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[第四弾]妹に言われたいセリフ

534 :前スレ921 :05/02/17 12:58:17 ID:1fTUDrHw
「うぅ〜、寒いぃ〜」
もうすぐ3月と言ってもやはり夜風はまだまだ冬の寒さを称えている。

「すぐそこのコンビニだから我慢してくれ」

そうは言っても兄はダッフルコートにマフラー、手袋、帽子と完全防備なのに対して夢亜は起きた時のスカート、パーカーにマフラー、手袋、キャスケットを被っただけで、どちらが寒いかは一目瞭然だった。

「こんなコトなら手抜きするんじゃなかったよぉ……」

すぐそこだし一度仕舞ってしまったので面倒だからとコートを着ないで外に出た事に後悔せずにはいられなかった……。

535 :前スレ921 :05/02/17 13:00:23 ID:1fTUDrHw
「だから着た方がいいって言っただろ?ま、デザートの為に頑張ってくれ。」

「うん〜……でもやっぱり寒いよぉ〜」

すぐそこまでと言ってもせっかく兄と出掛けるのだ。
一緒に歩こうと思っていたが、寒さに負けた。
夢亜はパタパタ小走りに先にコンビニに行き暖まる事にした。

後ろで笑われた気もするが今は目的地に着く事の方が先決だった。

―――コンビニのドアを開けると途端に人工的な暖かさに包まれる。

「あ、いらっしゃい」

536 :前スレ921 :05/02/17 13:02:01 ID:1fTUDrHw
この店員さんは兄の友達。名前は塚原広司。普段はやる気のない人だが仕事はちゃんとやる人で、変わった性格の持ち主だが笑顔を絶やさぬいい人。
暇らしくカウンターの無駄に細かい所を掃除している。
流石にこの寒さの中外に出歩く人も居ないらしく、客は夢亜だけだ。

「こんばんわ〜。暖かぁ〜い♥」
店内の暖かさを噛み締めながら軽く挨拶しデザート売場へ向かう。

「今日は一人で買い物?」

「すぐお兄ちゃんも来ますよー。」

537 :前スレ921 :05/02/17 13:04:01 ID:1fTUDrHw
今日は・というのはしょっちゅう来ている証拠だ。
兄があの性格なので夢亜が拗ねる。兄が甘い物おごる。というのはいつもの事だったりする。

「今日は新規でエクレアが入ったよ。クリームもしっかり入ってて美味しかったよ。」
新しい商品が入るといつも教えてくれる。
しかもいつも一言簡単な感想を付けて。彼もまた甘党なのだ。

「よ。広司。いつ来ても居るなー。」
置いて来た兄が着いた。
私より先に友達に話し掛けたのが少し淋しかったりする……

「いや俺週6で入ってるから当たり前。星と夢亜ちゃんも負けてないぞ?」

538 :前スレ921 :05/02/17 13:08:02 ID:1fTUDrHw
兄は友達からは星(ほし)と呼ばれている。
私は兄の名前は気に入っているけどこのあだ名も結構お気に入り……

「そうか?じゃあ常連の俺らに暖かい飲み物でもおごってくれ。」
実はもう何を買ってもらうか決まっているのだが、兄と話したい反面、友達との会話を邪魔したくない。
私は未だにデザート売場に立っている。

「それより夢亜ちゃんの方行ってやれよ。暇そうだぞ」

「俺の話しは無視かよ……。夢亜ー、何買うか決まったかー?」
広司さんはいつもさりげなく気を使ってくれる。
やっと兄が私の方へ来た。

539 :前スレ921 :05/02/17 13:09:49 ID:1fTUDrHw
「うん!エクレアがいい!!新しいやつなんだって!!お兄ちゃんは?」

「じゃあ俺も夢亜と同じで。」
こういう時兄はいつも夢亜と同じ物だ。夢亜と星一は食べ物の好みが合うからそれでいいのだろう。
夢亜はエクレアを二つ取りレジへ向かった―――

「広司さーん!お願いしまぁ〜す♪」

「はいはーい♪」
広司さんはもうこのコンビニで二年以上働いている。
エクレア二つでも手際のよさが違う。普段のだらけきった姿からは想像出来ない姿だ。

「あ、これは俺から二人にプレゼント。夢亜ちゃん寒そうだしね。」

540 :前スレ921 :05/02/17 13:11:44 ID:1fTUDrHw
広司さんは暖かいミルクティーのホットペットを二本袋に入れてくれた。
広司さんは女の子には優しいのだ。

「ありがとぉ〜!苦あれば楽ありとはこのコトだね♪」
寒い思いをして来て得をした。やはり彼はいい人だ!

「流石広司!やっぱり広司は俺の無二の親友だ!」

「どういたしまして。ホットペット二本で友情を再確認されてもねぇ……」
広司さんは少し複雑な笑顔を浮かべた。

「まぁ、また来てよ。じゃ、気をつけて〜。ありがとうございましたー。」
これだけ普通に話しても店員としての挨拶は忘れないところが偉い。

541 :前スレ921 :05/02/17 13:20:49 ID:1fTUDrHw
「じゃ、頑張れや。」

「頑張って下さいね〜♪」
買い物も済み、夢亜と星一はドアへと向かう。

この時、夢亜はすっかり外の寒さを忘れていた……

――――――――――――――――――――――――――――――
今日は休みなので神たちが降臨する前に……。

次で一応今回の分(プロローグ・エピローグ除く)は終わりですのでもう少しお付き合いお願いします。

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0ch BBS 2004-10-30