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[試作]姉に言われたいセリフ

544 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:49:04 ID:qGAQnzIO
ベンチに座ると、右隣に女の子が座っていた。
少し年上か同い年くらいかな。
色白の肌。微笑みの形の唇。チェック柄でぶかぶかのコート。
右側には桜色のハンドバッグ。
ロングスカートは、似合っているように見える。
肩までの長い黒髪を微風に押さえながら、
晴れやかな空を見上げていた。
風が止んだ後で両手を上に伸ばして深呼吸し、
それからバッグの中身を取り出した。
同じ銘柄のココアだった。飲みながら目が合う。
「こんにちは〜。」
「こ、こんにちは。」
固唾を飲み込む。
「いい天気ですね〜。お散歩日和の。」
「ええ。そうですね。」
散歩じゃねーよと思ったけど、僕も微笑みを返した。

545 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:50:03 ID:qGAQnzIO
「あの、この辺りの方ですか?」
「え?いいえ。違いますけど。」
「あら、そうですか〜。」
眉をひそめたその表情は、見過ごせない。
「何か手伝えることはありますか?」
「ちょっとわたし、方向音痴で道に迷ってしまって、」
「それで、どこに行くんですか?」
「この辺りの方を探していたんですぅ。」
「分かる所まで案内しましょう。」
「ありがとうございます。でもでも折角ですけども、
一休みしてからでもよろしいでしょうか?」
いいですよと返事するそばから、バッグを開け紙袋を取り出した。
肉まんだった。
コートかた指先を出しながらそれを両手で持ち、
小さな口ではむはむと食べはじめた。
僕はピザまんを出して食べはじめた。

546 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:51:01 ID:qGAQnzIO
先に食べ終えココアも飲み終わってゴミを捨てると、
上目遣いでこっちを見ていた。まだ食べ終わってない。
「…食べますか?」
残り半分をこっちに差し出していた。
「いいんですか?」
「はい〜。わたし、食が細いですし。
それに捨てちゃったら勿体無いですし。」
「…じゃ、遠慮なく。」

547 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:52:02 ID:qGAQnzIO
食後の一休みのために、桜をしばらく眺めて、
それから僕たちは公園を後にした。
可愛い感じのする女の子と二人っきりで歩くのだから、
できればわざと遠回りしたい。
「それで、どこに行くんですか?」
「これ、なんですけど〜。」
女の子が左手で取り出したメモ用紙を見て、僕は驚いた。
浜野寮だった。たぶん、一緒に住むことになるだろう。
「荷物はもう寮に送ってあるんです。でもでも、
住ませてもらうわたしがまだなんです〜。」
「あ、これ、書いてある地図の縮尺が変ですね。」
わざとそう言って、ホコリまみれの記憶を頼りに、
市内を案内してまわった。別の公園まで歩いたり、
並木通りを歩いたりもした。
草木を眺める目つきが優しかったのが印象に残った。

548 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:53:02 ID:qGAQnzIO
そして喫茶店で一休みすることに。
唯さんが両手で髪をかきあげた。
黒髪から、サラサラという音が聞こえるような気がした。
「そういえば、まだ名前を訊いてなかったですね。
僕は、小浜祐(こはま ゆう)です。」
「…!……ゆうくん?」
唯さんの手が一瞬止まる。
「ええ、悠です。」
「……わたしの名前は、唯(ゆい)。唯一の唯の字を書くの。」

549 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:54:05 ID:qGAQnzIO
そこへウェイターが入ってきた。
「おそれいります、ご注文は?」
「注文、唯さんは、何にしますか?おごりますよ。」
「え?あ、じゃぁ、ホットココアを〜。」
「それと、モカジャバを。」
ウェイターが去った後で、唯さんが訊いていた。
「おごってもらっちゃっても、ほんとに、いいの?」
「ええ。さっきの肉まんのお返しに。」
「ありがとう。それと、唯。わたしを呼ぶときは、唯でいいよ。」
「いや、しかし年上相手に呼び捨てだなんて、」
唯さんの方が、学年が上に思えていたから言った。
「でも、そうじゃないかもしれないじゃない。」
「それは、」
どうしてですかと訊きかけたところで、
注文したものが運ばれてきた。
ホットココアをはふはふと冷ましながら飲む仕草からは、
年下なんじゃないかとも思えた。

550 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:55:00 ID:qGAQnzIO
僕は喫茶店で改めて、メモ用紙を見て場所を確認した。
浜野寮だよな。間違いなく。
会計を済ませた後、唯さんを連れて、
地図を思い出しながら浜野寮へと案内した。
到着した時の寮を見上げる唯さんの表情は、
色白の肌を上気させていて、心底安心した様子だった。
インターホンを鳴らすと、伯母さんが出てきた。
「伯母さん、お久しぶりです。」
「久しぶりねー。」
見ると伯母さんは、僕じゃなく、唯さんの方に駆け寄っていた。
どうして?知り合いだったの?

551 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:56:01 ID:qGAQnzIO
「唯ちゃん、元気だった?具合は?って、ちょっと!
祐君、唯ちゃんに何したの!?」
「え?なにって」
「熱あるじゃない!」
「だいじょうぶ。立てる。歩けるから。
……それより、ゆうくんを責めないで。
市内を案内してくれてただけなんだもの。」
「顔色悪いのに!」
「ゆうくんは悪くない!!悪くないわ。」
「…ごめんなさい、唯ちゃん。こんな大声出しちゃって。
祐君、103室の布団をすぐに敷いてあげて。」
「え?は、はい。」
「すぐにっ!」

552 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:57:00 ID:qGAQnzIO
今、唯さんは眠っている。
伯母さん(母の姉)から聞かされた話によると、こうだった。
唯さんは、僕の2つ年上の姉さんだ、と。
病気療養のために2年間休学していて、
この春から高校に復帰するということ。
最後に伯母さんは、僕の母の説明不足を詫びた。
「唯ちゃんの気丈なところは、相変わらずだったわね。
祐君、今日は言いすぎたかしら。ごめんね。」

夕食時、唯さんは出された分を全て食べた。
伯母さんが少なく盛り付けたからだった。

553 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:58:00 ID:qGAQnzIO
夕食後、僕は203室で自分の荷物を整理し始めた。
ちょうど、唯さんの真上の部屋だ。
段ボール箱のうちのひとつを開けると、
入れた覚えの無い物が目に飛び込んできた。
白いハンカチ?レースがついている。両手で広げてみた。
パンツだった。
他の下着類も入っていたが、どれも白ばかりだった。
「ゆうくん、ちょっといいかな〜?」
良くないタイミングなのに唯さんが入ってきた。
その色白の肌が、一瞬さらに白くなる。
口が開かれ息を飲むのが見てとれた。
僕はパンツを、慌てて箱の中にしまう。
箱を閉めるのと、唯さんが口を閉じるのとは、ほぼ同時だった。
色白の肌を赤くして、唯さんは言った。
「興味のある年頃なのはわかるけど、わたしのは見ないでね。」

