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夏目房之介さんスレッドver.3
- 259 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 09:45
- 今までの流れをまとめますと
>キャラ
>世界(観)
>ストーリー
のどれを重視するか?ということですな。
書き手さん 読み手さん 夏目さん(笑) どんどんご意見を!
- 260 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/09(月) 11:26
- ちなみに星新一は「一番大切なのは、異様なシチュエーション。
それが出来ればあとはどうにでもなる」といい、小池和夫は、
マンガとはキャラを作れば勝ちだ!」と五月蝿いぐらいいってる(笑)。
まあ星氏は、エヌ氏やエフ氏と、もともとわざとキャラを薄めるくらいだしね。
- 261 :門前の小僧 :2000/10/09(月) 12:19
- 最近思っていたのですが、夏目さんは「夜話」の準備で忙しいのかも。
今頃、このスレッド読んで「参加できない〜」とじたばたなさってたりして。
横レスですが
>256
「果てしない物語」が、ミヒャエル・エンデの作品だという前提で発言します。
私は、あれは大枠で捕らえると、「本を読むことによって発生する疑似体験を
実際に体験することができたならどうなるのか、を物語化した作品」だと
考えています。
ファンタジーが異世界を舞台とするのは、「そんなこと現実では起こり得ない」
という足かせ(制約)をぶった切るためにあるのではないでしょうか。
そして「果てしない」に係わらず、あの時代のファンタジーに登場する異世界は、
現実と同等の重みを持っていた(ただの絵空事として描かれなかった)、つまり
逆から言えば、作家たちがそれだけの覚悟をもって異世界を描いていた、
ということが言えると思います。
実は、あの物語が完結するまでには、10数年の時間がかかっています。
物語の前半(映画化された時には1とされた部分)がファンタージェンの崩壊
で決着を見てから後、エンデは物語の続きがまるで書けなくなってしまった
そうです。彼いわく、「バスチアンがどうやって現実に戻っていくのか、
まるで分からなくなってしまってどうしようもなくなった」と。
そして、エンデは何度も試行錯誤を繰り返しながら、ようやく「現実に帰る」
というラストにたどりつくのです。
つまり、エンデは自分自身が物語の内にあり、登場人物とともに物語を体験
しながら書く、という作業をしていたのです。
この姿勢が、ファンタージェンという架空の国に命を吹き込み、血肉を与えた
のであると思われます。
- 262 :門前の小僧 :2000/10/09(月) 12:20
- すみません。書ききれなかったので少し続きます。
また、エンデが後半部分で行き詰まったのは、前半では現実世界と架空世界
が完全に分離していたのが、バスチアン少年がファンタージェンに登場する
こと(現実世界の人間が架空世界に入り込んでしまった)で、作者自身が
架空世界の中に入り込んでしまい、物語を描く上での客観性を失ったところに
原因があるのではないかと推測されます。
よくよく考えてみれば、架空世界から見た現実世界は、一種の架空世界に
すぎないのですよね。という皮肉な視点を教えてくれるのが、「はてしない」
の中で、ファンタージェンの女王の言葉です。
「異世界の子供にしか、女王の新しい名を付けることはできない」と。
異世界ファンタジーの金字塔のひとつ、「ナルニア国ものがたり」にも、
ナルニアという国の人物たちの本棚に、「人間は実在するか」という本が置いて
あったりします(爆笑)。
「はてしない物語」が物語の中に異世界を登場させたことは、ある種の計算
があってのことかと思いますが、その生成については、作者の話を見ていると
こりゃそうとうしんどい作業だったのではないかと、思ったところで
ついこんな長レスになってしまいました。すみません。
- 263 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/09(月) 12:29
- sasuga natume!
- 264 :>▽< :2000/10/09(月) 13:36
- >>215さん
漫画夜話の「デビルマン」の回でも、長さの話出てきましたね。
永井豪氏が五巻でやったことを、
「ベルセルク」なら何十巻もかける(だろう)って感じで。(うろ覚えですが)
「火の鳥」なんて、一冊一冊がすごい密度のエピソードばかりですけど、
ああいうの、今のメジャーでは書きづらいんでしょうね。
- 265 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 14:06
- 261を見て 真っ先に思い浮かべたのは テリー・ギリアム。
未来世紀ブラジル>バロン>12モンキーズ
と、一貫して現実と夢、ファンタジーを対比させてる。
- 266 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 14:27
- 世界観といえば ラヴクラフトは絶望と狂気という世界観に一生こだわった人。
現実と夢、ファンタジーの対比なら そのものズバリ
>未知なるカダスを夢に求めて(だっけ?)
があるし。
- 267 :無名選手@投げたらアカん! :2000/10/09(月) 14:30
- テリー・ギリアムに、ネバーエンディングストーリーを映画化してほしかった。
きっと原作のあの狂気の世界像を、描ききり、
決してバスチアンの成長と世界への信頼回復だけではない、
浮遊したファンタージェンが映像化できたのではないか、と思う。
- 268 :無名選手@投げたらアカん! :2000/10/09(月) 14:34
- 世界観っつうのは、舞台設定とは少し異なるんじゃないのかな?
舞台設定って意味なら、それこそミッション系学校とか警察とか、
あるいは岩男やファルコンが出現するファンタージェンでもいいや、
要するに「キャラが動く範囲、フィールド」ってことだよね。
でも世界観ってのは、その世界の物理法則や、神の存在、宗教的因果律、
そういったものを(作品中で描くか描かないかは全く別にして)
一個の完成された宇宙としてフィールドの背景に用意すること、
これが世界観。
だから、現代のミッション系女子校を描くにしたって、
「ミッション系女子校」を作者がどのようにとらえているのかで、
全然世界観は違ってくるでしょ。
- 269 :まそが :2000/10/09(月) 17:05
- >>236
>「映画みたいな」と言われると、漠然として良く判らない。
すいません、遅レスです
1本の映画くらいの分量の読み切りというか1巻完結、あるいは上下巻完結の漫画という意味です。大友克洋の『童夢』『気分はもう戦争』程度のボリュームを考えてもらえれば、現在ではまず雑誌連載があってそれが単行本にまとめられるのがほとんどですので
僕は『世界』まで構築するのは個人で描くのには(特に週間連載など)相当労力がいると思うし難しい事だと思います。実際労力に見合った人気が獲れたらいいんでしょうけど、異世界モノなど現実世界から距離がある以上、面白さという点では弱いように感じます。ただ、どの国の人から見ても距離がある『違う世界の話だ』と納得してもらえる訳ですから、アニメ、マンガ、ゲームを輸出する際、そういう構築された世界のある作品の方が有利な場合があるのではないでしょうか?
