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夏目房之介さんについて

652 :>651 :2000/09/06(水) 23:40
 ∧⊂ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 (゚Д゚)ノ < いや、どうやら本物の孫ラシイ。
 (|  |    \__________
〜|  |
  ∪∪



653 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/06(水) 23:48
――――――――――――――
夏目君知ってる?
__  __ .r――――――――
    ∨   | 千円札の肖像使用料でウハウハだってね
日 凸 U | ______
≡≡≡≡≡| /〃∧_∧  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 U ∩ [] ∨%(´∀` ) < んなワケねえだろ
__ ∧ ∧__∧_∧___)_ \_____
  (   ,,)日(    .)□   
― /   | ― (     )―――
\(__.ノ    ━┳━)
 ━┳━   └ ┃―・゛
 ̄ ┻  ̄ ̄ ̄ ┻ ̄ ̄ ̄ ̄




654 :夏目センセへ質問 :2000/09/06(水) 23:52
┌───────────────┐
|   Λ_Λ      よ  ど ギ モ  |
|  ( ´∀`)       い ち コ ナ |
|             か ら は  |  |
|   Λ_Λ         が    と |
|  (゚Д゚ )                  |
└───────────────┘


655 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 00:18
>642 「あくまで冷静な部分が嫌い」という人もいますけどね。

うん。それあるでしょうね。とくに熱血系マンガで育った世代で、いまでもそれを基準にしている人がそうなのかもしれないな。
でも、それってひとつは育ったマンガの時代が違うのと、僕が批評をなるべく遠くまで届くものにしたいからで、しょうがないですね。
性格もあるし、僕自身は世代感覚に拘泥するのはきちんとものをいえないってことと同義のように思えた時期があったので。
一度、世代共有感覚から離脱しないと、僕にとって広くて面白い場所に出られなかったんですね。
それからまた戻って味わい、考え直す行為は必要でしょうけども。

>643 構想だけが先走りし、自分の力量が追い付かず、なかなか作品をものにできない漫画家の卵に夏目さんだったらどのような言葉を投げかけますか。

僕自身がそうで、結局マンガ家じゃなくなったからなぁ。いしかわさんなんかのほうが適任じゃないかなぁ。
それに具体的な症状を聞かないと、いい加減なことしかいえない気もする。とにかく、描き続けるしかないんじゃない、とかね。
日本の漫画家って、自分でキャスティングして、脚本書いて、ディレクターやって、プロデューサーやるから、大変だよな。
構想ばかりってのは、脚本の発想ってことだとすれば、ディレクターやプロデューサー能力が必要ってことでしょうか。

656 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:25
今夜は1レスですか。

657 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:26
>日本の漫画家って、自分でキャスティングして、脚本書いて、ディレクターやって、プロデューサーやるから、大変だよな。

思うんですけど、それって分けられないんですか?アメリカみたいな分業制、とまでいわないですけど。
なんか大変だなあと私みたいなトーシロでもときどき同情してしまうんですか。

658 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 00:26
>648 マンガ夜話初期は楽屋で盛り上がりすぎて本番に支障がでたらしいですが、いまはどうなんですか。

今は楽屋でガス抜き状態になってますかね。
でも、こないだ山田五郎さんが放映後の楽屋で「出版夜話」状態で話してくれて、あまりに面白さに誰も帰れず、1時間たっぷり暴走しました。
放映どころか出版も絶対できない内容。出演者の役得です。

>649 ここに来てるようなファンにHP作ってもらって寄生すればいいんじゃないですか。

ははぁ、そういう手があるんですかね。なるほど。
寄生はなかなか魅力的なアイデアだなぁ。
できれば、英語堪能な人だと、海外の知り合いにも読んでもらえるかな。



659 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:26
タイピング能力が気になるなぁ〜

660 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:31
>ははぁ、そういう手があるんですかね。なるほど。
>寄生はなかなか魅力的なアイデアだなぁ。
>できれば、英語堪能な人だと、海外の知り合いにも読んでもらえるかな。

うら!誰か作れ(笑)



661 :P :2000/09/07(木) 00:32
>どうしてもカタキ役はいしかわさん、次に岡田さん
あはははは。なるほど。
TV発言に恨みを持った漫画家に刺されるということもあるかもしれませんな。
で、「ちがう・・・それを言ったのは・・・なつ・・・め・・」と言って
事切れるわけですな(笑)

趣味で将棋を指すのですが、プロの若手が批評家を待望するような文章を
書いてたことがあります。
だけど、将棋のように最善手があるゲームについてはプロ級の腕がないと
難しいと思いましたな。エッセイや観戦記など、批評の周辺にあるものなら
別だけど。
テトリスも似たようなものでは。RPGなどだとちょっと違うかもしれませんが。

662 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 00:36
>657 アメリカみたいな分業制、とまでいわないですけど。
なんか大変だなあと私みたいなトーシロでもときどき同情してしまうんですか。

そう思うよね。香港もアメリカタイプだし、日本だってある部分そういうことはやってる。
でも、作家主義だから、みんな恥ずかしいことみたいに、隠そうとする。
でも、その発想そのものは、すでに少年マガジン創刊の時点で、原作って形でスタートし、さいとうプロが実現もしてる。
有効な部分を考慮して、やってくことは可能だと思うけど、けっこうそういう価値観の文化って根強いし、システムがそうできてるからな。
書き下ろしの問題もでそうだけど、きちんとみんなが食べられる状態にしないと難しいでしょ。
でも、日本マンガって戦後相対的にずっと安くてのびてきて、原稿料もけして高くない。
だって週刊だと連載じゃ食べられなくて、単行本で始めて食えて、もうけるには著作権の他分野展開にならないと、っていう状況は、じつはマンガ自体は恵まれてるわけじゃないんじゃないかと。
ま、これから海外のマンガ文化、システムとの交流があって変わっていくと面白いけど。




663 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:37
>Pさん
技術的なことはそうでしょうが、「テトリスはなぜ楽しいか」は腕に関係なく考えられるんじゃないですか?
その「なぜ楽しいか」はかなり難しい問題だろうけど。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:37
波南カン子さんが大好きだったのですが、自殺したそうですね。あの、
男の夢を全否定するかのような女性たちがかなり面白かったです。惜
しい人を亡くしました。

665 :質問です :2000/09/07(木) 00:42
韓国女と一発やりたいんですけど、どうしたらいいですか?

666 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 00:45
>661 TV発言に恨みを持った漫画家に刺されるということもあるかもしれませんな。
で、「ちがう・・・それを言ったのは・・・なつ・・・め・・」と言って
事切れるわけですな(笑)

あはははは。それ面白い。ダイイング・メッセージで猫が描いてあったりして。
でも、漫画家だからなぁ。もっとねちねちしそうだな。縛って丸ペンで刺してくとか。
あ、そういえば、昔どんな漫画家の作品もそっくりフェイクできるゴーストライターが、暗殺されかけるってマンガ描いたことがある。
で、最近ある新聞広告の仕事で向こうが送ってきたラフが、もう驚くほど僕の作品まがいのペン入れされた完成品なんだよね。
でも、やっぱりこまかいとこマンガとしてつまんないので、直してこっちからまたラフ入れたら、広告主が「元に戻せ」っていってくんだもんな。
そういう職業の人がいて、マンガを集めて研究して、そっくりに描くんだそうだけど、面白い経験だったなぁ。

いかん、エッセイを書いてしまった。


667 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:54
>>666
多分、その仕事人の名は、コミックマスターJと言うのです(笑)

668 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 00:56
>667
うまい!!