554 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 19:59:02 ID:qGAQnzIO
「ごめん……なさい。」
「謝らなくてもいいよ。元はといえば、引越し屋さんが
間違えたのが悪かったの〜。ほら、名前が似てるから。」
段ボール箱の外側の名前の欄には、たしかに
「コハマユウ様」と書いてあった。
「ユウ」が女と間違える名前だったことも、まずかったのかも。
僕は唯さんと、お互いの箱を交換して中身を確認した。
「眠そうな顔してますね。」
「そうね〜。いつもは9時に寝てるから〜。」
時計を見ると、21:14と表示されていた。
「と〜こ〜ろ〜どぇ、」
「唯さん?」
目がトロンとしている。
「唯のこと、敬語で呼ぶのって、ないんじゃないかな〜。」
「いや、だってその、」
「明日までに呼び方直さないぃと眠れない〜。
あぁん、ゆうくんが寝かせてくれな〜い〜。」
「そんな、唯さん、」

555 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/04/27(金) 20:00:00 ID:qGAQnzIO
「ゆうくんがちゃんと“ゆい”って呼べなかった
舌ったらずな頃は、もう可愛かったんだからぁ〜。
あの頃みたく呼んで。」
なにかこう、こそばゆい記憶がよみがえってきた。
「唯、姉さん。」
「姉さん、じゃないでしょぅ!」
あー、なんか恥ずかしくなってきた。
「ゆいねえちゃん。」
「もう一声っ。」
「………ゆぃねぇ。」
「もう一度言って!」
「ゆぃねぇ。」
唯さんはため息をひとつ、ついた。
「それでいいのよっ♥♥
今度からは学校でもどこでも唯のことをそう呼んで。」
「学校でもですかっ!?」
「だから、敬語じゃだめって〜。」

――糸冬――

556 :乙です :2007/04/29(日) 02:01:26 ID:sfR5Sb+y
読みました。
まずお題を形にできるって
すごいと思います。
thx。

(感想)
姉弟だと判明する箇所に
もっとウエイトを置くと
より良かったかと。
個人的にはその箇所を
見逃してしまいますた。
全体的に
読みやすかったです。

557 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/02(水) 00:04:14 ID:u/KFQBIL
>>543-555
乙!遂に姉スレにも職人が!

感想は>>556さんと同じかな?
姉弟の絡みはもう少ししつこくても良かったな・程度で。
でも、おいしく頂きました。

558 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/08(火) 02:48:23 ID:OT8X4xcB
うーむ、不評でしたかい。
姉&弟のカラミについて、やはり描写不足の感はいなめない。
拙速な描写だったかとは思う……。反省してまつ。

559 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/09(水) 03:17:23 ID:wKAXOn7t
>>539さんのレスから
3日でこんなに書き上げる事ができるなんてすごい…!
下着マニアじゃないけどゆぃねぇのパンツなら1枚ほしい…w

某173さんのオリジナル創作の投下も待ってますー

560 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/14(月) 20:04:44 ID:f+pLVw3n
では今度は、
祐が唯のことを姉だと自覚していく箇所にポイントを置いての続編でFA?

561 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/15(火) 22:22:01 ID:s0k7P55l
FA!

562 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/16(水) 02:06:46 ID:0yyk7u7v
「FA」ってファイナルアンサーの略でしたか…、
各所でたまに見かけるけど今調べてみて初めて分かりましたw

FA!
楽しみにしております!

563 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/18(金) 03:02:22 ID:1tQIJjUM
>>548
>「ええ、悠です。」
と書いてあるのは正しくは、
>「ええ、祐です。」
と訂正。スマソ。
それと>>216-222の続編が読みたい人は挙手を。
居ないなら、唯&祐のシナリオに注力するということで。

>>539>>541

貴方が書いたものを、できたなら読ませていただきたい。

564 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/19(土) 08:07:41 ID:Od5uVtTP
>>563
じゃあ今度はメイドさんで
おながいしますw

ちなみに>>539です。
ちょい時間をください
orz


565 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/20(日) 22:33:21 ID:akLZumD4
血の繋がらない美人で面倒見のいいお姉さんが欲しいんです><

566 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/22(火) 21:29:47 ID:AfkgG609
>>564

病弱だったゆぃねぇが冥土もといメイドさんを!?
それとも、完全な新作で?
ゆぃねぇの場合、どうにもドジっ娘になりそうなヤカン。

567 :566 :2007/05/23(水) 15:55:27 ID:IwE4z2RK
新作きぼんぬ
姉は何人いてもおk

たくさんの夢を
見せてくだしあ。。

568 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/23(水) 15:57:52 ID:IwE4z2RK
>>564 orz

569 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/24(木) 01:22:42 ID:d0Yjr/ba
>>567

メイドな姉ってーと、
どうしても紗和々(@『怪物皇女』)を連想してしまいそうなヤカン。
・・・‥‥…そこを敢えて貧乳で描写することをここに宣言いたす。
姉,貧乳,メイド・・・・難題っぽい。
それと、暇があれば、ゆぃねぇシリーズも。
暇さえ在れば。

570 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/24(木) 02:25:43 ID:6BKV4Dke
>>564さん
楽しみにしておりますー

>>某173さん
メイドな姉、良いですね!
ゆぃねぇシリーズも待ってますー

571 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/24(木) 13:10:08 ID:f9EVOQOS
>>某173さん
度ツボktkr
期待してます

572 :遊星より愛を込めて ◆isG/JvRidQ :2007/05/24(木) 19:53:35 ID:iOZh4bEz
電王の愛理さんみたいな姉さんとか、いいかも……

573 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/27(日) 03:30:41 ID:qgZDLJiL
弟はわ、わたしが守んなきゃ。
お、お姉ちゃんだもん。


とか小動物系姉に言われたい

574 :すばる ◆9l4B6y7T.Q :2007/05/29(火) 03:06:42 ID:k8l7jFtz
>>遊星さん
そう言われると早く投下しなければいけない気がしてきますねw
実際は一回くらいなら投下出来るんですが……ちょっと気に入らない部分がありまして。
もうちょいお待ちくださいませ。

>>92
つ【http://game12.2ch.net/test/read.cgi/gal/1106310589/522
自分、不器用ですから。
冗談はおいて。
結構前に投下しようと思ってたんでネタはあるんですが、最近自分のサイトが放置気味なのをなんとかしたいんで姉スレの投下は微妙な所です。