ちょっと外出、後でまた書きますm(_)m
- 270 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 17:38
- 「世界観がしっかりしてる」というのは、べつに異世界を1から構築するという事では
なくて、その人が世界をどう見ているかに一貫性があるという事ではないだろうか。
そういう一貫した「世界観」があれば、架空の作品世界を作るときにも「世界観が
しっかりしている」作品を作れると思う。
- 271 :黒@雀 :2000/10/09(月) 19:08
- >>268
つまり、「北斗の拳の世界観」といった場合
「力が支配する核戦争後の未来」世界という舞台よりよりも
「秘孔を突いたらアベシとなる」世界という法則の方が
より「北斗の拳の世界観」であると言う事かな?
それで、ヤラレ役が「ひでぶ」と叫ぶ事で
キャラ立ちするのかも(^^;
- 272 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 19:24
- いや 北斗なら「おまえはもう死んでいる」等の決めゼリフがキャラ立てになるのでは?
- 273 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 19:29
- あと北斗の世界観は悟った者が強いというか 悲しみを知っているものが
最後は勝つとか そういうことだと思います。ちょっとこじ付け臭いけどね。
- 274 :黒@雀 :2000/10/09(月) 20:13
- >>273
それはストーリーを支える「主題」のほうでは?
もっとも週刊誌連載作品ですから(しかもジャンプ)
世界観や主題も変化していきますからねぇ(^^;
- 275 :門前の小僧 :2000/10/09(月) 20:29
- 248
>作品世界、ストーリー、キャラクタの三者は
>相互に補い合うものでなければならない。
>このうちのどれかが突出してしまうと、作品として無駄が多くなる。
どわさんのおっしゃってることが非常によくまとまっているという印象を
受けたので、勝手に部分的に引用させていただきました。
三者のいずれかが突出すると
作品世界>ストーリー・キャラクター
○文章が世界観や設定の細かいところに走りがちになり、ストーリー展開や
キャラクターの描写がおざなりになる。
●ただし、作品世界の説明が、作品そのものの持ち味になっている場合は
手法の一つとして認めてよいと思う。
ストーリー>作品世界・キャラクター
○ストーリー先行の作品では、時に舞台とする世界の設定が破綻してしまったり
キャラクターの性格が破綻してしまう、といった弊害がある。
流れを重視するあまりに、内部の構築物が崩壊してしまう。
●ただし、ストーリーの持ち味が認められる、またはジャンル・対象年齢による
制約がある場合は、ある程度の破綻は仕方なし。
(例)某劇団・飴箱の芝居。2時間の感動ドラマ・サスペンスドラマ。
キャラクター>作品世界・ストーリー
○キャラクターの個性が突出してしまうと、作品世界の描写や、ストーリー
よりもキャラクターがいかにしゃべり、行動するかということに力点が
かかってしまい、作品としては薄くなりがちである。
●ただし、キャラクター設定を先行させて、そのキャラクターが存分に活躍
できる世界を構築するというやり方もあるだろうし、キャラクターが動く
ことでストーリー展開がよくなるのなら、大いにキャラクターにアクを
つけるべし。
(例)パタリロ・がきデカ・天才バカボンなど
・・・ということになるのではないかと考えたのですが、いかがでしょうか。
- 276 :門前の小僧 :2000/10/09(月) 20:42
- 275続き
ええと、○がついているのが、ある要素にかたよってしまった場合の作品の
様子。●は、改善案もしくは妥協案です。
どの分野でもそうなんですが、方程式で割り切れない部分というのは必ずあるし、
そういった部分も含めて考えたほうが、面白いとおもうので。
個人的には、作品世界・ストーリー・キャラクターのどれがまず来るか、
と考え出すと、混乱してしまいます。作品ができあがるときって、この三要素
がもつれあって、まとまっていく感じがするので・・・。
考えれば考えるほど、わからなくなってくる。
本当は、既成の漫画でよい例を挙げることができれば、良いと思ったのですが。
一人でレスしてるとだめになりそうなので、違う視点を持った方の意見が
聞きたいかも。
最後に、どわさん、いいとこ取りのレスですみません。
もし気分を害されたら、おっしゃって下さい。〈w_w〉
- 277 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 22:32
- どうも「作品世界」なんて言葉のかっこよさに惑わされてるようだけど、設
定とごっちゃになってない?
「作品世界」ってのはキャラとストーリーが形作る世界観であって、それのみ
独立してあり得るものじゃないと思うけど。
- 278 :いち漫画書き :2000/10/09(月) 23:19
- >>どわさん
やはり小説書きさんでしたか!
レスの速さで なんとなくそうではないかと思っていました。
僕はタイピングが遅いのでつらいです。
お互い頑張っていいもの書きましょう!
- 279 :夏目房之介 :2000/10/09(月) 23:31
- いやはや、どんどん盛り上がっていますなぁ。
誰かが書かれていたとおり、忙しくて書き込めませんが、読んでます。
来週月曜日から一週間ドイツに出張し、しかも帰ってからマンガ夜話なので、
余裕がないんです。
「世界観」ってのは、たしか大塚英志が初期の批評で使ってました。
歌舞伎の用語として引用してたように記憶しますが。
「キャラ立ち」は小池一夫ですね。
「子連れ狼」の子ども連れの刺客、「男組」の手錠にラグビーボールに太極拳。
そういう言葉だったと思います。
本当はちゃんと原点調べたいですが、時間がないので。
どんどんいっちゃってください。
- 280 :いち漫画書き :2000/10/09(月) 23:31
- >>門前の小僧さん
一介の漫画書きとしての意見。遠慮なしのマジレス。
漫画を書くとき一番大事なのは創作意欲。
漫画は小説に比べて身体を酷使するから 創作意欲がなくなったら終わり。
問題は 創作意欲を生む原動力。これは十人十色。
・意表をつくストーリー展開で客を手玉にとりたい。(モンスターなど)
・クールな世界を創造して客を引きずり込みたい。(BLAME!)
・魅力的なキャラを立てて客を萌えさせたい。(僕はこのタイプ)
中には すべての要素のバランスをとって高品質な物を造りたいという人もいるかも。
でも そのためには書き下ろしをして 完成品を提供しなければいけないよね?