669 :フィル :2000/09/07(木) 01:28
夏目さん、返信ありがとうございました。

私の場合の具体的な症状というのは、脚本を書く時の問題にあります。
おもしろそうなシーンを考え、演出することは、自分なりにはできるのです
が、それらをスムーズにつなげることができないのです。
脚本をあらかじめかっちり決めてしまうと、自分の持ち味だと考えている演
出力が抑制されてしまうし、強引に物語をつなげると、なにかリズムが失わ
れたり、物語の辻褄があわなくなってしまいます。
ゴダールのように黒抜きの字幕(のようなもの)を入れて無理矢理つなげる
ことも考えたのですが、それでは私が自分のマンガにもとめるエレガントさ
が得られないような気もしています。
これは私の敬愛する作家のレイモンドチャンドラーも生涯抱えていた問題な
のですが、彼は結局、問題を解決することができなかったようです。
画力は練習すれば、少しずつついていくというのは実感としてあるのですが、
こうした問題は難しいものですね。

しかし、こういった具体的なことよりも先人の偉大な仕事を見ているせいか、
今現在、自分の持っている物に満足できず、理想を追い過ぎてしてしまうの
が一番の問題なのかもしれませんけど、、、、。


>>とにかく、描き続けるしかないんじゃない、とかね。

これはまさにその通りです。とにかく日和らないで長く続けることをいつも肝に命じています。漫画家ではありませんが、チャンドラーは40を軽くこえてからデビューしたのですから、まだまだです。

>> 日本の漫画家って、自分でキャスティングして、脚本書いて、ディレ
クターやって、プロデューサーやるから、大変だよな。

でも、だから小回りが効いて面白いし、やりがいがあるのは確かです。
夏目さんの文章からもそういったものは、良く伝わってきますよ。

夏目さん、お忙しい所、本当にありがとうございました。
では、いつか私の作品が夏目さんの目にとまることを夢見て。


670 :アルトバイエルン :2000/09/07(木) 01:32
夏目先生、皆様、漫画以外の質問よろしいですか?

東京新聞の連載毎回楽しみにしています。

ちょっと前だったと思うんですが、
「気持ちはいまでも結構若手(若造かな?)なのに、
偉い人扱いされちゃってお尻がむずがゆくなるけれど、
まー年とったんだからしょうがないやね・・・と
受け入れられるようになった」
というようなことを書いておられたように思います。(うろおぼえ)
その、「若手から見たら自分も偉い人」っていう自分の位置を
認識して受け入れられたのはいつごろのことですか?
(何歳頃とか、どういう仕事してた時とか)

今、いつまでも若者でいたい(=責任を取りたくない)って
思っちゃってる中途半端な、年齢だけ大人、って人多いですよね。
あれを読んで、私も、周囲が認める自分の位置を自然に受け入れられる
大人になりたいなあ・・・と思いました。
って、充分大人か。すみません。          (27歳・女)

671 :P :2000/09/07(木) 01:34
>縛って丸ペンで刺してく
そりゃただの刺青ですわ(笑)
でもねちっこくて自分の作品についての批評にはいきなり興奮する人が
多そうだから、夜話に作者を呼ぶのはやめにしといたほうがいいでしょうねえ。
一回なら悪夢とか伝説の第XX回とかですむけど、毎回となるとそうはいかない。

>663
むずかしいですが、最善を尽くせば勝ちあるいは高得点、というものでは
通常、評論より技術論の範疇ではないかと思ったもので。
答えのあるものを探求する楽しみは数学などと共通するもので、
それの分析はなされているのではと思います。具体的には知りませんが。
それを突き抜け、技術を超えたところにのぞく人間性などは批評の対象と
なるかもしれず、それができるのは技術が相当秀でた人間だろうと
考えたのです。

ああ、むずかしいことをながながと書いてしまった。
いしかわ氏のチャームポイントは、ヒゲです。

672 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 02:31
>669 シーンを考え、演出することは、自分なりにはできるのです
が、それらをスムーズにつなげることができないのです。
脚本をあらかじめかっちり決めてしまうと、自分の持ち味だと考えている演
出力が抑制されてしまうし、

伺ってると、僕などがアドバイスする必要ないです。御自分の焦点はあってるんだろうから、苦労するだけなのかも。
参考にならないけど、僕は最初きっちりネームきってコマ数決めて描いてました。
でも、いざペン入れすると、どうしてもアドリブ入れたくなっちゃって、結果構成が破綻したりしてました。
でも、あるとき苦し紛れに、描きたい場面、思い付いた演出だけ先に描いて、それをつなげてみたら、うまくいったんです。
それから描きたいラストとか、盛り上がりだけ考えて、あとはもうアドリブでつなげるようにしました。
そのとき、ペンタッチも軽いものに変わっちゃいましたね。

>670 いや、気持ちが若いってより、なんか「権威」みたくみなされる距離感が、自分で理解できなかったんです。
それを受け入れよう、それしかないって思ったのは、じつにここ2年くらいですよ。
フリーだから遅いのかもしれない。
でも、若いっていわれて喜ぶだけのおじさんってのが、どうも間違ってるように思えるんですよね。
あの連載、今6月なかばまでの分を加筆して単行本化してますが、それだと文章量多いので、もう少し丁寧にわかってもらえるかもしれませんが。


673 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 02:38
あ、すいません。
670さん、6月なかばじゃなくて8月なかばまでの間違いです。

偽者疑惑も興味深く見せていただいたんですが、案外冷静かつバランスのある対応になっていくんで、感心しました。
どっちだって面白きゃいいじゃん、っていうのが、僕としては、自分に近い意見だたですね。

自分の発言で場が変わっていくのを、ネット上で見られて、色々勉強になります。
途中で、失礼ながらフィールドワークみたいな感じでやっていたので、他の要素を入れまいとしたんですが、そろそろ僕も慣れてきたので、なんか考えるかもしれません。

本日は、このへんで。
おやすみ。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 02:39
質問いいですか。

最近多い、「漫画文庫」については、どう思われますか。
気軽に入手できるのはいいんですが、
どうしても絵柄や空間より、テキスト(台詞)のほうに目がいってしまい
漫画を読んでる実感が薄いような気がします。

2chの皆さんの意見も聞かせていただけると嬉しいです。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 02:48
夏目先生こんばんは。
あまり、知識はないのですがお話に参加させてください。

漫画の共同制作について出ていましたが、合作漫画についてはどう思われますか?
有名どころでは、藤子不二雄、ゆでたまごなんかですが、脚本、作画の分業だけでなく
少女漫画などでも担当キャラを決めて、ネームから作画まで完全合作の作品もあります。
私は、複数の作家の個性がうまく牽引しあって各個人の作品とは違った面白い物になると思うのですが。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 03:24
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=famicom&key=967836422&ls=50

夏目さん、こっちも参加してくれー
煮詰まっているようだから

677 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 03:51
テトリスが何故楽しいかという話ですけど、
ゲームの根元的楽しさの一つに「欠落を埋める」というものがあって、
実際かなり多数のゲームは「プレイヤーが動かさなければ進行しないという
「欠落」を埋めるようにプレイしていく」という見方もできるわけで、
テトリスの「自分で好きなように穴(欠落)を作りつつ埋める」というルールは
面白くて当然。…というような批評をどっかで読んだ記憶があります。
すごく納得がいって面白いなと思ったんですけど、どうでしょう?