575 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/05/29(火) 03:07:24 ID:k8l7jFtz
誤爆orz

576 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 18:59:57 ID:Vs8D7ba1
お待たせいたしました。
まもなく、SS開幕です。

577 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:00:51 ID:Vs8D7ba1
『カオル姉さんと僕』

「むー、困ったゾ。カイ、ちょっと地図見せて。」
助手席で僕が広げた地図を姉さんが覗き込む。
やわらかな髪の匂いが、すぐそばで弾んだ。
「だいたいここが、」
地図と辺りとを見比べる。
「どこなんだっけ?」
姉さんの整った形のいい眉が、ちょっとゆがむ。
そのまま胸の前で腕組みし、脚を組んだ。
パンツルックで、スレンダーな体型にピッタリとしている。
目印になりそうなものは、
さっき見たモニュメントっぽいもの以外に何も無い。
路肩に車を停めて10分も経つのに、他の車は通らない。
住宅地からはずっと離れた所で、
地図に目をやると、この先は山道がずっと続く。
しかも依頼人からファックスで送られてきた地図は、
ちょっと下手だった。
今度の屋敷は、どこなんだろ?

578 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:01:45 ID:Vs8D7ba1
僕は生まれた頃からずっと姉さんと一緒だった。
幼いころに死んだ両親の記憶はあまり無く、
いつもどこかの屋敷で姉さんと一緒に仕事してきた。
屋敷から屋敷へ。旅から旅へ。
つい先月、姉さんはその家の電子レンジを壊して、
それでもうダメになってしまったところだ。
今度の屋敷は、どんなところなんだろ?
タンブラーに入った紅茶を一口飲んだ。
姉さんが淹れた紅茶は、いつも通りうまい。
「地図見るときは、まず北を、北…北…北…」
「北そっち。」
「あっ!」
そんな驚かなくても。
あーあ、これでどうして車の免許が取れたのか、わかんね。
カオル姉さんは、何かと“ものの形”には苦手だから。
ちなみに、この車にカーナビなんて物は載せていない。
「おっかしーわねー、地図だとこの辺りなんだけど。」
言いながらタンブラーに手を伸ばす。

579 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:02:30 ID:Vs8D7ba1
「本当だよな。この地図の書き方が間違ってたりして。
姉さんみたいに。」
げふげふんっ。
「紅茶、吹きそうになったじゃないのよっ!!」
「車内でそんな大声を出さなくても良いではありませんか。」
窓の外から人が話しかけてきた。姉さんと同い年くらいの女性だ。
いや、もう少し年上か?上品そうな黒髪をしている。
それにエプロンは無いけど、メイド服を着てる。
姉さんは振り上げた手を引っ込めた。
「しっ、失礼しました。
あーところで、宮間(みやま)さんのお屋敷というのは
ご存知ですか?」
「こちらです。」
「は?」
「この山、当家、宮間家の敷地となっております。
わたくし、こちらでメイドをさせていただいている、
河野イオリと申します。
お待ちしていましたよ。
新しいメイドの川上カオルさんと、弟で執事のカイさん。」
イオリさんはウインクをした。絵になる仕草で。

580 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:04:58 ID:Vs8D7ba1
30分後、屋敷に着いた僕達は、
イオリさんに案内されながら説明を受けていた。
この宮間家は代々、工業デザイン等で財を成してきた後、
2代前の代表が自然保護を目的に山ごと土地を買って、
今に至るそうだ。
来る途中にあったモニュメントは、先代が作った門だった。
あれは、門には見えないよ。
「前衛的ですね。」とは言っておいたけど、
褒め言葉としてとってもらえたかな。
屋敷内は絵や彫刻もあったが、何か古い機械類も多い。
僕の目の前には旧式のオーブントースターが有る。
「なーに楽しそうに見てるのよ?」
支給された執事服に着替えてから厨房で待っていると、
姉さんが声をかけてきた。メイド服に着替えて。
この家のメイド服は、青紫色がメインのものだ。
スカートの裾は床から25センチくらいの長さ。
少し膨らみがあって、きれいなシルエットだ。
今度はエプロンを着けてきている。白くてフリルのあるものだ。
頭上では、天然の栗毛に白いカチューシャがマッチしていた。
胸元には赤いリボン。林檎を連想させるような色だ。

581 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:05:59 ID:Vs8D7ba1
「カイ、珍しい機械を見るといつもこうなんですよ。」
姉さんがイオリさんに言う。そのイオリさんも同じ服装だ。
胸元を見る。同じ色のリボンがある。エプロンも。
その服の下は…イオリさんの方が大きいなあ。
今まで色々なところで少し年上の女性を何人も見てきたけど、
姉さんより胸の小さい人は見たことがなかった。
「むー」
あっ!これから先輩になるイオリさんを前に、
ナニを失礼なことを考えてたのだろう。姉さんの視線がイタい。
二人ともちょっと赤面していたが、
沈黙を破ったのはイオリさんだった。
「当家では、つい先月ですね先代が亡くなられたのです。」
凛とした声に、姉さんの目つきも変わる。仕事モードに。
「急遽就いた当代・宮間マキト様は多忙でして、
今は午後3時すぎですけど、
今日もいつ帰宅されるか、わかりかねます。
ここで求人を出したのは、当家での生活の変化に伴って、
マキト様が要望を出したからなのです。
カオルさん、カイさん、当家に仕える者として、
今日からさっそく振舞っていただきます。」

582 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:06:58 ID:Vs8D7ba1
イオリさんから腕試しとして申し付けられたのは、
屋敷内の掃除だった。寝室を2部屋。
1時間余りかけて寝室を一部屋整えたところで、
イオリさんは合格として別の部屋の掃除に行ってしまった。
今はもう一部屋を、姉さんと2人で掃除しているところだ。
掃除は上から下に。天蓋のあるベッドの上を僕は掃除していた。
「この部屋、誰が使うのかな?」
姉さんが寝具を運んだりしながら訊いてきた。
「誰だろうね?家系の説明もあんまりされてないし。」
「さっきの部屋には、家族の写真も無かったわね。」
「当家での生活の変化に伴ってって、どういうことだ?」
「当主のマキト様って、むー、想像できなーい。」

583 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:07:59 ID:Vs8D7ba1
かぽーん、なんて音はしないけど、音がよく響くわね。
わたしは久々に使うっていう大浴場の掃除を任された。
これまでは小さくて省エネな個人浴室だけを使ってたとか。
カイはイオリさんから、家電製品の扱いをレクチャーされてる。
機械類の扱いは苦手だけど、料理と掃除は自信あるから。
久々に使うだなんて、やりがいがあるじゃないのっ。

