ!大丈夫だって!捨てないから少し黙ってろ!紫乃は四羽に変な事吹き込むな!」
「はぁ〜い」
「……ちっ」
「おまっ!紫乃、今舌打ちしただろ!?したよな!?喧嘩売ってんのか!?」

23 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/04/18(水) 21:24:52 ID:4CAJBsh4
「………………はぁ」
「よしその喧嘩買った!」
「うるさいですよ康先輩!今日の主役はゆななんだから少し引っ込んでください!これじゃ誰の話か分からないじゃないですか!」
「…………?」
「紫乃先輩もこれ見よがしに『え?主役って私じゃないの?』みたいな顔しないでください!」
あ、でも、なんか…紫乃先輩喋ってない割に出番多いような……。
「あー、ちょっといいかな」
「何です?いくら美佐子さんでもこれっばかりは譲れないですよ?」
「それは別にいいけど。ここ、私の店。今、営業中。オッケー?」
「あ……あははははは。静かに、ですよね?」
「分かればよろしい。でも康は減給な」
「なんで俺だけ!?大体今客いないだろ!」
「お?給料欲しくないのか?」
「ぐっ……」
「で、結局ゆなはどうすんの?やるの?やらないの?」
「……なんかいまいち信用出来るような出来ないような……そんな話現実で通用するんでしょうか」
「『現実で』ってなんだ?」
「康先輩、それは聞かないお約束です」
「…………実証済み」
「う……確かに……あ、でもでも、先輩は妹さんいるから効かないんじゃないですか?」
「………星くん」
「『星一さんにも夢亜さんという妹がいるけど効果は抜群でしたよ』と言ってます」
「そうなんですか……じゃ、じゃあ、ゆなも試しにやってみようかな……」
「『星くん』だけでなんでそこまで紫乃が言いたい事を理解できるのかはつっこまないんだな」
「容量の都合上です。それくらい察してください」
「容量の都合ってなんだ?」
「そんなの決まってるじゃないですか……って、あれ?なんでしょう……」

 ◇ ◆ ◇
一気に大量投下したのはいいけど、ほとんどの描写をカットしてとことんギャルゲーぽく仕上げようとしたら
誰が喋ってるのか分からないぐちゃぐちゃ仕様になってしまいました……orz

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