678 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 04:20
眠るのに失敗してしまった。

>674 「漫画文庫」
どうしても絵柄や空間より、テキスト(台詞)のほうに目がいってしまい 漫画を読んでる実感が薄いような気がします。

たしかに、あくまで復刻っていう位置づけですね。小さいから資料本の量に脅かされる身としては便利なんだけど。
あれが売れたのは、棚が新たに設けられたっていう側面も無視できないし、今のマンガ不況では重要な商品ですけどね。
海外には文庫って形式ないので、それからするとあったほうがいいけど、限界もある。
もともと文庫向きのマンガでなければ、まぁ、本来の版がいいってことでしょうが。

>675 合作漫画

分業も合作も、集団制作のバリエーションでしょうし、アシシタントやデータマンもそうでしょうから、いろんな可能性をさぐるほうがいいんでしょうね。
一方で、一人で全部やるからこそ面白いってことも、他の方あいったようにあるわけで、基本的に多様性のあったほうがいいんじゃないかと。
日本の市場なら、それができる余裕はあると思いますが。

677 テトリスの「自分で好きなように穴(欠落)を作りつつ埋める」というルールは
面白くて当然。…というような批評

うん、面白いですね。そういうのは批評になりうるんじゃないでしょうか。
人間ってへんなもんだと思う要素が、あのはまり方にはあるな。


679 :フィル :2000/09/07(木) 04:21
夏目さん、返信ありがとうございました。

他の方の質問もあるし、いつまでも御好意に甘えているのはみっともないので、この件について最後の書き込みをさせていただきます。

>>御自分の焦点はあってるんだろうから、苦労するだけなのかも。

夏目さんの仰る通り、苦労するだけなのかもしれませんね。
けれども、ストーリーに色々なトピックを引っ掛けていくと、少々ごてごてとした読みにくい物になってしまうので、流れるように話を描ける人を、うらやましく思ってしまうのも事実です。
しかし、これはマンガ的バランス感覚の鋭い岡崎京子さんでさえ、ストーリーとトピックのバランスの取れた「リバースエッジ」をものにするまでに、10年以上の歳月かかっているのだから、私ごときが簡単に実現できなくとも、もしかしたら、当然のことなのかもしれません。そう考えると気が楽になれます。

>>いざペン入れすると、どうしてもアドリブ入れたくなっちゃって、結果構成が破綻したりしてました。

これは良くわかります。私の十八番です。うーん、と頭を抱えて考えている時はアイディアがでなくても、いざ、ペンを入れる時になるとアイディアが出るんですよね。まったく、困ったものです。自分の頭の血のめぐりの悪さに少しうんざりします。

>>あるとき苦し紛れに、描きたい場面、思い付いた演出だけ先に描いて、それをつなげてみたら、うまくいったんです。

この方法は勢いと、なんというか、自分の描いた物を信じ抜く強い精神力みたいなものが必要そうですね。
でも、もしかしたら、私には今、そういったものがちょうど必要なのかもしれません。自分の描いた物に確信を持つのは非常に困難なことですが、ぜひ、この描き方を試してみたいと思います。私にできる事はただ描いてみる事だけですから。


夏目さん、本当にありがとうございました。心から感謝しております
お陰さまで、今、私の心には、小さな炎がやどりました。


PS このスレッドに夏目さんがお題をくれるのも面白いと思うのですが、どうでしょうか。



680 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 05:00
>679 この方法は勢いと、なんというか、自分の描いた物を信じ抜く強い精神力みたいなものが必要そうですね。

フィルさん、チャンドラーでしたっけ、やっぱかなりストイックなとこある方なんでしょうか。
僕は、ほんとに締め切りに追いつめられて、とにかく何頁か描かざるをえず、やけっぱちで、それを最後にもってきてやってみたんですよ。

それで、多分、大切なのは「自分の無意識の流れ」を信じるってことだったように思います。
むろん、無意識がそれだけの蓄積をもってたんでしょうが、別に神秘的なことじゃなくて、なんていうか。
これで誰かが死ぬわけじゃなし、やっちまえ、って感じだったかな。
人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。
それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね。

スレッドのお題ですかぁ。
孫の草枕とか。
猫のお茶会とか。
だめだ、眠くてアタマが死んでる。
では、このへんでほんとに寝させてもらいます。

681 :674 :2000/09/07(木) 05:01
夏目先生、お休みになろうとしていたのに
レス頂いて・・・・なんかすいませんです。
ありがとうございました。

>>679 さんの、先生からのお題ってのも面白そうですね。

682 :夏目房之介 :2000/09/07(木) 05:07
フィルさん、あと一言。すいません。
無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

厳密にえば、これらは比喩かもしれませんが、表現者にとって比喩や象徴は現実だったりしますからね。

いつか作品が目にふれたとき、フィルさんだってわかるとうれしいですね。
では、気楽にがんばってください。



683 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 05:41
なんか某駆け込み寺スレみたいだね。ここ。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 07:11
がーん、私の質問だけ無視されている。
そんなしょうむない質問だったかな。
まー、いいや。どうもすいません。

685 :684@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 07:14
すいません、あげてしまいました。

686 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 07:58
目に付いたものだけレスするつってるじゃん房ぴー。

687 :にっく :2000/09/07(木) 10:12
質問です。現在発売中の論壇誌(「中央公論」か「論座」だったような)で、
マンガ・アニメについての特集がありました。岡田斗司夫氏も寄稿していたのですが、
その中で非常に違和感を覚える部分がありました。
なにぶん立ち読みなもので、うろ覚えなのは大変失礼ですが、
岡田氏は昨今のマンガの衰退の一因として、以前は表現欲求を満たすには
小説家やマンガ家を目指すしかなかったが、現在ではインターネットで手軽に
その欲求が満たせるために、マンガ家を志す者が減っている、というような主旨を
述べておりました。
率直に言うと、これはいささか短絡ではないかと思うのですが、夏目先生は
実感としてどのように感じていらっしゃいますか?また、表現欲求というものに
ついて、夏目先生の個人的な考えをお聞かせいただければ幸いです。
僕もまた、表現欲求を持った一人の人間として小説家を目指しているので。

688 :にっく :2000/09/07(木) 10:19
<表現欲求というものについて、夏目先生の個人的な考え>
ちょっと抽象的で漠然としてますね。ええと、これはつまり、夏目先生自身の
表現欲求はどこから涌いてくるのか、とか、そもそも表現欲求とは何なんだろう、
みたいなことです。やっぱり抽象的ですね。申し訳ないです。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 10:47
>>638 大友克洋みたいな革新的なものがこれから出てくる可能性はほとんどない
ということですが、富沢ひとし「エイリアン9」「ミルククローゼット」の
表現技法(アクション性が高いのに、動線を使わず写真のカットを並べたような
画面構成)は、大友とまでは行かないにせよけっこう革新的だと思うのですが。
マンガ夜話でとりあげる予定はないですか?

あと、夏目先生はこのスレッドを見るときに掲示板から探していますか、
それとも直接ブックマークしていますか?
前者なら探しやすいように上げるけど、後者なら荒らしがこないように
下げます。とりあえず今回は上げとこう。

690 :魁!名無しさん :2000/09/07(木) 12:31
ここの荒らしって完全無視されてカワイソー(wara

691 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 12:33
そーいえば『アギャキャーマン』が復刻される数カ月前に
とあるフリーペーパーに谷岡ヤスジについてのリスペクト対談が
載ったんですけどその影響も後押ししての復刻だったんですか?

692 :691 :2000/09/07(木) 12:37
って、んなわけないよね…

693 :名無しさん@雀 :2000/09/07(木) 15:31
>テトリス
夏目さんが表現論でコマの大きさの大小で、【緊迫感】と【開放感】が
表現されるというような事をいってましたが、テトリスにも
同じ事が言えるのではないでしょうか?