天井に近いあたりの掃除はできた。
カビがひどかったけど、わたしの腕にかかれば何て事ない。
後は、壁と床やって排水溝やって。
壁と床の直角になってる部分って汚れがたまり易いから
念入りにやらないと。
あ、どうしよう?しゃがむとスカートの裾が床に着いちゃう。

今は浴室の床を、よく見ながら念入りに掃除してる。
メイド服を脱いで(ちゃんとたたんで)バスタオルを巻いて
その上からエプロンとカチューシャ着けて、しゃがんだり、
床に膝をついたりしながら掃除してる。洗剤の匂いは慣れてる。
ん?何か棒みたいなのにモップの柄が引っかかったような。
気のせいかな。

よし。排水溝まで綺麗にできた。見違えるようだわ!
あ、でもあの大きいの、タンクかな?何か分からないけど
メーターや管が何本も出てるの、忘れてた。
バケツをまた用意して、雑巾がけだけでもしておこう。

584 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:08:59 ID:Vs8D7ba1
僕は屋敷内のことについて、イオリさんからの話を聞いていた。
配電室から出て、災害時の話もしたり。
そのついでで、厨房の隣で雑談までした。
「はい。姉さん、爆発させたんですよ。電子レンジを。」
「それは、あまりにもあんまりねー。」
イオリさんって意外と、明るい笑顔してるなー。
その時、ちょっとした地鳴りのような音が聞こえた。
「あ、失礼、今のは何の音でしょうかね?」
イオリさんに訊かれてもわからなかった。
僕は黙って、音を聞いていた。大きくなってきているような。
とりあえず、その音のしている方へ行ってみることにした。
イヤな予感がする。
行った先は、大浴場と書いてあった。その扉の隙間から、
蒸気、いや熱気そのものというくらい熱いのが漏れている。
2人して、思わず顔をしかめる。
でも僕は迷わず扉を開けた。

585 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:09:59 ID:Vs8D7ba1
脱衣所だった。
その奥が大浴場になっているようだったが、
開いたままの扉の向こうは真っ白で、何も見えなかった。
足元には、メイド服が脱いで置いてある。姉さんのか。
まず蒸気をなんとかするために、窓を開けた。
次に扉を開閉して、換気する。
イオリさんが換気扇を使おうとしたその手を止める。
もしも可燃性ガスだったらの事を想像して。
視界が晴れたところで、僕は空気を吸って大浴場に飛び込んだ。
中には、やっぱりだ。姉さんが倒れてた。
外へ運び出すと何かしゃべってた。
発音がはっきりしてきたところで、よく訊いてみた。
「カイ、あのね、奥の機械を拭いてたら蒸気が出てきて、
それを止めようとしてレバーを引いたら、」
「レバーは、右?左?」
「右だったような。そうしたら、もっと、もっと蒸気が出て、
どうすれば止まるのかわからなくなって、
気がついたら…カイが来て」
「ボイラーは、あの機械は?まだ止めてないの?」
「そ、そのまま、だとおも…ふ」
あ、ダメだ。
気絶した姉さんのカチューシャを直し、
僕はまた、大浴場に入っていった。

586 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 19:10:59 ID:Vs8D7ba1
暑い。蒸気でまた視界が悪くなってる。
大浴場って、どんなに広いんだ?息苦しい。
あ、あれか!ボイラーは。
と思ったら、転んだ。足元に有ったのはバケツだ。
滑って顔面を打ち付けて星が飛び散る。
ひょっとして、死ぬ?痛い。鼻血が出てきた。
今までの事が、思い浮かぶ。姉さんの手料理の味とか、
屋敷のこととか。
今まで何度も、姉さんが壊した機械類を僕が修理してきた。
電化製品も。無茶な運転をした後の車も。
だからいつの間にか、機械類の扱いが上手くなったんだ。
このボイラーは?
もう少し、あと少しで手が届くのに……
あのレバー…左に…右じゃなくて……姉さん………。

587 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 20:40:59 ID:Vs8D7ba1
気がつくと、目の前が白かった。
やわらかい。
でもまるで、芝生のような薄さ。
天国の雲?あれなんか地面のようになっているし。
天国?死んだ?
「……カ…イ…。カイ。」
じゃないよな。姉さんの声が聞こえる。
姉さんは気絶してただけで、死んでるわけがない。
ということは、僕も生きてるってことか?
「カイさん、」
イオリさんの声が聞こえる。
「カイ…ごめん。」
姉さんの声が聞こえる。
自分の体が、タオルに包まれてるのがわかった。ここは?
「ここは?」
「ああ!カイが気がついた!」
傍で姉さんの声が聞こえた。

588 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 20:43:27 ID:Vs8D7ba1
「なんだこの有様はぁッ!?」
突然、耳慣れない声が聞こえてきた。
「申し訳ありません、イオリ様。新人に任せてしまったばかりに」
「新人?フン、そうか。彼女がカオルくんか。
……予想以上にタイプだな。」
「あ、あなたは?」
「私は宮間家当代、宮間マキトである。よろしく、メイドくん。
……いや、カオルくん。それにしても、
貧乳に抱かれて鼻血を流し続ける弟という画は、ユニークだな。
カイくん。しかも裸エプロンに。」
「説明が遅くなって失礼しました。」
イオリさんの声が聞こえる。
「マキト様はカオルさんと同じ18歳です。先代の急逝にあたり
ダルムシュタット大留学をキャンセルして帰国なされたのです。」
「カオルくん、」
「は、はい。」
「この2人の処遇だが、」
初日にさっそく解雇されるのか?
姉さんの胸に抱かれながら、そんな事を考えた。
「即刻解雇」
「でしょうね。」
「と、したいところだが、あのボイラーを弁償できるまで
雇うこととしないか?見れば、他の部屋に限っては
今までにないくらい綺麗に、それこそ
美しいまでに清掃できているではないか。よろしいか?」
「マキト様がそうおっしゃるのであれば。」
「よし、後片付けと夕食をたのむぞ。」
誰かさんが話してる間も、姉さんの胸に抱かれたままの僕は
鼻血が止まらなかった。


589 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/05/31(木) 20:45:00 ID:Vs8D7ba1

後になって見たマキトという人は、ちょっとした伊達男だった。
その顔が、姉さんを見るたびにほころぶ。
また、僕の顔を見るたびに大きくゆがむ。
その様子にイオリさんは口を挟まない。
ここで住み込みで仕事していくのは、
今後どうなっちゃうのだろう?
でも、姉さんに抱かれた感触を思い出す。
姉さんと一緒なら、どこでも、どうなってもいいや。
「カーイー!夕食できたよーっ!」

