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[試作]姉に言われたいセリフ

93 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 12:55:42 ID:E/ZEpH5u
初夏。
縁側に座布団持ち込んで、やわらかく差し込む日差しのなかでうたた寝する。
ちょいと離れたところに、うちで飼ってる猫が丸くなってる。
不意に、てくてくとこちらに歩いてくる気配があった。
身長138cmの童顔の『女性』。
「ねーさん、今日もミニマムサイズだね」
スカン、と冷えた緑茶の入ったペットボトルが脳天に叩きつけられる。
「うるさい、デカブツ弟」
ミニマムねーさんはそう言うと、俺の隣にちょこんと座って茶をコップに注ぐ。
「あたしがミニマムなんじゃなくて、世の中がビッグサイズすぎるの。
 ねーさん、いつも言ってるでしょ」
ほんとの子供みたいにむくれながらも、ねーさんは俺にコップをよこす。
そのコップを片手で受け取ると、ねーさんはそのままで茶をついでくる。
茶をすすりながら、ねーさんをチラリと横目で見る。


94 :名無しくん、、、好きです。。。 :2005/06/01(水) 12:56:18 ID:E/ZEpH5u
ミニマムサイズのフラットボディに、Tシャツと短パンにはだし。
何処からどう見ても、お子様。当然、色気なんぞ欠片も無し。
切りそろえられたロングヘアーだけは大人の女性っぽくキレイなんだけど。
豪快に上げたオデコと眼鏡が余計に童顔を際立たせてるんだよねぇ。
おまけに、寝てる時とまったく区別つかないほどにほそーい糸目だし。
稲荷蓮花(いなり はすか)。小学校新任教諭。
年は離れてるけど確かに俺の、実の姉。
ちなみに俺は青春真っ盛りの高校生。帰宅部。彼女はいない。
俺の視線にも気づかず、ねーさんは茶を飲みながら猫をいじくってる。
「ねーさん、学校はどう?」
俺の何気ない問いにねーさんは何故かムスッとしている。
「お稲荷ちゃん」
唐突に、ねーさんの小さい口からそんな単語が出る。
「先生だと信じてもらえなかった挙句、友達としてあだ名つけられた」
不意に、まぶたの裏にその時の光景がリアルに浮かび上がる。
ねーさんは、ぷくぅと両頬を膨らませるとぷぅーと息を押し出した。
「いーじゃん、愛されて。いまどきの子供は色々とアレじゃん?」
俺がそう言うと、ねーさんは猫に覆いかぶさって顔を腹にうずめた。
「教師の威厳と、大人の尊厳を踏みにじられた」
猫の腹に顔をうずめたまま、ねーさんは不満そうにぼやく。
「ねーさんて、今日も体型がフラットだよね」
スカン、とまた脳天にペットボトルが直撃する。
「うるさい黙れ、無神経巨大生物弟」
初夏の日差しは相変わらず気持ちよくて、時々吹く風は優しかった。

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0ch BBS 2004-10-30