つまり、ブロックが積み上がっていく【緊迫感】とブロックを消す【開放感】
その繰り返しがテトリスの気持良さなんじゃないですかね。
ですから、ある程度ブロックが積み上がってからでないと面白くないし
また、一列で消すより四列で消した方が落差が激しいので気持良い
それとブロックの落ちてくる速さも、それぞれのキャパぎりぎりの
ブロックのパターンが良ければ旨く行き悪ければゲームオーバーになる
ぐらいの速さがいいんですね。

ゲーム板に書いたほうが良かったかな(^^;

694 :名無しさん@雀 :2000/09/07(木) 15:49
(ノ`□´)ノ~┻━┻
↑は星一徹のちゃぶ台がえしを表した「顔文字」なんですが
ネットで流通している「顔文字」も漫画の一形態みたいなものですから
一度、夏目さんに何処かで語っていただきたいです。


695 : :2000/09/07(木) 16:38
石川九楊氏の「書きぶり」論は、夏目氏のマンガの描かれ方からの批評と、
かなり似ているところがありますよね。
書にとって、元々は石をひっかいてその傷跡として書かれた書の形態が、
筆と紙になった今でも、書家の頭では空間的なイメージが残っているそうです。

ところで、そのようなマンガと書の類似を考えた上で、
マンガにおけるCGの使用というのは、
表現を大きく変えるばかりではなく、マンガ批評も変えざるを得ないと思うのですが、
この点についてはいかがでしょうか?


696 :魁!HOT! :2000/09/07(木) 19:29
夏目さん、どんどん2ちゃん特有の「やめようと思ったら気になるレスが」「それを
返したら、また新しいレスが」の泥沼にはまりつつあるなあ…わくわく

697 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 22:59
217ですが、213さん他に事後報告。
「風雲児たち」の話題のときに同作品のスレッド作る!と言いましたが、
本日他の人が「雲竜奔馬終了スレ」(ああ!)をお作りになったので
そっちにかいています。夏目さんと関係なくてすまんが、一応報告。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/07(木) 23:13
あげとこっと

699 :T :2000/09/07(木) 23:22
夏目さんとフィルさんのやり取り、なかなか面白いですね〜。
なんかフィルさんの事、応援したくなってきた。

>一度、世代共有感覚から離脱しないと、僕にとって広くて面白い場所に出られなかったんですね。
>それからまた戻って味わい、考え直す行為は必要でしょうけども。
この考え方って、漫画評論だけでなく、ほかの分野(あるいは人生の局面)でも言えそう‥‥。
でも、頭で分かっていても実行するのは難しそうです。

夏目さん自身は、自分の作品について客観的な評論をする事は出来ますか?
創作に携わる者は、これがなかなか難しいと聞きますので‥‥。


700 :講座風@先生ごめんなさい :2000/09/07(木) 23:30
2ちゃんねるについて

 私の晩夏の眠りを妨げている2ちゃんねるを今回は取り上げてみたいと思います。
 インターネット上の巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」皆さん、知ってますか。観覧
席の人達、一部を除いて、知ってて当然という顔をしていますね。バスジャック犯
「ネオむぎ茶」、彼が活躍していた場としても有名で、ニュースでも多く取り上げら
れていましたね。
 突然ですが、僕の著作「夏目房之介の講座」を持っている人がいましたら、第五章
の「'60年代ジャズ喫茶と若者の走暗性」という項を開いてください。
いとう「夏目さん、宣伝ですか?」
 いや違います。勿論今回のテーマと関係のあることです。これは「暗い、重い、
閉鎖的、目立たない」ジャズ喫茶のことについて書いたもので、最も大方は私自身
の思い出話なんですが。
 ここで私はジャズ喫茶の便所に書かれた落書きについて記しています。ああ、皆
さんハハーンという顔をしましたね。そう、インターネット上の掲示板などの意見を
「便所の落書き」とどこかの誰か(注1)が評したことは有名な話です。ちょっと
抜き出してみます。
「造反有理」「世界革命万歳!」〜中略〜「沖縄解放→バーカ、奪還だよ!→ナンセ
ンス→お前ら10・21に何をしていた!?→死ね」
 →というのは、元の落書きに対して、別人が書いたものです。「沖縄〜」の落書
き、よく見て下さい。どうですか? そう、ナンセンス→逝ってよし 死ね→氏ね
(注2) としたら、ほとんど2ちゃんの書きこみのようではないですか。60年代の
ジャズ喫茶の便所の落書きが、現代の便所の落書き(失礼!)に通じるなんて、不
思議というか、人間はあまり変わっていないというか。ではスタジオに返します。



701 :講座風@先生ごめんなさい :2000/09/07(木) 23:34
いとう「随分今回は速く終わりましたね」
夏目「本物の邪魔をしたくはないので」

今回はこれまで。

(注1:どこの誰だかはよく知らない)
(注2:「逝ってよし」は「くだんねーこといってんじゃねーよバーロー、どっかい
っち(逝って)まえ」という感じ。「氏ね」は本来「死ね」なのだが、あまり死ね
という言葉を使うと、誹謗中傷の罪で逮捕される可能性もないことはないため、死を
氏と書くことで「うじね ですよ」と言い逃れることが出来るため作られた言葉。
共に2ちゃん用語。他に「オマエモナー」「age(エイジではなく、アゲと読む)」
「sage(同じく、サゲ)」などがあるが、ここでの説明はよしておく。)

702 :648 :2000/09/07(木) 23:49
夏目先生回答ありがとうございました。
こないだの山田氏はなんかおとなしいなあと思ってたら、
そんなところで爆発してたんですな。
主力雑誌のリニューアルが反感を買っているF社の話とかだったんでしょうね。
いいな、聞きたいな。

703 :484改めacdc :2000/09/07(木) 23:55
夏目さんに初質問です。

昨日だったか、マンガ夜話で永井豪が「石川賢じゃなくて自分がちゃんと書いた」
って抗議をした話が出てましたが、やっぱり「実はあのキャラはアシスタントの誰
それが描いてた」とかって指摘されると、たとえそれが事実でもマンガ家としちゃ
面白くないもんなんでしょうか?

またそれ(アシが手を入れてる)っていうのはあんまり大っぴらには言わないもん
なんでしょうか?

ん?よく読んだら662で答えが既に書かれてるよーな。。。(^^;


もう一つ、上の話と関連するんですが、マンガを分業して描く以上(どの程度分業
するかにもよりますが)クレジットもきちんと出すべきと思うのですが、いかがで
すか?

江川達也のところはかなりちゃんとクレジットしてますよね。永井豪とダイナミック
プロとか、どうくまんなんかも一人で描いてるわけではないのは見ればわかります。
個人名のみで表記してるマンガ家はやっぱひとりで全部描いてるのかしらん?

ちなみに僕は分業大賛成、つーかひとりで描こうがみんなで描こうが、できあがった
マンガが面白きゃそれでいい。ま、読み手はみんなそー思ってる気がするが。

てことは分業を隠したがるってのは作家と読者の意識の差?

704 : :2000/09/08(金) 00:28
>>703
つまんないツッコミ。ただ個人的に、少し気になったもので。

>ちなみに僕は分業大賛成、つーかひとりで描こうがみんなで描こうが、
>できあがったマンガが面白きゃそれでいい。
前半と後半が矛盾してますよ。
分業大賛成、なら後半は「分業の方が面白いマンガが多い」になるべきだし、
どのような画かれ方をしようと面白ければいい、ということなら、
クレジット云々はまったくどうでもいい話になるのでは?