これは 小説なら可能かもしれないが 漫画では難しい。
小説を精神労働とすれば 漫画は肉体労働。ひたすら手を動かさなきゃ進まない。
それを何年も続けて その間収入なし。これはどう考えても無理。
以上を踏まえて 僕なりに出した結論。
・書き下ろしは 出来て2巻。その中で自分を最大限アピールするとしたら自分の
一番自信のある所を重視したい。
・連載するなら 打ち切りになる前に自分の持ち味を出す。バランス重視もいいが
漫画には編集という敵がいるから 連載をもらうには実績がないと難しいと思うよ。
- 281 :ああっ名無しさまっ :2000/10/09(月) 23:48
- なんか・・・寒い人が増えたな・・・
レベル落ちすぎ。
- 282 :233(=235) :2000/10/09(月) 23:59
- >>277
逆のことも言えますよん
作品世界のない,キャラもストーリーもあり得ないかと
キャラがいると言うことは,キャラが生きている世界が
あるんですから.
276さんの意見に同感です.キャラが生まれ,キャラから
世界が生まれ,キャラと世界との相互作用でストーリーが
生まれ,ストーリーによってキャラが生まれ…………
の繰り返しのようなものじゃないかなと.
- 283 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 00:04
- >>281
ごめん 調子に乗りすぎた。
- 284 :どわ :2000/10/10(火) 00:36
- >>275-276
とても良くまとまってますね。
作者がキャラ、世界、ストーリーのどれを出発点にするかというのは、舞台裏みたいなもの。
282で書かれているように、そっから先は、三者の相互作用で作品が作られていく。
- 285 :這い寄る混沌 :2000/10/10(火) 00:49
- >>192
ラブクラフトが好きというよりは、その作品と世界観が好きです。
もちろん「NYALRATHOTEP」もね。
(これも一種のキャラ萌えなのか?)
- 286 :どわ :2000/10/10(火) 01:19
- >>268 世界観っつうのは、舞台設定とは少し異なるんじゃないのかな?
はい、違います。
キャラ、世界(舞台)、ストーリーそれぞれから浮かび上がってくる物
だと思います。
- 287 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 01:41
- 世界観:読者が感じる世界
作品世界:キャラクターが感じる世界
- 288 :門前の小僧 :2000/10/10(火) 01:44
- >277 あげ足とりのレスになりますが、275で言っている「作品世界」
というのは、作品を構成する要素として、その作品の舞台になって
いる世界を検証するために使っている言葉です。
個人的には、キャラクターやストーリーと独立して、「作品世界」
について語ることが可能だと思います。
例えば、「ロードス島戦記」を初めとするテーブルトークから
派生した物語は、最初にあの世界観から作った、と聞いています。
あの「スターウォーズ」も、設定集が何年か前に出てましたけど、
設定自体が映画見るのと同じくらいの厚みを持っているので、
とても楽しくよませてもらったことを覚えています。
それと、キャラクターやストーリーの他にも、「作品世界」を決定
する要素は多いのではないでしょうか。世界の歴史、文化、気候、
国家形態、食べ物、道具、移動手段、などなど、つきつめれば
現実世界と同じ数だけ、「作品世界」の要素を探すことができる
のではないかと思います。
・・・こういう風に書くと、やっぱり設定の問題じゃないか、と
言われてしまいそうですが、たとえ架空の世界でも、その世界に
触れられるとっかかりが多いと、より本物らしさが生まれてくる
「感じ」がしませんか?私は幼い頃に外国文学で、知らない見た
こともない料理によだれをたらした経験があるので・・・。
そういう風に、現実とタイマン張れるくらいの架空世界を立ち上げる
ことができるところが、創作物(絵や文)の良さではないか、と
思っているのですが・・・。
- 289 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 01:46
- 悪ノリついでにもう一つ。
高寺彰彦って知ってる? コミッカーズで連載してたんだけど。
この人の書く漫画、特に「悪霊」はすごいバランスのとれた漫画だと思う。
でも この漫画を語る時 それ以上の言葉が思い浮かばない。
これは この人の絵、コマ割りに分かりやすい形で出ている。
バランスを重視した人物 構図 デッサン 背景 ・・・
この人は 絵なんか漫画を構成する要素の一つとしか思っていない。
同様に ストーリー 世界設定 キャラ作りも要素に過ぎないと思っている。
漫画すら 自分を伝えるための手段と思っている。
でもこれじゃモチベーションを維持するのは難しいと思う。
「ナムチ」も6年前に一巻が出たきり。続き書く気あるのかなあ。
僕はすごく好きな漫画なので頑張って欲しい。
- 290 :どわ :2000/10/10(火) 01:53
- >>275
意図的にキャラ、ストーリー、世界のいずれかを突出させることはあります。
しかし、そういった作品はマニアっくな方向へ走りやすい。
- 291 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 01:55
- >>這い寄る混沌さん
おおっやはりそうでしたか。
当方、クトゥルフTRPGのキーパーをしておりました。
話が合いそうですな。
- 292 :どわ :2000/10/10(火) 02:10
- >>289
作者が大声で叫んだところで、読者は「うるさい!」と耳を塞ぐ。
バランスを取るって事は、自分の武器を最大限に活かすってことです。
- 293 :門前の小僧 :2000/10/10(火) 02:13
- >279 はああ。やっぱり忙しかったんですね。
それぞれの用語にきちんとした起源があるとは・・・顔洗って
出直してきます。ありがとうございます。
お暇になったら遊びにいらしてくださいね。
- 294 :門前の小僧 :2000/10/10(火) 02:19
- >280 マジレス感謝。手加減なし、若輩者の私にありがとうございます。
噂にはいろいろと聞く漫画家さんの仕事ぶりですが、こうして
レスしていただくと、想像以上に大変な仕事ということがよく
わかりました。いち漫画書きさんが、情熱を持って仕事をなさって
いることも伝わってくる。闘っている人だなと思いました。
それに、きちんと「読者」に「読ませる」ということを前提条件に
話をされているところがプロ。当たり前のことなのかもしれない
けれど、アマチュアで小説を書いていて、自己満足に収束しがちな
私から見ると、プロ(=不特定多数の人に創作物を提供する)姿勢が
きちんとしていてすごいと思います。
それと、言い訳がましいのですが、いち漫画書きさんのレスは
実際に創作している立場からの、主観の意見ですよね。
どうも私は自分で書くよりも、人の書いてるものにケチつけて喜んでる
オタク野郎(まあ性別は女ですが)なので、つい遠ざかったレスに
なってしまいました。きちんと作品を作ってる方から見ると、
いかにも構えた意見に見えてしまったかもしれません。
もちろん、創作する時のエネルギーは意欲。それが一番ですね。
おまけ。小説家が体力的に消耗しない、ってことはないです。
漫画家とは作品を発表するスパンが違う、ということもありますが、
例えば作家の幸田文さんは、作品を発表するたびにぼろぼろに
なってたって、娘の青木玉さんが言ってます。
- 295 :門前の小僧 :2000/10/10(火) 02:32
- >281 すみません。こんな長いレス付けてると、スレッドの雰囲気や話題が
硬直するし、他の方が書き込みにくくなるしで、迷惑おかけするのは
知ってます。それでも書きました。ごめんなさい。
私も、他の方の意見を見て「お〜」と思ってる方が楽なんです!
