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[第四弾]妹に言われたいセリフ
- 823 :中華:第四話 3 :05/03/10 01:37:10 ID:uRJdAEi+
- 「甘いよ・・・甘いアル、お兄ちゃんは・・・一瞬の油断が死を呼ぶよ」
「な、何言ってるのさ・・・」
「でも、お兄ちゃんが迷惑なら・・・」
「迷惑って言うか・・・まぁ、喧嘩は止めてよ」
「・・・・・・はいな。 それなら、これ持つアル」
「・・・・何コレ?」
「護身用の武器ね」
柄からずっしりと来るその重み。 すらっとした美しい刃。
ゆるやかにカーヴを描いた刀身は、日本刀のそれよりもずっと幅がある。
「・・・・何コレ?」
僕は思わず同じ言葉を発していた。
「青竜刀アル」
「・・・お返しします」
「な、なんでアル? ナギナタみたいなののがよかたか?」
「いや・・・あのね藍、日本には銃刀法というものがあってね、こういうものは持ち歩いちゃいけないの」
「そ、そうなのか?」
「うん。 だから、コレはしまっといてね。 気持ちはありがた〜く、受け取るから」
「むぅ・・・明日までに代わり探しとくアル」
いりません。
まぁこんな感じで、藍が客に喧嘩を吹っ掛けること以外、概ね問題は無かったんだ。 ただ・・・。
「お兄ちゃん、今日も泊まてくアル!」
「あ、いや・・・きょ、今日は流石に・・・」
「だ、ダメか・・・?」
「あ、いや、その・・・・」
「お願いアル・・・・」
「・・・・・・・う〜・・・うん・・・」
「やた! 今日も一緒アル!」
・・・・と、あの日以来、この家の厄介になってます・・・。
- 824 :中華:第四話 4 :05/03/10 01:38:15 ID:uRJdAEi+
- 「おやぁ? アンタ、また泊まってくのかい?」
「は、はい・・・すいません」
「あたしゃ構わんさね。 それよりアンタんとこの親御さんにゃ連絡してるのかい?」
「いえ、家は出てるんで・・・」
「そうかい。 ま、あたしゃあの娘がよけりゃそれでいいさ」
「は、はぁ・・・」
一緒の寝てるなんて言えないよなぁ・・・。
「お兄ちゃん、今日も一緒に寝るアルーっ!」
「わ―――っっ!!」
「・・・・ほう」
「あ、や、その、こ、これには訳がっ!!」
「あ・・・ば、ばばさま居たのか?!」
「居たともさ」
「あ、あう、わ、わたし、ご飯作てくるアル!!」
わ、ぼ、僕を置いて逃げたっ!!
「一緒に、ねぇ・・・」
「あ、その、なんて言うか・・・」
や、ヤバくないか、コレ!?