僕としては、クレジットは絶対にちゃんとすべきだと思う。
というのは、「オレが作った」誘惑ってのは強力だから。
あらかじめ誰が作ったのか明記しておけば、後で困らないと思う。

705 : :2000/09/08(金) 00:41
で、フィルさんのマンガの描き方ですが。
実は僕も小説は書いています(もちろんプロではありません)。
まあ本が売れて左うちわでウハハウハハではないので(何だそりゃ)、
僕が言っても意味がないかもしれませんが。
僕は、プロットというのは、ネタの一種だと思っています。
無視してもいいが、困ったときは虎の巻、みたいな。

逆に、もしフィルさんのおっしゃるような状態なら、
プロットの作り方を考えた方がいいかもしれませんよ。
どんな風に作っているのか分かりませんが、
例えば、確定的なシナリオ調のプロットを書いてるなら、やめて、
シチュエーションのパターンから他のパターンへの移行のみ書いたプロット
(「主人公の独白」→「全体の俯瞰的描写」みたいな事を丁寧に書く)
というのも、有効だと思います。

以上、部外漢のざれごとでした。


706 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 00:45
しかし、完全に分業制になっちゃうと、職人肌が強くなっちゃってトンガった作品が出てきにくくなるんじゃないかね。
分業が必ずいいとは思わないかな。
手塚治虫がたしか子供向けの漫画書き方講座みたいな本で「いつまでも原作もらって書く漫画家は嫌い」と
か言ってた気がするな、そういや。

707 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 00:47
えーん、答えたい質問が多くて、うれしいけど、しんどいよー。
1時半からSRSみるし。

>687 岡田氏は昨今のマンガの衰退の一因として、以前は表現欲求を満たすには
小説家やマンガ家を目指すしかなかったが、現在ではインターネットで手軽に
その欲求が満たせるために、マンガ家を志す者が減っている、というような主旨を

中央公論9月号ですが、趣旨を少し取り違えられてるように思います。
媒体に表現するという行為が大衆化し、既成のマスではないがミニ・マスみたいな水準で表現行為ができるようになり、水位や圧力が下がったのではないk、という仮説のように読んだと僕は記憶します。
岡田さんの視点は表現者内部に入るのではなく、受け手と表現結果の流通の場所で語るスタイルだと思うので、その意味ではそれほどへんな意見とは思いませんが。
ただ、たしかに「表現の欲求」と書いていて、それは個人内部のものを含みますから、誤解はされるでしょうね。
688 名前:にっく 投稿日:2000/09/07(木) 10:19

夏目先生自身の 表現欲求はどこから涌いてくるのか、とか、そもそも表現欲求とは何なんだろう、

またそんな大論文必要なこと聞いて。僕は、表現欲求が内部から沸き上がってくるという認識は、表現者の内面でのリアリティだと考えます。
けれど、より普遍的ないいかたをするなら、表現は心的内容と心的形式(様式)、道具、対象、媒体が同時に働きあうことで生じる衝動ではないかと思ってます。
つまり、ペンと紙と腕の運動、想像としての相手や媒体が作用して、描きたい内容が欲求として立ち上がることもある、ってことですね。
欲求自体は、叫びたいとか、やりたいとか、っていうのと似たレベルでありえますが、表現・欲求というと、そうなるんじゃないかな。

ところで、本日夕方東京・中日新聞連載「これから」に、ここでの経験を2回分書きました。
東京新聞は9月19、26日の夕刊です。興味ある方はどうぞ。

708 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 01:10
>ところで、本日夕方東京・中日新聞連載「これから」に、ここでの経験を2回分書きました。
>東京新聞は9月19、26日の夕刊です。興味ある方はどうぞ。

ふんがー。関西在住なので読めないではないですか。記事出たらどんな内容か誰か教えて〜



709 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 01:13
夏目先生に相談があります。
松本大洋「ピンポン」の冒頭のセリフ、「僕の血は鉄の味がする・・・」の意味が
さっぱり分からないのですが、読み込みが足らないのでしょうか。もう10回以上
読み直しているのですが・・・。作品そのものは今まで読んだ漫画で一番と言って
いいくらい好きです。読んでいる途中で映画を見ているような気分になった作品で
した。

710 :花の湯宿 :2000/09/08(金) 01:23
先生、もうすぐ1時半です・・・といいつつ質問ス

絵を描くのが好きなマンガ家とストーリーを作るのが好きなマンガ家は
どっちが大成しやすいんでしょうか。
大物は最終的には分業にするなり、弟子に描かせるなり、絵を捨てます
よね・・・それって単なる体力の問題かなあ・・・

711 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 01:25
っつーか夏目さんSRS見てるんですか(笑)

712 :フィル :2000/09/08(金) 01:26
夏目さん、たびたびの返信、ありがとうございました。

>>フィルさん、チャンドラーでしたっけ、やっぱかなりストイックなとこある方なんでしょうか。

私は普段、いつでも不真面目だと怒られるようなバカなのですが、机の前に座ると、なにか、かまえてしまう癖があるようです。チャンドラーにしてもハードボイルドな部分よりも、品の良いユーモアセンスや鋭い観察眼に共感をしてるのですが、、、、。

>> 僕は、ほんとに締め切りに追いつめられて、とにかく何頁か描かざるをえず、やけっぱちで、それを最後にもってきてやってみたんですよ。

私の場合は明らかな力量不足のせいで、締め切りがあったらマンガを書き上げることはできないと思うのですが、こうした気持ちは大事なのでしょうね。



713 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 01:27
すみません。2回書き込みしようとしたら、なぜかNot foundになってしまい、文章がどっかいってしまいました。
いっぺんに全部書き込める方法はないもんだろうか。
しかたないので、とりあえずSRSをみてから、ノートパッドかなんかに全部書いて、分けて書き込もう。
これってすごく初歩的なアホなんでしょうか。
では、しばし失礼。

714 :這い寄る混沌 :2000/09/08(金) 01:27
夏目先生こんばんは。
ゲーム板のものです。
「マンガっていう分野を、他の何者でもないマンガとして、どう批評したらいいのか」
というのがあちらに書き込まれていましたが、その答えは出たのでしょうか?
自分は「他の何ものでもないコンピュータ(ビデオ)ゲーム」というのを
「ゲーム一般」(もっと言えば他の娯楽、メディア)から抜き出すことは可能か否か?
というところでぐるぐる回って混乱しております。

715 :フィル :2000/09/08(金) 01:27
>>それで、多分、大切なのは「自分の無意識の流れ」を信じるってことだったように思います。
むろん、無意識がそれだけの蓄積をもってたんでしょうが、別に神秘的なことじゃなくて、なんていうか。
これで誰かが死ぬわけじゃなし、やっちまえ、って感じだったかな。
人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。
それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね。

こうした精神的なことは今まで考えたことがなかったのですが、とてもためになります。
(人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね)いい言葉ですね。
無意識の状態でも蓄積は出る、無意識の流れを信じる、、か。
うん、きっと、そういうことなのでしょうね、『表現の芸』というのは。
すみからすみまで構成されていて、完成度が高いかわりには、どこか、スポイルされた印象を受ける作品があるのは、こうしたことができてないからかなのかもしれません。

>>無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

このことも、今まで、まったく考えたことがなかったのですが、言われてみると良くわかります。実際にマンガを描く時もそうだし、昔、スポーツをしていた時に、その感覚を強く感じたことがあります。

>>厳密にえば、これらは比喩かもしれませんが、表現者にとって比喩や象徴は現実だったりしますからね。

この言葉には痺れてしまいました。座右の銘にさせていてだきます。無料でこんないい言葉を聞いてしまって良いのでしょうか。


夏目さん、なにからなにまでためになることばかりでした。
本当に、ありがとうございます。

716 :フィル :2000/09/08(金) 01:28
>>それで、多分、大切なのは「自分の無意識の流れ」を信じるってことだったように思います。
むろん、無意識がそれだけの蓄積をもってたんでしょうが、別に神秘的なことじゃなくて、なんていうか。
これで誰かが死ぬわけじゃなし、やっちまえ、って感じだったかな。
人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。
それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね。

こうした精神的なことは今まで考えたことがなかったのですが、とてもためになります。
(人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね)いい言葉ですね。
無意識の状態でも蓄積は出る、無意識の流れを信じる、、か。
うん、きっと、そういうことなのでしょうね、『表現の芸』というのは。
すみからすみまで構成されていて、完成度が高いかわりには、どこか、スポイルされた印象を受ける作品があるのは、こうしたことができてないからかなのかもしれません。