パート1や2の常連さんたちがいらしていたら、どれだけスレが
活性化するかと思うと・・・(落涙)。そのほうが、私も頭使わ
なくて済むし・・・。
こんな馬鹿をぶっとばすくらいのレスを。お願いします。
>284 ありがとうございます。
あのレス書いたあと、ずっと緊張していたので、ほっとしました。
あとは、舞台裏は読者に見せるな、ということも言えますよね。
>いち漫画書きさんへ
ご存じかもしれませんが、タイピングなら「撃打」が楽しいですよ。
1日30分くらいずつでも、続けることで効果は出てきます。
では、あとは諸先輩方の采配におまかせします。
- 296 :ちょっとコーヒーブレイク :2000/10/10(火) 02:51
- ┌───────────────┐
│ Λ_Λ 身 夏 |
│ ● ( ´∀`) 長 休 |
│ 延 ( ) が み |
│ び. | | | 伸 |
│ す. | | | び |
│ ぎ | | | た |
│. | | | |
│ .2 | | | |
│ 点. (__)_) |
└───────────────┘
- 297 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/10(火) 03:22
- キャラ立ても世界観も結果論じゃないかな。
作家がどんな工夫や苦労や発想でキャラ作りをしようとも読者がキャラが
立っていると感じなければそのキャラは滑ったということ。
世界観とか作品世界というのも同じで。
読者がその世界観に納得できなければ作家の世界観が読者に伝わらなかった
つまり世界観も滑ったということじゃないかな。
だからキャラを作るのは簡単だけどキャラ立ては難しいです。
私の現在の方法は観念的で申し訳ないが
読者の心に小さなささくれを残すことと表現を八分目で押さえること。
ささくれは小さなトゲみたいに、読み終わっても読者の心に残る印象。
八分目は飽きる手前のもう少し読みたいというところで描写を押さえること。
ミクロン単位の心理描写と大胆な構図でなんとかこなしてるけど。
これやってて感じるのは100人の作家がいれば100通りの方法があるんじゃ
ないか、さらにキャラが100人いればまたさらに100通りの方法があるんじゃ
ないかというくらい繊細なこと。正解がない。すべて結果論なのかも。
- 298 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 04:12
- なんかすごい勢いで進んでますねえ、このスレ。一日見ないだけでついていけない。
夏目さんがほとんど顔出さずにこれなんだから、確かにスレが成長してるのかも。
スポーツに例えると、<世界観>はその競技のルール、<キャラクター>は選手、
<ストーリー>はその試合内容って感じでしょうか。・・・あんまいい例えでない気もしますが。
- 299 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/10(火) 09:16
- いつも冷静な人ですよね.
- 300 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 11:11
- 確かに<297
キャラが立ってるという言葉は読者からの判断だからね。
主人公なら「こいつカッチョいい〜」、
悪役なら「おまえしめるぞ!」ぐらい読者に思わせる力がないと。
共感や反感なりが生まれる
=読者の心情との距離感の近さがポイントではないかな。
- 301 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 11:14
- とりあえず、短くまとめる努力をしてくれ>ALL
- 302 :夏目房之介 :2000/10/10(火) 11:52
- ちょっと気がついたんですが「キャラ立ち」について、皆さん小池理論と違う理解をしてるようなので。
小池一夫は、要するにまず読者に「こいつおえば、何だ? これから何するんだ?」って、
目をひき、先を読ませる(どちらかというと見た目の)仕立てをいってたと思います。
言葉は次第に変わっていくものではありますが、たとえば夜話で我々が使うときには、
多分上の意味で使う。元の意味を知らないでいると誤解の元なので。
- 303 :夏目房之介 :2000/10/10(火) 12:01
- すんまそ〜ん。
>読者に「こいつおえば、
・・・は「こいつは、
の間違い。
- 304 :夏目房之介 :2000/10/10(火) 12:11
- ちなみに大塚英志「[まんが]の構造」で、
「アニメ世代のまんが家たち」は、
「作品の中の世界観を一定にすることに敏感で、
細部におけるリアリティを大切にする」として、
その代表を大友克洋。
「ちょうど正反対に位置するのが梶原一騎」
と書いてます。
前にいった歌舞伎用語としての引用は見当たりませんでしたが、
多分設定、舞台や、そこで可能・不可能なことの基準となる背後の枠組み、
といったところでしょうかね。
- 305 :マンガのキャラ :2000/10/10(火) 12:20
- 限られた紙数の中で、キャラを描くために「定型表現」(お約束)が
用いられることがありますよね。
例えば、少女漫画では 金髪男性=派手、華麗、移り気
黒髪男性=堅実、誠実、野暮
というような「お約束」がありました。だけど、この「お約束」を上手
に活用して手早くキャラを立ち上げるという「効果」もあります。
例えば「ベル薔薇」のアンドレはやはり黒髪の方がわかりが早いし、
「エロイカ」の少佐も黒髪以外にありえないキャラですよね。
(古い古い例ですみません。)
- 306 :Speed freek :2000/10/10(火) 12:47
- すんません224で無責任な質問しちゃいまして、今後気をつけます。
んであと、少女漫画のケースだとあの派手なバックがありますよね。
あれもやはり世界観の一部ということになるのでしょうか。
「パタリロ!」ではギャグになってましたが。
- 307 :Speed freek :2000/10/10(火) 12:48
- すんません224で無責任な質問しちゃいまして、今後気をつけます。
んであと、少女漫画のケースだとあの派手なバックがありますよね。
あれもやはり世界観の一部ということになるのでしょうか。
「パタリロ!」ではギャグになってましたが。
- 308 :無名選手@投げたらアカん! :2000/10/10(火) 12:55
- ディテールにのみ、神は宿りたもう。
大友なんかはまさにそうですよね。
逆に、意外にエヴァなんかは、ディテールに凝ってるように見せかけて、
本当はディテールではなく表現に凝ってるだけ。
見せるのを目的としたディテールは、もはやディテールではない。
- 309 :無名選手@投げたらアカん! :2000/10/10(火) 12:56
- 世界観は、ディテール。
ただし、小説の世界では、巨人・ボルヘス以降、
世界観のみを描き、キャラもストーリーもない、
という小説もオッケーになったので、この限りではないが。
- 310 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 13:17