「・・・・・あたしはね、あの娘が望むんなら何だっていいのさ」
「え・・・?」
「あたしはあの娘に何にも出来なかったからね・・・」
「ば、ばあさん・・・?」
「あの娘・・・・何か言ってなかったかい? ・・・・寝言とかで」
寝言・・・毎晩繰り返される、寝言・・・・。
「言って・・・ました。 中国語で、なんか・・・・」
「・・・・そうかい。 まだ夢に見るのかい、あの娘は」
「あ、あの・・・・何か・・・あったんですか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
- 825 :中華:第四話 5 :05/03/10 01:39:47 ID:uRJdAEi+
- 「ご飯出来たよーっっ!!」
沈黙は藍の声に破られた。
「わ、ら、藍、随分早かったね」
「へへー、今日のめにゅうはコレね!」
「お・・・うどんだね」
「はいな。 下準備軽くしとけばちょちょいのちょいよ」
「それじゃあ、いただきます・・・・・うん、コレも美味いよ」
「へへーん、当然アル! アイジョウたっぷりそそいだアル!」
「あ、あはは、ありがとう」
「・・・ふむ。 あたしの好みを言わせて貰えば、もう少しコシが欲しいところだね」
「ふむふむ、コシが足りないか。 お兄ちゃんもそう思うアルか?」
「ん〜、そうだね。 今のままでも十分美味しいと思うけど、僕もコシの強いのが好みかな」
「分かたアル。 次はもとコシ入れるアル!」
「ん、頑張れ藍」
「はいなっ」
満面の笑みとガッツポーズ。 うん、やっぱり藍はこういう顔が似合う。
夢にうなされる藍は・・悲しそうで、辛そうで・・・・。
「(・・・・明るくなったね、この娘も)」
聞こえるか聞こえないかの、ばあさんのつぶやき・・・やっぱり、この娘は、何かを抱えてるんだ。
「(僕は・・・この娘に何か出来るのか? 僕にその何かを・・・・藍と共有出来るだけの、器があるのか?)」
無いのかも・・・知れない。
けれども・・・・・僕は、藍のために、何かをしてやりたかった。
「ご・・・・んだく・・・! まま、ばば・・・・ご・・らう・・・じょい・・!!」
「・・・・よしよし・・・大丈夫、大丈夫だから―――」
僕には、撫で続けることしか出来ないんだろうか?
彼女を救ってやることは出来ないんだろうか?
「おにい・・・ちゃん・・・」
僕は―――――藍を、救いたい。
この娘の、「お兄ちゃん」として――――。
- 826 :中華:第四話 6 :05/03/10 01:41:26 ID:uRJdAEi+
- 「た、大変アルーっ!! 遅れてしまうアルー!!」
大きな声で目を覚ます。
「ん・・・? 藍・・・・・? どうしたの・・?」
「あ、あう、遅れてしまいそうアル!! お兄ちゃん、いってきます!! アル!!」
「・・・・い、いってらっしゃい」
言い終わる前に・・というか言ったのも分かんなかっただろうな、藍は出てってしまった。
「・・・・? 何なんだろう・・・?」
僕は着替えて下に降りた。
「あ、ばあさん・・・おはようございます」
「ん、おはよう」
「あの・・・藍、どこに行ったんですか?」
「あの娘かい? 仕入れさ」
「へぇ・・・今日は藍が行ったんですか?」
「いつもあの娘さ。 今日は寝坊した様だがね」
「寝坊って・・・わ、まだ五時になってない・・。 どうりで薄暗いわけだ・・・・」
「本当はもう少し後でもいいんだがね、アンタに食わせる晩飯の材料も仕入れてくるんだとさ」
「え・・・僕の? わざわざ・・・?」
・・・そんなことまで・・・・。
藍・・・なんで、なんでキミは・・・・。
- 827 :中華:第四話 7 :05/03/10 01:42:47 ID:uRJdAEi+
- 「あの・・・どうして藍は・・・・そうまで僕に・・?」
「・・・・アンタを好いてるんだろうさ」
「そ、そういう話じゃないんです!」
「照れ隠しかい?」
「ふざけないで下さい!! あの娘は・・・何か、何かあるんでしょう?! 何かを抱え込んでるんでしょう!?」
「・・・・・アンタ、あの娘のなんなんだい?」
僕は―――僕は、あの娘の・・。
「僕は、あの娘の、兄です」
驚くほどに・・・素直にその言葉が言えた。
まだ、ホンの数日だけれど・・・確かに藍は僕にとって大きな存在になっていた。
僕の・・・・・妹として。
大切な片翼として・・・・・。
忘れえぬ痛みと供に。
「・・・・・・・そうかい。 聞いて・・くれるかい? あの娘の支えになってやってくれるのかい?」
「はい・・・・」
僕は、今度こそ、苦しみから彼女を解き放ってやりたかった。
一日が始まる。
藍と、僕が、本当の兄妹になるために―――。
- 828 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/10 01:47:22 ID:uRJdAEi+
- 何をやってもダメなヒトがやってきました。
もうすぐ終わるはずだから・・・・。 四連投・・・。
ゴメンね、こんな中華属性以外のヒトには無用の長物置いて。
神々が降臨される前に終わらせたいんだけど・・・。
紅の蒼龍第四話 >>821-827
萌えないよ、コレ・・・・どうしてくれようか。
- 829 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/10 07:44:49 ID:BAwcCc/6
- こんなに続きが気になるのはこの間の神ラッシュ以来だ!