>>無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

このことも、今まで、まったく考えたことがなかったのですが、言われてみると良くわかります。実際にマンガを描く時もそうだし、昔、スポーツをしていた時に、その感覚を強く感じたことがあります。

>>厳密にえば、これらは比喩かもしれませんが、表現者にとって比喩や象徴は現実だったりしますからね。

この言葉には痺れてしまいました。座右の銘にさせていてだきます。無料でこんないい言葉を聞いてしまって良いのでしょうか。


夏目さん、なにからなにまでためになることばかりでした。
本当に、ありがとうございます。

717 :フィル :2000/09/08(金) 01:29
>>それで、多分、大切なのは「自分の無意識の流れ」を信じるってことだったように思います。
むろん、無意識がそれだけの蓄積をもってたんでしょうが、別に神秘的なことじゃなくて、なんていうか。
これで誰かが死ぬわけじゃなし、やっちまえ、って感じだったかな。
人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。
それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね。

こうした精神的なことは今まで考えたことがなかったのですが、とてもためになります。
(人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね)いい言葉ですね。
無意識の状態でも蓄積は出る、無意識の流れを信じる、、か。
うん、きっと、そういうことなのでしょうね、『表現の芸』というのは。
すみからすみまで構成されていて、完成度が高いかわりには、どこか、スポイルされた印象を受ける作品があるのは、こうしたことができてないからかなのかもしれません。

>>無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

このことも、今まで、まったく考えたことがなかったのですが、言われてみると良くわかります。実際にマンガを描く時もそうだし、昔、スポーツをしていた時に、その感覚を強く感じたことがあります。

>>厳密にえば、これらは比喩かもしれませんが、表現者にとって比喩や象徴は現実だったりしますからね。

この言葉には痺れてしまいました。座右の銘にさせていてだきます。無料でこんないい言葉を聞いてしまって良いのでしょうか。


夏目さん、なにからなにまでためになることばかりでした。
本当に、ありがとうございます。

718 :フィル :2000/09/08(金) 01:30
>>それで、多分、大切なのは「自分の無意識の流れ」を信じるってことだったように思います。
むろん、無意識がそれだけの蓄積をもってたんでしょうが、別に神秘的なことじゃなくて、なんていうか。
これで誰かが死ぬわけじゃなし、やっちまえ、って感じだったかな。
人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。
それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね。

こうした精神的なことは今まで考えたことがなかったのですが、とてもためになります。
(人の無意識って、本人よりはるかに本人のいいたいことや、周囲の状況を正確に知ってるんです。それを、いかに発動させるかが、本質的には、表現の技術だし、芸だと思うんですね)いい言葉ですね。
無意識の状態でも蓄積は出る、無意識の流れを信じる、、か。
うん、きっと、そういうことなのでしょうね、『表現の芸』というのは。
すみからすみまで構成されていて、完成度が高いかわりには、どこか、スポイルされた印象を受ける作品があるのは、こうしたことができてないからかなのかもしれません。

>>無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

このことも、今まで、まったく考えたことがなかったのですが、言われてみると良くわかります。実際にマンガを描く時もそうだし、昔、スポーツをしていた時に、その感覚を強く感じたことがあります。

>>厳密にえば、これらは比喩かもしれませんが、表現者にとって比喩や象徴は現実だったりしますからね。

この言葉には痺れてしまいました。座右の銘にさせていてだきます。無料でこんないい言葉を聞いてしまって良いのでしょうか。


夏目さん、なにからなにまでためになることばかりでした。
本当に、ありがとうございます。

719 :フィル :2000/09/08(金) 01:34
バカみたいな何重もの書き込みをしてすみません。
なにか、エラーがあったようです。

720 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 01:43
「消えた魔球」では『格闘技には興味がない』と仰ってて、それが好きな私は残念だったのだけど…
太極拳の流れでしょうか(笑)?

721 :ナナシ :2000/09/08(金) 02:12
マンガ夜話のビデオを見ながら、夏目さんのカキコを見る・・・幸せ。(笑
夏目さんの中で、マンガ夜話で一番活躍できたと言うか、いい仕事したって
満足できたのはどの回でしょうか?
(なんか小学生レベルの質問・・・。)

722 :フィル :2000/09/08(金) 02:15
>>このスレッドに夏目さんがお題をくれるのも面白いと思うのですが、どうでしょうか

このことを書いたのは、ここには、マンガを愛している方、マンガに造型の深い方、マンガだけでなく他のジャンルにも通じている方など、普段生活をしていたら、けして出会うことのない不特定多数の人がおられると感じたので、その方たちの興味深い独自の見解をもっと聞いてみたいと思ったからです。


699のTさん、ありがとうございました。
私が根暗にマンガを描いていることを知っているものは、ほんの親しい友人しかいないので、なにか、うれしかったです。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 02:27
なかよしクラブじゃないんだからさー。

724 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 02:33
なんかしらんが、あげ

725 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 02:34
夏目さんはSRS見てから寝てしまったのでありませうか。


726 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 02:36
ここだけ本にしたいにゃー

727 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 02:44
>684 がーん、私の質問だけ無視されている。

ごめん。別に悪意も他意もないんです。何となくやってないと、間に合わんので。

>689 富沢ひとし「エイリアン9」「ミルククローゼット」の 表現技法(大友とまでは行かないにせよけっこう革新的だと思うのですが。
マンガ夜話でとりあげる予定はないですか?

伊藤剛さんという若手のライターが同じように評価してたので読んでみましたけど、僕はそこまで評価はしません。ま、面白いすけどね。夜話はまだ無理かな。

あと、夏目先生はこのスレッドを見るときに掲示板から探していますか、
それとも直接ブックマークしていますか?

後者です。

>691 『アギャキャーマン』が復刻される数カ月前に とあるフリーペーパーに谷岡ヤスジについてのリスペクト対談が 載ったんですけどその影響も後押ししての復刻だったんですか?

それは知らないかもしない。でも、いろんな影響があったんじゃないかな。

>693 テトリス 夏目さんが表現論でコマの大きさの大小で、【緊迫感】と【開放感】

なるほど、それもあるか。ちなみに僕は表現意図とか感情をあらわす「緊迫感」とかは使わず、機能として中性的な「圧縮」「開放」といってます。



728 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 02:45
>694 (ノ`□´)ノ~┻━┻
↑は星一徹のちゃぶ台がえしを表した「顔文字」なんですが

それ、前から関心あるんだけど、なかなかまとまって分析して書く機会ないので。
それに僕以外にもっとうまくできる人いそうな気もするしな。

>695 石川九楊氏の「書きぶり」論は、夏目氏のマンガの描かれ方からの批評と、 かなり似ている

そうなんだけど、僕は逆に近いから違いが気になる。石川さんは「同じだ同じだ」って、強引に「書の宇宙」に引っ張り込まれたんだけど(結果、すごく勉強になってよかったけども)、やはり大衆媒体表現と書の違いなのか、資質の違いか、石川さんは表現への倫理的な敷居が高いよね。ワープロ否定論だし。
基本的にドメスティックな組み立てなのもな。
でも、いい人なんですよ。

マンガにおけるCGの使用というのは、 表現を大きく変えるばかりではなく、マンガ批評も変えざるを得ない

そういう可能性はじゅうぶんある。表現ってのは、つねにそうだと思う。

>696 夏目さん、泥沼にはまりつつあるなあ…わくわく

そうなんあよお、この忙しいのに、わくわく・・・・じゃなくて、しくしく。
でも、面白くて楽しいことに、ついいっちゃうのがサガなんだよお。

>697 「風雲児たち」「雲竜奔馬終了スレ」(

僕も上の作品の広報係ファンなので、がんばってね。

>699 夏目さん自身は、自分の作品について客観的な評論をする事は出来ますか?