- また懲りずに押井さんの発言を引用します。
>動機が最後に見つかるというのは活劇のような映画を作るときには珍しい事ではない。
>東京を舞台に戦争を起こすという設定が最初にあって、それをどのように実現するか
>ということのために”物語”を必要とし、それが人間のドラマである以上”動機”も必要だった。
僕の場合、キャラの持ってる動機が最初にくることが多い。
以下に 具体的な話を書いてみます。単なる一つのケースとお考えください。
- 311 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 13:18
- ガンダムZZというアニメの中にプルという少女がいました。
彼女は戦争の道具として生まれてきたクローン人間です。
なぜか主人公に共感した彼女は 敵を裏切り主人公を守るために
自分の妹と戦って死にます。
当時13歳だった僕は納得できなかった。これではあまりにも救いがない。
では どうすれば彼女は救われたのか。
生まれながらに 取り返しのつかないハンデを背負った人はどうすれば救われるのか。
これが 僕の作家性の原点です。ほんと しょうもない原点です。
- 312 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 13:19
- これを漫画にするなら 例えば・・・
核となる人物>不治の病と闘う寝たきりの女性
主人公>彼女と一緒に闘う恋人。作者の分身でもある。
舞台>現代の日本。欧米に比べて医療が遅れている。
物語>臓器移植が欧米に比べて遅れているために彼女は死亡。主人公はこの現状を
たくさんの人に知ってもらうために生涯を捧げる決意をする。
あとは肉付けしていくだけ。厚生省と学会との癒着とか。この先は重要ではない。
一番大事なのは 救済の具体的内容。僕にとっては 作家性を発揮したい所。
この場合 主人公が生涯をかけてうんぬん という所。
正直いって これは僕の趣味ではない。ここはやはり、
主人公は彼女の死を乗り越えて 自分の夢だったF1レーサーになった。
としたい。そして彼女には 死ぬ前に自分の力で救済を達成させてやりたい。
もっと具体的に書きたいけど ネタバレになるので書かない。
もちろん これはあくまで例えばの話です。
僕は医療には詳しくないので こんな話は書けないし 誰も読んでくれないと思う。
実際に書くとしたら自分の得意分野である アメリカ、車、軍隊、空手、兄弟
を設定に生かして書くと思います。
- 313 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 13:20
- 押井 守はたたき上げの職人。タツノコで週一本 何百話というアニメを作った人。
我々凡人が いかに客を引き付けるものを作るかという事を分かり易い形で示している。
>出来損ないでもいいから勝手にやった方がいいんだ
は名言。
- 314 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 13:25
- >>301
すまん 出来る限り推敲したが しょせん漫画書き、かんべんしてくれ。
- 315 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 14:55
- 「キャラ立ち」ってキャラクターの厚みや引力の強さに対して
使ってるなぁ、これがアニメ世代なんだろうか。<302
小池一夫の劇画村塾で知った言葉じゃないのは確かだわ。
- 316 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 15:01
- >312
得意分野が「兄弟」ですか、それいいです(正直な感想として)
他のが得意な作家はいそうだから。
- 317 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 15:50
- ガンダムZZの時に13歳ってことは 25、6歳か・・・
- 318 :どわ :2000/10/10(火) 16:00
- >いち漫画書き さん
頑張ってください。応援してます。
- 319 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 17:57
- ageagaega
- 320 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 18:23
- どわさんありがとう。がんばるよ!
「映画監督術」(フィルムアート社)に面白い事が書いてあった。
>事前に特定のイメージが存在しえない芸術においては、どうやって最終イメージ
>を想像すればいいのか。答えはこうだ。芸術家が創作を開始したとき、頭の中に
>明確な最終イメージを持っていることはほとんどない。
>したがって、視覚化のプロセスはゴールへの到達ではなく、
>むしろゴールの探求なのである。
村上春樹は 小説を書き始める時点では ストーリーの結末を考えていないそうだ。
頭から 行き当たりばったりでどんどん書いていく。書いている段階では 次に何が
起こるのか、主人公が なぜそんな行動をとるのか、自分でも分からないらしい。
公式ホームページに書いてあった事だからうろ覚えだけど。
僕は ここまで徹底してないけど 考えるよりまず行動と考えてます。
最後に 「映画監督術」より引用
>想像力は 手を動かすほどの力を持っていない。
- 321 :いち漫画書き :2000/10/10(火) 18:42
- >>どわさん
理想を追い求めるのはいい事。若い内は小さくまとめる必要なんてないんです。
僕も 漫画とは、芸術とはなんぞや?とずっと考え続けてきましたから。
大事なのは 諦めないこと。妥協しないこと。お互い頑張りましょう。
- 322 :>▽< :2000/10/10(火) 19:39
- いち漫画書きさんスレッドを立てるのも面白いかもね。
>>320
監督によっては、ヒッチコックやワイルダーのように脚本をきっちり組み上げれば、それで映画の大半は出来たようなもの、という人もいますね。
>>302
小池さんの場合、キャラが立っていない作品は、物語の組み立てからして良くない、ということなのでしょうかね。
どなたか少年マンガ誌の編集者が、読者は「細かいストーリーよりも、キャラやシーンで作品を記憶する」てな風に話してました。
それと近いスタンスなのですかね。
- 323 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 19:51
- >>322
氏ねよ馬鹿!
BS見たことがない人間は誰も漫画家と知らない夏目漱石の孫が
でかい面してるスレがあるだけでもウゼェのに、自分の名前も明かせない
2ちゃんに入り浸りの仕事してるかどうかも怪しい電波漫画家専用の
糞スレなんか立てられてたまるか!!
- 324 :びび :2000/10/10(火) 20:32
- >>323
いいじゃん別に。何でそんなにおこってんの?
名が通ってようがいまいが、関係ないよ。
この板は漫画の話をする場所なんだよ。
漫画関係のスレッドがたって何が悪いんだい?