――糸冬――

590 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/03(日) 02:40:13 ID:RPvGOGCn
メイド姉GJ!
カオルさんもGJなんですが
個人的にはイオリさんの方が気に入ってしまった…

591 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/03(日) 21:29:38 ID:ItJBj8mH
メイド喫茶でくるとばかり
予想してたので
意表をつかれますた。

楽しませてもらいましたお

続編キボンヌ

592 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/08(金) 20:03:14 ID:TwsSTWWo
    |┃三,.、   ,r 、
    |┃ ,! ヽ ,:'  ゙;
    |┃. !  ゙, |   }  ガラッ
    |┃≡゙;  i_i  ,/
    |┃. ,r'     `ヽ、    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |┃.i"       ゙;  < 姉ネタと聞いちゃあ黙ってられねぇ!
    |┃:!. ・     ・ ,!   \____________
    | (ゝゝ.   x  _,::''
______|┃= ,::`''''''''''''''"ヽ.
    |┃  |      r';
    |┃  ゙';:r--;--:、‐'
    |┃≡ ゙---'゙'--゙'



593 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/09(土) 02:55:54 ID:N3OYWRBr
>>某173氏
gj!

>>590
ナカーマ

594 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/06/10(日) 15:47:40 ID:5C3uOSbz
>>590

ああ、やっぱりイオリさんに流れた人もいたか。
で、具体的にはどこらへんが気に入った?

>>591

ちなみに、これを書く数日前には、クラシックのコンサートに行ったり、
メイドカフェに行ったりしてきた。
ttp://www.mia-cafe.com/

さて次はゆぃねぇかカオル姉さんかどちらかで。
それも、なるべく短めに。

ちなみに、姉の名前を「楓」にすると、
某所に投稿した主人公の先輩と被ってしまうので使わないつもり。
読みたい人、居る?

595 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:00:15 ID:N2y5u893
何かとやかましい電車内。
普段座れることなんて滅多に無いから、居眠りなんてもってのほかだったのだが
……今日はついているようだ。
一週間を戦い抜いたこの体と心には、この硬い椅子ですら天国の心地。
ものの数分で夢の中。
そんな居眠りの時間の中、俺は昔の夢を見た。
どこなのか分からない場所に俺と彼女の二人。
夢の中の彼女はいつも笑っていて、俺はいつも気まずそうに不貞腐れていて。
その笑顔が眩しくて、優しくて……。
こんな風な毎日を過ごしていたあの頃は本当に幸せだったと今になって思うのだ。
しかしまぁ、こんなものを見るのは最近は少なくなってきたのだが……。

「欲求不満……かぁ?」
駅の階段をゆっくり上りながら、小さく洩らした。
大丈夫。右のオッサンにも、左の女子高生にも聞こえてないはず。
寝起きの体はいやに重く、階段を上るのも必死だ。
必死なら必死で、何も考えなきゃ良いのに、
(……あの人は、今どこで何してんのかな……)
そう考えかけた俺の頭は、なんとも弱いことで。
「はぁ……」
非常に重いため息が俺から離れる。
そのお陰で俺の体は幾分軽く……なんてことは当然無く、
むしろ重くなった気さえする体を引き摺って我が家へ向かう。
「ただいま……」
鍵を開け、静かにドアを開ける。
誰もいない家の中はいつもどおりシンと静まっていて、落ち着いたというか寂しいというか。
いや、今日に限ってはそのどちらでもない。
なぜなら……

596 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:00:57 ID:N2y5u893
「おかえり、まこちゃん」
「ただいま、姉ちゃん」
「コーヒー淹れたの。まこちゃんも飲む?」
「暑いからいい。麦茶にするよ」
そろそろ違和感に気付くべきだった。
いや、その前に違和感さんから何か一言あるべきだろう。
しかし、俺がいつまで待っても、その一言は出てきそうに無いので、仕方なく俺が。
「って……姉ちゃんっ!?なんでここに!?」
「まこちゃん……一応、私の家なんだけど」
「いや、そうじゃなくて……学校は?」
「土日は休みよ?」
「それは知ってるから……」
悪気も無く屁理屈を言ってくる姉が怖い。
俺はため息をついた後、
「土日使って、里帰りって解釈でいい?」
「うん。それにしても、まこちゃん……」
「ん?」
「少しせっかちさんになったんじゃない?」
「……そうかね?」
「なんだか寂しいな」
小さく呟いて、カップを口に運ぶ姉ちゃん。
(……ホントに姉ちゃんが……)
この動揺を悟られぬよう、慌てて自分の部屋に逃げ込んだ俺。
まだ休みすら始まっていないというのに。
───────────────────────

597 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:01:39 ID:N2y5u893
姉ちゃんは去年から、大学に通うために一人暮らし。
そこまで遠いわけではないが、そうちょくちょく帰ってこれるほどの距離でもない。
実際、姉ちゃんの顔を見るのは久しぶりなのだが……
「……あの不意打ちはキツいな……」
正直なところ、俺は出合った瞬間から姉ちゃんに惚れている。
それは今でも相変わらずだ。
だが、肝心の姉ちゃんがあんななワケで……諦める覚悟が出来始めた今日この頃。
「さてと……」
自分の置かれた立場を再確認し、ゆっくりと立ち上がる。
このまま姉ちゃんのいる下におりていこうと思ったのだが……
コンコン
ノックの音。
「まこちゃん?」
姉ちゃんの声がドアの向こうから。
「入っても良いかしら?」
ぐるりと周りを見回す。
……さすがに、ちょっと入れられないな。
「何?」
最低限開いたドアから顔だけ出して、姉ちゃんの顔を見る。
「まこちゃんがなかなか降りてこないから、お茶、持ってきたの」
「あ……ありがと、姉ちゃん。っていっても今行くトコだったんだけど」
「あ、そうなの?」
姉ちゃんの顔が急に輝く。
「ケーキ買ってきたんだけど、よかったら食べない?」
「んー、じゃあ食べようかな」
「良かった。これでまこちゃんがコーヒー飲んでくれるね」
嬉しそうに微笑む姉ちゃんは、そりゃもう反則的に可愛くて。
「でも、まこちゃん?」
幸せに浸る俺に姉ちゃんの一言。
「お部屋は、ちゃんと掃除しなくちゃダメよ?」
……バレてたか。
───────────────────────