二様の答えがある。表現が自身の批評行為を必然的に含むって意味でなら、できる(それが強すぎて批評家にしかなれなかったって説も)。でも、人は本質的に自分のある部分しかわかんない、他の人みたいには絶対みたり、理解したりはできないって意味でなら、否。表現だえじゃなくて、一般にそうでしょうね。

>700 60年代の ジャズ喫茶の便所の落書きが、現代の便所の落書き(失礼!

なるほどなぁ。そういや、共通点はあるかもなぁ。面白い観点だ。



729 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 02:48
>702 いいな、聞きたいな。

でしょう? わーいわーい、うらやましいでしょ。

>703 誰 それが描いてた」とかって指摘されると、たとえそれが事実でもマンガ家としちゃ 面白くないもんなんでしょうか?

作家によるんだけどね。基本的には作家なんて自意識過剰で、神経過敏なので、本宮ひろしさんとか、むしろ例外でしょう。さいとうたかをさんだって、俺は顔は描いてるとかいうしね。理論的にわりきる人、何となく大人げないと思う人も、じつは内心面白くないのかもしれない。そういう人種なんです。それと、日本の職人尊重風土も関係なるかな。出版社自身が気にするよね。
でも、誰が手伝ってもその人の作品になってしまうってこともある。梶原マンガなんて原作なのに「ジョー」以外は梶原作品以外の何者でもない。だから、それを知ってる人間(夜話のレギュラー)は、別に悪口でも、批判でもなくていうんだけど、そうは受け取られない状況があるんですね。

>708 関西在住なので読めないではないですか。

すまん。しばし待って単行本で読んだほうがお得。12月刊。倍近く加筆するんで。

>709 松本大洋「ピンポン」の冒頭のセリフ、「僕の血は鉄の味がする・・・」

え? 作品読みなおさんと、ちゃんとしたこといえない。
でも、血って鉄の味するよ。それと「鉄コン」の符合では?

>710 絵を描くのが好きなマンガ家とストーリーを作るのが好きなマンガ家は どっちが大成しやすいんでしょうか。

一般的には後者でしょう。日本では。でも、大友以降、前者の割合はふえたかな。

>711 夏目さんSRS見てるんですか(笑)

最近、格闘技好きなんで。

>712 机の前に座ると、なにか、かまえてしまう癖があるようです。

わかりますよ。僕も、なぜかこういう質問攻めに弱い。なんでこんなに律義なんだろう。編集者にいわれた。とほほ。



730 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 02:49
>714 マンガっていう分野を、他の何者でもないマンガとして、どう批評したらいいのか」 というのがあちらに書き込まれていましたが、その答えは出たのでしょうか?
「ゲーム一般」(もっと言えば他の娯楽、メディア)から抜き出すことは可能か否か?
というところでぐるぐる回って混乱しております。

僕も同じでしたよ。で、その答えが「マンガ表現論」だったんですが、今再検討に入ってます。

715 昔、スポーツをしていた時に、その感覚を強く感じたことがあります。

そうそう、その感じなんです。僕もよくスポーツや格闘技に喩えるんですよ。

>720 『格闘技には興味がない』と仰ってて、それが好きな私は残念だったのだけど…
太極拳の流れでしょうか(笑)?

そうです。もともとケンカもしたことない非肉体派だったけど、今じゃ老骨に鞭打ってボクササイズです。
背中いてぇ。


731 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 02:51
>すまん。しばし待って単行本で読んだほうがお得。12月刊。倍近く加筆するんで。

営業しないでください(笑)
いや、買いますけど。


732 :n :2000/09/08(金) 02:57
夏目さんは現在の連載漫画とか見ていますか?
読んでいましたら
どういったものを現在読んでおられますか?

また単行本で見る楽しさと
毎週(毎月)「待ち」をして読む楽しさがありますよね
そういう単行本で読むと面白い!
間をおくと面白い!という漫画は存在するような気がします

733 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 03:00
「夏目・フィル対談」は見てておもろい。
>>>無意識を信じるって、アタマじゃなくて手が描くってことです。
>いざペン入れするとアイデアがでるのは手が出すんですよね。
>手という能動的感覚と運動の器官が脳を動かすのかもしれない。

マンガ夜話で、諸星大二郎が直観型作家だ、と仰られてましたが、
上記したあたりがそれに当たるのでしょうか。

僕も表現に関して無関心ではないのですが、まだ青二才なもんで青年的独我論から
脱却できずにいます。他人に対して語るってことに懐疑心を抱いてしまうわけです。
無意識に身を任せるっていうのは一つの解決法かもしれませんね。
現代思想じゃあヘーゲル=マルクス系列が失速して以来、言葉に力のない時代として
現代は認知されてるようだけど、そうするとマンガってのはいい表現形式かもしれませんなあ。

あ、あと質問いいですか? マンガ夜話で大槻ケンヂさんがいるときの夏目先生は
笑いが絶えないように思うのですが、やっぱり彼はおもしろいですか?(笑

734 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 03:06
>二様の答えがある。表現が自身の批評行為を必然的に
含むって意味でなら、できる
(それが強すぎて批評家にしかなれなかったって説も)

「オレは鑑賞眼がある。その鑑賞眼が自分の実力を上回っている」
と、立川談志師匠が言ってたのを思い出しました(笑)。
 これって、表現者としは、けっこうツライですよね〜。


735 :フィル :2000/09/08(金) 03:06
705のYさん、アドバイスありがとうございました。

たぶん、Yさんも私と同じようにプロットはあまり重要だとは思っていないのですね。

私の興味は大まかなプロットにぶらさげるトピックの方にあります。
例えば、いつもの通学路に、誰にも気付かれずに打ち捨てられていた死体の象徴するものであったり(その見せ方、演出でもあります。どんなにばかばかしい間抜けな状態であったとか)、主人公が漏らす、自分の街や携帯電話などに対する見解といったことなどです。

だから、プロットの書き方は、ここに戻ってこれれば大丈夫だという、ストーリー上の大きな柱をいくつか立て、後はアドリブで書き進めるというものです。
ちょうど、ジャズのハードバップの演奏のように。

こうした書き方は、想像力の自由な飛翔を助けるものではあるけれど、物語りの求心力を失わせる書き方でもあるようです。また、自分が固執する無数のトピックの中から、どれを生かし、どれを捨てればよいのかという、解けないパズルのようなものを作り出してしまいます。
ただ、自分の得意だと思っている部分を生かすには、私にとって今のところ、この書き方がベストだと思えるのも確かなのです。


こうして、書き込みをしていると自分の考えが、なんとんく、まとまっていくように感じるのは不思議ですね。キーを叩きながら考えているからでしょうか。


このスレッドを見ている皆さん、いきなりやってきたものが、このスレッドを難民キャンプのようにしてしまって申し訳ありません。お詫びいたします。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 03:07
夏目・フィル対談(大仰な言い方だなあ)では夏目さんの創作者としての考えがいろいろ聞けて、
あほな僕でも感ずるところが非常にありました。ほんと、ただでこんないい思いしていいんでしょ
うか。ちょっと悪い気がするのでまた明日夏目さんの本を買って収入に貢献してさしあげますわ。

あと、夏目さんからお題を出すっての僕もやってほしいっす。

737 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 03:07
>731 営業しないでください(笑)

少しはさせて〜(笑)。この労働時間を還元しないと。
いや、基本的にはそういうことしちゃいかんと思います。はい。

>732 現在の連載漫画とか見ていますか?