人が楽しく話しているところにいきなり水ぶっ掛けるようなこと言うのは
やめな。
- 325 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 21:58
- 一つ提案。夏目さん以外は sageて書いたらどうだろう。少なくとも次のスレ立つまで。
このペースなら すぐ1000レスいくでしょう。仕切るようで申し訳ない。
ちょっと視点を変えてみる。
ある作者の代表作が二つあったとする。知名度は同じとして、
一つはバランスのとれた秀作。もう一つは面白いけど何だか分からん駄作。
マンガ夜話で取り上げるとしたら どっちだと思う?
- 326 :ああっ名無しさまっ :2000/10/10(火) 23:34
- 「面白い」のに「駄作」?
一瞬ジョーと巨人の星を思い浮かべたけどあれは明らかに両方とも名作だよな・・・
- 327 :>323 :2000/10/10(火) 23:57
- 君、罵倒しか能ないじゃん。
建設的な発言できないのなら黙ってれば?
- 328 :どわ :2000/10/11(水) 00:11
- そりゃ、まだ食べた事のない美味しい料理の味を思い浮かべる事が出来る人はいるよ?
それって天才だと思う。(←たしか蒼天航路に、こんな表現があった)
でも、勢いだけで越えられない壁を前にしたら、技術的なものを積み重ねていくしかない。
面白いアイディアがあっても、その作品に必要がなければカットする。
良いキャラがいるなら、キャラに負けない舞台とストーリーを用意する。
…辛いのは、それでも面白い作品になるか、わからないってこと。
愚痴ですね。すまん。
- 329 :這い寄る混沌 :2000/10/11(水) 00:12
- 自意識の暴走を抑えられない方々(とくに荒し・罵倒さん)へ、
2ちゃんねる的標語をひとつ。
「いつも心にオマエモナー」
おそまつ。
- 330 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 00:18
- >>325
> 一つ提案。夏目さん以外は sageて書いたらどうだろう。少なくとも次のスレ立つまで。
なぜsageて書こうと言われるのですか?
べつに反対してるわけじゃないけど、必要もないと思いますが?
明確な理由を書いていただきたい。
- 331 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 00:19
- >>325
> 一つ提案。夏目さん以外は sageて書いたらどうだろう。少なくとも次のスレ立つまで。
なぜsageて書こうと言われるのですか?
べつに反対してるわけじゃないけど、必要もないと思いますが?
明確な理由を書いていただきたい。
- 332 :330、331 :2000/10/11(水) 00:21
- 二重カキコ失礼!
- 333 :だんだん好きになるふさ*2 :2000/10/11(水) 00:31
- ふさふさ出張ドイツお気をつけて、、2ちゃん復帰まってます!
- 334 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 00:37
- 煽りバカはどうせ一人だろ?見たところ、ろくな議論もできてないし、
過去ログも夏目マンガ評論も全然読んでない。同じ事を繰り返しわめい
てるだけ。スレッドの存在自体とそれにレスが沢山付いていること
(内容ではなく外側だけ)にいらだってるようだ。ていうことは内容が
理解できないんだ。バカな自分が唯一気ままに遊べる場所だった2ch
漫画板に、なにやら高尚で知的にみえるものがでてきたのでビビッてる
んだろう。ゆっくり読めばわかるし、面白いはずだと思うけどなぁ。
まぁ、ひとの話がまともに聞けない奴ってのは、いるよな。
- 335 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 00:42
- 323はいつもひとりでがんばっているね。
でもみんなに相手にされないでヒステリーおこしてるね。
君、なんだか滑稽だよ。
そうやってかきまわしているのがとても哀れに思えるよ。
君が夏目氏を論破するつもりで書きこんでよ。
君と夏目氏の対話を読みたいよ。
- 336 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 00:51
- 創作論っていうのはある程度実績がある人が語るのでなくては説得力がない。
こればっかりは名が通ってる、通ってないは重要でしょう<324
いち漫画書きさんが匿名で書いてその素性を隠している以上、たとえ実際はすごい売れっ子の作家さんだったとしても、
>>323みたいな揶揄が出るのは致し方ないと思います。
ま、べつに323を擁護するつもりはないんですけど。
ああ、でも煽りを煽り返すようなマネはよしませんか。それもまた見てて心苦しいので。
- 337 :門前の小僧 :2000/10/11(水) 01:17
- >325 せっかく「夜話」関係のネタをふっていただいたので。
どっちも、取り上げてみたらおもしろいと思います。
どのような種類の漫画であれ、漫画という形態をとった作品であるのなら、
取り上げて論じることで、新しい何かが発見できる可能性があるから。
>328 でも、おもしろくするための努力なら最大限惜しまずにできますよね?
どんな料理でも、他人さまに食べてもらえるレベルに仕上げるのが最低限
お客さんに対する礼儀であって、それをお客さんがどのように楽しむかは、
もうそれぞれの感性にお任せしてもよいのではないでしょうか。
和食や洋食、中華、それぞれの国によって料理の材料や味は違う。
でも、色々な味があったほうが楽しい。時には、どぎつい料理があるのも、
それはそれで国や地域の特色の反映だから、食べなくても、そういう料理
があるという情報だけ、どこかにとどめておけばよいこと。
そして、誰もがすべての料理を好むとは限らない。
ひとりひとりの嗜好や習慣は違うから、それによって好きになる料理は違うし、
受け付けられない料理だってあるはず。
自分の良いところというのは、自分ではなかなか見えないもの。
なるべく遠慮のいらない知人に(年代や好みがバラバラな)作品の印象を
聞いてみると、けっこう思ってもいなかった面を発見することができるのでは
ないでしょうか。
- 338 :門前の小僧 :2000/10/11(水) 01:25
- ついでに横レスします。
私は325さんではありませんが、水面下でスレッドを進行させるのも、
面白いレスが続けば、十分楽しいと思います。
確かに、このスレッドの話題がタイトルである「夏目房之助さん」からは
逸脱する傾向があることは確かですし、そうなった場合、他のスレッドで
楽しんでいらっしゃる漫画板の方々の気分を害するよりは、sage進行でも
よいのではないでしょうか。
本音を言ってしまえば、月末の「夜話」の前後、このスレッドがどんな
盛り上がりを見せるのかが今一番の楽しみなので、それまでこのスレッドを続行
できるのなら、ageでもsageでもどちらでもよいと思います。
325さん、勝手にレスしてしまってすみませんでした。
夏目さ〜ん、気をつけていってらっしゃ〜い。
あちらの貴重なお話、期待していま〜す。
- 339 :どわ :2000/10/11(水) 02:02
- 門前の小僧さん、助言、ありがとうございます。
さて、気を取り直して漫画の話をするか!