早く続ききぼん!
- 830 :すばる ◆9tSxotve.o :05/03/10 15:41:57 ID:BV/8FAR5
- >>821-827
乙ですー。
イイっ(・∀・)です!
続きも期待してますよ。
- 831 :遊星より ◆isG/JvRidQ :05/03/10 22:53:16 ID:y+SAEwN5
- >>816-817
エロバージョンに一つ貼ったぞ。
兄の変態度アップだが、よければ見て。
>>821-827
乙ッス!!
毎回素晴らしいですよ、マジで。
- 832 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/11 07:48:45 ID:x/7uM6Ff
- 妹「お兄ちゃんキモィ…」
- 833 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/11 15:32:37 ID:ecBwaEqZ
- 妹「ちょっとぉ お兄ちゃんのと一緒に洗濯しないでよ」
- 834 :地獄の死者 :05/03/12 16:20:27 ID:NFWMm24s
- 妹「一緒に寝よっ」
- 835 :名無しくん、、、好きです。。。 :05/03/13 21:03:33 ID:xJ0cSVLy
- ageられてますね・・・まぁいいけど。
なんだか神々らにまで気を使わせてしまったようで・・・僕って奴ぁ、ドコまでも・・・。
そんじゃあいつかの続きでも貼りましょうかね・・・。
出来は結構ひどいですが・・・どうも伝えたいことを重視しすぎてまとまってないんですよね・・。
でも14日に張ることだけは避けたいので・・・。
前言い訳はこんぐらいにして、貼りましょーか。
なうろ−でぃんぐ・・・・。
- 836 ::僕がお兄ちゃんになってあげるから :05/03/13 21:36:51 ID:xJ0cSVLy
- 僕があの子と出会ったとき、彼女は動かなくなった二人の前に呆然と座り込んでいた。
『・・・・逃げないの?』
僕は聞いた。
『・・・・・・』
彼女は応えなかった。
『ここにいても・・・殺されるだけだよ。 その人たちも・・・・そんなことは望まないんじゃない・・・かな』
『・・・・・・』
この二人は、彼女の両親だろうか・・・・。
『僕も・・・お父さんとお母さん、殺されたんだ。 でも、二人は最後まで僕に生きろ、って言ってた。
だから、キミのお父さんとお母さんも―――』
『思い出せないの』
言葉が遮られた。
『えっ?』
『多分、この人たちがお父さんとお母さんだと思うの・・・でも、思い出せないの。
確かにお父さんもお母さんも居たの。 とっても優しかったの。 大好きなおにいちゃんも居たの。
でも・・・この人たちが・・お父さんとお母さんなのか・・・・・思い出せないの・・・』
そんな・・・ことって・・・・。
『ねぇ・・・おしえて。 この人たちがお父さんとお母さんなの・・・? 死んじゃったの・・・・?
ひっく・・・わたしを置いて、死んじゃったの・・・・?』
『・・・・・・』
『うう・・・おにいちゃんも死んじゃったの? わ、わたしのこと、守ってくれるって言ってたのに、死んじゃったの?
ずっと、ずっと守ってくれるって言ってたのは、ウソだったの・・・?』
同じ―――この子も、僕と一緒で・・誰も居ない、もう一人きりなんだ。
『お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・助けてぇ・・・こんなの、嫌だよぉ・・・』
そう思ったら・・・この子を放って置けなくなった。
『・・・泣かないで』
『うう・・・おにいちゃん・・・おにいちゃん・・・・ひっく・・』
『泣かないで・・・僕が・・・・僕が―――』
『僕がお兄ちゃんになってあげるから』
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