基本的に送られてくるもの以外、読みません。理由は時間がないからです。
体力の限界。つーか、単行本向きなんでしょう。80年代なかばには、もうそうなってたな。

というわけで、今日はこのへんで。
いやぁ、疲れた。明日は原稿わたし2件、単行本加筆、夕方からグレゴリー・バーサミアン展。
あさってはフランスから客がくる。あ、フランス人の研究者に知らせなきゃ。
というわけで、しばらくじっくりはこれないかも。
では、おやすみなさい。


738 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 03:09
漫画を表現形式から分析するという夏目さんの方法論は非常に興味深く読ませてもら
ってますが、夏目さんの目から「むむっ、なるほど」と思えるような表現分析をして
いる人は居るでしょうか?

727での伊藤剛さんの他にも注目している語り手がいれば教えていただきたいのです
が。

739 :ひつじ :2000/09/08(金) 03:31
>私の興味は大まかなプロットにぶらさげるトピックの方にあります。
>だから、プロットの書き方は、ここに戻ってこれれば大丈夫だという、ストーリー上の大きな柱をい>くつか立て、後はアドリブで書き進めるというものです。

面白そうですね。けど、どんな形になるんだろう。僕はあほなのでよくわかりません。
小説ですけど、村上春樹さんなんかは、一見関係ないような描写をところどころに組み込んで、それを
結局は一つのテーマへと編み上げていくっていうようなことをしますよね。それに近い感じでしょうか
(違ってたらすいません。村上春樹好きなんで、ついそっちに想像がいってしまった)。
しかしフィルさん、夏目さんに負けずいい文章を書いてますね。いっそ評論家目指してみたらどないですか(笑)

740 :まこと :2000/09/08(金) 03:35
富沢ひとしサンの漫画は、何故どこにも売ってないのでしょうか?
ちなみに、吉祥寺在住です。


741 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 04:11
夏目さんの負担を減らすためにも、他で聞けることは他で調べるなりしたほうが良い。

でも昔のサロンってこんなカンジかもね。奥付けに作家の住所書いてあって
酒持参で押しかけるとかあったらしいけど、部数少なかったからなあ。
今じゃただのストーカー。(しかし、人は一生に一回はストーカーにならなければ行けないと思う。持論)
ただ、ここでは根づくと言うか後に繋がる出会いが無いのが寂しいような、気楽さ。
人の話を聴くのが好きと言うのは、遺伝するものだなあと思いました。


742 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 04:15
夏目さん、ブラクラ踏んだ?

743 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 04:37
>733 大槻ケンヂさんがいるときの夏目先生は 笑いが絶

だって大槻さんのファンなんだもん。おもに小説だけど。

>735 いつもの通学路に、誰にも気付かれずに打ち捨てられていた死体の象徴するものであったり(その見せ方、演出でもあります。どんなにばかばかしい間抜けな状態であったとか)、主人公が漏らす、自分の街や携帯電話などに対する見解といったことなどです。

そうか、フィルさんはBDっぽいのかな。
いかんな、どうもフィルさんの言葉は波長があうのか、何か書きたくなる。
文章書きとして、文に切実さを感じるってこともあるんだけど。
「ジャズのハードバップの演奏のように。」
なんて、泣かせるなあ。僕は似たことを山下洋輔で考えたなんだけどね。30年前に。

>736 悪い気がするのでまた明日夏目さんの本を買って収入に貢献してさしあげますわ。

えらいっ! あんたはえらいっ!(小松政男)(泣)



744 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 04:41
あ、またバカなことやって、半分書き込みを消してしまった。

ほんとにもう寝る。それではみなさん、今週はこれるかどうかわからない。
ごゆっくり。

See you next week,same channel same net!
May be.....

745 :にっく :2000/09/08(金) 04:55
ご返答ありがとうございます。

>岡田さんの視点は表現者内部に入るのではなく、受け手と表現結果の流通の場所で語るスタイルだと思うの
>で、その意味ではそれほどへんな意見とは思いませんが。

なるほど、僕の読解が甘かったようです。この点留意しながらもう一度
読んでみます。

>けれど、より普遍的ないいかたをするなら、表現は心的内容と心的形式(様式)、道具、対象、媒体が同時に
>働きあうことで生じる衝動ではないかと思ってます。
>つまり、ペンと紙と腕の運動、想像としての相手や媒体が作用して、描きたい内容が欲求として立ち上がるこ
>ともある、ってことですね。

言われてみると、ああなるほど!と感嘆します。
感嘆します、以上のことが言えないのがもどかしいですが。

繰り返しになりますが、ご返答ありがとうございました。

746 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 05:16
>>742
どれがブラクラ?

>>744
>半分書き込みを消してしまった
読みたい・・・

今週は来れませんか、このスレも一段落かな?個人的には休み明けテストがあるから
勉強に専念できていいけど。
・・・意味ねえ事書いた。sageるね

747 :夏目房之介 :2000/09/08(金) 09:57
なあ〜んちゃってね。
また目がさめてしまった。時々、朝早く目が覚めてしまうのですよ。
じじいだね、こりゃ。また偽者疑惑になるかな。

>739 村上春樹

なあるほどね。初期の村上ですね。けど、あの人は結局物語の構築にいったけども。
僕も「ダンスダンス」以前までの村上は、ほとんど唯一といっていいくらい大好きな作家だった。

フィルさん、夏目さんに負けずいい文章を書いてますね。いっそ評論家目指してみたらどないですか(笑)

こらこら、ライバルふやすんじゃない。
でも、たしかに批評性の勝ってるタイプなのかな。

>740 富沢ひとしサンの漫画は、何故どこにも売ってないのでしょうか?

僕は赤羽の書店で買ったが、ブックオフとかのほうがあるのかな。

>741 夏目さんの負担を減らすためにも、他で聞けることは他で調べるなりしたほうが良い。

えらいっ! あんたはえらいっ!(小松・・・・・略)

>昔のサロンってこんなカンジかもね。

なるほど。面白い見方だ。たしかに、今じゃ昔のサロンはうっとおしいでしょうな。
けど、こうした掲示板もまたせわしない。展開早い。文短い。醸成する時間がない。
それでも、同じような欲求が底にあるのかもしれない。


今じゃただのストーカー。(しかし、人は一生に一回はストーカーにならなければ行けないと思う。持論)

そ、誰だって思春期にはストークするか、その気分をもつ。
どこで「異常」との敷居を考えるのか、むずかしい。

>742 ブラクラ踏んだ?

ブラクラって何?

答えが長いので、書き込みきれず、うっかり半分コピーして貼り込んで書き込みクリックしたら、あとの半分がどっかいっちゃった。
で、ここに書いたのが、あとの半分・・・の記憶。

さて、しかたないから、とりあえず朝の運動にいこう。




748 :名無しさん :2000/09/08(金) 10:00
夏目先生、お茶目だ・・・(^^;

749 :名無しさん :2000/09/08(金) 10:03
>ブラクラ
ブラウザクラッシュのことで、うっかり開くとブラウザが壊れます。
再起動しなくてはなりません。

だいたいは、いやらしい文章の前後に配置されています(笑)。


750 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 10:13
夏目氏に合うならこの時間帯が狙い目かな?
しかし、常にこちらの予想を覆してきてるからなー(笑)。

スレの本題に戻って
>734
夏目氏も鑑賞眼が、自分の実力を(かなり大幅に)追い越しちゃったタイプなんだと思います。

>夏目氏
以前、著作で手塚治虫氏について「怖い人」と表現してましたが、どういう感じだったのでしょうか?
うーん、初心者丸出しな質問だ。

751 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/09/08(金) 10:21
夏目さんは常時接続なんですか?
そうじゃなかったら今月から電話代が跳ね上がりそう。



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