>>325
完成度の高い秀作と、面白い駄作のどちらも当てはまる作品があります。
サンデーで連載されていた「GS美神」。作者の椎名高志さんは、毎週完成度の高い
ギャグ漫画を描かれていました。しかしシリーズの終盤、ルシオラという敵の脇役に
過ぎないキャラクターが暴走し、主役の影が薄くなってしまう始末。
コミックスで読み返すと、ルシオラが暴走している辺りは、あまり面白くない。
ですが連載中は、ルシオラがどうなったのかサンデー発売日が待ち遠しかった。
連載が終わって一番印象に残っているのも、展開が暴走していたところ。
マンガは、作品としての面白さ(コミックス)と連載の面白さは違うんだという一例。
「GS美神」、マンガ夜話でやってくんないかなぁ…。
(↑結局、これが言いたかった)
- 340 :夏目房之介 :2000/10/11(水) 03:12
- >339 どわさん。
「完成度の高い秀作と、面白い駄作」はなかなか面白い表現ですね。
「作品としての面白さ(コミックス)と連載の面白さは違う」
ってことはよくありますね。
ってことは、連載と単行本の売れ方も違っていいし、出版側もそういう戦略を、
短期、中期、長期的に立てることも可能で、そこに書き下ろしって可能性を考えると面白いんだけど、
書き下ろしは実際描いてる間の収入をどうするかって問題があるな。
最近では志郎正宗が唯一の成功例でしょうか。
小池一夫の「キャラ立ち」論は、
70年代劇画成長期の現場的に有効な発想だったと思います。
以後、市場分化とともに創作法が複雑になり、
小池自身もキャラの内面とか、物語の必然とか、
主張の中身を変えていったように思います。
ですから最近の「小池一夫の漫画学」(小池書房)などは、
当初のようなシンプルさはない。
事情はよくわからんが、一応「sage」と入れてみました。
- 341 :夏目房之介 :2000/10/11(水) 03:25
- >322>▽< さん。
「ヒッチコックやワイルダーのように脚本をきっちり組み上げれば、
それで映画の大半は出来たようなもの、という人もいますね。」
そうそう、何かハリウッドにしても欧米の文学にしても、
きちんと全部組上げる構築型が多く、その凄さってある気がするんですよ。
でも、日本の場合、永井豪とか、アニメですら宮崎さんみたいに、
「行き当たりばったり暴走型」が多い気がする。
欧米だと絵画芸術系の流れみたいな気もしますが、
なんか職人気質とかの違いかなぁとも思います。
と、面白い話題もあるのに、
ドイツ出張(16〜23日)と夜話で、
時間がない。
18日にケルン日本文化会館で講演「日本マンガはなぜ世界の若者に受けるのか」
21日にフランクフルト・ブックメッセでディスカッションに参加します。
お近くにおよりの方はぜひ。
なんつってね。
- 342 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/10/11(水) 03:39
- 夏目がわしの弟子やったらパンパンやな。
- 343 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 04:05
- 夏目さん、遠慮せずにageて結構ですよ(^^;
- 344 :優馬 :2000/10/11(水) 04:08
- >>341
>18日にケルン日本文化会館で講演「日本マンガはなぜ世界の若者に受けるのか」
>21日にフランクフルト・ブックメッセでディスカッションに参加します。
夏目さん、頑張って「マンガ」を世界に広めてきてください!
とても意義のあるお仕事だと思います。
(国際交流基金のお仕事が多いようですね?)
- 345 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 08:11
- どうしてレベルの低い煽り荒らしにまともに反応するんですかね、ここの人は
見ていてはらはらしますですよ
- 346 :門前の小僧 :2000/10/11(水) 08:34
- グーテンモーゲン、皆様。夏目さん。
>341
行けるかぁ〜、と暴れたいところですが、海外の公演までちゃっかり宣伝する
夏目さんに1000点。もう負け。
日本国内の公演だったら、飛んでいくのになあ。
昨年、夏目漱石の「坊っちゃん」を授業で読みました。
そのとき、「坊っちゃん」は新聞の連載小説だったので、この話はまとめて読む
のもよいが、当時、新聞にどのように掲載されていたのかを実際に読んでみて、
これを当時の若者たちがどう読んだのか、というところまで検証していくと
近代の江戸から東京への変遷がほの見えておもしろい、という先生の話が
ありまして。
このテーマに関する研究発表が、今年か来年の初めには出ます。
「連載」と「夏目」つながり、ということで。
こういう話題だったら、スレッドの大枠からは、あまり離れませんよね?