598 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:02:20 ID:N2y5u893
「ふーん、まこちゃんも私と同じ大学受けるんだ」
ケーキを一切れ口に運びながら、終始笑顔の姉ちゃん。
「まだどうなるか分かんないけどね。一応そのつもり」
「そっか、もっと良いとこに行くんだ」
……逆だよ。
「まぁ……姉ちゃんより出来が悪いんじゃ格好悪いからね」
「あはは、あんまり頑張ってもらうと私の立場が無くなっちゃうね」
冗談めかして笑う姉ちゃん。
……でも、そうだよな。
姉ちゃんのこと諦めるって決めたんだから、別に無理して姉ちゃんと同じ大学に行くこともないし。
「そっか。じゃあ、まこちゃんは頑張ってやってるんだ」
「うん、順調といえば順調かな」
「そっか……そうなのかぁ」
考えるように少し俯く姉ちゃん。
「どうしたの?」
「それよりも、まこちゃん。まこちゃんには彼女さんはいないの?」
「は!?」
「ほらほら、恥ずかしがらなくてもいいからお姉ちゃんに教えて」
「……」
これは……。
好きな女の子に『彼女いるの?』と聞かれる→俺に気があるかも!
姉に『彼女いるの?』と聞かれる→心配されてる?
では、好きな女の子が姉だった場合……。
「脈無しだろ、普通に考えりゃ……」
「え?今なんていったの?」
「ん?えっと……」
この質問、どう転んでも結果同じだな、きっと……

599 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:03:03 ID:N2y5u893
「彼女なんていない。って」
「そうなんだ……ゴメンね、変な話して」
「いや、別に良いけど……」
「ねぇ、まこちゃん。辛いなら、お姉ちゃんが相談に乗るよ?」
「は?」
「あ、別に前の彼女さんのこと気にしてないなら良いの。
 でも、まこちゃんの顔色があんまりよくないから……まだ諦めきれないのかなって」
「……諦めきれない……か」
「やっぱりそうなんだ。私もね、まこちゃんの気持ち分かるよ」
「姉ちゃんも?」
「うん……私も」
こんな寂しそうな姉ちゃんの顔、俺は初めて見たかもしれない。
それぐらい姉ちゃんの目はどこか遠くを見ていて。
正直、それを見るのが辛い。
「でも、大丈夫だよ。自分は自分のやり方で何とかするから」
「そっか……強いんだ、まこちゃんは」
「だったらいいんだけどね」
そう笑って見せると、姉ちゃんの顔に優しい笑顔が戻る。
「それよりもさ、このケーキ美味しいよね。何処で買ったの?」
「あ、コレ?美味しいでしょー?向こうのお家の近くで買ったんだ」
「へー、そうなんだ。それに、姉ちゃんのコーヒーも美味しいよ」
「ふふ、ありがと。まこちゃん」
いたって普通の姉弟の会話……
一皮向けば繋がりの無い他人同士だというのに。
───────────────────────

600 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:03:44 ID:N2y5u893
人間の意志の強さなんてこんなものか。
それとも俺が特異的に弱いだけか。
……どっちにしろ、あまり好ましくない状況なのは確かだ。
さっきより、ちょっとは片付けられた俺の部屋。
十二分に満たされた胃袋を重く感じながらも、嫌な感じがしないのはこれも愛の力ですか。
「……ダメじゃん」
ダメなんだよなぁ……。
姉ちゃんのことを諦める。
案ずるは易し、行うは難し……『ココロ』が絡む分余計に厄介だ。
でも、姉ちゃんのことでこんなに悩むのは初めてな気がする。
「あー、もう分からん!!寝る!!」
一週間酷使されてきた頭はもうすでに限界だったようだ。
そのまま泥のように眠る俺。
それに知恵熱が加われば、朝には立派な焼き物に……なるわけない。
それはともかく。俺もそんなに寝付きがいい方ではない。
しばらく睡眠と覚醒の中間地点を彷徨う。
そんな時だ。
ガチャリ
ドアがゆっくり開く音を、鈍くなっている感覚器官が捕らえた。
目が開かない、体も動かない。
かろうじて働いている耳と脳で、状況をなんとなく読み取ろうと努力する。
「まこちゃん……寝ちゃった?」
姉ちゃんには悪いが、起きれそうも無い。
そのまま沈黙が流れる。
「はぁ……」
姉ちゃんのため息……
心なしか色っぽいそのため息に、ドキッとする。
「ゴメン……ね……」
ゴメン?
姉ちゃんの謝罪の意味を考える間もなく、上半身と唇に流れてくる姉ちゃんの体温。

601 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:04:25 ID:N2y5u893
え……?
「……まこちゃん……」
俺の体の血液が一気に流れ始めた。
次第に頭も覚醒に向かう。
もはや感情を理解する間もない。
心の向くままに跳ね起きる。
「まこちゃん……」
姉ちゃんは驚いた様子で、小さく俺の名を呼んだ。
「……やっぱり起きてたんだ……なんだか、そんな気がしたのよね、あはは……」
「姉ちゃん……あの……」
「ゴメンね……」
振り返り、出て行こうとする姉ちゃん
その手を咄嗟に掴んで。
「待って!!」
向こうを向いたまま俯いている姉ちゃん。
「姉ちゃんのこと、好きだから!!」
「……」
「姉ちゃんは俺のこと興味ないと思ってたから……言えなかったけど
 優しいトコとか、笑顔とか、一緒にいると温かいところとか、全部好きだから!!」
「……まこちゃん」
姉ちゃんの声。
それは、さっきまでの暗く重い物とは打って変わって。
「おバカさんなんだから」
笑顔で振り向く姉ちゃん。でも、その瞳には涙が浮かんでいるように見える。

602 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:05:06 ID:N2y5u893
「……へ?」
「それぐらい……私だって知ってたよ」
「嘘……?」
「嘘じゃないよ。だって、好きな人のこと、何でも知っておきたいじゃない?」
「……え?」
「根拠は無いけど、私の思いが通じたのかな、って思ってたんだけど……」
恥ずかしそうに俯いて見せた。
「姉ちゃん……」
「あともう一つ……実は、初めてじゃないの」
「……っ!?」
色々出てくる真実。
もう……いちいち自分がどう感じているかも分からない。
ただ一つ、いえることは……
「多分、私はまこちゃんが思ってるような人じゃないと思うの」
確かにね……。
「それでも……まこちゃんは私が好きだって言ってくれるなら……私をまこちゃんの恋人にしてください」
「ここまで言って、断わると思う?」
ちょっとムッとした表情の姉ちゃん。
はいはい、言います言います……
「俺も姉ちゃんのこと好きだよ。だから、もっといろいろな姉ちゃんを見せて欲しいな」
「うん」
涙目で微笑む姉ちゃん。この顔も素敵だ。
触れたくても触れられなかった姉ちゃんが俺の胸の中。
一応、俺の初恋は見事実ったといっても過言じゃないのではないだろうか。
───────────────────────

603 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:05:48 ID:N2y5u893
「送らなくて大丈夫?」
「うん、平気。それにしても何だかあっという間なのね、二日間って」
「今までの分を取り戻す!って、二日間色んなとこに行ったしね」
お陰で財布が……とは言うまい。
「帰っちゃうんだ……」
「仕方ないよ。でも……もう家を出る必要も無いんだけど」
「え?」
「お、怒らないでね?私もね。まこちゃんのこと忘れるつもりだったの……無理だったけど」
「そうなんだ」
「……それもこれも、まこちゃんが勇気がないからなのよ!」
人差し指を俺の鼻先に立てる姉ちゃんに、思わず謝ってしまう俺。
「う……ゴメン」
「なんてね。両想いだって知ってたのに、言えなかった私も悪いんだよね」
「いいよ、責任押し付けあってもしょうがない」
「そうだね」
にこりと笑う姉ちゃんの顔。
俺はきっとこの笑顔に勝ち目は無いんだろう。
「ねぇ、まこちゃん。一つだけ、お願い聞いてくれない?」
「うん、いいよ。何?」
「私ね、向こうでも頑張るから……頑張るから……『頑張ってね』のキスを……」
「ここで?」
周りに人はいないが、一応公衆の場所。
あまりそんなことをするべきではないのだけど、
「ここで。ダメ?」
負けました……。
「……ちょっとだけだからね」
「うん」
言われたとおり、『頑張ってね』の口付け。

604 :妹スレ前座専門 ◆isG/JvRidQ :2007/06/10(日) 21:06:37 ID:N2y5u893
「ふふ、ありがとう。まこちゃん」
「いえいえ……」
もう気の毒なほど真っ赤な顔の姉ちゃん。と俺。
「次は私かな」
「え……?」
今度は姉ちゃんから俺に。
「……ふぅ。ご馳走様」
満足そうに吐息を漏らす姉ちゃん。
「まこちゃんも、勉強頑張ってね?受かったら、二人で暮らそう?」
「……うん、頑張ります。それまで待っててください」
「うん。じゃね」
手を振って去っていく姉ちゃん。
その後姿から目が離せない俺。
何だかいつもよりも眩しくて、赤い夕焼けだった。
───────────────────────

言っておきますが俺は最初から最後までクライマックスなんてありません。
……まぁ、その……書いてみただけっつーか……。
まさにアウェイの洗礼ってヤツです。まぁ、向こうもホームではないのですが。
とにかく、調子に乗ってすいませんでした。

もう一本、缶ビール片手に書いたようないつもの問題作があるんですが……
まぁ、そちらは今後の状況しだいってことで。

605 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/13(水) 14:40:46 ID:yXLt+Q1A


主人公の姉にありがちなこと
http://game12.2ch.net/test/read.cgi/gal/1180161659/l50

606 :某173 ◆HsV9Lpvnw. :2007/06/14(木) 01:22:26 ID:HZSqU4kx
>>595-604

乙カレー。
>好きな女の子に『彼女いるの?』と聞かれる→俺に気があるかも!
>姉に『彼女いるの?』と聞かれる→心配されてる?
>では、好きな女の子が姉だった場合……。

ここらへんがイイ!感じだった。
それと、くちづけがどことなく、静かで情熱的なような。

>缶ビール片手に書いたようないつもの問題作があるんですが……

気になるぞ。

607 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/14(木) 13:19:48 ID:HZSqU4kx
職人が増えて面白くなってキタ

608 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/15(金) 21:50:12 ID:1ynaU3AO
パッション溢れる力作
グッジョブ。

609 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/19(火) 01:35:41 ID:EwUN3B1l
>>539のネタってどうなってるの?
むしろそっち期待してるのに

610 :539 :2007/06/22(金) 11:49:13 ID:a4A3Tc2k
>>609
遅レスすまそ

第二話まで出来たんだが
テキスト量が膨らんで
直接うpは困難な状況。

まとめてどこかに
うpするしかない
そういう状態です。


611 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/06/29(金) 22:12:25 ID:GekVtdw1
どういうペースで書いているのだろう?

612 :610 :2007/07/02(月) 00:51:05 ID:si5ExrgV
>>611
生活の合間を縫って
ちょこちょこ書いてます。

無駄に行数が膨らむ
書き方をしているんで
うp困難はそのためです。

一部うpさせてくだしあ
こんな感じです。↓

613 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 00:53:22 ID:si5ExrgV

「…ねぇ、結さん」

「なに?」

「その魔法使いは
なんでそんな魔法を
かけていったのかなぁ?」

「…それはね?」


「私にとって
とても大切なことだから」

「大切?」

「そうよ」

「…魔法使いって
とってもずる賢いからさ」

「どうでもいい物になんて
何の関心も持たないのね」

「それじゃあ誰も
自分が期待しているような
反応を示してくれない
…だからさ?」


614 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 00:55:29 ID:si5ExrgV

「人の大切にしてるものを
奪っていくものなのよ」

「…その魔法使いはね?
私が5歳になった年の
ある朝に現れたわ」

「…?」

「それでね?
私に…私たちに
魔法をかけていったの」

「それはそれは
ひどい魔法だと思うわ
…だって、そうでしょ?」

「…実の姉弟が
そう思いあえないなんて」

「結さん、それって…」
結さんが話を続ける。


「あなたは私のこと
全然覚えてないでしょ?」


615 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 00:57:17 ID:si5ExrgV
僕は頷く


「当然だよね…
だってあなたは当時
言葉も話せない
幼児だったもの」

「でも、私はね?
あなたのこと、なんとなく
覚えているのよ」


「んーん…
なんとなくじゃない
…それどころか」

「私がここを離れてから
あなたの記憶は
どんどん膨らんでいった」

「…だからね?」


「もう会えなかったかも
知れないのにさ?」

「あなたはずっと私の中で
弟のままだったよ?…」


616 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:08:47 ID:si5ExrgV

(あっ…)

→弟を包み込むように
抱擁する結


「…なのにさぁ?」

(結さん…)

結さんの華奢な両腕に
力がこもる。

温かな体温と
柔い香水の香り。


「結さん、恥ずかしいよ」

「…。」

さらにぎゅっと
抱き寄せられる。

…綺麗なお姉さん
第一印象、そう思った。


617 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:09:47 ID:si5ExrgV

(あっ…)

→弟を包み込むように
抱擁する結


「…なのにさぁ?」

(結さん…)

結さんの華奢な両腕に
力がこもる。

温かな体温と
柔い香水の香り。


「結さん、恥ずかしいよ」

「…。」

さらにぎゅっと
抱き寄せられる。

…綺麗なお姉さん
第一印象、そう思った。


618 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:10:51 ID:si5ExrgV
実の姉だと聞かされて
ビックリして…
でも実感はなかった。