夏目さんがドイツの風邪に好かれませんように。
>345
みなさん真面目な方がおおいのでは。(○´`○
- 347 :門前の小僧 :2000/10/11(水) 08:45
- >342
西洋と東洋というのは永遠のテーマという感じがしますが、
私は一度、ドイツの靴と日本の靴の作りの違いに悩んでいたことがあります。
前者は、精密な理論と職人の仕事によって、足の生理にあった靴を作っている。
後者は、昔から突っかけるタイプの「履き物」が多い。
これはどういうことなのか、ドイツで生まれた理論がどうして日本では生まれ
なかったのか、ある人に聞いてみると、
「ドイツでは、整った理論で現実を矯正していこうとする理性のはたらきがあり、
日本では、硬直した理論よりも現実一つ一つを受け入れていこうとする感性の
はたらきがある。そういった違いが、靴に反映されている可能性がある。」
と示唆されました。
最近、うちの父とも話し合ったのですが、ヨーロッパ諸国は、国土が広く、
もともとは多民族が覇権をあらそっていた、という歴史があります。
その上、気候は荒い。食べ物はなかなか収穫できない。
こういう状況下だったら、そりゃ個人主義が発達するわけだわねえ、個人が
厳しく雄々しくなければ生きられないわぁ、という結論に達しました。
こういったバックボーンも含めて考えると、漫画ひとつにしても様々な可能性が
あるのではないか、とも思います。
- 348 :夏目房之介 :2000/10/11(水) 11:10
- >347 名前:門前の小僧 さん。
面白い話題だなぁ。つい書き込んじゃうじゃないか。
あのね、ドイツの手塚研究者など複数の証言。
ドイツでは、十数年前までオーディオ製品にも絵がついてなかった。
今でも、インスタント食品に絵の解説はない。
理由は、絵は子供っぽいから。
でも、19世紀までマンガはけっこうあったらしく、
絵本もコマのような時間経過や言葉を入れる箱が描かれてる。
僕は絵と言葉が分離された傾向が強いのと、
どこかで絵への偏見が強まった(恐らく近代国家成立後)のだろうと思ってます。
ドイツとイタリアは近代国家になったのは日本と同じ時期だしね。
それとプロテスタント(神の言葉と個人の直接契約)、
印刷技術(グーテンベルグ)すなわち聖書。
このへんの話を誰かに聞いてこよう。
- 349 :>▽< :2000/10/11(水) 11:15
- >.341
>でも、日本の場合、永井豪とか、アニメですら宮崎さんみたいに、
>「行き当たりばったり暴走型」が多い気がする。
「デビルマン」も「ナウシカ」もどこか個人の才能を超越した凄みを感じます。(永井、宮崎両氏はもちろん天才ですけど)
よく漫画家の方々が「キャラが勝手に動き出す」といった表現をされますね。
神憑かりと言うのはオーバーでしょうけど、そんな感じ。
小松左京氏が「連載はライブだ」と「虚無回廊2」の後書き対談で語っていましたが、
読者からの反響がフィードバックして、自分でも制御出来ないブースターがかかったりするのでしょう。
時代を象徴する傑作って、そういう風に生まれるのかもしれません。
- 350 :夏目房之介 :2000/10/11(水) 11:17
- 思い出した。
司馬遼太郎が「西洋の小説は教会建築のように構築的だが、
日本のそれはお寺の建物のように横につながって展開する」
といったようなことをいってましたね。
それと、西洋が飢饉で人口の半分を失うような事態から開放されるのは、
16世紀のジャガイモ輸入からってのも、どっかで読んだ。
西洋が東洋に圧倒的な差をつけるのは17世紀以降、
つまり産業革命後。
自覚するのは、18世紀頃だそうで、
アジアという意識は、西洋の衝撃でできたものだとも教わった。
あんまり関係ないな。
- 351 :夏目房之介 :2000/10/11(水) 11:26
- >349 >▽< 投稿日さん。
おっしゃるとおりですね。憑依型という僕のいい方は、
時代感性を語る巫女って意味を含みます。
でも、
>読者からの反響がフィードバックして、
という要素もあるでしょうが、それだけじゃないです。
もの書きは「神」なので、創造した者が客体ではなく、
主体として見える位置にいるんですね。
僕自身のつたない経験でいっても、
人物が勝手に性格をもって、
勝手にエピソードを教えてくれる(ように見える)瞬間がありました。
(昔ストーリーマンガも描いてたので)
でも、憑依状態になったのは、
「手塚治虫はどこにいる」が初めてだった。
喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
- 352 :>▽< :2000/10/11(水) 11:37
- >憑依状態
そういう創作理論として体系化しづらい「何か」を、評論という形で捉える事ができるか、すごく興味が在ります。
>喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
「手塚治虫はどこにいる」がそうして生まれたのは、読者としてはもちろん慶賀すべきことです。
ドイツと言うのは児童文化が、絵本にせよ教育論にせよしっかりしているという印象を受けます。
絵本なんて、児童の情操を育むものとして、それこそしっかり理論化されているような。
326氏や「たれぱんだ」のブームなんて。あちらからすると、幼児化としか見えないのかもしれません。
- 353 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 11:51
- 鳥山明クラスの漫画家なら書き下ろしも可能ではないか?
・すでにヒット作も出しており経済的な問題はなさそうであること。
・雑誌連載では人気が高くて連載を終わらせてもらえないという
不自由さを感じていたのではないかということ。
・知名度の点からも書き下ろし作品の宣伝販売に有利であること。
出版社が水さえ引けば、書き下ろし作品が育つ土壌ぐらいは整っていると思うのだが。
士郎正宗の場合は結果的に成功した例で、他の出版社が追従するにはリスクが大きい。
書き下ろし作品の発表という形態をとらざるえなかったのは
・デビュー時の作品群(アップルシードなど)を執筆中は士郎正宗は教師をしており
連載ペースでの執筆が不可能であったこと。
・出版元の青心社が定期的に作品を発表できる雑誌を有していなかったこと。
ここに士郎正宗の作風である情報量の過密度などが書き下ろしに適していたことが
あわさった結果としての成功といえる。
皮肉なことに士郎正宗が現在の位置を確立できたのは、
映像化やメジャー誌への進出であってデビュー時の書き下ろし作品群ではない。
<340 夏目房之介氏
×志郎正宗 → ○士郎正宗(作者名間違っちゃいかんです。一応)
- 354 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 12:11
- 憑依状態って連載向きだったりするんでしょうか?
私のなかでは宮崎駿は西洋的な構築をするととらえてたんですが
これは思い浮かべる代表作が
「ラピュタ」や「カリオストロの城」なのが原因ですね、
これらは映画向けに書き下ろされた作品なので構築的だと思います。
くらべてアニメージュ誌に連載された漫画「ナウシカ」は
展開のエスカレート度など憑依型の作品なように思います。
構築型では完成形をめざして何度も試行錯誤をくりかえさねばならず
連載としては描きにくいのかも。
- 355 :ああっ名無しさまっ :2000/10/11(水) 12:36
- そういうわけでもないよ。
- 356 :>▽< :2000/10/11(水) 12:38
- 宮崎監督は、結末を決めずに、製作中も絵コンテを書き続ける事で有名ですね。
- 357 :354 :2000/10/11(水) 13:30
- >356 >▽< さんへ
あ、そうなんですかそれは知りませんでした。
伏線のはり具合とか無駄なシーンの少なさが構築的かなと感じたんですが
(特にカリオストロの城とか)
結末決めずにあんな作品になるのはすごいですね。
構築というよりキャリアからくる職人芸といった方が近いのかな
- 358 :354 :2000/10/11(水) 14:27
- すみませんちょっと話そらしちゃいましたね。
連載マンガって読者が間をとばして読んじゃったりした時に
ストーリーのつじつまが追えなくなって
構築型マンガの骨格や魅力が分からなかったりしないかなと。
(例を出すとアームズとかゴルゴ13などは連載では読みにくい。)
それよりは憑依型のようにキャラを追って読めるマンガの方が
連載に向くのではと思ったのですが?
334KB
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