もし仮に
抱きつかれるようなことが
あったとすれば。

僕はきっと緊張のあまり
気絶でもしかねない

…はずだった。

なのに
胸の中が
暖かくなってく。

僕の中の冷たいものが
ゆっくりと溶けていって

言葉になって
溢れた。


「…ねぇ、姉さん…」


619 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:12:45 ID:si5ExrgV

「!!」

「はは…
なんだか言い慣れないや」

「弟くん…」


「…ふふっ、そうなの?」

「うん」

「…ねぇ、姉さん?」

「なぁに?」

「魔法、解けた?」

「…ん」

「ありがとう…嬉しいよ」

「魔法使いの奴
きっと悔しがってるね」

「ふふっ…そうね」


「ねぇ、姉さん…」


620 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:18:11 ID:si5ExrgV
暗転


「…もう少しこのままで
いてもいいかなぁ?」

「…いいよ?」

「よかった」

・・・


「…ちょ、ね、姉さん?」

結さんが僕の肩越しで
泣き出してしまい慌てた。

心地よい抱擁は
あえなく中断…でも
今度は嬉し泣きだって。

今度は僕が
結さんを抱き寄せる。

結さんの背をさすりながら
『姉さん』という呼び名
これみよがしに連呼した。


621 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:20:35 ID:si5ExrgV
やがて結さんが泣き止み
僕らは家路に着く
何も話さずに…
でも気まずくなんかない。

→空を見上げる
夜空にはいつの間にか
星が瞬いている。

…魔法使いが
僕らから奪っていったのは
過ぎ去った時間。

そしてそれは
もう戻ってこないから

僕らはこれからを
大切にしなきゃいけない。

…ひょっとしたら結さんも
ちょうど同じことを
思っていたのかも。

→二人のバックシルエット

だから僕らは
どちらからともなく

残りの道のりを
手を繋いで帰った。


622 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/02(月) 01:48:11 ID:si5ExrgV
↑一部重複orz

第二話最後の部分ですた。

これでA4用紙6枚半分…

プロローグ31枚
第一話62枚
第二話39枚ときて
第三話を書き始めてます。

魔法使いがなんたらとか
意味不明ですまそ。


623 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/04(水) 01:14:03 ID:qVcVW8Kq
>>某173さん
イオリさんのウインクを想像してみて、
それがかなり効きました!

あと
イオリさんの方が気に入ってしまった理由の一つで
(全くをもって個人的な理由なんですが…)
お姉さんの「カオル」という名前をはじめに見て、
真っ先に頭に浮かんでしまった顔が
「岸和田少年愚連隊のカオルちゃん」の顔で、
あの顔がずっと頭から離れてくれず…w
イオリさんの方が頭の中でイメージ化できていたので
素直に入り込めて気に入ってしまいました…

では次はゆぃねぇの方で!
某所に投稿された作品の方もまたぜひ!

>>妹スレ作家さん
GJです!
「初めてじゃないの」というセリフに微妙にショック…
いや意味はいろいろあると思いますけど…w

缶ビール片手に書いたいつもの方も宜しくお願いします!

>>610さん
GJです!
プロローグと一話、二話、三話、気になる…
完成したら投下を!待ってます!

624 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/04(水) 21:17:06 ID:Cm/a2K2H
>>622
確かに一気に投下すると凄い事になりそう……
ちょうど使ってないレン鯖あるし、代わりに私がうpしましょうか?
って妹スレのすばるの中の人が言ってました

625 :622 :2007/07/07(土) 20:28:17 ID:HToqE356
>>623
>>624
ありがとう

うpの件ですが
話毎に小出しするよりも
完結してから動向
決めたいと思うます。

すばる氏すまそ
&思いやりに感謝。

妹スレ覗いてみますた。

あの展開は
かなりウラヤマス。

これからも妹スレ
盛り上げてくださいね
それともし可能ならば…

姉 も
書 い て く だ し あ w

626 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/12(木) 01:02:47 ID:Pky9hqgB

「っさぃわねぇ〜もう…」


627 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/15(日) 00:15:19 ID:0FUyYvoM

「好きよ?当然じゃない」

628 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/16(月) 05:05:56 ID:ySag7mxL

「貴方の赤ちゃんが産みたいわ。」

629 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/16(月) 20:16:46 ID:eBQI7ii2

「好きになっちゃって
ごめんね…さよなら」

630 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/17(火) 23:32:17 ID:wKvsmxPu

「何これ…かわいいっ!」

631 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/24(火) 23:22:52 ID:Q//JpcIF

「お前みたいなバカ野郎が
弟だなんて最低だっっ!」

632 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/30(月) 21:51:50 ID:8AW7PenM
姉「お姉ちゃんがしてあげようと思ってたのに〜」

633 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/30(月) 22:13:05 ID:aqGCZMDJ
姉「たうー」「れぅ〜♪」「このクソガキ」「リリカ・フェルフネローる」etc

634 :試作 :2007/07/30(月) 23:56:08 ID:tClcER75

「じゃあねぇ〜…うん
もしも、もしもの話ね?」

「あんた、あたしとなら
付き合えると思う?」

「…なによ?だから
もしもの話だって!」

「で、どうなのよ?」

・・・


「…そっかそっか
じゃあ全然余裕だよぉ!」

「だってあのコ
あたしなんかより
全然可愛いし
それに性格だって…」

「…なによ?その顔…」

「…いやだからもしも!
もしもの話だっ」

「って…」

「…えぇ〜??」

635 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/07/31(火) 09:45:14 ID:QhanINEM
気になるぞ!

636 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/01(水) 22:50:04 ID:iio9OUTX
>>634続きキボンヌ

637 :634 :2007/08/02(木) 00:13:47 ID:yeeLJJ+M
すまそ
続き、なにを書いても
蛇足になると思うんで…
勘弁してくらはい orz

(蛇足で意味、合ってますよね?)

638 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/05(日) 22:23:43 ID:3AtmPojZ

「あんた、まーったく
変わんないわねぇ〜♪」

帰省シーズンですね。

639 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/10(金) 21:47:44 ID:Ra5py3P7

「ぅあッ!!?」

640 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/14(火) 22:36:45 ID:1MMlJ3p0

「わがままだね」

641 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/23(木) 01:23:19 ID:igfl5ZxG

「ごはん食べに行こーよ
奢ったげるからさ」

642 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/23(木) 17:33:13 ID:ngljoQQb

「お小遣いあげるからさぁ〜
週末付き合ってよ」

643 :名無しくん、、、好きです。。。 :2007/08/25(土) 03:06:52 ID:8M4Okyd0

「かんぱぁ〜いっ♪」

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0ch BBS 2004-10-30